JP3351418B2 - パーティクルボードの製造方法 - Google Patents

パーティクルボードの製造方法

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JP3351418B2 JP2000127864A JP2000127864A JP3351418B2 JP 3351418 B2 JP3351418 B2 JP 3351418B2 JP 2000127864 A JP2000127864 A JP 2000127864A JP 2000127864 A JP2000127864 A JP 2000127864A JP 3351418 B2 JP3351418 B2 JP 3351418B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,建築材料や家具な
どに用いられるパーティクルボードの製造方法に関し,
特にパーティクルボードの表裏面に樹脂層を形成する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】防水性を向上させる目的のパーティクル
ボードは,たとえば,図16に示すごとく,木質材料9
7に接着剤を塗布しボード状体98となし,その表裏面
に防水用の樹脂シート94を被覆し,全体をホットプレ
スすることによって得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,ボード
状体98の表裏面は空隙部が多いため,樹脂シート94
のボード状体98内部への拡散浸透が起こり,ホットプ
レス後の厚みを制御することが困難となる。このため,
十分な水分浸入防止力を確保できず,また釘打ちをした
場合に発揮される釘貫通穴周辺部の花咲き割れ現象を防
止する効果を十分に発揮できなくなるおそれがある。そ
こで,材料面では,樹脂シートを厚くすることが考えら
れるが,シート厚みの増加は必然的に製品コストの増大
を招くことになる。
【0004】一方,製造面では,既成のパーティクルボ
ードの表裏面に後から樹脂シートをホットプレスする方
法をとった場合,樹脂シートの接着力が不十分になるお
それがある。これは,パーティクルボードのフェイス層
は通常緻密で平滑であるため,樹脂シートのフェイス層
への含浸が不充分となるおそれがあるからである。
【0005】また,パーティクルボードのホットプレス
の際に,同時に樹脂シートをホットプレスする方法をと
った場合,ボード成形途中に樹脂シートが軟化溶融し
て,ボード内部に樹脂シートが含浸拡散してしまう。こ
のため,樹脂シート94とボード状体98との接着力
は,樹脂成分の投錨効果が働き,強くなる反面,ボード
状体表裏面にその全体に渡る樹脂シートの連続層が形成
されにくくなり,どうしてもボード表裏面に露出した樹
脂シート厚が不充分になってしまう。また,木質材料の
接着硬化温度がかなり高いため(例えば,170℃),
樹脂シート自体の劣化を招くおそれもある。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,十分
な水分浸入防止力を有し,施工の際に釘貫通穴周辺部に
花咲き割れ現象が生じることを防止し,かつ表裏面を被
覆するために用いる樹脂シートの耐久性及び接着性を向
上させたパーティクルボードの製造方法を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は,木質
材料からなるパーティクルボードの製造方法において,
木質材料からなるボード状体を成形するとともに,該ボ
ード状体の表裏面を第一樹脂シートにより被覆する工程
と,上記ボード状体を加熱加圧する工程と,上記第一樹
脂シートの表面に第二樹脂シートを被覆する工程と,上
記ボード状体を加熱加圧する工程とからなることを特徴
とするパーティクルボードの製造方法である。
【0008】本発明においては,2枚の樹脂シートを,
木質材料からなるボード状体の表裏面に被覆している。
二枚の樹脂シートのうち一方の第一樹脂シートをボード
状体に被覆し加熱加圧すると,第一樹脂シートの樹脂成
分が,ボード状体の表裏面に拡散浸透する。その後に,
他方の第二樹脂シートを第一樹脂シートの表面に被覆し
加熱加圧すると,第一樹脂シートと第二樹脂シートとが
互いに融着する。しかもボード状体の表裏面の全体に渡
って,所定厚みの樹脂連続層を形成することができる。
そのため,接着性に優れた樹脂被覆層をボード状体表裏
面に形成することができる。また,連続した樹脂被覆層
の形成によって,施工の際に釘打ちをしたときでも,パ
ーティクルボードの釘貫通穴周辺部に花咲き状の割れ
(基材破壊の外観状態)が生じることを抑制することが
できる。
【0009】また,加熱加圧により,ボード状体に第一
樹脂シートの樹脂成分が含浸拡散するが,第二樹脂シー
トの樹脂成分はボード状体には全く含浸しない。そのた
め,本発明によれば,ボード状体への樹脂含浸量を,従
来のように1枚の樹脂シートをボード状体に加熱加圧し
た場合よりも,はるかに少量に抑制することができる。
【0010】たとえば,最終製品状態における樹脂被覆
層の厚みを0.5mmにしようとする場合を例にとって
説明する。従来法のようにシート厚み0.6mmの1枚
の樹脂シートにより樹脂被覆層を形成した場合には,理
論上では,設計厚み(0.5mm)との差0.1mm相
当分の樹脂成分が,樹脂シートからボード状体に拡散浸
透することになる。しかし,実際は,それよりも多くの
樹脂成分がボード状体に浸透する(図15参照)。この
ため,1枚の樹脂シートの加熱加圧では,設計通りの厚
みの樹脂層を形成することがかなり困難となる。
【0011】これに対して,本発明のように2枚の樹脂
シートを用い,その一方の第一樹脂シートの厚みを0.
2mm,第二樹脂シートの厚みを0.4mmとする(図
3参照)。まず,第一樹脂シートをボード状体の表裏面
に被覆し加熱加圧する。加熱加圧の条件は,上記従来の
場合と同様とする。このときのボード状体への樹脂含浸
量は,第一樹脂シートの厚みよりも少ない量(たとえ
ば,0.1mm)になる。その後,第二樹脂シートを,
上記と同様の条件で加熱加圧すると,第二樹脂シートの
樹脂成分は,第一樹脂シートにより形成された樹脂連続
層によって,ボード状体へ含浸することはない。このた
め,表裏面に形成された第一樹脂層の厚みに,第二樹脂
シートの厚み分だけ加わることになる。したがって,本
発明のように2枚の樹脂シートの加熱加圧することによ
り,樹脂含浸量が従来の場合よりもはるかに少なく,合
計厚みが設計通りの厚み(約0.5mm)の樹脂層を形
成することができる。以上のように,本発明によれば,
樹脂総量の少量化が図られ,パーティクルボードの耐水
性を向上させ,材料コストを低くすることができる。ま
た,花咲き割れ現象の低減効果も大きくなる。
【0012】本製造方法において,ボード状体の表裏面
に,上記第一樹脂シートおよび第二樹脂シートを順にそ
れぞれ加熱加圧することが好ましい。これにより,パー
ティクルボードの耐水性を確実に向上させることができ
る。
【0013】第一の加熱加圧は,ボード状体を表裏両面
からプレスするホットプレス加工を行うことが好まし
い。これにより,第一樹脂シートをボード状体の表裏面
全体に渡って確実に内部へ浸透拡散させることができる
とともに,ボード状体の表裏面全体をぼほ平坦にするこ
とができる。第二の加熱加圧は,上記ホットプレス加工
か,または加熱ロール間にボード状体を通過させる方法
により行うことができる。この場合,第一の加熱加圧処
理によってボード状体に蓄熱された熱量を利用すること
ができるので,処理時間の短縮化が図られる。また,加
熱ロールを使用する場合には,連続加工も可能となる。
【0014】請求項2の発明のように,上記加熱加圧前
の上記第一樹脂シートの厚みは,0.03〜0.2mm
であることが好ましい。かかる厚みの第一樹脂シートを
加熱加圧することによって,ボード状体の表裏面に樹脂
連続層を形成することができる。一方,0.03mm未
満の場合には,樹脂連続層が形成されにくく,パーティ
クルボードの耐水性が低下するおそれがあり,0.2m
mを超える場合には,ボード状体への樹脂含浸量が必要
以上に多くなり,材料コスト高を招くおそれがある。
【0015】本製造方法において,第一回目の加熱加圧
の条件は,木質材料の接着に使用される接着剤の硬化温
度にする必要がある。また,第一回目の加熱加圧により
ボード状体に加える圧力は,パーティクルボードの成板
に必要十分な圧力を加えなければならない。
【0016】請求項3の発明のように,上記加熱加圧前
の上記第二樹脂シートの厚みは,0.03〜0.4mm
であることが好ましい。これにより,パーティクルボー
ドの耐水性が向上する。一方,0.03mm未満の場合
には,樹脂層が薄すぎ,耐水性が低下するおそれがあ
り,0.4mmを超える場合には材料コストが必要以上
に高くなってしまう。
【0017】第二樹脂シートの被覆後に行う第二回目の
加熱加圧の条件は,第二樹脂シートが軟化し第一樹脂シ
ートと融着し得る温度である必要があり,90〜150
℃以上で行うことが好ましい。90℃未満では,第一樹
脂シートが軟化しないおそれがある。150℃を超える
場合には,両樹脂シートの相互溶融状態が必要以上に進
んでしまい,所望のシート厚みを確保することができな
くなるおそれがある。第二回目の加熱加圧においてボー
ド状体に加える圧力は,第二樹脂シートの圧着に必要十
分な圧力をかける必要がある。
【0018】第一,第二樹脂シートとしては,ポリエチ
レン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合
体,エチレン−プロピレンターポリマー,ポリ塩化ビニ
ル,ポリ塩化ビニリデン,フッ素樹脂,ポリエステル,
ポリアミドなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
第一樹脂シートと第二樹脂シートとは,同種材料でも異
種材料でもよい。
【0019】請求項4の発明は,木質材料からなるパー
ティクルボードの製造方法において,木質材料からなる
ボード状体を成形するとともに,該ボード状体の表裏面
を樹脂粒子からなる樹脂粒子層により被覆する工程と,
上記樹脂粒子層の表面に樹脂シートを被覆する工程と,
上記ボード状体を加熱加圧する工程とからなることを特
徴とするパーティクルボードの製造方法である。
【0020】本発明では,請求項1の発明において最初
に加熱加圧される第一樹脂シートの代わりに樹脂粒子を
用いて,パーティクルボードを製造している。ボード状
体に樹脂粒子を散布し,その表面にさらに樹脂シートを
被覆する。この状態でこれらを加熱加圧すると,ボード
状体の表裏面の空隙が,溶融した樹脂粒子により埋めら
れる。このため,樹脂粒子により,樹脂連続層が確実に
形成されることになる。また,樹脂粒子層を覆う樹脂シ
ートも,加熱加圧によって,樹脂粒子層によって形成さ
れた樹脂連続層表面に融着する。このため,ボード状体
に含浸する樹脂厚みは,多くとも散布した樹脂粒子層の
厚みに抑制される。
【0021】上記の請求項1の発明の説明と同様に最終
製品状態における樹脂層の厚みを0.5mmにしようと
する場合を例にとって説明する。本発明のように樹脂粒
子層と樹脂シートとをボード状体の表裏面に積層する。
樹脂粒子層の厚みを,上記請求項1の発明の説明におけ
る第一樹脂シートの厚み(0.2mm,図14参照)と
同様とし,また樹脂シートの厚みを,上記第二樹脂シー
トの厚み(0.4mm)と同様とする。これらを,上記
請求項1の発明の説明と同様の条件で加熱加圧する。こ
のときのボード状体への樹脂含浸量は,樹脂粒子層の厚
みよりも少ない量(たとえば,0.1mm)になる。そ
の後,樹脂シートを,上記と同様の条件で加熱加圧する
と,連続した樹脂粒子層がボード状体を被覆しているた
め,樹脂シートの樹脂成分は,ボード状体へ含浸するこ
とはない。このため,樹脂粒子層によって形成された樹
脂連続層の厚みに,樹脂シートの厚み分だけが加わるこ
とになる。したがって,本発明のように樹脂粒子層と樹
脂シートとを加熱加圧することにより,従来の場合より
も樹脂含浸量が少なく,合計厚みが設計通りの厚み(約
0.5mm)の樹脂連続層を形成することができる。
【0022】したがって,本発明においても,請求項1
の発明と同様に,樹脂総量の少量化が図られ,パーティ
クルボードの耐水性を向上させ,材料コストを低くする
ことができる。また,本発明においては,加熱加圧の回
数は1回である。このため,製造工程を大きく簡略化す
ることができ,その結果製造コストを大幅に低くするこ
とができる。
【0023】請求項5の発明のように,上記加熱加圧前
の上記樹脂粒子層の厚みは,0.03〜0.2mmであ
ることが好ましい。かかる厚みの樹脂粒子層を加熱加圧
することによって,ボード状体の表裏面に樹脂連続層を
形成することができる。一方,0.03mm未満の場合
には,樹脂連続層が形成されにくく,パーティクルボー
ドの耐水性が低下するおそれがあり,0.2mmを超え
る場合には,ボード状体への樹脂含浸量が必要以上に多
くなり,材料コスト高を招くことがある。樹脂粒子の平
均粒径は,ボード状体の表裏面部を形成する木質材料と
略同径とすることが好ましい。この場合,樹脂の散布が
支障なく行うことができる。
【0024】請求項6の発明のように,上記加熱加圧前
の上記樹脂シートの厚みは,0.03〜0.4mmであ
ることが好ましい。これにより,パーティクルボードの
耐水性が向上する。一方,0.03mm未満の場合に
は,樹脂層が薄すぎ,耐水性が低下するおそれがあり,
0.4mmを超える場合には必要以上の材料コスト高を
招くことがある。
【0025】本発明における樹脂粒子及び樹脂シートの
材料は,上記第一,第二樹脂シートと同様のものを用い
ることができる。樹脂シートは,樹脂粒子と同じ材料で
あっても,異なる材料であってもよいが,相互溶融性の
点から同種材料であることが好ましい。
【0026】加熱加圧の加熱温度は,木質材料の接着に
使用される接着剤の硬化温度にする必要がある。また,
加熱加圧におけるボード状体に加える圧力は,パーティ
クルボードの成板に必要十分な圧力を加えなければなら
ない。ボード状体の加熱加圧は,ボード状体を表裏両面
からプレスするホットプレス加工を行うことが好まし
い。これにより,散布した樹脂粒子をボード状体の表裏
面全体に渡って内部へ確実に浸透拡散させることが可能
となる。
【0027】請求項7の発明のように,上記ボード状体
を形成するにあたっては,木質材料からなるコア材料
と,上記コア材料の木質材料の平均粒径よりも小さい平
均粒径の木質材料からなるフェイス材料とを準備する工
程と,上記コア材料の木質材料及び上記フェイス材料の
木質材料に,熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布する工
程と,上記コア材料からなるコア層を形成するととも
に,該コア層の表裏面に上記フェイス材料からなるフェ
イス層を成形する工程を行うことが好ましい。これによ
り,耐面力の高いパーティクルボードを製造することが
できる。
【0028】請求項8の発明のように,上記コア材料及
び上記フェイス材料に,熱可塑性樹脂からなる樹脂材料
を添加混合することが好ましい。これにより,パーティ
クルボードの表裏面だけでなく内部も,疎水性の熱可塑
性樹脂により充填される。したがって,パーティクルボ
ード全体の耐水性が大幅に向上する。また,木質材料同
士は,樹脂材料により強固に接着されるため,より一層
耐面力に優れたパーティクルボードを製造することがで
きる。
【0029】上記フェイス層に含まれている上記樹脂材
料の平均粒径は,上記コア層に含まれている上記樹脂材
料の平均粒径よりも小さいことが好ましい。これによ
り,フェイス層に含まれている木質材料及び樹脂材料
は,コア層に含まれている木質材料及び樹脂材料よりも
小さくなる。このため,フェイス層及びコア層のそれぞ
れの層における,木質材料及び樹脂材料の大きさを互い
に近似させることができ,木質材料と樹脂材料との比重
差による混合ムラが大きく改善される。このため,耐水
性をもたらす熱可塑性樹脂材料がパーティクルボード全
体に分布することになり,パーティクルボードの部分的
な耐水性のバラツキを防止することができる。
【0030】本発明において,木質材料及び樹脂材料の
平均粒径とは,便宜上,例えば,篩などの分級手段によ
って規定される分布範囲の内,代表される分布範囲につ
いての中央値をもって代表させることができる。
【0031】その場合,フェイス層を構成する,木質材
料の平均粒径に対する樹脂材料の平均粒径の比は,0.
5〜1.5であることが好ましい。0.5未満の場合に
は,フェイス層内での木質材料と樹脂材料との混合が著
しく不均一になり,パーティクルボードの耐水性を低下
させるおそれがある。1.5を超える場合には,ボード
表裏面に,雲のように樹脂材料がはみ出しパーティクル
ボードの耐水性が部分によって異なるおそれがある。
【0032】コア層を構成する,木質材料の平均粒径に
対する樹脂材料の平均粒径の比は,0.5〜1.5であ
ることが好ましい。0.5未満の場合には,コア層内で
の木質材料と樹脂材料との混合が著しく不均一になり,
パーティクルボードの耐水性を低下させるおそれがあ
る。1.5を超える場合には,パーティクルボードの耐
水性が部分によって異なるおそれがある。
【0033】上記コア層及び上記フェイス層における上
記樹脂材料の含有量は,木質材料100重量部に対し
て,10〜50重量部であることが好ましい。これによ
り,ボード全体の耐水性が大幅に改善される。特に,パ
ーティクルボードの木口面にも熱可塑性樹脂が露出する
ことになるため,木口面からの水の浸入を効果的に抑制
でき,パーティクルボードの耐水性が大きく向上する。
一方,熱可塑性樹脂が10重量部未満の場合には,パー
ティクルボードの耐水性が低下するおそれがある。ま
た,50重量部を超える場合には,ハンドリング性,切
断性,釘打性などの施工性を損なうおそれがある。
【0034】上記熱可塑性樹脂としては,ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,
エチレン−プロピレンターポリマー,ポリ塩化ビニル,
ポリ塩化ビニリデン,フッ素樹脂,ポリエステル,ポリ
アミドなどがある。上記熱可塑性樹脂からなる樹脂材料
は,木質材料と同様または近似した形状であることが好
ましく,たとえば,柱状,針状,片状,繊維状,粉状な
どがある。
【0035】木質材料としては,木片,ウエハ,木毛,
ストランド,木質パルプ,木粉などを用いることがで
き,その形状は例えば片状,繊維状,粉状などがある。
木質材料には,熱硬化性樹脂からなる接着剤が塗布され
ている。接着剤は,加熱により硬化して,木質材料同士
を接着する。かかる熱硬化性樹脂としては,イソシアナ
ート系,フェノール系,ユリヤ系,メラミン系の熱硬化
性樹脂を用いることができる。コア層を構成する木質材
料に塗布する接着剤と,フェイス層を構成する木質材料
に塗布する接着剤とは,同種でも異種でもよい。たとえ
ば,コア層を構成する木質材料には,イソシアナート系
の接着剤を,フェイス層を構成する木質材料には,フェ
ノール系,ユリヤ系,メラミン系の接着剤を塗布するこ
とができる。また,コア層,フェイス層を構成する木質
材料のいずれにも,イソシアナート系の接着剤を塗布す
ることもできる。
【0036】フェイス用木質材料とフェイス用樹脂材料
は,ほぼ同じかまたは近似した大きさ,形状であること
が好ましい。両者の比重差による混合ムラを防止するた
めである。また,同様の理由により,コア用木質材料と
コア用樹脂材料は,ほぼ同じかまたは近似した大きさ,
形状であることが好ましい。このような互いに近似した
形状,大きさの木質材料及び樹脂材料は,同じ粉砕機で
粉砕することにより得られるが,異なる粉砕機でもよ
い。
【0037】また,フェイス層は,1層のみで構成して
もよいが,複数層で構成してもよい。複数層とする場合
には,木質材料および樹脂材料の平均粒径がボード内部
から表裏面にむけて徐々に小さくなるようにすることが
好ましい。これにより,表裏面がより緻密に形成できる
ようになるので,表裏面硬度をより大きくするなどの効
果が期待できる。
【0038】上記木質材料は,建築廃材であることが好
ましい。これにより,建築廃材の有効利用ができる。上
記樹脂材料は,熱可塑性樹脂からなる廃材を加熱溶融し
再成形したものであることが好ましい。これにより,廃
プラスチックの再利用を有効に行うことができる。
【0039】また,木質材料への接着剤の塗布は,分級
された木質材料のエアー搬送中に行うことが好ましい。
これにより,接着剤を木質材料の表裏面全体に均一に点
状付着させることができる。木質材料に付着した際に流
動性がある接着剤も,エアー搬送中に乾燥して,木質材
料と樹脂材料とを混合するミキサーに投入される際に
は,非流動状態となる。このため,木質材料と樹脂材料
とを混合する際に,接着剤が,樹脂材料の側に移行する
ことが回避される。このため,加熱加圧による木質材料
間の接着性が損なわれることはない。本発明のパーティ
クルボードは,たとえば,建築材料,家具などに用いる
ことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態に係るパーティクルボードの製造方法
について,図1〜図10を用いて説明する。本例のパー
ティクルボード80は,図1に示すごとく,ボード状体
8の表裏両面に,樹脂被覆層4を設けている。ボード状
体8は木片など削られた木質材料からなり,その粗い成
分組成からなるコア層6と,その表裏に設けた緻密な成
分組成からなるフェイス層7によって形成されている。
隣接する木質材料の間の間隙には,図示しない熱可塑性
樹脂からなる樹脂材料(ここではポリエチレン)が充填
され加熱加圧されている。
【0041】ボード状体8の表裏面は,図2に示すごと
く,樹脂被覆層4により被覆されている。この樹脂被覆
層4は,図3(a)〜図3(c)に示すごとく,2回の
加熱加圧を経て,内層側の第一樹脂シート41からなる
樹脂層と,外層側の第二樹脂シート42からなる樹脂層
が積層された状態で形成されている。最初の加熱加圧に
より内層側の第一樹脂シート41が溶融し,その樹脂成
分411の一部がボード状体8のフェイス層7表面近傍
部に拡散含浸して,次の加熱加圧により第一樹脂シート
41と第二樹脂シート42とが,互いにその境界面で融
着されている。
【0042】ここで,ボード状体8におけるコア層6の
厚みは10mmであり,その表裏面に形成されたフェイ
ス層7の厚みは夫々1.0mmである。樹脂被覆層4の
厚みは夫々0.5mmであり,その比重は0.1〜0.
3である。パーティクルボード全体の比重は約0.7〜
0.9である。
【0043】次に,本例のパーティクルボードの製造方
法について説明する。まず,木片などの木質原料をクラ
ッシャーで粉砕して,針状(フレーク状)の木質材料を
得る。木質材料の大きさは,クラッシャーの性能により
左右される。本例では,リングフレーカを用いた。リン
グフレーカで粉砕した木質材料は,針状である。次に,
上記木質材料を,種々の目開き寸法を有する篩いにかけ
て分級する。粉砕した木質材料の粒径を測定すると,
0.60〜2.35mmを中心とする大きさであった。
【0044】
【表1】
【0045】次に,篩いを用いて,木質材料を,表1に
示す粒径分布になるように,比較的大きなコア用木質材
料と,比較的小さなフェイス用木質材料とに分級する。
表1の分布からそれぞれの木質材料の平均粒径をもとめ
る。本例では,表1に示される粒径分布の中で,代表さ
れる分布範囲の中央値を,平均粒径としてもとめる。フ
ェイス用木質材料の平均粒径は,2.35〜1.18m
mの粒径分布範囲の中央値である1.77mmである。
コア用木質材料の平均粒径は,2.35〜1.70mm
の粒径分布範囲の中央値である2.03mmである。フ
ェイス用木質材料の平均粒径は,コア用木質材料の平均
粒径よりも小さい。
【0046】次に,コア用木質材料及びフェイス用木質
材料に,接着剤をスプレーにて塗布した。接着剤として
は,イソシアネート接着剤(例えば,日本ポリウレタン
(株)製のウッドキュアー300)などの熱硬化性樹脂
を用いる。接着剤の塗布量は,各木質材料100重量部
に対して,5〜20重量部とする。
【0047】また,熱可塑性樹脂原料として廃ポリエチ
レンプラスチックを準備し,これを,1軸回転式せん断
粉砕機で粉砕して,柱状の樹脂材料を得る。樹脂材料
を,篩いを用いて,比較的大きなコア用樹脂材料と,比
較的小さなフェイス用樹脂材料とに分級する。フェイス
層となるフェイス用樹脂材料の平均粒径は1.77mm
であり,コア層に含まれているコア用樹脂材料の平均粒
径は2.03mmであって,フェイス用樹脂材料1の平
均粒径はコア用樹脂材料の平均粒径よりも小さい。フェ
イス層及びコア層のそれぞれの層における,木質材料及
び樹脂材料の大きさは,近似している。コア用樹脂材料
及びフェイス用樹脂材料は,コア用木質材料及びフェイ
ス用木質材料と略同じ大きさのものにする。
【0048】次に,図4(a)に示すごとく,コア用木
質材料(26)80重量%とコア用樹脂材料(16)2
0重量%とを混合して,コア用混合材36を得る。ま
た,図4(b)に示すごとく,フェイス用木質材料
(2)80重量%とフェイス用樹脂材料(1)20重量
%とを混合して,フェイス用混合材37を得る。
【0049】次に,フォーミング装置にて,上記コア用
混合材とフェイス用混合材とから3層のボード状体を成
形する。図5に示すごとく,フォーミング装置5には,
搬送用のメインコンベア50が設けられている。メイン
コンベア50の上には,第1,第2,第3混合材供給装
置51,52,53が設けられており,これらは,メイ
ンコンベア50の上流側から順に,フェイス用混合材3
7の散布,コア用混合材36の散布,フェイス用混合材
37の散布に用いられる。各第1,第2,第3混合材供
給装置51,52,53には,夫々,供給ホッパー50
1と,ベルトの幅方向に揺動される散布ベルト502
と,ならし用ブラシ503とが設けられている。第3混
合材供給装置53の下流には,予め所定寸法に裁断され
た第一樹脂シートを1枚ずつ該当散布物の表裏面に載置
する樹脂シート供給手段54が設けられている。
【0050】上記フォーミング装置を用いてボード状体
を成形する方法について説明する。図5,図7に示すご
とく,まず,メインコンベア50の上に,搬送基台59
を載置し,その上に所定寸法のポリエチレンからなる第
一樹脂シート41を配置する。また,第1〜第3混合材
供給装置51〜53における供給ホッパー501の中
に,それぞれフェイス用混合材37,コア用混合材3
6,フェイス用混合材37を供給する。次いで,供給ホ
ッパー501の中から上記各混合材を散布ベルト502
上に落下させ,散布ベルト502をメインコンベア50
の幅方向に揺動させながら,メインコンベア50の搬送
方向に可動させることにより,各混合材を第一樹脂シー
ト41の幅方向に均一に散布する。次いで,散布された
各混合材表裏面を,ならし用ブラシ503でならして,
各混合材を更に均一に散布する。
【0051】メインコンベア50には,予め所定寸法の
第一樹脂シート41が載置された搬送基台59が所定間
隔で配置供給されてくるため,上記第1,第2,第3混
合材供給装置51,52,53により,第一樹脂シート
41の上に,フェイス用混合材37,コア用混合材3
6,フェイス用混合材37が順に堆積する。第3混合材
供給装置53からフェイス用混合材37が供給された後
には,その表裏面に,樹脂シート供給手段54により供
給された,第一樹脂シートと同じ第一樹脂シート41で
被覆する。これにより,図6に示すごとく,搬送基台5
9の上に,第一樹脂シート41により表裏面を被覆され
た,フェイス層7,コア層6及びフェイス層7からなる
3層構造のボード状体8の半製品が成形される。
【0052】次に,図8に示すごとく,上記フォーミン
グ装置による成形工程を終えた後,ボード状体8の半製
品をホットプレス機に搬送し,第一の加熱加圧工程とし
て第一のホットプレス加工を行う。第一のホットプレス
の条件は,ボード状体8の半製品をプレス圧4.0×1
Paで加圧しながら,接着剤の硬化温度である17
0℃まで昇温し,170℃にて15分間保持するものと
する。
【0053】このときのフェイス用混合材料及び第一樹
脂シートの挙動を図9及び図10に示す。図9(a)に
示すごとくホットプレス前は,フェイス用混合材料に含
まれるフェイス用樹脂材料1とフェイス用木質材料2と
は,いずれも粒子形状のままで混合されており,その表
裏面は第一樹脂シート41により被覆されている。これ
らを上記条件でホットプレスすると,図9(b)に示す
ごとく,ボード状体8の表裏面では,第一樹脂シート4
1は,110℃で軟化し,120℃で溶融する。溶融し
た第一樹脂シート41の樹脂成分411は,周囲の木質
材料2の隙間に侵入拡散していく。このため,木質材料
2の間に拡散した樹脂成分411の厚み分だけ,第一樹
脂シート41の厚みが減少する。上記ホットプレスの条
件では,ホットプレス前の第一樹脂シート41の厚みが
0.2mmであったところ(図3(a)),ホットプレ
ス後には0.1mmになった(図3(b))。
【0054】一方,ボード状体8の半製品の内部のフェ
イス用木質材料2の隙間は,軟化溶融したフェイス用樹
脂材料1により充填される。また,フェイス用木質材料
2同士は,図9(c)に示すごとく,その表裏面に点状
に付着した接着剤21が硬化することにより接着され
る。このホットプレスの際には,図10に示すごとく,
フェイス用木質材料2の表裏面凹部22に接着剤21が
侵入して,投錨効果が発揮される。また,接着剤21は
硬化するときに形成される空隙23には,先に溶融した
フェイス用樹脂材料1が侵入して,同じく投錨効果が発
揮される。したがって,フェイス用木質材料2とフェイ
ス用樹脂材料1との間,及びフェイス用木質材料2同士
は,強固に接着される。また,フェイス層及びコア層の
それぞれの層における,木質材料及び樹脂材料の大きさ
を互いに近似させることで,木質材料(比重0.4〜
0.6)と樹脂材料(比重0.9)との比重差による混
合ムラを大きく改善することができる。
【0055】続いて,上記第一のホットプレス加工の
後,解圧及び冷却し,120℃を下回るころから第一樹
脂シート41が少しずつ固化してゆく。空冷して90℃
にまで戻すと,第一樹脂シート41とボード状体8と
は,形態安定性を取り戻し,これらの一体品が得られ
る。
【0056】そこで,この一体品を図示しない把持手段
により空間に把持した状態で,その上面及び下面に第二
樹脂シート42を載置する。この場合,第二樹脂シート
42の厚みは,0.4mmであり,第一樹脂シート41
と同じポリエチレンを用いて形成されたものである。
【0057】引き続き,これらに,第二の加熱加圧工程
として第二のホットプレス加工を施す。第二のホットプ
レスの条件は,ボード状体8の半製品をプレス圧4.0
×10Paで加圧しながら,120℃まで昇温し,1
20℃で20秒保持するものとする。これにより,第一
樹脂シート41の表面に,第二樹脂シート42が融着す
る。この場合,第二樹脂シート42の厚みは,ホットプ
レスの前後で,ほとんど変わらない。その結果,図3
(c)に示すごとく,第一のホットプレス加工の後の第
一樹脂シート41の厚みである0.1mmに,第二樹脂
シート42の厚みの0.4mmが加わり,合計厚み0.
5mmの樹脂被覆層4が形成される。なお,第二の加熱
加圧は,ホットプレスにて行っているが,加熱ロールを
用いることもできる。
【0058】次に,ボード状体への加圧を解き,温度を
90℃まで降下させ,ボード状体をホットプレス機から
取り出し,さらに空冷し,必要に応じて所望の形状に裁
断する。以上により,本例のパーティクルボードが得ら
れる。
【0059】次に,本例の作用及び効果について説明す
る。本例のパーティクルボードの製造方法においては,
2枚の樹脂シートを,木質材料からなるボード状体に被
覆している。図3(a)に示すごとく,第一樹脂シート
41は,ボード状体8の表裏面に被覆しホットプレスす
る。これにより,図3(b)に示すごとく,第一樹脂シ
ート41の樹脂成分411が,ボード状体8の表裏面に
拡散浸透する。
【0060】図3(c)に示すごとく,その後に,第二
樹脂シート42をボード状体8に被覆しホットプレスす
ると,第一樹脂シート41と第二樹脂シート42とがそ
の境界面にて互いに融着して,接着性に優れた樹脂被覆
層4を形成することができる。これにより,施工の際に
釘打ちをしたときでも,パーティクルボードに花咲き状
の割れ現象が生じることを効果的に抑制することができ
る。
【0061】また,図3(b),図9(b)に示すごと
く,ホットプレスの際には,ボード状体8に第一樹脂シ
ート41の樹脂成分411が含浸拡散するが,図3
(c),図9(c)に示すごとく,第二樹脂シート42
の樹脂成分はボード状体8には全く含浸しない。そのた
め,本例によれば,ボード状体8の表裏面に確実な樹脂
被覆層4を形成することができる。
【0062】また,本例では,第二樹脂シートの厚みを
0.4mmとしたが,これを0.2〜0.3mmと薄く
した場合にも,同様に耐水性及び耐咲き割れ防止効果が
得られた。これは,特に第二樹脂シート42による衝撃
吸収効果が発揮された結果であると考えられる。
【0063】実施形態例2 本例のパーティクルボードは,図11に示すごとく,ボ
ード状体8の表裏面に,樹脂粒子層43及び樹脂シート
44とを被覆しホットプレスしたものである。まず,実
施形態例1と同様にフェイス用混合材とコア用混合材と
を調製する。また,樹脂粒子層43用の樹脂粒子を準備
する。この樹脂粒子は,フェイス用コア混合材に含まれ
ている樹脂材料と同様の粒径分布を有する。すなわち,
樹脂粒子の粒径の分布は表1のフェイス用樹脂材料と同
じであり,平均粒径は1.77mmである。樹脂粒子及
び樹脂シートは,ポリエチレンからなる。
【0064】次に,図12に示すごとく,フォーミング
装置を用いて成形工程を行う。フォーミング装置は,実
施形態例1で用いたものとほぼ同じであり(図5参
照),図示を省略する。第1,第2,第3混合材供給装
置の上流側及び下流側に,夫々,樹脂粒子供給機を備え
ている。この樹脂粒子供給機には,供給ホッパーと,ベ
ルトの幅方向に揺動される散布ベルトと,ならし用ブラ
シとが設けられている。
【0065】まず,メインコンベアの上に,搬送基台5
9を載置し,その上に所定寸法のポリエチレンからなる
樹脂シート44(厚み0.4mm)を配置する。また,
第1〜第3混合材供給装置及び樹脂粒子供給装置におけ
る供給ホッパーの中に,それぞれフェイス用混合材,コ
ア用混合材,フェイス用混合材及び樹脂粒子を供給す
る。
【0066】次いで,図13に示すごとく,上記各供給
装置を用いて,樹脂シート44の上に,順に,樹脂粒子
を0.2mm厚,フェイス用混合材を1mm厚,コア用
混合材を10mm厚,フェイス用混合材を1mm厚,そ
して樹脂粒子を0.2mm厚となるように層状に散布す
る。最後に,その上に,ポリエチレンからなる樹脂シー
ト(厚み0.4mm)44を載置する。これにより,こ
れにより,搬送基台59の上に,樹脂粒子43及び樹脂
シート44を表裏両面に配置した,フェイス層7,コア
層6及びフェイス層7からなる3層構造のボード状体8
が成形される。
【0067】上記成形工程の後には,図12に示すごと
く,ボード状体をホットプレスする。ホットプレスは,
ボード状体8をプレス圧4.0×10Paで加圧しな
がら,170℃まで昇温し,170℃にて15分間保持
する。これにより,図14(b)に示すごとく,ボード
状体8の表裏面近傍の空隙部が,溶融した樹脂粒子43
1により埋められ,樹脂連続層が形成されることにな
る。また,樹脂粒子層43を覆う樹脂シート44も,ホ
ットプレスによって,樹脂粒子層43に融着する。この
ため,ボード状体8に含浸する樹脂厚みは,多くとも樹
脂粒子層43の厚みに抑制される。上記ホットプレスの
前には,樹脂粒子層43の厚みが0.2mmであったと
ころ(図14(a)),上記条件でホットプレスを行っ
た場合には,ボード状体8を被覆する樹脂粒子層43の
加工後の厚みが0.1mmになった(図14(b))。
この場合,樹脂シート44の厚みは,ホットプレス前後
でほとんど変わらなかった(図14(a),(b))。
したがって,本例のように樹脂粒子層と樹脂シートとを
ホットプレスすることにより,合計厚みが設計通りの厚
み(約0.5mm)の樹脂被覆層4を形成することがで
きた。
【0068】よって,本例においても,請求項1の発明
のように,必要最小限の樹脂使用量によって,パーティ
クルボードの耐水性向上を図ることができる。さらに,
本発明においては,ホットプレスの回数は1回ですむた
め,製造工程を簡略化することができ,大幅な製造コス
ト低減をもたらすことができる。
【0069】比較例1 本例においては,図15に示すごとく,1枚の樹脂シー
ト49により,ボード状体8を被覆した。樹脂シート4
9の厚みは,0.6mmとした。その他は,実施形態例
と同様の方法により,パーティクルボードを製造した。
この場合,ホットプレスにより,樹脂シート49の樹脂
成分491が,必要以上にボード状体8に含浸拡散し
た。このため,ホットプレス前の厚みが0.6mmであ
った樹脂シート49が,ホットプレスにより,厚みが
0.3mmにまで減少した。
【0070】実施形態例1の第一樹脂シート(厚み0.
2mm),第二樹脂シート(厚み0.4mm)の合計厚
み(0.6mm),及び実施形態例2の樹脂粒子層(厚
み0.2mm)及び樹脂シート(厚み0.4mm)の合
計厚み(0.6mm)と同じ厚みの樹脂シート49を用
いたにもかかわらず,本比較例では,実施形態例1,2
の樹脂被覆層4の厚み(0.5mm)よりもかなり薄い
厚み(0.3mm)の樹脂被覆層49が形成されてしま
った。
【0071】このことから,実施形態例1,2の製造方
法によれば,ボード状体への樹脂含浸量を,比較例1の
ように1枚の樹脂シート49をボード状体8にホットプ
レスした場合よりも,はるかに少量に抑制することがで
きることがわかる。これは,樹脂被覆層を2層構成とし
たことにより各樹脂層が境界面での相互作用を伴いなが
らも各層が半分独立した状態で個々に変化したことが原
因であると思われる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば,施工の際に釘貫通穴周
辺部に花咲き割れ現象が生じることを防止し,かつ表裏
面を被覆するために用いる樹脂シートの耐久性及び接着
性を向上させたパーティクルボードの製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1のパーティクルボードの断面図。
【図2】実施形態例1のパーティクルボードの表裏面付
近の拡大断面図。
【図3】実施形態例1のパーティクルボードの製造方法
における,ホットプレスによる樹脂被覆層の厚みの変化
量を説明するための説明図(a)〜(c)。
【図4】実施形態例1における,コア用混合材の説明図
(a)及びフェイス用混合材の説明図(b)。
【図5】実施形態例1における,フォーミング装置の説
明図。
【図6】実施形態例1における,成形工程後のボード状
体の断面説明図。
【図7】実施形態例1における,ボード状体の成形の工
程説明図。
【図8】実施形態例1における,成形工程以後のパーテ
ィクルボードの製造方法の工程説明図。
【図9】実施形態例1における,ホットプレスによる,
木質材料,樹脂材料及び第一樹脂シートの挙動説明図
(a)〜(c)。
【図10】実施形態例1における,木質材料の接着状態
の説明図。
【図11】実施形態例2のパーティクルボードの表裏面
付近の拡大説明図。
【図12】実施形態例2のパーティクルボードの製造方
法の工程説明図。
【図13】実施形態例2における,成形後のボード状体
の断面説明図。
【図14】実施形態例2のパーティクルボードの製造方
法における,ホットプレスによる樹脂被覆層の厚みの変
化量を説明するための説明図(a)〜(b)。
【図15】比較例1のパーティクルボードの製造方法に
おける,ホットプレスによる樹脂被覆層の厚みの変化量
を説明するための説明図(a)〜(b)。
【図16】従来例のパーティクルボードの斜視図。
【符号の説明】
1...フェイス用樹脂粒子, 16...コア用樹脂粒子, 2...フェイス用木質材料, 21...接着剤, 22...表裏面凹部, 23...空隙, 26...コア用木質材料, 36...コア用混合材, 37...フェイス用混合材, 4...樹脂被覆層, 41...第一樹脂シート, 411...樹脂成分, 42...第二樹脂シート, 43...樹脂粒子層, 431...樹脂粒子, 44...樹脂シート, 5...フォーミング装置, 50...メインコンベア, 51...第1混合材供給装置, 52...第2混合材供給装置, 53...第3混合材供給装置, 6...コア層, 7...フェイス層, 8...ボード状体, 80...パーティクルボード,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−88977(JP,A) 特開 平2−310002(JP,A) 特開 昭61−181610(JP,A) 特開 昭58−102759(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27N 3/00 - 3/06 B27M 3/00 B32B 21/08 B32B 31/20

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質材料からなるパーティクルボードの
    製造方法において,木質材料からなるボード状体を成形
    するとともに,該ボード状体の表裏面を第一樹脂シート
    により被覆する工程と,上記ボード状体を加熱加圧する
    工程と,上記第一樹脂シートの表面に第二樹脂シートを
    被覆する工程と,上記ボード状体を加熱加圧する工程と
    からなることを特徴とするパーティクルボードの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記加熱加圧前の上
    記第一樹脂シートの厚みは,0.03〜0.2mmであ
    ることを特徴とするパーティクルボードの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記加熱加
    圧前の上記第二樹脂シートの厚みは,0.03〜0.4
    mmであることを特徴とするパーティクルボードの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 木質材料からなるパーティクルボードの
    製造方法において,木質材料からなるボード状体を成形
    するとともに,該ボード状体の表裏面を樹脂粒子からな
    る樹脂粒子層により被覆する工程と,上記樹脂粒子層の
    表面に樹脂シートを被覆する工程と,上記ボード状体を
    加熱加圧する工程とからなることを特徴とするパーティ
    クルボードの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記加熱加圧前の上
    記樹脂粒子層の厚みは,0.03〜0.2mmであるこ
    とを特徴とするパーティクルボードの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において,上記加熱加
    圧前の上記樹脂シートの厚みは,0.03〜0.4mm
    であることを特徴とするパーティクルボードの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において,
    上記ボード状体を形成するにあたっては,木質材料から
    なるコア材料と,上記コア材料の木質材料の平均粒径よ
    りも小さい平均粒径の木質材料からなるフェイス材料と
    を準備する工程と,上記コア材料の木質材料及び上記フ
    ェイス材料の木質材料に,熱硬化性樹脂からなる接着剤
    を塗布する工程と,上記コア材料からなるコア層を形成
    するとともに,該コア層の表裏面に上記フェイス材料か
    らなるフェイス層を成形する工程を行うことを特徴とす
    るパーティクルボードの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において,上記コア材料及び上
    記フェイス材料に,熱可塑性樹脂からなる樹脂材料を添
    加混合することを特徴とするパーティクルボードの製造
    方法。
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