JP3347172B2 - 自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置 - Google Patents

自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置

Info

Publication number
JP3347172B2
JP3347172B2 JP1803393A JP1803393A JP3347172B2 JP 3347172 B2 JP3347172 B2 JP 3347172B2 JP 1803393 A JP1803393 A JP 1803393A JP 1803393 A JP1803393 A JP 1803393A JP 3347172 B2 JP3347172 B2 JP 3347172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
initial
gain
characteristic
control gain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1803393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06206474A (ja
Inventor
伸 竹原
博志 大村
哲也 立畑
清 坂本
知示 和泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP1803393A priority Critical patent/JP3347172B2/ja
Publication of JPH06206474A publication Critical patent/JPH06206474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3347172B2 publication Critical patent/JP3347172B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用制御装置の制
御ゲインを学習制御で変更する制御ゲイン変更方法とそ
の装置に関し、特に学習制御の欠点を改善したものに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車においては、不特定多数の
ドライバーが、何処を、どのような使用環境・状態で走
行しても、一定の満足度を得るように、走行特性の制御
ゲインが設定されているのが一般的である。但し、各ド
ライバーの好みに応じて、パワーモードとノーマルモー
ドを選択したり、アクティブサスペンション装置におけ
る、コントロールモード、ハードモード、ソフトモード
の所望の1つを選択したり、また、4輪操舵装置におけ
るスポーツモードとノーマルモードを選択したりする
等、特定の少数の制御ゲインのみを選択できるようにな
っている。
【0003】しかし、不特定多数のドライバー向けに走
行特性の制御ゲインが設定された自動車や、特定の制御
ゲインのみをマニュアルスイッチを介して設定し得る自
動車では、全てのドライバーに満足を与えることは到底
不可能である。そこで、ドライバーの運転上の特徴を学
習して走行特性の制御ゲインを変更可能にした学習制御
自動車が提案されている。例えば、特公平3−4402
9号公報には、操舵中における操舵角速度、操舵角、ヨ
ーレート、横加速度等をサンプリングし、所定時間内に
おける平均値に基いてドライバーの操舵の特徴を抽出し
てステアリングホイールの操舵角に対する前輪及び/又
は後輪の転舵角の比率を変更するように学習制御する学
習制御自動車が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の学習制御自
動車では、制御装置に予め設定されたベース制御ゲイン
が、学習制御により急激に変動することは、好ましくな
いことから、学習データを徐々にゆっくりと更新するよ
うに構成してある。それ故、かなり長期に亙って運転し
かなりの走行距離(例えば、1〜2万Km)走らない
と、学習制御の効果が十分に得られないという問題があ
る。本発明の目的は、自動車の制御装置の複数の制御手
段の初期制御特性を、ドライバーに合わせて選択的に設
定可能な自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその
変更装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の自動車用制御
装置の制御ゲイン変更方法は、自動車の制御装置の制御
ゲインを学習データを用いて変更する制御ゲイン変更方
法において、前記制御装置に含まれる複数の制御手段の
各々を制御する複数の異なる初期制御特性を記憶手段に
予め設定して記憶させるステップと、各制御手段に対し
てその制御手段の制御に用いる複数の初期制御特性のう
ちからドライバーが指定した特性を選択して設定するス
テップと、前記複数の制御手段に対して選択設定された
複数の初期制御特性をベースとして、それら初期制御特
性を学習制御により累積的に更新するステップとを有す
ることを特徴とするものである。
【0006】請求項2の自動車用制御装置の制御ゲイン
変更装置は、自動車の制御装置の制御ゲインを学習デー
タを用いて変更する制御ゲイン変更装置において、前記
制御装置に含まれる複数の制御手段の各々を制御する複
数の異なる初期制御特性を記憶手段に予め設定して記憶
させた記憶手段と、各制御手段に対してその制御手段の
制御に用いる複数の初期制御特性のうちからドライバー
が指定した特性を選択して設定する初期制御特性選択手
段と、前記複数の制御手段に対して選択設定された複数
の初期制御特性をベースとして、それら初期制御特性を
学習制御により累積的に更新する制御特性変更手段とを
備えたことを特徴とするものである。
【0007】ここで、前記制御手段としての駆動系制御
手段の複数の初期制御特性は、燃費軽減用の初期制御特
性と、パワー増大用の初期制御特性を含む構成(請求項
2に従属の請求項3)、また、前記制御手段としての懸
架系制御手段の複数の初期制御特性は、乗り心地向上用
の初期制御特性と、操縦安定性向上用の初期制御特性と
を含む構成(請求項2に従属の請求項4)、また、前記
制御手段としての後輪操舵制御手段の複数の初期制御特
性は、小回り性向上用の初期制御特性と、操縦安定性向
上用の初期制御特性を含む構成(請求項2に従属の請求
項5)、また、前記制御手段としてのパワーステアリン
グ制御手段の複数の初期制御特性は、操舵力軽減用の初
期制御特性と、操舵力増大用の初期制御特性を含む構成
(請求項2に従属の請求項6)、等の種々の態様に構成
できる。
【0008】
【発明の作用及び効果】請求項1の自動車用制御装置の
制御ゲイン変更方法においては、自動車の制御装置に含
まれる複数の制御手段の各々を制御する複数の異なる初
期制御特性を記憶手段に予め設定して記憶させ、各制御
手段に対してその制御手段の制御に用いる複数の初期制
御特性のうちからドライバーが指定した特性を選択して
設定し、前記複数の制御手段に対して選択設定された複
数の初期制御特性をベースとして、それら初期制御特性
を学習制御により累積的に更新する。従って、試乗等を
行って、ドライバーの運転特性や好みに適合させて、各
制御手段の複数の初期制御特性のうちの1つを選択して
設定できるため、学習データが整備されなくとも、自動
車購入後の早期の段階から、ドライバーに適した制御特
性にすることができる。これにより、学習データの整備
に長期間要するという学習制御の欠点を解消できる。ま
た、その制御特性は、それをベースとして学習制御によ
累積的に更新されていくので、学習制御の長所を有効
活用することもできる。
【0009】請求項2の自動車用制御装置の制御ゲイン
変更装置においては、記憶手段には、自動車の制御装置
に含まれる複数の制御手段の各々を制御する複数の異な
る初期制御特性が予め記憶されており、初期制御特性選
択手段により、各制御手段に対してその制御手段の制御
に用いる複数の初期制御特性のうちからドライバーが指
定した特性を選択して設定されると、制御特性変更手段
は、初期制御特性選択手段により選択された初期制御特
性を学習制御により累積的に更新する。従って、請求項
1と同様の作用・効果が得られる。
【0010】請求項3の制御ゲイン変更装置では、駆動
系制御手段の複数の初期制御特性は、燃費軽減用の初期
制御特性と、パワー増大用の初期制御特性を含むため、
ドライバーに合わせてこれらの何れかの特性に設定でき
る。請求項4の制御ゲイン変更装置では、懸架系制御手
段の複数の初期制御特性は、乗り心地向上用の初期制御
特性と、操縦安定性向上用の初期制御特性とを含むた
め、ドライバーに合わせてこれらの何れかの特性に設定
できる。
【0011】請求項5の制御ゲイン変更装置では、後輪
操舵系制御手段の複数の初期制御特性は、操縦安定性向
上用の初期制御特性と、小回り性向上用の初期制御特性
とを含むため、ドライバーに合わせてこれらの何れかの
特性に設定できる。請求項6の制御ゲイン変更装置で
は、操舵系制御手段の複数の初期制御特性は、操舵力軽
減用の初期制御特性と、操舵力増大用の初期制御特性を
含むため、ドライバーに合わせてこれらの何れかの特性
に設定できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。最初に、本実施例に係る自動車用制御
装置の制御ゲイン変更装置の概要について説明する。自
動車Aの各部制御装置である、エンジン制御装置、アク
ティブサスペンション制御装置、後輪操舵制御装置、パ
ワーステアリング制御装置、の夫々について、予め3つ
の初期制御ゲインを記憶しておき、各部制御装置毎に、
3つの初期制御ゲインのうちの1つを選択設定可能に構
成し、自動車を購入したオーナードライバーの試乗を介
して、そのドライバーに適した各部制御装置の初期制御
ゲインをデーラーにおいて選択設定し、その後、一般道
路と高速道路とに分けた学習制御により制御ゲインを更
新するようにした。
【0013】次に、自動車の全体構成、制御系、初期制
御ゲイン設定制御、学習制御による制御ゲイン変更制
御、学習データ更新制御の詳細について、順々に説明す
る。図1に示すように、自動車Aには、少なくとも、エ
ンジン1、自動変速機2、前輪3及び後輪4、操舵ハン
ドル5、アクティブサスペンション装置6、後輪操舵装
置7、パワーステアリング装置8、前後輪のブレーキ装
置9、等が設けられている。前記自動車Aには、エンジ
ン2の吸気量、点火時期、燃料噴射量などを設定された
制御ゲインにて夫々制御するエンジン制御装置10(E
GI)と、前輪3と後輪4のアクティブサスペンション
装置6を設定された制御ゲインにて制御するアクティブ
サスペンション制御装置11(ACS)と、後輪操舵装
置7を設定された制御ゲインにて制御する4輪操舵制御
装置12(4WS)と、パワーステアリング装置8を設
定された制御ゲインにて制御するパワーステアリング制
御装置13(P/S)とが、設けられている。
【0014】尚、これらの各部制御装置10〜13によ
り制御される夫々の制御対象機器とそれに対する制御
は、一般的なものなので説明を省略する。そして、各部
制御装置10〜13には、夫々予めベース制御ゲインが
設定されているが、後述の制御装置21から制御ゲイン
が夫々供給されるときには、その制御ゲインによる制御
が実行され、また、制御装置21から制御ゲインが供給
されないときには、ベース制御ゲインによる制御が実行
される。
【0015】次に、制御ゲイン変更装置の制御系につい
て図2に基いて説明する。制御ゲイン変更装置20の制
御装置21は、センサ類からの信号をA/D変換する変
換回路や波形整形する整形回路等を含む入出力インター
フェースと、マイクロコンピュータと、等で構成されて
いる。この制御装置21には、各部制御装置10〜13
と、ROM22及びRAM23と、センサ類24〜2
8、自動車の走行距離計29と、一般道路と高速道路と
を択一的に設定する道路設定スイッチ30と、初期制御
ゲインを選択設定するための4つのスイッチ31〜34
(EGI用SW、ACS用SW、4WS用SW、4WS
用SW)と、スイッチ31〜34による設定の開始と終
了を指定する為の開始スイッチ35および終了スイッチ
36と、デーラーが自動車を下取りしたときにRAM2
3のデータの消去を指令する消去スイッチ39とが、図
示のように接続されている。
【0016】前記スイッチ31〜34は、夫々、3つの
電圧レベルの信号を択一的に供給可能な3位置スイッチ
(第1モード位置、第2モード位置、第3モード位置)
からなり、これらのスイッチ31〜34は、インストル
メントパネルの下面や裏面側又はコンソールボックス内
に設けられた隠しスイッチである。
【0017】前記マイクロコンピュータのROMには、
初期制御ゲイン設定制御(図5)、制御ゲイン変更制御
(図6)、学習データ更新制御(図8)、等の制御プロ
グラムが予め格納され、マイクロコンピュータのRAM
には、前記の各種制御の為のメモリ類が設けられてい
る。前記センサ類としては、自動車Aの車速Vを検出す
る車速センサ24、ハンドル舵角θhを検出する舵角セ
ンサ25、自動車Aに作用する横加速度Gを検出する横
加速度センサ26、路面の摩擦状態(低μ、高μ)を検
出するμセンサ27、自動車Aに作用するヨーレイトψ
vを検出するヨーレイトセンサ28等が設けられてい
る。
【0018】前記ROM22には、図3に示すように、
EGI用初期制御ゲインとして、第1〜第3モードに対
応する初期制御ゲインGe1〜Ge3(Ge1<Ge2<Ge3)
と、ACS用初期制御ゲインとして、第1〜第3モード
に対応する初期制御ゲインGa1〜Ga3(Ga1<Ga2<Ga
3)と、4WS用初期制御ゲインとして、第1〜第3モ
ードに対応する初期制御ゲインGw1〜Gw3(Gw1<Gw2
<Gw3)と、P/S用初期制御ゲインとして、第1〜第
3モードに対応する初期制御ゲインGp1〜Gp3(Gp1<
Gp2<Gp3)と、4つのベース制御ゲインGe0,Ga0,
Gw0,Gp0とが予め格納されている。前記第1モードの
初期制御ゲインGe1,Ga1,Gw1,Gp1は、ベース制御
ゲイン×(0.7 〜0.8)位の値、第2モードの初期制御ゲ
インGe2,Ga2,Gw2,Gp2は、ベース制御ゲイン×
(0.9 〜1.1)位の値、第3モードの初期制御ゲインGe
3,Ga3,Gw3,Gp3は、ベース制御ゲイン×(1.2 〜
1.3)位の値、である。
【0019】ここで、EGI10の制御ゲインに関し
て、制御ゲイン「小」は低燃費方向、制御ゲイン「大」
はパワー増大方向であり、ACS11の制御ゲインに関
して、制御ゲイン「小」は乗り心地アップ方向(ソフト
方向)、制御ゲイン「大」は操縦安定性アップ方向(ハ
ード方向)であり、4WS12の制御ゲインに関して、
制御ゲイン「小」は小回り性アップ方向(逆相ゲイン増
大方向)、制御ゲイン「大」は操縦安定性アップ方向
(同相ゲイン増大方向)であり、P/S13の制御ゲイ
ンに関して、制御ゲイン「小」は操舵力が軽くなる方
向、制御ゲイン「大」は操舵力が重くなる方向である。
【0020】更に、前記ROM22には、各部制御装置
10〜13の制御ゲインを夫々補正する4つの補正係数
K(Ke,Ka,Kw,Kp)を演算し、その補正係数
Kで補正した制御ゲインを演算する制御プログラム、車
速Vと舵角速度Dθhの標準データV0、Dθh0が格
納されている。前記各補正係数Kは、K=(1.0 +Δ)
で決定され、制御ゲインを変更しない場合には、補正成
分ΔがΔ=0に設定され、また、学習制御に基いて制御
ゲインを変更する場合には、各補正成分Δが、後述の制
御用データV、Dθhと、標準データV0、Dθh0と
を用いて、(V−V0)と(Dθh−Dθh0)とを、
補正係数演算制御の制御プログラムの所定の演算式やマ
ップに適用することにより演算され、各補正係数Kを各
制御ゲインの学習値に乗算することで、各制御ゲインの
学習値が更新され、その更新された各制御ゲインに相当
する制御信号が各部制御装置10〜13に夫々供給さ
れ、各部制御装置10〜13は、その供給された制御ゲ
インにて制御することになる。
【0021】前記RAM23には、図4に示すように、
各部制御装置10〜13の、一般道路用制御ゲイン(学
習値)Gem,Gam,Gwm,Gpmと、高速道路用制御ゲイ
ン(学習値)Gen,Gan,Gwn,Gpnとを記憶する為の
メモリと、所定数の(今回の)検出データVi、θhi
を蓄積するバッファと、学習制御における一般道路用の
学習データVb、Dθhbを記憶するメモリおよび高速
道路用の学習データVb、Dθhbを記憶するメモリ、
等が設けられている。
【0022】前記初期制御ゲイン設定制御について、図
5のフローチャートに基いて説明する。尚、図中Si
(i=1,2,・・・)は、各ステップを示すものであ
る。この制御は、自動車を購入したオーナードライバー
が運転し、デーラーのスタッフが助手席に同乗した状態
で行う試乗の際に実行されるもので、各部制御装置10
〜13の第1〜第3モードの初期制御ゲインを試行錯誤
的に設定して走行し、そのオーナードライバーに最適の
各部制御装置の初期制御ゲインを選択設定する制御であ
る。開始スイッチ35のONで制御が開始されると、道
路設定スイッチ30、スイッチ31〜34、終了スイッ
チ36等からの各種信号が読み込まれ(S1)、次に、
道路設定スイッチ30からの信号に基いて一般道路か否
か判定され(S2)、一般道路であるときには、S3〜
S6が実行され、高速道路であるときには、S7〜S1
0が実行される。
【0023】一般道路のときには、EGI用スイッチ3
1が、第iモード(i=1,2,3の1つ)に設定され
ているときには、制御ゲインGemが第iモードの初期制
御ゲインGeiに設定され(S3)、次に、ACS用スイ
ッチ32が、第iモード(i=1,2,3の1つ)に設
定されているときには、制御ゲインGamが第iモードの
初期制御ゲインGaiに設定され(S4)、次に、4WS
用スイッチ33が、第iモード(i=1,2,3の1
つ)に設定されているときには、制御ゲインGwmが第i
モードの初期制御ゲインGwiに設定され(S5)、次
に、P/S用スイッチ34が、第iモード(i=1,
2,3の1つ)に設定されているときには、制御ゲイン
Gpmが第iモードの初期制御ゲインGpiに設定され(S
6)、その後、S11へ移行する。
【0024】高速道路のときには、EGI用スイッチ3
1が、第iモード(i=1,2,3の1つ)に設定され
ているときには、制御ゲインGenが第iモードの初期制
御ゲインGeiに設定され(S7)、次に、ACS用スイ
ッチ32が、第iモード(i=1,2,3の1つ)に設
定されているときには、制御ゲインGanが第iモードの
初期制御ゲインGaiに設定され(S8)、次に、4WS
用スイッチ33が、第iモード(i=1,2,3の1
つ)に設定されているときには、制御ゲインGwnが第i
モードの初期制御ゲインGwiに設定され(S9)、次
に、P/S用スイッチ34が、第iモード(i=1,
2,3の1つ)に設定されているときには、制御ゲイン
Gpnが第iモードの初期制御ゲインGpiに設定され(S
10)、その後、S11へ移行する。
【0025】S11においては、終了スイッチ36がO
Nか否か判定され、終了スイッチ36がONされないと
きには、S1へ戻り、S1以降が繰り返されるため、種
々のモードの初期制御ゲインに設定し直すことができ
る。そして、設定を終了する為に終了スイッチ36がO
Nされると、この初期制御ゲイン設定制御は終了する。
【0026】前記制御ゲイン変更制御について、図6の
フローチャートと図7に基いて説明する。尚、図中Si
(i=30,31,・・・)は各ステップを示す。自動
車AのIgSWのONとともに制御が開始されると、道
路設定スイッチ30や走行距離計29からの信号等が読
み込まれ(S30)、次に今回走向距離Mが演算され
(S31)、一般道路か否か判定され(S32)、一般
道路のときには、S33において、ROM22から、標
準データV0、Dθh0が読み込まれるとともに、RA
M23の一般道路用の学習データメモリから、学習デー
タVb、Dθhbが読み込まれ、また、高速道路のとき
には、S34において、ROM22から、標準データV
0、Dθh0が読み込まれるとともに、RAM23の高
速道路用の学習データメモリから、学習データVb、D
θhbが読み込まれる。
【0027】次に、S35において、学習制御条件が成
立か否かの判定がなされるが、例えば、低μ路であると
か、車速が所定車速以上であるとかで、学習制御条件が
成立していないときには、S37に移行して、制御用デ
ータV、Dθhが、V=V0、Dθh=Dθh0に設定
され、S40へ移行する。この場合、制御用データV、
Dθhに標準データV0、Dθh0を与えるため、補正
係数演算制御により補正係数Kの補正成分Δが「0」に
演算され、補正係数Kが1.0となり、制御ゲインの変
更がなされないことになる。
【0028】一方、S35の判定の結果、学習制御条件
が成立しているときには、S36において、今回走行距
離Mが、図7に図示のマップで決まる値Map(TM)
以上か否か判定される。図7のマップは、走行距離計2
9の合計走行距離TM(但し、合計走行時間や合計走行
日数でもよい)をパラメータとして、Map(TM)の
値を設定したもので、合計走行距離TMが大きくなり、
学習データが整備されるのに応じて、学習制御のウェイ
トをを大きくする為に、合計走行距離TMが、所定値T
M1(例えば、1万Km)以下では、Map(TM)が
大きな一定値に設定され、また、所定値TM1から所定
値TM2(例えば、4万Km)にかけてはMap(T
M)がリニアに減少するように設定され、また、所定値
TM2以上では、Map(TM)が小さな一定値となる
ように設定されている。
【0029】S36の判定の結果、最初今回走行距離M
が小さいうちはNoなので、S38へ移行して、制御用
のデータであるV、Dθhが、V=(V0+Vb)/
2、Dθh=(Dθh0+Dθhb)/2、に設定さ
れ、その後S40へ移行する。学習制御条件が成立して
いる場合には、最初のうちは、S36からS40へ移行
するのを繰り返していって、前記のように、標準データ
と学習データを1対1の比率で加味した制御用のデータ
が設定され、そのうちに、今回走行距離Mが増加して、
今回走行距離MがMap(TM)以上になると、S36
からS39、S40へ移行し、S39において、制御用
のデータであるV、Dθhが、V=Vb、Dθh=Dθ
hb、に設定され、学習データに基いて制御ゲインを変
更する制御に移行し、S39からS40へ移行する。
【0030】次に、S40においては、S37又はS3
8又はS39で設定された制御用のデータV、Dθhに
基いて、前述のように、各部制御装置10〜13の制御
ゲイン補正用の各補正係数K(Ke,Ka,Kw,K
p)が、ROM22の補正係数演算制御の制御プログラ
ムに基いて演算される。次に、S41において、道路設
定スイッチ30からの信号に基いて、一般道路か否かの
判定がなされ、一般道路のときにはS42において、各
部制御装置10〜13の制御ゲインGem, Gam, Gwm,
Gpmが、Gem×Ke,Gam×Ka,Gwm×Kw,Gpm×
Kp,に夫々設定される。また、高速道路のときにはS
43において、各部制御装置10〜13の制御ゲインGe
n, Gan, Gwn, Gpnが、Gen×Ke,Gan×Ka,Gw
n×Kw,Gpn×Kp,に夫々設定される。次に、S4
4において、S42又はS43で設定された各制御ゲイ
ンに相当する制御信号が、各部制御装置10〜13へ出
力され、その後S44からS30へ移行し、S30以降
が微小時間毎に繰り返される。
【0031】最後に、学習データ更新制御について図8
のフローチャートにより説明する。この学習データ更新
制御は、IgSWがONのときに開始され、前記制御ゲ
イン変更制御と並行的に実行されるもので、図中、Si
(i=50,51,・・・)は各ステップを示すもので
ある。最初に、各種信号(今回の車速Vi、今回の舵角
θhi、その他のセンサ類の信号)が読み込まれ(S5
0)、次に、今回の舵角θhiと前回の舵角とに基い
て、今回の舵角速度Dθhiが演算され(S51)、次
に、センサ類からの検出信号に基いて、所定の学習条件
が成立か否か判定される(S52)。尚、基本的に、低
μ路走行時や所定車速以上のときには、学習データの更
新は禁止される。
【0032】S52の判定の結果、学習条件が成立して
いないときには,そのままリターンし、また、学習条件
が成立しているときには、S53において、今回のデー
タVi、Dθhiが、RAM23のバッファに格納され
る。次に、S54において、RAM23のバッファに所
定数のデータが蓄積されたか否か判定され、Noのとき
はそのままリターンし、Yesのときは、道路設定スイ
ッチ30からの信号に基いて一般道路か否か判定される
(S55)。
【0033】一般道路のときには、学習データVb、D
θhbが、RAM23の一般道路用の学習データメモリ
から読み出され(S56)、また、高速道路のときに
は、学習データVb、Dθhbが、RAM23の高速道
路用の学習データメモリから読み出される(S57)。
次に、S58において、RAM23のバッファに蓄積さ
れた所定数のデータVi、Dθhiの平均値Vi、Dθ
hiを用いて、例えば図示の演算式により、学習データ
Vb、Dθhbが演算され、次に、その学習データV
b、Dθhbが、RAM23のデータを読出した方に対
応する学習データメモリに格納され(S59)、その後
S50へリターンし、S50以降が微小時間おきに繰り
返し実行される。
【0034】以上説明したように、この自動車用制御装
置の制御ゲイン変更装置においては、一般道路用と高速
道路用とに分けて、各部制御装置10〜13の3通りの
初期制御ゲインを記憶しておき、ドライバーによる試乗
を介して、スイッチ31〜34により、ドライバーの運
転特性に適した初期制御ゲインを選択設定できるように
構成したので、学習データの整備を待たずに、自動車の
使用開始後の早期から、ドライバーの運転特性に適した
制御特性にすることができる。これにより、学習データ
の完備までに長期間かかるという学習制御の欠点を解消
することができる。しかも、一般道路用の初期制御ゲイ
ンと高速道路用の初期制御ゲインとを記憶してあるの
で、一般道路用と高速道路用とに分けて、初期制御ゲイ
ンを設定できる。
【0035】しかも、一般道路と高速道路とに分けて、
学習制御により制御ゲインを変更するように構成したの
で、ドライバーの運転特性に応じた制御特性となるよう
に制御ゲインを変更して、走行性や操縦安定性等を高め
ることができる。また、一般道路と高速道路とに分け
て、学習データを更新するため、学習データの信頼性つ
まり学習制御の信頼性を高めることもできる。
【0036】尚、前記実施例のように、制御装置21に
おいて各部制御装置10〜13の初期制御ゲインを設定
するのに代えて、初期制御ゲイン/ベース制御ゲインに
相当する初期制御ゲイン補正係数を選択設定するように
構成することもできるし、各部制御装置10〜13の制
御ゲインを演算して設定するのに代えて、制御ゲイン/
ベース制御ゲインに相当する制御ゲイン補正係数を求め
て、その制御信号を各部制御装置10〜13に供給する
ように構成することもできる。尚、前記実施例のように
オーナードライバーについての初期制御ゲインだけでな
く、第2、第3ドライバーについても、初期制御ゲイン
を選択設定するように構成し、各ドライバー毎に、一般
道路と高速道路とに分けて、学習制御するように構成す
ることもできる。
【0037】また、前記実施例においては、学習データ
Vb、Dθhbを用いて、各部制御装置10〜13の制
御ゲインを変更する例について説明したが、前記学習デ
ータVb、Dθhbは、一例を示すものに過ぎず、これ
ら以外の学習データ(例えば、車速とヨーレイト)を用
いて制御ゲインを変更する制御ゲイン変更装置にも、本
発明を同様に適用できることは勿論であり、また、前記
実施例では、EGI10、ACS11、4WS12、P
/S13の制御ゲインを変更する例について説明した
が、これらの代わりに、又は、これらに加えて、アンチ
ロックブレーキング制御装置、トラクション制御装置、
エアコン制御装置、等の種々の自動車の制御装置の制御
ゲインを学習データを用いて変更する制御ゲイン変更装
置にも、本発明を同様に適用できることは、勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る自動車の駆動系と懸架系と操舵系
の構成図である。
【図2】制御ゲイン変更装置の制御系の構成図ある。
【図3】ROM22のメモリの説明図である。
【図4】RAM23のメモリの説明図である。
【図5】初期制御ゲイン設定制御のルーチンのフローチ
ャートである。
【図6】制御ゲイン変更制御のルーチンのフローチャー
トである。
【図7】Map(TM)を設定するマップの線図であ
る。
【図8】学習データ更新制御のルーチンのフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 自動車 2 エンジン 6 アクティブサスペンション装置 7 後輪操舵装置 8 パワーステアリング装置 9 制動装置 10 エンジン制御装置(EGI) 11 アクティブサスペンション制御装置(AC
S) 12 4輪操舵制御装置(4WS) 13 パワーステアリング制御装置(P/S) 20 自動車の制御装置の制御ゲイン変更装置 21 制御装置 22 ROM 23 RAM 31〜34 初期制御ゲイン設定用のスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 6/00 B62D 6/00 7/14 7/14 A F02D 45/00 340 F02D 45/00 340Z (72)発明者 坂本 清 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 和泉 知示 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−189698(JP,A) 特開 平2−191840(JP,A) 特開 平4−187849(JP,A) 特開 平3−224832(JP,A) 特開 平5−155274(JP,A) 特開 平3−153436(JP,A) 特開 平1−190516(JP,A) 特開 平6−199158(JP,A) 特公 平3−44029(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/00 - 41/28 B60G 17/015 B62D 6/00 B62D 7/14 B62D 41/00 - 41/40 B62D 43/00 - 45/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の制御装置の制御ゲインを学習デ
    ータを用いて変更する制御ゲイン変更方法において、 前記制御装置に含まれる複数の制御手段の各々を制御す
    る複数の異なる初期制御特性を記憶手段に予め設定して
    記憶させるステップと、 各制御手段に対してその制御手段の制御に用いる複数の
    初期制御特性のうちからドライバーが指定した特性を選
    択して設定するステップと、 前記複数の制御手段に対して選択設定された複数の初期
    制御特性をベースとして、それら初期制御特性を学習制
    御により累積的に更新するステップと、 を有する ことを特徴とする自動用制御装置の制御ゲイン
    変更方法。
  2. 【請求項2】 自動車の制御装置の制御ゲインを学習デ
    ータを用いて変更する制御ゲイン変更装置において、 前記制御装置に含まれる複数の制御手段の各々を制御す
    る複数の異なる初期制御特性を記憶手段に予め設定して
    記憶させた記憶手段と、 各制御手段に対してその制御手段の制御に用いる複数の
    初期制御特性のうちからドライバーが指定した特性を選
    択して設定する初期制御特性選択手段と、 前記複数の制御手段に対して選択設定された複数の初期
    制御特性をベースとして、それら初期制御特性を学習制
    御により累積的に更新する制御特性変更手段と 、を備え
    たことを特徴とする自動車用制御装置の制御ゲイン変更
    装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段としての駆動系制御手段の
    複数の初期制御特性は、燃費軽減用の初期制御特性と、
    パワー増大用の初期制御特性を含むことを特徴とする請
    求項2に記載の自動車用制御装置の制御ゲイン変更装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段としての懸架系制御手段の
    複数の初期制御特性は、乗り心地向上用の初期制御特性
    と、操縦安定性向上用の初期制御特性とを含むことを特
    徴とする請求項2に記載の自動車用制御装置の制御ゲイ
    ン変更装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段としての後輪操舵制御手段
    の複数の初期制御特性は、小回り性向上用の初期制御特
    性と、操縦安定性向上用の初期制御特性を含むことを特
    徴とする請求項2に記載の自動車用制御装置の制御ゲイ
    ン変更装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段としてのパワーステアリン
    グ制御手段の複数の初期制御特性は、操舵力軽減用の初
    期制御特性と、操舵力増大用の初期制御特性を含むこと
    を特徴とする請求項2に記載の自動車用制御装置の制御
    ゲイン変更装置。
JP1803393A 1993-01-09 1993-01-09 自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置 Expired - Fee Related JP3347172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1803393A JP3347172B2 (ja) 1993-01-09 1993-01-09 自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1803393A JP3347172B2 (ja) 1993-01-09 1993-01-09 自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06206474A JPH06206474A (ja) 1994-07-26
JP3347172B2 true JP3347172B2 (ja) 2002-11-20

Family

ID=11960362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1803393A Expired - Fee Related JP3347172B2 (ja) 1993-01-09 1993-01-09 自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3347172B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5720479B2 (ja) * 2011-08-08 2015-05-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06206474A (ja) 1994-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102398602B (zh) 用于车辆的控制系统
JPH10151968A (ja) 速度の選択及び指示装置
JPH06297983A (ja) 自動車の特性変更装置及び方法
JP3199334B2 (ja) 自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置
JP3347172B2 (ja) 自動車用制御装置の制御ゲイン変更方法とその変更装置
JP2939370B2 (ja) 学習制御自動車
JP3317454B2 (ja) 自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置
JP3056845B2 (ja) 学習制御自動車
JP3061662B2 (ja) 学習制御自動車
JP3122263B2 (ja) 学習制御自動車
JP3058966B2 (ja) 学習制御自動車
JP3009951B2 (ja) 学習制御自動車
JPH07108883A (ja) 自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置及び変更方法
JPH06199158A (ja) 自動車用制御装置の制御ゲイン変更装置
JP3056856B2 (ja) 学習制御自動車
JP3058968B2 (ja) 学習制御自動車
JP3058963B2 (ja) 学習制御自動車
JP2937571B2 (ja) 学習制御自動車
JP2939372B2 (ja) 学習制御自動車
JP3009952B2 (ja) 学習制御自動車
JP3007206B2 (ja) 学習制御自動車
JP3058967B2 (ja) 学習制御自動車
JP2939371B2 (ja) 学習制御自動車
JP2987239B2 (ja) 学習制御自動車
JP3058964B2 (ja) 学習制御自動車

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees