JPH10221134A - 電磁流量計 - Google Patents
電磁流量計Info
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- JPH10221134A JPH10221134A JP2691397A JP2691397A JPH10221134A JP H10221134 A JPH10221134 A JP H10221134A JP 2691397 A JP2691397 A JP 2691397A JP 2691397 A JP2691397 A JP 2691397A JP H10221134 A JPH10221134 A JP H10221134A
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- signal
- fluid
- circuit
- flow
- measuring tube
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 流体抜けを高精度に検出可能とし、信頼性の
向上を図る。 【解決手段】 アースリング110と電極103aまた
は103bとの間の電位差を増幅する増幅回路111、
その出力を励磁信号の極性に同期して整流する同期整流
回路112、その出力を平滑化する平滑化回路113お
よびその出力を閾値115と比較するコンパレータ11
4等を設け、平滑化信号が閾値115以上のとき流体抜
け信号を出力する。つまり、同期整流することで直流成
分の影響を受け難くし、精度の良い流体抜け検出を可能
とする。
向上を図る。 【解決手段】 アースリング110と電極103aまた
は103bとの間の電位差を増幅する増幅回路111、
その出力を励磁信号の極性に同期して整流する同期整流
回路112、その出力を平滑化する平滑化回路113お
よびその出力を閾値115と比較するコンパレータ11
4等を設け、平滑化信号が閾値115以上のとき流体抜
け信号を出力する。つまり、同期整流することで直流成
分の影響を受け難くし、精度の良い流体抜け検出を可能
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、殆どの導電性流
体の流量計測に適用可能で、かつ、圧損が無視できるこ
とから、特にプラントや水処理設備などの流量の管理,
制御に好適な電磁流量計に関する。
体の流量計測に適用可能で、かつ、圧損が無視できるこ
とから、特にプラントや水処理設備などの流量の管理,
制御に好適な電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁流量計はフレミングの法則に
より、JIS Z8764やJISB7554にも示さ
れるように、その流量信号は管内を流れる方向,磁界の
方向とそれぞれ直交する方向に数10μVから数mVの
電圧信号として、管内を流れる流体速度に比例して発生
する。現在使用されている電磁流量計では、磁界を発生
する手段として配管の上下に配置した1対の励磁コイル
に交番電源から電流を流すようにしており、近年は電流
波形を矩形波状とすることで、零点ドリフトや経時変化
を軽減するようにしている。
より、JIS Z8764やJISB7554にも示さ
れるように、その流量信号は管内を流れる方向,磁界の
方向とそれぞれ直交する方向に数10μVから数mVの
電圧信号として、管内を流れる流体速度に比例して発生
する。現在使用されている電磁流量計では、磁界を発生
する手段として配管の上下に配置した1対の励磁コイル
に交番電源から電流を流すようにしており、近年は電流
波形を矩形波状とすることで、零点ドリフトや経時変化
を軽減するようにしている。
【0003】交番励磁とする理由は、直流磁界励磁では
流体中に発生する流量信号が直流であるため、流体と電
極間に一定方向に流れる微弱電流で、流体と電極界面に
電気化学反応が連続的に発生し、界面状態が変化して微
弱な起電力を生じたり、界面電気抵抗が増加変動したり
するからである。これらはいずれも一定値ではなく、経
時的に変化したり、流速で変わったりして、流量信号に
とってノイズとなる。このような問題を解決すべく交番
励磁とすると、流量信号も交流となり、電気化学反応も
正,逆反応が交互に生じるため進行せず、安定な計測が
可能になるというわけである。
流体中に発生する流量信号が直流であるため、流体と電
極間に一定方向に流れる微弱電流で、流体と電極界面に
電気化学反応が連続的に発生し、界面状態が変化して微
弱な起電力を生じたり、界面電気抵抗が増加変動したり
するからである。これらはいずれも一定値ではなく、経
時的に変化したり、流速で変わったりして、流量信号に
とってノイズとなる。このような問題を解決すべく交番
励磁とすると、流量信号も交流となり、電気化学反応も
正,逆反応が交互に生じるため進行せず、安定な計測が
可能になるというわけである。
【0004】図7にこのような電磁流量計の例を示す。
これは、流体101が流れる測定管102、および測定
管102の内壁に取り付けられた1対の電極103a,
103b、測定管102に磁束を与える励磁コイル10
4からなる検出器100と、この検出器100の励磁コ
イル104に電流を流す励磁回路105、電極103
a,103b間に発生する電位差(磁束の強さと測定管
102内を流れる流体101の平均速度に比例する値の
電圧)を増幅する差動増幅器(AMP)106、この差
動増幅器106によって増幅された信号を処理する演算
回路107よりなる変換器108とから構成されてい
る。
これは、流体101が流れる測定管102、および測定
管102の内壁に取り付けられた1対の電極103a,
103b、測定管102に磁束を与える励磁コイル10
4からなる検出器100と、この検出器100の励磁コ
イル104に電流を流す励磁回路105、電極103
a,103b間に発生する電位差(磁束の強さと測定管
102内を流れる流体101の平均速度に比例する値の
電圧)を増幅する差動増幅器(AMP)106、この差
動増幅器106によって増幅された信号を処理する演算
回路107よりなる変換器108とから構成されてい
る。
【0005】図8は図7の動作を説明するための各部波
形図である。以下、図7の動作について、図8を参照し
て説明する。すなわち、測定管102内を流れる流体1
01の流量を測定するときは、励磁回路105から図8
(a)で示すような励磁信号(矩形波電流)を出力して
励磁コイル104を励磁し、測定管102内に図8
(c)に示すような交番磁界を発生させ、各電極103
a,103bに直流成分に起因する分極電位が発生しな
いようにしながら、電極103a,103b間に交番磁
界による磁界の強さと、流体101の平均速度に比例す
る電位差を図8(d)の如く発生させ、これを差動増幅
器106によって増幅させる。
形図である。以下、図7の動作について、図8を参照し
て説明する。すなわち、測定管102内を流れる流体1
01の流量を測定するときは、励磁回路105から図8
(a)で示すような励磁信号(矩形波電流)を出力して
励磁コイル104を励磁し、測定管102内に図8
(c)に示すような交番磁界を発生させ、各電極103
a,103bに直流成分に起因する分極電位が発生しな
いようにしながら、電極103a,103b間に交番磁
界による磁界の強さと、流体101の平均速度に比例す
る電位差を図8(d)の如く発生させ、これを差動増幅
器106によって増幅させる。
【0006】上記動作と並行して、図8(c)の方形波
電流が安定する毎に、励磁回路105から出力される図
8(b)のようなサンプリング信号によって、演算回路
107にサンプリング動作を行なわせ、図8(e)の如
く差動増幅器106から出力される流量信号を取り込ま
せるとともに、このサンプリング動作にて取り込まれる
各流量信号にもとづき所定の演算を行ない、信号ケーブ
ル109および検出器100等によって構成されるルー
プ回路を横切る磁束の変化に起因するノイズや、方形波
電流の周期より長い周期を持つノイズを除去した図8
(f)のような流量信号を生成し、これを表示させた
り、4−20mAの電流信号等にしてディジタル伝送す
るようにしている。
電流が安定する毎に、励磁回路105から出力される図
8(b)のようなサンプリング信号によって、演算回路
107にサンプリング動作を行なわせ、図8(e)の如
く差動増幅器106から出力される流量信号を取り込ま
せるとともに、このサンプリング動作にて取り込まれる
各流量信号にもとづき所定の演算を行ない、信号ケーブ
ル109および検出器100等によって構成されるルー
プ回路を横切る磁束の変化に起因するノイズや、方形波
電流の周期より長い周期を持つノイズを除去した図8
(f)のような流量信号を生成し、これを表示させた
り、4−20mAの電流信号等にしてディジタル伝送す
るようにしている。
【0007】以上のような電磁流量計では、電極103
a,103b間の出力インピーダンスが流体101の導
電率に逆比例するので、流体導電率が変化しても測定結
果が変化しないようにするため、変換器108の入力イ
ンピーダンスを極めて高くなるようにしている。このた
め、測定管102から流体が抜ける(流体抜けともい
う)と、変換器108内の差動増幅器106の入力がオ
ープン状態で高インピーダンスとなるため、ノイズの影
響を受け易くなる。その結果、演算回路107から出力
される流量信号の値が不安定となり、流量測定が正確に
できないため、得られた流量信号を無効とし、流体抜け
を示す信号を発生させる必要がある。その手段として、
図9のようにアースリング110と電極103a,10
3b間の電位差を、増幅回路111で増幅した信号を半
波整流回路112Aで半波整流し、平滑化回路113で
平滑化したのち、コンパレータ114にて予め設定され
ているしきい値(閾値)115と比較し、それ以上にな
ると流体抜けと判断して出力するようにしたものがあ
る。
a,103b間の出力インピーダンスが流体101の導
電率に逆比例するので、流体導電率が変化しても測定結
果が変化しないようにするため、変換器108の入力イ
ンピーダンスを極めて高くなるようにしている。このた
め、測定管102から流体が抜ける(流体抜けともい
う)と、変換器108内の差動増幅器106の入力がオ
ープン状態で高インピーダンスとなるため、ノイズの影
響を受け易くなる。その結果、演算回路107から出力
される流量信号の値が不安定となり、流量測定が正確に
できないため、得られた流量信号を無効とし、流体抜け
を示す信号を発生させる必要がある。その手段として、
図9のようにアースリング110と電極103a,10
3b間の電位差を、増幅回路111で増幅した信号を半
波整流回路112Aで半波整流し、平滑化回路113で
平滑化したのち、コンパレータ114にて予め設定され
ているしきい値(閾値)115と比較し、それ以上にな
ると流体抜けと判断して出力するようにしたものがあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9に示すよ
うな構成では、アースリング110と電極103a,1
03b間の電位差しか監視していないため、以下のよう
な場合に誤動作し、流量を正常に測定できるにもかかわ
らず、流体抜けと判断してしまうという問題がある。 (1)測定管102を流れる流体のなかには、数V以上
の直流電圧が加えられている流体があり、このような直
流電圧によりアースリング110と電極103a,10
3b間に余分な直流電圧が発生し、これによってコンパ
レータ114が流体抜けと誤判定する場合がある。
うな構成では、アースリング110と電極103a,1
03b間の電位差しか監視していないため、以下のよう
な場合に誤動作し、流量を正常に測定できるにもかかわ
らず、流体抜けと判断してしまうという問題がある。 (1)測定管102を流れる流体のなかには、数V以上
の直流電圧が加えられている流体があり、このような直
流電圧によりアースリング110と電極103a,10
3b間に余分な直流電圧が発生し、これによってコンパ
レータ114が流体抜けと誤判定する場合がある。
【0009】(2)電極103a,103bと流体10
1との境界近傍には、イオンの集積に起因する電気二重
層が存在しており、通常は電極103a,103bと流
体101とは一定の電位差で安定しているが、部分的に
土砂を含んだ流体(スラリー),薬注などが時々行なわ
れる流体等では、上記電気二重層による電位差が変化
し、これによってコンパレータ114が誤動作する。 (3)図10(b)に示すようなスラリー,同(c)の
薬注のような場合の電極電圧の突変,持続的な変化によ
り、流体抜けと誤動作する。 したがって、この発明の課題は、流体抜けを高精度に検
出可能とし、信頼性を向上させることにある。
1との境界近傍には、イオンの集積に起因する電気二重
層が存在しており、通常は電極103a,103bと流
体101とは一定の電位差で安定しているが、部分的に
土砂を含んだ流体(スラリー),薬注などが時々行なわ
れる流体等では、上記電気二重層による電位差が変化
し、これによってコンパレータ114が誤動作する。 (3)図10(b)に示すようなスラリー,同(c)の
薬注のような場合の電極電圧の突変,持続的な変化によ
り、流体抜けと誤動作する。 したがって、この発明の課題は、流体抜けを高精度に検
出可能とし、信頼性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
べく、請求項1の発明では、測定管内に交番磁界を発生
させ、前記測定管に設けられた1対の電極に、測定管内
を流れる流体の流量に応じた流量信号を発生させるとと
もに、この流量信号を取り込んで所定の演算処理を行な
い流量値を出力する電磁流量計において、アースリング
と電極の一方または両方との電位差信号を励磁信号の極
性に同期して整流する同期整流器と、この同期整流器の
出力を平滑化する平滑化回路と、その平滑化信号を予め
設定されているしきい値と比較する比較器とからなる流
体抜け検出部を設け、前記平滑化信号の値が前記しきい
値以上のとき流体抜けとして出力するようにしている。
この請求項1の発明では、前記アースリングと電極の一
方または両方との電位差信号を増幅する増幅器を付加す
ることができる(請求項2の発明)。
べく、請求項1の発明では、測定管内に交番磁界を発生
させ、前記測定管に設けられた1対の電極に、測定管内
を流れる流体の流量に応じた流量信号を発生させるとと
もに、この流量信号を取り込んで所定の演算処理を行な
い流量値を出力する電磁流量計において、アースリング
と電極の一方または両方との電位差信号を励磁信号の極
性に同期して整流する同期整流器と、この同期整流器の
出力を平滑化する平滑化回路と、その平滑化信号を予め
設定されているしきい値と比較する比較器とからなる流
体抜け検出部を設け、前記平滑化信号の値が前記しきい
値以上のとき流体抜けとして出力するようにしている。
この請求項1の発明では、前記アースリングと電極の一
方または両方との電位差信号を増幅する増幅器を付加す
ることができる(請求項2の発明)。
【0011】請求項3の発明では、測定管内に交番磁界
を発生させ、前記測定管に設けられた1対の電極に、測
定管内を流れる流体の流量に応じた流量信号を発生させ
るとともに、この流量信号を取り込んで所定の演算処理
を行ない流量値を出力する電磁流量計において、アース
リングと電極の一方または両方との電位差信号から直流
電位成分のみを取り出すローパスフィルタと、前記電位
差信号と直流電位信号との差を求める差演算回路と、こ
の差演算回路の出力を励磁信号の極性に同期して整流す
る同期整流器と、この同期整流器の出力を平滑化する平
滑化回路と、その平滑化信号を予め設定されているしき
い値と比較する比較器とからなる流体抜け検出部を設
け、前記平滑化信号の値が前記しきい値以上のとき流体
抜けとして出力するようにしている。この請求項3の発
明では、前記アースリングと電極の一方または両方との
電位差信号を増幅する増幅器を付加することができる
(請求項4の発明)。
を発生させ、前記測定管に設けられた1対の電極に、測
定管内を流れる流体の流量に応じた流量信号を発生させ
るとともに、この流量信号を取り込んで所定の演算処理
を行ない流量値を出力する電磁流量計において、アース
リングと電極の一方または両方との電位差信号から直流
電位成分のみを取り出すローパスフィルタと、前記電位
差信号と直流電位信号との差を求める差演算回路と、こ
の差演算回路の出力を励磁信号の極性に同期して整流す
る同期整流器と、この同期整流器の出力を平滑化する平
滑化回路と、その平滑化信号を予め設定されているしき
い値と比較する比較器とからなる流体抜け検出部を設
け、前記平滑化信号の値が前記しきい値以上のとき流体
抜けとして出力するようにしている。この請求項3の発
明では、前記アースリングと電極の一方または両方との
電位差信号を増幅する増幅器を付加することができる
(請求項4の発明)。
【0012】請求項5の発明では、測定管内に交番磁界
を発生させ、前記測定管に設けられた1対の電極に、測
定管内を流れる流体の流量に応じた流量信号を発生させ
るとともに、この流量信号を取り込んで所定の演算処理
を行ない流量値を出力する電磁流量計において、アース
リングと電極の一方または両方との電位差信号を励磁信
号周波数の少なくとも2倍以上でサンプリングして離散
値に変換する変換回路と、その離散値から励磁信号周波
数成分のみを取り出す離散フーリエ変換器と、取り出さ
れた成分を時間的に平滑化する平滑化回路と、その平滑
化信号を予め設定されているしきい値と比較する比較器
とからなる流体抜け検出部を設け、前記平滑化信号の値
が前記しきい値以上のとき流体抜けとして出力するよう
にしている。この請求項5の発明では、前記アースリン
グと電極の一方または両方との電位差信号を増幅する増
幅器を付加することができる(請求項6の発明)。
を発生させ、前記測定管に設けられた1対の電極に、測
定管内を流れる流体の流量に応じた流量信号を発生させ
るとともに、この流量信号を取り込んで所定の演算処理
を行ない流量値を出力する電磁流量計において、アース
リングと電極の一方または両方との電位差信号を励磁信
号周波数の少なくとも2倍以上でサンプリングして離散
値に変換する変換回路と、その離散値から励磁信号周波
数成分のみを取り出す離散フーリエ変換器と、取り出さ
れた成分を時間的に平滑化する平滑化回路と、その平滑
化信号を予め設定されているしきい値と比較する比較器
とからなる流体抜け検出部を設け、前記平滑化信号の値
が前記しきい値以上のとき流体抜けとして出力するよう
にしている。この請求項5の発明では、前記アースリン
グと電極の一方または両方との電位差信号を増幅する増
幅器を付加することができる(請求項6の発明)。
【0013】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す回路図、図2はその動作説明図である。タイミ
ング生成回路116ではシステムの制御信号の他に、電
源からの商用周波数を分周して図2(a)に示すような
励磁信号を生成し、励磁コイル104を励磁して測定管
102の内部に磁界分布を生成する。この磁界に直交す
るように測定管102に流体が流れると、磁界と流体の
流速方向に互いに直交するように起電力が発生し、電極
103a,103b間に電位差が発生する。このとき、
アースリング110に対する各電極103a,103b
の電位差は、図2(b)のようになる。なお、電位差は
アースリング110と電極103a,103bのいずれ
か一方または双方の電位差とすることができ、以下同様
である。
態を示す回路図、図2はその動作説明図である。タイミ
ング生成回路116ではシステムの制御信号の他に、電
源からの商用周波数を分周して図2(a)に示すような
励磁信号を生成し、励磁コイル104を励磁して測定管
102の内部に磁界分布を生成する。この磁界に直交す
るように測定管102に流体が流れると、磁界と流体の
流速方向に互いに直交するように起電力が発生し、電極
103a,103b間に電位差が発生する。このとき、
アースリング110に対する各電極103a,103b
の電位差は、図2(b)のようになる。なお、電位差は
アースリング110と電極103a,103bのいずれ
か一方または双方の電位差とすることができ、以下同様
である。
【0014】そして、流体が満水のときは、電極と流体
の間の電気二重層による電位差のみであるが、流体抜け
が生じたときは電極が高インピーダンスとなり、励磁信
号によるクロストークにより電極電位は大きく変動す
る。この電極電位信号を増幅回路111で増幅し、次段
の同期整流回路112で整流を行ない、図2(c)のよ
うな信号を得る。この同期整流回路112は励磁周波数
の奇数次の成分を強調するもので、直流成分を除去する
機能を持っている。その出力は平滑化回路113に入力
され、図2(d)のような波形となる。この信号はさら
にコンパレータ114に入力されて、図2(e)の如き
一定の閾値115と比較され、それ以上の場合はコンパ
レータ114の出力が図2fのように反転し、流体抜け
を示す信号が出力される。
の間の電気二重層による電位差のみであるが、流体抜け
が生じたときは電極が高インピーダンスとなり、励磁信
号によるクロストークにより電極電位は大きく変動す
る。この電極電位信号を増幅回路111で増幅し、次段
の同期整流回路112で整流を行ない、図2(c)のよ
うな信号を得る。この同期整流回路112は励磁周波数
の奇数次の成分を強調するもので、直流成分を除去する
機能を持っている。その出力は平滑化回路113に入力
され、図2(d)のような波形となる。この信号はさら
にコンパレータ114に入力されて、図2(e)の如き
一定の閾値115と比較され、それ以上の場合はコンパ
レータ114の出力が図2fのように反転し、流体抜け
を示す信号が出力される。
【0015】図3はこの発明の第2の実施の形態を示す
ブロック図、図4はその動作を説明するための各部波形
図である。タイミング生成回路116ではシステムの制
御信号の他に、電源からの商用周波数を分周して図4
(a)に示すような励磁信号を生成し、励磁コイル10
4を励磁して測定管102の内部に磁界分布を生成す
る。この磁界に直交するように測定管102に流体が流
れると、磁界と流体の流速方向に互いに直交するように
起電力が発生し、電極103a,103b間に電位差が
発生する。このとき、アースリング110に対する各電
極103a,103bの電位差は、図4(b)のように
なる。そして、流体が満水のときは、電極と流体の間の
電気二重層による電位差のみであるが、流体抜けが生じ
たときは電極が高インピーダンスとなり、励磁信号によ
るクロストークにより電極電位は大きく変動する。この
電極電位信号を増幅回路111で増幅するところまで
は、図1の場合と同様である。
ブロック図、図4はその動作を説明するための各部波形
図である。タイミング生成回路116ではシステムの制
御信号の他に、電源からの商用周波数を分周して図4
(a)に示すような励磁信号を生成し、励磁コイル10
4を励磁して測定管102の内部に磁界分布を生成す
る。この磁界に直交するように測定管102に流体が流
れると、磁界と流体の流速方向に互いに直交するように
起電力が発生し、電極103a,103b間に電位差が
発生する。このとき、アースリング110に対する各電
極103a,103bの電位差は、図4(b)のように
なる。そして、流体が満水のときは、電極と流体の間の
電気二重層による電位差のみであるが、流体抜けが生じ
たときは電極が高インピーダンスとなり、励磁信号によ
るクロストークにより電極電位は大きく変動する。この
電極電位信号を増幅回路111で増幅するところまで
は、図1の場合と同様である。
【0016】次段のローパスフィルタ(LPF)124
により励磁周波数から低周波成分のみを抽出し、図4
(c)のような信号を得る。次段の差演算回路117で
は、増幅回路111からの出力信号からこのLPF12
4の出力信号である低周波成分を差し引き、励磁周波数
以上の信号成分を図4(d)のように得る。この出力を
同期整流回路112でタイミング生成回路116からの
励磁タイミング信号で同期整流し、図4(e)のような
信号を得る。その後、平滑化回路113によって平滑化
を行ない、図4(f)のような信号を得、さらに、次段
のコンパレータ114に入力し、図4(g)に示す閾値
115以上の場合は、コンパレータ114の出力は図4
(h)のように反転し、流体抜けを示す信号が出力され
る。
により励磁周波数から低周波成分のみを抽出し、図4
(c)のような信号を得る。次段の差演算回路117で
は、増幅回路111からの出力信号からこのLPF12
4の出力信号である低周波成分を差し引き、励磁周波数
以上の信号成分を図4(d)のように得る。この出力を
同期整流回路112でタイミング生成回路116からの
励磁タイミング信号で同期整流し、図4(e)のような
信号を得る。その後、平滑化回路113によって平滑化
を行ない、図4(f)のような信号を得、さらに、次段
のコンパレータ114に入力し、図4(g)に示す閾値
115以上の場合は、コンパレータ114の出力は図4
(h)のように反転し、流体抜けを示す信号が出力され
る。
【0017】図5はこの発明の第3の実施の形態を示す
ブロック図、図6はその動作を説明するための各部波形
図である。タイミング生成回路116ではシステムの制
御信号の他に、電源からの商用周波数を分周して図6
(a)に示すような励磁信号を生成し、励磁コイル10
4を励磁して測定管102の内部に磁界分布を生成す
る。この磁界に直交するように測定管102に流体が流
れると、磁界と流体の流速方向に互いに直交するように
起電力が発生し、電極103a,103b間に電位差が
発生する。このとき、アースリング110に対する各電
極103a,103bの電位差は、図6(b)のように
なる。そして、流体が満水のときは、電極と流体の間の
電気二重層による電位差のみであるが、流体抜けが生じ
たときは電極が高インピーダンスとなり、励磁信号によ
るクロストークにより電極電位は大きく変動する。この
電極電位信号を増幅回路111で増幅するところまで
は、図1,図3の場合と同様である。
ブロック図、図6はその動作を説明するための各部波形
図である。タイミング生成回路116ではシステムの制
御信号の他に、電源からの商用周波数を分周して図6
(a)に示すような励磁信号を生成し、励磁コイル10
4を励磁して測定管102の内部に磁界分布を生成す
る。この磁界に直交するように測定管102に流体が流
れると、磁界と流体の流速方向に互いに直交するように
起電力が発生し、電極103a,103b間に電位差が
発生する。このとき、アースリング110に対する各電
極103a,103bの電位差は、図6(b)のように
なる。そして、流体が満水のときは、電極と流体の間の
電気二重層による電位差のみであるが、流体抜けが生じ
たときは電極が高インピーダンスとなり、励磁信号によ
るクロストークにより電極電位は大きく変動する。この
電極電位信号を増幅回路111で増幅するところまで
は、図1,図3の場合と同様である。
【0018】次段のアナログ/ディジタル(A/D)変
換回路118では、タイミング生成回路116からの励
磁周波数のn(n≧2)倍の周波数のサンプリング信号
で、増幅回路111からの信号を量子化する。この量子
化した時間データ列に対し、ディジタル信号処理回路1
23のDFT(Discrete Forier Tr
ansform)部119で離散フーリエ変換を施して
励磁周波数成分のみを取り出し、薬注,スラリー等の瞬
時的変化には応答しないよう、平滑化回路120で平滑
化処理を行ない、比較器(コンパレータ)121で閾値
122と比較し、閾値122以上のとき流体抜けを示す
信号を出力する。
換回路118では、タイミング生成回路116からの励
磁周波数のn(n≧2)倍の周波数のサンプリング信号
で、増幅回路111からの信号を量子化する。この量子
化した時間データ列に対し、ディジタル信号処理回路1
23のDFT(Discrete Forier Tr
ansform)部119で離散フーリエ変換を施して
励磁周波数成分のみを取り出し、薬注,スラリー等の瞬
時的変化には応答しないよう、平滑化回路120で平滑
化処理を行ない、比較器(コンパレータ)121で閾値
122と比較し、閾値122以上のとき流体抜けを示す
信号を出力する。
【0019】なお、図1,図3および図5のアースリン
グと電極間の電位差を増幅するための増幅器111は、
いずれも省略可能である。
グと電極間の電位差を増幅するための増幅器111は、
いずれも省略可能である。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、アースリングと電極
間の電位差から、励磁周波数に同期した成分のみを取り
出すことで、測定対象となっている流体の導電率や流体
に加えられている電圧の影響を受け難くすることがで
き、信頼性を大幅に向上させることが可能になる、とい
う利点が得られる。
間の電位差から、励磁周波数に同期した成分のみを取り
出すことで、測定対象となっている流体の導電率や流体
に加えられている電圧の影響を受け難くすることがで
き、信頼性を大幅に向上させることが可能になる、とい
う利点が得られる。
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す回路図であ
る。
る。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
る。
【図4】図3の動作説明図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態を示す回路図であ
る。
る。
【図6】図5の動作説明図である。
【図7】第1の従来例を示す回路図である。
【図8】図7の動作説明図である。
【図9】第2の従来例を示す回路図である。
【図10】流体抜けとその他の場合を説明するための電
圧信号波形図である。
圧信号波形図である。
100…検出器、101…流体、102…測定管、10
3a,103b…電極、104…励磁コイル、105…
励磁回路、106,111…増幅器、107…演算回
路、108…変換器、109…信号ケーブル、110…
アースリング、112…同期整流回路、112A…半波
整流回路、113,120…平滑化回路、114,12
1…コンパレータ、115,122…閾値、116…タ
イミング生成回路、117…差演算回路、118…A/
D変換回路、119…DFT(離散フーリエ変換)部、
123…ディジタル信号処理回路、124…ローパスフ
ィルタ(LPF)。
3a,103b…電極、104…励磁コイル、105…
励磁回路、106,111…増幅器、107…演算回
路、108…変換器、109…信号ケーブル、110…
アースリング、112…同期整流回路、112A…半波
整流回路、113,120…平滑化回路、114,12
1…コンパレータ、115,122…閾値、116…タ
イミング生成回路、117…差演算回路、118…A/
D変換回路、119…DFT(離散フーリエ変換)部、
123…ディジタル信号処理回路、124…ローパスフ
ィルタ(LPF)。
Claims (6)
- 【請求項1】 測定管内に交番磁界を発生させ、前記測
定管に設けられた1対の電極に、測定管内を流れる流体
の流量に応じた流量信号を発生させるとともに、この流
量信号を取り込んで所定の演算処理を行ない流量値を出
力する電磁流量計において、 アースリングと電極の一方または両方との電位差信号を
励磁信号の極性に同期して整流する同期整流器と、この
同期整流器の出力を平滑化する平滑化回路と、その平滑
化信号を予め設定されているしきい値と比較する比較器
とからなる流体抜け検出部を設け、前記平滑化信号の値
が前記しきい値以上のとき流体抜けとして出力すること
を特徴とする電磁流量計。 - 【請求項2】 前記アースリングと電極の一方または両
方との電位差信号を増幅する増幅器を付加することを特
徴とする請求項1に記載の電磁流量計。 - 【請求項3】 測定管内に交番磁界を発生させ、前記測
定管に設けられた1対の電極に、測定管内を流れる流体
の流量に応じた流量信号を発生させるとともに、この流
量信号を取り込んで所定の演算処理を行ない流量値を出
力する電磁流量計において、 アースリングと電極の一方または両方との電位差信号か
ら直流電位成分のみを取り出すローパスフィルタと、前
記電位差信号と直流電位信号との差を求める差演算回路
と、この差演算回路の出力を励磁信号の極性に同期して
整流する同期整流器と、この同期整流器の出力を平滑化
する平滑化回路と、その平滑化信号を予め設定されてい
るしきい値と比較する比較器とからなる流体抜け検出部
を設け、前記平滑化信号の値が前記しきい値以上のとき
流体抜けとして出力することを特徴とする電磁流量計。 - 【請求項4】 前記アースリングと電極の一方または両
方との電位差信号を増幅する増幅器を付加することを特
徴とする請求項3に記載の電磁流量計。 - 【請求項5】 測定管内に交番磁界を発生させ、前記測
定管に設けられた1対の電極に、測定管内を流れる流体
の流量に応じた流量信号を発生させるとともに、この流
量信号を取り込んで所定の演算処理を行ない流量値を出
力する電磁流量計において、 アースリングと電極の一方または両方との電位差信号を
励磁信号周波数の少なくとも2倍以上でサンプリングし
て離散値に変換する変換回路と、その離散値から励磁信
号周波数成分のみを取り出す離散フーリエ変換器と、取
り出された成分を時間的に平滑化する平滑化回路と、そ
の平滑化信号を予め設定されているしきい値と比較する
比較器とからなる流体抜け検出部を設け、前記平滑化信
号の値が前記しきい値以上のとき流体抜けとして出力す
ることを特徴とする電磁流量計。 - 【請求項6】 前記アースリングと電極の一方または両
方との電位差信号を増幅する増幅器を付加することを特
徴とする請求項5に記載の電磁流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2691397A JPH10221134A (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 電磁流量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2691397A JPH10221134A (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 電磁流量計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221134A true JPH10221134A (ja) | 1998-08-21 |
Family
ID=12206462
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2691397A Pending JPH10221134A (ja) | 1997-02-10 | 1997-02-10 | 電磁流量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10221134A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014109529A (ja) * | 2012-12-04 | 2014-06-12 | Azbil Corp | 電磁流量計 |
WO2017031714A1 (zh) * | 2015-08-26 | 2017-03-02 | 深圳市思达仪表有限公司 | 采样电路、检测装置、流仪表及流量信号检测方法 |
-
1997
- 1997-02-10 JP JP2691397A patent/JPH10221134A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014109529A (ja) * | 2012-12-04 | 2014-06-12 | Azbil Corp | 電磁流量計 |
WO2017031714A1 (zh) * | 2015-08-26 | 2017-03-02 | 深圳市思达仪表有限公司 | 采样电路、检测装置、流仪表及流量信号检测方法 |
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