JP3348561B2 - 研削加工におけるギャップ測定方法および装置 - Google Patents

研削加工におけるギャップ測定方法および装置

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JP3348561B2
JP3348561B2 JP07665295A JP7665295A JP3348561B2 JP 3348561 B2 JP3348561 B2 JP 3348561B2 JP 07665295 A JP07665295 A JP 07665295A JP 7665295 A JP7665295 A JP 7665295A JP 3348561 B2 JP3348561 B2 JP 3348561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研削加工における研削
砥石とワークとの間等のギャップを測定するのに好適な
ギャップ測定方法およびこれに用いるギャップ測定装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、固体の接触により発せられるAE
(アコースティックエミッション)を利用して固体同士
の接触検知を行なうものとして、例えば、特開平6−1
06476号公報や特開平6−114692号公報に開
示されたものがある。
【0003】これらは、検知ピン先端に回転体である研
削砥石が接触することにより生じるAEを利用して接触
を検知する際に、研削砥石に供給されたクーラントが検
知ピンに接触することにより発生するAEが接触検知精
度を悪化させるのを防止するため、クーラントが検知ピ
ンに接触することにより発生するAEができるだけAE
センサに伝わらないように工夫して、砥石と被検出体と
の接触点を正確に検出するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の固体の接触により発せられるAE(アコース
ティックエミッション)を利用して固体同士の接触検知
を行なう手段にあっては、固体間に供給されたクーラン
トにより発生したAEはノイズとみなし、固体同士の接
触、即ち、検知ピンと研削砥石との接触により発生する
アコースティックエミッションのみを検知するものとし
ているため、固体同士が接触していないときの位置関
係、例えば、研削砥石とワークとの間に存在するギャッ
プ等の大きさを知ることができないという問題があっ
た。このため、高速でワークに研削砥石に接近させた際
に研削砥石とワークとの衝突を回避することができず、
研削砥石の送り時間の短縮が困難であるという問題もあ
り、これらの問題を解決することが課題であった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、アコースティックエミッションを利
用して固体間の接触検知を行なうと同時に、固体間のギ
ャップの大きさを測定することができる研削加工におけ
るギャップ測定方法およびこれに用いられる装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
研削加工におけるギャップ測定方法は、回転する研削砥
石によるワークの研削加工またはドレッシング工具によ
る回転する研削砥石の修正作業において、ワークと研削
砥石との間またはドレッシング工具と研削砥石との間の
ギャップを測定する際に、ワークと研削砥石との間また
はドレッシング工具と研削砥石との間にクーラントを供
給した状態で研削砥石をワークまたはドレッシング工具
に接近させ、ワークと研削砥石との間またはドレッシン
グ工具と研削砥石との間のギャップの大きさに応じて発
生するアコースティックエミッションをAEセンサによ
り検出し、このAEセンサより検出された検出信号を整
流回路により包絡線検波し、この整流回路により包絡線
検波された信号とあらかじめ求めておいたギャップとA
E信号の大きさとの関係を示す校正曲線とに基づいてワ
ークと研削砥石との間またはドレッシング工具と研削砥
石との間のギャップを測定する構成とし、請求項2とし
て、研削砥石をワークまたはドレッシング工具に接近さ
せる際に、整流回路からの出力信号があらかじめ設定さ
れた減速用設定値のレベルを越えた場合には研削砥石の
ワークまたはドレッシング工具に対する接近速度を減速
する構成とし、請求項3として、研削砥石をワークまた
はドレッシング工具に接近させる際に、整流回路からの
出力信号があらかじめ設定された停止・後退用設定値の
レベルを越えた場合には研削砥石をワークまたはドレッ
シング工具に対して停止または後退させる構成とし、請
求項4として、ワークと研削砥石との接触位置またはワ
ークとドレッシング工具との接触位置から研削砥石を徐
々に後退させてギャップとアコースティックエミッショ
ン信号の大きさとの関係を示す校正曲線を求める構成と
し、請求項5として、ギャップとアコースティックエミ
ッション信号の大きさとの関係を示す校正曲線に基づい
て減速用設定値および/または停止・後退用設定値を決
定する構成とし、請求項6として、研削砥石の外径寸法
の変化に応じてギャップとアコースティックエミッショ
ン信号の大きさとの関係を示す校正曲線が常にほぼ一致
するようにクーラントを供給する位置を修正する構成と
し、請求項7として、研削砥石のドレッシング工具によ
る修正作業において、ドレッシング工具の総切り込み量
を決定する際に、研削砥石の外周面のうち研削加工で使
用された部分とドレッシング工具またはワークとの間の
ギャップおよび研削加工で使用されていない部分とドレ
ッシング工具またはワークとの間のギャップを各々測定
し、測定した各々のギャップの差をドレッシング工具の
総切り込み量とする構成としている。
【0007】また、本発明の請求項8に係る研削加工に
おけるギャップ測定装置は、回転する研削砥石によるワ
ークの研削加工またはドレッシング工具による回転する
研削砥石の修正作業におけるワークと研削砥石との間ま
たはドレッシング工具と研削砥石との間のギャップを測
定するのに用いられる装置であって、ワークと研削砥石
との間またはドレッシング工具と研削砥石との間にクー
ラントを供給するクーラント供給ノズルと、ワークと研
削砥石との間またはドレッシング工具と研削砥石との間
のギャップの大きさに応じて発生するアコースティック
エミッションを検出するAEセンサと、AEセンサで検
出された検出信号を包絡線検波する整流回路と、ギャッ
プとアコースティックエミッション信号の大きさとの関
係を示す校正曲線データを保持する保持手段と、整流回
路で包絡線検波された信号および校正曲線データからギ
ャップの大きさを算出する演算手段を備えた構成とし、
請求項9として、研削砥石のワークまたはドレッシング
工具に対する位置、接近速度および後退速度を制御する
NC装置に対して研削砥石の接近速度を切り替える信号
を出力する接近速度切換信号出力手段を備えた構成と
し、請求項10として、研削砥石のワークまたはドレッ
シング工具に対する位置、接近速度および後退速度を制
御するNC装置に対して研削砥石を停止または後退させ
る信号を出力する停止・後退信号出力手段を備えた構成
とし、請求項11として、研削砥石の外径寸法の変化に
応じてギャップとアコースティックエミッション信号の
大きさとの関係を示す校正曲線が常にほぼ一致するよう
にクーラントを供給するノズルの位置を修正するクーラ
ント供給ノズル位置修正手段を備えた構成としており、
上記の構成を課題を解決するための手段としている。
【0008】
【発明の作用】本発明の請求項1に係る研削加工におけ
るギャップ測定方法は、ワークと研削砥石との間または
ドレッシング工具と研削砥石との間のギャップを測定す
る際に、ワークと研削砥石との間またはドレッシング工
具と研削砥石との間にクーラントを供給した状態とする
ことにより、ギャップの大きさに応じたAEが発生し、
このAEをAEセンサにより検出しその検出信号を整流
回路により包絡線検波した信号を得る。そして、この信
号とあらかじめ求めておいたギャップとAE信号の大き
さとの関係からギャップの大きさが特定されることとな
る。
【0009】本発明の請求項2に係る研削加工における
ギャップ測定方法は、上記の構成とすることにより、例
えば、ワークに対し研削砥石を接近させてワークと研削
砥石との接触検知を行なう場合に、AE信号があらかじ
め設定された減速用設定値を越えるまでは研削砥石は高
速でワークに対して接近するため、ワークに対する研削
砥石の送り時間が短縮されることとなる。
【0010】本発明の請求項3に係る研削加工における
ギャップ測定方法は、上記の構成とすることにより、例
えば、研削砥石をワークに接近させていった際、一定の
距離(ギャップ)になると整流回路により包絡線検波さ
れたAE信号があらかじめ設定された停止・後退用設定
値を越えるため、研削砥石は停止または後退することと
なり、研削砥石とワークとの衝突が確実に防止されるこ
ととなる。
【0011】本発明の請求項4に係る研削加工における
ギャップ測定方法は、上記の構成とすることにより、ギ
ャップとAE信号の大きさとの関係が求められることと
なる。
【0012】本発明の請求項5に係る研削加工における
ギャップ測定方法は、上記の構成とすることにより、減
速用設定値および停止・後退用設定値がより正確なもの
となる。
【0013】本発明の請求項6に係る研削加工における
ギャップ測定方法は、上記の構成とすることにより、安
定して研削砥石とワークとの間のギャップの測定がされ
ることとなり、さらにクーラントが研削点に確実に供給
されることとなり、高い研削加工品質が保たれることと
なる。
【0014】本発明の請求項7に係る研削加工における
ギャップ測定方法は、上記の構成とすることにより、研
削砥石の修正作業の際に研削砥石の摩耗量が各々のギャ
ップの差として求まるため、ドレッシング工具によって
切り込むべき量が最小限に抑えられることとなり、無駄
な研削砥石の消耗が防止されることとなる。
【0015】本発明の請求項8に係る研削加工における
ギャップ測定装置は、上記の構成とすることにより、当
該ギャップ測定装置を使用することにより請求項1のギ
ャップ測定方法と同様の作用を奏することとなる。
【0016】本発明の請求項9に係る研削加工における
ギャップ測定装置は、上記の構成とすることにより、当
該ギャップ測定装置を使用することにより請求項2のギ
ャップ測定方法と同様の作用を奏することとなる。
【0017】本発明の請求項10に係る研削加工におけ
るギャップ測定装置は、上記の構成とすることにより、
当該ギャップ測定装置を使用することにより請求項3の
ギャップ測定方法と同様の作用を奏することとなる。
【0018】本発明の請求項11に係る研削加工におけ
るギャップ測定装置は、上記の構成とすることにより、
当該ギャップ測定装置を使用することにより請求項6の
ギャップ測定方法と同様の作用を奏することとなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0020】図1は、本発明の一実施例を示す説明図で
あって、研削砥石カバー11内に設けられた回転する研
削砥石1によってテーブル2上に設けられたワーク固定
用治具3に固定されたワークWを研削加工する際のワー
クWと研削砥石1との接触検知を行なう様子を示した説
明図である。
【0021】研削砥石1は周速度200m/sで高速回
転しており、研削加工を行うときにはクーラント供給ノ
ズル10から研削点に向けてクーラントCがいきおいよ
く供給される。
【0022】一方、AEセンサ5はワーク固定用治具3
の上面に取り付けられているが、ワーク固定用治具3の
側面に取り付けることも可能である。
【0023】そして、AEセンサ5で検出されたAE
(アコースティックエミッション)信号は図2に示す手
順で信号処理される。即ち、プリアンプ21により増幅
された後、ハイパスフィルタ22により低周波のノイズ
成分が除去され、次いでメインアンプ23で増幅され、
整流回路24で包絡線検波されて出力される。
【0024】ここで、整流回路24で包絡線検波された
AE信号出力を監視しながら研削砥石1をワークWに接
近させ、砥石1がワークWに接触する点を検出する。こ
の位置から徐々に砥石1を矢印A1 方向に上昇させてい
くと、研削砥石1とワークWとの間に供給されるクーラ
ントCと高速回転する研削砥石1との摩擦によってAE
が発せられる。
【0025】このAEをAEセンサ5により逐次検出す
ることにより、研削砥石1とワークWとの間のギャップ
δに対するAE信号出力との関係が求まり、図3に示す
ような校正曲線が得られる。
【0026】図3は、研削砥石1とワークWとの間のギ
ャップδに対するAE波信号出力の関係を示す校正曲線
の一例を表したものであり、例えばクーラント供給流量
35L/minにおいては、AE信号出力が1.4Vな
らばギャップが0.01mmであり、AE信号出力が
1.0Vならばギャップが0.05mmであることを読
み取ることができる。
【0027】また、この図によると、クーラントCの流
量が多いほどAE波信号出力はギャップδの変化に対し
て敏感に反応していることから、クーラントCの流量は
できるだけ多くすることが望ましいと言える。さらに、
研削砥石1の周速度についても、高速にするほど測定感
度が高くなるが、低い周速度でも十分有効に測定でき
る。
【0028】そして、以上のようにして得られた研削砥
石1とワークWとの間のギャップδに対するAE信号出
力の関係を示す校正曲線データと、実際に研削砥石1を
ワークWに向けて下降接近させていく際にAEセンサ5
により検出し整流回路24で包絡線検波されたAE信号
出力とから、現在の研削砥石1とワークWとの間のギャ
ップδを求めることができる。なお、上記の校正曲線デ
ータは、計算機のメモリに保持しておくとともに、AE
センサ5により検出され整流回路24で包絡線検波され
たAE信号出力と比較演算することにより、自動的に研
削砥石1とワークWとの間のギャップδを求めることも
可能である。
【0029】次に、図4および図5は、本発明の他の実
施例を示す説明図であって、研削砥石1をワークWに接
近させる際に、AEセンサ5により検出され整流回路2
4で包絡線検波されたAE信号出力があらかじめ設定さ
れた減速用設定値のレベルを越えた場合には研削砥石1
のワークWに対する接近速度を減速させる構成としたも
のである。
【0030】ここで、図4は本実施例での信号処理の流
れを示したものであり、AEセンサ5で検出されたAE
信号は、プリアンプ21,ハイパスフィルタ22,メイ
ンアンプ23を通って整流回路24で包絡線検波されて
出力され、比較回路25において上記のあらかじめ設定
された減速用設定値と整流回路24で包絡線検波された
AE信号とを比較する。即ち、図5に示すように、研削
砥石1をワークWに接近させていき(S1)、あらかじ
め設定された減速用設定値と整流回路24で包絡線検波
されたAE信号とを比較し(S2)、整流回路24で包
絡線検波されたAE信号があらかじめ設定された減速用
設定値を越えた場合には、研削砥石1のワークWに対す
る位置、接近速度および後退速度を制御するNC装置3
1に対して接近速度を減速するように指令する(S3)
ものであり、したがって、比較回路25には、整流回路
24で包絡線検波されたAE信号とあらかじめ設定され
た減速用設定値とを比較演算する機能とNC装置に対し
て接近速度切換信号を出力する手段が備わっている。
【0031】このような構成により研削加工を行う場合
の1サイクルにおける研削砥石1の動作を図6に示す。
【0032】まず、研削砥石1を始めに急速前進させ
て、ワークWに接触する手前のA1地点まで移動させ、
続いて、中間送り速度に変更してさらに接近させ、研削
砥石1とワークWが接触するA2地点において通常の切
り込み速度に変更し、次いでA3地点からスパークアウ
トを行い、所定の寸法に加工した後(A4地点)に急速
後退させて研削加工サイクルを終了する。
【0033】従来は、研削砥石1とワークWとが接触す
ることを防止する必要性から、急速前進から中間送りに
切り替えるA1地点を早めに設定していたため、中間送
り速度の時間が長くなり、全体として研削砥石1の送り
に時間がかかっていたが、本発明によれば、AE信号の
出力を観測することにより、研削砥石1がワークWと接
触する直前まで急速前進させることができ、このため、
A1地点とA2地点との間の時間を短縮することが可能
になる。また場合によっては、中間送り速度の領域を削
除し、研削砥石1とワークWとの接触の直前で急速前進
から通常送り速度に切り換えることも可能である。
【0034】さらに、急速送り速度で研削砥石1がワー
クWに接近する際に、研削砥石1とワークWとのギャッ
プが小さくなり、AE信号出力があらかじめ設定された
停止・後退用設定値よりも大きくなった場合には、研削
砥石1を停止、または後退させるようにNC装置31に
対して停止・後退信号を出力することにより、研削砥石
1とワークWとの衝突を防止することが可能になる。
【0035】次に、図7は、本発明のさらに他の実施例
を示す説明図であって、センタ8により把持されたワー
クWを研削砥石1により円筒研削加工する際に、研削砥
石1とワークWとの間のギャップ測定を行うものであ
る。
【0036】この場合には、AEセンサ5は、例えば、
センタ8に取り付けて測定することができる。そして、
研削砥石1をワークWに向けて徐々に接近させると、研
削砥石1とワークWとのギャップに応じてAEが発せら
れ、このAEがAEセンサ5によって検出され、このA
Eセンサ5で検出されたAEは上記の実施例の場合と同
様に図2に示す手順により信号処理され、整流回路24
の出力信号とあらかじめ求めておいた校正曲線データと
から研削砥石1とワークWとのギャップが検出されるこ
ととなる。
【0037】図8は、本発明のさらに他の実施例を示す
説明図であって、本実施例は、ツルーイングと呼ばれる
研削砥石1の修正作業時に、研削砥石1とドレッシング
工具6との間のギャップの測定を行うものである。
【0038】この場合には、AEセンサ5は、例えば、
ドレッシング装置7の本体の側面に取り付けられ、研削
砥石1をドレッシング工具6に徐々に接近させると、研
削砥石1とドレッシング工具6との間のギャップに応じ
てAEが発せられ、このAEはAEセンサ5で検出さ
れ、上記の実施例の場合と同様に図2に示す手順で信号
処理される。
【0039】そして、整流回路24により得られた包絡
線検波された信号とあらかじめ求めておいた校正曲線デ
ータとから研削砥石1とドレッサ6との間のギャップが
検出されることとなる。
【0040】次に、図9は、本発明のさらに他の実施例
を示す説明図であって、研削加工により研削砥石1の摩
耗が進行し、研削砥石1の外径寸法が当初に比べて減少
すると、クーラント供給ノズル10から供給されるクー
ラントCは研削点に到達しにくくなるが、この場合、ク
ーラント供給流量が減少したのと同じ効果を奏すること
となるため、研削砥石1とワークWとの間のギャップに
応じて発せられるアコースティックエミッション量が減
少し、結果的にギャップ測定の感度が鈍くなる。
【0041】そこで、図9に示すように、研削砥石1の
外径寸法の変化に応じて、ギャップとAE信号出力との
関係を示す校正曲線が常にほぼ一致するようにクーラン
ト供給ノズル10の供給位置を修正することにより、安
定した研削砥石1とワークWとの間のギャップの測定を
可能とする構成としたものである。
【0042】この結果、クーラントCが確実に研削点に
供給されるようになるため、安定した加工品質を継続的
に得ることが可能になる。
【0043】次に、図10は、本発明のさらに他の実施
例を示す説明図であって、通常、研削加工によって研削
砥石1が摩耗すると、研削砥石1の外周面は、加工に使
用した部分と使用していない部分とで段差が生じ、ツル
ーイング作業においては、この段差がなくなるまで切り
込みを与えることが必要になる。
【0044】そこで、図10の(a)に示す研削砥石1
の研削加工に使用した部分で検出されるギャップδ1
と、図10の(b)に示す加工に使用していない部分で
検出されるギャップδ2 との差から研削砥石1の摩耗量
を求めてツルーイングを行う際の総切り込み量とするこ
とにより、総切り込み量を必要最小限に抑えることが可
能になり、無駄な研削砥石の消耗を防止することが可能
になる。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係る研削加工におけるギャップ測定方法によれ
ば、ワークと研削砥石との間またはドレッシング工具と
研削砥石との間のギャップを測定する際に、ワークと研
削砥石との間またはドレッシング工具と研削砥石との間
にクーラントを供給した状態とすることにより、ギャッ
プの大きさに応じたAEを発生させることができ、この
AEをAEセンサにより検出しその検出信号を整流回路
により包絡線検波した信号とあらかじめ求めておいたギ
ャップとAE信号の大きさとの関係からギャップの大き
さを正確に測定することが可能となるという優れた効果
がもたらされる。
【0046】本発明の請求項2に記載の構成とすれば、
例えば、ワークに対し研削砥石を接近させてワークと研
削砥石との接触検知を行なう場合に、AE信号があらか
じめ設定された減速用設定値を越えるまでは研削砥石は
高速でワークに対して接近させることができるため、ワ
ークに対する研削砥石の送り時間を短縮することがで
き、その結果、ワークと研削砥石との接触検知に要する
時間を短縮することができるという優れた効果がもたら
される。
【0047】本発明の請求項3に記載の構成とすれば、
例えば、研削砥石をワークに接近させていくと、一定の
ギャップになると整流回路により包絡線検波されたAE
信号があらかじめ設定された停止・後退用設定値を越え
るため、研削砥石は停止または後退することとなり、高
速で接近させた場合でも、研削砥石とワークとの衝突を
確実に防止することができるという優れた効果がもたら
されることとなる。
【0048】本発明の請求項4に記載の構成とすれば、
ギャップとAE信号の大きさとの関係をあらかじめ求め
ることができ、このデータを用いることによりギャップ
の測定を正確に行なうことができるという効果がもたら
される。
【0049】本発明の請求項5に記載の構成とすれば、
減速用設定値および停止・後退用設定値をより正確なも
のとすることが可能になるという効果がもたらされる。
【0050】本発明の請求項6に記載の構成とすれば、
研削砥石とワークとの間のギャップを安定して測定する
ことができ、さらにクーラントを研削点に確実に供給す
ることができ、高品質な研削加工を行なうことができる
という効果がもたらされる。本発明の請求項7に記載の
構成とすれば、研削砥石の修正作業の際に研削砥石の摩
耗量を各々のギャップの差として求めることができるた
め、ドレッシング工具によって切り込むべき量を最小限
に抑えることが可能となり、無駄な研削砥石の消耗を防
止することができるという効果がもたらされる。
【0051】本発明の請求項8に係る研削加工における
ギャップ測定装置によれば、当該ギャップ測定装置を使
用することにより請求項1のギャップ測定方法と同様の
効果を奏することとなる。
【0052】本発明の請求項9に記載の構成とすれば、
当該ギャップ測定装置を使用することにより請求項2の
ギャップ測定方法と同様の効果を奏することとなる。
【0053】本発明の請求項10に記載の構成とすれ
ば、当該ギャップ測定装置を使用することにより請求項
3のギャップ測定方法と同様の効果を奏することとな
る。
【0054】本発明の請求項11に記載の構成とすれ
ば、当該ギャップ測定装置を使用することにより請求項
6のギャップ測定方法と同様の効果を奏することとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示した説明図である。
【図2】本発明によるAE信号の処理を示した説明図で
ある。
【図3】ギャップとAE信号出力との関係を示した説明
図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるAE信号の処理手
順を示した説明図である。
【図5】図4の実施例の比較回路におけるフローチャー
トを示した説明図である。
【図6】図4の実施例における研削砥石の移動サイクル
を示した説明図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示した説明図であ
る。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示した説明図であ
る。
【図9】本発明のさらに他の実施例を示した説明図であ
る。
【図10】本発明のさらに他の実施例を示した説明図で
ある。
【符号の説明】
1 研削砥石 2 テーブル 3 固定用治具 5 AEセンサ 6 ドレッシング工具 7 ドレッシング装置 8 センタ 10 クーラント供給ノズル 11 研削砥石カバー 21 プリアンプ 22 ハイパスフィルタ 23 メインアンプ 24 整流回路 25 比較回路 31 NC装置 W ワーク C クーラント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 17/00 B24B 53/00 G01B 21/16 G01N 29/14

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する研削砥石によるワークの研削加
    工またはドレッシング工具による回転する研削砥石の修
    正作業において、ワークと研削砥石との間またはドレッ
    シング工具と研削砥石との間のギャップを測定する際
    に、ワークと研削砥石との間またはドレッシング工具と
    研削砥石との間にクーラントを供給した状態で研削砥石
    をワークまたはドレッシング工具に接近させ、ワークと
    研削砥石との間またはドレッシング工具と研削砥石との
    間のギャップの大きさに応じて発生するアコースティッ
    クエミッションをAEセンサにより検出し、このAEセ
    ンサにより検出された検出信号を整流回路により包絡線
    検波し、この整流回路により包絡線検波された信号とあ
    らかじめ求めておいたギャップとアコースティックエミ
    ッション信号の大きさとの関係を示す校正曲線とに基づ
    いてワークと研削砥石との間またはドレッシング工具と
    研削砥石との間のギャップを測定することを特徴とする
    研削加工におけるギャップ測定方法。
  2. 【請求項2】 研削砥石をワークまたはドレッシング工
    具に接近させる際に、整流回路からの出力信号があらか
    じめ設定された減速用設定値のレベルを越えた場合には
    研削砥石のワークまたはドレッシング工具に対する接近
    速度を減速することを特徴とする請求項1に記載の研削
    加工におけるギャップ測定方法。
  3. 【請求項3】 研削砥石をワークまたはドレッシング工
    具に接近させる際に、整流回路からの出力信号があらか
    じめ設定された停止・後退用設定値のレベルを越えた場
    合には研削砥石をワークまたはドレッシング工具に対し
    て停止または後退させることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の研削加工におけるギャップ測定方法。
  4. 【請求項4】 ワークと研削砥石との接触位置またはワ
    ークとドレッシング工具との接触位置から研削砥石を徐
    々に後退させてギャップとアコースティックエミッショ
    ン信号の大きさとの関係を示す校正曲線を求めることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の研削加
    工におけるギャップ測定方法。
  5. 【請求項5】 ギャップとアコースティックエミッショ
    ン信号の大きさとの関係を示す校正曲線に基づいて減速
    用設定値および/または停止・後退用設定値を決定する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の研削加工に
    おけるギャップ測定方法。
  6. 【請求項6】 研削砥石の外径寸法の変化に応じてギャ
    ップとアコースティックエミッション信号の大きさとの
    関係を示す校正曲線が常にほぼ一致するようにクーラン
    トを供給する位置を修正することを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれかに記載の研削加工におけるギャップ
    測定方法。
  7. 【請求項7】 研削砥石のドレッシング工具による修正
    作業において、ドレッシング工具の総切り込み量を決定
    する際に、研削砥石の外周面のうち研削加工で使用され
    た部分とドレッシング工具またはワークとの間のギャッ
    プおよび研削加工で使用されていない部分とドレッシン
    グ工具またはワークとの間のギャップを各々測定し、測
    定した各々のギャップの差をドレッシング工具の総切り
    込み量とすることを特徴とする請求項1に記載の研削加
    工におけるギャップ測定方法。
  8. 【請求項8】 回転する研削砥石によるワークの研削加
    工またはドレッシング工具による回転する研削砥石の修
    正作業におけるワークと研削砥石との間またはドレッシ
    ング工具と研削砥石との間のギャップを測定するのに用
    いられる装置であって、ワークと研削砥石との間または
    ドレッシング工具と研削砥石との間にクーラントを供給
    するクーラント供給ノズルと、ワークと研削砥石との間
    またはドレッシング工具と研削砥石との間のギャップの
    大きさに応じて発生するアコースティックエミッション
    を検出するAEセンサと、AEセンサで検出された検出
    信号を包絡線検波する整流回路と、ギャップとアコース
    ティックエミッション信号の大きさとの関係を示す校正
    曲線データを保持する保持手段と、整流回路で包絡線検
    波された信号および校正曲線データからギャップの大き
    さを算出する演算手段を備えたことを特徴とする研削加
    工におけるギャップ測定装置。
  9. 【請求項9】 研削砥石のワークまたはドレッシング工
    具に対する位置、接近速度および後退速度を制御するN
    C装置に対して研削砥石の接近速度を切り替える信号を
    出力する接近速度切換信号出力手段を備えたことを特徴
    とする請求項8に記載の研削加工におけるギャップ測定
    装置。
  10. 【請求項10】 研削砥石のワークまたはドレッシング
    工具に対する位置、接近速度および後退速度を制御する
    NC装置に対して研削砥石を停止または後退させる信号
    を出力する停止・後退信号出力手段を備えたことを特徴
    とする請求項8または9に記載の研削加工におけるギャ
    ップ測定装置。
  11. 【請求項11】 研削砥石の外径寸法の変化に応じてギ
    ャップとアコースティックエミッション信号の大きさと
    の関係を示す校正曲線が常にほぼ一致するようにクーラ
    ントを供給するノズルの位置を修正するクーラント供給
    ノズル位置修正手段を備えたことを特徴とする請求項8
    ないし10のいずれかに記載の研削加工におけるギャッ
    プ測定装置。
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