JP3352223B2 - キャピラリー式電気泳動装置用検出窓の製造方法 - Google Patents

キャピラリー式電気泳動装置用検出窓の製造方法

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JP3352223B2
JP3352223B2 JP09964494A JP9964494A JP3352223B2 JP 3352223 B2 JP3352223 B2 JP 3352223B2 JP 09964494 A JP09964494 A JP 09964494A JP 9964494 A JP9964494 A JP 9964494A JP 3352223 B2 JP3352223 B2 JP 3352223B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、キャピラリー(細
管)内を泳動する蛋白質、DNA等の試料の分析を行う
キャピラリー式電気泳動装置(細管式電気泳動装置)に
使用される検出窓の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図14に示すキャピラリー式電気
泳動装置が知られている。このキャピラリー式電気泳動
装置においては、測定光発生器1で発生させた光が図示
しない分光部を通して検出窓3に入射され、この検出窓
3で光の取り込み範囲が制限される。分光部は回折格
子、各種光学フィルタ等によって構成され、所望の波長
の単色光が選別される。前記検出窓3はキャピラリー4
の中心部分を通る光のみを取り込める。前記分光部で特
定の単色光が選別され、かつ検出窓3で取り込み範囲が
制限された光はキャピラリー4内の試料を含む泳動媒体
を通過し、この泳動媒体を通過した光の強度が測定光検
出器5で測定される。この測定光検出器5での測定結果
に基づいて泳動媒体の吸光度が計算され、試料の分析が
行われる。
【0003】図14中、符号20及び23は電極槽、符
号21及び24は電解質溶液、符号22及び25は電極
である。また、符号26は電源、符号27はアース、符
号28は電流計である。
【0004】図15に示すように、従来の検出窓3は矩
形断面の位置決め溝30及び細長状スリット31を有す
る。位置決め溝30はキャピラリー4の位置決めを行
い、かつキャピラリー4の保持を行う。スリット31は
位置決め溝30の中心部分に所望のサイズで形成され
る。このスリット31は検出窓3に入射する光10の取
り込み範囲を制限し(絞り込みを行い)、キャピラリー
4内の試料を含む泳動媒体41のみを通過する光11が
生成される。
【0005】前記検出窓3のスリット31は前述のよう
に光10の取り込み範囲を制限しているが、これは以下
の理由に基づく。
【0006】吸光度は光が泳動媒体41を通過する距
離、すなわち光が通過した光路長に比例する。逆に言う
と、光路長が変化すると同一の泳動媒体41で測定して
も吸光度に変化が生じ、吸光度は安定に測定されない。
キャピラリー4は断面が円形であるために光幅や光の通
過位置が変化すると光路長も変化する。つまり、キャピ
ラリー4を通過する光を精度良く規定しないと、吸光度
の測定精度が低下する。
【0007】また、試料のすべての部分に光が通過する
ように光幅をキャピラリー4の内径より大きくすると、
泳動媒体41を通過する光に対して泳動媒体41以外の
キャピラリー4を通過する光の割合が増加する。キャピ
ラリー4は、通常、石英で製作されるので、泳動媒体4
1を通過し吸収される光の割合に対してキャピラリー4
を通過するが吸収されない光の割合が大きくなり、吸光
度の検出感度が低下する。
【0008】以上説明したように、検出窓3のスリット
31はキャピラリー4に入射する光10の取り込み範囲
を制限し、キャピラリー4に入射する光11の光幅が泳
動媒体41のみを通過するように精度よく制限されるの
で、高い測定精度及び検出精度が保証される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記図15に示す従来
の検出窓3において、スリット31に対するキャピラリ
ー4の位置決めは矩形断面形状の位置決め溝30で行わ
れる。位置決め溝30は機械加工で形成されるので、加
工精度及び加工の際の許容寸法公差に相当する分、位置
決め溝30の溝幅寸法がキャピラリー4の直径寸法に比
べて大きくなる。つまり、位置決め溝30とキャピラリ
ー4との間に隙間が発生し、スリット31の中心位置に
対してキャピラリー4の中心位置にずれ量Lが生じる。
このため、スリット31で規定された光11のキャピラ
リー4を通過する光路長が変化するので、吸光度の測定
精度が低下する。
【0010】そこで、このような問題点を解決するた
め、前記検出窓3の矩形断面形状の位置決め溝30に代
えて、断面形状をV字形状に形成した位置決め溝を検出
窓3に採用すべく、本発明者は検討を行った。この検討
が行われた検出窓の位置決め溝においては、左右対称な
傾斜面で形成される2つの溝内壁面の対称中心位置(又
は対称中心軸)とスリットの中心位置とが一致する。つ
まり、この検出窓3の位置決め溝にキャピラリー4を保
持するだけで、スリットの中心位置とキャピラリー4の
中心位置との間の位置合わせが高精度に行える。
【0011】しかしながら、現在のところ検出窓3を簡
易にかつ高精度に形成できる方法が見出されていない。
【0012】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、キャピラリー式電気泳動装置に使用さ
れる検出窓に断面V字型の位置決め溝及びスリットを簡
易にかつ高精度に形成する方法の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、測定光発生器と測定光検出
器との間に配置され、キャピラリーへ照射する測定光を
絞り込むスリットが位置決め溝中央に形成された検出窓
の製造方法において、基板の裏面側に、スリット長に対
応した縦方向の開口幅を有しかつ少なくともスリット幅
より大きい横方向の開口幅を有する裏溝を形成する裏溝
形成工程と、前記基板の表面側に、前記縦方向に沿って
断面V字型の位置決め溝を形成する位置決め溝形成工程
と、を含み、前記位置決め溝の頂部を前記裏溝の底面が
横切る境界に前記スリットが形成されることを特徴とす
る。
【0014】また、請求項2に係る発明は、測定光発生
器と測定光検出器との間に配置され、キャピラリーへ照
射する測定光を絞り込むスリットが位置決め溝中央に形
成された検出窓の製造方法において、基板の裏面側に、
スリット長に対応した縦方向の開口幅を有しかつ少なく
ともスリット幅より大きい横方向の開口幅を有する裏溝
を形成する裏溝形成工程と、前記裏溝の底面の表面層に
エッチングストッパ層を形成するエッチングストッパ層
形成工程と、前記基板の表面側に、前記縦方向に沿って
断面V字型の位置決め溝を異方性エッチングで形成する
位置決め溝形成工程と、前記エッチングストッパ層を除
去するエッチングストッパ層除去工程と、を含み、前記
位置決め溝の頂部を前記裏溝の底面が横切る境界に前記
スリットが形成されることを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1に係る発明においては、前記基板の裏
面側に裏溝を形成し、かつ前記基板の表面側に断面V字
型の位置決め溝を形成するだけで、検出窓に断面V字型
の位置決め溝及びスリットが同時に形成される。従っ
て、検出窓に簡易かつ高精度に断面V字型の位置決め溝
及びスリットが形成できる。
【0016】また、請求項2に係る発明においては、前
記請求項1に係る発明の作用の他に、前記エッチングス
トッパ層で異方性エッチングの深さ方向の進行を実質的
に停止して位置決め溝の局部的な貫通を防止し、かつ貫
通と同時にエッチング液が回り込むために発生するスリ
ットのエッチング端での横方向の急速なエッチングが防
止される。従って、前記スリットの形状の変形が極力減
少し、かつスリットの形状の揺らぎが防止されるので、
スリットの形状に高い直線性が得られ、かつスリットの
加工精度が向上する。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を
説明する。
【0018】本発明に係るキャピラリー式電気泳動装置
に装備される検出窓ユニットの構成を図1及び図2に示
す。なお、本実施例のキャピラリー式電気泳動装置の基
本構造は前述の図14に示した基本構造と実質的に同一
であるので、ここでの説明は省略する。
【0019】図1及び図2に示すように、キャピラリー
式電気泳動装置に装備される検出窓ユニット6は台座6
0、検出窓(検出窓本体)61、保護用板62、押さえ
用弾性体63及び押さえ板64で構成される。
【0020】前記台座60は前記検出窓61をキャピラ
リー式電気泳動装置の筐体に取り付ける。この形状に限
定されないが、台座60は厚みのある円板形状で構成さ
れる。台座60の一方の表面(キャピラリー式電気泳動
装置に装着した時に測定光検出器側となる面)におい
て、中央部分に検出窓61を収納する検出窓収納部60
1が構成される。また、この検出窓収納部601を横切
る位置にキャピラリー配置部602が構成される。検出
窓収納部601は、図2中、上面側から見て方形状で形
成される。この方形状の各角部において逃げ領域が構成
される。逃げ領域は検出窓収納部601への検出窓61
の取り付けを容易に行い、かつ検出窓収納部601から
の検出窓61の取り外しを容易に行うために構成され
る。
【0021】また、前記台座60には前記一方の表面か
ら他方の表面(キャピラリー式電気泳動装置に装着した
時に測定光発生器側となる面)に貫通する取付け穴60
3及び光導入孔606が構成される。前記取付け穴60
3にはねじ607が通され、ねじ607はキャピラリー
式電気泳動装置の筐体に台座60を取り付けるためのも
のである。光導入孔606は検出窓収納部601の中央
部分において貫通されており、測定光発生器からの光1
1が検出窓61側に取り入れられる。
【0022】また、前記台座60の一方の表面の周縁に
沿った部分に位置決めピン604及びねじ穴605が構
成される。位置決めピン604は台座60と押さえ板6
4との間の位置合わせを行うためのものである。ねじ穴
605にはねじ608が通され、ねじ608により台座
60に押え板64が取り付けられる。
【0023】前記台座60は加工が容易で軽量な材料、
例えばアルミニウム系合金材で形成される。
【0024】前記検出窓61は、この形状に限定されな
いが、図3に示すように上面から見て方形状で構成され
る。検出窓61の測定光検出器側(表面側)の表面には
位置決め溝610が構成され、測定光発生器側(裏面
側)にはスリット611が構成される。
【0025】本実施例においては外形寸法375μm及
び内径寸法100μmのキャピラリー4が使用される。
このキャピラリー4の外表面には樹脂がコーティングさ
れているので、最終的な外形寸法は400μmである。
前記スリット611は位置決め溝610の中央部分に形
成される。スリット611のスリット長さLは例えば5
00μmで形成され、スリット幅Wは例えば50μmに
形成される。スリット611のスリット長さL方向(縦
方向)は位置決め溝610の延在方向(検出窓61に保
持されたキャピラリー4の軸方向)に一致する。スリッ
ト幅W方向(横方向)は位置決め溝610の幅方向と一
致する。スリット611のスリット幅Wはキャピラリー
4の内部に流れる試料だけに光が通過するサイズに設定
され、しかも光の通過の際に光路長が変化しない程度の
サイズに設定される。
【0026】図1及び図3に示すように、前記検出窓6
1の位置決め溝610の断面形状はV字型に構成され
る。この位置決め溝610の対向する2つの溝内壁面の
中心位置(対称中心位置)とスリット611の中心位置
とは一致するように構成される。さらに、前記位置決め
溝610の対称中心位置及びスリット611の中心位置
とスリット611で取り込み範囲が制限される光11の
光軸とは一致している。
【0027】位置決め溝610の溝内壁面とスリット6
11が形成された裏溝612の溝底面とがなす角は本実
施例において絶対値で54.7度に設定される。換言す
ると、位置決め溝610の溝内壁面と対称中心位置(光
軸)とがなす角は絶対値で35.3度に設定される。
【0028】位置決め溝610は断面V字型により光軸
(スリット611の中心位置)とキャピラリー4の中心
軸とが一致するようにキャピラリー4を誘導する。そし
て、2つの対向する溝内壁面にキャピラリー4が密接さ
れ、かつキャピラリー4が保持された時点においてキャ
ピラリー4の中心軸が光軸に一致し、キャピラリー4の
位置決めが行われる。
【0029】前記検出窓61は例えば単結晶珪素基板
(以下、単に基板という)で形成される。位置決め溝6
10は、詳細な形成方法については後述するが、例えば
前記基板の特定の結晶面を選択的にエッチングする異方
性エッチングで形成される。スリット611は位置決め
溝610の断面V字型の頂部を裏溝612の溝底面で横
切る境界に形成される。裏溝612は例えば前記基板に
異方性エッチングを施して(基板の位置決め溝610が
形成された表面と反対の裏面から掘り下げて)形成され
る。この裏溝612はスリット611のスリット長Lを
設定する縦方向の開口幅で形成され、かつスリット幅W
を設定する深さで形成される。前記スリット611の中
心位置は自動的に位置決め溝610の対称中心位置に一
致している。
【0030】前記検出窓61の位置決め溝610に保持
されたキャピラリー4を押さえ板64で押さえ付けたと
きに、キャピラリー4の破損を防止し、かつ安定に保持
するために保護用板62が構成される。前記押さえ用弾
性体63は例えばゴムシートで形成される。この押さえ
用弾性体63は保護用板62と同様にキャピラリー4の
破損を防止し、かつキャピラリー4を安定に保持する。
前記押さえ板64は前記押さえ用弾性体63を介在して
キャピラリー4を押さえ付け、このキャピラリー4は保
持される。押さえ板64には中央部に光導入孔646が
形成され、周縁に沿った部分にねじ607の頭部の逃げ
穴643、取付け穴644及び位置決め穴645が構成
される。押さえ板64は例えば前記台座60と同様にア
ルミニウム系合金で形成される。 次に、前記検出窓6
1の形成方法を図4乃至図13に示す。なお、平面図に
おいては加工後の形状を理解しやすくするために基板6
13の表面上に形成される被膜は省略する。
【0031】まず、基板613を準備する。基板613
には、測定光検出器5側の表面及び測定光発生器1側の
裏面が(100)面方位に設定された基板(シリコンウ
エハ)が使用される。基板613は例えば300μmの
基板厚さのものを使用する。
【0032】次に、図4(A)及び(B)に示すよう
に、基板613の表面及び裏面に熱酸化法等の手法で酸
化珪素膜70を形成する。
【0033】次に、図5に示すように、基板613の裏
面の中央部分において前記酸化珪素膜70にパターニン
グを施し、開口70Hを有するマスクを形成する。前記
パターニングは、フォトリソグラフィ技術で形成された
エッチングマスクを使用し、ふっ酸水溶液で酸化珪素膜
70をエッチングすることにより行われる。
【0034】次に、図6(A)及び(B)に示すよう
に、基板613の裏面の中央部分において、前記マスク
を使用し、裏面から基板厚さ方向に異方性エッチングを
施して裏溝(彫込み用穴)612を形成する。裏溝61
2において、基板613の裏面から裏溝612の溝底面
までの深さが約160μmで形成される。
【0035】前記異方性エッチングにはKOH等のアル
カリ溶液又はEPW(エチレンジアミン・ピロカテコー
ル・水)溶液のいずれかのエッチング溶液が使用され
る。基板の場合、この種の異方性エッチングの速度は結
晶方位に依存して変化し、(100)結晶面でエッチン
グ速度が速く、(111)結晶面でエッチング速度が遅
くなる。エッチング速度差(エッチング選択比)は数十
倍から数百倍に達する。したがって、理論的には傾斜角
54.7度でエッチングが進行し、断面V字型にエッチ
ングが行われる。エッチングの深さはエッチング溶液に
浸漬する時間で制御される。
【0036】次に、図7に示すように、裏溝612が形
成された領域において不純物拡散領域72を形成する。
不純物拡散領域72はエッチングストッパ層として使用
される。例えば酸化珪素膜(マスク)70上にボロンガ
ラス膜71を堆積した後、このボロンガラス膜71に含
まれるボロンを基板613の表面層部分に拡散すること
により、前記不純物拡散領域72が形成される。酸化珪
素膜70によって不純物拡散領域72の形成領域が制限
され、裏溝612の溝底面及び溝壁面の表面層に不純物
拡散領域72が形成される。
【0037】次に、図8に示すように、前記ボロンガラ
ス膜71及び酸化珪素膜70を除去する。この除去は例
えばふっ酸水溶液で行われる。
【0038】その後、図9(A)及び(C)に示すよう
に、基板613の表面及び裏面に熱酸化法等の手法を使
用して酸化珪素膜73を形成する。
【0039】そして、図10(A)及び(C)に示すよ
うに、基板613の表面において前記裏溝612を横切
るように前記酸化珪素膜73にパターンニングを施し、
開口73Hを有するマスクを形成する。前記パターンニ
ングは前述と同様に行われる。
【0040】次に、図11(A)、(B)及び(C)に
示すように、基板613の表面の中央部分において、前
記マスクを使用し、表面から深さ方向に異方性エッチン
グを施して位置決め溝610を形成する。つまり、異方
性エッチングにおいては、(100)結晶面でエッチン
グ速度が速く、(111)結晶面でエッチング速度が遅
い。結果的に、位置決め溝610の溝内壁面には(11
1)結晶面が現われ、溝内壁面は54.7度の角度で形
成される。
【0041】次に、図12に示すように、マスクとして
使用した酸化珪素膜73を除去する。そして、図13
(A)、(B)及び(C)に示すように、前記不純物拡
散領域72が選択的に除去され、スリット611が完成
する。この結果、検出窓61が完成される。 なお、半
導体ウエハプロセス技術と同様に前記基板613に複数
個の検出窓61を形成した場合においては、この後にダ
イシング処理が行われ、複数個の検出窓61が個々に細
分化され、同時に複数個の検出窓61が形成される。
【0042】このように、前記基板613の裏面側に裏
溝612を形成し、かつ前記基板613の表面側に前記
裏溝612を横切る断面V字型の位置決め溝610を形
成するだけで、検出窓61に前記位置決め溝610及び
スリット611が同時に形成される。従って、検出窓6
1に簡易かつ迅速に断面V字型の位置決め溝610及び
スリット611が形成できる。
【0043】また、前記エッチングストッパ層(72)
でV溝エッチングの深さ方向の進行を実質的に停止して
位置決め溝610の局部的な貫通が防止でき、かつこの
貫通と同時にエッチング液が回り込んで発生するスリッ
ト611のエッチング端での横方向の急速なエッチング
が防止できる。従って、前記スリット611の形状の変
形が極力減少し、かつスリット611の形状の揺らぎが
防止できるので、スリット611の形状に高い直線性が
得られ、かつスリット611の加工精度が向上する。
【0044】また、前記検出窓61の形成に半導体ウエ
ハプロセス技術を採用することにより、大量生産が実現
でき、しかも複数個の検出窓61において個々のばらつ
きが減少する。
【0045】また、前記検出窓61には常温において吸
収端の波長が約1.1μmの赤外領域にある珪素が使用
されるので、可視光領域より短波長の領域において電気
泳動が実現できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、キャピラリー式電気泳動装置に使用される
検出窓に断面V字型の位置決め溝及びスリットを簡易に
形成でき、かつ両者の中心位置が精度良く一致できる。
【0047】また、請求項2に係る発明によれば、前記
効果に加えて、前記スリットの加工精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャピラリー式電気泳動装置に使
用される検出窓ユニットの要部断面図である。
【図2】前記検出窓ユニットの分解斜視図である。
【図3】前記検出窓ユニットの検出窓の上面図である。
【図4】図4(A)は前記検出窓の形成方法を示す第1
工程の要部断面図、図4(B)は検出窓の要部裏面図で
ある。
【図5】前記検出窓の第2工程の要部断面図である。
【図6】図6(A)は前記検出窓の第3工程の要部断面
図、図6(B)は検出窓の要部裏面図である。
【図7】前記検出窓の第4工程の要部断面図である。
【図8】前記検出窓の第5工程の要部断面図である。
【図9】図9(A)は前記検出窓の第6工程の要部断面
図、図9(C)は検出窓の要部表面図である。
【図10】図10(A)は前記検出窓の第7工程の要部
断面図、図10(C)は検出窓の要部表面図である。
【図11】図11(A)は前記検出窓の第8工程の要部
断面図、図11(B)は検出窓の要部裏面図、図11
(C)は検出窓の要部表面図である。
【図12】前記検出窓の第9工程の要部断面図である。
【図13】図13(A)は前記検出窓の第10工程の要
部断面図、図13(B)は検出窓の要部裏面図、図13
(C)は検出窓の要部表面図である。
【図14】従来のキャピラリー式電気泳動装置の原理図
である。
【図15】前記キャピラリー式電気泳動装置に使用され
る検出窓の要部断面図である。
【符号の説明】
1 測定光発生器 4 キャピラリー 5 測定光検出器 6 検出窓ユニット 60 台座 61 検出窓 610 位置決め溝 611 スリット 612 裏溝 613 基板 62 保護用板 63 押さえ用弾性体 64 押さえ板 72 不純物拡散領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 - 27/49 G01N 33/00 - 33/46 G01N 21/00 - 21/83

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定光発生器と測定光検出器との間に配
    置され、キャピラリーへ照射する測定光を絞り込むスリ
    ットが位置決め溝中央に形成された検出窓の製造方法に
    おいて、 基板の裏面側に、スリット長に対応した縦方向の開口幅
    を有しかつ少なくともスリット幅より大きい横方向の開
    口幅を有する裏溝を形成する裏溝形成工程と、 前記基板の表面側に、前記縦方向に沿って断面V字型の
    位置決め溝を形成する位置決め溝形成工程と、 を含み、 前記位置決め溝の頂部を前記裏溝の底面が横切る境界に
    前記スリットが形成されることを特徴とする検出窓の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 測定光発生器と測定光検出器との間に配
    置され、キャピラリーへ照射する測定光を絞り込むスリ
    ットが位置決め溝中央に形成された検出窓の製造方法に
    おいて、 基板の裏面側に、スリット長に対応した縦方向の開口幅
    を有しかつ少なくともスリット幅より大きい横方向の開
    口幅を有する裏溝を形成する裏溝形成工程と、 前記裏溝の底面の表面層にエッチングストッパ層を形成
    するエッチングストッパ層形成工程と、 前記基板の表面側に、前記縦方向に沿って断面V字型の
    位置決め溝を異方性エッチングで形成する位置決め溝形
    成工程と、 前記エッチングストッパ層を除去するエッチングストッ
    パ層除去工程と、 を含み、 前記位置決め溝の頂部を前記裏溝の底面が横切る境界に
    前記スリットが形成されることを特徴とする検出窓の製
    造方法。
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