JP3349263B2 - 内視鏡用収納ケース - Google Patents

内視鏡用収納ケース

Info

Publication number
JP3349263B2
JP3349263B2 JP15880394A JP15880394A JP3349263B2 JP 3349263 B2 JP3349263 B2 JP 3349263B2 JP 15880394 A JP15880394 A JP 15880394A JP 15880394 A JP15880394 A JP 15880394A JP 3349263 B2 JP3349263 B2 JP 3349263B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endoscope
storage case
ultrasonic
liquid
ultrasonic endoscope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15880394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0824210A (ja
Inventor
明子 水沼
高昭 武本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optic Co Ltd filed Critical Olympus Optic Co Ltd
Priority to JP15880394A priority Critical patent/JP3349263B2/ja
Publication of JPH0824210A publication Critical patent/JPH0824210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3349263B2 publication Critical patent/JP3349263B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
  • Endoscopes (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体腔内に挿入し、体腔
内を内視鏡観察等するための内視鏡をコンパクトかつ適
正に保管する内視鏡用収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】体腔内を観察するための内視鏡は、各種
疾患を発見したり、患部を治療する等に大きな役割を果
たしている。この内視鏡は体腔内に挿入して使用するも
のであるとともに、精密な構成であるため、保存したり
運搬する際には細心の注意を要する。内視鏡用収納ケー
スは、こうした保存、運搬の際に使用するものであり、
例えば図13に示すようなものが提案されている。この
内視鏡用収納ケースは、全体の形状が極めて複雑で不安
定な超音波内視鏡、あるいは挿入部が細く不用意な外力
で破損し易い光学系を有しない超音波プローブを運搬す
るための専用のものである。
【0003】そのため、硬質のケース本体50の中に、
収納する内視鏡の形状に応じた収納用溝51が形成され
たウレタン製の保護体52を設け、同様に硬質の蓋体5
3の中にもウレタン製の保護体54が設けられ、ケース
本体50と蓋体53は蝶番55を介して開閉自在になっ
ている。そして、内視鏡56は収納ケースに納められた
後、蓋体53を閉じ把手57を持って運搬されるが、収
納された内視鏡56は収納用溝51が形成されたウレタ
ン製の保護体52により振動や衝撃から保護されるよう
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波内視
鏡は超音波を生体内に効率よく入射させるために、伝搬
経路上に液体またはゲル状の超音波伝達媒体(音響媒
体)を設ける必要がある。そこで、機械走査方式の超音
波内視鏡やカテーテル型超音波プローブは、超音波を送
受信する超音波トランスデューサを覆う音響窓内部に音
響媒体を満たしている。この音響媒体は、気泡が発生す
ると超音波の伝搬効率が悪くなり、感度低下やアーティ
ファクトを引き起こしてしまう。一方、医療機械として
の超音波内視鏡やカテーテル型超音波プローブは、保
管、診断等のための最適な環境温度は20℃前後のいわ
ゆる常温である。しかし、寒冷地域へ運搬する場合、航
空機やトラックの荷台に積載されることがあり、前記常
温に比較し低い温度にさらされてしまう。
【0005】すると、音響媒体は凍結し体積変化を起こ
し、気泡を侵入させてしまうことがある。また、凍結に
よる体積変化のために超音波トランスデューサに応力が
かかり、破損させてしまうことがある。また、音響伝達
媒体としてゼラチン等を用いた場合、凍結によりいわゆ
る巣が入った状態になってそのまま正常な状態に戻らな
くなってしまうことがある。このように、従来の収納ケ
ースは、運送中の振動や衝撃から内視鏡を保護する機能
は有しているものの、温度変化から内視鏡を保護する機
能はなく前記したような不具合を持っていた。
【0006】本発明は、上記不具合を解決するため、運
送中の振動や衝撃から内視鏡を保護するとともに、運送
中の温度変化、特に低温から常温への温度変化による不
都合から内視鏡を保護する内視鏡用収納ケースを提供す
ることを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、内視鏡を定位置に密閉収納し、移動、輸
送する内視鏡用収納ケースにおいて、前記内視鏡用収納
ケースに、前記内視鏡が低温損傷を受ける温度よりも高
い温度に融点を持つ液体を封入したことを特徴とする内
視鏡用収納ケースである。
【0008】
【作用】このように、超音波内視鏡は収納ケース内に定
置収納されているので、移動、輸送にともなう振動、衝
撃から保護される。また、超音波内視鏡が低温損傷を受
ける温度よりも高い温度に融点を持つ液体により保護さ
れるようになっているので、極端に低温の環境にさらさ
れ液体の温度がその融点に到達して凍結を始めても、完
全に凍結するまでは融点の温度を保ち、超音波内視鏡の
音響媒体も融点近くの温度を保つ。したがって、その間
に低温環境中を移動、輸送してしまえば超音波内視鏡
は、温度変化による損傷を受けることを避けられる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明していく。図1は、本発明の第1実施例を示したも
ので、収納用ケースを開いた状態の断面図である。ケー
ス本体1と蓋体2は、蝶番3を介して接続され、蓋体2
を閉じる場合は矢印方向に2点鎖線で表示するように回
動させて行う。そして、収納用ケースを移動、運搬する
際はケース本体1に設けられている把手4を持って行う
ようになっている。前記ケース本体1及び蓋体2は、硬
質の材料で形成され保温体を収納できる厚みを有してい
る。これらケース本体1及び蓋体2には、ポリエチレン
製の密封体である保温体5が設けられる。この保温体5
の外表面には硬質ポリウレタンが保護体6として吹きつ
けてある。
【0010】また、保温体5及び保護体6には、超音波
内視鏡(内視鏡)を嵌め込んで定置させることができる
収納用溝7が凹部形成されている。このように形成され
た保温体5の内部には、図示していない開口部を介して
アニリン(液体)8を注入し、注入完了後にヒートシー
ルを施し封入してある。この場合、アニリンは周囲の温
度変化によって体積変化が生じても保温体5に損傷を起
こさせないように配慮した量が充填されている。なお、
アニリン8は、融点−6℃に到達すると凍結を開始す
る。
【0011】このように構成されている第1実施例の作
用を説明すると、超音波内視鏡を移動、輸送する場合収
納用溝7に嵌め込むようにして定置させ、蓋体2を閉じ
る。このような状態で超音波内視鏡は移動、輸送される
ので、超音波内視鏡に与えられる移動、輸送中の振動、
衝撃力は保護体6によって吸収されて保護される。ま
た、移動、輸送の過程で極端に低温の温度環境にさらさ
れると、収納ケース外の温度はそれに伴い低下してい
く。すると、保温体5内部に封入されているアニリン8
の温度も収納ケースから伝導された低温の影響を受けて
低下していく。
【0012】しかし、アニリン8が完全に凍結するまで
は、保温体5、保護体6の温度は−6℃を保ちそれ以上
の温度低下は起こさない。したがって、保温体6で保護
された超音波内視鏡の温度も−6℃を保つことができ、
また、アニリン8が完全に凍結するまでの間に極端に低
温の環境中を通過してしまえば、アニリン8の融点以下
の温度にさらされることを避けられる。そこで、超音波
内視鏡の音響媒体として−10℃で凍結する化合物を使
用している場合、外気温が一時的に−20℃になって
も、前記のような保温体5の作用により凍結を免れる。
【0013】以上のごとく本実施例によれば、航空機に
よる輸送の際に成層圏を飛行するなどして一時的に外気
温が−20℃以下に低下しても、超音波内視鏡は収納ケ
ースの保温体6によってアニリン8の融点である−6℃
以下になることはない。したがって、収納ケースが極端
に低温の環境にさらされることになっても、収納されて
いる超音波内視鏡の音響媒体が凍結し気泡が混入してし
まったり、音響媒体の変性を引き起こし超音波診断の際
に超音波画像の質の低下を招くことを防止できる。ま
た、音響媒体の凍結時の体積変化によって、超音波トラ
ンスデューサが損傷を招くことも防止できる。
【0014】なお、第1実施例では、保温体5の内部に
融点−6℃のアニリン8を封入したが、このアニリン8
に代え融点−7.2℃の臭素を封入してもよく、また融
点−13.3℃のシアン化水素、融点−23.8℃の四
塩化炭素、融点−25.2℃のoキシレンを封入しても
よい。このような液体を用いると、より低い温度に対し
て耐性を有する超音波内視鏡を保護することができる。
つまり、超音波内視鏡が低温によるダメージを受ける温
度が各々の液体の液体の融点より低い場合に適する。例
えば、超音波内視鏡が−30℃でダメージを受ける場合
には、融点−25.2℃のoキシレンを選択採用するこ
とによって、最も低温に対する耐久性を向上させること
ができるようになる。
【0015】また、保温体5の内部に融点8.4℃の蟻
酸、融点5.5℃のベンゼン、融点−0.9℃の過酸化
水素を封入してもよい。このような液体を用いると、低
温に対する耐性が低い超音波内視鏡に応用することがで
きる。つまり、超音波内視鏡が低温によるダメージを受
ける温度が前記のような各々の液体の融点より低い場合
に適する。例えば、超音波内視鏡が0℃でダメージを受
ける場合には、融点5.5℃のベンゼンを選択採用すれ
ばよい。
【0016】また、保温体5の内部に食塩水、あるいは
ブドウ糖水溶液、あるいは蔗糖水溶液を封入してもよ
い。このような液体を用いると、低温によるダメージを
受ける超音波内視鏡の温度が各々の液体の融点より低い
場合に適する。そして、前記液体は価格が低く、取扱上
も特別の設備等を必要としないので、コストの低減化を
図れる。なお、第1実施例では、超音波内視鏡を収納物
としているが、収納物はカテーテル型の超音波プローブ
であっても応用できることはいうまでもない。
【0017】図2、図3は本発明の第2実施例を示した
もので、耐振動性、耐衝撃性の向上を図ったものであ
る。第1実施例と対応する箇所には同一符号を付した。
このうち図2は、収納用ケースを開いた状態の斜視図で
ある。第1実施例と同様に、ケース本体1と蓋体2は、
蝶番3を介して接続され、蓋体2を閉じる場合は回動さ
せるようになっている。そして、収納用ケースを移動、
運搬する際はケース本体1に設けられている把手4を持
って行うようになっている。前記ケース本体1及び蓋体
2は、硬質の材料で形成され硬質ポリウレタン製の保護
体6が設けられている。また、保護体6には、超音波内
視鏡を嵌め込んで定置させることができる収納用溝7が
凹部形成されている。そして収納用溝7のうち超音波内
視鏡先端部近傍に相当する箇所は、太幅の溝7aに形成
されている。
【0018】前記太幅の溝7aには、図3Aに示すよう
な保温体5が配設されるようになっている。この保温体
5は、略三角錐の形状をしたフッ素樹脂シート製の袋体
であり所要箇所に液体を液密に封止するための栓5aが
付設されている。そして、保温体5内部にはブドウ糖水
溶液が封止可能最大量の1/3程度注入され、栓5aで
封止されている。こうして液体が封入された保温体5を
図3Cに示すように溝7aに配設し、超音波内視鏡9の
先端部を被覆する。その状態を拡大して図示したのが図
3Bである。このように保温体5の一面の中央に超音波
内視鏡先端部9aを当接させ、そのまま押し込むように
すると超音波内視鏡9の先端部は保温体5の中に埋没す
るように被覆される。
【0019】第2実施例は前記のように構成されている
ので、移動、輸送中に最も損傷を受け易い超音波内視鏡
9の先端部の保護をより十分に行うことができ、耐振動
性、耐衝撃性の向上を図ることができる。また、重量が
かさむ原因となる液体は、ケース本体1の太幅の溝7a
箇所にのみ保温体5を介して配設されることになるの
で、ケース本体1及び蓋体2の全体にわたって液体が配
設される第1実施例に比較して、収納ケースの軽量化を
図ることができる。したがって、極低温の環境を通過す
る時間が比較的短いと考えられる場合は、この実施例の
収納ケースを使用すればよい。また、保温体5をケース
本体1に配設使用しない場合は液体を抜いて平らに潰し
て保管することができる。なお、本実施例では、保温体
5の形状を三角錐としているが、これに限定されるもの
ではなく、超音波内視鏡9の先端部の被覆、保護が十分
行われるように構成されていれば、球形、直方体、立方
体等の任意の形態を選択できることはいうまでもない。
【0020】図4は、本発明の第3実施例を示したもの
で、図4Aは蓋体に設ける保温体5を示しており、図4
Bはケース本体に設ける保温体6を示している。これら
保温体5は、厚手のポリビニリデンフィルムで液密的に
形成されており、内部には注排液口を介して液体を注入
し栓11,12で封止するようになっている。なお、超
音波内視鏡の収納用溝7の構成等については、第1実施
例と同様である。そして、液体を充填することによりそ
れぞれ図4に示すような形態になり、ケース本体、蓋体
に配設使用しない場合は、液体を抜いて平らに潰して保
管することができるようになっている。他の構成につい
ては、第1実施例と同様である。
【0021】第3実施例は、このように構成されている
ので、保温体5を形成している厚手のポリビニリデンフ
ィルム自体が保護体の機能をも果たしているので、第1
実施例における保温体5の外表面に施されている保護体
6を用いなくともよい。したがって、保温体5の構成の
簡素化を図れるとともに、保温体5を保管しておく際の
保管スペースを減少させることができる。他の効果につ
いては第1実施例と同様である。
【0022】図5〜図7は、本発明に関連する構成例を
示したもので、ケース本体1と蓋体2はシート状のウレ
タン系のエラストマーまたは合成ゴムを気密的に形成さ
れており、空気を注入することにより膨張し収納ケース
と同様な形状となるように構成されている。ケース本体
1と蓋体2の周壁に付設されている11,12は送気・
排気口11a,12aを封止している封止栓である。ま
た、ケース本体1と蓋体2は、相対する一側縁がヒンジ
を形成する折り返し部10により一体的に接続されてい
る。そして、ケース本体1と蓋体2の相対する内面壁に
は、超音波内視鏡を収納する収納用溝7が形成されてい
る。また、蓋体2の折り返し部10の反対側の側面の下
側には、一対の錠止部材13が取り付けられており、ケ
ース本体1の把手4の両側に取り付けられている錠止用
釦14に係合して蓋体2をケース本体1に錠止させるよ
うになっている。
【0023】図6は蓋体2を完全に開いた状態の断面図
であるが、ケース本体1の内部は空気を注入できる内腔
15が形成されており、蓋体2の内部にも同様に内腔1
6が形成されている。これら内腔には送気・排気口11
a,12bを介して送気・排気を行うようになってい
る。また、ケース本体1に形成されている収納用溝7の
一部である開閉溝7aには、開口17が形成されている
とともにこの開口17には外側から閉塞するように両面
接着シール18が貼着されている。
【0024】このように構成されているので、超音波内
視鏡を移動、輸送する場合は、先ず送気・排気口11
a,12bから空気を注入してケース本体1、蓋体2を
図示のように膨張させる。その後、超音波内視鏡を収納
用溝7に嵌め込むようにして収納する。すると、収納さ
れた超音波内視鏡のうち、図6に示す開閉溝7aに位置
した部分は両面接着シール18に貼りついてしまう。そ
の状態を示したのが開閉溝7aの拡大図である図7であ
る。図7Aは、超音波内視鏡を収納する以前の状態を示
しており、図7Bは、超音波内視鏡が両面接着シール1
8に貼りついてしまった状態を示している。
【0025】その後、蓋体2をケース本体1に重ねるよ
うにして被せ、錠止部材13と錠止用釦14とで固定
し、把手4を持って移動、輸送する。したがって、超音
波内視鏡は外部の振動や衝撃から保護されながら、移
動、輸送される。移動、輸送後、収納ケースを開いて、
超音波内視鏡19を持ち上げると図7Cに示すように両
面接着シール18は持ち上げられ、さらに超音波内視鏡
19を持ち上げると、両面接着シール18は図7Dに示
すように開口17周辺の接着箇所20から剥がされ、開
口17との隙間から内腔の空気が漏れて収納ケースは潰
れた状態になる。したがって、収納ケースから超音波内
視鏡19を取り出した後は、収納ケースの処理、保管が
極めて容易になる。つまり、内視鏡の修理等における再
運搬時のような再使用する場合はコンパクトに潰した状
態で保管しておくことができるし、使い捨てにする場合
はコンパクトに潰した状態で廃棄すれば広い廃棄スペー
スをとることなく処理できる。
【0026】図8、図9は、図5〜図7の構成例と異な
り、開口を形成し両面接着シールを付着させる開閉部2
1を、ケース本体1に蓋体2を重ねるように閉じた場合
に接触する箇所に構成した構成例を示している。このよ
うに構成されているので、超音波内視鏡を収納ケースに
収納して蓋体2を閉じると、図9Aに示すように蓋体2
の一部は両面接着シール18に接着する。一方、使用目
的地で蓋体2を開けると図5〜図7の構成例と同様に、
開口17周辺の接着箇所20から剥がされ、開口17と
の隙間から内腔の空気が漏れて収納ケースは潰れた状態
になる。なお、収納ケースの実際の使用前において、両
面接着シール18と蓋体2との接着を防ぐためには両面
接着シール18より厚いスペーサをその回りに配設して
おけばよい。
【0027】図10は、本発明の第4実施例を示したも
ので、保温体5は2層構造のポリビニリデンフィルムで
形成されるとともに、保温体5には空気栓22が形成さ
れここから内側と外側のポリビニリデンフィルムの間に
気体を充填できるようになっている。さらに、保温体5
には液体栓23が形成されており、保温体内部に液体を
充填できるようになっている。そして、第1実施例のよ
うにケース本体1、蓋体2が独立して存在せず、使用前
には平らに潰して保管されている収納ケースに、空気栓
22を介して空気を内側と外側のポリビニリデンフィル
ムの間に空気を充填することによって、ケース本体、蓋
体を兼ねた保温体5を形成できるようになっている。他
の構成は第1実施例と同様である。
【0028】第4実施例はこのように構成されているの
で、超音波内視鏡を収納する以前、さらに超音波内視鏡
を取り出した後は、保温体5を平らに潰しておけるの
で、保管上あるいは処理上きわめて有利である。また、
超音波内視鏡を収納して移動、輸送する際は、2層構造
のポリビニリデンフィルムがエアクッションとなり超音
波内視鏡の保護を十分にでき、耐衝撃性耐振動性の向上
を図ることができる。他の効果については、第1実施例
と同様である。
【0029】図11、図12は、本発明の第5実施例を
示したもので、耐低温性の向上を図ったものである。図
11の断面図に示すように、蓋体2に設けてある保温体
5の表側に凹部25を形成し、ここに発熱体26とスイ
ッチ27を設ける。発熱体は空気中で酸化反応して発熱
する粉体、例えば使い捨てカイロに使用しているものを
気密性の袋の中に封入したものである。そして、図12
Aの部分拡大図に示すように保温体5と蓋体2との間に
固定されている。また、スイッチ27は鉛線により形成
し、一端を発熱体26の袋に固定し、他端を蓋体2に固
定している。なお、他の構成については、第1実施例と
同様となっている。
【0030】このように構成している本実施例は、周囲
温度が低くなるとスイッチ27が収縮し、発熱体26の
袋が図12Bに示すように引っ張られ、袋が破れてしま
う。すると発熱体26が直接空気に触れ、酸化還元反応
により発熱する。すると、発熱体26からの熱が保温体
5を通して内部の液体8に伝導されるので、液体8が凝
固する際の潜熱に加え、発熱体26の発熱によって温度
低下が妨げられる。したがって、超音波内視鏡が移動、
輸送中、低温環境にある時間が従来よりも長くなって
も、耐えうる時間を引き延ばすことができる。他の効果
については、第1実施例と同様である。
【0031】なお、この実施例において、スイッチには
鉛線を用いているが、これに限定されるものではなく、
亜鉛、アルミニューム、インジューム、銅、マグネシウ
ム等の熱膨張率の大きい金属や、合金を使用してもよ
い。また、スイッチには低温時に変形するようにした形
状記憶合金を使用してもよい。また、発熱体は一か所に
限定されず、数箇所にわたり設けるようにしてもよいこ
とはいうまでもない。
【0032】本発明は、以上の実施例の他に以下のよう
な実施態様をとることもできる。 (1) 内視鏡を定位置に密閉収納し、移動、輸送する内視
鏡用収納ケースにおいて、前記内視鏡用収納ケースに、
前記内視鏡が低温損傷を受ける温度よりも高い温度に融
点を持つ液体を液密な保温体に封入し、この保温体を前
記内視鏡用収納ケースを形成するケース本体及び蓋体に
配設した内視鏡用収納ケース。したがって、極端に低温
の環境にさらされることになっても、音響媒体が凍結し
気泡が混入してしまったり、音響媒体の変性を引き起こ
し超音波診断の際に超音波画像の質の低下を招くような
ことを防止できる。また、音響媒体の凍結時の体積変化
によって、超音波トランスデューサが損傷を招くことも
防止できる。 (2) 前記内視鏡のうち少なくとも超音波プローブの音響
窓が位置する部位に超音波伝達媒体よりも融点の高い液
体を封入した保温体を配設した内視鏡用収納ケース。し
たがって、移動、輸送中に最も損傷を受け易い超音波内
視鏡の先端部の保護をより十分に行うことができ、耐振
動性、耐衝撃性の向上を図ることができる。また、重量
がかさむ原因となる媒体は、ケース本体の一部箇所にの
み保温体を介して配設されることになるので、ケース本
体及び蓋体の全体にわたって液体が配設される場合に比
較して、収納用ケースの軽量化を図ることができる。 (3) 前記超音波伝達媒体よりも融点の高い液体を、液密
でかつ膨縮自在な袋に封入して保温体とした前記(1) 、
前記(2) 記載の内視鏡用収納ケース。したがって、ケー
ス本体、蓋体に配設使用しない場合は、液体を抜いて平
らに潰して保管することができ保管スペースを減少させ
ることができる。 (4) 前記保温体は気体を充填することにより膨張する2
層構造で、かつ前記ケース本体及び蓋体を兼用させた本
体の内部に液体を充填できるように構成した内視鏡用収
納ケース。したがって、超音波内視鏡を収納する以前、
さらに超音波内視鏡を取り出した後は、保温体を平らに
潰しておけるので、保管上あるいは処理上きわめて有利
である。また、超音波内視鏡を収納して移動、輸送する
際は、2層構造の本体がエアクッションとなり超音波内
視鏡の保護を十分にでき、耐衝撃性、耐振動性の向上を
図ることができる。 (5) 前記保温体に隣接して、低温時にスイッチ動作によ
って発熱するように構成された発熱体を設けた内視鏡用
収納ケース。したがって、周囲温度が低くなるとスイッ
チが収縮し、発熱体の袋が引っ張られ、袋が破れ発熱体
が直接空気に触れ、酸化還元反応により発熱する。する
と、発熱体からの熱が保温体を通して内部の液体に伝導
されるので、液体が凝固する際の潜熱に加え、発熱体の
発熱によって温度低下を妨げられる。これにより、移
動、輸送中の低温環境にある時間が従来よりも長くなっ
ても、耐えうる時間を引き延ばすことができる。
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、超音波内
視鏡が収納ケース内に定置固定されて移動、輸送される
ので、振動、衝撃から保護される。また、超音波内視鏡
或いは特に超音波探触子周囲に超音波伝達媒体の融点よ
りも高い融点の液体を封入してあるので、音響媒体の凍
結を防止できる。したがって、移動、輸送中に低温環境
におかれても凍結にともなう気泡混入や変性、超音波ト
ランスデューサの破損を防止でき安全な移動、輸送を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る収納ケースの断面図
である。
【図2】本発明の第2実施例に係る収納ケースの斜視図
である。
【図3】本発明の第2実施例に係る保温体の部分斜視
図、保温体の使用状態図、収納ケースの斜視図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る保温体の部分斜視図
である。
【図5】本発明に関連する構成例の斜視図である。
【図6】同じく断面図である。
【図7】同じく部分断面における動作説明図である。
【図8】本発明に関連する他の構成例の斜視図である。
【図9】同じく部分断面における動作説明図である。
【図10】本発明の第4実施例に係る断面図である。
【図11】本発明の第5実施例に係る断面図である。
【図12】同じく部分断面における動作説明図である。
【図13】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ケース本体 2 蓋体 3 蝶番 4 把手 5 保温体 6 保護体 7 収納用溝 8 アリニン(液体)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 A61B 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡を定位置に密閉収納し、移動、輸
    送する内視鏡用収納ケースにおいて、 前記内視鏡用収納ケースに、前記内視鏡が低温損傷を受
    ける温度よりも高い温度に融点を持つ液体を封入したこ
    とを特徴とする内視鏡用収納ケース。
JP15880394A 1994-07-11 1994-07-11 内視鏡用収納ケース Expired - Fee Related JP3349263B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15880394A JP3349263B2 (ja) 1994-07-11 1994-07-11 内視鏡用収納ケース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15880394A JP3349263B2 (ja) 1994-07-11 1994-07-11 内視鏡用収納ケース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0824210A JPH0824210A (ja) 1996-01-30
JP3349263B2 true JP3349263B2 (ja) 2002-11-20

Family

ID=15679701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15880394A Expired - Fee Related JP3349263B2 (ja) 1994-07-11 1994-07-11 内視鏡用収納ケース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3349263B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4887551B2 (ja) * 2000-07-03 2012-02-29 株式会社ブリヂストン 太陽電池用バックカバー材兼用封止膜及び太陽電池
JP4733927B2 (ja) * 2004-03-25 2011-07-27 オリンパス株式会社 内視鏡用収納ケース及び内視鏡装置
JP2010057542A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡用収納ケース
JP5330868B2 (ja) * 2009-03-11 2013-10-30 興和株式会社 ゲル剤加熱装置
GB2538066B (en) * 2015-04-30 2017-06-21 Keymed (Medical & Ind Equipment) Ltd Transportation container for a medical device
JP7214367B2 (ja) * 2018-05-30 2023-01-30 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 超音波プローブ用キャリングケース

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0824210A (ja) 1996-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3349263B2 (ja) 内視鏡用収納ケース
CA2458840A1 (en) Catheter assembly
KR20010032408A (ko) 콘테이너
JP2023165814A (ja) 臓器収容容器
JP2001148186A (ja) 耐衝撃ディスク装置
CN106798575A (zh) 医用保护套
JP3494014B2 (ja) インクカートリッジ
CN207152604U (zh) 医用保护套
EP4132273A1 (en) A shock absorbing device to protect cryopreserved biological material
JP2982540B2 (ja) 固体ロケットモータ
JP6946777B2 (ja) 細胞保存容器
JP4535577B2 (ja) 医療器具包装体
JP2010157627A (ja) モバイル装置用エアバッグシステム
JP2570105B2 (ja) 密閉室のドアーシール構造
US20220202007A1 (en) Organ container
JP2009113822A (ja) 保冷保温容器
JP2024071038A (ja) 車両
JP3225195U (ja) リレーアタック防止用キーケース
KR101925145B1 (ko) 보호 케이스
JP7082377B2 (ja) 凍結保存容器
JP3150573B2 (ja) 保冷箱
JP3103515B2 (ja) 血液保温箱及びこの箱に使用する保温剤
JPH0323226Y2 (ja)
JP3079250B2 (ja) バッフル・遮音装置
WO2021002906A1 (en) Systems and methods for a compressible pouch

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020827

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees