JP3353286B2 - 液晶配向膜の配向分割方法および配向分割された液晶配向膜を用いた液晶装置 - Google Patents

液晶配向膜の配向分割方法および配向分割された液晶配向膜を用いた液晶装置

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JP3353286B2
JP3353286B2 JP11063494A JP11063494A JP3353286B2 JP 3353286 B2 JP3353286 B2 JP 3353286B2 JP 11063494 A JP11063494 A JP 11063494A JP 11063494 A JP11063494 A JP 11063494A JP 3353286 B2 JP3353286 B2 JP 3353286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶配向膜の配向分割方
法および配向分割された液晶配向膜を用いた液晶装置に
関する。さらに詳しくは、液晶セルの電気特性および液
晶配向特性に優れた液晶配向膜の配向分割方法および配
向分割された液晶配向膜を用いた液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正の誘電異方性を有するネマチッ
ク型液晶を、ポリイミドなどからなる液晶配向膜を有す
る透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、液晶分子
の長軸が基板間で90〜270度連続的に捻れるように
してなるTN、STN型液晶セルを有する液晶表示素子
(TN、STN型表示素子)が知られている。しかしな
がら、このTN、STN型表示素子は屈折率異方性を有
する液晶分子の立ち上がりおよび立ち下がりを利用し
て、表示のON・OFFを行っているため、特に中間調
表示において、表示の視野角が狭いという問題を有して
いる。これを解決するため、液晶配向膜上に感放射線性
樹脂組成物を塗布し、部分的に液晶配向膜を保護するこ
とで配向分割を行い、表示の視野角を広くできることが
報告されている(SID’92 Digest,p.7
92、Japan Display’92 Diges
t,p.591)。しかしながら、用いる感放射線性樹
脂組成物は一般に半導体用途であり、現像液として2.
38重量%のアルカリ性化合物であるテトラメチルアン
モニウムハイドロオキサイド(TMAH)を含有する水
溶液が用いられているため、作製した液晶表示素子の電
気特性や液晶の配向特性が劣るという問題を有してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の問題点を解決するため、液晶表示素子の電気特性
や液晶の配向特性を劣化させ難い液晶配向膜の配向分割
方法を提供することにある。
【0004】本発明の他の目的は、上記配向分割方法で
配向分割された液晶配向膜を備えた液晶表示素子を有す
る液晶装置を提供することにある。本発明のさらに他の
目的および利点は以下の説明から明らかとなろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点につき、鋭意
検討した結果、感放射線性樹脂組成物の現像液中のアル
カリ性化合物の含有量を低下させることにより、液晶表
示素子の電気特性および液晶の配向特性が劣化しないこ
とを見いだした。
【0006】本発明によれば、本発明の上記目的および
利点は、第1に、下記の液晶配向膜の配向分割方法によ
り達成することができる。 (1)(1). 基板上の配向された液晶配向膜上に感放射
線性組成物を塗布し、(2). 所定のパターンを通して露
光し、(3). 0.01〜1.5重量%のアルカリ性化合物
を含有する水溶液を用いて現像を行って液晶配向膜を部
分的に保護し、(4). 露出した部分の液晶配向膜を上記
配向と異なる方向に配向せしめ、次いで(5). 感放射線
性組成物を除去することを特徴とする液晶配向膜の配向
分割方法。
【0007】(2)前記感放射線性組成物が(A)不飽
和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物を
含有する重合体(以下「特定重合体」という)および
(B)感放射線性酸生成化合物を含有することを特徴と
する上記(1)記載の液晶配向膜の配向分割方法。 (3 )本発明の上記配向分割された液晶配向膜を備え
た液晶表示素子を有する液晶装置。
【0008】本発明で使用される液晶配向膜としては、
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の反応によ
り得られるポリアミック酸および/またはそのイミド化
重合体であるポリイミドが主に用いられる。
【0009】この際のテトラカルボン酸二無水物として
は、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物、テトラシクロ[6,2,1,1,02,7]ドデカ−4,
5,9,10−テトラカルボン酸二無水物、3,5,6−ト
リカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,
4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水
物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシ
クロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族および脂環族テ
トラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸
二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,
4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水
物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイ
ド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタ
ル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニル
フタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−
4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフ
ェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水
物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げること
ができる。
【0010】これらのうちではブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル
酢酸二無水物、テトラシクロ[6,2,1,1,02,7]ド
デカ−4,5,9,10−テトラカルボン酸二無水物、5
−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチ
ル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テト
ラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、ピロメリット
酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルス
ルホンテトラカルボン酸二無水物、、3,3’,4,4’
−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物が好ましい。
【0011】また、ジアミン化合物としては、例えばp
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノ
ナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−フェニ
レンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−
(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビ
ス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,
2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,
5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミン;
ジアミノテトラフェニルチオフェンなどのヘテロ原子を
有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミ
ン、1,2−エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレ
ンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロ
ヘキシルアミン)などの脂肪族または脂環族ジアミン;
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロ
アルキル基またはフェニル基などのアリール基のような
炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜3、qは
1〜20のそれぞれ整数を示す)
【0014】などで表わされるジアミノオルガノシロキ
サンが挙げられる。これらのうち、p−フェニレンジア
ミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン 、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンが好ましい。これらは単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらジ
アミンは市販品をそのまま使用しても、再還元して使用
してもよい。
【0015】本発明に用いられるポリアミック酸は、テ
トラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の反応により
得られる。かかる反応は有機溶媒中で、通常0〜150
℃、好ましくは0〜100℃の温度で行われる。
【0016】反応に用いられる上記有機溶媒としては、
テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物および反応
で生成するポリアミック酸を溶解しうるものであれば特
に制限はない。例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなど
の非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノー
ル、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノー
ル系溶媒を挙げることができる。有機溶媒の使用量は、
通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物
の総量が、反応溶液の全量に対して0.1〜30重量%
になるようにするのが好ましい。
【0017】テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合
物の使用割合は、ジアミン化合物中のアミノ基1等量に
対してテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基を0.2
〜2等量とするのが好ましく、より好ましくは0.3〜
1.4等量である。
【0018】本発明に用いられるポリイミドは、上記し
たポリアミック酸を、加熱して、または脱水剤およびイ
ミド化触媒の存在下でイミド化することにより得られ
る。加熱によりイミド化する場合の反応温度は、通常6
0〜200℃、好ましくは100〜170℃である。反
応温度が60℃未満では反応の進行が遅れ、また200
℃を越えると可溶性ポリイミドの分子量が大きく低下す
ることがある。また、脱水剤およびイミド化触媒の存在
下でイミド化する場合の反応は、前記した有機溶媒中で
行うことができる。反応温度は、通常0〜180℃、好
ましくは60〜150℃である。脱水剤としては、無水
酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの
酸無水物を用いることができる。また、イミド化触媒と
しては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエ
チルアミンなどの3級アミンを用いることができるが、
これらに限定されるものではない。脱水剤の使用量は、
特定重合体Iの繰り返し単位1モルに対して1.6〜2
0モルとするのが好ましい。また、イミド化触媒の使用
量は使用する脱水剤1モルに対し、0.5〜10モルと
するのが好ましい。
【0019】このようにして得られるポリアミック酸お
よび/またはポリイミドの固有粘度[ηinh=(ln η
rel/C、C=0.5g/dl、30℃、N−メチル
−2−ピロリドン中、以下同条件にて固有粘度を測定]
は、通常、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05
〜5dl/gである。
【0020】なお、前記有機溶媒には、貧溶媒であるア
ルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロ
ゲン化炭化水素類、炭化水素類を生成する重合体が析出
しない程度に併用することができる。かかる貧溶媒とし
ては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、トリエチレングリコール、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジ
エチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール−
n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロ
ピルエーテル、ブチルセロソルブ、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタ
ン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどを挙げることができる。
【0021】本発明に用いられる特定重合体は、不飽和
カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物を、
他のラジカル重合性化合物と共に溶媒中でラジカル共重
合することにより得ることができる。
【0022】不飽和カルボン酸としては、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−ビニル安息香
酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、α−ク
ロロメチルアクリル酸、α−ブロモメチルアクリル酸、
α−トリクロロメチルアクリル酸、α−メトキシアクリ
ル酸、α−エトキシアクリル酸、α−クロロアクリル
酸、α−ブロモアクリル酸、α−フルオロアクリル酸な
どの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、ムコン酸、3−
ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、1,4−シクロ
ヘキセンジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボン酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,
2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒド
ロフタル酸などの不飽和ジカルボン酸を挙げることがで
きる。
【0023】これらの不飽和カルボン酸のうち、好まし
いものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン
酸、イタコン酸を挙げることができる。さらに好ましい
不飽和カルボン酸はアクリル酸、メタクリル酸である。
【0024】不飽和カルボン酸無水物としては、例えば
無水マレイン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸無水
物、メサコン酸無水物、ムコン酸無水物、フマル酸無水
物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無
水物、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸無水物、5
−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル
−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を挙
げることができる。好ましい不飽和カルボン酸無水物と
しては無水マレイン酸、無水イタコン酸を挙げることが
できる。
【0025】また、他のラジカル重合性化合物として
は、エポキシ基を有するラジカル重合性化合物やモノオ
レフィン系不飽和化合物を挙げることができる。
【0026】エポキシ基を有するラジカル重合性化合物
としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸
グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n
−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアク
リル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチ
ル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル
酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−
エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エ
ポキシヘプチル、N−[4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド、
N−[4−( 2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−
ジメチルフェニルプロピル]アクリルアミドなどを挙げ
ることができる。
【0027】また、モノオレフィン系不飽和化合物とし
ては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタ
クリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリ
ル酸アルキルエステル;メチルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;
シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキ
シルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレー
ト、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、
イソボロニルメタクリレートなどのメタクリル酸環状ア
ルキルエステル;シクロヘキシルアクリレート、2−メ
チルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニル
アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリ
レート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環
状アルキルエステル;フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステ
ル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど
のアクリル酸アリールエステル;マレイン酸ジエチル、
フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボ
ン酸のジエステル;2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒド
ロキシアルキルエステル;ブタジエン、イソプレンなど
の不飽和脂肪族炭化水素化合物;スチレン、α−メチル
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチ
レン誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルな
どのニトリル含有不飽和化合物;塩化ビニル、塩化ビニ
リデンなどのハロゲン含有不飽和化合物;アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどのアミド基含有不飽和化合
物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエス
テル化合物を用いることができる。これらのうち、好ま
しい例としては、アクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アルキルエステル、不飽和脂肪族炭化水素化合
物、スチレン誘導体を挙げることができる。
【0028】また、特定重合体中の不飽和カルボン酸ま
たは不飽和カルボン酸無水物の共重合割合は、好ましく
は5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%で
ある。5重量%未満であると、得られる共重合体がアル
カリ水溶液に溶解しにくくなるので現像残りを生じ易く
十分なパターンを作り難い。逆に60重量%を超える
と、得られる共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性
が大きくなりすぎて放射線照射部の溶解、即ち膜減り現
像を防ぐことが難しくなる。
【0029】また、特定重合体中のエポキシ基を有する
ラジカル重合性化合物の共重合割合は、好ましくは0〜
70重量%、特に好ましくは0〜50重量%である。7
0重量%を越えると、特定重合体の保存安定性に問題を
生じ易くなる。
【0030】また、特定重合体中のモノオレフィン系不
飽和化合物の共重合割合は、好ましくは10〜95重量
%、特に好ましくは30〜85重量%である。10重量
%未満であると、重合反応中にゲル化が起こりやすくな
る。また95重量%を超えると、不飽和カルボン酸また
は不飽和カルボン酸無水物の量が相対的に少なくなるこ
とから、アルカリ水溶液に対する樹脂の溶解度が減じる
ことがある。
【0031】特定重合体を重合する際に用いられる溶媒
としては、例えばメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレ
ングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエー
テル類;メチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ
エステル類;その他に芳香族炭化水素類、ケトン類、エ
ステル類などが挙げられる。
【0032】ラジカル重合における重合触媒としては、
通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
(2,4 −ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウ
ロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレー
ト、1,1−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘ
キサンなどの有機過酸化物および過酸化水素などを挙げ
ることができる。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用
する場合、還元剤を組み合せてレドックス型の開始剤と
してもよい。
【0033】以上の特定重合体の分子量およびその分布
は、溶液を均一に塗布することが可能である限り、特に
限定されるものではない。
【0034】本発明に用いる感放射線性酸生成化合物は
放射線の照射によって酸を生成する化合物である。例え
ば1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、1,
2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−
ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドなどを挙げるこ
とができる。具体的にはJ.Kosar著“Light
−SensitiveSystems”339〜352
(1965)、John Wiley &Sons社
(New York)やW.S.De Forest著
“Photoresist”50(1975)、McG
raw−Hill、Inc.(NewYork)に記載
されている1,2−キノンジアジド化合物を挙げること
ができる。
【0035】これらの化合物のうち、1,2−ジヒドロ
キシジフェニルメタン、2,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン
などの1,2−ナフトキノンジアジド−4または5−ス
ルホン酸エステル、1−(4−ヒドロキシフェニル)−
1−(4’−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナ
フトキノンジアジド−4または5−スルホン酸エステ
ル、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンの1,2−ナフトキノンジ
アジド−4または5−スルホン酸エステル、2,3,4−
トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロ
キシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、2,3,4,2’,4’−ペンタヒドロ
キシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−
4または5−スルホン酸エステル、2,2’,2”−トリ
ヒドロキシトリフェニルメタン、2,2’,4”−トリヒ
ドロキシトリフェニルメタン、2,4’,4”−トリヒド
ロキシトリフェニルメタン、4,4’,4”−トリヒドロ
キシトリフェニルメタンなどのトリヒドロキシトリフェ
ニルメタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4または
5−スルホン酸エステル、2,2’,2”−トリヒドロキ
シトリフェニルエタン、2,2’,4”−トリヒドロキシ
トリフェニルエタン、2,4’,4”−トリヒドロキシト
リフェニルエタン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリ
フェニルエタンなどのトリヒドロキシトリフェニルエタ
ンの1,2−ナフトキノンジアジド−4または5−スル
ホン酸エステル、(4−(1,1−ジメチル−1−(p
−ヒドロキシフェニル)メチル)フェニル)−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)メタンの1,2−ナフトキノン
ジアジド−4または5−スルホン酸エステル、1−(4
−(p−ヒドロキシフェニルメチル)フェニル)−2,
2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−
ナフトキノンジアジド−4または5−スルホン酸エステ
ルが好ましい。
【0036】感放射線性酸生成化合物の添加量は、特定
重合体100重量部に対して、通常5〜100重量部で
あり、好ましくは10〜80重量部であり、特に好まし
くは10〜50重量部である。5重量部未満であると、
放射線を吸収して生成する酸の量が少なくなるので、放
射線照射前後のアルカリ水溶液に対する溶解度に差をつ
けることができず、パターニングが困難となる。また、
100重量部を超えると、短時間の放射線照射では添加
した感放射線性酸生成化合物の大半が未だそのままの形
で残存するため、アルカリ水溶液への不溶化効果が高過
ぎて現像することが困難となる場合がある。
【0037】本発明に用いられる感放射線性樹脂組成物
は、上述の特定重合体と感放射線性酸生成化合物を含有
するが、塗膜の硬度を調節するために、以下に示すよう
な(メタ)アクリル化合物、エポキシ化合物などを併用
することも可能である。
【0038】(メタ)アクリル化合物は、最終加熱時に
(メタ)アクリル化合物自身が重合することによって形
成した塗膜の硬度、耐熱性などをさらに向上させるため
に用いる。(メタ)アクリル化合物としては、単官能
(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、
3官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0039】単官能(メタ)アクリレートの市販品とし
ては、例えばアロニックスM−101、同M−111、
同M−114(東亜合成化学工業(株)製)、KAYA
RAD TC−110S、同TC−120S(日本化薬
(株)製)、V158、V2311(大阪有機化学工業
(株)製)などを挙げることができる。2官能(メタ)
アクリレートの市販品としては、例えばアロニックスM
−210、同M−240、同M−6200(東亜合成化
学工業(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX
−220、同R−604(日本化薬(株)製)、V26
0、V312、V335HP(大阪有機化学工業(株)
製)などを挙げることができる。また3官能以上(メ
タ)アクリレートの市販品としては、例えばアロニック
スM−400、同M−405、同M−450、同M−7
100、同M−8030、同M−8060(東亜合成化
学工業(株)製)、KAYARAD TMPTA、同D
PCA−20、同−30、同−60、同−120(日本
化薬(株)製)、VGPT(大阪有機化学工業(株)
製)などを挙げることができる。
【0040】(メタ)アクリル化合物の添加量は、特定
重合体100重量部に対して、好ましくは0〜100重
量部であり、特に好ましくは0〜30重量部である。1
00重量部を超えると相溶性が悪くなり、塗膜形成後の
塗膜表面に膜荒れを生じることがある。
【0041】また、エポキシ化合物は、特定重合体およ
び放射線照射により感放射線性酸生成化合物から生成す
る酸との反応点を最終加熱時に調整させるために用いら
れる。
【0042】エポキシ化合物としては、例えばビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状
脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹
脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキ
シ樹脂などが挙げられる。
【0043】ビスフェノールA型エポキシ樹脂市販品と
しては、例えばエピコート1001、同1002、同1
003、同1004、同1007、同1009、同10
10(油化シェルエポキシ(株)製);ビスフェノール
F型エポキシ樹脂市販品としては、例えばエピコート8
07(油化シェルエポキシ(株)製)ビスフェノールA
D型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹
脂市販品としては、例えばエピコート152、同154
(油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN−201、
同202(日本化薬(株)製);クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂市販品としては、例えばEOCN−10
2S、同103S、同104S、同1020、同102
5、同1027(日本化薬(株)製);エピコート18
0S75(油化シェルエポキシ(株)製);環状脂肪族
エポキシ樹脂市販品としては、例えばCY−175、同
177、同179(CIBA−GEIGY社製)、ER
L−4234、同4299、同4221、同4206
(U.C.C.社製);グリシジルエステル系エポキシ
樹脂市販品としては、例えばショーダイン508(昭和
電工(株)製)、アラルダイトCY−182、同19
2、同184(CIBA−GEIGY社製)、エピクロ
ン200、同400(大日本インキ(株)製)、エピコ
ート871、同872(油化シェルエポキシ(株)
製)、ED−5661、同5662(セラニーズコーテ
ィング(株)製);グリシジルアミン系エポキシ樹脂市
販品としては、例えばテトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタン、トリグリシジル−パラ−アミノフェノー
ル、トリグリシジル−メタ−アミノフェノール、ジグリ
シジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリ
シジルメタキシリレンジアミン、ジグリシジルトリブロ
ムアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロ
ヘキサン;複素環式エポキシ樹脂市販品としては、例え
ばアラルダイトPT810(CIBA−GEIGY社
製)、エピコートRXE−15(油化シェルエポキシ
(株)製)、EPITEC(日産化学(株)製)などを
挙げることができる。
【0044】また、ここに挙げたエポキシ化合物の多く
は高分子量体であるが、本発明に用いるエポキシ化合物
としては、分子量によって制限されるものではなく、例
えばビスフェノールAあるいはビスフェノールFのジグ
リシジルエーテルの如き低分子量体でも使用することが
できる。
【0045】この中で加熱処理後も着色しにくい点か
ら、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂お
よびグリシジルエステル系エポキシ樹脂が好ましい。
【0046】これらエポキシ化合物の使用量は、特定重
合体100重量部に対して、好ましくは0〜100重量
部、より好ましくは0〜50重量部である。100重量
部を超えると相溶性が悪くなり、塗膜形成後の塗膜表面
に膜荒れを生じてしまうことがある。
【0047】また、感放射線性樹脂組成物は、塗膜均一
性改良のため、界面活性剤を配合することもできる。界
面活性剤としては、例えば BM−1000、BM−1
100(BM Chemie社製)、メガファックF1
42D、同F172、同F173、同F183(大日本
インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、
同FC−170C、同FC−430、同FC−431
(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、
同S−113、同S−131、同S−141、同S−1
45(旭硝子(株)製)などの名称で市販されているフ
ッ素系界面活性剤を使用することができる。これらの界
面活性剤の使用量は、特定重合体100重量部あたり、
好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0〜2重量部
の範囲である。
【0048】本発明に用いられる感放射線性樹脂組成物
は、上述した各成分を均一に混合することによって容易
に調製することができる。混合する際、通常適当な溶媒
に溶解させて溶液の形で使用に供される。用いる溶媒と
しては、特定重合体および感放射線性酸生成化合物を均
一に溶解させることができ、各成分と反応しないものが
用いられる。
【0049】かかる溶媒としては、例えばメタノール、
エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランな
どのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリ
コールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアル
キルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのジ
エチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエー
テルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエ
ーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケ
トン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピオン酸メチル、エトキシ酢酸エチ
ル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチ
ルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、
3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピ
オン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類を用いることがで
きる。
【0050】さらに、N−メチルホルムアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、
N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ア
セトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル
酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアル
コール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエ
チル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸
エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテ
ートなどの高沸点溶剤を添加することもできる。
【0051】これらの溶剤の中では、溶解性、各成分と
の反応性および塗膜の形成のし易さから、エチレングリ
コールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル
類;エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコ
ールアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプ
ロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテルなどのジエチレングリコール類
が好適である。
【0052】また、溶液の調製にあたっては、例えば特
定重合体の溶液、感放射線性酸生成化合物の溶液および
その他の配合剤の溶液それぞれを別に調製しておき、使
用直前にこれら溶液を所定の割合で混合することもでき
る。以上のようにして調製した組成物溶液は、孔径0.
2μmのミリポアフィルターなどを用いて瀘過した後、
使用に供することもできる。
【0053】本発明におけるアルカリ性化合物として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア
水などの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピル
アミンなどの第一級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n
−プロピルアミンなどの第二級アミン類、トリメチルア
ミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルジメチルジアミノメタン、N,
N,N’,N’−テトラメチルジアミノエタンなどの第三
級アミン類、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、エチルジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどのアルコールアミン類、テトラアンモニ
ウムハイドロオキサイド、テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロ
オキサイド、コリンなどの第四級アンモニウム塩または
ピロール、ピペリジン、ピリジン、コリジン、ルチジ
ン、キノリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペ
リジン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジ
ン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシク
ロ−[4.3.0]−5−ノナンなどの環状アミン類を挙
げることができる。好ましいアルカリ性化合物として
は、第三級アミン類、アルコールアミン類、第四級アン
モニウム塩、環状アミン類を挙げることができる。さら
に好ましいアルカリ性化合物としては、第三級アミン
類、アルコールアミン類、環状アミン類を挙げることが
できる。また、現像特性を劣化させない範囲で、メタノ
ール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を
適量現像液に添加してもよい。
【0054】本発明におけるアルカリ性化合物を含有す
る水溶液の濃度は0.01〜1.5重量%であるが、好ま
しくは0.01〜1.0重量%であり、さらに好ましくは
0.05〜1.0重量%である。
【0055】本発明の液晶配向膜の配向分割方法を用い
て得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって製
造することができる。
【0056】まず、透明導電膜が設けられた基板の透明
導電膜側に、液晶配向剤を印刷により塗布し、80〜3
50℃、好ましくは120〜300℃の温度で加熱して
塗膜を形成させる。この塗膜は、通常、0.001〜1
μm、好ましくは0.005〜0.5μmである。
【0057】上記の様に形成された塗膜は、ナイロンな
どの合成繊維からなる布を巻き付けたロールでラビング
処理を行う。次に、感放射線性樹脂組成物を液晶配向膜
上に、スピンコート法や印刷法により塗布し、50〜1
80℃、好ましくは50〜120℃の温度で加熱して塗
膜を形成させる。この塗膜は、通常、0.1〜10μ
m、好ましくは0.3〜5μmである。
【0058】次に、得られた液晶配向膜上の感放射線性
樹脂組成物に所定のパターンのマスクを介して、例えば
紫外線を照射した後、現像液を用いて現像し、不要な部
分を除去しパターンを形成し、部分的に液晶配向膜を保
護する。
【0059】現像時間は通常10〜240秒間であり、
また現像の手法は、液盛り法、ディッピング法などのい
ずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜180秒間
行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、
不要な部分を除去し、パターンを形成させることができ
る。
【0060】次に、部分的に液晶配向膜を保護した基板
に、ラビング処理を前述とは逆方向に行う。次に、得ら
れた基板を、メチルイソブチルケトンのような感放射線
性樹脂組成物を溶解し、液晶配向膜は溶解させないよう
な溶液で基板を洗浄し、感放射線性樹脂組成物だけを除
去する。
【0061】このようにして液晶配向膜が形成された基
板は、その2枚を液晶配向膜をラビング方向が直交また
は逆平行となるよう対向させ、基板の間の周辺部をシー
ル剤でシールし、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶
セルとし、その両面に偏光方向がそれぞれ基板の液晶配
向膜のラビング方向と一致または直交するように張り合
わせることにより液晶表示素子とされる。
【0062】上記シール剤としては、例えば硬化剤およ
びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。
【0063】上記液晶としては、ネマティック型液晶、
スメクティック型液晶、その中でもネマティック型液晶
を形成させるものが好ましく、例えばシッフベース系液
晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシク
ロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液
晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液
晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュ
バン系液晶などが用いられる。また、これらの液晶に、
例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエー
ト、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液
晶や商品名C−15、CB−15(Merck Lt
d.)として販売されているようなカイラル剤などを添
加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシ
ベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメ
ートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
【0064】液晶セルの外側に使用される偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏
光板などを挙げることができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、液晶表示素子の電圧保持率は、液晶
表示素子に5Vの電圧を印加した後、回路をオープン
し、16.7msec後の保持電圧を測定することによ
り評価した。また、液晶表示素子の配向性評価は、電圧
をオン・オフさせた時の液晶セル中の異常ドメインの有
無を、偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインの認められな
い場合を良好と判断した。
【0066】合成例1 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
44.8gおよびp−フェニレンジアミン21.6gをN
−メチル−2−ピロリドン988gに溶解させ、室温で
6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタ
ノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタ
ノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、
固有粘度1.44dl/gのポリアミック酸Ia60.2
gを得た。
【0067】合成例2 合成例1で得られたポリアミック酸Ia30gを570
gのγ−ブチロラクトンに溶解し、21.6gのピリジ
ンと16.74gの無水酢酸を添加し、120℃で3時
間イミド化反応を行った。次いで、反応生成液を合成例
1と同様に沈澱させ、固有粘度1.35dl/gのポリ
イミドIIa24gを得た。
【0068】合成例3 合成例1において、ジアミンを4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン39.6gとした以外は、合成例1と同様
にして特定重合体Ibを得、さらにこの特定重合体Ib
を用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を行い、固
有粘度1.16dl/gのポリイミドIIb22.2gを
得た。
【0069】合成例4 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物をシクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物39.22gとした以
外は合成例1と同様にして、固有粘度1.26dl/g
ポリアミック酸Ic50.5gを得た。
【0070】合成例5 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル9gを溶解したジエチレングリコールジ
メチルエーテル溶液459gを仕込んだ 。引き続きス
チレン22.5g、メタクリル酸45g、ジシクロペン
タニルメタクリレート67.5gおよびメタクリル酸グ
リシジル90gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始め
た。溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間
保持した後、90℃で1時間加熱させて重合を終結させ
た。その後、反応生成溶液を多量の水に滴下し反応物を
凝固させた。この凝固物を水洗後、テトラヒドロフラン
200gに再溶解し、多量の水で再度、凝固させた。こ
の再溶解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物
を60℃で48時間真空乾燥し、目的とする共重合体を
得た。その後固形分濃度が25重量%になるようにジエ
チレングリコールを用いて特定重合体溶液aとした。
【0071】合成例6 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)9gを溶解したジ
エチレングリコールジメチルエーテル溶液459gを仕
込んだ。引き続き、メタクリル酸45g、ジシクロペン
タニルメタクリレート90gおよびメタクリル酸グリシ
ジル90gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶
液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持し
た後、90℃で1時間加熱させて重合を終結させた。そ
の後、合成例5と同様にして特定重合体溶液bを得た。
【0072】合成例7 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル9gを溶解したジエチレングリコールジ
メチルエーテル溶液459gを仕込んだ。引き続き、メ
タクリル酸56.2g、sec−ブチルメタクリレート
101.25gおよびメタクリル酸グリシジル67.5g
を仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を
80℃に上昇させ、この温度を5時間保持した後、90
℃で1時間加熱させて重合を終結させた。その後、合成
例5と同様にして特定重合体溶液cを得た。
【0073】合成例8 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル9gを溶解した3−メトキシプロピオン
酸メチル溶液459.0gを仕込んだ。引き続き、メタ
クリル酸56.25g、メチルメタクリレート90gお
よびメタクリル酸−3,4−エポキシブチル78.75g
を仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。80℃で重合
を開始し、この温度を5時間保持した後、90℃で1時
間加熱させて重合を終結させた。その後、合成例5と同
様にして特定重合体溶液dを得た。
【0074】合成例9 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル9gを溶解したジエチレングリコールジ
メチルエーテル溶液459gを仕込んだ。引き続き、無
水マレイン酸45g、ベンジルメタクリレート112.
5gおよびN−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)
−3,5−ジメチルフェニルプロピル]アクリルアミド
67.5gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。8
0℃で重合を開始し、この温度を5時間保持した後、9
0℃で1時間加熱させて重合を終結させた。その後、合
成例5と同様にして特定重合体溶液eを得た。
【0075】合成例10 m−クレゾール27.0g、3,5−キシレノール52.
2g、37重量%ホルムアルデヒド水溶液130.3
g、シュウ酸二水和物0.73gをセパラブルフラスコ
中で、攪拌しながら100℃で35分間重縮合を行った
後、m−クレゾール108.0g、3,5−キシレノール
13.1gを加え、さらに2時間反応を行った。反応
後、反応容器内の圧力を30〜40mmHgまで減圧に
し、水、シュウ酸、未反応のホルムアルデヒド、m−ク
レゾール、3,5−キシレノールを除去した。次いで、
この樹脂をエチルセロソルブアセテートに固形分濃度が
20重量%となるよう溶解した後、この樹脂溶液に対し
て2倍量のメタノールおよび等量の水を加えて攪拌放置
した。2層に分離した後、樹脂溶液(下層)を取り出
し、濃縮・脱水・乾燥して樹脂を回収した。その後固形
分濃度が25重量%になるようにジエチレングリコール
を用いて溶液とした。
【0076】合成例11 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル9gを溶解させた4−ヒドロキシ−4−
メチル−2−ペンタノン溶液459gを仕込んだ。引き
続き、ブタジエン12.5g、スチレン62.5g、メタ
クリル酸102.5gおよびジシクロペンタニルメタク
リレート72.5gを仕込んだ後、ゆるやかに攪拌を始
めた。溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時
間保持した後、90℃で1時間加熱させて重合を終結さ
せた。その後、合成例5と同様にして特定重合体溶液f
を得た。
【0077】合成例12 フラスコ内を窒素置換した後、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル9gを溶解させた4−ヒドロキシ−4−
メチル−2−ペンタノン溶液459gを仕込んだ。引き
続き、スチレン62.5g、メタクリル酸112.5gお
よびジシクロペンタニルメタクリレート72.5gを仕
込んだ後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を80
℃に上昇させ、この温度を5時間保持した後、90℃で
1時間加熱させて重合を終結させた。その後、合成例5
と同様にして特定重合体溶液gを得た。
【0078】調製例1 合成例5で得られた特定重合体溶液a100gにジエチ
レングリコールジメチルエーテル13.64gを添加し
た後、さらに4,4′−[1−[4−(1−(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル]エチ
リデン]ジフェノールの1,2−ナフトキノンジアジド
−5−スルホン酸エステル(平均エステル化率66.7
モル%)7.5gを溶解し、孔径0.22μmのミリポア
フィルターを瀘過して調製液aを調製した。
【0079】調製例2 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例6で得られた特定重合体溶液bを用いた以外は、調製
例1と同様にして調製液bを調製した。
【0080】調製例3 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例7で得られた特定重合体溶液cを用いた以外は、調製
例1と同様にして調製液cを調製した。
【0081】調製例4 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例8で得られた特定重合体溶液dを用いた以外は、調製
例1と同様にして調製液dを調製した。
【0082】調製例5 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例9で得られた特定重合体溶液eを用いた以外は、調製
例1と同様にして調製液eを調製した。
【0083】調製例6 4,4′−[1−[4−(1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル)フェニル]エチリデン]ジフ
ェノールの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホ
ン酸エステル(平均エステル化率66.7モル%)の代
わりに、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノンの1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸
エステル(平均エステル化率75モル%)7.5gを用
いた以外は、調製例1と同様にして調製液fを調製し
た。
【0084】調製例7 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例10で得られた溶液を用いた以外は、調製例1と同様
にして調製液gを調製した。
【0085】調製例8 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例11で得られた特定重合体溶液fを用いた以外は、調
製例1と同様にして調製液hを調製した。
【0086】調製例9 合成例5で得られた特定重合体溶液aの代わりに、合成
例12で得られた特定重合体溶液gを用いた以外は、調
製例1と同様にして調製液iを調製した。
【0087】実施例1 合成例1で得られたポリアミック酸Ia5gをN−メチ
ル−2−ピロリドンに溶解させて、固形分濃度4重量%
の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過
し、液晶配向剤溶液を調製した。この溶液を、液晶配向
膜塗布用印刷機を用いて、ITO膜からなる透明電極付
きガラス基板の上に透明電極面に塗布し、180℃で1
時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの塗膜を形成した。
この塗膜にナイロン製の布を巻き付けたロールを有する
ラビングマシーンにより、ロールの回転数500rp
m、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行
った。
【0088】次に、感放射線性樹脂組成物を上記液晶配
向膜上に、調製例1で得られた調製液aをスピンコート
法により塗布し、100℃で30分間乾燥し、1μmの
塗膜を形成させる。次に、得られた感放射線性樹脂組成
物に100μm×100μmのパターンのマスクを介し
て、波長365nmの光を100mJ/cm2の強度で
照射した後、0.14重量%のテトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60
秒間現像した。この後得られた基板を流水で120秒間
洗浄し、圧縮窒素で風乾させた。次に、部分的に液晶配
向膜を保護した基板に、ラビング処理を前述とは逆方向
に行った。次に、得られた基板を、メチルイソブチルケ
トンで60秒間基板を洗浄した。
【0089】次に、一対のラビング処理された基板の液
晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの酸
化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン
印刷塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対する
ように、しかもラビング方向が直交するように重ね合わ
せて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口
より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク社
製、ZLI−4792)を充填した後、エポキシ系接着
剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板
を、偏光板の偏光方向がそれぞれの基板の液晶配向膜の
ラビング方向と一致するように張り合わせ、液晶表示素
子を作製したところ、液晶の配向性は良好であった。。
また、液晶表示素子の電圧保持率は98.2%(20
℃)で高い値であった。
【0090】実施例2〜11 実施例1において、液晶配向膜として合成例1〜4で得
られたポリアミック酸,ポリイミドを用い、感放射線性
樹脂組成物として調製例1〜6で得られた調製液a〜f
を用い、TMAHの濃度を変えた以外は、実施例1と同
様にして液晶セル作製を行った。液晶表示素子の配向性
および電圧保持率を評価し、結果を表1に示した。
【0091】実施例12〜16 実施例1において、液晶配向膜として合成例2で得られ
たポリイミドIIaを用い、感放射線性樹脂組成物とし
て調製例8および9で得られた調製液hおよびiを用
い、現像液の種類と濃度を変えた以外は、実施例1と同
様にして液晶セル作製を行った。液晶表示素子の配向性
および電圧保持率を評価し、結果を表2に示した。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】比較例1 調製例7で得られた調製液gを用い、現像液に2.38
重量%のTMAHを用いた以外は、実施例1と同様にし
て液晶セル作製を行ったところ、液晶配向性は良好だっ
たが、電圧保持率は90.1%と低い値であった。
【0095】比較例2 調製例1で得られた調製液aを用い、現像液に2.0重
量%のTMAHを用いた以外は、実施例1と同様にして
液晶セルを作製したところ、液晶配向性は良好だった
が、電圧保持率は91.1%と低い値であった。
【0096】比較例3 調製例1で得られた調製液aを用い、現像液に2.38
重量%のTMAHを用いた以外は、実施例1と同様にし
て液晶セルを作製したところ、液晶配向性に乱れが生じ
ており、また、電圧保持率は87.2%と低い値であっ
た。
【0097】
【発明の効果】本発明の液晶配向膜の配向分割方法によ
れば、液晶配向膜上にパターンを形成した場合でも、優
れた電気特性や液晶配向特性を有する液晶表示素子が得
られる。また、本発明の液晶配向膜の配向分割方法を用
いて作製した液晶表示素子は、使用する液晶を選択する
ことにより、TN(Twisted Nematic)、STN(Super
Twisted Nematic)、SH(Super Homeotropic)、強誘
電性、反強誘電性液晶表示素子に好適に使用することが
できる。さらに、本発明の液晶配向膜の配向分割方法を
用いて作製した液晶表示素子は、液晶の配向性および信
頼性に優れ、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上
計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッ
サ、パーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示
装置に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 別所 信夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−106624(JP,A) 特開 昭61−175636(JP,A) 特開 昭63−106651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1). 基板上の配向された液晶配向膜上
    に感放射線性組成物を塗布し、(2). 所定のパターンを
    通して露光し、(3). 0.01〜1.5重量%のアルカリ
    性化合物を含有する水溶液を用いて現像を行って液晶配
    向膜を部分的に保護し、(4). 露出した部分の液晶配向
    膜を上記配向と異なる方向に配向せしめ、次いで(5).
    感放射線性組成物を除去することを特徴とする液晶配向
    膜の配向分割方法。
  2. 【請求項2】 前記感放射線性組成物が(A)不飽和カ
    ルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物を含有
    する重合体および(B)感放射線性酸生成化合物を含有
    することを特徴とする請求項1記載の配向分割方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の方法で配向分割された液晶配
    向膜を備えた液晶表示素子を有する液晶装置。
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