JP3350260B2 - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JP3350260B2 JP30256194A JP30256194A JP3350260B2 JP 3350260 B2 JP3350260 B2 JP 3350260B2 JP 30256194 A JP30256194 A JP 30256194A JP 30256194 A JP30256194 A JP 30256194A JP 3350260 B2 JP3350260 B2 JP 3350260B2
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polymer electrolyte
solid polymer
gas
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fuel cell
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啓 楠
実治 大槻
義彦 新藤
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Kansai Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
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Kansai Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は固体高分子電解質型燃
料電池の構造に係り、特にスタックの積層および冷却の
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は固体高分
子電解質膜の二つの主面にそれぞれ電極であるアノード
とカソードを配して形成される。アノードまたはカソー
ドの各電極は電極基材上に電極触媒層を配している。固
体高分子電解質膜はスルホン酸基を持つポリスチレン系
の陽イオン交換膜をカチオン導電性膜として使用したも
の、フロロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフロラ
イドの混合膜、あるいはフロロカーボンマトリックスに
トリフロロエチレンをグラフト化したものなどが知られ
ているが最近ではパーフロロカーボンスルホン酸膜を用
いて燃料電池の長寿命化を図ったものが知られるに至っ
た。
【0003】固体高分子電解質膜は分子中にプロトン
(水素イオン)交換基を有し、飽和に含水させることに
より常温で20Ω・cm以下の比抵抗を示しプロトン導
電性電解質として機能する。飽和含水量は温度によって
可逆的に変化する。電極基材は多孔質体で燃料電池の反
応ガス供給手段または反応ガス排出手段および集電体と
して機能する。アノード(燃料極)またはカソード(空
気極)の電極においては三相界面が形成され電気化学反
応が起こる。
【0004】アノードでは(1)式の反応が起こる。 H2 =2H+ +2e (1) カソードでは(2)式の反応が起こる。 1/2O2 +2H+ +2e=H2 O (2) つまりアノードにおいては系の外部より供給された水素
がプロトンと電子を生成する。生成したプロトンはイオ
ン交換膜中をカソードに向かって移動し電子は外部回路
を通ってカソードに移動する。一方カソードにおいては
系の外部より供給された酸素とイオン交換膜中をアノー
ドより移動してきたプロトンと外部回路より移動してき
た電子が反応し、水を生成する。
【0005】図2は従来の固体高分子電解質型燃料電池
の単電池を示す平面図である。アノード2およびカソー
ド3は厚さ100μmの固体高分子電解質膜1の両主面
に接して積層される。電極の厚さは300μmである。
電極は前述のように電極基材上に電極触媒層を配して構
成されるがこの電極触媒層は一般に微小な粒子状の白金
触媒と水に対する撥水性を有するフッ素樹脂から構成さ
れており、三相界面と反応ガスの効率的な拡散を維持す
るための細孔とが十分形成される。電極基材は前記触媒
層を支持する。
【0006】電極の配置された固体高分子電解質膜の外
側には反応ガスを外部から導いてアノードまたはカソー
ドに供給する一対の例えばカーボンからなるセパレータ
板5が設けられる。セパレータ板はその一方の主面に反
応ガスを導くガス流通溝4を備えるガス不透過性板であ
る。ガス流通溝の寸法は深さ1mm,幅員1mmであ
る。
【0007】図3は従来の固体高分子電解質型燃料電池
のスタックを示す側面図である。積層された単電池6は
その3枚毎に冷却板7により冷却される。集電板8は上
記電池集合体の電流を取り出す。電池集合体は締めつけ
板10と締めつけボルト11を用いて組み立てられる。
絶縁板9が集電板8と締めつけ板10との電気的絶縁を
図る。単電池6内では反応ガスは鉛直方向に流れる。
【0008】固体高分子電解質型燃料電池の運転温度は
固体高分子電解質膜の電気抵抗を小さくして発電効率を
高めるために通常50ないし100℃の温度で運転され
る。この単電池の発生する電圧は1V以下であるので、
実用上は電圧を高めるために前記単電池を複数個直列に
積層してスタックとして使用される。燃料電池では、一
般に発生電力にほぼ相当する熱量を熱として発生し、こ
の熱により単電池を多数積層したスタックにおいてはス
タック内に温度の分布が生じる。そこで、スタックで
は、冷却板を内蔵してスタックの温度を単電池の面方
向,積層方向にできるだけ均一になるようにする。ここ
で一般に冷却媒体としては水、空気等が用いられる。冷
却板は冷却媒体を供給することで余剰熱を除去して冷却
をする。
【0009】前述のとおり固体高分子電解質型燃料電池
では、電解質保持層である固体高分子電解質膜1を飽和
に含水させることにより膜の比抵抗が小さくなり、膜は
プロトン導電性電解質として機能する。したがって、固
体高分子電解質型燃料電池の発電効率を高く維持するた
めには、膜の含水状態を飽和状態に維持することが必要
である。膜の乾燥を防いで発電効率を維持するために、
反応ガスには水蒸気が添加され、膜からガスへの水の蒸
発が抑えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の固体高分子電解質型燃料電池では締めつけ板1
0と締めつけボルト11を用いて単電池とセパレータ板
を締めつけたときに締めつけボルト11の締結が一様で
ないために固体高分子電解質膜1とアノード2またはカ
ソード3の両電極を均一に加圧できない上に長時間の運
転ではクリープにより締めつけボルト11の加圧力が低
下するという問題があった。
【0012】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的はスタックの締めつけ構造に改良を加え、安定且つ均
一なスタックの締めつけが可能である固体高分子電解質
型燃料電池を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的は第一の発明
によれば固体高分子電解質膜とその両面に配設された電
極からなる固体高分子膜/電極接合体を二つのセパレー
タで挟んで構成された単電池を水平方向に複数個積層し
たスタックに、燃料ガスと酸化剤ガスの反応ガスおよび
冷却水を供給する固体高分子電解質型燃料電池におい
て、スタックの単電池積層方向各両端部に、加圧板と合
体して加圧ガス室を形成し所定圧力のガスが内蔵される
加圧板保持器と、しゅう動自在且つ気密に加圧板保持器
に取り付けられ加圧ガス室のガス圧によりスタックの端
部をスタックの積層方向に全体加圧する加圧板を備え、
前記加圧板保持器が互いに連結されてなることとするこ
とにより達成される。
【0016】
【作用】加圧板は加圧ガス室のガス圧により押圧されて
しゅう動するからスタックは均等に加圧される。またガ
ス圧はガス室の体積変動に比例するから締結棒のクリー
プがあってもガス圧の変動は僅少でありスタックは安定
に押圧される。
【0019】
【実施例】次にこの発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図1はこの発明の実施例に係る固体高分子電解質型
燃料電池を示す断面図である。単電池6の複数個が集電
板8,絶縁板9,分配板18を介して加圧板13により
押圧されスタックを形成する。加圧板13はOリング1
6を介して加圧板保持器14に気密に且つしゅう動自在
に取り付けられる。加圧板保持器14と加圧板13は加
圧ガス室17を形成する。加圧ガス室17の加圧板保持
器14は締結棒15により所定の位置に固定される。
【0020】分配板18には燃料ガス入口19A,酸化
剤ガス入口20A,冷却水入口21Aが設けられ、スタ
ック内の燃料ガス導入孔19C,酸化剤ガス導入孔20
C,冷却水導入孔21Cにそれぞれ連通する。同様に分
配板18には燃料ガス出口19B,酸化剤ガス出口20
B,冷却水出口21Bが設けられ、スタック内の燃料ガ
ス排出孔19D,酸化剤ガス排出孔20D,冷却水排出
孔21Dにそれぞれ連通する。
【0021】スタック内の燃料ガス導入孔19C,酸化
剤ガス導入孔20C,冷却水導入孔21Cはそれぞれ単
電池のアノード半電池,カソード半電池,単電池と単電
池の間を介してスタック内の燃料ガス排出孔19D,酸
化剤ガス排出孔20D,冷却水排出孔21Dに連通す
る。単電池の詳細は次図以下に示される。
【0022】加圧ガス室17内のガス圧は所定値に保持
される。加圧板13はガス圧に応じて加圧板保持器14
の内部をしゅう動する。加圧板13はスタックの端部の
全体をその積層方向に均等に押圧する。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば加圧板保持器と、加圧
板により形成される加圧ガス室のガス圧により加圧板を
スタックの積層方向に全体的にしゅう動させるので、ス
タックが均一且つ安定に押圧され、スタック積層におけ
る接触抵抗に起因する内部抵抗の低減、反応ガスや冷却
水のシールの確実化がもたらされ特性と信頼性に優れる
固体高分子電解質型燃料電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る固体高分子電解質型燃
料電池を示す断面図
【図2】従来の固体高分子電解質型燃料電池の単電池を
示す平面図
【図3】従来の固体高分子電解質型燃料電池のスタック
を示す側面図
【符号の説明】
1 固体高分子電解質型燃料電池 2 アノード 3 カソード 4 ガス流通孔 5 セパレータ板 6 単電池 7 冷却板 8 集電板 9 絶縁板 10 締めつけ板 11 締めつけボルト 12 スタック 13 加圧板 14 加圧板保持器 15 締結棒 16 Oリング 17 加圧ガス室 18 分配板 19A 燃料ガス入口 19B 燃料ガス出口 19C 燃料ガス導入孔 19D 燃料ガス排出孔 20A 酸化剤ガス入口 20B 酸化剤ガス出口 20C 酸化剤ガス導入孔 20D 酸化剤ガス排出孔 21A 冷却水入口 21B 冷却水出口 21C 冷却水導入孔 21D 冷却水排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新藤 義彦 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−87776(JP,A) 特開 平6−231793(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/24 H01M 8/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体高分子電解質膜とその両面に配設され
    た電極からなる固体高分子膜/電極接合体を二つのセパ
    レータで挟んで構成された単電池を水平方向に複数個積
    層したスタックに、燃料ガスと酸化剤ガスの反応ガスお
    よび冷却水を供給する固体高分子電解質型燃料電池にお
    いて、 スタックの単電池積層方向各両端部に、加圧板と合体し
    て加圧ガス室を形成し所定圧力のガスが内蔵される加圧
    板保持器と、しゅう動自在且つ気密に加圧板保持器に取
    り付けられ加圧ガス室のガス圧によりスタックの端部を
    スタックの積層方向に全体加圧する加圧板を備え、前記
    加圧板保持器が互いに連結されてなることを特徴とする
    固体高分子電解質型燃料電池。
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