JP3351730B2 - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JP3351730B2
JP3351730B2 JP02582398A JP2582398A JP3351730B2 JP 3351730 B2 JP3351730 B2 JP 3351730B2 JP 02582398 A JP02582398 A JP 02582398A JP 2582398 A JP2582398 A JP 2582398A JP 3351730 B2 JP3351730 B2 JP 3351730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁流量計に関
し、特に励磁周波数またはサンプリング期間を自律的に
選択する電磁流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、所定の矩形励磁信号に基づいて
計測管内の流体に磁界を印加し、電極から得られた流体
の信号起電力を含む検出信号をサンプリングして信号処
理することにより計測流量を得る電磁流量計では、スラ
リー流体などの流量を計測する場合、励磁周波数を低く
した場合に増大し、励磁周波数を高くした場合に減少す
るノイズ、すなわち1/fノイズが存在することが分か
っている。したがって、スラリー流体などの流量を計測
する場合には、高い励磁周波数を用いることが望まし
い。
【0003】一方、コイルを励磁して流体に磁界を印加
することから、理想的な矩形波の励磁波形を発生させる
ことができず、流体から得られる検出信号は、矩形波変
化点に生じるなまりと、磁束変化点に生じる磁束微分ノ
イズの影響を受けることになる。したがって、従来、励
磁コイルの設計段階で1/fノイズの影響を低減できる
実用的な励磁周波数を予測し、それに応じたサンプリン
グ期間を、例えば励磁半周期の後部1/4の領域など
に、固定的に決定するものとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電磁流量計では、矩形波変化点に生じるなま
りについてはある程度除去できるものの、磁束変化点に
生じる磁束微分ノイズについては除去できない場合もあ
り、計測誤差の発生原因となるという問題点があった。
すなわち、磁束微分ノイズは、流体の導電率、計測管の
口径、あるいはケーブルの長さなど、装置や計測環境に
固有の要因によって変化するため、矩形波変化点に生じ
るなまりに比較して予測が難しい。
【0005】したがって、磁束微分ノイズが大きい場合
には減衰するまでに時間がかかり、検出信号のサンプリ
ング期間まで残留し、サンプリング期間で取り込んだ検
出信号の振幅に基づき算出された計測流量に誤差が生じ
るという問題があった。本発明はこのような課題を解決
するためのものであり、装置や計測環境に最適な励磁周
波数またはサンプリング期間を自律的に選択できる電磁
流量計を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1の発明は、電磁流量計において、所
定の開始タイミングにおける波高値と、少なくともその
直前または直後のタイミングにおける波高値のいずれか
とをそれぞれ検出して比較し、その比較結果に応じて励
磁周波数または開始タイミングの時間位置を調整するこ
とにより、所望の励磁周波数または流量計測時のサンプ
リング期間を選択するようにしたものである。したがっ
て、磁束微分ノイズによる検出信号の波形ひずみが、検
出信号の傾きにより検出され、その結果に応じて、流量
計測に最適な励磁周波数または流量計測時のサンプリン
グ期間が選択される。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1におい
て、所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、開
始タイミング直後のタイミングにおける第2の波高値
と、開始タイミング直前のタイミングにおける第3の波
高値とを検出し、第1の波高値と第2の波高値との差が
基準値以下であり、かつ第1の波高値と第3の波高値と
の差が所定基準値より大きい場合には、開始タイミング
から終了タイミングまでを流量計測時のサンプリング期
間とするようにしたものである。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項2におい
て、第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値よ
り大きい場合には、励磁半周期内における開始タイミン
グの相対位置を変更することにより、励磁半周期長に対
する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに小
さくした後、各波高値の検出およびその検出結果に基づ
く流量計測時のサンプリング期間の選択を再実行し、第
1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値以内の場
合であって、かつ第1の波高値と第3の波高値との差が
所定基準値以内の場合には、励磁半周期内における開始
タイミングの相対位置を変更することにより、励磁半周
期長に対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を
僅かに大きくした後、各波高値の検出およびその検出結
果に基づく流量計測時のサンプリング期間の選択を再実
行するようにしたものである。また、請求項4の発明
は、請求項3において、第1の波高値と第2の波高値と
の差と所定基準値とを比較し、第1の波高値と第2の波
高値との差が所定基準値以内の場合にのみ、第1の波高
値と第3の波高値との差が所定基準値以内か否か判断す
るようにしたものである。
【0009】また、請求項5の発明は、請求項1におい
て、所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、開
始タイミング直前のタイミングにおける第3の波高値と
を検出し、第1の波高値と第3の波高値との差が所定基
準値より大きな場合には、開始タイミングから終了タイ
ミングまでを流量計測時のサンプリング期間とし、第1
の波高値と第3の波高値との差が所定基準値以下の場合
には、励磁半周期内における開始タイミングの相対位置
を変更することにより、励磁半周期長に対する流量計測
時のサンプリング期間長の割合を僅かに大きくした後、
各波高値の検出およびその検出結果に基づく流量計測時
のサンプリング期間の選択を再実行するようにしたもの
である。
【0010】また、請求項6の発明は、請求項1におい
て、所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、開
始タイミング直後のタイミングにおける第2の波高値と
を検出し、第1の波高値と第2の波高値との差が所定基
準値以下の場合には、開始タイミングから終了タイミン
グまでを流量計測時のサンプリング期間とし、第1の波
高値と第2の波高値との差が所定基準値より大きい場合
には、励磁半周期内における開始タイミングの相対位置
を変更することにより、励磁半周期長に対する流量計測
時のサンプリング期間長の割合を僅かに小さくした後、
各波高値の検出およびその検出結果に基づく流量計測時
のサンプリング期間の選択を再実行するようにしたもの
である。
【0011】また、請求項7の発明は、請求項3におい
て、励磁周波数を高くして励磁半周期内における開始タ
イミングの相対位置を変更し、あるいは励磁周波数を一
定として励磁半周期内における開始タイミングをその直
前のタイミングに変更することにより、励磁半周期長に
対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに
小さくするようにしたものである。また、請求項8の発
明は、請求項3または請求項5において、励磁周波数を
低くして励磁半周期内における開始タイミングの相対位
置を変更し、あるいは励磁周波数を一定として励磁半周
期内における開始タイミングをその直後のタイミングに
変更することにより、励磁半周期長に対する流量計測時
のサンプリング期間長の割合を僅かに大きくするように
したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の一実施の形態である電磁
流量計のブロック図であり、同図において、10は所定
励磁周波数の励磁電流12に基づいて管内の流体に磁界
を印加し、流体に発生した信号起電力を検出信号13と
して検出出力する検出器、1は検出器10に対して所定
の励磁電流12を出力するとともに、検出器10からの
検出信号13を信号処理することにより管内の流量を算
出出力する変換器である。
【0013】検出器10において、電極10A,10B
は被計測流体が流れる管10Cの内壁に対向して配置さ
れ、流体に発生した信号起電力を検出する電極である。
また、励磁コイル10Dは変換器11からの励磁電流1
2に基づいて励磁され、管10C内の流体に磁界を印加
するコイルである。
【0014】変換器1において、励磁部7は所定励磁周
波数の矩形波からなる励磁信号11に基づいて励磁電流
12を出力する回路部である。AC増幅部2は、検出器
10からの検出信号13を交流増幅し、流体流速に応じ
て振幅が変化する交流流量信号14として出力する回路
部である。サンプルホールド部3は、スイッチング信号
15に基づいて、AC増幅部2からの交流流量信号14
をサンプリングし、流体流速に応じて直流電位が変化す
る直流流量信号として出力する回路部である。
【0015】A−D変換部4はサンプルホールド部3か
らの直流流量信号をディジタル情報16に変換する回路
部である。演算制御部5はA−D変換部4からのディジ
タル情報16のうち、所定のサンプリング期間に得られ
た情報に対して所定の演算処理を実行することにより所
望の流量を算出する回路部である。出力部6は演算制御
部5で算出された流量を所定の信号に変換して出力する
回路部である。
【0016】特に、演算制御部5には、流体流量がゼロ
の状態下で、複数の異なるサンプリングタイミングにお
ける波高値、すなわちゼロ点値を検出するゼロ点検出部
8が設けられている。演算制御部5では、このゼロ点検
出部8により検出されたこれらゼロ点値の比較結果に応
じて、装置や計測環境に最適な励磁信号11の励磁周波
数あるいはサンプリング期間が選択される。
【0017】以下、図2および3を参照して、本発明の
第1の実施の形態による動作について説明する。図2は
第1の実施の形態による動作を示すフローチャート、図
3は各部の動作を示す信号波形図である。図3におい
て、(a)は励磁周波数調整前の状態、(b)は励磁周
波数調整後の状態をそれぞれ示している。
【0018】なお、tF は励磁半周期であり、励磁周波
数f0 とは、 励磁周波数f0 =1/(2×tF ) の関係にある。また、tS はサンプリング期間であり、
この場合、励磁半周期tF の後端の終了タイミングTE
から時間軸前方(手前)にtS 時間長だけサンプリング
期間が設けられている。
【0019】なお、図3において、21,22は交流流
量信号14の負側および正側に発生した磁束微分ノイズ
を示している。この場合、実際にA−D変換部4からの
ディジタル情報16は、正極側に整流された情報である
が、理解を容易にするため、検出信号波形として交流流
量信号14を用いて説明してある。
【0020】以下では、励磁半周期tF 内における最適
なサンプリング期間tS の開始タイミングの相対位置を
検出することにより、最適な励磁周波数を選択する場合
の動作を例に説明する。なお、以下の処理動作は、流体
速度がゼロの状態下で実行される。
【0021】まず、演算制御部5では、ゼロ点検出部8
により、図3(a)に示すように、所定サンプリング期
間tS の開始タイミングT1 、例えば所定の標準値でゼ
ロ点値V1 (第1の波高値)を検出する(ステップ2
1)。続いて、開始タイミングT1 直後のタイミングT
2 、例えば所定の単位シフト時間tD だけ短くしたサン
プリング期間tS −tD 場合の開始タイミングにおける
ゼロ点値V2 (第2の波高値)を検出する(ステップ2
2)。
【0022】さらに、開始タイミングT1 直前のタイミ
ングT3 、例えば所定の単位シフト時間tD だけ短くし
たサンプリング期間tS +tD 場合の開始タイミングに
おけるゼロ点値V3 (第3の波高値)を検出する(ステ
ップ23)。次に、ゼロ点値V1 とゼロ点値V2 とを比
較し(ステップ24)、その差V1−V2 が基準値より
大きい場合には(ステップ24:NO)、開始タイミン
グT1 において流量信号波形が安定していないと判断し
て、励磁周波数f0 を所定分だけ低くして、ステップ2
1に戻る。
【0023】この場合、サンプリング期間tS は変化さ
せないため、励磁周波数f0 が低くなった分だけ励磁半
周期長tF が長くなり、励磁半周期長tF に対するサン
プリング周期長tS の割合が小さくなる。これにより、
磁束変化点とその後のサンプリング開始タイミングとの
時間距離が長くなり、サンプリング期間tS に対する磁
束変化点に生じる磁束微分ノイズの影響を低減する方向
に励磁周波数が変化することになる。
【0024】一方、差V1 −V2 が基準値以下の場合に
は(ステップ24:YES)、開始タイミングT1 にお
いて流量信号波形が安定していると判断し、さらに、ゼ
ロ点値V1 とゼロ点値V3 とを比較する(ステップ2
6)。ここで、その差V1 −V3 が基準値以下の場合に
は(ステップ26:YES)、開始タイミングT3 にお
いて流量信号波形が安定していると判断して、励磁周波
数f0 を所定分だけ高くして(ステップ27)、ステッ
プ21に戻る。
【0025】この場合、図3(b)に示すように、サン
プリング期間tS は変化させないため、励磁周波数f0
が高くなった分だけ励磁半周期長tF が短くなり、励磁
半周期長tF に対するサンプリング周期長tS の割合が
大きくなる。これにより、サンプリング期間長tS を維
持しながら、1/fノイズを低減できる方向に励磁周波
数が変化することになる。
【0026】また、差V1 −V3 が基準値より大きい
合には(ステップ26:NO)、開始タイミングT3
流量信号波形が安定しておらず、開始タイミングT1
流量信号波形が安定していると判断し、現在の励磁周波
数f0 を選択し(ステップ28)、一連の処理を終了す
る。
【0027】このように、所定の開始タイミングT1
けるゼロ点値V1と、その直前および直後のタイミング
2 ,T3 におけるゼロ点値V2 またはゼロ点値V3
を比較し、その比較結果に応じて、励磁周波数またはサ
ンプリング期間を選択するようにしたので、磁束微分ノ
イズによる検出信号の波形ひずみが、検出信号の傾きに
より検出され、従来のように、励磁コイルの設計段階で
1/fノイズの影響を低減できる実用的な励磁周波数を
予測し、それに応じたサンプリング期間を固定的に決定
するものと比較して、装置や計測環境に最適な励磁周波
数またはサンプリング期間を自律的に選択できる。
【0028】また、差V1 −V2 が基準値以下であり、
かつ差V1 −V3 が所定基準値より大きい場合には、開
始タイミングT1 から終了タイミングTE までをサンプ
リング期間tS とするようにしたので、検出信号波形が
安定しており、かつ励磁半周期長tF に対するサンプリ
ング期間長tS の割合が最大となる励磁周波数またはサ
ンプリング期間を選択できる。
【0029】また、差V1 −V2 が所定基準値より大き
い場合には、励磁周波数を大きくして、励磁半周期長t
F に対するサンプリング期間長tS の割合を僅かに小さ
くした後、各ゼロ点値の検出およびその検出結果に基づ
くサンプリング期間の選択を再実行し、差V1 −V2
所定基準値以内であり、かつ差V1 −V3 が所定基準値
以内の場合にのみ、励磁周波数を小さくして、励磁半周
期長に対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を
僅かに大きくした後、各ゼロ点値の検出およびその検出
結果に基づくサンプリング期間の選択を再実行するよう
にしたものである。
【0030】したがって、所定の開始タイミングT1
らその前および後方向に、励磁周波数またはサンプリン
グ期間の最適値が走査されるものとなり、走査開始時点
における開始タイミングT1 として、例えば標準値を選
択することにより、一方向から順に最適値を走査する場
合と比較して、最適値に到達するまでの時間を短縮でき
る。
【0031】また、差V1 −V2 と所定基準値とを比較
し、差V1 −V2 が所定基準値以内の場合にのみ、差V
1 −V3 が所定基準値以内か否か判断するようにしたの
で、現在の開始タイミングT1 で必須のサンプリング条
件、すなわち開始タイミングT1 から終了タイミングT
E 方向における波形安定性が最初に判断され、この方向
における波形安定性が確認された後、よりよいサンプリ
ング条件、すなわち開始タイミングT1 から終了タイミ
ングTE とは逆方向における波形安定性が判断されるも
のとなり、装置や計測環境に最適な励磁周波数またはサ
ンプリング期間を効率よく選択できる。
【0032】次に、図4,5を参照して、本発明の第2
の実施の形態による動作について説明する。図4は第2
の実施の形態による動作を示すフローチャート、図5は
各部の動作を示す信号波形図である。図5において、前
述の説明(図3参照)と同じまたは同等部分には同一符
号を付してある。
【0033】以下では、サンプリング期間が比較的短い
場合の開始タイミングから、サンプリング期間が長くな
る方向へ、最適な励磁周波数を走査する場合の動作を例
に説明する。なお、以下の処理動作は、流体速度がゼロ
の状態下で実行される。
【0034】まず、演算制御部5では、ゼロ点検出部8
により、図5に示すように、所定サンプリング期間tS
の開始タイミングT1 、例えば終了タイミングTE (t
S =0)でゼロ点値V1 (第1の波高値)を検出する
(ステップ41)。続いて、開始タイミングT1 直前の
タイミングT3 、例えば所定の単位シフト時間tD だけ
短くしたサンプリング期間tS +tD 場合の開始タイミ
ングにおけるゼロ点値V3 (第3の波高値)を検出する
(ステップ42)。
【0035】次に、ゼロ点値V1 とゼロ点値V3 とを比
較し(ステップ43)、その差V1−V3 が基準値以下
の場合には(ステップ43:YES)、開始タイミング
3において流量信号波形が安定していると判断して、
励磁周波数f0 を所定分だけ高くして(ステップ4
4)、ステップ41に戻る。
【0036】この場合、サンプリング期間tS は変化さ
せないため、励磁周波数f0 が高くなった分だけ励磁半
周期長tF が短くなり、励磁半周期長tF に対するサン
プリング期間長tS の割合が大きくなる。これにより、
サンプリング期間長tS を維持しながら、1/fノイズ
を低減できる方向に励磁周波数が変化することになる。
【0037】また、差V1 −V3 が基準値より大きい
合には(ステップ43:NO)、開始タイミングT3
流量信号波形が安定しておらず、開始タイミングT1
流量信号波形が安定していると判断し、現在の励磁周波
数f0 を選択し(ステップ45)、一連の処理を終了す
る。
【0038】このように、所定の開始タイミングT1
おいて、差V1 −V3 が所定基準値より大きな場合に
は、開始タイミングT1 から終了タイミングTE までを
サンプリング期間tS とし、差V1 −V3 が所定基準値
以下の場合には、励磁周波数f0 を高くして、励磁半周
期長tF に対するサンプリング期間長tS の割合を僅か
に大きくした後、各波高値の検出およびその検出結果に
基づく流量計測時のサンプリング期間の選択を再実行す
るようにしたものである。
【0039】したがって、比較的簡素な処理動作で、装
置や計測環境に最適な励磁周波数またはサンプリング期
間を効率よく選択できるとともに、標準の開始タイミン
グT1 が定まらない場合でも、最適値を検出できる。ま
た、第2の実施の形態では、サンプリング期間が比較的
短い場合の開始タイミングから、サンプリング期間が長
くなる方向へ、最適な励磁周波数を走査する場合の動作
を例に説明したが、逆方向から走査を行ってもよい。
【0040】なお、以上の説明において、サンプリング
期間tS を一定とし、励磁周波数fO を変化させること
により、励磁半周期長tF に対するサンプリング期間長
Sの割合を変化させた場合を例に説明したが、これに
限定されるものではない。例えば、励磁半周期長tF
対するサンプリング期間長tS の割合を大きくしたい場
合には、励磁周波数f0 を一定とし、開始タイミングT
1 を時間軸前方に移動させてサンプリング期間tS を延
長するようにしてもよい。
【0041】また、以上の説明において、ゼロ点検出部
8を演算制御部5内に設けて、A−D変換部4からのデ
ィジタル情報16に基づいて、各ゼロ点値を検出するよ
うにした場合を例に説明したが、これに限定されない。
例えば、信号増幅部2からの交流流量信号14のうち、
所定の開始タイミングにおける波高値すなわちゼロ点値
と、所定の基準値とを比較する比較器からゼロ点検出部
8を構成し、その比較結果に基づいて励磁周波数やサン
プリング期間を選択するようにしてもよい。
【0042】なお、一般的に、電磁流量計には、装置や
計測環境に固有の計測誤差、特に流体速度がゼロの場合
の計測流量を微調整することを目的として、流体速度が
ゼロの場合における検出信号の波高値、すなわちゼロ点
値を測定するゼロ点検出部が設けられている。本発明で
は、本来、電磁流量計に備わっているゼロ点検出部を、
最適な励磁周波数またはサンプリング期間の選択に用い
ることを前提としており、これにより特別な処理部ある
いは回路部を追加することなく、本発明を実現できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明
は、所定の開始タイミングにおける波高値と、少なくと
もその直前または直後のタイミングにおける波高値のい
ずれかとをそれぞれ検出して比較し、その比較結果に応
じて励磁周波数または開始タイミングの時間位置を調整
することにより、所望の励磁周波数または流量計測時の
サンプリング期間を選択するようにしたものである。し
たがって、磁束微分ノイズによる検出信号の波形ひずみ
が、検出信号の傾きにより検出され、従来のように、励
磁コイルの設計段階で1/fノイズの影響を低減できる
実用的な励磁周波数を予測し、それに応じたサンプリン
グ期間を固定的に決定するものと比較して、装置や計測
環境に最適な励磁周波数またはサンプリング期間を自律
的に選択できる。
【0044】また、請求項2の発明は、請求項1におい
て、所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、開
始タイミング直後のタイミングにおける第2の波高値
と、開始タイミング直前のタイミングにおける第3の波
高値とを検出し、第1の波高値と第2の波高値との差が
基準値以下であり、かつ第1の波高値と第3の波高値と
の差が所定基準値より大きい場合には、開始タイミング
から終了タイミングまでを流量計測時のサンプリング期
間とするようにしたものである。したがって、検出信号
波形が安定しており、かつ励磁半周期長に対するサンプ
リング期間長の割合が最大となる励磁周波数またはサン
プリング期間を選択できる。
【0045】また、請求項3の発明は、請求項2におい
て、第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値よ
り大きい場合には、励磁半周期内における開始タイミン
グの相対位置を変更することにより、励磁半周期長に対
する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに小
さくした後、各波高値の検出およびその検出結果に基づ
く流量計測時のサンプリング期間の選択を再実行し、第
1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値以内の場
合であって、かつ第1の波高値と第3の波高値との差が
所定基準値以内の場合には、励磁半周期内における開始
タイミングの相対位置を変更することにより、励磁半周
期長に対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を
僅かに大きくした後、各波高値の検出およびその検出結
果に基づく流量計測時のサンプリング期間の選択を再実
行するようにしたものである。したがって、所定の開始
タイミングからその前および後方向に、励磁周波数また
はサンプリング期間の最適値が走査されるものとなり、
走査開始時点における開始タイミングとして、例えば標
準値を選択することにより、一方向から順に最適値を走
査する場合と比較して、最適値に到達するまでの時間を
短縮できる。
【0046】また、請求項4の発明は、請求項3におい
て、第1の波高値と第2の波高値との差と所定基準値と
を比較し、第1の波高値と第2の波高値との差が所定基
準値以内の場合にのみ、第1の波高値と第3の波高値と
の差が所定基準値以内か否か判断するようにしたもので
ある。したがって、現在の開始タイミングで必須のサン
プリング条件、すなわち開始タイミングから終了タイミ
ング方向における波形安定性が最初に判断され、この方
向における波形安定性が確認された後、よりよいサンプ
リング条件、すなわち開始タイミングから終了タイミン
グとは逆方向における波形安定性が判断されるものとな
り、装置や計測環境に最適な励磁周波数またはサンプリ
ング期間を効率よく選択できる。
【0047】また、請求項5の発明は、請求項1におい
て、所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、開
始タイミング直前のタイミングにおける第3の波高値と
を検出し、第1の波高値と第3の波高値との差が所定基
準値より大きな場合には、開始タイミングから終了タイ
ミングまでを流量計測時のサンプリング期間とし、第1
の波高値と第3の波高値との差が所定基準値以下の場合
には、励磁半周期内における開始タイミングの相対位置
を変更することにより、励磁半周期長に対する流量計測
時のサンプリング期間長の割合を僅かに大きくした後、
各波高値の検出およびその検出結果に基づく流量計測時
のサンプリング期間の選択を再実行するようにしたもの
である。
【0048】また、請求項6の発明は、請求項1におい
て、所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、開
始タイミング直後のタイミングにおける第2の波高値と
を検出し、第1の波高値と第2の波高値との差が所定基
準値以下の場合には、開始タイミングから終了タイミン
グまでを流量計測時のサンプリング期間とし、第1の波
高値と第2の波高値との差が所定基準値より大きい場合
には、励磁半周期内における開始タイミングの相対位置
を変更することにより、励磁半周期長に対する流量計測
時のサンプリング期間長の割合を僅かに小さくした後、
各波高値の検出およびその検出結果に基づく流量計測時
のサンプリング期間の選択を再実行するようにしたもの
である。したがって、比較的簡素な処理動作で、装置や
計測環境に最適な励磁周波数またはサンプリング期間を
効率よく選択できるとともに、標準の開始タイミングが
定まらない場合でも、最適値を検出できる。
【0049】また、請求項7の発明は、請求項3におい
て、励磁周波数を高くして励磁半周期内における開始タ
イミングの相対位置を変更し、あるいは励磁周波数を一
定として励磁半周期内における開始タイミングをその直
前のタイミングに変更することにより、励磁半周期長に
対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに
小さくするようにしたものである。また、請求項8の発
明は、請求項3または請求項5において、励磁周波数を
低くして励磁半周期内における開始タイミングの相対位
置を変更し、あるいは励磁周波数を一定として励磁半周
期内における開始タイミングをその直後のタイミングに
変更することにより、励磁半周期長に対する流量計測時
のサンプリング期間長の割合を僅かに大きくするように
したものである。したがって、励磁周波数または開始タ
イミングの時間位置のいずれか一方を一定とする必要が
ある場合でも、他方を調整することにより、励磁半周期
内における開始タイミングの相対位置を変更することが
でき、各種計測環境に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態による電磁流量計のブ
ロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態による動作を示す
フローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態による各部の動作
を示す信号波形図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態による動作を示す
フローチャートである。
【図5】 本発明の第2の実施の形態による各部の動作
を示す信号波形図である。
【符号の説明】
1…変換器、2…信号増幅部、3…サンプルホールド
部、4…A−D変換部、5…演算制御部、6…出力部、
7励磁部、8…ゼロ点検出部、10…検出器、10A,
10B…電極、10C…管、10D…励磁コイル、11
…励磁信号、12…励磁電流、13…検出信号、14…
交流流量信号、15…スイッチング信号、16…ディジ
タル情報、21,22…磁束微分ノイズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/60 G01F 1/58

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定励磁周期の矩形波励磁信号に基づき
    計測管内の流体に磁界を印加し、励磁周期に同期して流
    体から得られた検出信号のうちその励磁半周期内におけ
    る所定の開始タイミングから終了タイミングまでのサン
    プリング期間に得られた検出信号の波高値に基づき流体
    流量を計測出力する電磁流量計において、 流体速度がゼロの場合に、所定の開始タイミングにおけ
    る波高値と、少なくともその直前または直後のタイミン
    グにおける波高値のいずれかとをそれぞれ検出して比較
    し、 その比較結果に応じて励磁周波数または前記開始タイミ
    ングの時間位置を調整することにより、所望の励磁周波
    数または流量計測時のサンプリング期間を選択すること
    を特徴とする電磁流量計。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁流量計において、 所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、前記開
    始タイミング直後のタイミングにおける第2の波高値
    と、前記開始タイミング直前のタイミングにおける第3
    の波高値とを検出し、 第1の波高値と第2の波高値との差が基準値以下であ
    り、かつ第1の波高値と第3の波高値との差が所定基準
    値より大きい場合には、前記開始タイミングから前記終
    了タイミングまでを流量計測時のサンプリング期間とす
    ることを特徴とする電磁流量計。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電磁流量計において、 第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値より大
    きい場合には、励磁半周期内における前記開始タイミン
    グの相対位置を変更することにより、励磁半周期長に対
    する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに小
    さくした後、各波高値の検出およびその検出結果に基づ
    く流量計測時のサンプリング期間の選択を再実行し、 第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値以内の
    場合であって、かつ第1の波高値と第3の波高値との差
    が所定基準値以内の場合には、励磁半周期内における前
    記開始タイミングの相対位置を変更することにより、励
    磁半周期長に対する流量計測時のサンプリング期間長の
    割合を僅かに大きくした後、各波高値の検出およびその
    検出結果に基づく流量計測時のサンプリング期間の選択
    を再実行することを特徴とする電磁流量計。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の電磁流量計において、 第1の波高値と第2の波高値との差と所定基準値とを比
    較し、 第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値以内の
    場合にのみ、第1の波高値と第3の波高値との差が所定
    基準値以内か否か判断することを特徴とする電磁流量
    計。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電磁流量計において、 所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、前記開
    始タイミング直前のタイミングにおける第3の波高値と
    を検出し、 第1の波高値と第3の波高値との差が所定基準値より大
    きな場合には、前記開始タイミングから前記終了タイミ
    ングまでを流量計測時のサンプリング期間とし、 第1の波高値と第3の波高値との差が所定基準値以下の
    場合には、励磁半周期内における前記開始タイミングの
    相対位置を変更することにより、励磁半周期長に対する
    流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに大きく
    した後、各波高値の検出およびその検出結果に基づく流
    量計測時のサンプリング期間の選択を再実行することを
    特徴とする電磁流量計。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電磁流量計において、 所定の開始タイミングにおける第1の波高値と、前記開
    始タイミング直後のタイミングにおける第2の波高値と
    を検出し、 第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値以下の
    場合には、前記開始タイミングから前記終了タイミング
    までを流量計測時のサンプリング期間とし、 第1の波高値と第2の波高値との差が所定基準値より大
    きい場合には、励磁半周期内における前記開始タイミン
    グの相対位置を変更することにより、励磁半周期長に対
    する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅かに小
    さくした後、各波高値の検出およびその検出結果に基づ
    く流量計測時のサンプリング期間の選択を再実行するこ
    とを特徴とする電磁流量計。
  7. 【請求項7】 請求項3または請求項6記載の電磁流量
    計において、 励磁周波数を高くして励磁半周期内における前記開始タ
    イミングの相対位置を変更し、あるいは励磁周波数を一
    定として励磁半周期内における前記開始タイミングをそ
    の直前のタイミングに変更することにより、励磁半周期
    長に対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅
    かに小さくすることを特徴とする電磁流量計。
  8. 【請求項8】 請求項3または請求項5記載の電磁流量
    計において、 励磁周波数を低くして励磁半周期内における前記開始タ
    イミングの相対位置を変更し、あるいは励磁周波数を一
    定として励磁半周期内における前記開始タイミングをそ
    の直後のタイミングに変更することにより、励磁半周期
    長に対する流量計測時のサンプリング期間長の割合を僅
    かに大きくすることを特徴とする電磁流量計。
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