JP3348926B2 - 粘着シート積層体 - Google Patents

粘着シート積層体

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JP3348926B2 JP19921793A JP19921793A JP3348926B2 JP 3348926 B2 JP3348926 B2 JP 3348926B2 JP 19921793 A JP19921793 A JP 19921793A JP 19921793 A JP19921793 A JP 19921793A JP 3348926 B2 JP3348926 B2 JP 3348926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は粘着シート積層体に係
り、その目的は二枚の粘着シートを互いの粘着剤層同士
で貼り合わせて仮着させておいても、相互の粘着剤層が
互いに一体化してしまうことがなく、しかも被着面への
固定の際にはこれら二枚の粘着シートを容易に剥離して
分離させることができ、さらに被着体への接着性や製造
効率等にも優れた粘着シート積層体の提供にある。
【0002】尚、この明細書中、架橋分率とはテトラヒ
ドロフラン(以下、THFと略す)を溶媒として用い
て、次の測定法によって得られる値を指す。すなわち、
粘着剤組成物をガラス板上に塗工し(ウエット膜厚10
0μm)、乾燥後、塗工した組成物をナイフで掻き取っ
て、THF溶媒中に20℃で一週間浸漬して生じた不溶
解分重量から、次式(数1)に基づいて算出して得られ
る値をいう。
【数1】 A:THF中に浸漬させた乾燥粘着剤組成物の重量 B:THF不溶解分重量
【0003】
【従来の技術】二枚の粘着シートを剥離紙を用いずに、
互いの粘着剤層同士を貼り合わせて仮着させておき、使
用時にそれぞれの粘着シートを剥離させて使用する粘着
シート積層体は、接着作業性が良好であるとともに、剥
離紙を使用していないため使用後に紙屑が生じず、環境
保全や省資源化が叫ばれている時代要請に即応すること
ができるなど優れた利点を有している。ところが、通常
の粘着シートでは、二枚の粘着剤層をそのまま互いに貼
り合わせると、経時的或いは圧力付与時、高温時等にお
いて、それぞれの粘着剤層が部分的又は全面的に一体化
してしまう、いわゆるブロッキング状態が生じてしま
い、使用時に二枚の粘着シートを分離することができな
いという問題が存在した。
【0004】そこで、このような問題点を改善する技術
として、特開平5−64858号公報にて「ダブル粘着
シート」が開示されている。この開示技術は、図2にそ
の構造を示すように、シート(s)の裏面に粘着剤被覆
部分(n)と、離型剤被覆部分(r)とを有する二枚の
粘着シートを、それぞれ互いの粘着剤被覆部分(n)同
士が重なり合わないよう貼り合わせたもので、粘着剤被
覆部分(n)同士の仮着がないために、貼り合わせによ
るブロッキングが生じず、使用時には容易に二枚のシー
ト(s)を剥離分離することのできる「ダブル粘着シー
ト」であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した既開示技術
は、粘着シート使用時に剥離紙等による紙屑が生じず、
環境保護、省資源化という時代要請に即応することので
きる優れた技術ではあったが、製造時に粘着シートの粘
着剤被覆部分(n)が重なり合わないように位置決めす
る作業が煩雑で、しかも粘着剤層をシートの片面に塗布
する際には、精密な塗布精度が要求されるなど、粘着シ
ートの製造にかなりの手間がかかるという課題が存在し
た。さらに、この開示技術では、粘着剤被覆部分(n)
がシート(s)の片面に部分的に設けられる構成とされ
ているため、被着体への固定に必要な粘着剤被覆(n)
の面積が、被着体面積よりもかなり小さくなり、被着体
に対する接着性が劣ってしまうという課題も存在した。
しかも、粘着剤が部分的にしか設けられていないため
に、シート(s)の端部では接着力が極めて弱くなり、
被着体への固定後に粘着シート(s)が端部から浮き上
がる等の現象が生じる、或いはシートによっては貼り付
け後に粘着剤が設けられている部分と、粘着剤が設けら
れていない部分とに段差が生じてしまい、貼り付け固定
後のシート表面の美観を損ねてしまうという課題も存在
した。
【0006】そこで、業界ではこのような実情に鑑み、
精密な位置決めや塗布精度等が必要とされず、簡便に製
造することができるとともに二枚の粘着シートを、それ
ぞれ互いの粘着剤層同士を貼り合わせて仮着しておいて
も、ブロッキング等を起こして一体化してしまうような
ことがなく、使用時には二枚の粘着シートを容易に分離
剥離することができるとともに、被着体への接着性やシ
ートの耐久性等に優れるなど、製造性、使用性、環境保
全性に優れた粘着シート積層体の創出が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明では、基材の片
面に粘着剤層が設けられてなる粘着シートが二枚積層さ
れ、この二枚の粘着シートは互いの粘着剤層同士が貼り
合わされて仮着されてなるとともに前記粘着剤層は加熱
乾燥後の架橋分率が50重量%以上とされ、且つ重量平
均分子量が30万〜300万の範囲内である高分子量の
アクリル系粘着剤と、重量平均分子量が2000〜10
万の範囲内である低分子量のアクリル系粘着剤とを、そ
れぞれ100:1〜100の割合で混合したアクリル系
粘着剤からなることを特徴とする粘着シート積層体、
び基材の片面に粘着剤層が設けられてなる粘着シートが
二枚積層され、この二枚の粘着シートは互いの粘着剤層
同士が貼り合わされて仮着されてなるとともに前記粘着
剤層は加熱乾燥後の架橋分率が50重量%以上とされ、
且つ2000〜10万の範囲内での分子量分布を有する
粘着剤を合成して架橋処理をしたアクリル系粘着剤から
なることを特徴とする粘着シート積層体を提供すること
により、上記従来の課題を悉く解消する。
【0008】
【発明の構成】以下、この発明に係る粘着シート積層体
の構成を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に
係る粘着シート積層体(1)の一実施例を示す断面図で
ある。図中(2)は基材、(3)は粘着剤層である。図
示する如く、この発明では基材(2)の片面に粘着剤層
(3)が設けられてなる粘着シート(10)が二枚積層
されている。この二枚の粘着シート(10)・(10)
はそれぞれ互いの粘着剤層(3)同士で貼り合わされて
仮着されている。
【0009】この発明において、基材(2)としては特
に限定はされず、例えば紙、合成紙、ポリエステルフィ
ルム、塩化ビニルフィルム等適宜任意のものが好適に使
用される。また、基材(2)の形状や大きさ等も特に限
定はされない。基材(2)の厚みについても、粘着シー
ト(10)の使用目的や使用場所等に応じて適宜任意の
厚みのものを使用すればよいが、より好ましくは0.0
2〜5mm程度の厚みのものを使用することが、製造性
の面から望ましい。
【0010】以上のような基材(2)の片面、より詳し
くは基材(2)の裏面に粘着剤層(3)が設けられる。
ここで、粘着剤層(3)としては、加熱乾燥後の架橋分
率が50重量%以上で、且つ重量平均分子量が30
300万の範囲内である高分子量のアクリル系粘着剤
と、重量平均分子量が2000〜10万の範囲内である
低分子量のアクリル系粘着剤とを、それぞれ100:1
〜100程度の割合で混合したり、或いは2000〜1
0万の範囲内での分子量分布を有する粘着剤を合成し、
適度に架橋処理をすることによって得られるものが、こ
の発明においては特に限定されることなく好適に使用で
きる。
【0011】さらに、この発明において、粘着剤層
(3)として特に加熱乾燥後の架橋分率を50重量%以
上としたのは、架橋分率が50重量%未満であると、粘
着剤層(3)が柔らかくなりすぎて、粘着剤層(3)同
士を貼り合わせて仮着した際に、二枚の粘着シート(1
0)同士が一体化してしまったり、或いは使用時、二枚
の粘着シート(10)を分離剥離する際に大きな剥離力
を要するため、使用性、作業性が劣ってしまうため、い
ずれの場合も好ましくないからである。
【0012】加熱乾燥後の架橋分率を50重量%以上と
し、且つ重量平均分子量が30万〜300万の範囲内で
ある高分子量のアクリル系粘着剤と、重量平均分子量が
2000〜10万の範囲内である低分子量のアクリル系
粘着剤とを、それぞれ100:1〜100程度の割合で
混合したり、或いは2000〜10万の範囲内での分子
量分布を有する粘着剤を合成し、適度に架橋処理をした
アクリル系粘着剤を基材(2)の片面に塗設して粘着剤
層(3)とすることにより、粘着剤層同士を貼り合わせ
た際に、相互の粘着剤層が互いに表面でブルームし、且
つ低分子量であるために凝集力が弱く、この層で凝集力
が破壊されてしまうため、容易に剥離して分離させるこ
とが可能となり、しかも分離後の粘着剤層(3)に適度
な接着力を発現させることができることが、この発明者
らの鋭意研究により見い出された。
【0013】また、この発明において、粘着剤層(3)
として使用するアクリル系粘着剤としては、溶剤溶液型
又は水分散型のいずれであってもよく、特に限定はされ
ない。具体的には、アクリル酸ブチルのような炭素数4
〜12のモノマーを主モノマーとし、副モノマーとして
は、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸ブチル、又はスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、メタクリル酸イソブチル、N−ビニルピロリド
ン、メタクリル酸グリシジル等を、また架橋成分や改質
成分として使用する極性基含有モノマーとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基
含有モノマー、アクリル酸−2ヒドロキシエチル等のヒ
ドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド等を使用し
て得られるアクリル系粘着剤が好適に使用できる。
【0014】溶剤溶液型の場合では、前記モノマーを用
いて重合を行なえばよく、具体的には架橋成分を有する
重量平均分子量が30〜300の範囲とされる高分
子量ポリマーを重合連鎖移動の小さい系で合成し、且つ
重量平均分子量が2000〜10万の範囲とされる低分
子量ポリマーを重合連鎖移動の大きい系で合成し、得ら
れたそれぞれのポリマーを適当量混合して架橋反応剤を
添加し、粘着剤層(3)としてもよい。尚、この場合、
混合する低分子量のポリマーと高分子量のポリマーとの
組成は同じであっても、或いは異なっていても良く、特
に限定はされない。また、上記したような粘着剤層を基
材(2)に塗設して、粘着シート(10)を形成させる
場合には、得られたポリマーを直接基材(2)に塗設、
乾燥させて粘着シート(10)としても、或いは別の離
型基材に粘着剤を塗設、乾燥させた後、所定の基材
(2)に転写して粘着シート(10)を形成してもいず
れでもよく、特に限定はされない。
【0015】さらに他の方法としては、一液に合成する
方法が例示され、重合連鎖移動が中位の重合系にて合成
したり、或いは重合途中で重合条件を変更した二系の方
法にて低分量分と高分子量分が適度に分布する粘着剤を
調製し、前記同様に基材(2)に塗設して粘着シート
(10)とする方法が例示される。尚、重合連鎖移動は
用いる有機溶媒の種類、重合温度、重合開始剤量、モノ
マー濃度、添加剤などにより適宜変化させることができ
る。また、架橋反応剤としては、架橋成分と反応性のあ
る多価架橋反応剤が用いられ、通常、ポリマー中の架橋
成分がカルボキシル基の場合では多価エポキシ化合物、
多価イソシアネート化合物、多価メラミン化合物、金属
キレート化合物等を、また架橋成分がヒドロキシル基の
場合は多価イソシアネート化合物、金属キレート化合物
等を特に限定することなく用いることができる。
【0016】また水分散型の場合でも、前記溶剤溶液型
の場合と同様に、高分子量と低分子量とのそれぞれの分
子量分布を有するポリマーを混合する方法や、或いは特
定の分子量分布を有するポリマーを一度に合成する方法
等が適宜任意に採用できる。この場合、媒体としては水
が使用され、乳化剤としてはノニオン系、アニオン系い
ずれもよく、また併用系でもよいし、共重合性の乳化剤
を用いてもよく、特に限定はされない。さらに重合開始
剤としても、硫酸塩や水溶性有機ラジカル重合開始剤を
用いてもよい。この場合には、多官能(メタ)アクリル
化合物や共重合性のシラン化合物を加えて重合中に架橋
性を施してもよい。また得られた水分散型粘着剤に架橋
成分と反応性の水溶性又は水分散性の架橋反応剤を用い
た時、架橋剤として、例えば水溶性のメラミン、水分散
型の多価イソシアネート等が用いられる。他の粘着剤形
成方法としては、紫外線や圧力によるポリマーの重合や
架橋方法等も好適に例示することができる。尚、これら
粘着剤中へ顔料、染料、充填剤、発泡剤、粘度調節剤等
を適宜添加してもよい。
【0017】以上のような粘着剤を基材(2)の片面全
面に、或いは部分的に塗設して粘着シート(10)を形
成する。粘着剤の塗設方法としては特に限定はされず、
例えばフレキソ印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン
等の公知の方法が好適に使用される。また、粘着剤層
(3)の塗工厚としては、特に限定はされないが、0.
02〜0.2mm程度の範囲とされるのが、接着作業性
の面から好ましい。尚、基材(2)と粘着剤層(3)と
の接着性が劣る場合は、粘着剤層(3)を塗設する前
に、基材(2)の表面に下塗り等の処理を加えるのが好
ましい。この発明ではこのような粘着シート(10)
を、二枚、それぞれ粘着剤層(3)同士を貼り合わせて
仮着させ、粘着シート積層体(1)が形成される。この
粘着シート積層体(1)においては、粘着剤層(3)同
士を貼り合わせておいても、一方の粘着剤層(3)が他
方へ移ったり、或いは二枚の粘着シート(10)同士が
一体化して、ブロッキングを生じることがない。しか
も、被着体へ固定する際には、これら貼り合わされた二
枚の粘着シート(10)を容易に剥離して分離させるこ
とができ、そのうえ、分離後の粘着剤層(3)には被着
体へ固定させるに充分な接着力が発現される。
【0018】
【実施例】以下、この発明に係る粘着シート積層体を実
施例を挙げて一層詳細に説明する。但し、この発明は以
下の実施例により何ら限定されるものはない。
【0019】(実施例1)アクリル酸ブチル90重量
部、メタクリル酸10重量部、酢酸エチル186重量
部、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を窒素導
入口、攪拌器、温度系付きのフラスコに投入、混合し、
約2時間室温で攪拌した後、50℃にて8時間攪拌し続
けて、重量平均分子量が85万とされる高分子量分のポ
リマー液を得た。次にアクリル酸ブチル90重量部、メ
タクリル酸10重量部、イソプロピルアルコール50重
量部、アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部を同時
に室温で攪拌した後70℃にて6時間攪拌し続けて、重
量平均分子量が1万6000とされる低分子量のポリマ
ー液を得た。この高分子量分のポリマー液260重量部
と低分子量分のポリマー液20重量部及び多価エポキシ
化合物0.08重量部を加えて粘着剤液とし、この粘着
剤を表面下塗り処理を施したポリエステルフィルム基材
(厚さ0.025mmに、乾燥後の粘着剤層の厚さが5
0μmになるよう塗布し、80℃で5分乾燥して粘着シ
ートを得た。別に同様の粘着シートを作製し、これらを
50℃で7日エージングした後、それぞれの粘着剤層同
士を貼り合わせて仮着し、実施例1の粘着シート積層体
とした。
【0020】(実施例2)アクリル酸ブチル90重量
部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル10重量部、ベン
ゼン100重量部、過酸化ベンゾイル0.05重量部を
前記実施例1と同様のフラスコに投入、混合し、実施例
1と同様に室温で攪拌した後、70℃で2時間保ち、そ
の後、過酸化ベンゾイル0.45重量部及びトルエン1
00重量部を加えて70℃にてさらに8時間保ち、重量
平均分子量が45万とされるポリマー液を得た。この粘
着剤液100重量部に多価イソシアネート化合物1重量
部を加えた後、ポリ塩化ビニルを主成分とする塩化ビニ
ルタイル基材(厚さ3mm)の裏面に、粘着剤層の厚さ
が50μmとなるように塗布し、80℃で5分乾燥して
粘着シートを得た。別に同様の粘着シートを作製し、こ
れらを50℃で7日エージングした後、二枚の粘着剤層
同士を貼り合わせて仮着させ、実施例2の粘着シート積
層体とした。
【0021】(実施例3)温度計、還流冷却器、窒素導
入口及び攪拌器を付したフラスコに脱イオン水22.5
重量部を混入した後、このフラスコ内に、下記の組成を
有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマー液と共重
合性の不飽和基を有する非イオン系界面活性剤の全量を
投入、混合し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、40℃ま
で昇温した。重合開始剤として、2,2’−アゾビス
〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕ジハイドロク
ロライド0.12重量部を添加し、50℃に8時間保持
し、さらに60℃で3時間保持して重合した後、室温ま
で冷却し、250メッシュのナイロン紗で濾過してポリ
マーエマルジョン液を得た。このエマルジョン液を厚さ
3mmの塩化ビニルタイルの裏面に、乾燥後の粘着剤層
の厚さが50μmになるようにバーコーターにて塗布、
乾燥して粘着シートを得た。別に同様の粘着シートを作
製し、二枚の粘着剤層同士をそれぞれ貼り合わせて仮着
し、実施例3の粘着シート積層体とした。(メタ)アクリル酸エステル系モノマー液 アクリル酸ブチル 212.5 重量部 アクリロニトリル 25 重量部 アクリル酸ヒドロキシエチル 12.5 重量部 トリメチロールプロパン トリアクリレート 0.05重量部共重合性非イオン系界面活性剤 界面活性剤(HLB17) 8 重量部 メタノール 35 重量部
【0022】(比較例1)実施例1の粘着剤液におい
て、高分子量分のポリマー液140重量部と低分子量の
ポリマー液110重量部及び多価エポキシ化合物を0.
12重量部とした以外は全て実施例1と同様に調製した
粘着剤液を、前記実施例1と同様の基材に同様に塗設し
て粘着シート二枚を作製し、それぞれ粘着剤層同士を貼
り合わせて仮着し、比較例1の粘着シート積層体とし
た。
【0023】(比較例2)実施例1の粘着剤液におい
て、イソプロピルアルコール量を200重量部とした以
外は全て実施例1と同様に調製した粘着剤液を、実施例
1と同様の基材に同様に塗布して、二枚の粘着シートを
作製し、それぞれ粘着剤層同士を貼り合わせて仮着し、
比較例2の粘着シート積層体とした。尚、この低分子量
分の重量平均分子量は4000であった。
【0024】
【試験例】前記実施例1〜3、及び比較例1〜2で得ら
れた粘着シート積層体について、それぞれ、架橋分率
(%)、 剥離分離性能、 接着力の各項目について試
験した。尚、各試験項目は以下のように行い、この結果
を表1に示した。
【表1】
【0025】架橋分率(%) 粘着剤組成物をガラス板上に塗工し(ウエット膜厚10
0μm)、乾燥後、塗工した組成物をナイフで掻き取っ
て、THF溶媒中に20℃で一週間浸漬して生じた不溶
解分重量から、次式(数2)に基づいて算出して得られ
る値。
【数2】 A:THF中に浸漬させた乾燥粘着剤組成物の重量 B:THF不溶解分重量
【0026】剥離分離性能 50℃で7日間放置後の粘着シート積層体を、それぞれ
端部より引き剥し、粘着剤層同士の界面で支障なく剥離
分離することができた場合を〇、支障があれば×と評価
した。接着力(g/cm) ステンレス板に剥離分離させた粘着シート片(2cm
幅)を貼り付け、1日経過後にテンシロン(300mm
/分)でT型剥離し、その引き剥し力を測定して接着力
とした。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は基材の片
面に粘着剤層が設けられてなる粘着シートが二枚積層さ
れ、この二枚の粘着シートは互いの粘着剤層同士が貼り
合わされて仮着されてなるとともに前記粘着剤層は加熱
乾燥後の架橋分率が50重量%以上とされ、、且つ重量
平均分子量が30万〜300万の範囲内である高分子量
のアクリル系粘着剤と、重量平均分子量が2000〜1
0万の範囲内である低分子量のアクリル系粘着剤とを、
それぞれ100:1〜100の割合で混合したアクリル
系粘着剤からなることを特徴とする粘着シート積層体
及び基材の片面に粘着剤層が設けられてなる粘着シート
が二枚積層され、この二枚の粘着シートは互いの粘着剤
層同士が貼り合わされて仮着されてなるとともに前記粘
着剤層は加熱乾燥後の架橋分率が50重量%以上とさ
れ、且つ2000〜10万の範囲内での分子量分布を有
する粘着剤を合成して架橋処理をしたアクリル系粘着剤
からなることを特徴とする粘着シート積層体であるか
ら、前記試験例の結果からも明らかな如く、二枚の粘着
シートを互いの粘着剤層同士で貼り合わせて仮着させて
おいても、相互の粘着剤層が互いに一体化してしまうこ
とがなく、しかも使用時にはこれら二枚の粘着シートを
容易に剥離して分離させることができ、さらに被着体へ
の接着性やシートの耐久性等に優れるなど、製造性、使
用性、環境保全性に優れた粘着シート積層体となる効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る粘着シート積層体の一実施例を
示す断面図である。
【図2】従来の粘着シート積層体の一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 粘着シート積層体 10粘着シート 2 基材 3 粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/30 B32B 7/10 C09J 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に粘着剤層が設けられてなる
    粘着シートが二枚積層され、この二枚の粘着シートは互
    いの粘着剤層同士が貼り合わされて仮着されてなるとと
    もに前記粘着剤層は加熱乾燥後の架橋分率が50重量%
    以上とされ、且つ重量平均分子量が30万〜300万の
    範囲内である高分子量のアクリル系粘着剤と、重量平均
    分子量が2000〜10万の範囲内である低分子量のア
    クリル系粘着剤とを、それぞれ100:1〜100の割
    合で混合したアクリル系粘着剤からなることを特徴とす
    る粘着シート積層体。
  2. 【請求項2】 基材の片面に粘着剤層が設けられてなる
    粘着シートが二枚積層され、この二枚の粘着シートは互
    いの粘着剤層同士が貼り合わされて仮着されてなるとと
    もに前記粘着剤層は加熱乾燥後の架橋分率が50重量%
    以上とされ、且つ2000〜10万の範囲内での分子量
    分布を有する粘着剤を合成して架橋処理をしたアクリル
    系粘着剤からなることを特徴とする粘着シート積層体。
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