JP3350718B2 - 基板保持装置および基板保持方法 - Google Patents

基板保持装置および基板保持方法

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JP3350718B2
JP3350718B2 JP4056293A JP4056293A JP3350718B2 JP 3350718 B2 JP3350718 B2 JP 3350718B2 JP 4056293 A JP4056293 A JP 4056293A JP 4056293 A JP4056293 A JP 4056293A JP 3350718 B2 JP3350718 B2 JP 3350718B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基板ホルダに関し、例え
ばプレート又はウエハ等の基板上に所定の回路パターン
を露光する露光装置の基板ホルダに適用して好適なもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば所定の回路パターンをマス
ク又はウエハ等の感光層を有する基板上に投影する投影
装置の、上記基板を吸着保持する基板ホルダにおいて
は、図2に示すような構成のものがある。
【0003】すなわち図2において1は全体として基板
ホルダを示し、ホルダ部2の吸着面2Aにプレート又は
ウエハ等の基板3を載置するようになされており、この
ホルダ部2に載置された基板3は、接続チユーブ4及び
電磁弁5を介して所定の真空源から得られる吸着力によ
つてホルダ部2に吸着保持される。
【0004】すなわち図3に示すように、ホルダ部2は
吸着面2Aに複数の吸引孔2Bが形成されており、当該
吸引孔2Bは連通孔2Cの側面に連通形成されている。
また連通孔2Cはホルダ部2の側面に連通され、当該側
面において継手5によつて接続チユーブ4に接続されて
いる。従つて接続チユーブ4を介して得られる所定の真
空源からの真空圧は吸着力として連通孔2Cを介して各
吸引孔2Bに与えられることにより、吸着面2Aに載置
された基板3に対して吸着圧が生じるようになされてい
る。
【0005】ここで図4はホルダ2の吸着面2Aに形成
された吸引孔2Bの配置を示し、基板3の周囲及び中心
部に対応した位置に形成され、これにより基板3を平均
的に吸着するようになされている。かくして例えば基板
3にそり等の変形が生じている場合においても、当該基
板3をホルダ部2の吸着面2Aに確実に吸着保持して、
当該変形を補正し得るようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのように基
板3を吸着保持するようになされた基板ホルダ1におい
ては、吸引孔2Bの径を大きくすることによつて吸引流
量を多くし、これにより発生する吸着力でそり等の変形
を生じた基板3をホルダ部2の吸着面2Aに確実に吸着
するようになされている。
【0007】ところがこのように吸引孔2Bの径を大き
くして吸着圧を高めると、図5に示すように吸着面2A
に基板3が吸着された後に当該吸着圧によつて基板3が
吸引方向に変形する問題があつた。
【0008】この問題点を解決するための一つの方法と
して、吸引孔2Bの形状を複雑化する方法が考えられる
が、この方法によると形状を複雑化する分、製造工程が
煩雑化する等、解決策としては未だ不十分であつた。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、吸着孔の形状を複雑化することなく吸着圧による基
板の変形を回避し得る基板ホルダを提案しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明では、例えば、基板(3)を吸
着保持する基板保持装置(20)において、基板(3)
を吸着した後の基板(3)に対する吸着力を、基板
(3)を吸着する前の基板(3)に対する吸着力より小
さい値に設定する吸着力制御手段を設けた構成とした。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の基板保
持装置(20)において、前記値を、前記吸着力制御手
段に予め選定された、基板(3)の吸着保持に十分な値
となるように設定する構成とした。また、請求項3記載
の発明では、請求項1または請求項2に記載の基板保持
装置(20)において、吸着力制御手段が、基板(3)
に対する吸着力を測定する測定手段(21A、21B)
と、前記測定の結果に基づいて前記吸着力を調整する調
整手段(22)とを備える構成とした。また、請求項4
記載の発明では、請求項3に記載の基板保持装置(2
0)において、調整手段(22)を電空式とした。ま
た、請求項5記載の発明では、請求項1または請求項2
に記載の基板保持装置(20)において、第1の真空圧
に設定された第1の真空源と、前記第1の真空圧よりも
低い第2の真空圧に設定された第2の真空源とをさらに
備え、前記吸着力制御手段が、前記第1の真空源と前記
第2の真空源とを切り換えることで、前記吸着力を前記
所定の値に設定するように構成した。また、請求項6記
載の発明では、例えば、真空源から供給された真空圧を
用いて基板(3)を吸着するための吸着手段と、前記吸
着手段の内部圧力に関する値を測定する測定手段(21
A、21B)と、測定手段(21A、21B)で得られ
たその内部圧力値に基づいて、その内部圧力値が基板を
吸着保持するための圧力値に到達する前後で、吸着手段
に吸着された基板(3)が変形しないようにその真空源
から供給された真空圧を変更して制御する制御手段(2
2)と、を備えた基板保持装置(20)を提供する
た、請求項記載の発明では、例えば、基板(3)を吸
着するための吸着手段と、前記吸着手段の内部圧力に関
する値を測定する測定手段(21A、21B)と、測定
手段(21A、21B)で得られた値に基づいて、基板
(3)が前記吸着手段に吸着されたことで生じる前記内
部圧力の変化分をなくすように制御する制御手段(2
2)と、を備えた基板保持装置(20)を提供する。ま
た、請求項記載の発明では、請求項6または請求項7
いずれか一項に記載の基板保持装置(20)におい
て、制御手段(22)が前記内部圧力を制御する電空式
の調整手段を備えている構成とした。また、請求項
載の発明では、請求項6から請求項までのいずれか一
項に記載の基板保持装置(20)において、測定手段
(21A、21B)を吸着手段(2)と制御手段(2
2)との間に少なくとも1つ設けられるように構成し
た。また、請求項10記載の発明では、例えば、基板
(3)を吸着した後の基板(3)に対する吸着力を、基
板(3)を吸着する前の基板(3)に対する吸着力より
小さい値に制御する過程を有する基板保持方法を提供す
る。また、請求項11記載の発明では、真空源から供給
された真空圧を用いて基板(3)を吸着するための吸着
手段の内部圧力に関する値を測定する過程と、その内部
圧力に関する値がその基板(3)を吸着保持するための
圧力値に到達する前後で、その基板の吸着に用いる真空
圧をその基板が変形しないように変更して制御する過程
とを備えた基板保持方法を提供する。また、請求項12
記載の発明では、基板(3)を吸着するための吸着手段
の内部圧力に関する値を測定する過程と、前記測定によ
り得られた値に基づいて、基板(3)が前記吸着手段に
吸着されたことで生じる前記内部圧力の変化分をなくす
ように該内部圧力を制御する過程とを備える基板保持方
法を提供する。また、請求項13記載の発明では、基板
(3)の吸着に先だって基板(3)を前記吸着手段に搬
送する過程を含んだ請求項10から12のいずれか一項
に記載の基板保持方法を提供する。また、請求項14
載の発明では、真空圧が供給される吸着手段(2)の内
部圧力によってその吸着手段で基板(3)を吸着保持す
る基板保持装置(20)において、第1の真空圧をその
吸着手段に供給して前記基板の吸着を開始した後、その
内部圧力が第1の真空圧と大気圧との間の第2の真空圧
に達したときに、その内部圧力がほぼ当該第2の真空圧
となるように調整する調整手段(22)を備える構成と
した。
【0011】
【作用】基板3が吸着される前では、基板3及び吸着面
2A間の隙間から外部の空気が吸引孔2Bに吸い込まれ
ることにより、真空源の吸着力を大きくしても基板3の
吸着圧はほぼ大気解放状態となるのに対して、基板3が
吸着面2Aに完全に吸着されると、基板3及び吸着面2
A間が密着状態となることにより、基板3の吸着圧が上
昇する。従つて基板吸着後において真空源の吸着力を吸
着力制御手段21A、21B、22によつて所定の値に
低下させることにより、基板3に対する吸着圧の過大な
上昇を防止することができる。
【0012】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0013】図2との対応部分に同一符号を付して示す
図1において、基板ホルダ20は真空源及び電磁弁5間
に真空レギユレータ22及び第1の真空センサ21Aが
介挿されていると共に、電磁弁5及びホルダ部2間に第
2の真空センサ21Bが介挿されている。
【0014】従つて真空源において発生した真空圧(吸
着力)は、真空レギユレータ22においてその圧力が所
定圧に調整された後、第1及び第2の真空センサ21A
及び21Bを介してホルダ部2に与えられ、これにより
当該ホルダ部2の吸引孔2B(図3)において吸着面2
Aに載置された基板3に対する吸着圧を生じる。
【0015】ここで真空センサ21A及び21Bはホル
ダ部2の吸着面2Aに吸着された基板3に対する吸着圧
を検出するようになされており、当該検出結果に基づい
て真空レギユレータ22の設定圧を調整するようになさ
れている。
【0016】以上の構成において、基板ホルダ20は所
定の搬送装置(図示せず)によつてホルダ部2の吸着面
2Aに基板3を載置する。ここで真空レギユレータ22
を最高真空圧に制御することにより、吸着面2Aに載置
された基板3を最も大きな吸着力で吸着する。このとき
ホルダ部2の内部圧力(すなわち吸引孔2Bの内部圧
力)は、基板3が吸着される前では、基板3及び吸着面
2A間の隙間から外部の空気が吸引孔2Bに吸い込まれ
ることにより、ほぼ大気解放状態となつており、このと
き真空センサ21A及び21Bにおいて検出される圧力
値も同様の値となる。
【0017】これに対して基板3が吸着面2Aに完全に
吸着されると、基板3及び吸着面2A間が密着状態とな
ることにより、ホルダ部2の内部圧力は上昇を開始し、
このとき真空センサ21A及び21Bにおいて検出され
る圧力値も同様にして上昇する。
【0018】ここで基板ホルダ20の制御部(図示せ
ず)においては、基板3をホルダ部2に確実に吸着保持
し得る保持圧力値を予め設定しており、真空センサ21
A及び21Bが当該圧力値を示すと、真空レギユレータ
22を制御して当該真空レギユレータ22の設定圧を低
下させることにより吸着力を低下させる。この結果、ホ
ルダ部2の内部圧力(吸着圧)の上昇が抑えられ、真空
センサ21A及び21Bの圧力値をこのときの値(保持
圧力値)に保つようにフイードバツクをかけることがで
きる。
【0019】このように基板3の吸着後のホルダ部2の
内部圧力が吸着前の内部圧力に比べて大きくなることに
着目し、当該内部圧力が一定となるように圧力制御する
ことにより、基板3を不必要に過大な吸着圧で吸着する
ことを回避し得る。
【0020】以上の構成によれば、吸着面2Aに基板3
を吸着保持する際に当該基板3に対する真空源の吸着力
を基板3の吸着前よりも吸着後において小さくすること
により、基板3を不必要に過大な吸着圧で吸着すること
を回避し得、これにより当該吸着圧による基板3の変形
を防止することができる。
【0021】因に真空レギユレータ22を用いて吸着力
を制御するようにしたことにより、ホルダ部2の吸引孔
2Bの形状を単純化しても吸着後における基板3の吸着
圧による変形を防止することができ、この分製造工程を
簡略化することができる。
【0022】なお上述の実施例においては、第1及び第
2の真空センサ21A及び21Bを設けた場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、第1又は第2の真空
センサ21A又は21Bだけを用いるようにしても上述
の場合と同様の効果を得ることができる。
【0023】また上述の実施例においては、基板3の吸
着後において真空センサ21A及び21Bの検出圧力値
を予め設定された所定値に保つように真空レギユレータ
22を圧力制御するようにした場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、基板3の吸着後において真空レ
ギユレータ22の設定圧を予め設定された圧力値に制御
するようなオープン制御をするようにしても良い。
【0024】さらに上述の実施例においては、真空レギ
ユレータ22によつて真空圧を調整するようにした場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、高い真空圧
及び低い真空圧に設定された2つの真空源を電磁弁等を
用いて切り換えるようにしても良い。また真空レギユレ
ータの代わりに、電空比例弁を用いて真空圧を制御させ
ても良い。
【0025】
【発明の効果】以上のように、各請求項に記載された発
明によれば、基板を過大な吸着圧で吸着することを回避
することができ、これにより当該吸着圧により基板の変
形を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基板ホルダの一実施例を示す略線
的側面図である。
【図2】従来の基板ホルダを示す略線的側面図である。
【図3】ホルダ部の構成を示す断面図である。
【図4】吸引孔の配置を示す平面図である。
【図5】基板の吸着状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、20……基板ホルダ、2……ホルダ部、2A……吸
着面、2B……吸引孔、3……基板、4……接続チユー
ブ、5……電磁弁、21A、21B……真空センサ、2
2……真空レギユレータ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−46030(JP,A) 特開 昭61−174734(JP,A) 特開 昭57−30330(JP,A) 特開 昭57−32629(JP,A) 特開 昭57−72323(JP,A) 特開 昭61−105841(JP,A) 特開 平4−71215(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を吸着保持する基板保持装置におい
    て、 前記基板を吸着した後の前記基板に対する吸着力を、前
    記基板を吸着する前の前記基板に対する吸着力より小さ
    い値に設定する吸着力制御手段を備えることを特徴とす
    る基板保持装置。
  2. 【請求項2】 前記値は、前記吸着力制御手段に予め設
    定されている、前記基板の吸着保持に十分な値であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の基板保持装置。
  3. 【請求項3】 前記吸着力制御手段は、 前記基板に対する吸着圧を測定する測定手段と、 前記測定の結果に基づいて前記吸着力を調整する調整手
    段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の基板保持装置。
  4. 【請求項4】 前記調整手段は、電空式であることを特
    徴とする請求項3に記載の基板保持装置。
  5. 【請求項5】 第1の真空圧に設定された第1の真空源
    と、前記第1の真空圧よりも低い第2の真空圧に設定さ
    れた第2の真空源とをさらに備え、 前記吸着力制御手段は、前記第1の真空源と前記第2の
    真空源とを切り換えることで、前記吸着力を前記値に設
    定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の基板保持装置。
  6. 【請求項6】 基板を吸着保持する基板保持装置におい
    て、 真空源から供給された真空圧を用いて前記基板を吸着す
    るための吸着手段と、 前記吸着手段の内部圧力に関する値を測定する測定手段
    と、 前記測定手段で得られた前記内部圧力値に基づいて、前
    記内部圧力値が前記基板を吸着保持するための圧力値に
    到達する前後で、前記真空源から供給された前記真空圧
    前記吸着手段に吸着された前記基板が変形しないよう
    変更して制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る基板保持装置。
  7. 【請求項7】 基板を吸着保持する基板保持装置におい
    て、 前記基板を吸着するための吸着手段と、 前記吸着手段の内部圧力に関する値を測定する測定手段
    と、 前記測定手段で得られた値に基づいて、前記基板が前記
    吸着手段に吸着されたことで生じる前記内部圧力の変化
    分をなくすように制御する制御手段とを備えることを特
    徴とする 基板保持装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記内部圧力を制御す
    る電空式の調整手段を備えることを特徴とする請求項6
    または請求項7のいずれか一項に記載の基板保持装置。
  9. 【請求項9】 前記測定手段は、前記吸着手段と前記制
    御手段との間に設けられていることを特徴とする請求項
    6から請求項8のいずれか一項に記載の基板保持装置。
  10. 【請求項10】 基板を吸着して保持する基板保持方法
    において、 前記基板を吸着した後の前記基板に対する吸着力を、前
    記基板を吸着する前の前記基板に対する吸着力より小さ
    い値に制御することを特徴とする基板保持方法。
  11. 【請求項11】 基板を吸着して保持する基板保持方法
    において、 真空源から供給された真空圧を用いて前記基板を吸着す
    るための吸着手段の内部圧力に関する値を測定する過程
    と、 前記内部圧力に関する値が前記基板を吸着保持するため
    の圧力値に到達する前後で、前記真空源から供給された
    前記真空圧を前記基板が変形しないように変更して制御
    する過程とを備えることを特徴とする 基板保持方法。
  12. 【請求項12】 基板を吸着して保持する基板保持方法
    において、 前記基板を吸着するための吸着手段の内部圧力に関する
    値を測定する過程と、 前記測定により得られた値に基づいて、前記基板が前記
    吸着手段に吸着されたことで生じる前記内部圧力の変化
    分をなくすように該内部圧力を制御する過程とを備える
    ことを特徴とする 基板保持方法。
  13. 【請求項13】 請求項10から12のいずれか一項に
    記載の基板保持方法において、 前記基板の吸着に先立って前記基板を前記吸着手段に搬
    送する過程を含むことを特徴とする 基板保持方法。
  14. 【請求項14】 真空圧が供給される吸着手段の内部圧
    力によって前記吸着 手段で基板を吸着保持する基板保持
    装置において、 第1の真空圧を前記吸着手段に供給して前記基板の吸着
    を開始した後、前記内部圧力が前記第1の真空圧と大気
    圧との間の第2の真空圧に達したときに、前記内部圧力
    がほぼ当該第2の真空圧となるように調整する調整手段
    を備えることを特徴とする 基板保持装置。
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