JP3349342B2 - 直線案内装置のスライダの製造方法 - Google Patents

直線案内装置のスライダの製造方法

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JP3349342B2 JP11276396A JP11276396A JP3349342B2 JP 3349342 B2 JP3349342 B2 JP 3349342B2 JP 11276396 A JP11276396 A JP 11276396A JP 11276396 A JP11276396 A JP 11276396A JP 3349342 B2 JP3349342 B2 JP 3349342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベッド、コラム等
の固定部に配設された軌道レールに沿って移動し、荷重
を負荷しながら工作機械のワークテーブルや工業用ロボ
ット等の可動体を案内する直線案内装置のスライダの製
造方法に係り、詳細には、金属製のブロック本体に対し
て合成樹脂等の型成形材を肉付けしてスライダを形成す
る方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直線案内装置としては、
ベッド等の固定部に配設されると共にボールの転走面が
形成された軌道レールと、多数のボールを介してこの軌
道レールに組み付けられ、テーブル等の可動体を支持し
ながら上記軌道レールに沿って移動するスライダとから
構成されるものが知られている。
【0003】また、上記スライダは、ボールを介して軌
道レールの転走面と対向する負荷転走面及びこの負荷転
走面と平行なボール戻し孔を有し、上記ボールの転動に
伴い軌道レールに沿って移動自在な移動ブロックと、こ
の移動ブロックの前後両端面に夫々固定されると共に、
上記負荷転走面とボール戻し孔とを連通連結するボール
の方向転換路を有する一対の蓋体と、当該スライダを軌
道レールから取り外した際にボールが上記負荷転走面か
ら脱落するのを防止すべく、上記移動ブロックに取り付
けられるボール保持器とから構成されており、上記蓋体
を移動ブロックの前後両端面に固定することで上記負荷
転走面とボール戻し孔の端部間とが方向転換路で連結さ
れ、ボールの無限循環路がスライダ内に完成するように
なっている。
【0004】一方、このように構成された従来の直線案
内装置のスライダでは、その移動ブロックに対してボー
ル戻し孔の穿孔加工やボール保持器の取付け作業等が必
要となり、その製作に大変手間がかかることから、本願
出願人は過去に合成樹脂の射出成形を利用して当該スラ
イダを製作する提案をしている(特開平7−31776
2号公報)。
【0005】具体的には、上記可動体の取付け基準面や
負荷転走面の研削加工がなされた金属製のブロック本体
に対して合成樹脂を射出成形で肉付けし、上記ボール戻
し孔やボール保持器を上記ブロック本体と一体に成形す
ると共に、従来は蓋体に形成されていた方向転換路の内
周側ボール案内部も上記ブロック本体の端面に成形して
移動ブロックを製作するようにしたものであり、複雑な
形状の移動ブロックを簡易に製作することができるとい
った利点を備えている他、ボール戻し孔、内周側ボール
案内部及びボール保持器が連続するボールの無限循環路
を合成樹脂で連続的に形成でき、ボール循環の円滑化が
図れるといった利点も備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる方法
で直線案内装置のスライダを製作する場合、ブロック本
体に具備された可動体の取付け基準面の上に合成樹脂が
覆い被さってしまうと、移動ブロックに対する可動体の
取付け精度が著しく損なわれることから、射出成形によ
って合成樹脂を上記ブロック本体に肉付けする際には、
当該取付け基準面上に合成樹脂の溶湯が侵入するのを完
全に防止する必要がある。
【0007】このため、従来においてはブロック本体に
具備された取付け基準面の縁部に平滑な湯切り面を形成
すると共に、このブロック本体を射出成形金型内にイン
サートした際には当該湯切り面を金型と当接させ、これ
によって合成樹脂の溶湯が当該湯切り面を越えて取付け
基準面に侵入するのを防止していた。
【0008】しかし、かかる射出成形においてはボール
保持器等の複雑な形状を成形することから金型内に対す
る溶湯の充填圧力を大きく設定せざるを得ず、このよう
に大きな充填圧力に抗して当該溶湯の湯切りを確実なも
のとするためには、ブロック本体の湯切り面と金型とが
緊密に当接していることが必要である。本願発明者が確
認したところによれば、これらの間に0.02mm以上
の隙間が発生すると合成樹脂の溶湯が取付け基準面の上
に侵入し、成形が完了した移動ブロックの取付け基準面
上に合成樹脂のバリが発生した。
【0009】このため、前述した従来の製造方法では、
射出成形前のブロック本体の加工に対して極めて高い加
工精度が要求される他、ブロック本体の金型内への固定
にも極めて高い位置精度が要求され、加工コストの低減
化や生産性の向上が阻害されるといった問題点があっ
た。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、金属製のブロッ
ク本体に対して射出成形で合成樹脂を肉付けしてボール
戻し孔やボール保持部を備えた直線案内装置のスライダ
形成するに当たり、上記ブロック本体の加工精度や金型
内における当該ブロック本体の位置決め精度の緩和を図
りつつも、上記金型内における合成樹脂の溶湯の湯切り
を確実に行うことが可能な直線案内装置のスライダの製
造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の直線案内装置のスライダの製造方法は、ス
ライダの核となる金属製ブロック本体を機械加工によっ
て所定の形状に形成すると共に、当該ブロック本体に対
して可動体の取付け基準面及びボールの負荷転走面を形
成する第一工程と、前工程で形成されたブロック本体を
金型内にインサートして型成形材の成形を行い、かかる
型成形材で当該ボールの無限循環路を形成する第二工程
とから構成され、上記第一工程では、上記ブロック本体
に具備された取付け基準面の縁部に対して型成形材の溶
湯の湯切り面を形成し、且つ、上記取付け基準面に隣接
して当該湯切り面と平行な補助湯切り突部を形成する一
方、上記第二工程では、上記金型内にインサートされた
ブロック本体の湯切り面を当該金型に当接させて湯切り
部を構成し、且つ、上記補助湯切り突部を僅かな隙間を
介して金型と対向させて補助湯切り部を構成したことを
特徴とするものである。
【0012】このような技術的手段によれば、型成形材
の成形を行うべく上記ブロック本体を金型内にインサー
トした際に、当該ブロック本体の取付け基準面の縁部に
形成した湯切り面が上記金型に当接して湯切り部を構成
する一方、かかる湯切り面と平行に形成された補助湯切
り突部が上記金型と僅かな隙間を介して対向して補助湯
切り部を構成するので、金型内に充填された型成形材の
溶湯は当該補助湯切り部の隙間を通過しなければ上記湯
切り部に到達せず、金型内に対する型成形材の溶湯の充
填圧力の大部分を上記補助湯切り部で減衰させることが
できる。
【0013】これにより、湯切り部に到達した溶湯の充
填圧力が小さなものとなるので、上記湯切り部において
ブロック本体の湯切り面と金型とが緊密に当接していな
くとも、かかる湯切り部を越えて型成形材の溶湯がブロ
ック本体の取付け基準面に侵入するのを防止することが
でき、その分だけブロック本体の加工精度や金型内にお
けるブロック本体の位置決め精度の緩和を図ることがで
きる。
【0014】また、補助湯切り部の狭い隙間を通過した
溶湯は、該補助湯切り部と湯切り部との間のキャビティ
に拡がる際に急激にその温度が低下し、かかるキャビテ
ィ内で急速に固まっていくので、この点においても溶湯
が湯切り部を越えてブロック本体の取付け基準面に侵入
するのを確実に防止することができる。
【0015】上記補助湯切り部における金型と補助湯切
り突部との隙間は、これが余りに大きいと溶湯の充填圧
力を十分に減衰させることができず、また余りに小さい
と補助湯切り突部の加工精度自体が厳密なものとなって
しまい、却ってブロック本体の加工に手間がかかること
となる。本願発明者が確認したところによれば、かかる
隙間が最大でも0.2±0.05mm程度であれば十分
に溶湯の充填圧力を減衰させることができ、湯切り部に
おける溶湯の湯切りを確実なものとすることができた。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の直線案内装置のスライダの製造方法を詳細に説明す
る。図1及び図2は本発明方法によって製造されるスラ
イダを軌道レールと組み合わせた直線案内装置の一実施
例を示すものである。同図において、符号1は工作機械
のベッド等の固定部に対して配設される軌道レール、符
号2はテーブル等の可動体を上記軌道レール1に沿って
案内するスライダ、符号3はこれら軌道レール1とスラ
イダ2との間で荷重を負荷しながら転動すると共に上記
スライダ2内で無限循環するボールである。
【0017】先ず、上記軌道レール1は断面略矩形状に
形成されており、上記ボール3が転走するボール転走面
11a,11bが長手方向(図1の紙面垂直方向)に沿
って計4条形成されている。これらボール転走面11
a,11bは軌道レール1の両側面及び上面の両縁部に
形成されており、両側面のボール転走面11aは紙面左
右方向から30°下向きに形成される一方、上面のボー
ル転走面11bは垂直方向上向きに形成されている。ま
た、軌道レール1にはその長手方向に適宜間隔をおいて
ボルト取付孔12が形成されており、軌道レール1はこ
のボルト取付孔12に挿入される図示外の固定ボルトに
よって固定部に固定される。
【0018】一方、上記スライダ2は、テーブル等の可
動体の取付面41及び当該可動体の固定ボルトが螺合す
るタップ孔42を有する移動ブロック4と、この移動ブ
ロック4の前後両端面に対して固定される一対の蓋体
5,5とから構成されており、かかる蓋体5を移動ブロ
ック4に固定することで当該スライダ内にボール3の無
限循環路が具備されるようになっている。また、上記蓋
体5には軌道レール1に摺接するシール部材6が取り付
けられており、軌道レール1に付着している塵芥等がス
ライダ2の移動に伴って当該スライダ2内に侵入するの
を防止している。
【0019】図3及び図4に示すように、上記移動ブロ
ック4は取付面41が形成された水平部4a及びこの水
平部4aから垂れ下がる一対のスカート部4b,4bを
備えて断面略サドル状に形成されており、これら水平部
4aの下面側及び各スカート部4bの内面側には軌道レ
ール1のボール転走面11a,11bに対向する4条の
負荷転走面43a,43bが形成されている。また、上
記水平部4a及び各スカート部4bには各負荷転走面4
3a,43bに夫々対応したボール戻し孔44a,44
bが形成されており、前述の蓋体5に形成されたボール
3の方向転換路51によって各負荷転走面43a,43
bとこれに対応するボール戻し孔44a,44bとが連
結され、ボールの無限循環路が形成されるようになって
いる。
【0020】これにより、軌道レール1のボール転走面
11a,11bと移動ブロック4の負荷転走面43a,
43bとの間で荷重を負荷していたボール3は、スライ
ダ2の移動に伴って上記負荷転走面43a,43bを転
走し終えると上記荷重から開放されて一方の蓋体5の方
向転換路51に入り込み、そのままの無負荷状態で負荷
転走面43a,43bにおける転走方向とは逆方向へ向
かって移動ブロック4のボール戻し孔44a,44bを
転走する。また、ボール戻し孔44a,44bを転走し
終えたボール3は他方の蓋体5の方向転換路51を介し
て再度軌道レール1と移動ブロック4との間に入り込
み、荷重を負荷しながら上記負荷転走面43a,43b
を転走する。
【0021】また、各負荷転走面43a,43bの両側
にはボール保持部45が当該負荷転走面43a,43b
に覆いかぶさるように形成されており、スライダ2を軌
道レール1から取り外した際に、負荷転走面43a,4
3b上に位置するボール3がスライダ2から転がり落ち
るのを防止している。
【0022】更に、この実施例では無限循環路内におけ
るボール同志の接触を避けて、ボール3の摩耗を可及的
に防止する観点から、かかるボール3を合成樹脂製のベ
ルト状ケージ7に転動自在に嵌め込んでボールチェーン
を構成し、このボールチェーンを上記無限循環路に組み
込んでいる。このため、上記ボール戻し孔44a,44
b及びボール保持部45にはボール3と共に上記無限循
環路内を循環する上記ベルト状ケージ7の両縁部を支承
する凹溝が形成されている。
【0023】また更に、図3に示すように、上記移動ブ
ロック4の前後両端面には半円状のボール案内部46が
突設されており、蓋体5の方向転換路51と相俟ってボ
ール戻し孔44a,44bを出入りするボール3を案内
するようになっている。
【0024】上記移動ブロック4は機械加工によって形
成された金属製のブロック本体8に対して合成樹脂を射
出成形で肉付けして形成されており、前述した可動体取
付面41やボール3の負荷転走面43a,43b等、機
械的強度が要求される部位は当該ブロック本体8に形成
される一方、ボール戻し孔44a,44b、ボール保持
部45及びボール案内部46等の機械的強度が重要とさ
れない部位は合成樹脂で形成され、可能な限り移動ブロ
ック4の軽量化が図られている。
【0025】図5は、合成樹脂が肉付けされる前のブロ
ック本体8を示す断面図である。かかるブロック本体8
は先ず引き抜き加工によって水平部4a及びスカート部
4b,4b等の概略形状が形成された後、研削加工によ
って可動体取付面41、基準側面47及び負荷転走面4
3a,43bが所定の精度で形成され、更にボール戻し
孔44bの下孔となる貫通孔48が穿孔加工によって形
成される。また、上記引き抜き加工においては、後に肉
付けする合成樹脂のブロック本体8に対する密着性を向
上させる目的から、上記スカート部4bの外側に樹脂溜
まりとなる凹所49が形成される。
【0026】ここで、ブロック本体8の基準側面47の
下端縁には後に行われる射出成形の際に金型と当接する
湯切り面50aが形成される一方、この湯切り面50a
と上記凹所49との間には射出成形の際に金型と僅かな
隙間を介して対向する補助湯切り突部50bが当該湯切
り面50aと平行に形成され、上記スカート部4bに肉
付けされる合成樹脂がブロック本体8の基準側面に被る
のを防止している。
【0027】次に、このようにして所定の形状に仕上げ
られたブロック本体8に対し、射出成形で合成樹脂を肉
付けする工程について説明する。この射出成形は全ての
加工が完了したブロック本体8を中子として金型内に配
置した所謂インサート成形によって行われ、これによっ
てブロック本体8の所定の位置にのみ合成樹脂が肉付け
され、上記ボール戻し孔44a,44b、ボール保持部
45、ボール案内部46等が形成される。
【0028】図7は金型61,62内にインサートされ
たブロック本体8を示す断面図である。金型61には上
記ブロック本体8を固定するための支持部63が立設さ
れており、かかる支持部63に対してブロック本体8を
軸方向(紙面垂直方向)から嵌合させることにより、金
型61,62内におけるブロック本体8の位置決めがな
され、移動ブロック4のボール保持部45に対応したキ
ャビティ64,65がブロック本体8と支持部63との
間に形成される一方、ボール戻し孔44aを形作るキャ
ビティ66がブロック本体8のスカート部4bと金型6
1との間に形成されるようになっている。また、ブロッ
ク本体8の貫通孔48,48及び上記キャビティ66,
66には上記ボール戻し孔44a,44bの形状に合致
した断面形状を有する棒状の型体67が挿入され、これ
ら貫通孔48及びキャビティ66に合成樹脂の溶湯を充
填した際にボール戻し孔44a,44bが形成されるよ
うになっている。
【0029】そして、このようにしてブロック本体8を
金型61,62内にインサートした後、これによって形
成されたキャビティ64,65,66に対して合成樹脂
の溶湯を充填し、かかる合成樹脂をブロック本体8に対
して肉付けすると、図3に示される移動ブロックが完成
する。
【0030】かかるインサート成形において、上記ブロ
ック本体8の基準側面47に対する合成樹脂の溶湯の湯
切りは図8に示すようにして行われている。すなわち、
金型61,62内にインサートされたブロック本体8の
湯切り面50aは金型61に当接して湯切り部を構成し
ており、これによって矢線B方向からキャビティ66に
充填される合成樹脂の溶湯が当該湯切り部を通過して上
記基準側面47上に流れ出すのを防止している。
【0031】また、本実施例においては、前述の如く上
記湯切り面50aと平行に形成された補助湯切り突部5
0bが上記キャビティ66内で金型61と対向して補助
湯切り部を構成しており、この補助湯切り部においては
補助湯切り突部50bと金型61との間に僅かな隙間
(0.2〜0.3mm程度)が形成されている。
【0032】このため、キャビティ66に充填された高
圧の溶湯はその殆どが補助湯切り部の手前側の凹所49
で滞留し、かかる補助湯切り部を通過した僅かな溶湯の
みが湯切り部に到達する。その結果、溶湯の充填圧力は
上記補助湯切り部で著しく減殺されることとなり、湯切
り部に対して作用する溶湯の圧力はキャビティ66に対
する初期の充填圧力よりも著しく低いものとなる。
【0033】従って、ブロック本体の加工誤差等から、
上記湯切り部においてブロック本体8の湯切り面51a
と金型61とが緊密に当接しない場合であっても、溶湯
が湯切り部を通過してブロック本体8の基準側面47上
に流出することがなく、かかる基準側面上に合成樹脂の
バリが発生するのを防止することができるものである。
【0034】すなわち、本実施例の製造方法によれば、
ブロック本体8の加工精度や当該ブロック本体8の金型
61,62内への固定位置精度に多少の誤差が含まれる
場合であっても、インサート成形時には合成樹脂の溶湯
の湯切りが確実に行われることから、かかるブロック本
体8の加工精度や金型61,62内における固定位置精
度を従来よりも緩和することができ、その分だけ生産性
が向上し且つ生産コストの低減化を図ることができるも
のである。
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の直線
案内装置のスライダの製造方法によれば、金属製のブロ
ック本体にボール戻し孔やボール保持部を肉付けすべく
当該ブロック本体を射出成形の金型内にインサートした
際に、当該ブロック本体の取付け基準面の縁部に湯切り
部が構成される一方、かかる湯切り部と平行に補助湯切
り部が構成され、金型内における合成樹脂の溶湯の充填
圧力はその大部分が当該補助湯切り部で減衰されること
となるので、上記ブロック本体の加工精度や金型内にお
けるブロック本体の位置決め精度の緩和を図りつつも、
上記金型内における合成樹脂の溶湯の湯切りを確実に行
うことが可能となり、加工コストの低減化や生産性の向
上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法によって製造される直線案内装置
の実施例を示す正面図及びその断面図である。
【図2】 本発明方法によって製造される直線案内装置
の実施例を示す側面図及びその断面図である。
【図3】 実施例に係るスライダの分解斜視図である。
【図4】 実施例に係るスライダを構成する移動ブロッ
クを示す断面図である。
【図5】 実施例に係る移動ブロックの核となるブロッ
ク本体を示す斜視図である。
【図6】 実施例に係る移動ブロックの核となるブロッ
ク本体を示す正面図である。
【図7】 金型内にインサートされたブロック本体を示
す断面図である。
【図8】 図8のA部拡大図である。
【符号の説明】
1…軌道レール、2…スライダ、3…ボール、8…ブロ
ック本体、43a,43b…負荷転走面、44a,44
b…ボール戻し孔、45…ボール保持部、50a…湯切
り面、50b…補助湯切り突起、61,62…金型
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/00 - 31/06 B29C 45/00 - 45/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダの核となる金属製ブロック本体
    を機械加工によって所定の形状に形成すると共に、当該
    ブロック本体に対して可動体の取付け基準面及びボール
    の負荷転走面を形成する第一工程と、前工程で形成され
    たブロック本体を金型内にインサートして型成形材の成
    形を行い、かかる型成形材で当該ボールの無限循環路を
    形成する第二工程とから構成される直線案内装置のスラ
    イダの製造方法において、 上記第一工程では、上記ブロック本体に具備された取付
    け基準面の縁部に対して型成形材の溶湯の湯切り面を形
    成し、且つ、上記取付け基準面に隣接して当該湯切り面
    と平行な補助湯切り突部を形成し、更に、この補助湯切
    り突部に隣接して上記湯切り面と反対側には湯溜まりと
    なる凹所を形成し、 上記第二工程では、上記金型内にインサートされたブロ
    ック本体の湯切り面を当該金型に当接させて湯切り部を
    構成し、且つ、上記補助湯切り突部を僅かな隙間を介し
    て金型と対向させて補助湯切り部を構成したことを特徴
    とする直線案内装置のスライダの製造方法。
  2. 【請求項2】 可動体の取付け基準面並びに無限循環す
    るボールの負荷転走面を有する金属製ブロック本体に対
    して型成形材を射出成形で肉付けして成形され、かかる
    成形によって当該ボールの無限循環路が形成された直線
    案内装置のスライダにおいて、上記ブロック本体には、
    上記型成形材の成形の際に金型と当接して該型成形材の
    溶湯の湯切りを行う湯切り面が上記取付け基準面の縁部
    に対して形成される一方、上記成形の際に僅かな隙間を
    介して金型と対向する補助湯切り突部が上記湯切り面と
    平行に且つ上記取付け基準面に隣接して形成され、更
    に、この補助湯切り突部に隣接して上記湯切り面と反対
    側には湯溜まりとなる凹所が形成されていることを特徴
    とする直線案内装置のスライダ。
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