JP3351307B2 - 冷媒自然循環式熱交換システム - Google Patents

冷媒自然循環式熱交換システム

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JP3351307B2
JP3351307B2 JP22761597A JP22761597A JP3351307B2 JP 3351307 B2 JP3351307 B2 JP 3351307B2 JP 22761597 A JP22761597 A JP 22761597A JP 22761597 A JP22761597 A JP 22761597A JP 3351307 B2 JP3351307 B2 JP 3351307B2
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康博 頭島
卓 栗林
浩二 加藤
順太 平田
祐則 佐藤
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日立プラント建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒自然循環式熱
交換システムに係り、特にクリーンルーム等の空間の冷
房を行う冷媒自然循環式熱交換システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、事務所等の一般ビル及びクリーン
ルームや工場等の産業用空調のエネルギーが増大の一途
をたどっている。この空調エネルギーを削減する様々な
空調システムが考案されている。特に、工場等の産業用
空調分野では、生産設備の高密度化に伴い、生産設備か
ら発生する熱負荷が増大し、冬期においても冷房が必要
となっている。このような場合の冷房方式として、省エ
ネルギーの観点から、冷媒自然循環式熱交換システムが
挙げられる。
【0003】このシステムでは、室内の高温の還気が送
風される蒸発器、蒸発器よりも高所に設置され低温の外
気が送風される凝縮器、及びそれらを接続する蒸気管と
液管とから構成されており、それらで構成される密閉系
内に熱媒体が充填される。蒸発器内の熱媒体は、蒸発器
に送風された室内の空気によって加熱され蒸発する。こ
の時、蒸発器に送風された室内の空気は、熱媒体が蒸発
する際の潜熱によって冷却され、室内が冷却される。そ
して、蒸発してガスとなった熱媒体は、蒸気管を上昇し
て凝縮器内に移動する。凝縮器内に移動した熱媒体は、
凝縮器に送風される低温外気に冷却されて液化し、液化
した熱媒体は液管を自重で下降して再び蒸発器内へ戻り
室内を冷却する。このように、冷媒自然循環式熱交換シ
ステムは、熱媒体は凝縮と蒸発とを繰り返しながら蒸発
器と凝縮器との間を循環するため、エネルギー消費を削
減できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
冷媒自然循環式熱交換システムでは、凝縮器に送風され
る外気の温度が低すぎると、蒸発器の表面温度が室内の
空気の露点よりも低くなり、蒸発器の表面に結露が生じ
るという問題がある。結露が発生すると、室内湿度が低
下して静電気が発生し生産設備が故障したり、特にクリ
ーンルームでは半導体などの生産物に塵埃等が付着して
生産性が著しく低下したりする。また、蒸発器やその周
辺機器に錆が生じたり、溜まった水分にカビが発生する
等の悪影響がある。
【0005】このような不具合は、蒸発器の表面温度が
露点まで低下した時にシステム全体を停止すればよい
が、これでは、クリーンルームの冷房機能が完全に停止
してしまうという問題がある。また、システム全体を停
止すると、冬期の外気温度が非常に低くなる地域におい
ては、システムの稼働率が下がるという欠点がある。本
発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、冷房
を連続運転しても蒸発器に結露が生じない冷媒自然循環
式熱交換システムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する為に、被空調室内に設けられた蒸発器と、被空調
室外の室外ダクトに設けられ、前記蒸発器よりも高所に
設置される凝縮器と、前記蒸発器と凝縮器とを連結する
冷媒蒸気管及び冷媒液管と、前記蒸発器の近傍に設けら
れ、前記被空調室内の空気を前記蒸発器に供給する蒸発
器用空気供給手段と、前記凝縮器の近傍に設けられ、前
記被空調室内の空気よりも低温の外気を前記凝縮器に供
給する凝縮器用空気供給手段とから構成され、前記蒸発
器、凝縮器、冷媒蒸気管、及び冷媒液管から成る密閉系
に熱媒体を充填し、前記蒸発器に供給された空気を、前
記蒸発器内の前記熱媒体が蒸発する際の潜熱によって冷
却し前記被空調室内を冷房する冷媒自然循環式熱交換シ
ステムに於いて、前記室外ダクトと前記被空調室からの
排気が流れる排気ダクトとを接続する接続ダクトと、前
記接続ダクトに設けられ、前記排気ダクトから前記室外
ダクトに導入する前記排気の流量を調整するダンパと、
前記蒸発器の表面温度を検出する温度検出手段と、前記
温度検出手段で検出された検出温度に応じて前記蒸発器
の表面温度が前記被空調室内空気の露点以上になるよう
に前記ダンパの開度を制御する制御手段と、を備えたこ
とを特徴としている。
【0007】本発明によれば、温度検出手段が蒸発器の
表面温度を検出し、制御手段は該検出温度に応じて前記
蒸発器の表面温度が被空調室内空気の露点以上になるよ
うにダンパの開度を制御して室外ダクトに導入する排気
の流量を調整する。これにより、冷房を連続運転しても
蒸発器の表面に結露が発生するのを防止することができ
る。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】た、本発明は、前記目的を達成する為
に、被空調室内に設けられた蒸発器と、被空調室外の室
外ダクトに設けられ、前記蒸発器よりも高所に設置され
る凝縮器と、前記蒸発器と凝縮器とを連結する冷媒蒸気
管及び冷媒液管と、前記蒸発器の近傍に設けられ、前記
被空調室内の空気を前記蒸発器に供給する蒸発器用空気
供給手段と、前記凝縮器の近傍に設けられ、前記被空調
室内の空気よりも低温の外気を前記凝縮器に供給する凝
縮器用空気供給手段とから構成され、前記蒸発器、凝縮
器、冷媒蒸気管、及び冷媒液管から成る密閉系に熱媒体
を充填し、前記蒸発器に供給された空気を、前記蒸発器
内の前記熱媒体が蒸発する際の潜熱によって冷却し前記
被空調室内を冷房する冷媒自然循環式熱交換システムに
於いて、前記室外ダクトと前記被空調室からの排気が流
れる排気ダクトとを接続する接続ダクトと、前記接続ダ
クトに設けられ、前記排気ダクトから前記室外ダクトに
導入する前記排気の流量を調整するダンパと、前記蒸発
器内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手
段で検出された検出圧力に応じて前記蒸発器の表面温度
が前記被空調室内空気の露点以上になるように前記ダン
パの開度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴と
している。
【0012】本発明によれば、圧力検出手段が蒸発器内
の圧力を検出し、制御手段は該検出圧力に応じて前記蒸
発器の表面温度が被空調室内空気の露点以上になるよう
にダンパの開度を制御して室外ダクトに導入する排気の
流量を調整する。これにより、冷房を連続運転しても蒸
発器の表面に結露が発生するのを防止することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る冷媒自然循環式熱交換システムの好ましい実施の形
態について詳説する。本発明に係る冷媒自然循環式熱交
換システムをクリーンルームへ適用した場合について説
明する。
【0014】図1は、本発明に係る冷媒自然循環式熱交
換システムの第1の実施の形態の構成図である。クリー
ンルーム12には多数の生産設備14が設置されてお
り、生産設備14から多量の熱が発生してクリーンルー
ム12内の温度が上昇する。温度が上昇した循環エア
は、グレーチング16を通過し、クリーンルーム12の
壁面に設けられた吸込口18からリターンダクト20に
導かれて空調機22に回収される。空調機22に回収さ
れた循環エアは、外気取入ダクト24から補給された外
気と共に、空調機22で冷却され、サプライダクト26
を介してクリーンルーム12内に供給される。クリーン
ルーム12内に供給された循環エアは、各ファンフィル
タユニット(以下FFU)28、28…のファン29の
作用によって各FFU28、28…内に吸い込まれ、フ
ィルタ30で除塵濾過され、各FFU28、28…の吹
出口から吹き出され、再び生産設備14に供給される。
【0015】一方、生産設備14から発生する排気は排
気ダクト32を通りファン34を介して排出される。ク
リーンルーム12の図中左下部にはダクト40が設けら
れ、ダクト40内には蒸発器42と蒸発器用ファン(蒸
発器用空気供給手段)44とが設けられる。室内の高温
の環気が蒸発器用ファン44によって蒸発器42に供給
される。
【0016】また、クリーンルーム12の外部にはダク
ト(室外ダクト)46が設けられ、ダクト46内には凝
縮器48と凝縮器用ファン(凝縮器用空気供給手段)5
0とが設けられる。低温の外気が凝縮器用ファン50に
よって凝縮器48に供給される。前記蒸発器42と凝縮
器48とは、冷媒蒸気管52と冷媒液管54とによって
連通され、蒸発器42、凝縮器48、冷媒蒸気管52、
及び冷媒液管54で密閉系が構成されており、この密閉
系にはフロン134a(CH2 FCF3 )等の熱冷媒が
充填される。
【0017】前記ダクト46と排気ダクト32とは、バ
イパスダクト(接続ダクト)56によって連結されてお
り、排気ダクト32を流れる排気の一部はバイパスダク
ト56を介してダクト46に流れ込み、低温外気と共に
凝縮器48に供給される。バイパスダクト56にはダン
パ58が設けられ、ダクト46に流れ込む排気の風量が
調整される。
【0018】前記蒸発器42には温度センサ60が設け
られ、蒸発器42の表面温度を検出する。該検出温度は
温度コントローラ62に入力され、温度コントローラ6
2は該検出温度に応じて蒸発器42の表面温度がクリー
ンルーム12内の空気の露点以上になるようにダンパ開
度調整信号をダンパ58に出力してダンパ58の開閉を
制御する。
【0019】次いで、上記の如く構成された冷媒自然循
環式熱交換システムの作用について具体的な数値を示し
て説明する。生産設備14、14…からの熱によって、
クリーンルーム12の温度が設定温度の20℃から約2
3℃まで上昇したとする。この時、クリーンルーム12
の湿度はFFU28によって45%に保たれているとす
る。この湿度は、前記温度コントローラ62に予めメモ
リしておいてもよいし、クリーンルーム12に湿度計を
設置してこの湿度計からの湿度情報を温度コントローラ
62に出力するようにしてもよい。
【0020】前記クリーンルーム12の温度上昇した空
気は、蒸発器用ファン44によって蒸発器42に送風さ
れる。また、生産設備14から発生した26〜27℃の
排気は、排気ダクト32を通りファン34を介して排気
される。この時、排気ダクト32を流れる排気の一部
は、ダンパ58によってバイパスダクト56を介してダ
クト46に流れ込む。ダクト46には0℃以下の低温外
気が流れ込んでおり、この低温外気とダクト46に流れ
込んだ前記排気との混合気体が凝縮器用ファン50によ
って凝縮器48に送風される。
【0021】ここで、クリーンルーム12の温度が23
℃、湿度が45%であることから、クリーンルーム12
の空気の露点は10.8℃なので、蒸発器42の表面温
度を露点の10.8℃以上に設定する必要がある。一
方、蒸発器42内の熱媒体は、蒸発器42に送風された
23℃の室内の空気によって加熱され蒸発する。この
時、蒸発器42に送風された室内の空気は、熱媒体が蒸
発する際の潜熱によって冷却される。蒸発してガスとな
った約17℃の熱媒体は、冷媒蒸気管52を上昇して凝
縮器48に移動する。凝縮器48に移動した前記熱媒体
は、凝縮器48に送風される低温外気と排気との混合気
体に冷却されて液化する。液化した熱媒体は冷媒液管5
4を自重で下降して再び蒸発器42へ戻る。このよう
に、熱媒体は凝縮と蒸発とを繰り返しながら、蒸発器4
2と凝縮器48との間を循環する。そこで、蒸発器42
の表面温度を露点の10.8℃以上にするためには前記
ガスとなった熱媒体を約10℃の熱媒体に相転移させる
必要がある。このためには、前記混合気体の温度を5〜
7℃に設定すればよいので、温度コントローラ62は混
合気体の温度が5〜7℃となるようにダンパ開度調整信
号をダンパ58に出力し、ダンパ58の開閉を制御す
る。これによって、蒸発器42の表面温度が露点の1
0.8℃以上に保たれるので、蒸発器42の表面に結露
は発生しない。これにより、本実施の形態では、冷房を
連続運転しても蒸発器42の表面に結露が生じない。
【0022】また、本実施の形態では、排気ダクト32
の排気を再利用したので、混合気体を生成するためのヒ
ータを別個設ける必要がなく、製造コストを削減でき
る。尚、本実施の形態では、排気ダクト32の排気を再
利用したが、これに限定されず、リターンダクト20を
流れる循環エアを再利用してもよい。図2は、本発明の
冷媒自然循環式熱交換システムの第2の実施の形態の構
成図である。第2の実施の形態では、凝縮器用ファン5
0の周波数を調整するインバータ70が設けられ温度コ
ントローラ62と連結される。温度センサ60は蒸発器
42の表面温度を検出して、該検出温度を温度コントロ
ーラ62に入力し、温度コントローラ62は該検出温度
に応じて蒸発器42の表面温度がクリーンルーム12内
の空気の露点以上となるようにファン周波数調整信号を
ダンパ58に出力し、凝縮器用ファン50の周波数を制
御する。凝縮器用ファン50の周波数を抑えて低温外気
の送風量を少なくすると、凝縮器48の凝縮能力が低下
される。これによって、冷房を連続運転しても蒸発器4
2の表面に結露が発生するのを防止できる。
【0023】図3は、本発明の冷媒自然循環式熱交換シ
ステムの第3の実施の形態の構成図である。第3の実施
の形態では、冷媒蒸気管52に電動バルブ76が設置さ
れ温度コントローラ62と連結される。温度センサ60
は蒸発器42の表面温度を検出して、該検出温度を温度
コントローラ62に入力し、温度コントローラ62は該
検出温度に応じて蒸発器42の表面温度がクリーンルー
ム12内の空気の露点以上となるようにバルブ開度制御
信号を電動バルブ76に出力し、電動バルブ76の開度
を制御する。電動バルブ76の開度が小さくなると、蒸
発器42内の圧力が増加し、蒸発器42での蒸発温度が
上がる。これによって、冷房を連続運転しても蒸発器4
2の表面に結露が発生するのを防止できる。
【0024】図4は、本発明の冷媒自然循環式熱交換シ
ステムの第4の実施の形態の構成図である。第4の実施
の形態では、冷媒液管54に電動バルブ82が設置され
温度コントローラ62と連結される。温度センサ60は
蒸発器42の表面温度を検出して、該検出温度を温度コ
ントローラ62に入力し、温度コントローラ62は該検
出温度に応じて蒸発器42の表面温度がクリーンルーム
12内の空気の露点以上となるようにバルブ開度制御信
号を電動バルブ82に出力し、電動バルブ82の開度を
制御する。電動バルブ82の開度が小さくなると、蒸発
器42へ流れる熱媒体の流量が減少し蒸発器42内の圧
力が減少する。これによって、冷房を連続運転しても蒸
発器42の表面に結露が発生するのを防止できる。
【0025】図5は、本発明の冷媒自然循環式熱交換シ
ステムの第5の実施の形態の構成図である。第5の実施
の形態では、蒸発器42内に圧力センサ88が設置され
温度コントローラ62と連結される。圧力センサ88は
蒸発器42内の圧力を検出して、該検出圧力を温度コン
トローラ62に入力し、温度コントローラ62は該検出
圧力に応じて蒸発器42の表面温度がクリーンルーム1
2内の空気の露点以上となるようにダンパ開度調整信号
をダンパ58に出力し、ダンパ58の開度を制御する。
これにより、凝縮器48に送風される低温外気と排気と
の混合気体の温度が一定に保たれる。よって、冷房を連
続運転しても蒸発器42の表面に結露が発生するのを防
止できる。
【0026】尚、第5の実施の形態の圧力センサ88
は、第1〜第3の実施の形態においても適用することが
できる。また、凝縮器48に送風する低温外気には、外
気取入ダクト24から空調機22に取り入れる外気を使
用してもよい。尚、第1及び第5の実施の形態では、凝
縮器48に送風する外気温度を調整するのに、ダンパ5
8の開度を制御することによって変化させているが、こ
れに限定されず、熱源に装置冷却水を用い、凝縮器48
の前段に装置冷却水と低温外気との熱交換器を設置し
て、冷却水配管に取り付けた電動バルブの開度調節を行
うことによってこの熱交換器に流す装置冷却水の流量を
コントロールし、凝縮器48へ送風する外気温度を変化
させてもよい。
【0027】また、全ての実施の形態において、凝縮器
48をクリーンルーム用外調機内部に設置し、蒸発器4
2で回収した室内空気からの熱を用いて、低温取入外気
の予熱に用いてもよい。図6は、密閉系が1系統の冷媒
自然循環式熱交換システムを示す説明図である。蒸発器
で冷却されるエアの温度をA、冷却された直後のエアの
温度をBとし、凝縮器を冷却するエアの温度をC、凝縮
器で熱交換された直後のエアの温度をDとし、蒸発器と
凝縮器を通過するエアーの量は同じとする。この場合の
熱回収率φは、
【0028】
【数1】 で表される。
【0029】図7は、冷媒自然循環式熱交換システムが
一系統の場合における熱交換を示す説明図である。同図
に示すように、AとCとの温度差をΔtとすると、熱冷
媒はAとCとの中間温度Δt/2で循環するため、1系
統のときの熱回収率φは最大でも50%である。図8
は、密閉系が2系統の冷媒自然循環式熱交換システムを
示す説明図である。蒸発器の入口温度をA、2つの系統
の間の温度をB、出口温度をCとし、凝縮器の入口温度
をD、2つの系統の間の温度をE、出口温度をFとす
る。
【0030】図9は、冷媒自然循環式熱交換システムが
2系統の場合における熱交換を示す説明図である。同図
に示すように、AとDとの温度差をΔtとすると、
(一)系統の熱冷媒はBとDとの中間温度C、E、Δt
/3で循環し、(二)系統の熱冷媒はAとEとの中間温
度B、F、2Δt/3で循環する。このため、2系統の
ときの熱回収率φは最大でも66.7%である。
【0031】
【実施例】図10は、冷媒充填率と熱回収率との関係を
示す図である。6列のコイルを2台直列に並べ、充填率
εを20〜80%まで変化させた。蒸発器と凝縮器との
入口空気温度差Δtが15℃、10℃、5℃の場合につ
いて行い、配管の長さは50mとした。冷媒の充填率ε
は、
【0032】
【数2】ε=〔冷媒容積(液)/(熱交換器チューブ容
積+配管容積)〕×100 で表される。この結果、熱回収率は充填率を20%から
大きくするに従って大きくなり、55%で最大となる。
さらに充填率を大きくすると徐々に低下した。現実的に
適用されるΔt=15℃の場合では、回収率30%を下
限とすると充填率を45%〜略100%にすれば達成で
きる。しかし、充填率が高くなるとコストがかかるこ
と、また100%では相変化が起こらないこと、及び6
5%を超えても回収率に大差がないことから充填率εを
45〜65%に設定することが好ましい。
【0033】図11は、コイルの列数と熱回収率との関
係を示す図である。1系統のコイルの列数を6、12、
18と変化させ、蒸発器と凝縮器との入口空気温度差Δ
tが15℃、10℃、5℃の場合について行った。充填
率は55%とし、配管長さは50mとする。この結果、
熱回収率はコイル列数が6列(Δt:15℃)では25
%であるが、12列では38%に向上する。しかし、こ
れ以上コイル列数を増やしても熱回収率は比例して向上
せずに飽和することが判明した。
【0034】図12は、系統数と熱回収率との関係を示
す図である。コイルの列数を12(総伝熱面積:11.
4m2 )とし、これを分割して系統数を変化させた。系
統数2では6列のコイル2台直列に並べ、系統数4では
3列のコイル4台直列に並べた。蒸発器と凝縮器との入
口空気温度差Δtが15℃、10℃、5℃の場合につい
て行い、充填率は55%とし、配管長さは50mとす
る。この結果、熱回収率は系統数1では38%(Δt:
15℃)であるのに対し、系統数4では57%(Δt:
15℃)となり約20%向上することが判明した。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る冷媒
自然循環式熱交換システムによれば、蒸発器の表面温度
を被空調室内空気の露点以上に保つようにしたので、冷
房を連続運転しても蒸発器の表面に結露が発生するのを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷媒自然循環式熱交換システムの第1の実施の
形態の構成図
【図2】冷媒自然循環式熱交換システムの第2の実施の
形態の構成図
【図3】冷媒自然循環式熱交換システムの第3の実施の
形態の構成図
【図4】冷媒自然循環式熱交換システムの第4の実施の
形態の構成図
【図5】冷媒自然循環式熱交換システムの第5の実施の
形態の構成図
【図6】密閉系が1系統の冷媒自然循環式熱交換システ
ムを示す説明図
【図7】冷媒自然循環式熱交換システムが1系統の場合
における熱交換を示す説明図
【図8】密閉系が2系統の冷媒自然循環式熱交換システ
ムを示す説明図
【図9】冷媒自然循環式熱交換システムが2系統の場合
における熱交換を示す説明図
【図10】冷媒充填率と熱回収率との関係を示す図
【図11】コイルの列数と熱回収率との関係を示す図
【図12】系統数と熱回収率との関係を示す図
【符号の説明】
12…クリーンルーム 42…蒸発器 44…蒸発器用ファン 46…ダクト 48…凝縮器 50…凝縮器用ファン 52…冷媒蒸気管 54…冷媒液管 56…バイパスダクト 58…ダンパ 60…温度センサ 62…温度コントローラ 70…インバータ 76、82…電動バルブ 88…圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 祐則 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−277146(JP,A) 特開 平6−257865(JP,A) 特開 平3−195838(JP,A) 特開 平7−218004(JP,A) 特開 平4−98040(JP,A) 特開 平2−130352(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 F24F 11/053

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被空調室内に設けられた蒸発器と、被空調
    室外の室外ダクトに設けられ、前記蒸発器よりも高所に
    設置される凝縮器と、前記蒸発器と凝縮器とを連結する
    冷媒蒸気管及び冷媒液管と、前記蒸発器の近傍に設けら
    れ、前記被空調室内の空気を前記蒸発器に供給する蒸発
    器用空気供給手段と、前記凝縮器の近傍に設けられ、前
    記被空調室内の空気よりも低温の外気を前記凝縮器に供
    給する凝縮器用空気供給手段とから構成され、前記蒸発
    器、凝縮器、冷媒蒸気管、及び冷媒液管から成る密閉系
    に熱媒体を充填し、前記蒸発器に供給された空気を、前
    記蒸発器内の前記熱媒体が蒸発する際の潜熱によって冷
    却し前記被空調室内を冷房する冷媒自然循環式熱交換シ
    ステムに於いて、 前記室外ダクトと前記被空調室からの排気が流れる排気
    ダクトとを接続する接続ダクトと、 前記接続ダクトに設けられ、前記排気ダクトから前記室
    外ダクトに導入する前記排気の流量を調整するダンパ
    と、 前記蒸発器の表面温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段で検出された検出温度に応じて前記蒸
    発器の表面温度が前記被空調室内空気の露点以上になる
    ように前記ダンパの開度を制御する制御手段と、を備え
    たことを特徴とした冷媒自然循環式熱交換システム。
  2. 【請求項2】前記排気ダクトは前記被空調室に設置され
    た生産設備の排気口に連結されていることを特徴とする
    請求項1記載の冷媒自然循環式熱交換システム。
  3. 【請求項3】被空調室内に設けられた蒸発器と、被空調
    室外の室外ダクトに設けられ、前記蒸発器よりも高所に
    設置される凝縮器と、前記蒸発器と凝縮器とを連結する
    冷媒蒸気管及び冷媒液管と、前記蒸発器の近傍に設けら
    れ、前記被空調室内の空気を前記蒸発器に供給する蒸発
    器用空気供給手段と、前記凝縮器の近傍に設けられ、前
    記被空調室内の空気よりも低温の外気を前記凝縮器に供
    給する凝縮器用空気供給手段とから構成され、前記蒸発
    器、凝縮器、冷媒蒸気管、及び冷媒液管から成る密閉系
    に熱媒体を充填し、前記蒸発器に供給された空気を、前
    記蒸発器内の前記熱媒体が蒸発する際の潜熱によって冷
    却し前記被空調室内を冷房する冷媒自然循環式熱交換シ
    ステムに於いて、 前記室外ダクトと前記被空調室からの排気が流れる排気
    ダクトとを接続する接続ダクトと、 前記接続ダクトに設けられ、前記排気ダクトから前記室
    外ダクトに導入する前記排気の流量を調整するダンパ
    と、 前記蒸発器内の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段で検出された検出圧力に応じて前記蒸
    発器の表面温度が前記被空調室内空気の露点以上になる
    ように前記ダンパの開度を制御する制御手段と、を備え
    たことを特徴とした冷媒自然循環式熱交換システム。
  4. 【請求項4】前記熱媒体の充填率は、前記密閉系の容積
    の45〜65%に設定されていることを特徴とする請求
    項1又は3に記載の冷媒自然循環式熱交換システム。
  5. 【請求項5】前記密閉系の系統を複数備えたことを特徴
    とする請求項1又は3に記載の冷媒自然循環式熱交換シ
    ステム。
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