JP3349388B2 - 樹脂製薄膜成形用キャスティング装置 - Google Patents

樹脂製薄膜成形用キャスティング装置

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JP3349388B2
JP3349388B2 JP10358497A JP10358497A JP3349388B2 JP 3349388 B2 JP3349388 B2 JP 3349388B2 JP 10358497 A JP10358497 A JP 10358497A JP 10358497 A JP10358497 A JP 10358497A JP 3349388 B2 JP3349388 B2 JP 3349388B2
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治紀 中尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム状または
シート状の樹脂製薄膜を成形するためのもので、例えば
二軸延伸フィルム機,無延伸フィルム機,シート機等と
して用いて好適の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図31および図32はそれぞれ従来の樹
脂製薄膜成形用キャスティング装置を模式的に示す側面
図および正面図である。なお、図32では、従来装置の
幅方向の一端部側のみを図示しているが、他端部側も同
様に構成されている。これらの図31および図32に示
すように、従来装置においては、押出機(図示省略)に
より溶融された樹脂をフィルム状またはシート状の薄膜
102として押し出すTダイ101と、このTダイ10
1から押し出された薄膜102を外周面上に引き取って
冷却して送り出すキャスティングロール(冷却ロール)
103と、薄膜102をキャスティングロール103上
に安定して密着させるための吸引チャンバ(真空ボック
ス)104とがそなえられている。
【0003】ここで、キャスティングロール103は、
ロール支軸106によりサイドフレーム107に対して
回転可能に支持されている。吸引チャンバ104は、T
ダイ101の一方の側面に固定的に取り付けられてい
る。また、吸引チャンバ104には真空ポンプ105が
接続され、この真空ポンプ105を作動させることによ
り、薄膜102とキャスティングロール103との間の
空気が吸引チャンバ104の開口部104aを通じて吸
引されるように構成されている。
【0004】なお、開口部104aは、薄膜102がキ
ャスティングロール103の外周面に密着を開始する部
分の直近において、薄膜102の全幅に亘って形成され
ている。また、吸引チャンバ104とキャスティングロ
ール103との間には、シール隙間104bが形成され
ている。このシール隙間104bの大きさは、キャステ
ィングロール103の回転を許容しながら、薄膜102
とキャスティングロール103との間の密着部において
所要の吸引圧(減圧レベル)を確保できるように設定さ
れている。図31および図32において、符号108は
本装置を移動させる際に用いられる車輪を示している。
【0005】上述の構成により、図示省略の押出機によ
り溶融された樹脂は、Tダイ101からフィルム状また
はシート状の薄膜102として押し出され、キャスティ
ングロール103の外周面上に引き取られ冷却されて成
形される。このとき、吸引チャンバ104内の空気を真
空ポンプ105で吸引することにより、吸引チャンバ1
04の開口部104aから、薄膜102とキャスティン
グロール103との間の密着部の空気が吸引される。こ
れにより、その密着部が減圧されて、薄膜102とキャ
スティングロール103との間に巻き込まれる空気が排
除され、溶融樹脂からなる薄膜102をキャスティング
ロール103に安定的に密着させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、樹脂の種類
によっては、Tダイ101とキャスティングロール10
3との隙間が小さい条件では溶融樹脂の伸長による配向
が緩和されずにキャスティングロール103で冷却固化
されるため、所要のフィルム特性(薄膜特性)が得られ
ない。また、Tダイ101とキャスティングロール10
3との隙間が小さい条件では、Tダイ101の出口で生
じるミクロな表面凹凸が伸長区間で緩和されずに、冷却
固化後、表面荒れとして残り、フィルム品質(薄膜品
質)を低下させることになる。
【0007】そこで、所要のフィルム特性(薄膜特性)
を得るべく樹脂の種類によってTダイ101とキャステ
ィングロール103との隙間を変化させることが考えら
れるが、図31および図32に示す従来装置では、吸引
チャンバ104がTダイ101に対して固定されている
ため、Tダイ101とキャスティングロール103との
隙間を変化させることができない。
【0008】例えば、図31および図32に示す従来装
置において、キャスティングロール103を下げて、T
ダイ101とキャスティングロール103との隙間を大
きくしようとしても、吸引チャンバ104とキャスティ
ングロール103との間のシール隙間104bが拡がっ
てしまい、所要の吸引圧が得られず、薄膜102とキャ
スティングロール103との間に巻き込まれる空気を排
除できず、薄膜102をキャスティングロール103に
安定的に密着させることができなくなる。
【0009】また、実験によれば、上述のような吸引チ
ャンバ104を用いたキャスティング装置により薄膜1
02を成形する場合、材料樹脂の種類,溶融時の粘度,
薄膜102の厚さ,成形速度等の条件に応じて、Tダイ
101から吐出された直後の薄膜状の溶融樹脂とキャス
ティングロール103の外周面と吸引チャンバ104の
先端とから形成される真空空間の形状や、その真空空間
への外気の流入の有無が、薄膜102のキャスティング
ロール103への安定密着に影響を及ぼす。特に、比較
的伸長粘度の低い樹脂では、前記真空空間への外気の流
入状況が薄膜102のキャスティングロール103への
安定密着に影響を及ぼしている。
【0010】このために、薄膜102が振動(揺動)し
たり吸引チャンバ104内に引き込まれたりする不具合
が生じ、特に高速で薄膜102の成形を行なう場合に
は、その影響が大きくなる。例えば、図33に、図31
のS−S線に沿う断面における外気の流入状況(点線矢
印が気流を示す)を示すが、この図33に示すように、
B2部での動圧およびB1部での吸い込みによる渦の形
成により、薄膜102が振動(揺動)したり吸引チャン
バ104内に引き込まれたりして、薄膜成形の高速化が
阻害されることになる。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、ダイと冷却ロールとの隙間の大きさによるこ
となく吸引チャンバによって安定的な減圧を行なえるよ
うにして、いかなる樹脂に対してもダイと冷却ロールと
の隙間を適切に設定可能にし所要の薄膜特性を確保して
樹脂製薄膜の品質の向上をはかった、樹脂製薄膜成形用
キャスティング装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置(請
求項1)は、溶融樹脂を薄膜として押し出すダイと、こ
のダイから押し出された薄膜を外周面上に引き取って冷
却して送り出す冷却ロールと、薄膜を冷却ロール上に密
着させるべく薄膜と冷却ロールとの間の空気を吸引する
吸引チャンバとをそなえてなるものにおいて、吸引チャ
ンバを、ダイから分離して且つ冷却ロールとの間に所要
のシール隙間をあけた状態で設置するとともに、前記所
要のシール隙間を保持しながら吸引チャンバを冷却ロー
ルの周方向に沿って移動させるべく冷却ロールの回転軸
を中心にして所定半径で回転可能に支持する支持機構
そなえたことを特徴としている。
【0013】支持機構としては、下記〜のようなも
のを用いることができる。基端側を冷却ロールの回転
を中心にして所定半径で回転可能に軸支されるととも
に先端側に吸引チャンバを固定された回転アームを有し
てなるもの(請求項2)。引チャンバを冷却ロール
の周方向に沿って案内する円弧状ガイドを有してなるも
の(請求項3)。さらに、この円弧状ガイドを、冷却ロ
ールの側端を軸支するサイドフレームに取り付けてもよ
い(請求項4)。
【0014】基端側を冷却ロールの回転軸周りに回動
可能に軸支される駆動部材と、この駆動部材の先端側に
取り付けられて吸引チャンバを冷却ロールの周方向に沿
って案内するガイド部材とを有してなるもの。また、支
持機構に、吸引チャンバの、冷却ロールの半径方向位置
を調整する調整機構をそなえてもよい(請求項5)。
らに、ダイの冷却ロールに対向する面と吸引チャンバ
天板外面との間に弾を有するシール部材を介装して
もよい(請求項)。
【0015】この場合、シール部材を、薄膜の全幅を超
える幅に亘って配置するとともに、発泡材で形成しその
全面をアルミ箔で被覆されたガラスクロスにより覆った
棒状の弾性シール本体と、この弾性シール本体を吸引チ
ャンバもしくはダイに取り付ける取付具とから構成し、
弾性シール本体をダイもしくは吸引チャンバに対し弾性
力をもって押圧接触させることによりダイと吸引チャン
バとの間を閉塞するように構成してもよいし(請求項
、シール部材を、薄膜の全幅を超える幅に亘って配
置され吸引チャンバもしくはダイに取り付けられた耐蝕
性の金属製板バネから構成し、この金属製板バネをダイ
もしくは吸引チャンバに対し弾性力をもって押圧接触さ
せることによりダイと吸引チャンバとの間を閉塞するよ
うに構成してもよい(請求項)。このとき、シール部
材を、ダイもしくは吸引チャンバに対する取付位置を調
整可能にそなえてもよい(請求項9)。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】また、吸引チャンバの吸引開口部の両側
に、この吸引開口部を部分的に遮蔽しうる遮蔽板をそな
えてもよく(請求項10)、このとき、遮蔽板を薄膜の
幅方向に移動可能にそなえてもよい(請求項1。さ
らに、吸引チャンバの吸引開口部の端部側方から空気を
吸引する吸引を、吸引開口部直近における吸引チャン
バの側壁にそなえてもよい(請求項1)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 〔1〕第1実施形態の説明 図1は本発明の第1実施形態としての樹脂製薄膜成形用
キャスティング装置を模式的に示す側面図であり、この
図1に示すように、第1実施形態のキャスティング装置
も、押出機(図示省略)により溶融された樹脂をフィル
ム状またはシート状の薄膜2として押し出すTダイ(ダ
イ)1と、このTダイ1から押し出された薄膜2を外周
面上に引き取って冷却して送り出すキャスティングロー
ル(冷却ロール)3と、薄膜2をキャスティングロール
3上に安定して密着させるべく薄膜2とキャスティング
ロール3との間の空気を吸引する吸引チャンバ4とをそ
なえて構成されている。
【0021】本実施形態において、吸引チャンバ4はT
ダイ1とは独立に、つまり吸引チャンバ4はTダイ1か
ら分離されて設けられている。また、吸引チャンバ4
は、キャスティングロール3の外周面に沿うように形成
され、その吸引チャンバ4とキャスティングロール3の
外周面との間に所要のシール隙間4dが形成されるよう
になっている。このシール隙間4dの大きさ(間隔)
は、キャスティングロール3の回転を許容しながら、薄
膜2とキャスティングロール3との間の密着部において
所要の吸引圧(減圧レベル)を確保できるように設定さ
れている。
【0022】なお、従来と同様、吸引チャンバ4には真
空ポンプ5が接続され、この真空ポンプ5を作動させる
ことにより、薄膜2とキャスティングロール3との間の
空気が吸引チャンバ4の開口部4aを通じて吸引される
ように構成されている。また、開口部4a(吸引口)
は、薄膜2がキャスティングロール3の外周面に密着を
開始する部分の直近において、薄膜2の全幅に亘って形
成されている。
【0023】そして、第1実施形態においては、所要の
シール隙間4dを保持しながら吸引チャンバ4をキャス
ティングロール3の周方向に沿って移動させるべく、キ
ャスティングロール3の回転軸(ロール支軸3a)を中
心にして所定半径で回転可能に支持する支持機構(周方
向移動機構として、駆動部材(回転アーム)7が用い
られている。この駆動部材7は、その基端側をキャステ
ィングロール3のロール支軸(回転軸)3a周り(図1
中の矢印A方向)に回動可能にロール支軸3aと同軸的
に軸支されるとともに先端側に吸引チャンバ4を固定さ
れている。
【0024】また、Tダイ1のキャスティングロール3
に対向する面と吸引チャンバ4の天板外面との間には弾
性シール体(弾を有するシール部材)6が介装され
ており、この弾性シール体6によりTダイ1と吸引チャ
ンバ4との間の隙間がシールされている。本発明の第1
実施形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置
は上述のごとく構成されているので、図示省略の押出機
により溶融された樹脂は、Tダイ1からフィルム状また
はシート状の薄膜2として押し出され、キャスティング
ロール3の外周面上に引き取られ冷却されて成形され
る。
【0025】このとき、吸引チャンバ4内の空気を真空
ポンプ5で吸引することにより、吸引チャンバ4の開口
部4aから、薄膜2とキャスティングロール3との間の
密着部の空気が吸引される。これにより、その密着部近
傍の空間が減圧されて、薄膜2とキャスティングロール
3との間に巻き込まれる空気が排除され、溶融樹脂から
なる薄膜2をキャスティングロール3に安定的に密着さ
せることができる。
【0026】ここで、所要のフィルム特性(薄膜特性)
を得るべく樹脂の種類によってTダイ1とキャスティン
グロール3との隙間を変化させる場合について考える。
例えば、キャスティングロール3を後退させる(下げ
る)ことにより、Tダイ1とキャスティングロール3と
の隙間(間隔)を大きくすることができる。しかし、従
来装置では、キャスティングロール3を後退させただけ
では、薄膜2と吸引チャンバ4の開口部4aとの間隔が
大きくなるほか、吸引チャンバ4とキャスティングロー
ル3との間のシール隙間4dも大きくなり、薄膜2とキ
ャスティングロール3との間の密着部近傍の空間(減圧
空間)を所要の減圧レベルにすることができなくなる。
【0027】本実施形態では、吸引チャンバ4がTダイ
1から分離されこのTダイ1とは独立的に設けられ、そ
の吸引チャンバ4を、キャスティングロール3との間で
所要のシール隙間4dを保持しながら、駆動部材7によ
り、キャスティングロール3の周方向に沿って移動させ
ることができる。従って、Tダイ1とキャスティングロ
ール3との隙間が大きい場合には、吸引チャンバ4を駆
動部材7によりロール支軸3a周りに反時計周り方向へ
移動させて所要位置まで前進させ、吸引チャンバ4の吸
引口(開口部4a)を薄膜2とキャスティングロール3
との密着開始部に近付けることにより、薄膜2と吸引チ
ャンバ4の開口部4aとの間隔を小さくする。逆に、T
ダイ1とキャスティングロール3との隙間が小さい場合
には、吸引チャンバ4を駆動部材7によりロール支軸3
a周りに時計周り方向へ移動させて所要位置まで後退さ
せる。
【0028】また、このとき、吸引チャンバ4がキャス
ティングロール3の外周面に沿うように形成されている
ので、吸引チャンバ4が駆動部材7により回動しても、
吸引チャンバ4とキャスティングロール3の外周面との
間には常に所要のシール隙間4dが保持されている。上
述のように吸引チャンバ4の位置が設定されるとともに
シール隙間4dが保持されることにより、Tダイ1とキ
ャスティングロール3との隙間の大きさによることな
く、減圧空間で所要の減圧レベルが確保され、薄膜2と
キャスティングロール3との間における空間の減圧を吸
引チャンバ4によって安定的に行なうことができる。
【0029】さらに、上述のごとくTダイ1とキャステ
ィングロール3との隙間の大きさや吸引チャンバ4の位
置を変化させることにより、Tダイ1と吸引チャンバ4
との隙間(間隔)が変化しても、本実施形態では、Tダ
イ1と吸引チャンバ4との間に弾性シール体6が介装さ
れているため、その変化に追随しながらTダイ1と吸引
チャンバ4との間が弾性シール部材で閉塞される。これ
により、Tダイ1,薄膜2および吸引チャンバ4で囲ま
れる減圧空間の気密性を確保でき、その減圧空間におい
て所要の減圧レベルを確実に得ることができる。
【0030】なお、駆動部材7をロール支軸3a周りに
回転駆動して吸引チャンバ4を回動させる操作は、人手
で行なってもよいし、図示省略の駆動機構(駆動モー
タ)を用いて行なってもよい。このように、本発明の第
1実施形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装
置によれば、Tダイ1とキャスティングロール3との隙
間の大きさによることなく、薄膜2とキャスティングロ
ール3との間における空間の減圧を吸引チャンバ4によ
って安定的に行なうことができるので、いかなる樹脂に
対してもTダイ1とキャスティングロール3との隙間を
適切に設定することが可能になり、所要のフィルム特性
(薄膜特性)が確保されて樹脂製薄膜(フィルムまたは
シート)2の品質を大幅に向上させることができる。
【0031】〔2〕第2実施形態の説明 図2は本発明の第2実施形態としての樹脂製薄膜成形用
キャスティング装置を模式的に示す図であり、この図2
に示すように、第2実施形態のキャスティング装置も第
1実施形態のものとほぼ同様に構成されているが、この
第2実施形態では、所要のシール隙間4dを保持しなが
ら吸引チャンバ4をキャスティングロール3の周方向に
沿って移動させるべく、キャスティングロール3の回転
軸を中心にして所定半径で回転可能に支持する支持機構
周方向移動機構として、ガイド部材(円弧状ガイ
ド)8が用いられている。
【0032】このガイド部材8は、キャスティングロー
ル3の側端を軸支するサイドフレーム8bに取り付けら
れている。このガイド部材8には、吸引チャンバ4をキ
ャスティングロール3の周方向(図2中の矢印B方向)
に沿って案内すべく、吸引チャンバ4の側面に取り付け
られた2つのピン(またはロール)4c,4cを係合さ
れる長穴状ガイドレール8aが形成されている。
【0033】なお、第2実施形態のキャスティング装置
において、上述した支持機構以外の構成は第1実施形態
のものと同様であるので、その説明は省略する。本発明
の第2実施形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティン
グ装置は上述のごとく構成されているので、Tダイ1と
キャスティングロール3との隙間が大きい場合には、吸
引チャンバ4をガイド部材8の長穴状ガイドレール8a
に沿って反時計周り方向(図2の左方)へ移動させて所
要位置まで前進させ、吸引チャンバ4の吸引口(開口部
4a)を薄膜2とキャスティングロール3との密着開始
部に近付けることにより、薄膜2と吸引チャンバ4の開
口部4aとの間隔を小さくする。逆に、Tダイ1とキャ
スティングロール3との隙間が小さい場合には、吸引チ
ャンバ4をガイド部材8の長穴状ガイドレール8aに沿
って時計周り方向(図2の右方)へ移動させて所要位置
まで後退させる。
【0034】また、このとき、第1実施形態と同様、吸
引チャンバ4がキャスティングロール3の外周面に沿う
ように形成されているので、吸引チャンバ4がガイド部
材8の長穴状ガイドレール8aに沿って移動しても、吸
引チャンバ4とキャスティングロール3の外周面との間
には常に所要のシール隙間4dが保持されている。な
お、吸引チャンバ4をガイドレール8aに沿って移動さ
せる操作は、人手で行なってもよいし、図示省略の駆動
機構を用いて行なってもよい。
【0035】このように、本発明の第2実施形態として
の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によっても、第
1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。 〔3〕第3実施形態の説明 図3は本発明の第3実施形態としての樹脂製薄膜成形用
キャスティング装置を模式的に示す図であり、この図3
に示すように、第3実施形態のキャスティング装置も第
1実施形態のものとほぼ同様に構成されているが、この
第3実施形態では、所要のシール隙間4dを保持しなが
ら吸引チャンバ4をキャスティングロール3の周方向に
沿って移動させるべく、キャスティングロール3の回転
軸を中心にして所定半径で回転可能に支持する支持機構
周方向移動機構として、駆動部材(回転アーム)
およびガイド部材(円弧状ガイド)10が用いられてい
る。
【0036】ここで、駆動部材9は、その基端側をキャ
スティングロール3のロール支軸(回転軸)3a周り
(図3中の矢印D方向)に回動可能にロール支軸3aと
同軸的に軸支され、この駆動部材9の先端側にガイド部
材10が取り付けられている。このガイド部材10に
は、吸引チャンバ4をキャスティングロール3の周方向
(図3中の矢印C方向)に沿って案内すべく、吸引チャ
ンバ4の側面に取り付けられた2つのピン(またはロー
ル)4c,4cを係合される長穴状ガイドレール10a
が形成されている。
【0037】本発明の第3実施形態としての樹脂製薄膜
成形用キャスティング装置は上述のごとく構成されてい
るので、Tダイ1とキャスティングロール3との隙間が
大きい場合には、吸引チャンバ4を駆動部材9によりロ
ール支軸3a周りに反時計周り方向へ移動させて適当な
位置まで前進させる粗調整を行なってから、吸引チャン
バ4をガイド部材10の長穴状ガイドレール10aに沿
って移動させ所要位置に位置決めする微調整を行ない、
吸引チャンバ4の吸引口(開口部4a)を薄膜2とキャ
スティングロール3との密着開始部に近傍に位置決めす
る。
【0038】逆に、Tダイ1とキャスティングロール3
との隙間が小さい場合には、吸引チャンバ4を駆動部材
9によりロール支軸3a周りに時計周り方向へ移動させ
て適当な位置まで後退させる粗調整を行なってから、吸
引チャンバ4をガイド部材10の長穴状ガイドレール1
0aに沿って移動させ所要位置に位置決めする微調整を
行なう。
【0039】また、このとき、第1実施形態と同様、吸
引チャンバ4がキャスティングロール3の外周面に沿う
ように形成されているので、吸引チャンバ4が駆動部材
9により回動しても、また、吸引チャンバ4がガイド部
材10の長穴状ガイドレール10aに沿って移動して
も、吸引チャンバ4とキャスティングロール3の外周面
との間には常に所要のシール隙間4dが保持されてい
る。
【0040】なお、駆動部材9をロール支軸3a周りに
回転駆動して吸引チャンバ4を回動させる操作は、人手
で行なってもよいし、図示省略の駆動機構(駆動モー
タ)を用いて行なってもよい。同様に、吸引チャンバ4
をガイドレール10aに沿って移動させる操作は、人手
で行なってもよいし、図示省略の駆動機構を用いて行な
ってもよい。
【0041】このように、本発明の第3実施形態として
の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によっても、第
1実施形態と同様の作用効果を得ることができるほか、
第3実施形態では、吸引チャンバ4の位置決めを駆動部
材9による粗調整とガイド部材10による微調整との2
段階で行なうので、高い精度で位置決めを行なうことが
できる。
【0042】なお、上述した第1〜第3実施形態では、
Tダイ1と吸引チャンバ4との間を弾性シール体6によ
り閉塞しているが、Tダイ1と吸引チャンバ4との隙間
をその大きさの変化に追随しながら閉塞できるものであ
ればよく、ゴム等の弾性体のほか、蛇腹状の部材などを
用いることもできる。また、上述した実施形態では、所
要のシール隙間4dを保持しながら吸引チャンバ4をキ
ャスティングロール3の周方向に沿って移動させる支持
機構(周方向移動機構として、駆動部材7;ガイド部
材8;駆動部材9およびガイド部材10を用いた3つの
形態について説明しているが、本発明は、これに限定さ
れるものではなく、所要のシール隙間4dを保持しなが
ら吸引チャンバ4をキャスティングロール3の周方向に
沿って移動させることのできるものであれば、他の機構
を用いてもよい。
【0043】〔4〕第4実施形態の説明 図4〜図7はいずれも本発明の第4実施形態としての樹
脂製薄膜成形用キャスティング装置の要部を示すもの
で、図4および図5は、それぞれ、その弾性シール部材
の構成および取付状態を示す斜視図および側断面図、図
6はその弾性シール部材の実装状態を示す側断面図、図
7は図6に示すものとはサイズの異なる弾性シール部材
を実装した状態を示す側断面図である。
【0044】この第4実施形態では、前述した第1〜第
3実施形態でTダイ1と吸引チャンバ4との間に介装さ
れる弾性シール体6の、より具体的な実施形態について
説明する。なお、図中、既述の符号と同一の符号は同一
部分を示しているので、その詳細な説明は省略する。ま
た、第4〜第12実施形態では、第1〜第3実施形態に
おいて符号4で示した吸引チャンバ(真空ボックス)を
符号40で示すとともに弾性シール体6を弾性シール部
材50として説明する。
【0045】図4,図5および図6に示すように、第4
実施形態のキャスティング装置における吸引チャンバ4
0は、第1〜第3実施形態における吸引チャンバ4と同
様の機能を果たすもので、上壁41a,41b,後壁4
1cおよび左右の側壁41dからなる筐体41と、後壁
41cおよび左右の側壁41dの外面下部にそれぞれ固
設されたラビリンスパッキン42および43とから構成
されている。なお、ラビリンスパッキン43は左右の側
壁41dにそれぞれ固設されている。
【0046】そして、吸引チャンバ40の前方(図5,
図6中の左方)は開口していて、吸引チャンバ40の上
壁41aとキャスティングロール3の外周面との間に吸
入口(開口部)40aが形成されている。また、筐体4
1は、吸入口40aを除いて下方側からキャスティング
ロール3の外周面により閉塞され、筐体41とキャステ
ィングロール3との間に吸引室40bが形成されてい
る。
【0047】ラビリンスパッキン42および43は、僅
かの間隔を隔ててキャスティングロール3の外周面に対
抗しており、後壁41cおよび左右の側壁41dの下部
からの空気の流入を小さく抑えている。なお、ラビリン
スパッキン42,43に代えて、ゴムシールやフェルト
シール等を用いることもできる。吸引室40bは、上壁
41bに固設された吸引用ダクト60を介して真空ポン
プ5(図1〜図3参照)に接続されている。
【0048】また、吸引チャンバ40の全体は、図1〜
図3にて説明したいずれかの支持機構(周方向移動機
により、キャスティングロール3と同心的に(ロー
ル支軸3a周りに)回転自在に支承されていて、所要の
シール隙間を保持しながらキャスティングロール3の外
周面に沿って回転移動できるようになっている。さて、
本実施形態の弾性シール部材(弾力性を有するシール部
材)50は、薄膜2の全幅を超える幅に亘って配置され
るもので、図4〜図7に示すように、弾性シール本体5
1と取付金具(取付具)52および53とから構成され
ている。
【0049】ここで、弾性シール本体51は、耐熱性に
優れ反発弾性が大きく圧縮残留歪みの少ないポリイミド
フォーム等の発泡材により、断面半円形の棒状に形成さ
れ、その前表面をアルミ箔で被覆したガラスクロス(ア
ルミ箔とガラスクロスとを接着剤により一体的に接着し
たもの)で覆われている。この弾性シール本体51は、
その下部を前後から取付金具52および53の立ち上が
り部52bおよび53bで挟持され、これらの取付金具
52および53を取付ボルト55により吸引チャンバ4
0の上壁41aに対して締め付けて固定することによ
り、吸引チャンバ40に対して固定されている。
【0050】そして、図6および図7に示すように、弾
性シール部材50は、弾性シール本体51をTダイ1に
対し弾性力をもって押圧接触させることによりTダイ1
と吸引チャンバ40との間を閉塞している。取付金具5
3は、取付金具52上に載る形で配置され、取付金具5
2側に形成された長孔52aと取付金具53側に形成さ
れた長孔53aとを整合させた状態で、これらの長孔5
2aおよび53aに、ワッシャ54を介して取付ボルト
55を貫通させて吸引チャンバ40の上壁41aに対し
て締め付けることにより、取付金具52および53が一
体的に固定される。図5に示すように、取付ボルト55
と螺合する上壁41a側の雌ネジは、裏板41eによっ
て盲ネジとして構成されている。
【0051】長孔52aは、図7に示すように、大きさ
の異なる弾性シール本体51を吸引チャンバ40に取り
付けるべく取付金具53の位置を変更できるようにする
ために形成されている。また、長孔53aは、取付金具
52側の長孔52aと協働して、吸引チャンバ40(つ
まりはTダイ1)に対する弾性シール部材50の取付位
置を調整できるようにするために形成されており、図6
や図7に実線で示す位置から、図6や図7に一点鎖線A
3で示す位置に弾性シール部材50を移動して取り付け
ることも可能である。
【0052】なお、図6では、第4実施形態の装置にお
いて、例えば薄膜(フィルム,シート)2が薄いため、
その薄膜2を吸引チャンバ40により吸引する力が比較
的小さくて十分で、Tダイ1とキャスティングロール3
との間の距離を小さく設定した状態が示されている。図
7では、第4実施形態の装置において、例えば薄膜(フ
ィルム,シート)2が厚いため、その薄膜2を吸引チャ
ンバ40により吸引する力を比較的大きくする必要があ
り、Tダイ1とキャスティングロール3との間の距離を
大きく設定した状態が示されている。
【0053】また、図1〜図3に示す装置におけるTダ
イ1の下面形状は、薄膜2の押し出し口近傍の水平面か
ら、外側(図中右側)へ向かって広がる勾配を有してい
るのに対して、図6および図7に示す本実施形態では、
Tダイ1の下面形状が異なる2つの勾配を有している場
合について示したが、これらのTダイ1の下面形状には
特に有意差はない。また、弾性シール部材50を、Tダ
イ1の下面に取り付けて、吸引チャンバ40の上面側に
対し弾性力をもって押圧接触させるようにしてもよい。
【0054】次に、上述のごとく構成された本発明の第
4実施形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装
置の動作について説明する。溶融樹脂はTダイ1から押
し出され薄膜2となってキャスティングロール3に巻き
取られて冷却成形される。吸引チャンバ40を用いない
場合、溶融状態の薄膜2は、キャスティングロール3に
引かれて、図6または図7に二点鎖線A1で示すような
方向に走り、薄膜2とキャスティングロール3との間に
空気が巻き込まれるために、薄膜2の品質が低下する。
【0055】そこで、吸引チャンバ40の吸引動作によ
り薄膜2の後側(図6,図7の右側)を負圧とし、前側
との圧力差で薄膜2を後側に引いて薄膜2の姿勢を、図
6や図7に実線で示すように立たせることにより、薄膜
2がキャスティングロール3へ入る角度を大きくする。
薄膜2の後側に負圧を作るために薄膜2の後側に仕切り
を形成して薄膜2との間の空気を吸引チャンバ40によ
って吸引するが、この仕切られた空間の大きさが適切で
ないと、薄膜2が、吸引される空気によって振動する不
安定現象が発生する。特に、図6に矢印A2で示すよう
に、Tダイ1と吸引チャンバ40との間を通って吸引室
40b内へ空気が流入する場合には、不安定になり易
い。
【0056】このため、吸引チャンバ40の先端を不安
定現象が発生し難い最適な位置に調整するが、その調整
のために吸引チャンバ40の位置を変更しても外部から
の空気の流入通路が形成されないようにTダイ1と吸引
チャンバ40との間の隙間を閉ざしておく必要がある。
本実施形態の弾性シール部材50は、吸引チャンバ40
の上面とTダイ1の下面との間の隙間が変わっても弾性
的に変形して自動的にその隙間を塞ぎ続けるようになっ
ている。図6および図7では、吸引チャンバ40が移動
する前の弾性シール部材50の輪郭形状(Tダイ1から
押圧されて変形する前の輪郭形状)が二点鎖線で示され
ている。
【0057】なお、Tダイ1とキャスティングロール3
との位置関係を大きく変更する場合には、弾性シール部
材50自体を別のサイズのものと交換して調整すること
になる。このように、本発明の第4実施形態としての樹
脂製薄膜成形用キャスティング装置によれば、吸引チャ
ンバ40の位置を変化させても吸引チャンバ40の上面
とTダイ1の下面との間の隙間を弾性シール部材50に
より確実に且つ自動的に塞ぐことができるので、Tダイ
1,薄膜2および吸引チャンバ40で囲まれる減圧空間
の気密性を確保することができ、その減圧空間において
所要の減圧レベルを確実に得ることができる。
【0058】また、個々の薄膜(フィルム,シート)2
の生産運転の開始に先んじて行なう最適条件を求めるた
めの吸引チャンバ40の位置調整に際しても、上述の通
り、吸引チャンバ40の位置を変化させても吸引チャン
バ40の上面とTダイ1の下面との間の隙間を弾性シー
ル部材50により確実に且つ自動的に塞ぐことができる
ので、その隙間から吸引チャンバ40へ空気が流入する
ために生じる薄膜2の振動を確実に防止でき、調整作業
が極めて容易に行なえるとともに、調整作業から続けて
生産運転に直ちに入ることができる。
【0059】〔5〕第5実施形態の説明 図8(a)〜図8(c)はいずれも本発明の第5実施形
態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置におけ
る弾性シール部材の構成および取付状態を示す側断面図
である。この第5実施形態では、Tダイ1と吸引チャン
バ40との間を閉塞する弾性シール部材として、図4〜
図7により前述した第4実施形態のキャスティング装置
における弾性シール部材50に代えて、図8(a)〜図
8(c)のいずれかに示すような板バネ56a〜56c
が用いられており、それ以外の部分は第4実施形態と同
様に構成されている。
【0060】これらの板バネ56a〜56cは、例えば
ステンレス等の耐蝕性のある薄い金属製(板厚は1mm以
下)のもので、薄膜2の全幅を超える幅に亘って配置さ
れ吸引チャンバ40の上壁41aに取付ボルト55によ
り取り付けられている。そして、金属製板バネ56a〜
56cをTダイ1の下面に対し弾性力をもって押圧接触
させることによりTダイ1の下面と吸引チャンバ40の
上面との間が閉塞されている。
【0061】なお、図8(a)に示す板バネ56aは、
先端を円弧状に膨らませて折り返した形状を有してお
り、図8(b)に示す板バネ56bは、上部に円弧部を
有する山形のものであり、図8(c)に示す板バネ56
cは、先端側を上方に向けた鈎形のものであり、いずれ
の図においてもTダイ1と接触して変形した状態を二点
鎖線で示している。
【0062】これらの板バネ56a〜56cは、いずれ
もTダイ1の下面と吸引チャンバ40の上面との両方に
弾性力をもって接触して隙間を塞ぐもので、その形状
は、図8(a)〜図8(c)に示す形状に限定されるも
のではない。また、板バネ56a〜56cを、Tダイ1
の下面に取り付けて、吸引チャンバ40の上面側に対し
弾性力をもって押圧接触させるようにしてもよい。
【0063】また、Tダイ1とキャスティングロール3
との位置関係を大きく変更する場合には、板バネ56a
〜56c自体を別のサイズのものと交換して調整するこ
とになる。このように、本発明の第5実施形態としての
樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によっても、図8
(a)〜図8(c)に示すような板バネ56a〜56c
を用いることにより、第4実施形態と同様の作用効果を
得ることができる。
【0064】〔6〕第6実施形態の説明 図9〜図16は本発明の第6実施形態としての樹脂製薄
膜成形用キャスティング装置を示すもので、図9および
図10はそれぞれその模式的な側面図および正面図、図
11および図12は、それぞれ、その弾性シール部材の
構成および取付状態を示す斜視図および側断面図、図1
3はその弾性シール部材の実装状態を示す側断面図、図
14は図13に示すものとはサイズの異なる弾性シール
部材を実装した状態を示す側断面図、図15および図1
6はいずれもその操作例を説明するための模式的な側面
図である。なお、図中、既述の符号と同一の符号は、同
一もしくは同様の部分を示しているので、その詳細な説
明は省略する場合がある。
【0065】図1および図2に示すように、第6実施形
態のキャスティング装置も、押出機(図示省略)により
溶融された樹脂をフィルム状またはシート状の薄膜2と
して押し出すTダイ(ダイ)1と、このTダイ1から押
し出された薄膜2を外周面上に引き取って冷却して送り
出すキャスティングロール(冷却ロール)3と、薄膜2
をキャスティングロール3上に安定して密着させるべく
薄膜2とキャスティングロール3との間の空気を吸引す
る吸引チャンバ40とをそなえて構成されている。ま
た、キャスティングロール13は、ロール支軸16によ
りサイドフレーム17に対して回転可能に支持されてお
り、サイドフレーム17の下部には、本装置を水平方向
へ移動させる際に用いられる車輪18が装着されてい
る。
【0066】本実施形態においても、吸引チャンバ40
はTダイ1とは独立に、つまり吸引チャンバ40はTダ
イ1から分離されて設けられている。また、吸引チャン
バ40は、キャスティングロール3の外周面に沿うよう
に形成され、キャスティングロール3の外周面との間に
所要のシール隙間が形成されるようになっている。この
シール隙間の大きさ(間隔)は、キャスティングロール
3の回転を許容しながら、薄膜2とキャスティングロー
ル3との間の密着部において所要の吸引圧(減圧レベ
ル)を確保できるように設定されている。
【0067】なお、吸引チャンバ40は、図11,図1
3および図14に示すように、図4〜図7にて前述した
第4実施形態の吸引チャンバ40と同様に構成されてい
る。この吸引チャンバ40には、吸引用ダクト60を介
して真空ポンプ5が接続され、この真空ポンプ5を作動
させることにより、薄膜2とキャスティングロール3と
の間の空気が吸引チャンバ40の吸引口(開口部)40
aを通じて吸引されるように構成されている。また、吸
引口40aは、薄膜2がキャスティングロール3の外周
面に密着を開始する部分の直近において、薄膜2の全幅
に亘って形成されている。
【0068】そして、第6実施形態においては、第1実
施形態と同様、所要のシール隙間を保持しながら吸引チ
ャンバ40をキャスティングロール3の周方向に沿って
移動させるべく、キャスティングロール3の回転軸(ロ
ール支軸16)を中心にして所定半径で回転可能に支持
する支持機構(周方向移動機構として、駆動部材(回
転アーム)110が用いられている。この駆動部材11
0は、その基端側をキャスティングロール3のロール支
軸(回転軸)16周り(図9中の矢印A方向)に回動可
能にロール支軸16と同軸的に軸支されるとともに先端
側に吸引チャンバ40を固定されている。
【0069】また、駆動部材110には、キャスティン
グロール3の半径方向に沿って、2つの長孔110aが
形成され、これらの長孔110aを貫通する支持ボルト
11の締め付け位置を調整することにより、吸引チャン
バ40は、駆動部材110に対して、キャスティングロ
ール3の半径方向に移動可能に、つまり、キャスティン
グロール3の外周面と吸引チャンバ40との間の所要の
シール隙間を調整可能に取り付けられている。上述した
長孔110aおよび支持ボルト11により、吸引チャン
バ40の、キャスティングロール3の半径方向位置を調
整する調整機構(半径方向移動機構が構成されてい
る。なお、図10では、本実施形態の装置の幅方向の一
端部側のみを図示しているが、他端部側も同様に構成さ
れている。
【0070】さらに、Tダイ1のキャスティングロール
3に対向する面とと吸引チャンバ40の天板外面との間
には弾性シール部材50が介装されており、この弾性シ
ール部材50によりTダイ1と吸引チャンバ40との間
の隙間がシールされている。この弾性シール部材50
は、図4〜図7にて説明した第4実施形態の弾性シール
部材50と同様、薄膜2の全幅を超える幅に亘って配置
されるもので、図11〜図14に示すように、弾性シー
ル本体51と取付金具(取付具)52および53とから
構成されている。
【0071】ここで、弾性シール本体51は、耐熱性に
優れ反発弾性が大きく圧縮残留歪みの少ないポリイミド
フォーム等の発泡材により、断面半円形の棒状に形成さ
れ、その前表面をアルミ箔で被覆したガラスクロス(ア
ルミ箔とガラスクロスとを接着剤により一体的に接着し
たもの)で覆われている。この弾性シール本体51は、
その下部を前後から取付金具52および53の立ち上が
り部52bおよび53bで挟持され、これらの取付金具
52および53を取付ボルト55により吸引チャンバ4
0の上壁41aに対して締め付けて固定することによ
り、吸引チャンバ40に対して固定されている。
【0072】そして、図6および図7に示すように、弾
性シール部材50は、弾性シール本体51をTダイ1に
対し弾性力をもって押圧接触させることによりTダイ1
と吸引チャンバ40との間を閉塞している。取付金具5
3は、取付金具52上に載る形で配置され、取付金具5
2側に形成された長孔52aと取付金具53側に形成さ
れたボルト孔53aとを整合させた状態で、これらの長
孔52aとボルト孔53aとに、ワッシャ54を介して
取付ボルト55を貫通させて吸引チャンバ40の上壁4
1aに対して締め付けることにより、取付金具52およ
び53が一体的に固定される。図12に示すように、取
付ボルト55と螺合する上壁41a側の雌ネジは、裏板
41eによって盲ネジとして構成されている。
【0073】長孔52aは、図14に示すように、大き
さの異なる弾性シール本体51を吸引チャンバ40に取
り付けるべく取付金具53の位置を変更できるようにす
るために形成されている。なお、図9,図13および図
15では、第6実施形態の装置において、例えば薄膜2
が薄いため、その薄膜2を吸引チャンバ40により吸引
する力が比較的小さくて十分で、Tダイ1とキャスティ
ングロール3との間の距離を小さく設定した状態が示さ
れている。図14および図16では、第6実施形態の装
置において、例えば薄膜2が厚いため、その薄膜2を吸
引チャンバ40により吸引する力を比較的大きくする必
要があり、Tダイ1とキャスティングロール3との間の
距離を大きく設定した状態が示されている。
【0074】次に、上述のごとく構成された本発明の第
6実施形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装
置の動作について説明する。この第6実施形態の装置
も、基本的には、図1に示した第1実施形態と同様に動
作する。本実施形態では、図15および図16に示すよ
うに、キャスティングロール3を後退させることで、T
ダイ1とキャスティングロール3との隙間を大きくする
ことができる。ただし、単にキャスティングロール3を
後退させただけでは、薄膜2とキャスティングロール3
の外周面と吸引チャンバ40の先端とで形成される側面
の開口部が大きくなり、所要の減圧レベルに達しない。
【0075】そこで、図15に示すごとく、駆動部材1
10に取り付けられた吸引チャンバ40を所要の位置ま
で前進させ、側面の開口部を小さくし、吸引チャンバ4
0内の空気を真空ポンプ5で所要の減圧レベルに吸引す
ることにより、Tダイ1からの押し出し直後で溶融状態
の薄膜2をキャスティングロール3に安定的に密着させ
ることができる。
【0076】さらに、上述のごとくTダイ1とキャステ
ィングロール3との隙間の大きさや吸引チャンバ40の
位置を変化させることにより、Tダイ1と吸引チャンバ
40との隙間(間隔)が変化しても、本実施形態では、
Tダイ1と吸引チャンバ40との間に弾性シール部材5
0が介装されているため、その変化に追随しながらTダ
イ1と吸引チャンバ40との間が弾性シール部材50
閉塞される。
【0077】本実施形態の弾性シール部材50は、吸引
チャンバ40の上面とTダイ1の下面との間の隙間が変
わっても弾性的に変形して自動的にその隙間を塞ぎ続け
るようになっている。これにより、Tダイ1,薄膜2お
よび吸引チャンバ40で囲まれる減圧空間の気密性を確
保でき、その減圧空間において所要の減圧レベルを確実
に得ることができる。なお、図13および図14では、
吸引チャンバ40が移動する前の弾性シール部材50の
輪郭形状(Tダイ1から押圧されて変形する前の輪郭形
状)が一点鎖線50aで示されている。
【0078】なお、Tダイ1とキャスティングロール3
との位置関係を大きく変更する場合には、図14や図1
6に示すように、弾性シール部材50自体を別のサイズ
のものと交換して調整することになる。また、弾性シー
ル部材50を、Tダイ1の下面に取り付けて、吸引チャ
ンバ40の上面側に対し弾性力をもって押圧接触させる
ようにしてもよい。
【0079】このように、本発明の第6実施形態として
の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によれば、吸引
チャンバ40が、キャスティングロール3との間に所要
のシール隙間を保持しながら、キャスティングロール3
の周方向に移動可能であり、且つ、キャスティングロー
ル3の半径方向にも移動可能であり、吸引チャンバ40
とキャスティングロール3との間のシール隙間を調整で
きるほか、弾性シール部材50により、Tダイ1の下面
と吸引チャンバ40の上面との間の隙間の大小によら
ず、その隙間をシールすることができる。
【0080】従って、Tダイ1とキャスティングロール
3との間の隙間の大小によらず、薄膜2とキャスティン
グロール3との間における空間の減圧を吸引チャンバ4
0によって安定的に行なうことができるので、いかなる
樹脂に対してもTダイ1とキャスティングロール3との
隙間を適切に設定することが可能になり、所要のフィル
ム特性(薄膜特性)が確保されて樹脂製薄膜(フィルム
またはシート)2の品質を大幅に向上させることができ
る。
【0081】〔7〕第7実施形態の説明 図17(a)〜図17(c)はいずれも本発明の第7実
施形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置に
おける弾性シール部材の構成および取付状態を示す側断
面図である。この第7実施形態では、上述した第6実施
形態における弾性シート部材50に代えて、第5実施形
態にて前述したものと同様の、図17(a)〜図17
(c)のいずれかに示すような板バネ56a〜56cを
用い、それ以外の部分は第6実施形態と同様に構成され
ている。
【0082】これらの板バネ56a〜56cは、第5実
施形態と同様、例えばステンレス等の耐蝕性のある薄い
金属製(板厚は1mm以下)のもので、薄膜2の全幅を超
える幅に亘って配置され吸引チャンバ40の上壁41a
に取付ボルト55により取り付けられている。そして、
金属製板バネ56a〜56cをTダイ1の下面に対し弾
性力をもって押圧接触させることによりTダイ1の下面
と吸引チャンバ40の上面との間が閉塞されている。
【0083】なお、図17(a)に示す板バネ56a
は、先端を円弧状に膨らませて折り返した形状を有して
おり、図17(b)に示す板バネ56bは、上部に円弧
部を有する山形のものであり、図17(c)に示す板バ
ネ56cは、先端側を上方に向けた鈎形のものであり、
いずれの図においてもTダイ1と接触して変形した状態
を二点鎖線で示している。
【0084】これらの板バネ56a〜56cは、いずれ
もTダイ1の下面と吸引チャンバ40の上面との両方に
弾性力をもって接触して隙間を塞ぐもので、その形状
は、図17(a)〜図17(c)に示す形状に限定され
るものではない。また、板バネ56a〜56cを、Tダ
イ1の下面に取り付けて、吸引チャンバ40の上面側に
対し弾性力をもって押圧接触させるようにしてもよい。
【0085】また、Tダイ1とキャスティングロール3
との位置関係を大きく変更する場合には、板バネ56a
〜56c自体を別のサイズのものと交換して調整するこ
とになる。このように、本発明の第7実施形態としての
樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によっても、図1
7(a)〜図17(c)に示すような板バネ56a〜5
6cを用いることにより、第6実施形態と同様の作用効
果を得ることができる。
【0086】〔8〕第8実施形態の説明 図18〜図20は本発明の第8実施形態としての樹脂製
薄膜成形用キャスティング装置を示すもので、図18は
その模式的な側面図、図19はその弾性シール部材およ
び遮蔽板の構成および取付状態を示す斜視図、図20は
図18のP−P線に沿う断面における外気の流入状況を
示す図である。なお、既述の符号と同一の符号は同一も
しくは同様の部分を示しているので、その説明は省略す
る。
【0087】この第8実施形態は、図18に示すよう
に、前述した第6実施形態とほぼ同様に構成されている
が、本実施形態では、図18および図19に示すよう
に、吸引チャンバ40の吸引口(吸引開口部)40aの
両側に、その端部開口を部分的に遮蔽して端部からの吸
い込みを抑制するための遮蔽板160が、薄膜2の幅方
向に移動可能に取り付けられている。
【0088】つまり、図19に示すように、遮蔽板16
0には、長孔160aが形成されており、この長孔16
0aを貫通し且つワッシャ161を介し吸引チャンバ4
0の上壁41aに対して締め付けられる取付ボルト16
2により、遮蔽板160は、吸引チャンバ40に取り付
けられている。遮蔽板160は、その長孔160により
薄膜2の幅方向に移動可能で、吸引チャンバ40の吸引
口40aの端部の遮蔽量を調整できるようになってい
る。なお、図19では、本実施形態の装置の幅方向の一
端部側のみを図示しているが、他端部側も同様に構成さ
れている。
【0089】上述のごとく構成された第8実施形態の樹
脂製薄膜成形用キャスティング装置も、基本的には第6
実施形態と同様に動作するので、ここでは、図20を参
照しながら遮蔽板160による作用効果についてのみ説
明する。図33に示した従来例では、前述した通り、吸
引チャンバ104の前面開口部に対して、前面からの流
れが主流となるため、B2部での動圧およびB1部での
吸い込みによる渦の形成により、薄膜102が振動(揺
動)したり吸引チャンバ104内に引き込まれたりする
不具合を生じていた。
【0090】これに対して、本実施形態では、図20に
点線矢印で示すように、遮蔽板160の整流効果によ
り、前面開口部に対して、側面からの流れが主流となる
ため、動圧や渦の形成が抑制され、薄膜2の振動(揺
動)や吸引チャンバ40への引込みが抑制され、いかな
る樹脂においても安定した薄膜成形を行なうことが可能
になる。
【0091】特に、本実施形態では、比較的、伸長粘度
の低い樹脂による薄膜形成に際して、薄膜2をキャステ
ィングロール3に安定的に密着させるのに大きな効果を
発揮する。なお、薄膜2のネッキング量に応じて遮蔽板
160を移動させることにより、気流を適切に制御する
ことができる。
【0092】
〔9〕第9実施形態の説明 図21〜図23は本発明の第9実施形態としての樹脂製
薄膜成形用キャスティング装置を示すもので、図21は
その模式的な側面図、図22はその弾性シール部材およ
び吸引ノズルの構成および取付状態を示す斜視図、図2
3は図21のQ−Q線に沿う断面における外気の流入状
況を示す図である。なお、既述の符号と同一の符号は同
一もしくは同様の部分を示しているので、その説明は省
略する。
【0093】この第9実施形態は、図21に示すよう
に、前述した第6実施形態とほぼ同様に構成されている
が、本実施形態では、図21および図22に示すよう
に、吸引チャンバ40の吸引口(吸引開口部)40aの
端部に、その端部側方から空気を吸引するサイド吸引ノ
ズル(吸引口)70が取り付けられている。このサイド
吸引ノズル70は真空ポンプ71に接続されており、こ
の真空ポンプ71により吸引チャンバ40の吸引口40
aの端部における空気がサイド吸引ノズル70から吸引
されるようになっている。なお、図22では、本実施形
態の装置の幅方向の一端部側のみを図示しているが、他
端部側も同様に構成されている。また、サイド吸引ノズ
ル70は、吸引口40a直近における吸引チャンバ40
の側壁に取り付けられている。
【0094】上述のごとく構成された第9実施形態の樹
脂製薄膜成形用キャスティング装置も、基本的には第6
実施形態と同様に動作するので、ここでは、図23を参
照しながらサイド吸引ノズル70による作用効果につい
てのみ説明する。本実施形態では、図23に点線矢印で
示すように、サイド吸引ノズル70の吸引動作により、
サイド吸引ノズル70への吸い込みによる流れが主流と
なり、動圧や渦の形成が抑制され、薄膜2の振動(揺
動)や吸引チャンバ40への引込みが抑制され、いかな
る樹脂においても安定した薄膜成形を行なうことが可能
になる。
【0095】特に、本実施形態では、比較的、伸長粘度
の低い樹脂による薄膜形成に際して、薄膜2をキャステ
ィングロール3に安定的に密着させるのに大きな効果を
発揮する。なお、真空ポンプ5および71により吸引チ
ャンバ40およびサイド吸引ノズル71への吸い込み空
気量をそれぞれ制御することで、気流を制御することが
できる。
【0096】〔10〕第10実施形態の説明 図24〜図26は本発明の第10実施形態としての樹脂
製薄膜成形用キャスティング装置を示すもので、図24
はその模式的な側面図、図25はその弾性シール部材,
遮蔽板および吸引ノズルの構成および取付状態を示す斜
視図、図26は図24のR−R線に沿う断面における外
気の流入状況を示す図である。なお、既述の符号と同一
の符号は同一もしくは同様の部分を示しているので、そ
の説明は省略する。
【0097】この第10実施形態は、図24に示すよう
に、前述した第6実施形態とほぼ同様に構成されている
が、本実施形態では、図24および図25に示すよう
に、第8実施形態で説明した遮蔽板160と第9実施形
態で説明したサイド吸引ノズル70との両方がそなえら
れている。つまり、吸引チャンバ40の吸引口(吸引開
口部)40aの端部に、その端部開口を遮蔽して端部か
らの吸い込みを抑制するための遮蔽板160が、薄膜2
の幅方向に移動可能に取り付けられ、この遮蔽板160
(即ち、吸引チャンバ40の吸引口40aの端部)に、
その端部側方から空気を吸引するサイド吸引ノズル70
が取り付けられている。このサイド吸引ノズル70は真
空ポンプ71に接続されており、この真空ポンプ71に
より吸引チャンバ40の吸引口40aの端部における空
気がサイド吸引ノズル70から吸引されるようになって
いる。
【0098】また、第8実施形態と同様、図25に示す
ように、遮蔽板160には、長孔160aが形成されて
おり、この長孔160aを貫通し且つワッシャ161を
介し吸引チャンバ40の上壁41aに対して締め付けら
れる取付ボルト162により、遮蔽板160は、吸引チ
ャンバ40に取り付けられている。遮蔽板160は、そ
の長孔160により薄膜2の幅方向に移動可能で、吸引
チャンバ40の吸引口40aの端部の遮蔽量を調整でき
るようになっている。
【0099】なお、図25では、本実施形態の装置の幅
方向の一端部側のみを図示しているが、他端部側も同様
に構成されている。上述のごとく構成された第10実施
形態の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置も、基本的
には第6実施形態と同様に動作するので、ここでは、図
26を参照しながら遮蔽板160およびサイド吸引ノズ
ル70による作用効果についてのみ説明する。
【0100】本実施形態では、図26に点線矢印で示す
ように、サイド吸引ノズル70の吸引動作により、サイ
ド吸引ノズル70への吸い込みによる流れが主流となる
ことに加え、遮蔽板160により吸引チャンバ40への
吸い込みを整流することで、動圧や渦の形成が抑制さ
れ、薄膜2の振動(揺動)や吸引チャンバ40への引込
みが抑制され、いかなる樹脂においても安定した薄膜成
形を行なうことが可能になる。
【0101】特に、本実施形態では、比較的、伸長粘度
の低い樹脂による薄膜形成に際して、薄膜2をキャステ
ィングロール3に安定的に密着させるのに大きな効果を
発揮する。なお、本実施形態でも、真空ポンプ5および
71により吸引チャンバ40およびサイド吸引ノズル7
1への吸い込み空気量をそれぞれ制御することで、気流
を制御することができる。
【0102】〔11〕第11実施形態の説明 図27および図28は、それぞれ、本発明の第11実施
形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置を模
式的に示す側面図および正面図である。この第11実施
形態では、前述した第2実施形態のキャスティング装置
に、吸引チャンバ40をキャスティングロール3の半径
方向に移動させて所要のシール隙間を調整する調整機構
半径方向移動機構をそなえたものであり、図中、既
述の符号と同一の符号は同一もしくは同様の部分を示し
ているので、その説明は省略する。
【0103】第11実施形態のキャスティング装置で
は、図27および図28に示すように、所要のシール隙
間を保持しながら吸引チャンバ40をキャスティングロ
ール3の周方向に沿って移動させるべく、キャスティン
グロール3の回転軸を中心にして所定半径で回転可能に
支持する支持機構(周方向移動機構として、ガイドフ
レーム(円弧状ガイド)13が用いられている。このガ
イドフレーム13は、キャスティングロール3のロール
支軸16の側端を軸支するサイドフレーム17に対し
て、取付ボルト12により取り付けられている。このガ
イドフレーム13には、吸引チャンバ40をキャスティ
ングロール3の周方向に沿って案内すべく、吸引チャン
バ40の側面に取り付けられた2つのピン(またはロー
ル)11aを係合される長穴状ガイドレール13aが形
成されている。
【0104】そして、本実施形態では、取付ボルト12
によってサイドフレーム17に対するガイドフレーム1
3の取付高さ位置を調整することにより、キャスティン
グロール3の外周面と吸引チャンバ40との間の所要の
シール隙間を調整できるようになっている。つまり、上
述した取付ボルト12が調整機構(半径方向移動機構
としての機能を果している。
【0105】なお、図28では、本実施形態の装置の幅
方向の一端部側のみを図示しているが、他端部側も同様
に構成されている。また、Tダイ1の下面と吸引チャン
バ40の上面との間の隙間は、吸引チャンバ40に取り
付けられた、前述の弾性シール部材50により閉塞され
ている。上述のごとく構成された本発明の第11実施形
態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によれ
ば、支持機構や調整機構の構成が第6実施形態と異なる
だけであり、第6実施形態と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0106】なお、この第11実施形態においても、第
4〜第7実施形態で示した弾性シール部材50や金属製
板バネ56a〜56cのいずれを用いてもよいし、第8
〜第10実施形態で示した遮蔽板160やサイド吸引ノ
ズル70を用いてよい。 〔12〕第12実施形態の説明 図29および図30は、それぞれ、本発明の第12実施
形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置を模
式的に示す側面図および正面図である。
【0107】この第12実施形態では、前述した第3実
施形態のキャスティング装置に、吸引チャンバ40をキ
ャスティングロール3の半径方向に移動させて所要のシ
ール隙間を調整する調整機構(半径方向移動機構をそ
なえたものであり、図中、既述の符号と同一の符号は同
一もしくは同様の部分を示しているので、その説明は省
略する。第12実施形態のキャスティング装置では、図
29および図30に示すように、所要のシール隙間を保
持しながら吸引チャンバ40をキャスティングロール3
の周方向に沿って移動させるべく、キャスティングロー
ル3の回転軸を中心にして所定半径で回転可能に支持す
る支持機構(周方向移動機構として、駆動部材(回転
アーム)20およびガイドフレーム(円弧状ガイド)
3が用いられている。
【0108】ここで、駆動部材20は、その基端側をキ
ャスティングロール3のロール支軸16周りに回動可能
にロール支軸3aと同軸的に軸支され、この駆動部材2
0の先端側にガイドフレーム23が、取付ボルト22に
より取り付けられている。このガイドフレーム23に
は、吸引チャンバ40をキャスティングロール3の周方
向に沿って案内すべく、吸引チャンバ40の側面に取り
付けられた2つのピン(またはロール)11a,11a
を係合される長穴状ガイドレール23aが形成されてい
る。
【0109】そして、本実施形態では、取付ボルト22
によって駆動部材20に対するガイドフレーム23の取
付高さ位置を調整することにより、キャスティングロー
ル3の外周面と吸引チャンバ40との間の所要のシール
隙間を調整できるようになっている。つまり、上述した
取付ボルト22が調整機構(半径方向移動機構として
の機能を果している。
【0110】なお、図30では、本実施形態の装置の幅
方向の一端部側のみを図示しているが、他端部側も同様
に構成されている。また、Tダイ1の下面と吸引チャン
バ40の上面との間の隙間は、吸引チャンバ40に取り
付けられた、前述の弾性シール部材50により閉塞され
ている。上述のごとく構成された本発明の第12実施形
態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置では、
第3実施形態と同様、Tダイ1とキャスティングロール
3との隙間が大きい場合には、吸引チャンバ40を駆動
部材20によりロール支軸16周りに反時計周り方向へ
移動させて適当な位置まで前進させる粗調整を行なって
から、吸引チャンバ40をガイドフレーム23の長穴状
ガイドレール23aに沿って移動させ所要位置に位置決
めする微調整を行ない、吸引チャンバ40の吸引口40
aを薄膜2とキャスティングロール3との密着開始部に
近傍に位置決めする。
【0111】逆に、Tダイ1とキャスティングロール3
との隙間が小さい場合には、吸引チャンバ40を駆動部
材20によりロール支軸16周りに時計周り方向へ移動
させて適当な位置まで後退させる粗調整を行なってか
ら、吸引チャンバ40をガイドフレーム23の長穴状ガ
イドレール23aに沿って移動させ所要位置に位置決め
する微調整を行なう。
【0112】このような本発明の第12実施形態として
の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置によれば、第3
実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、支持
構や調整機構の構成が第6実施形態と異なるだけであ
り、第6実施形態と同様の作用効果を得ることができ
る。なお、この第12実施形態においても、第4〜第7
実施形態で示した弾性シール部材50や金属製板バネ5
6a〜56cのいずれを用いてもよいし、第8〜第10
実施形態で示した遮蔽板160やサイド吸引ノズル70
を用いてよい。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の樹脂製薄
膜成形用キャスティング装置(請求項1〜4)によれ
ば、吸引チャンバがダイから分離されこのダイとは独立
的に設けられ、その吸引チャンバが、冷却ロールとの間
で所要のシール隙間を保持しながら、支持機構により、
冷却ロールの周方向に沿って移動するようになってい
る。
【0114】なお、請求項2記載の支持機構では、回転
アームを冷却ロールの回転軸周りに回動させることによ
り、吸引チャンバを冷却ロールの周方向に移動させるこ
とができる。また、請求項3,4記載の支持機構では、
吸引チャンバを円弧状ガイドに沿って案内することによ
り冷却ロールの周方向に移動させることができる。
【0115】従って、ダイと冷却ロールとの隙間が大き
い場合には、吸引チャンバを周方向移動機構により移動
させて、吸引チャンバの吸引口(開口部)を薄膜と冷却
ロールとの密着開始部に近付けることにより、ダイと冷
却ロールとの隙間の大きさによることなく、所要の減圧
レベルが確保され、薄膜と冷却ロールとの間における空
間の減圧を吸引チャンバによって安定的に行なうことが
できる。これにより、いかなる樹脂に対してもダイと冷
却ロールとの隙間を適切に設定することが可能になり、
所要の薄膜特性が確保されて樹脂製薄膜の品質を大幅に
向上できるという効果がある。
【0116】また、請求項5記載の調整機構によって吸
引チャンバを半径方向に移動可能になるので、吸引チャ
ンバと冷却ロールとの間のシール隙間を調整できる。
のとき、ダイと吸引チャンバとの間に弾性シール部材を
介装することにより、ダイと冷却ロールとの隙間の大き
さや吸引チャンバの位置を変化させても、その変化に追
随しながらダイと吸引チャンバとの間を弾性シール部材
で閉塞することができる。これにより、ダイ,薄膜およ
び吸引チャンバで囲まれる減圧空間の気密性を確保する
ことができ、その減圧空間において所要の減圧レベルを
確実に得ることができる(請求項)。
【0117】また、弾性シール部材を、薄膜の全幅を超
える幅に亘って配置し、ダイに対し弾性力をもって押圧
接触させダイと吸引チャンバとの間を閉塞することによ
り、吸引チャンバの位置を変化させても吸引チャンバと
ダイとの間の隙間を弾性シール部材により確実に且つ自
動的に塞ぐことができるので、ダイ,薄膜および吸引チ
ャンバで囲まれる減圧空間の気密性を確保でき、その減
圧空間において所要の減圧レベルを確実に得ることがで
きる。また、個々の薄膜の生産運転の開始に先んじて行
なう最適条件を求めるための吸引チャンバの位置調整に
際して、吸引チャンバとダイとの間の隙間から吸引チャ
ンバへ空気が流入するために生じる薄膜の振動を確実に
防止できるので、調整作業が極めて容易に行なえるとと
もに、調整作業から続けて生産運転に直ちに入ることが
できる(請求項7〜9)。
【0118】
【0119】
【0120】さらに、吸引チャンバの吸引開口部を部分
的に遮蔽しうる遮蔽板や、吸引チャンバの吸引開口部の
端部側方から空気を吸引する吸引をそなえることによ
り、ダイから押し出される薄膜と冷却ロールと吸引チャ
ンバとで形成される空間への吸い込みによる流れの主流
が制御され、薄膜の振動(揺動)や吸引チャンバ内への
薄膜の引込みなどを抑制することができ、いかなる樹脂
においても安定した薄膜成形を行なうことが可能になる
(請求項1〜1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての樹脂製薄膜成形
用キャスティング装置を模式的に示す側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態としての樹脂製薄膜成形
用キャスティング装置を模式的に示す側面図である。
【図3】本発明の第3実施形態としての樹脂製薄膜成形
用キャスティング装置を模式的に示す側面図である。
【図4】本発明の第4実施形態としての樹脂製薄膜成形
用キャスティング装置における弾性シール部材の構成お
よび取付状態を示す斜視図である。
【図5】第4実施形態の弾性シール部材の構成および取
付状態を示す側断面図である。
【図6】第4実施形態の弾性シール部材の実装状態を示
す側断面図である。
【図7】第4実施形態のキャスティング装置において、
図6に示すものとはサイズの異なる弾性シール部材を実
装した状態を示す側断面図である。
【図8】(a)〜(c)はいずれも本発明の第5実施形
態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置におけ
る弾性シール部材の構成および取付状態を示す側断面図
である。
【図9】本発明の第6実施形態としての樹脂製薄膜成形
用キャスティング装置を模式的に示す側面図である。
【図10】本発明の第6実施形態としての樹脂製薄膜成
形用キャスティング装置を模式的に示す正面図である。
【図11】第6実施形態の弾性シール部材の構成および
取付状態を示す斜視図である。
【図12】第6実施形態の弾性シール部材の構成および
取付状態を示す側断面図である。
【図13】第6実施形態の弾性シール部材の実装状態を
示す側断面図である。
【図14】第6実施形態のキャスティング装置におい
て、図13に示すものとはサイズの異なる弾性シール部
材を実装した状態を示す側断面図である。
【図15】第6実施形態の操作例を説明するための模式
的な側面図である。
【図16】第6実施形態の操作例を説明するための模式
的な側面図である。
【図17】(a)〜(c)はいずれも本発明の第7実施
形態としての樹脂製薄膜成形用キャスティング装置にお
ける弾性シール部材の構成および取付状態を示す側断面
図である。
【図18】本発明の第8実施形態としての樹脂製薄膜成
形用キャスティング装置を模式的に示す側面図である。
【図19】第8実施形態の弾性シール部材および遮蔽板
の構成および取付状態を示す斜視図である。
【図20】図18のP−P線に沿う断面における外気の
流入状況を示す図である。
【図21】本発明の第9実施形態としての樹脂製薄膜成
形用キャスティング装置を模式的に示す側面図である。
【図22】第9実施形態の弾性シール部材および吸引ノ
ズルの構成および取付状態を示す斜視図である。
【図23】図21のQ−Q線に沿う断面における外気の
流入状況を示す図である。
【図24】本発明の第10実施形態としての樹脂製薄膜
成形用キャスティング装置を模式的に示す側面図であ
る。
【図25】第10実施形態の弾性シール部材,遮蔽板お
よび吸引ノズルの構成および取付状態を示す斜視図であ
る。
【図26】図24のR−R線に沿う断面における外気の
流入状況を示す図である。
【図27】本発明の第11実施形態としての樹脂製薄膜
成形用キャスティング装置を模式的に示す側面図であ
る。
【図28】本発明の第11実施形態としての樹脂製薄膜
成形用キャスティング装置を模式的に示す正面図であ
る。
【図29】本発明の第12実施形態としての樹脂製薄膜
成形用キャスティング装置を模式的に示す側面図であ
る。
【図30】本発明の第12実施形態としての樹脂製薄膜
成形用キャスティング装置を模式的に示す正面図であ
る。
【図31】従来の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置
を模式的に示す側面図である。
【図32】従来の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置
を模式的に示す正面図である。
【図33】図31のS−S線に沿う断面における外気の
流入状況を示す図である。
【符号の説明】
1 Tダイ(ダイ) 2 フィルム状またはシート状の薄膜 3 キャスティングロール(冷却ロール) 3a ロール支軸(回転軸) 4 吸引チャンバ 4a 開口部 4c ピン(またはロール) 4d シール隙間 5 真空ポンプ 6 弾性シール体(シール部材) 7 駆動部材(回転アーム;支持機構) 8 ガイド部材(円弧状ガイド;支持機構) 8a 長穴状ガイドレール 8b サイドフレーム 9 駆動部材(回転アーム;支持機構) 10 ガイド部材(円弧状ガイド;支持機構) 10a 長穴状ガイドレール 11 支持ボルト(調整機構) 11a ピン(またはロール;調整機構) 12 取付ボルト(調整機構) 13 ガイドフレーム(円弧状ガイド;支持機構) 13a 長穴状ガイドレール 16 ロール支軸(回転軸) 20 駆動部材(回転アーム;支持機構) 22 取付ボルト(調整機構) 23 ガイドフレーム(円弧状ガイド;支持機構) 23a 長穴状ガイドレール 40 吸引チャンバ(真空ボックス) 40a 吸引口(吸引開口部) 50 弾性シール部材(シール部材) 51 弾性シール本体 52,53 取付金具(取付具) 56a,56b,56c 金属製板バネ(シール部材) 70 サイド吸引ノズル(吸引口) 110 駆動部材(回転アーム;支持機構) 110a 長孔(調整機構) 160 遮蔽板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 治紀 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三 菱重工業株式会社名古屋機器製作所内 (72)発明者 大井 大介 名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三 菱重工業株式会社名古屋機器製作所内 (56)参考文献 実開 平4−30921(JP,U) 実開 平4−115635(JP,U) 実開 平6−71116(JP,U) 特公 昭48−18105(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂を薄膜として押し出すダイと、
    該ダイから押し出された該薄膜を外周面上に引き取って
    冷却して送り出す冷却ロールと、該薄膜を該冷却ロール
    上に密着させるべく該薄膜と該冷却ロールとの間の空気
    を吸引する吸引チャンバとをそなえてなる樹脂製薄膜成
    形用キャスティング装置において、 該吸引チャンバが、該ダイから分離されて且つ該冷却ロ
    ールとの間の所要のシール隙間をあけた状態で設置され
    るとともに、 前記所要のシール隙間を保持しながら該吸引チャンバを
    該冷却ロールの周方向に沿って移動させるべく該冷却ロ
    ールの回転軸を中心にして所定半径で回転可能に支持す
    る支持機構がそなえられたことを特徴とする、樹脂製薄
    膜成形用キャスティング装置。
  2. 【請求項2】 該支持機構が、基端側を該冷却ロールの
    回転軸を中心にして所定半径で回転可能に軸支されると
    ともに先端側に該吸引チャンバを固定された回転アーム
    を有して構成されていることを特徴とする、請求項1記
    載の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置。
  3. 【請求項3】 該支持機構が、該吸引チャンバを該冷却
    ロールの周方向に沿って案内する円弧状ガイドを有して
    構成されていることを特徴とする、請求項1記載の樹脂
    製薄膜成形用キャスティング装置。
  4. 【請求項4】 該円弧状ガイドが、該冷却ロールの側端
    を軸支するサイドフレームに取り付けられていることを
    特徴とする、請求項記載の樹脂製薄膜成形用キャステ
    ィング装置。
  5. 【請求項5】 該支持機構に、該吸引チャンバの、該冷
    却ロールの半径方向位置を調整する調整機構がそなえら
    れたことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか
    1項に記載の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置。
  6. 【請求項6】 該ダイの該冷却ロールに対向する面と該
    吸引チャンバの天板外面との間に弾を有するシール
    部材が介装されていることを特徴とする、請求項1〜請
    求項いずれか1項に記載の樹脂製薄膜成形用キャステ
    ィング装置。
  7. 【請求項7】 該シール部材が、該薄膜の全幅を超える
    幅に亘って配置されるとともに、発泡材で形成しその全
    面をアルミ箔で被覆されたガラスクロスにより覆った棒
    状の弾性シール本体と、該弾性シール本体を該吸引チャ
    ンバもしくは該ダイに取り付ける取付具とから構成さ
    れ、該弾性シール本体を該ダイもしくは該吸引チャンバ
    に対し弾性力をもって押圧接触させることにより該ダイ
    と該吸引チャンバとの間を閉塞していることを特徴とす
    る、請求項記載の樹脂製薄膜成形用キャスティング装
    置。
  8. 【請求項8】 該シール部材が、該薄膜の全幅を超える
    幅に亘って配置され該吸引チャンバもしくは該ダイに取
    り付けられた耐蝕性の金属製板バネから構成され、該金
    属製板バネを該ダイもしくは該吸引チャンバに対し弾性
    力をもって押圧接触させることにより該ダイと該吸引チ
    ャンバとの間を閉塞していることを特徴とする、請求項
    記載の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置。
  9. 【請求項9】 該シール部材が、該ダイもしくは該吸引
    チャンバに対する取付位置を調整可能にそなえられてい
    ることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の
    樹脂製薄膜成形用キャスティング装置。
  10. 【請求項10】 該吸引チャンバの吸引開口部の両側
    に、該吸引開口部を部分的に遮蔽しうる遮蔽板がそなえ
    られていることを特徴とする、請求項1〜請求項9のい
    ずれか1項に記載の樹脂製薄膜成形用キャスティング装
    置。
  11. 【請求項11】 該遮蔽板が、該薄膜の幅方向に移動可
    能にそなえられていることを特徴とする、請求項10記
    載の樹脂製薄膜成形用キャスティング装置。
  12. 【請求項12】 該吸引チャンバの吸引開口部の端部側
    方から空気を吸引する吸引、該吸引開口部直近にお
    ける該吸引チャンバの側壁にそなえられたことを特徴と
    する、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の樹
    脂製薄膜成形用キャスティング装置。
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