JP3353436B2 - 電流増幅制御装置 - Google Patents

電流増幅制御装置

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JP3353436B2 JP01613394A JP1613394A JP3353436B2 JP 3353436 B2 JP3353436 B2 JP 3353436B2 JP 01613394 A JP01613394 A JP 01613394A JP 1613394 A JP1613394 A JP 1613394A JP 3353436 B2 JP3353436 B2 JP 3353436B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電流をフィードバック
することのない電流増幅装置によりモーターを駆動する
場合において、モーターの逆起電圧の影響を補正しモー
ター電流指令値に対するモーターへの入力電流の誤差を
なくす方法を備えた電流増幅制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モーター駆動式四輪操舵車に適用
される電流増幅制御装置としては、例えば、図10に記
載のものが知られている。
【0003】図10はモーター1の位置決め制御を行う
コントローラであって、モーター角位置指令値θ* とモ
ーター角位置信号θにより電流指令値I* を演算するモ
ーター位置決め制御演算部2と、モーター位置決め制御
演算部2からの電流指令値I* にしたがいモーター入力
電流を制御する電流増幅制御装置3から構成される。そ
して、電流増幅制御装置3は、実際のモーター電流Iを
検出し、これをフィードバックすることにより、電流指
令値I* に一致したモーター電流Iを得るようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電流増幅制御装置にあっては、実際に流れるモータ
ー電流Iを検出する電流検出部4や電流フィードバック
部5において三角波発生器や右回転回路部や左回転回路
部を必要とするため、コントローラのコストが高くなっ
てしまうという問題があった。
【0005】そこで、本出願人は、先に特願平6−38
71号(平成6年1月19日出願)において、モーター
電源電圧,モーターの内部インピーダンスおよび各素子
の遅れ等を考慮し、パワートランジスタ・スイッチング
時間をモーターの位置決めを行なう演算装置により演算
し、この演算結果に基づき演算装置から直接、パワート
ランジスタのスイッチングを行なう構成とし、これによ
り、モーター電流をフィードバックすることなくモータ
ー制御部からの電流指令値と一致するモーター電流が得
られる装置を提案した。
【0006】しかしながら、この先行する電流増幅制御
装置にあっては、モーター逆起電圧の影響を考慮してい
ないため、モーターが高速で回転すると電流指令値とモ
ーターの入力電流が一致しなくなってしまい、モーター
の位置決め応答が設計者の希望する応答と異なってしま
うという問題を残している。
【0007】本発明は、このような問題に着目してなさ
れたもので、第1の目的とするところは、電流指令値に
基づきモーター電流を制御する電流増幅制御装置におい
て、電流検出部や電流フィードバック回路を必要とせず
コスト的に有利としながらモーターが高速で回転する時
に設計目標にほぼ一致するモーターの位置決め応答を得
る装置を提供することにある。
【0008】第2の目的とするところは、第1の目的に
加え、モーターへ入力する最大電流が制限されている場
合に精度よくモーターの逆起電圧を推定することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の第1の発明の電流増幅制御装置で
は、図1のクレーム対応図に示すように、モーターaに
電流を供給するパワートランジスタ部bと、モーターa
の角位置を検出するモータ角位置検出手段cと、モー
ターaの電源電圧を検出するモーター電源電圧検出手段
dと、モーターaの動特性の非線形性やモデル化誤差を
補償しモーターの動特性が常に予め設定された線形モデ
ルとなるようにロバスト補償制御するためのモーター入
力電流を算出するモーター動特性補償部eと、予め設定
されたモーターaの動特性を得るためににモデルマッチ
ング演算を行ってモーター入力電流を算出するモーター
位置決め制御部fと、前記モーター動特性補償部eによ
り算出されたモーター入力電流と前記モーター位置決め
制御部fにより算出されたモーター入力電流を加算し、
モーター電流指令値を決定するモーター電流指令値決定
部gと、前記モーター位置決め制御部fにより算出され
たモーター入力電流と前記モータ角位置検出手段c
により検出されたモーターの角位置と、前記モーター動
特性補償部eで予め設定された線形モデルのモーター動
特性と、に基づきモーター角速度を推定し、推定された
モーター角速度と、予め測定したモーターの逆起電圧定
数との積算によりモーターaの逆起電圧を推定するモー
ター逆起電圧推定部hと、前記モーター電源電圧検出手
段dにより検出されたモータの電源電圧から前記モータ
ー逆起電圧推定部hにより推定されたモーターの逆起電
圧を減算した値を、予め測定したモーターaやパワート
ランジスタ部bのインピーダンスにより除算して求めた
電流値と、前記モーター電流指令値決定部gにより決定
したモーター電流指令値との比に応じて前記パワートラ
ンジスタ部bの基本スイッチング時間を決定する基本ス
イッチング時間演算部iと、前記モーター電流指令値と
前記基本スイッチング時間に基づいて、前記パワートラ
ンジスタ部bのスイッチングを制御するパワートランジ
スタ・スイッチング制御部jと、を備えていることを特
徴とする。
【0010】上記第2の目的を達成するため請求項2記
載の第2の発明の電流増幅制御装置では、図1のクレー
ム対応図に示すように、請求項1記載の電流増幅制御装
置において、前記モーターaへ入力する最大電流が制限
されている場合、前記モーター逆起電圧推定部hは、逆
起電圧推定に用いる電流値uとして、 I* ≦Imax のとき、 u=IM** >Imax かつIM*≦Imax のとき、 u=IM*−{IR*−(Imax −IM*)}/2 I* >Imax かつIM*>Imax のとき、 u=Imax ここで、 u;逆起電圧推定に用いる電流値 I* ;モーター電流指令値 Imax ;モーター入力電流最大値 IM*;モーター位置決め電流 IR*;モーター動特性補償電流 を用いることを特徴とする。
【0011】
【作用】第1の発明の作用を説明する。
【0012】パワートランジスタ部bからモーターaへ
の電流供給時、モーター動特性補償部eにおいて、モー
ターaの動特性の非線形性やモデル化誤差を補償しモー
ターの動特性が常に予め設定された線形モデルとなるよ
うにロバスト補償制御するためのモーター入力電流が算
出され、モーター位置決め制御部fにおいて、予め設定
されたモーターaの動特性を得るためにモデルマッチン
グ演算を行ってモーター入力電流が算出され、モーター
電流指令値決定部gにおいて、前記モーター動特性補償
部eにより算出されたモーター入力電流と前記モーター
位置決め制御部fにより算出されたモーター入力電流を
加算し、モーター電流指令値が決定される。そして、モ
ーター逆起電圧推定部hにおいて、前記モーター位置決
制御部fにより算出されたモーター入力電流と、前記
モータ角位置検出手段cにより検出されたモーターの
角位置と、前記モーター動特性補償部eで予め設定され
た線形モデルのモーター動特性と、に基づきモーター角
速度を推定し、推定されたモーター角速度と、予め測定
したモーターの逆起電圧定数との積算によりモーターa
の逆起電圧が推定される。そして、基本スイッチング時
間演算部iにおいて、モーター電源電圧検出手段dによ
り検出されたモータの電源電圧から前記モーター逆起電
推定部hにより推定されたモーターの逆起電圧を減算
した値を、予め測定したモーターaやパワートランジス
タ部bのインピーダンスにより除算して求めた電流値
と、前記モーター電流指令値決定部gにより決定したモ
ーター電流指令値との比に応じて前記パワートランジス
タ部bの基本スイッチング時間が決定され、パワートラ
ンジスタ・スイッチング制御部jにおいて、前記モータ
ー電流指令値と前記基本スイッチング時間に基づいて、
前記パワートランジスタ部bのスイッチングが制御され
る。
【0013】したがって、電流検出部や電流フィードバ
ック回路を必要とせずコスト的に有利としながら、モー
ターaの動的特性と位置決め電流と角位置情報を用いて
モーター逆起電圧が推定され、この推定逆起電圧を用い
て直接検出したモーター電源電圧を補正することで、モ
ーターaが高速で回転する場合においても設計目標にほ
ぼ一致するモーターaの位置決め応答が得られる。
【0014】第2の発明の作用を説明する。
【0015】モーターaへ入力する最大電流が制限され
ている場合、前記モーター逆起電圧推定部hにおいて逆
起電圧推定に用いる電流値uを、上記のように、電流指
令値I* に対するモーター入力電流最大値Imax とモー
ター位置決め電流IM*に対するモーター入力電流最大値
Imax との大小関係に応じ、IM*からImax までモータ
ー動特性補償部eとモーター位置決め制御部fとの重み
づけを同じに規定することで、より正確にモーターaの
角速度を推定でき、この結果、モーターaへ入力する最
大電流が制限されている場合に精度よくモーターaの逆
起電圧を推定することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】まず、構成を説明する。
【0018】図2は本発明実施例の電流増幅制御装置を
示すブロック構成図である。
【0019】実施例装置は、図2に示すように、モータ
ー100(モーターaに相当),コントローラ101,
角位置検出装置102(モーター角位置検出手段cに相
当)で構成されている。
【0020】前記コントローラ101は、モーター角位
置検出装置102からのモーター角位置信号θとモータ
ー電源電圧VE とモーター角位置指令値θ* を入力し、
パワートランジスタ制御信号を出力する演算装置111
と、パワートランジスタ制御信号に基づいてモーター1
00に電流を供給するパワートランジスタ部110(パ
ワートランジスタ部bに相当)で構成されている。
【0021】前記演算装置111は、モーター位置決め
制御部130と、電流増幅制御演算部131とを有して
構成されている。
【0022】前記モーター位置決め制御部130につい
て、後輪操舵制御系と本実施例の電流増幅制御装置とを
組み合わせてモーター位置決めコントローラを構成した
場合について説明する(図3参照)。
【0023】モーター位置決め制御部130は、ロバス
ト補償により制御対象の非線形性やモデルか誤差を補償
し制御対象が常に設計者が定めた線形モデルになるよう
制御するロバスト補償器130a(モータ動特性補償部
eに相当)と、制御対象の応答が設計者が希望する応答
になるように制御するモデルマッチング制御部130b
(モーター位置決め制御部fに相当)と、パワートラン
ジスタ部110等の素子の能力を考慮し、ロバスト補償
器130aの出力IR*とモデルマッチング制御部130
bの出力IM*を加え合わせた値の最大値に制限を加えて
電流指令値I* を算出するモーター入力電流制限部13
0c(モーター指令電流値決定部gに相当)からなり、
電流増幅制御演算部131に各演算結果であるモーター
電流指令値I* ,モーター動特性補償電流IR*,モータ
ー位置決め電流IM*,モータ角位置θを出力する。
【0024】前記電流増幅制御演算部131は、図2に
示すように、モータ電源電圧検出部120(モーター電
源電圧検出手段dに相当)と、基本DUTY比演算部1
21(基本スイッチング時間演算部iに相当)と、DU
TY比補正量演算部122と、パワートランジスタ・ス
イッチング制御部123(パワートランジスタ・スイッ
チング制御部jに相当)と、モータ逆起電圧推定部(モ
ータ逆起電圧推定部hに相当)124を有して構成され
ている。
【0025】前記モーター電源電圧検出部120は、モ
ーター100の電源電圧VE を検出する。前記基本DU
TY比演算部121は、予め測定してあるモーター10
0の内部抵抗やパワートランジスタ部110のON抵抗
等の合成抵抗値とモーター電源電圧VE からパワートラ
ンジスタ・スイッチング周期FW におけるスイッチング
ONの比率(PWM−DUTY比)を算出し、パワート
ランジスタ部110の基本出力段スイッチング時間TD
を演算する。前記DUTY比補正量演算部122は、基
本DUTY比演算部121で演算される基本出力段スイ
ッチング時間TDの補正量を演算し、補正出力段スイッ
チング時間TC を算出する。前記パワートランジスタ・
スイッチング制御部123は、基本出力段スイッチング
時間TD と補正出力段スイッチング時間TC を加え合わ
せた時間TONとモーター電流指令値I* に基づいて、パ
ワートランジスタ部110のスイッチングを制御するパ
ワートランジスタ制御信号を出力する。
【0026】前記モータ逆起電圧推定部124は、モー
ター電流指令値I* ,モーター位置決め電流IM*,モー
タ角位置θを入力し、ロバスト補償器130aにより線
形化された制御対象の伝達特性から図4に示すようなモ
ーター角速度推定器を構成し、このモーター角速度推定
器から得られるモーター角速度推定値dθ# と、予め測
定したモーター100の諸元値である逆起電圧定数KR
によりモーター100が回転することにより生じる逆起
電圧VR が推定検出される。
【0027】尚、この実施例で使用する上付き符号で、
*は目標値を表し、#は推定値を表すものとする。
【0028】次に、作用を説明する。
【0029】[電流増幅制御作動処理]図5はコントロ
ーラ101の演算装置111で行なわれる電流増幅制御
作動処理を示すフローチャートで、以下、各ステップに
ついて説明する。
【0030】ステップ50では、モーター100の位置
決め時間であるか否かが判断される。
【0031】ステップ51では、モーター角位置信号θ
とモーター角位置指令値θ* とが入力される。
【0032】ステップ52では、ロバスト補償器130
aにおいてモーター動特性補償電流IR*が算出される。
【0033】ステップ53では、モデルマッチング制御
部130bにおいてモーター位置決め電流IM*が算出さ
れる。
【0034】ステップ54では、モーター動特性補償電
流IR*とモーター位置決め電流IM*とを加算することで
モーター電流指令値I* が決定される。
【0035】ステップ55では、パワートランジスタ制
御信号の演算時間であるか否かが判断される。
【0036】ステップ56では、モーター電源電圧VE
が入力される。
【0037】ステップ57では、モーター逆起電圧推定
部124において、モーター角位置信号θとモーター動
特性補償電流IR*とモーター位置決め電流IM*により逆
起電圧VR が算出される。
【0038】ステップ58では、モーター電源電圧VE
と逆起電圧VR とモーター電流指令値I* と予め測定し
てあるモーター100の内部抵抗やパワートランジスタ
部110のON抵抗等の合成抵抗値RM により、パワー
トランジスタ・スイッチング周期FW におけるスイッチ
ングONの比率(PWM−DUTY比)DT が算出され
る。
【0039】ステップ59では、PWM−DUTY比D
T とパワートランジスタ・スイッチング周期FW により
基本出力段スイッチング時間であるパワートランジスタ
ON基準時間TD が算出され、このパワートランジスタ
ON基準時間TD とパワートランジスタ部110におけ
るゲート抵抗R1 とゲート容量C1 によりパワートラン
ジスタ部110の補正出力段スイッチング時間であるゲ
ートのスイッチング延長時間TC が算出される。
【0040】ステップ60では、ゲートのスイッチング
延長時間TC とパワートランジスタON基準時間TD
よりパワートランジスタスイッチ時間TON(=TD +T
C )が算出される。
【0041】ステップ61では、モーター電流指令値I
* から出力方向(正転か逆転か)を決定し、パワートラ
ンジスタスイッチ時間TONにしたがって、パワートラン
ジスタ・スイッチング制御信号が出力される。
【0042】[電流増幅制御作用]電流増幅制御は、図
5に示すフローチャートにしたがって行なわれる。
【0043】すなわち、ステップ57では、モーター逆
起電圧推定部124において逆起電圧VR が算出される
が、このモーター逆起電圧VR の推定について説明す
る。
【0044】まず、ロバスト補償器130aにより線形
化された制御対象の伝達特性から図4に示すようなモー
タ角速度推定器が構成されるが、線形化された制御対象
の伝達特性は、下記の式で表すことができる。
【0045】 θ=nmo/(s2 +dm1s+dmo) …(1) ただし、s;微分演算子 また、モーター角速度推定器の状態方程式は、下記の式
で表すことができる。
【0046】 dω/dt=A#・ω+Kθ+B#・u …(2) dθ# =Dω+Hθ …(3) ただし、u;モーター角速度推定器入力(=IM*) A# =−dm1−L B# =Lnmo K=−L(dm1+L)−dmo H=L dθ# ;モーター角速度推定値 L;設計者が任意に設定する定数 上記式から算出されるモーター角速度推定値dθ# と、
予め測定したモーター100の諸元値である逆起電圧定
数KR により、モーター100が回転することにより生
じる逆起電圧VR は下記の式にて推定算出される。
【0047】 VR =KR・dθ# …(4) そして、ステップ58において、パワートランジスタ・
スイッチング周期FWにおけるスイッチングONの比率
であるPWM−DUTY比DT が、検出されるモーター
電源電圧VE を逆起電圧VR により補正した項(VE −
VR )を用いた下記の式で求められる。
【0048】 IMAX =(VE −VR )/RM …(5) ただし、IMAX ;PWM−DUTY比100%時の電流
値 DT =I* /IMAX …(6) しかし、このようなパワートランジスタ部110をスイ
ッチングすることによりモーター電流Iを制御するよう
な電流増幅制御方法だけでは、パワートランジスタ部1
10のゲート抵抗(配線抵抗等を含む)R1 とゲート容
量C1 によるゲート電圧VC の応答遅れと、ゲートのス
イッチングの遅れのため、モーター印加電圧は、電流印
加開始側で遅れを持った波形となり、モーター電流指令
値I* とモーター電流とは一致しない。
【0049】そこで、上記遅れの影響によるパワートラ
ンジスタ・スイッチング基準信号に対するモーター印加
電圧V ME の欠損部分と等しい面積になるように、ゲート
のスイッチング時間を延長すればよい。
【0050】まず、モーター印加電圧V ME の欠損部分の
面積SGは次式により算出される。
【0051】 SG =VME*TD −∫{1−exp(−t/TG )VME}dt+VME*LG =VME*TD −[t+exp(−t/TG )/TG0 TD*VME+VME*LG =(VME/TG ){1−exp(−TD /TG )}+VME*LG …(7) ただし、TG =R1 *C1 ;ゲート抵抗、ゲート容量に
よる時定数 TD =DT /FW ;パワートランジスタON基準時間 LG ;ゲートのスイッチング遅れ時間 したがって、ゲートのスイッチング延長時間TC は以下
の(8) 式となる。
【0052】 TC =(1/TG ){1−exp(−t/TG )}+LG …(8) ここで、LG ,R1 ,C1 の値は、素子の規格及び実験
から予め求めておく。また、このスイッチング延長時間
C は、パワートランジスタON基準時間TD を関数と
するマップにより求めるようにしてもよい。
【0053】そして、ステップ60において、パワート
ランジスタON基準時間TD と、ゲートのスイッチング
延長時間TC ,パワートランジスタON基準時間TD
りパワートランジスタスイッチ時間TONが、下記の式に
て算出される。
【0054】 TON=TD +TC …(9) さらに、ステップ61では、モーター電流指令値I*
ら出力方向(正転か逆転か)が決定され、パワートラン
ジスタスイッチ時間TONにしたがって、パワートランジ
スタ・スイッチング制御信号が出力される。
【0055】以上のような演算処理を実行することによ
り、モーター電流をフィードバックすることなく、モー
ター100が高速で回転するような位置決め応答時にお
いてもモーター電流指令値I* とモーター電流Iとの一
致性が高い高応答による電流増幅制御を達成することが
できる。
【0056】[逆起電圧推定の他の例]上述した逆起電
圧推定方法では、モーター逆起電圧推定部124のモー
ター角速度推定器の入力uは、線形化された制御対象に
対し所望の応答を得るための入力であるモデルマッチン
グ制御部130bの出力であるモーター位置決め電流I
M*を用いている。
【0057】しかし、モーター位置決め電流IM*とモー
ター動特性補償電流IR*とを加算したモーター電流指令
値I* の最大値が制限されるような場合、モーター10
0に入力されるモーター位置決め電流IM*の寄与率が明
らかではないので、モーター角速度推定器入力uを決定
するのに以下のような条件を施すことにする。本条件を
付加することにより、より正確にモーター100の角速
度を推定することが可能となる。
【0058】I* ≦Imax のとき、 u=IM** >Imax かつIM*≦Imax のとき、 本位置決め制御系におけるロバスト補償器130aとモ
デルマッチング制御部130bの重みは同じであるの
で、 u=IM*−{IR*−(Imax −IM*)}/2 I* >Imax かつIM*>Imax のとき、 u=Imax ここで、Imax はモーター入力電流制限部130cの制
限値である。
【0059】[シミュレーション結果]図6はモーター
の逆起電圧を考慮しない先行技術におけるステップ応答
特性であって、モーター電源電圧がモーターの逆起電圧
により補正されなくてDUTY比の算出に用いる値が一
定の電圧により与えられるので、モーター角位置特性に
おいて、目標特性に対し実特性に大きなズレが生じてい
る。
【0060】図7は第1の発明実施例を適用した場合の
ステップ応答特性であって、モーター電源電圧が推定さ
れるモーターの逆起電圧により補正されることで、DU
TY比の算出に用いる値が実際値に近似し、モーター角
位置特性において、目標特性に対して実特性の一致性が
高く、第1の発明の有効性が確認された。
【0061】図8は第1の発明を適用した場合のモータ
印加電圧比較特性図であり、図9は第2の発明であるモ
ーター角速度推定器の入力uに上記条件を付加した場合
のモータ印加電圧比較特性図である。
【0062】このシミュレーション結果の比較から、モ
ーター角速度推定器の入力uに上記条件を付加すること
で、条件を付加しない場合に比べてより正確にモーター
の逆起電圧を推定することができることが確認された。
【0063】次に、効果を説明する。
【0064】(1)実施例の電流増幅制御装置にあって
は、モーター100の動的特性と、モーター100の位
置決め電流IM*と、モーター100の角位置信号θによ
りモーター100の逆起電圧VR を推定し、この推定し
た逆起電圧VR を用いて直接検出したモーター電源電圧
VE を補正し、パワートランジスタ部110のスイッチ
ングを制御する装置としたため、電流検出部や電流フィ
ードバック回路を必要とせずコスト的に有利としなが
ら、モーター100が高速で回転する時に設計目標にほ
ぼ一致するモーター100の位置決め応答を得る装置を
提供することができる。
【0065】(2)実施例の電流増幅制御装置にあって
は、逆起電圧VR を推定するにあたって、モーター位置
決め電流IM*とモーター動特性補償電流IR*とを加算し
たモーター電流指令値I* の最大値が制限されるような
場合、モーター角速度推定器入力uを決定する条件を付
加する装置としたため、モーター100に入力されるモ
ーター位置決め電流IM*の寄与率が明らかとなり、より
正確にモーター100の角速度を推定することが可能と
なり、この結果、モーター逆起電圧VR の推定精度を高
めることができる。
【0066】(3)実施例の電流増幅制御装置にあって
は、基本出力段スイッチング時間であるパワートランジ
スタON基準時間TD と補正出力段スイッチング時間で
あるゲートのスイッチング延長時間TC を加え合わせた
時間TONと、モーター電流指令値I* に基づいて、パワ
ートランジスタ部110のスイッチングを制御する装置
としたため、パワートランジスタ部110の動的特性の
バラツキにかかわらず、モーター電流指令値I* に対し
て一致性の高いモーター電流Iを得ることができる。
【0067】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0068】例えば、実施例では4WSシステムのモー
ター駆動電流制御部への適用例を示したが、4WSシス
テム以外にもモーター駆動電流を制御する様々なシステ
ムの駆動電流制御部に本発明を適用することができる。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載の第1の発明にあっては、
電流指令値に基づきモーター電流を制御する電流増幅制
御装置において、モーター電源電圧と予め測定したモー
ターの内部抵抗やパワートランジスタ部のインピーダン
ス特性よりパワートランジスタ部の基本出力段スイッチ
ング時間を演算する基本スイッチング時間演算部と、パ
ワートランジスタ部に供給される電流指令値と基本出力
段スイッチング時間に基づいて、パワートランジスタ部
のスイッチングを制御するパワートランジスタ・スイッ
チング制御部と、を備えている装置としたため、電流検
出部や電流フィードバック回路を必要とせずコスト的に
有利としながらモーターが高速で回転する時に設計目標
にほぼ一致するモーターの位置決め応答を得る装置を提
供することができるという効果が得られる。
【0070】請求項2記載の第2の発明にあっては、電
流指令値に基づきモーター電流を制御する電流増幅制御
装置において、パワートランジスタ部の動的特性を考慮
し、基本スイッチング時間演算部で演算される基本出力
段スイッチング時間の補正量を演算するスイッチング時
間補正量演算手段を備え、パワートランジスタ・スイッ
チング制御部は、基本出力段スイッチング時間とスイッ
チング時間補正量演算手段で算出される補正出力段スイ
ッチング時間を加え合わせた時間と電流指令値に基づい
て、パワートランジスタ部のスイッチングを制御する手
段としたため、上記効果に加え、モーターへ入力する最
大電流が制限されている場合に精度よくモーターの逆起
電圧を推定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電流増幅制御装置を示すクレーム対応
図である。
【図2】本発明実施例の電流増幅制御装置を示すブロッ
ク構成図である。
【図3】実施例装置のモータ位置決め制御部の詳細ブロ
ック図である。
【図4】実施例装置のモーター逆起電圧推定部のモータ
ー角速度推定器の制御ブロック図である。
【図5】本発明実施例のコントローラの演算装置で行な
われる電流増幅制御処理作動の流れを示すフローチャー
トである。
【図6】モーター逆起電圧推定を行なわない先行技術に
よるステップ応答のシミュレーション特性図である。
【図7】モーター逆起電圧推定による実施例技術による
ステップ応答のシミュレーション特性図である。
【図8】第1の発明でのモーター逆起電圧推定によるモ
ーター印加電圧シミュレーション特性図である。
【図9】第2の発明でのモーター逆起電圧推定によるモ
ーター印加電圧シミュレーション特性図である。
【図10】従来の電流増幅制御装置を示すブロック構成
図である。
【符号の説明】
a モーター b パワートランジスタ部 c モーター角位置検出手段 d モーター電源電圧検出手段 e モーター動特性補償部 f モーター位置決め制御部 g モーター電流指令値決定部 h モータ逆起電圧推定部 i 基本スイッチング時間演算部 j パワートランジスタ・スイッチング制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G05D 3/12 G05D 3/12 T 305 305L 305V H02P 5/06 H02P 5/06 X (56)参考文献 特開 昭58−99279(JP,A) 特開 昭58−99278(JP,A) 特開 昭57−199487(JP,A) 特開 昭57−199486(JP,A) 特開 平5−22978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/00 - 5/26 H02P 7/00 - 7/34 G05B 13/02 G05D 3/00 G05D 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モーターに電流を供給するパワートラン
    ジスタ部と、 モーターの角位置を検出するモータ角位置検出手段
    と、 モーターの電源電圧を検出するモーター電源電圧検出手
    段と、 モーターの動特性の非線形性やモデル化誤差を補償しモ
    ーターの動特性が常に予め設定された線形モデルとなる
    ようにロバスト補償制御するためのモーター入力電流を
    算出するモーター動特性補償部と、予め設定された モーターの動特性を得るためににモデル
    マッチング演算を行ってモーター入力電流を算出するモ
    ーター位置決め制御部と、 前記モーター動特性補償部により算出されたモーター入
    電流と前記モーター位置決め制御部により算出された
    モーター入力電流を加算し、モーター電流指令値を決定
    するモーター電流指令値決定部と、 前記モーター位置決め制御部により算出されたモーター
    入力電流と前記モータ角位置検出手段により検出さ
    れたモーターの角位置と、前記モーター動特性補償部で
    予め設定された線形モデルのモーター動特性と、に基づ
    きモーター角速度を推定し、推定されたモーター角速度
    と、予め測定したモーターの逆起電圧定数との積算によ
    モーターの逆起電圧を推定するモーター逆起電圧推定
    部と、 前記モーター電源電圧検出手段により検出されたモータ
    の電源電圧から前記モーター逆起電圧推定部により推定
    されたモーターの逆起電圧を減算した値を、予め測定し
    たモーターやパワートランジスタ部のインピーダンスに
    より除算して求めた電流値と、前記モーター電流指令値
    決定部により決定したモーター電流指令値との比に応じ
    前記パワートランジスタ部の基本スイッチング時間を
    決定する基本スイッチング時間演算部と、 前記モーター電流指令値と前記基本スイッチング時間に
    基づいて、前記パワートランジスタ部のスイッチングを
    制御するパワートランジスタ・スイッチング制御部と、 を備えていることを特徴とする電流増幅制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電流増幅制御装置におい
    て、 前記モーターへ入力する最大電流が制限されている場
    合、前記モーター逆起電圧推定部は、逆起電圧推定に用
    いる電流値uとして、 I* ≦Imax のとき、 u=IM** >Imax かつIM*≦Imax のとき、 u=IM*−{IR*−(Imax −IM*)}/2 I* >Imax かつIM*>Imax のとき、 u=Imax ここで、 u;逆起電圧推定に用いる電流値 I* ;モーター電流指令値 Imax ;モーター入力電流最大値 IM*;モーター位置決め電流 IR*;モーター動特性補償電流 を用いることを特徴とする電流増幅制御装置。
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