JP3348633B2 - 海水冷却水系統機器の定電位外部電源方式による防食方法および電気防食装置 - Google Patents

海水冷却水系統機器の定電位外部電源方式による防食方法および電気防食装置

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JP3348633B2
JP3348633B2 JP24866597A JP24866597A JP3348633B2 JP 3348633 B2 JP3348633 B2 JP 3348633B2 JP 24866597 A JP24866597 A JP 24866597A JP 24866597 A JP24866597 A JP 24866597A JP 3348633 B2 JP3348633 B2 JP 3348633B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、火力発電所や化
学工場などで使用される水質悪化した海水を用いて冷却
するために防食管理電圧を維持するに必要な防食電流が
暫時増加して定電位直流電源装置の最大出力電流値を越
えてしまう耐食性金属を含む複数の異種金属から構成さ
れる海水冷却水系統機器(例えば、復水器、熱交換器、
海水取水口スクリーン、ボール捕集器等)の定電位外部
電源方式による電気防食方法及び電気防食装置に関する
ものであり、特に現に使用されている海水冷却水系統機
器に備えられている定電位外部電源方式電気防食装置の
防食電流の通電を制御することにより効率良く電気防食
を行う方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来の復水器は、図4の断面図
に見られるように、復水器10の冷却管11にはチタン
合金が使用されており、海水冷却水系統機器の主要部に
は海水中でほぼ完全な耐食性を示す金属が使用されるこ
とが多い。しかし一方で、復水器10の管板12にはネ
ーバル黄銅などの銅合金が、また、復水器の水室13に
は表面にゴムライニングや防食塗装16を施した鋼板1
7などの海水中であまり耐食性を示さない金属が使用さ
れている。図4において1は定電位直流電源装置、14
は鉛銀電極或はチタン白金電極からなる耐久性電極また
は鉄電極、15は塩化銀または亜鉛等からなる照合電極
である。この従来の復水器においてゴムライニング16
が健全である間は問題はないが、ゴムライニング16が
劣化して破損すると、鋼板17と冷却管のチタン合金ま
たは管板12の銅合金と冷却管のチタン合金という異種
金属の接触が起こり、それにより腐食が起こる。この腐
食を防止するために防食電流を流して腐食を阻止してい
るが、チタン合金が電気防食により過度に分極されると
水素脆化が起こるところから、復水器には常に防食管理
電位(防食に必要な範囲の電位)を保つように防食電流
を自動的に制御する定電位外部電源方式電気防食装置が
取り付けられている。
【0003】同様に、ボール捕集器(図示せず)の胴体
部分には表面にゴムライニングや防食塗装を施した鋼板
などの海水中であまり耐食性を示さない金属が使用され
るので、ボール捕集器のゴムライニング等が劣化した胴
体部分は高級ステンレス鋼で構成した捕集格子との接触
により鋼とステンレス鋼との異種金属接触腐食が起こ
る。この高級ステンレス鋼で構成した捕集格子は過度に
分極されると水素脆性割れを起こすおそれがあるので厳
密な防食電位の管理が必要であることから、かかるボー
ル捕集器には常に防食管理電位を保つように防食電流を
自動的に制御する定電位外部電源方式電気防食装置が取
り付けられている。
【0004】一般に、複数の異種金属から構成される構
造物を防食するために必要な防食電流は、金属の種類ご
との防食対象面積と金属単位面積当たりに必要な防食電
流密度との積によって求めた防食電流の和で求めること
ができる。チタン合金や高級ステンレス鋼などの耐食性
金属と黄銅や鋼などの耐食性に劣る金属を含む複数の異
種金属で構成される復水器やボール捕集器などの海水冷
却水系統機器にも、上記計算で求めた防食電流を供給す
るに十分な容量をもった定電位電気防食装置が設置され
るが、耐食性金属は海水中で不動態皮膜と呼ばれる電気
抵抗が非常に高い酸化皮膜を表面に形成するので防食電
流は僅かで済み、かかる耐食性金属を含まない海水冷却
水系統機器よりも電気防食装置の防食電流容量をかなり
小さく設計することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら耐食性金属を含
む複数の異種金属で構成された海水冷却水系統機器は、
東京湾や大阪湾或いは伊勢湾などの沿岸に建設された火
力発電所や化学工場などに設置されているが、大都市を
ひかえた東京湾や大阪湾或いは伊勢湾などでは海水の水
質悪化が激しく、東京湾や大阪湾或いは伊勢湾などの沿
岸に建設された火力発電所や化学工場などの耐食性金属
を含む複数の異種金属で構成された海水冷却水系統機器
の冷却水には水質悪化した海水を使用しなければならな
い。しかし、水質悪化した海水を冷却水として使用する
と、海水の水質悪化に伴い防食に必要な電流が激増し
て、従来の設計に基づく電気防食装置の電流容量では防
食電流が不足して防食管理電位を維持できず、一部には
腐食が発生しているケースもみられる。本発明者等が分
極試験を行った結果では、かかる海水冷却水系統機器に
必要な防食電流は従来の設計値の数倍から十数倍にも達
する場合があることが判明した。
【0006】現に使用されている海水冷却水系統機器に
備えられている既設の定電位外部電源方式電気防食装置
から供給される防食電流と防食電位との関係をグラフに
示すと図3のようになる。防食電流が増加して、防食電
流が定電位直流電源装置の最大出力電流値の170Aに
達すると、既設の電気防食装置の容量からしてこれ以上
防食電流を増加することはできなくなると同時に防食電
位が電位設定値の−600Vよりも貴に移行し、防食電
位が防食管理電位の下限の−450Vを外れると、「電
位不足」警報が出てしまう。すなわち、通電開始当初は
少ない防食電流でも防食管理電位の範囲内の電位設定値
が確保されているのであるが、防食電流が暫時増加して
定電位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしまい、
防食電流不足となると電位設定値から外れて貴に移行
し、さらに貴に移行して防食管理電位を維持できない状
態になることが分かったのである。既設の電気防食装置
を数倍から十数倍もの容量の電気防食装置に交換すれ
ば、図3の二点鎖線Aに示されるように防食電流を増加
して防食管理電位を維持することができるが、既設の電
気防食装置を数倍から十数倍もの容量の電気防食装置に
交換するとなれば膨大な費用を要するばかりでなく、海
水冷却水系統機器本体に電極装置等を多数増設するなど
の大規模な改造を行わなければならないという困難な問
題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、現
に使用されている海水冷却水系統機器に備えられている
既設の定電位外部電源方式電気防食装置をそのまま使用
してこれら困難な問題を解決すべく試験研究を行った結
果、 (イ)防食管理電位を維持するために、防食電流を暫時
増加していくが、防食電流がある程度増加した後に一定
時間通電を停止して再び通電を再開すると、防食電位を
維持するために必要な防食電流は通電停止前よりも大幅
に減少し、その後再び防食電流が暫時増加すること、 (ロ)これにより防食電流通電開始時から防食電流が暫
時増加して所定の電流値に達するまでの時間を予め計測
しておき、通電開始後この計測した時間経過時に通電を
停止し、通電停止から所定時間経過後に防食電流の通電
を再開する手順を繰り返すことにより、防食管理電位を
維持することができること、 (ハ)防食電流が定電位直流電源装置の最大出力電流値
以下の所定の電流値に達した時に、防食電流の通電を停
止して所定時間放置した後に再び通電を開始する手順を
繰り返すと防食管理電位を維持することができること、
(ニ)防食電流が定電位直流電源装置の最大出力電流値
に達した時に通電を停止して所定期間経過後に再び通電
を開始する手順を繰り返した場合にも防食管理電位を維
持することができること、 (ホ)防食電流の増加に伴う防食電流の不足により海水
冷却水系統機器の防食電位が防食管理電位を外れる前に
通電を停止し、通電停止から所定時間経過後に防食電流
の通電を再開しても良いこと、 (ト)前記通電を停止する時間は30分〜3時間の範囲
内で十分であること、などが判明したのである。
【0008】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、 (1)水質悪化した海水を用いて冷却するために防食管
理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加して定電
位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしまう耐食性
金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷却水系統
機器を防食する定電位外部電源方式による電気防食方法
において、 防食電流が増加して定電位直流電源装置の最大出力電流
値以下の所定の電流値に達したときに通電を停止し、通
電停止から所定時間経過後に防食電流の通電を再開する
手順を繰り返す定電位外部電源方式による海水冷却水系
統機器の電気防食方法、 (2)水質悪化した海水を用いて冷却するために防食管
理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加して定電
位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしまう耐食性
金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷却水系統
機器を防食する定電位外部電源方式による電気防食方法
において、防食電流が増加して定電位直流電源装置の最
大出力電流値に達したときに通電を停止し、通電停止か
ら所定時間経過後に防食電流の通電を再開する手順を繰
り返す定電位外部電源方式による海水冷却水系統機器の
電気防食方法、 (3)水質悪化した海水を用いて冷却するために防食管
理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加して定電
位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしまう耐食性
金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷却水系統
機器を防食する定電位外部電源方式による電気防食方法
において、防食電流の増加に伴う防食電流の不足により
海水冷却水系統機器の防食電位が防食管理電位を外れる
前に通電を停止し、通電停止から所定時間経過後に防食
電流の通電を再開する手順を繰り返す定電位外部電源方
式による海水冷却水系統機器の電気防食方法、に特徴を
有するものである。
【0009】上記したこの発明の防食方法は手動操作で
も達成できるが、定電位直流電源装置に、防食電流が暫
時増加して予め設定した電流値に達した場合や防食電流
不足により海水冷却水系統機器の電位が防食管理電位を
外れた時或いは通電開始時から所定の時間が経過した時
に出力電流の通電を停止し、通電停止から所定期間経過
後に通電を開始する装置を備えておけば、電気防食装置
の防食電流や電位を監視することなくこの発明にかかる
防食方法を達成することができる。
【0010】従って、この発明は、 (4)商用交流電圧を所定の電圧に降圧する変圧器と、
交流を直流に変換する整流器と防食対象物の防食電位を
一定に制御する電位制御回路とから構成される定電位直
流電源装置と海水冷却水系統機器に防食電流を供給する
電極装置と該海水冷却水系統機器の電位を計測する照合
電極装置とから基本的に構成される定電位外部電源方式
電気防食装置において、該定電位直流電源装置に出力電
流が増加して定電位直流電源装置の最大出力電流値以下
の所定の電流値に達した時に通電を停止する制御装置
と、通電停止から所定時間経過後に通電を再開する制御
装置とを備えた水質悪化した海水を用いて冷却するため
に防食管理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加
して定電位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしま
う耐食性金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷
却水系統機器の定電位外部電源方式電気防食装置、 (5)商用交流電圧を所定の電圧に降圧する変圧器と、
交流を直流に変換する整流器と防食対象物の防食電位を
一定に制御する電位制御回路とから構成される定電位直
流電源装置と海水冷却水系統機器に防食電流を供給する
電極装置と該海水冷却水系統機器の電位を計測する照合
電極装置とから基本的に構成される定電位外部電源方式
電気防食装置において、該定電位直流電源装置に出力電
流が増加して定電位直流電源装置の最大出力電流値に達
した時に通電を停止する制御装置と、通電停止から所定
時間経過後に通電を再開する制御装置とを備えた水質悪
化した海水を用いて冷却するために防食管理電圧を維持
するに必要な防食電流が暫時増加して定電位直流電源装
置の最大出力電流値を越えてしまう耐食性金属を含む複
数の異種金属で構成される海水冷却水系統機器の定電位
外部電源方式電気防食装置、 (6)商用交流電圧を所定の電圧に降圧する変圧器と、
交流を直流に変換する整流器と防食対象物の防食電位を
一定に制御する電位制御回路とから構成される定電位直
流電源装置と海水冷却水系統機器に防食電流を供給する
電極装置と該海水冷却水系統機器の電位を計測する照合
電極装置とから基本的に構成される定電位外部電源方式
電気防食装置において、該定電位直流電源装置の最大出
力電流値を越えて防食電流が不足し、海水冷却水系統機
器の電位が防食管理電位を外れて貴に移行した前に通電
を停止する制御装置と、通電停止から所定時間経過後に
通電を再開する制御装置とを備えた水質悪化した海水を
用いて冷却するために防食管理電圧を維持するに必要な
防食電流が暫時増加して定電位直流電源装置の最大出力
電流値を越えてしまう耐食性金属を含む複数の異種金属
で構成される海水冷却水系統機器の定電位外部電源方式
電気防食装置、に特徴を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の水質悪化した
海水を用いて冷却するために防食管理電圧を維持するに
必要な防食電流が暫時増加して定電位直流電源装置の最
大出力電流値を越えてしまう耐食性金属を含む複数の異
種金属で構成される海水冷却水系統機器の定電位外部電
源方式による防食方法および定電位外部電源方式電気防
食装置を図面に基づいて具体的に説明する。図1は、こ
の発明の防食方法に使用する定電位外部電源方式電気防
食装置の概略構成を示した図である。図1において、1
は定電位直流電源装置であり、その主回路は商用交流電
流を定電位直流電源装置1に導入するための入力スイッ
チ2、商用交流電圧を所定の電圧に降圧するための変圧
器3、交流電流を防食用の直流電流に変換するための整
流体4などで構成されている。5は最適な防食電位を設
定し且つこれを維持するために直流回路に電流制御用信
号を発信するコントローラ、6は直流電流値を検出する
ためのシャント抵抗、7は防食電流が所定の設定値また
は最大出力電流値に達したとき、或いは防食対象物の電
位が防食管理電位を外れる前に電磁スイッチ8に「電源
OFF」信号を、タイマー9に「タイマーON」信号を
送る防食不足検出回路である。また、10は復水器、1
1はチタン合金製の冷却管、12はネーバル黄銅製の管
板、13は鋼製の水室で内面はゴムライニングで被覆さ
れている。14は鉛銀電極或いはチタン白金電極等の耐
久性電極または鉄電極、15は塩化銀または亜鉛等の照
合電極である。
【0012】このような定電位外部電源方式電気防食装
置によりこの発明の防食方法を実施するときは、入力ス
イッチ2をONにして定電位直流電源装置1に交流電流
を導入し、コントローラ5で防食管理電位を設定した後
に電磁スイッチ8をONにして直流出力回路の正極に接
続された耐久性電極14から海水を介して冷却管11、
管板12及び水室13に防食電流を供給する。冷却管1
1、管板12及び水室13の電位は照合電極15で検出
され、この電位信号がコントローラ5にフィードバック
されて冷却管11、管板12及び水室13の電位が常に
防食管理電位に保たれるように防食電流が制御される。
【0013】時間の経過とともに暫時防食電流が増加し
て防食不足検出回路7に設定された電流値に達するか、
または、防食電流が直流電源装置の最大出力電流値に達
して海水冷却水系統機器の電位が貴に移行し、防食管理
電位から外れることが防食不足検出回路7で検知される
とその前に電磁スイッチ8が開いて防食電流の供給が停
止されるとともにタイマー9が差動する。タイマー9の
設定時間が経過すると防食不足検出回路7からの信号に
より電磁スイッチ8が閉じて再び防食電流の供給が開始
される。なお、電磁スイッチ8は本図のように直流出力
回路に置いてもよいが、交流入力側に置いてもよく、ま
た、コントローラ5からの信号により整流体4から防食
電流が流れなくなるように構成すれば電磁スイッチ8を
省略することができる。
【0014】つぎに、この発明の実施例を図面に基づい
て一層具体的に説明する。チタン合金冷却管を使用して
いる2系列からなる発電所の復水器の片系列に対して図
1に示す定電位外部電源方式の電気防食装置を設置し、
30日間通電試験をおこない、他系列には従来例として
通常の定電位外部電源方式の電気防食装置を設置して通
電を行った。なお、実施例、従来例とも復水器1水室当
たりの直流電源装置の最大出力電流は170Aであり、
電極14には白金チタン電極を、照合電極15には塩化
銀照合電極を使用した。
【0015】〔実施例〕 海水入口水室及び出口水室の防食管理電位を−600m
Vに設定し、最大出力電流が30分間維持された時に防
食不足検出回路7からの信号により電磁スイッチ8が開
いて防食電流の供給が停止され、1時間経過後に電磁ス
イッチ8が閉じて再び防食電流の供給が開始されるよう
にタイマー9を設定して定電位直流電源装置1の通電を
開始した。防食電流と電位の推移を図2のグラフに示
す。通電開始直後の防食電流は海水入口水室が40A
で、海水出口水室は14Aであったが、その後両水室と
も電流が次第に増加し、海水出口水室が通電開始11日
目に最大出力電流に達したために防食電流の供給が一時
間停止された。停止時の海水入口水室の防食電流は14
2Aであった。通電再開直後の海水出口水室は150A
に、海水入口水室は120Aにそれぞれ防食電流が減少
した。また、2回目の電流供給停止は23日目、3回目
の電流供給停止は30日目であり、通電再開直後の防食
電流は電流供給停止前よりも20Aから65A程度減少
した。なお、試験期間中、海水入口水室及び出口水室の
電位は、ともに防食管理電位である−600mVを維持
していた。
【0016】〔従来例〕 海水入口水室及び出口水室の防食管理電位を−600m
Vに設定し、通常の定電位電気防食を行った。防食電流
と電位の推移を図3のグラフに示す。通電開始直後の防
食電流は海水入口水室が44Aで、海水出口水室は20
Aであったが、その後両水室とも電流が次第に増加し、
海水入口水室が通電開始12日目に最大出力電流に達
し、その後両水室とも電位が次第に貴に推移して15日
目に海水入口水室の電位が防食管理範囲の下限値である
−450mVを外れて定電位直流電源装置内蔵の「電位
不足」警報が発令されたために通電を停止した。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による定
電位外部電源方式による防食方法を使用すれば、電気防
食装置の容量を超えた防食電流が必要な状態となって
も、一時的に通電を停止し、その後通電を再開すること
により再び該電気防食装置の容量内で海水冷却水系統機
器の防食管理電位の維持が可能となるので、新たに大容
量の電気防食装置を設置する必要がなく、また、防食電
流が所定の設定値を超えた場合や防食電流が不足して防
食管理電位を外れた場合或いは防食電流通電開始から所
定時間経過ごとに通電を停止し、所定時間経過後に通電
を再開する回路を組み込んだ定電位直流電源装置を用い
れば、防食電流値や電位を監視することなくこの発明の
防食法を達成できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の定電位外部電源方式電気防食装置の
概略構成図である。
【図2】この発明の定電位外部電源方式電気防食装置に
よりこの発明の防食方法を適用した場合の復水器の防食
電流と電位の推移を示したグラフである。
【図3】従来の定電位外部電源方式の電気防食装置によ
り復水器を防食した場合の防食電流と電位の推移を示し
たグラフである。
【図4】従来の復水器の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 定電位直流電源装置 2 入力スイッチ 3 変圧器 4 整流体 5 コントローラ 6 シャント抵抗 7 防食不足検出回路 8 電磁スイッチ 9 タイマー 10 復水器 11 冷却管 12 管板 13 水室 14 電極 15 照合電極 16 ゴムライニング 17 鋼板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−286288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 13/00 - 13/22 F28F 19/00 511

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水質悪化した海水を用いて冷却するため
    に防食管理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加
    して定電位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしま
    耐食性金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷
    却水系統機器を防食する定電位外部電源方式による電気
    防食方法において、 防食電流を通電し、防食電流が増加して定電位直流電源
    装置の最大出力電流値以下の所定の電流値に達したとき
    に通電を停止し、通電停止から所定時間経過後に防食電
    流の通電を再開する手順を繰り返すことを特徴とする定
    電位外部電源方式による海水冷却水系統機器の電気防食
    方法。
  2. 【請求項2】 水質悪化した海水を用いて冷却するため
    に防食管理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加
    して定電位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしま
    耐食性金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷
    却水系統機器を防食する定電位外部電源方式による電気
    防食方法において、 防食電流を通電し、防食電流が増加して定電位直流電源
    装置の最大出力電流値に達したときに通電を停止し、通
    電停止から所定時間経過後に防食電流の通電を再開する
    手順を繰り返すことを特徴とする定電位外部電源方式に
    よる海水冷却水系統機器の電気防食方法。
  3. 【請求項3】 水質悪化した海水を用いて冷却するため
    に防食管理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加
    して定電位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしま
    耐食性金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷
    却水系統機器を防食する定電位外部電源方式による電気
    防食方法において、 防食電流を通電し、防食電流が増加して定電位直流電源
    装置の最大出力電流値を越えることにより防食電流が不
    足し、海水冷却水系統機器の電位が貴に移行して防食管
    理電位を外れる前に通電を停止し、通電停止から所定時
    間経過後に防食電流の通電を再開する手順を繰り返すこ
    とを特徴とする定電位外部電源方式による海水冷却水系
    統機器の電気防食方法。
  4. 【請求項4】 商用交流電圧を所定の電圧に降圧する変
    圧器と、交流を直流に変換する整流器と防食対象物の防
    食電位を一定に制御する電位制御回路とから構成される
    定電位直流電源装置と海水冷却水系統機器に防食電流を
    供給する電極装置と該海水冷却水系統機器の電位を計測
    する照合電極装置とから基本的に構成される定電位外部
    電源方式電気防食装置において、 該定電位直流電源装置に出力電流が増加して定電位直流
    電源装置の最大出力電流値以下の所定の電流値に達した
    時に通電を停止する制御装置と、通電停止から所定時間
    経過後に通電を再開する制御装置とを備えたことを特徴
    とする水質悪化した海水を用いて冷却するために防食管
    理電圧を維持するに必要な防食電流が暫時増加して定電
    位直流電源装置の最大出力電流値を越えてしまう耐食性
    金属を含む複数の異種金属で構成される海水冷却水系統
    機器の定電位外部電源方式電気防食装置。
  5. 【請求項5】 商用交流電圧を所定の電圧に降圧する変
    圧器と、交流を直流に変換する整流器と防食対象物の防
    食電位を一定に制御する電位制御回路とから構成される
    定電位直流電源装置と海水冷却水系統機器に防食電流を
    供給する電極装置と該海水冷却水系統機器の電位を計測
    する照合電極装置とから基本的に構成される定電位外部
    電源方式電気防食装置において、 該定電位直流電源装置に出力電流が増加して定電位直流
    電源装置の最大出力電流値に達した時に通電を停止する
    制御装置と、通電停止から所定時間経過後に通電を再開
    する制御装置とを備えたことを特徴とする水質悪化した
    海水を用いて冷却するために防食管理電圧を維持するに
    必要な防食電流が暫時増加して定電位直流電源装置の最
    大出力電流値を越えてしまう耐食性金属を含む複数の異
    種金属で構成される海水冷却水系統機器の定電位外部電
    源方式電気防食装置。
  6. 【請求項6】 商用交流電圧を所定の電圧に降圧する変
    圧器と、交流を直流に変換する整流器と防食対象物の防
    食電位を一定に制御する電位制御回路とから構成される
    定電位直流電源装置と海水冷却水系統機器に防食電流を
    供給する電極装置と該海水冷却水系統機器の電位を計測
    する照合電極装置とから基本的に構成される定電位外部
    電源方式電気防食装置において、 該定電位直流電源装置の出力電流が増加して最大出力電
    流値を越えて防食電流が不足し、海水冷却水系統機器の
    電位が貴に移行して防食管理電位を外れる前に通電を停
    止する制御装置と、通電停止から所定時間経過後に通電
    を再開する制御装置とを備えたことを特徴とする水質悪
    化した海水を用いて冷却するために防食管理電圧を維持
    するに必要な防食電流が暫時増加して定電位直流電源装
    置の最大出力電流値を越えてしまう耐食性金属を含む複
    数の異種金属で構成される海水冷却水系統機器の定電位
    外部電源方式電気防食装置。
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