JP4245733B2 - 高顕熱負荷処理用空調システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば電子計算機や半導体製造装置の如き発熱源から発生する熱負荷を処理する空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電算室などでは,電子計算機の如き発熱源から発生する熱負荷を冷却処理することが必要である。このため電算室などでは,空気の循環径路中に冷却コイルなどの直膨型熱交換器を設置して冷却することにより,熱負荷を処理している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来,電算室などの空調システムの室温制御は,再熱による方法が一般的であった。すなわち,熱負荷の大小に関係なく圧縮機は100%運転を絶えず行い,必要であれば,その後で所定の温度まで加熱処理していた。このため従来の電算室などの空調システムでは,エネルギーの無駄が多かった。
【0004】
また従来の電算室などの空調システムでは,循環径路中において冷却コイルで還気空気を冷却する際に,空気中の湿分まで除去してしまう。電算機などは正常な稼働を確保するため室内を所定の湿度に維持する必要があるため,この減湿分を補うための加湿が必要となり,加湿用の熱源(電気ヒータや蒸気)のためのエネルギーも必要となり,更に効率を低下させていた。一方,半導体工場などでは各種の生産装置が多数稼働し発熱量が大きいが,直膨型コイルの採用は見送られていた。そのため発熱量および循環風量が圧倒的に大きく,前記設備によっては運転費のほか設備費(イニシャルコスト)が多大になっていた。そこで外気取入系に設けた外調機で潜熱処理をし,循環系に設ける熱交換器には冷凍機で製造した冷水を供給するシステムとするのが常態であった。なおこの冷水は,熱交換器表面に結露を起こさないよう温度制御されていた。大容量になるとパッケージ型空調機の汎用品がなく,コンデンシングユニットを制作してそれに見合うコイル,配管を個別に設計する必要があったためである。また,コンプレッサの制御性から,出来上がり空気の状態を良好にしようとすると直膨式は見送られることになった。
【0005】
本発明の目的は,例えば電算室などの如き熱負荷処理の空調システムにおいて,省エネルギー化をはかることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために,請求項1によれば,発熱源を有する室内に空気を循環供給する循環径路中に,熱媒を蒸発させて空気を冷却させる複数の直膨型熱交換器を設置し,これら複数の直膨型熱交換器に供給される熱媒を凝縮させる1又は複数の室外機を,前記室内から熱的に隔離された系外に設置し,前記直膨型熱交換器の設置台数を前記室外機の設置台数よりも多くして,前記直膨型熱交換器の合計容量を前記室外機の合計容量よりも大きくさせたことを特徴とする,高顕熱負荷処理用空調システムが提供される。
【0007】
また請求項2によれば,発熱源を有する室内に空気を循環供給する循環径路中に,熱媒を蒸発させて空気を冷却させる複数の直膨型熱交換器を設置し,これら複数の直膨型熱交換器に供給される熱媒を凝縮させる複数の室外機を,前記室内から熱的に隔離された系外に設置し,前記直膨型熱交換器及び/又は前記室外機の稼働台数を可変にし,前記直膨型熱交換器の稼働台数を増やすか前記室外機の稼働台数を減らして前記直膨型熱交換器の合計容量を前記室外機の合計容量よりも大きくさせた状態と,前記直膨型熱交換器の稼働台数を減らすか前記室外機の稼働台数を増やして前記直膨型熱交換器の合計容量を前記室外機の合計容量と等しくさせた状態とに切り換えられる構成としたことを特徴とする,高顕熱負荷処理用空調システムが提供される。
【0008】
これら請求項1,2の空調システムにおいて発熱源とは,例えば電子計算機,半導体製造装置などといった熱負荷を発生する各種装置や,それらを操作する人間,照明機器等があげられる。熱源を有する室とは,例えば電算室,クリーンルームなどである。また直膨型熱交換器とは,例えば冷媒を内部で蒸発させ,表面において空気を冷却する冷却コイル(直接膨張コイル)などである。
【0009】
請求項1の空調システムにあっては,循環径路中に設置された複数の直膨型熱交換器において熱媒を蒸発させることにより空気を冷却し,こうして冷却した空気を室内に循環供給する。また一方で,これら複数の直膨型熱交換器に供給される熱媒を,系外に設置した1又は複数の室外機によって圧縮し凝縮させる冷凍サイクルを形成する。そして,直膨型熱交換器の設置台数を室外機の設置台数よりも多くすることにより,直膨型熱交換器の合計容量が室外機の合計容量よりも大きくなるようにし,例えば直膨型熱交換器の合計容量が室外機の合計容量の1.5〜2倍となるようにする。これにより,直膨型熱交換器一台当たりの熱負荷は相対的に少なくなるので,直膨型熱交換における熱媒の蒸発温度が上昇し,熱交換器表面温度が通過空気の露点温度より高くなり,直膨型熱交換器で結露を生じにくくなって空気中の水分の凝縮量が少なくなり,更に直膨型熱交換器で結露(水分の凝縮)をさせないようにすることも可能である。従って,この請求項1の空調システムによれば,従来の再熱を併用した冷却処理に比べて,過剰な冷却・減湿とその後の再熱および加湿に伴うエネルギーを著しく低減でき,省エネルギー化をはかることができるようになる。
【0010】
また請求項2の空調システムにおいても同様に,循環径路中に設置された複数の直膨型熱交換器において熱媒を蒸発させることにより空気を冷却し,こうして冷却した空気を室内に循環供給する。また一方で,これら複数の直膨型熱交換器に供給される熱媒を,系外に設置した複数の室外機によって凝縮させる。
【0011】
その際,請求項2の空調システムにあっては,例えば夏期のように冷房や減湿の必要が高いときは,直膨型熱交換器の稼働台数を減らすか室外機の稼働台数を増やして直膨型熱交換器の合計容量を室外機の合計容量と等しくさせるようにする。これにより,直膨型熱交換器一台当たりの熱負荷は相対的に多くなるので,直膨型熱交換における熱媒の蒸発温度と表面温度が低下して1台あたりの冷房能力が高くなり,直膨型熱交換を通過する空気中の水分の凝縮量が多くなって,冷房と減湿が行われるようになる。
【0012】
また一方,例えば冬期のように減湿の必要が低いときは,直膨型熱交換器の稼働台数を増やすか室外機の稼働台数を減らして直膨型熱交換器の合計容量を室外機の合計容量よりも大きくなるようにし,例えば直膨型熱交換器の合計容量が室外機の合計容量の1.5〜2倍となるようにする。これにより,直膨型熱交換器一台当たりの熱負荷は相対的に少なくなるので,直膨型熱交換における熱媒の蒸発温度と表面温度が上昇し,直膨型熱交換を通過する空気中への水分の凝縮量が少なくなり,更に表面温度を通過空気の露点温度以上になるように容量比を設計すれば水分を凝縮させないようにすることが可能になる。
【0013】
従って,この請求項2の空調システムによれば,夏期のように冷房や減湿の必要が高いときは,高い能力の冷房や減湿を行うことができ,冬期のように減湿の必要が低いときは,凝縮量を少なくすることにより,省エネルギー化をはかることができるようになる。
【0014】
これら請求項1,2の空調システムにおいて,請求項3に記載したように,前記室内に空気を循環供給する循環径路中に室内負荷処理用熱交換器を配置し,前記室内に外気を供給する外気供給径路中に外気処理用熱交換器を配置し,これら室内負荷処理用熱交換器と外気処理用熱交換器のいずれにも供給可能な熱媒を,前記室内から熱的に隔離された系外において外気と熱交換させる第2の室外機を備え,これら室内負荷処理用熱交換器及び外気処理用熱交換器と第2の室外器とでヒートポンプサイクルを形成しても良い。
【0015】
この請求項3の空調システムにあっては,例えば夏期のように冷房や減湿の必要が高いときは,室内負荷処理用熱交換器に熱媒を供給してを稼働させることにより,より高い冷房や減湿が行われるようになる。また一方,例えば冬期のように外気が低温のときは,外気処理用熱交換器や室内負荷処理用熱交換器で回収した温熱を利用して,外気の加熱および加湿処理が可能で,省エネルギーで効率のよい外気の負荷処理が可能となる。また,このように室内から回収した熱を,例えば隣接する事務室等の外気処理や室内の暖房に適用することが可能である。また例えば冬期のように外気の温度が低いときは,外気供給径路中に配置された外気処理用熱交換器に熱媒を供給して外気により熱媒を冷却させる。この時外気は加熱され,冬期のように空気が乾いている時には,加湿が効率よく行われるようになる。外気から回収した冷熱は室内空気の冷却や減湿に利用でき,省エネルギー化をはかることができるようになる。また,外気処理用熱交換器はその出口から出る温風を前記循環径路に導入する他,それに加えあるいはそれに替えて,例えば隣接する事務室等の外気処理などに適用することも可能である。
【0016】
また請求項4に記載したように,前記室内に高性能フィルタ(HEPAフィルタ,ULPAフィルタ)を通じて清浄な空気を供給するように構成しても良い。この請求項4の空調システムは,例えば半導体の製造室,手術室などに利用されるクリーンルームとして具現化される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施の形態を図面を参考にして説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかる空調システム1の概略的な構成を示す側面図であり,図2は空調システム1の概略的な構成を示す平面図である。なお,この空調システム1は,クリーンルーム10に適用した例を示している。また説明のため,図2では,高性能フィルタ17を省略して示している。
【0018】
クリーンルーム10は建物11の内部に形成されており,図示はしないが,クリーンルーム10内には,その目的に応じて各種の機器が設置されている。この実施の形態では,クリーンルーム10の天井面は給気面12に形成されており,クリーンルーム10の床面は,例えばパンチング板やグレイチング床などからなる還気面13に形成されている。給気面12の上方(天井裏空間)に形成された給気チャンバー14と,還気面13の下方(床下空間)に形成された還気チャンバー15とは還気ダクト16によって接続されており,これら還気チャンバー15と還気ダクト16と給気チャンバー14とによって,クリーンルーム10内に空気を循環供給するようになっている。給気面12には,HEPAフィルタやULPAフィルタなどといった高性能フィルタ17が設置されており,この実施の形態では,給気面12の全体に高性能フィルタ17が並べてある。
【0019】
還気ダクト16には,複数(この例では,図2に示すように6台)の室内機20が設置されており,この室内機20に熱媒管21を通じて液状の熱媒を供給する複数(この例では,図1,2に示すように2台)の室外機22が,クリーンルーム10内から熱的に隔離された建物11の外部に設置されている。各室内機20には,熱媒を蒸発させて空気を冷却させるための冷却コイルと図示しない膨張弁からなる直膨型熱交換器25と,ファン26がそれぞれ設けられている。そして,ファン26の稼働により,還気チャンバー15,還気ダクト16及び給気チャンバー14を通じてクリーンルーム10内に清浄な空気を循環供給し,その際に,直膨型熱交換器25によって空気を冷却することにより,クリーンルーム10内に設置された各種機器(図示せず)の発熱を補償するようになっている。
【0020】
各室外機22には,室内機20内に介装された膨張弁によって直膨型熱交換器25で蒸発したガス状の熱媒が,熱媒管27を通じて戻されるようになっている。図示はしないが,各室外機22には,熱媒をガス状から液状に戻すのに必要な圧縮機や凝縮器等がそれぞれ設けられている。そしてクリーンルーム10内から熱的に隔離された外気(この場合は屋外空気)と熱媒を室外機内に設けた送風機によって熱交換させるようになっている。そして,前述の各室内機20に設けられた直膨型熱交換器25と,これら各室外機22に設けられた圧縮機や凝縮器等によってヒートポンプを構成している。
【0021】
図3に示すように,この例では建物11の外部に2台の室外機22を設置し,建物11の内部に6台の室内機20を設置することにより,直膨型熱交換器25の設置数を室外機22の設置数よりも多くしている。そして,各直膨型熱交換器25の容量は例えば25ずつになっており,各室外機22の容量は例えば50ずつになっている。これにより,直膨型熱交換器25の合計容量(25×6=150)が室外機22の合計容量(50×2=100)よりも大きくなるように構成している。これは,例えば通常の事務所の空調で用いられるマルチパッケージシステムにおいて,室外機の容量を室内機の1.5倍とした構成である。本発明では,室外機1台に対して複数台の室外機をもって構成するので,配管系は室外機の系統毎に分割しても良い。
【0022】
さて,以上のように構成された空調システム1にあっては,クリーンルーム10内の空気は,還気面13から下向きに吐出されて還気チャンバー15に排気される。そして,各室内機20に設けられたファン26の稼働により,還気チャンバー15,還気ダクト16及び給気チャンバー14を通じて送風され,フィルタ17でろ過された清浄な空気がクリーンルーム10内に循環供給される。その際,各室内機20に設けられた直膨型熱交換器25において熱媒が蒸発することにより空気が冷却され,クリーンルーム10内に設置された各種機器(図示せず)の発熱が補償される。また一方で,各直膨型熱交換器25に供給されて蒸発した熱媒は,建物11の外部に設置された各室外機22によって圧縮,凝縮され再び直膨型熱交換器25に供給される。
【0023】
この第1の実施の形態の空調システム1にあっては,先に図3で説明したように直膨型熱交換器25の合計容量を室外機22の合計容量よりも大きく設定し,直膨型熱交換器25の伝熱面積を大きくすることで一台当たりの熱負荷は相対的に少なくなり,処理空気の直膨型熱交換器25出入口温度差(コイル出入口温度差)を小さく,直膨型熱交換器25における熱媒の蒸発温度と表面温度をより高く設定できる。これにより,直膨型熱交換器25を通過する空気中の水分の凝縮量が少なくなるか,もしくは水分が凝縮しないようになる。このため,この第1の実施の形態の空調システム1によれば,従来の再熱を容量制御の手段とした冷却処理に比べて,過剰な冷却・減湿とその後の再熱および加湿に伴うエネルギーを著しく低減でき,省エネルギー化をはかることができるようになる。
【0024】
なお,図1,2では,クリーンルーム10の天井である給気面12に高性能フィルタ17のみを設置した例を説明したが,図4に示す空調システム1’のように,クリーンルーム10の天井である給気面12にFFU(ファンフィルタユニット)30を並べて設置しても良い。各FFU30は,いずれもHEPAフィルタやULPAフィルタなどといった高性能フィルタ31の上部にファン32を装着した構成を有し,ファン32の稼働により高性能フィルタ31でろ過した清浄な空気を給気面12の全体から下向きに吐出してクリーンルーム10内に給気するようになっている。この図4で示す例のように給気面12にFFU30を設置した場合は,還気ダクト16には直膨型熱交換器25だけを設置することも可能である。なお,図4に示す空調システム1’は,図1,2で説明した空調システム1における高性能フィルタ17に代えて給気面12にFFU30を設置し,室内機20に代えて還気ダクト16に直膨型熱交換器25をそのまま設置したことを除けば,図1,2で説明した空調システム1と同様の構成を有するため,図4において図1,2と同じ構成要素には同一の符号を付し,重複した説明を省略する。この実施の形態では天井裏スペースがFFUの吸引力により負圧になり,天井(給気面)10のシール仕様を簡略化できる。また室内機20のケーシングもなく必要静圧を落とせる。なお直膨型熱交換器25は,還気ダクトの幅(図の紙面奥行方向)一杯に隙間なく設置することが室内温度むらを防止する意味で望ましい。
【0025】
また,図3では,建物11の外部に2台の室外機22を設置し,建物11の内部に6台の室内機20を設置した例を説明したが,これら室外機22と室内機20の設置台数は,任意に増減することもできる。例えば室外機22は,1台であっても良い。また例えば図5に示す例のように,建物11の外部に複数の室外機22を設置し,建物11の内部に複数の室内機20を設置して,それら室外機22と室内機20(直膨型熱交換器25)の稼働台数を可変に構成しても良い。
【0026】
この図5に示す例によれば,例えば夏期のように冷房や減湿の必要が高いときは,室内機20(直膨型熱交換器25)の稼働台数を減らすか室外機22の稼働台数を増やして直膨型熱交換器25の合計容量を室外機の合計容量と等しくさせるようにする。これにより,直膨型熱交換器25一台当たりの熱負荷は相対的に多くなるので,直膨型熱交換25における熱媒の蒸発温度と表面温度が低下して冷房能力が高くなり,直膨型熱交換25を通過する空気中の水分の凝縮量が多くなって,高い減湿が行われるようになる。また一方,例えば冬期のように減湿の必要が低いときは,室内機20(直膨型熱交換器25)の稼働台数を増やすか室外機22の稼働台数を減らして直膨型熱交換器25の合計容量を室外機22の合計容量よりも大きくなるようにしする。これにより,直膨型熱交換器25一台当たりの熱負荷は相対的に少なくなるので,直膨型熱交換25における熱媒の蒸発温度と表面温度が上昇し,直膨型熱交換25を通過する空気中の水分の凝縮(結露)量が少なくなるか,もしくは水分が凝縮しないようになる。このため,先に図1,2で説明した空調システム1と同様に,省エネルギー化をはかることができるようになる。
【0027】
なお,このように複数の室外機22を利用する場合,電算機室などの空調システムでは,信頼性を確保するためにバックアップ用の室外機が設けられているので,そのバックアップ用の室外機を活用しても良い。そうすれば,既存のシステムをそのまま利用して低コストで省エネルギー化を達成できるようになる。
【0028】
次に,図6は本発明の第2の実施の形態にかかる空調システム2の概略的な構成を示す側面図である。なお,この空調システム2は,電算室50に適用した例を示しており,図示はしないが,電算室50内には熱源となる電子計算機などが設置されている。
【0029】
電算室50は建物51の内部に形成されている。この実施の形態では,電算室50の床面は,例えばパンチング板やグレイチング床などからなる給気面52に形成されており,電算室50の天井面は,還気面53に形成されている。給気面52の下方(床下空間)に形成された給気チャンバー54と,還気面53の上方(天井裏空間)に形成された還気チャンバー55とは還気ダクト56によって接続されており,これら還気チャンバー54と還気ダクト56と給気チャンバー54とによって,電算室50内に空気を循環供給するようになっている。
【0030】
各還気ダクト56には,室内機60がそれぞれ設置されており,電算室50内から熱的に隔離された建物51の外部に室外機61が設置されている。またこれら室内機60と室外機61の間で冷媒を往復させる熱媒管62,63が接続されることにより,先に図1,2で説明したものと同様のヒートポンプが構成されている。そして,各室内機60に設けられたファン65の稼働により,還気チャンバー55,還気ダクト56及び給気チャンバー54を通じて電算室50内に空気を循環供給し,その際に,各室内機60に設けられた直膨型熱交換器(図示せず)によって空気を冷却することにより,電算室50内に設置された電子計算機等の発熱を補償するようになっている。また,先に説明した第1の実施の形態にかかる空調システム1と同様に,直膨型熱交換器(図示せず)の設置数を室外機61の設置数よりも多くすることにより,直膨型熱交換器の合計容量が室外機61の合計容量よりも大きくなるように構成している。そして台数制御または容量制御により結露による循環空気の減湿を避けながら適温の空気を吹き出すことによりヒータレス,省エネルギー化をはかっている。
【0031】
またこの実施の形態では,給気チャンバー54と還気チャンバー55とは第2の還気ダクト70によっても接続されており,この第2の還気ダクト70には,室内負荷処理用熱交換器71を備える第2の室内機72が設置されている。そして,この第2の室内機72に設けられたファン73の稼働により,還気チャンバー55,第2の還気ダクト70及び給気チャンバー54を通じて電算室50内に空気を循環供給し,その際に,室内負荷処理用熱交換器71によって空気を冷却できるようになっている。
【0032】
また電算室50に隣接して設けられた空調機械室75には,外気処理機76が配置されており,この外気処理機76には,外気処理用熱交換器としての顕熱型熱交換器77,加湿器としての加湿ノズル78,図示しないファンなどが設けられている。そして,ファン(図示せず)の稼働により,給気ダクト79から吸い込んだ空気(外気)を,顕熱型熱交換器77によって加熱し,加湿ノズル78によって加湿して,給気ダクト79から還気チャンバー55に供給できるようになっている。なお加湿器の形式はスプレー式(加湿ノズル78)のほか,パン型,気化式など任意の形式を選定できる。
【0033】
また,第2の室内機72に設けられた室内負荷処理用熱交換器71と外気処理機76に設けられた顕熱型熱交換器77とに熱媒を供給可能な第2の室外機80が,電算室50内から熱的に隔離された建物51の外部に設置されている。図示はしないが,第2の室外機80には,熱媒をガス状から液状にさせたり,熱媒を低圧のガス状から高圧のガス状にさせるのに必要な圧縮機や凝縮器,アキュームレータ等が設けられており,電算室50内から熱的に隔離された外気と熱媒を図示しないファにより熱交換させるようになっている。室内負荷処理用熱交換器71と顕熱型熱交換器77と第2の室外機80とは,室内負荷処理用熱交換器71に接続された2本の熱媒管81,82と,顕熱型熱交換器77に接続された2本の熱媒管83,84と,第2の室外機80に接続された3本の熱媒管85,86,87によって,分流コントローラ88を介して接続されている。そして,室内負荷処理用熱交換器71によって空気を冷却する場合は,熱媒管85と熱媒管82を通じて,第2の室外機80から室内負荷処理用熱交換器71に液状の熱媒を供給し,室内負荷処理用熱交換器71で蒸発させた低圧のガス状の熱媒を熱媒管81と熱媒管86を通じて第2の室外機80に戻すようになっている。また一方,顕熱型熱交換器77によって空気(外気)を加熱する場合は,熱媒管87と熱媒管84を通じて,第2の室外機80から顕熱型熱交換器77に高圧のガス状の熱媒を供給し,顕熱型熱交換器77によって低圧となったガス状の熱媒を熱媒管83と熱媒管86を通じて第2の室外機80に戻すようになっている。これらの機構はフリーマルチタイプのパッケージ型空調機として公知のものである。
【0034】
この第2の実施の形態にかかる空調システム2にあっては,電算室50内の空気は,還気面53から上向きに吐出されて還気チャンバー55に排気され,各室内機60のファン65の稼働により,還気チャンバー55,還気ダクト56及び給気チャンバー54を通じて送風され,空気が電算室50内に循環供給される。その際に,各室内機60に設けられた直膨型熱交換器(図示せず)によって空気を冷却することにより,電算室50内に設置された電子計算機等の発熱が補償される。この場合,室内機60(直膨型熱交換器)の稼働台数や室外機61の稼働台数を適宜制御することにより,減湿を行うこともできる。
【0035】
そして,この第2の実施の形態にかかる空調システム2にあっては,例えば夏期のように冷房や減湿の必要が高いときは,熱媒管85と熱媒管82を通じて,第2の室外機80から室内負荷処理用熱交換器71に液状の熱媒を供給し,室内負荷処理用熱交換器71において熱媒を蒸発させることにより,より高い能力の冷房や除湿を行うことが可能である。なお,このように冷房や減湿の必要が高いときは,外気処理機76は送風のみを行い(分流コントローラ88の切換により外気処理用熱交換器77への熱媒の供給を停止する),空気(外気)の加熱や加湿は行わない。また一方,例えば冬期のように外気の温度が低いときは,熱媒管87と熱媒管84を通じて,第2の室外機80から顕熱型熱交換器77に高圧のガス状の熱媒を供給して,顕熱型熱交換器77によって外気を加熱し,更に加湿ノズル78によって加湿を行うこともできる。こうして熱媒が冷却されることにより,外気から回収した冷熱は,電算室50内の空気の冷却などに利用でき,省エネルギー化をはかることができるようになる。また,外気から回収した温熱や室内において室内負荷処理用熱交換器71によって回収した温熱を,例えば隣接する事務室等の外気処理などに適用することも可能である。なお,室内機または室外機の運転台数に加え,室外機の容量制御を付加すればさらに精度のよい空調運転が可能になる。また,室内機の送風量を増強することでも空気中の水分の凝縮量を抑えることができる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1〜4によれば,熱負荷を処理する空調システムにおいて,従来の再熱を容量制御の手段とした冷却処理に比べて,過剰な冷却・減湿とその後の再熱および加湿に伴うエネルギーを著しく低減でき,省エネルギー化をはかることができるようになる。特に請求項2によれば,直膨型熱交換器や室外機の稼働台数を適宜制御することにより,夏期のように冷房や減湿の必要が高いときは,高い能力の冷房や減湿を行うことができ,一方で冬期のように減湿の必要が低いときは,凝縮量を少なくすることにより,省エネルギー化をはかることができるようになる。また請求項3によれば,より高い能力の冷房や減湿ができ,また室内から回収した熱などを利用することにより,より省エネルギー化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる空調システムの概略的な構成を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる空調システムの概略的な構成を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる空調システムにおける,室外機と室内機(直膨型熱交換器)の設置数の関係を示す説明図である。
【図4】給気面にFFUを設置した空調システムの概略的な構成を示す側面図である。
【図5】室外機と室内機(直膨型熱交換器)の稼働台数を可変に構成した空調システムの説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる空調システムの概略的な構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1,2 空調システム
10 クリーンルーム
11 建物
12 給気面
13 還気面
16 還気ダクト
17 フィルタ
20 室内機
22 室外機
25 直膨型熱交換器
50 電算室
51 建物
52 給気面
53 還気面
56 還気ダクト
60 室内機
61 室外機
70 第2の還気ダクト
71 室内負荷処理用熱交換器
72 室内機
75 空調機械室
76 外気処理機
77 外気処理用熱交換器
78 加湿ノズル
79 給気ダクト
80 室外機
88 分流コントローラ

Claims (4)

  1. 発熱源を有する室内に空気を循環供給する循環径路中に,熱媒を蒸発させて空気を冷却させる複数の直膨型熱交換器を設置し,
    これら複数の直膨型熱交換器に供給される熱媒を凝縮させる1又は複数の室外機を,前記室内から熱的に隔離された系外に設置し,
    前記直膨型熱交換器の設置台数を前記室外機の設置台数よりも多くして,前記直膨型熱交換器の合計容量を前記室外機の合計容量よりも大きくさせたことを特徴とする,高顕熱負荷処理用空調システム。
  2. 発熱源を有する室内に空気を循環供給する循環径路中に,熱媒を蒸発させて空気を冷却させる複数の直膨型熱交換器を設置し,
    これら複数の直膨型熱交換器に供給される熱媒を凝縮させる複数の室外機を,前記室内から熱的に隔離された系外に設置し,
    前記直膨型熱交換器及び/又は前記室外機の稼働台数を可変にし,前記直膨型熱交換器の稼働台数を増やすか前記室外機の稼働台数を減らして前記直膨型熱交換器の合計容量を前記室外機の合計容量よりも大きくさせた状態と,前記直膨型熱交換器の稼働台数を減らすか前記室外機の稼働台数を増やして前記直膨型熱交換器の合計容量を前記室外機の合計容量と等しくさせた状態とに切り換えられる構成としたことを特徴とする,高顕熱負荷処理用空調システム。
  3. 前記室内に空気を循環供給する循環径路中に室内負荷処理用熱交換器を配置し,前記室内に外気を供給する外気供給径路中に外気処理用熱交換器を配置し,これら室内負荷処理用熱交換器と外気処理用熱交換器のいずれにも供給可能な熱媒を,前記室内から熱的に隔離された系外において外気と熱交換させる第2の室外機を備え,これら室内負荷処理用熱交換器及び外気処理用熱交換器と第2の室外器とでヒートポンプサイクルを形成したことを特徴とする,請求項1又は2の高顕熱負荷処理用空調システム。
  4. 前記室内に高性能フィルタを通じて清浄な空気を供給するようにした,請求項1,2又は3のいずれかの高顕熱負荷処理用空調システム。
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