JP3353225B2 - 曝気装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は曝気装置、特に、ス
リットを設けた膜を有する曝気装置に関するものであ
り、活性汚泥処理・生活雑排水・し尿処理等の生物濾過
又はオゾン酸化処理用曝気、堀・湖沼・魚類養殖池等の
曝気を必要とする場所に利用できる曝気装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、標準活性汚泥法を実施する曝気装
置では殆どに旋回流配置が採用されており、下水量に対
して空気の送気量は有効水深が４〜８ｍ程度で３〜７倍
が必要とされている。

【０００３】曝気装置は、送風機から送られた空気を微
細な気泡にして汚泥タンク内に吹き込むことにより、活
性汚泥微生物に必要な酸素を供給する装置で、一般に多
孔性の曝気装置としてセラミックス製・ゴム製・合成樹
脂製の管・板が多く知られている。

【０００４】例えば、特開昭６１−２４５８５７号公報
に示す散気装置では、図１１や図１２に示すようなパタ
ーンで多数の直線のスリットを刻んだ柔軟な合成樹脂の
パイプ内に気体を圧入する事により柔軟な素材が伸縮し
直線のスリット部が図１３のように開閉し、この隙間を
通って微細な気泡が連続的に液体中に放出されるように
構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記のよ
うに曝気装置では、スリット部が直線状のために或る一
定以上の圧力を負荷しないとスリットが開かない為に圧
力損失が大きく、更に伸縮するたびに、スリットに図１
３に示すようにｅ・ｆ・ｇ・ｈの方向に繰り返し引張応
力が作用することによりスリットの両端に亀裂が発生し
てスリットが裂け使用不能となる恐れがある。

【０００６】また、この装置の場合には、間欠運転を行
うと液体中の不純物が水圧によりスリットに入り込んで
目詰まりを起こし、著しく曝気能力が低下することや、
長時間使用すると温度の変化により素材に亀裂が発生し
破損する等の恐れがある。

【０００７】本発明は、気体を圧入するときの圧力損失
を減少させることにより稼働中の送風機の消費エネルギ
ーを減らし、且つスリットの亀裂を減少させ製品の耐久
性を向上させることが出来る曝気装置を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の曝気装置は、伸
縮性のあるシートに多数のスリットを形成し、このスリ
ットを介して加圧気体を液体中に通すことによって液体
中に多数の気泡を形成するようにした曝気装置におい
て、上記スリットの形状を非直線状としたことを特徴と
する。

【０００９】また、上記スリットは弧状または山形状で
あることを特徴とする。

【００１０】また、上記シートは筒体両端部に巻回固定
されており、上記筒体両端部間が断面Ｕ字状の連結部に
よって連結されていることを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図面によって本発明の実施例
を説明する。

【００１２】（実施例１）

【００１３】図１及び図２は本発明の実施例に係るドー
ム形状の曝気装置１を示し、この装置では、中央に筒状
部２を有する例えば直径２８０ｍｍの円板状のベース３
をフレーム４上に載置し、上記筒状部２の上端を柔軟な
合成樹脂板より成る逆止弁５によって塞ぎ、この逆止弁
５の中央部を抑え板６とビス７によって上記フレーム４
に固定すると共に、上記ベース３と逆止弁５に例えば厚
さ１ｍｍの柔軟な合成樹脂のシート８を被せ、このシー
ト８、ベース３及びフレーム４の外周縁を固定具９によ
って互に固定せしめ、上記シート８の全面には図２及び
図３に示すように例えば半径１．５ｍｍで例えば８０°
に亘る弧状のスリット１０を例えば４ｍｍの間隔で千鳥
状に配列形成せしめる。

【００１４】上記スリット１０は、図４に示すように例
えば１４０°の角度で山形に折れ曲がった長さ１．５ｍ
ｍのスリットとしても良い。

【００１５】本発明の曝気装置は、上記のような構成で
あるから、上記筒状部２の下端に加圧気体を導入すれ
ば、図５に示すように逆止弁５が開き、上記シート８の
スリット１０を介して微細な気泡１１が生ずるようにな
る。

【００１６】この場合、上記スリット１０は図６に示す
ように一端を固定した片持梁と同様の作動を行ない、ス
リット１０の中央部分が振動し、その結果より微細な気
泡１１が発生するようになると共に、スリット１０の両
端に亀裂が生じないようになる。

【００１７】なお、上記スリット１０の形状は上記の弧
状や山形状に限らず、非直線状であれば任意の形状とな
し得る。例えば山形状のスリットの片側を弧状としても
良い。

【００１８】（実施例２）

【００１９】図７〜図１０は本発明をチューブタイプの
曝気装置に適用した本発明の他の実施例を示し、この実
施例では互に離間した筒体端部１２ａ，１２ｂに上記シ
ート８を巻回し、上記筒体端部１２ａ，１２ｂにバンド
１３により固定せしめると共に、上記筒体端部１２ａと
１２ｂ間を連結部１２ｃによって連結して一体の筒体１
２を形成し、上記連結部１２ｃの形状をその中央部が筒
体１２の中心軸付近までＵ字状に盛り上がる形状ならし
める。

【００２０】なお、１４は上記筒体１２と端部上記シー
ト８によって囲まれた空間、１５は上記一方の筒状端部
１２ａの中心に軸方向に設けた、上記空間１４に連通す
る加圧気体導入孔、１６はこの導入孔１５と上記空間１
４間に介挿した逆止弁である。

【００２１】本発明のこの実施例２においては、上記実
施例１と同様の効果が得られる他に、水圧によって筒体
１２が折れ曲がるのを防ぎ得るようになる。

【００２２】

【発明の効果】以上、説明したように本発明の曝気装置
によれば、曝気装置内の圧力損失を減少させることによ
り稼働中の送風機の消費電力を減らし、且つ気体を圧入
したときのシートの伸縮を少なくすることによりスリッ
トの亀裂を減少させ製品の耐久性の向上が図られる等大
きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の曝気装置の縦断正面図である。

【図２】本発明の曝気装置の平面図である。

【図３】本発明の曝気装置のスリット形状の説明図であ
る。

【図４】本発明の曝気装置の他のスリット形状の説明図
である。

【図５】本発明の曝気装置の作動説明用縦断正面図であ
る。

【図６】図５の要部の拡大図である。

【図７】本発明の曝気装置の他の実施例の正面図であ
る。

【図８】図７に示す曝気装置の縦断正面図である。

【図９】図７に示す曝気装置の側面図である。

【図１０】図７のＧ−Ｇ線断面図である。

【図１１】従来の曝気装置のスリットパターンの説明図
である。

【図１２】従来の曝気装置のスリットパターンの他の例
の説明図である。

【図１３】従来の曝気装置のスリットの作動説明図であ
る。

【符号の説明】 １ 曝気装置 ２ 筒状部 ３ ベース ４ フレーム ５ 逆止弁 ６ 抑え板 ７ ビス ８ シート ９ 固定具 １０ スリット １１ 気泡 １２ 筒体 １２ａ 筒体端部 １２ｂ 筒体端部 １２ｃ 連結部 １３ バンド １４ 空間 １５ 導入孔 １６ 逆止弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 耕一 千葉県千葉市花見川区花島町149 株式 会社モノベエンジニアリング内 (56)参考文献 特許2500071（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伸縮性のあるシートに多数のスリットを
   形成し、このスリットを介して加圧気体を液体中に通す
   ことによって液体中に多数の気泡を形成するようにした
   曝気装置において、上記スリットの形状を非直線状とし
   たことを特徴とする曝気装置。
2. 【請求項２】 上記スリットが弧状であることを特徴と
   する請求項１記載の曝気装置。
3. 【請求項３】 上記スリットが山形状であることを特徴
   とする請求項１または２記載の曝気装置。
4. 【請求項４】 上記シートが筒体両端部に巻回固定され
   ており、上記筒体両端部間が断面Ｕ字状の連結部によっ
   て連結されていることを特徴とする請求項１、２または
   ３記載の曝気装置。