JP3058968B2 - 学習制御自動車 - Google Patents

学習制御自動車

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JP3058968B2
JP3058968B2 JP3328957A JP32895791A JP3058968B2 JP 3058968 B2 JP3058968 B2 JP 3058968B2 JP 3328957 A JP3328957 A JP 3328957A JP 32895791 A JP32895791 A JP 32895791A JP 3058968 B2 JP3058968 B2 JP 3058968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、学習制御自動車に関す
るものであり、さらに詳細には、ドライバーの行動特性
に合致した制御を実行することのできる学習制御自動車
に関するものである。
【0002】
【先行技術】自動車は、いかなるドライバーが、いかな
る地域を、いかなる環境下で、運転しても、一定程度の
満足が得られるように、万人向けに、走行特性の制御ゲ
インが設定されているのが一般である。ただ、各ドライ
バーの好みに合致した運転を可能とするため、パワーモ
ードとノーマルモードを、あるいは、アクティブサスペ
ンションを備えた自動車において、コントロールモー
ド、ハードモードあるいはソフトモードを、4輪操舵自
動車において、スポーツモードとノーマルモードなどの
特定の制御ゲインのみを、それぞれ、選択し得るよう
に、マニュアル・スィッチが設けられた自動車も知られ
ている。
【0003】しかしながら、このように、万人向けに、
走行特性の制御ゲインが設定された自動車や、特定の制
御ゲインのみを、マニュアル・スィッチを操作すること
によって、選択し得るにとどまる自動車では、すべての
ドライバーに、満足を与えることは不可能であり、その
ため、ドライバーの運転の特徴を学習して、フィードバ
ックし、走行特性の制御ゲインを変更することにより、
ドライバーに、より大きな満足感を与えるべく、設計さ
れた学習制御自動車が提案されている。
【0004】たとえば、特公平3−44029号公報
は、ステアリングホィールの操舵中におけるステアリン
グホィールの操舵角速度、操舵角、ヨーレイト、横加速
度などをサンプリングして、その所定時間内における平
均値に基づいて、ドライバーの操舵の特徴を抽出して、
ステアリングホィールの操舵角に対する前輪および/ま
たは後輪の転舵角の比率を変化させるように、学習制御
する自動車を提案している。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、例えば
同じ道路を走行しているようなときに、それまでに蓄積
された学習データと現在の走行状況から得られる走行デ
ータとを比較してドライバーの心理状態が不安定である
と推定できる場合においても、一律に各制御装置の制御
特性を変更させてしまうと、必ずしもドライバーの心理
状態に合致した制御特性を得ることができない。
【0006】
【発明の目的】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、自動車の走行状況を検出する検出手段と、所定
の制御ゲインで、自動車の走行特性を制御可能な走行特
性制御手段と、自動車の走行状況を学習し、走行特性制
御手段の制御ゲインを変更可能な制御手段とを備えた学
習制御自動車において、ドライバーの心理状況の安定ま
たは不安定に応じて制御ゲインの変更を行うことができ
る学習制御自動車を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、自動車の走行状
況を検出する検出手段と、所定の制御ゲインで、自動車
の走行特性を制御可能な走行特性制御手段と、自動車の
走行状況を学習し、前記走行特性制御手段の前記制御ゲ
インを変更可能な制御手段とを備えた学習制御自動車に
おいて、特定ドライバーの所定の操作に対して、その特
定ドライバーのそれまで蓄積された学習データと現在の
走行データとを対比し、その差が不安定側において所定
値以上であるか否かを判定する判定手段と、この判定手
段が所定値以上であると判定した場合には、制御手段に
より学習された特定ドライバーの制御ゲインを安定側に
補正する補正手段と、を備えていることを特徴とする学
習制御自動車より達成される。
【0008】本発明の好ましい実施態様において、補正
手段は、制御ゲインを安定側にする補正をエンジンの停
止まで継続する。本発明の好ましい他の実施態様におい
て、判定手段は、特定ドライバーのそれまで蓄積された
地理別及び時間別における学習データと現在の走行デー
タとの対比して判定を行う。本発明の好ましい更なる他
の実施形態において、制御手段は、判定手段が所定値以
上であると判定した場合、特定ドライバーによる自動車
の走行状況の学習を中止する。
【0009】本発明の好ましい更なる他の実施形態にお
いて、制御手段は、判定手段が所定値以上であると判定
した場合でも、道路の地形状況に関する学習だけは継続
する。本発明の好ましい更なる他の実施形態において、
補正手段は、判定手段が判定を行うことができない場合
にも、制御ゲインを安定側に補正する。
【0010】
【発明の作用】本発明によれば、特定ドライバーの所定
の操作に対して、その特定ドライバーのそれまで蓄積さ
れた学習データと現在の走行データとを対比して、その
特定ドライバーの心理状態を推定し、心理状態が不安定
であると推定される場合には、学習された特定ドライバ
ーの制御ゲインを安定側に補正するようにしているた
め、そのドライバー自身も意識しないうちに制御ゲイン
が適切な方向に変更されることになり、操縦安定性を向
上させることができる。
【0011】本発明の好ましい実施態様によれば、補正
手段は、前記制御ゲインを安定側にする補正をエンジン
の停止、即ち、自動車の走行が停止してイグニッション
をオフするまで継続する。これは、特定ドライバーの不
安定な心理状態は運転中は継続するが、一旦自動車のエ
ンジンを止めて、その次に自動車を運転するときにはそ
のドライバーの心理状態も通常の安定した心理状態に復
帰していると考えられるからである。
【0012】本発明の好ましい他の実施態様によれば、
判定手段は、特定ドライバーのそれまで蓄積された地理
別及び時間別における学習データと現在の走行データと
の対比して判定を行う。同じ道路でも走行する時間帯が
異なれば特定ドライバーの心理状態も異なると考えられ
ることから、走行している道路及び走行している時間帯
が同じであるデータを対比する。これによって、特定ド
ライバーの心理状態の判定の正確性を向上させることが
できる。
【0013】本発明の好ましい更なる他の実施態様によ
れば、制御手段は、特定ドライバーの心理状態が不安定
と推定される場合、特定ドライバーによる自動車の走行
状況の学習を中止する。かかる場合は頻繁に起こるもの
ではなく、例外的な場合であるから、このような場合の
走行データを学習し、それまでに蓄積された学習データ
に加えると、学習データの標準性が失われるからであ
る。
【0014】本発明の好ましい更なる他の実施態様によ
れば、制御手段は、特定ドライバーの心理状態が不安定
と推定される場合でも、道路の地形状況に関する学習だ
けは継続する。この場合、上述したように、車速、操舵
速度、アクセルペダルやブレーキペダルの操作速度など
の操作状況に関するデータはドライバーの心理状況によ
る影響が大きいので学習の対象とすることはできない
が、道路の地形状況はドライバーの心理状況とは無関係
なものであるから、道路の地形状況に関する学習は継続
しても支障がない。
【0015】本発明の好ましい更なる他の実施態様によ
れば、特定ドライバーの心理状態の判定を行うことがで
きない場合にも、制御ゲインを安定側に補正する。例え
ば、初めての道路を走行するような場合にはその道路に
関する学習データはまだ存在しないので、特定ドライバ
ーの心理状態の判定は不可能である。このような場合、
特定ドライバーの心理状態が安定していれば問題はない
が、そのドライバーの心理状態が不安定になっているこ
ともあり得るので、そのような場合を考慮してかかる補
正を行うものである。
【0016】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好ましい
実施例につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の
好ましい実施例に係る学習制御自動車のブロックダイア
グラムである。
【0017】図1において、本発明の好ましい実施例に
係る学習制御自動車1は、エンジン2の吸気量、点火時
期、燃料噴射量などを制御するエンジン制御装置3、ス
テアリングホィール4の操舵角に対する前輪5の操舵角
の比を変更するギヤ比変更装置6を制御するギヤ比制御
装置7、パワーステアリング装置8を制御するパワース
テアリング制御装置9、前輪5および後輪10のアクテ
ィブサスペンション装置11を制御するアクティブサス
ペンション制御装置12、前輪5および後輪10のブレ
ーキ13を制御するアンチ・ロック・ブレーキング制御
装置14、エンジン2および前輪5および後輪10のブ
レーキ13を制御するトラクション・コントロール装置
15および後輪10を操舵する後輪操舵装置16を制御
する4輪操舵制御装置17を備えている。図1におい
て、18は、図示しない宇宙衛星、サインポストなどか
らの信号や地磁気信号を受信して、自動車1の位置を検
出する位置検出センサであり、19は、地図などによ
り、自動車1の位置を表示するディスプレイ装置であ
る。
【0018】図2は、本発明の好ましい実施例に係る学
習制御自動車の操作系、検出系および制御系のブロック
ダイアグラムである。図2において、本発明の好ましい
実施例に係る学習制御自動車の操作系は、ステアリング
ホィール4、アクセルペダル30、ブレーキペダル3
1、クラッチペダル32、シフトレバー33、ドライバ
ーにより操作され、所定の制御装置の制御ゲインを変更
するマニュアル・スィッチ34および後述するRAM5
2に格納された書き換え可能なプログラムを消去するた
めの消去スィッチ35を備えている。消去スィッチ35
が設けられているのは、たとえば、自動車を売った場合
には、ドライバーが異なることになるから、RAM52
に記憶されたプログラムを消去する必要があるためであ
り、したがって、通常は、ドライバーは操作できず、デ
ィーラーあるいはメーカーのみが、操作し得るように設
けられているが、ドライバーが、任意に、RAM52に
記憶されたプログラムを消去することができるようにす
る場合には、ドライバーにより操作可能に設けてもよ
い。
【0019】また、本発明の好ましい実施例に係る学習
制御自動車の検出系は、位置検出センサ18、時計4
0、走行距離を積算する積算計41、カレンダー42、
自動車1の車速Vを検出する車速センサ43、自動車1
のヨーレイトYを検出するヨーレイトセンサ44、自動
車1の加速度αを検出する加速度センサ45、自動車に
横方向に加わる横加速度GLを検出する横加速度センサ
46、自動車のばね下に上下方向に加わる上下加速度G
Vを検出する上下加速度センサ47およびICカードを
読取り、オーナードライバー、その家族などの特定のド
ライバーか否かを識別し、ドライバー信号を出力するI
Cカード読取り手段からなるドライバー識別手段48を
備えている。ドライバー識別手段48は、ICカードを
読取るのではなく、専用キー、免許証、発信機付き時計
などのドライバーの所持品により、オーナードライバ
ー、その他の特定のドライバーか否かを判定し、ドライ
バー信号を出力するように構成してもよい。また、図示
してはいないが、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置
7、パワーステアリング制御装置9、アクティブサスペ
ンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング
制御装置14、トラクション・コントロール装置15お
よび4輪操舵制御装置17には、それぞれ、タイマーが
内蔵されている。
【0020】さらに、本発明の好ましい実施例に係る学
習制御自動車の制御系は、メイン・コンピュータユニッ
ト50、所定のプログラムを格納しているROM51、
書き換え可能なプログラムを格納しているRAM52、
位置検出センサ18が検出した検出信号に基づき、自動
車1の位置を算出する位置算出用コンピュータユニット
53、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置7、パワー
ステアリング制御装置9、アクティブサスペンション制
御装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置1
4、トラクション・コントロール装置15および4輪操
舵制御装置17を備えている。
【0021】メイン・コンピュータユニット50は、R
OM51、RAM52に格納されたプログラムにアクセ
ス可能であり、メイン・コンピュータユニット50に
は、ステアリングホィール4、アクセルペダル30、ブ
レーキペダル31、クラッチペダル32、シフトレバー
33、マニュアル・スィッチ34ならびに消去スィッチ
35からの操作信号、および、位置検出センサ18、時
計40、積算計41、カレンダー42、車速センサ4
3、ヨーレイトセンサ44、加速度センサ45、横加速
度センサ46、上下加速度センサ47からの検出信号な
らびにドライバー識別手段48からの識別信号が、それ
ぞれ、入力され、メイン・コンピュータユニット50か
ら、エンジン制御装置3、ギヤ比制御装置7、パワース
テアリング制御装置9、アクティブサスペンション制御
装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置1
4、トラクション・コントロール装置15および4輪操
舵制御装置17に、それぞれ、制御信号が出力されるよ
うに構成されている。
【0022】マニュアル・スィッチ34は、エンジン制
御装置3、ギヤ比制御装置7、パワーステアリング制御
装置9、アクティブサスペンション制御装置12、アン
チ・ロック・ブレーキング制御装置14、トラクション
・コントロール装置15および4輪操舵制御装置17の
制御ゲインを、ドライバーの好みに応じて、変更し得る
ように構成されている。図3は、マニュアル・スィッチ
34が設けられたインスツルメントパネル36の一例を
示す略正面図であり、37は、インディケータである。
【0023】ROM51には、都市部を走行する際に使
用される設定プログラムA1、市街地を走行する際に使
用される設定プログラムA2、市外地を走行する際に使
用される設定プログラムA3、山道を走行する際に使用
される設定プログラムA4、高速道路を走行する際に使
用される設定プログラムA5、路面摩擦係数が所定値以
下の道路を走行する際に使用される設定プログラムA6
および横加速度GLが所定値、たとえば、0.5Gを越
えた走行安定性を重視すべき走行状態において使用され
る設定プログラムA7が格納されている。
【0024】また、RAM52には、自動車1が初めて
使用される時、あるいは、消去スィッチ35が操作され
た直後には、ROM51に記憶された設定プログラムA
1ないしA5が、そのまま、記憶されているが、これら
の設定プログラムA1ないしA5は、オーナードライバ
ーやその家族などの特定のドライバーが、自動車1を運
転するとき、後述する補正プログラムE5ないしE7に
より、補正されて、後述する標準プログラムB1ないし
B5となるものである。
【0025】ROM51に記憶された設定プログラムA
1ないしA5は、オーナードライバーやその家族などの
特定のドライバー以外のドライバーが、自動車1を運転
をする場合に、あるいは、特定のドライバーが運転をす
る場合でも、とくに、ドライバーが、RAM52に記憶
された後述する標準プログラムB1ないしB5ではな
く、ROM51に記憶された設定プログラムA1ないし
A5の使用を希望し、特定のドライバーを示すICカー
ドなどを使用しない場合にのみ、使用されるものであ
り、位置検出センサ18からの信号に基づき、位置検出
用コンピュータユニット53により生成され、入力され
たナビゲーション信号にしたがい、メイン・コンピュー
タユニット50によって、自動車1が走行している位
置、すなわち,地域が判定され、その判定結果に基づい
て、設定プログラムA1ないしA5のいずれかが、選択
的に使用される。また、自動車1が初めて使用される
時、あるいは、消去スィッチ35が操作された直後に
は、ROM51に記憶された設定プログラムA1ないし
A5が、そのまま、RAM52に記憶されているから、
特定のドライバーが運転する場合でも、実際には、設定
プログラムA1ないしA5が使用されることになる。
【0026】他方、設定プログラムA6およびA7は、
当初、RAM52に記憶された設定プログラムA1ない
しA5が、特定のドライバーが、自動車1を運転するこ
とにより、補正されて、後述する標準プログラムB1な
いしB5に転化しており、かつ、特定のドライバーが、
自動車1を運転する場合、あるいは、後述する特定地域
内を、特定のドライバーが運転する場合であっても、路
面摩擦係数が所定値以下の道路を走行する場合、およ
び、横加速度GLが所定値、たとえば、0.5Gを越え
た走行安定性を重視すべき走行状態において、RAM5
2に記憶された標準プログラムB1ないしB5に代え
て、強制的に選択され、使用されるものであり、走行安
定性を重視すべき場合に、確実に、所望の走行安定性を
確保することを可能にするためのものである。
【0027】また、RAM52には、自動車1が初めて
使用される時、あるいは、消去スィッチ35が操作され
た直後に、ROM51に記憶された設定プログラムA1
ないしA5が、そのまま、コピーされ、特定のドライバ
ーによる自動車1の運転に伴い、位置検出センサ18か
らの信号に基づき、位置検出用コンピュータユニット5
3により生成され、入力されたナビゲーション信号にし
たがい、後述する補正プログラムに基づき、補正された
地域別の標準プログラムB1ないしB5が記憶されてい
る。すなわち、RAM52には、都市部を走行する際に
使用される標準プログラムB1、市街地を走行する際に
使用される標準プログラムB2、市外地を走行する際に
使用される標準プログラムB3、山道を走行する際に使
用される標準プログラムB4および高速道路を走行する
際に使用される標準プログラムB5が、それぞれ、格納
されており、オーナードライバーやその家族などの特定
のドライバーが、自動車1を運転するとき、位置検出セ
ンサ18からの信号に基づき、位置検出用コンピュータ
ユニット53により生成され、入力されたナビゲーショ
ン信号にしたがい、メイン・コンピュータユニット50
によって、自動車1が走行している位置、すなわち,地
域が判定され、その判定結果に基づいて、これらのいず
れかが選択され、使用されるようになっている。
【0028】RAM52には、さらに、自動車1のオー
ナーの自宅あるいはディーラーの所在地などの基点か
ら、所定距離以内、たとえば、20km以内の特定地域
を、自動車1が走行しているときに、標準プログラムB
1ないしB5に優先して、使用される学習プログラムC
1ないしC3およびD1ないしD7が記憶されている。
特定地域内を走行しているか否かは、位置検出センサ1
8からの信号に基づき、位置検出用コンピュータユニッ
ト53により生成され、入力されたナビゲーション信号
にしたがって、メイン・コンピュータユニット50によ
り判定される。
【0029】ここに、学習プログラムC1ないしC3
は、特定地域内の各道路の地形状態を、単位区間毎に、
学習するものであり、学習プログラムC1は、上下加速
度センサ47から入力された上下加速度GVにしたが
い、自動車1の振動状態を検出して、特定地域内の各道
路の路面状態を、単位区間毎に、学習し、学習プログラ
ムC2は、特定地域内の各道路の屈曲状態を、単位区間
毎に、学習し、また、学習プログラムC3は、特定地域
内の各道路の傾斜状態を、単位区間毎に、学習するもの
である。
【0030】他方、学習プログラムD1ないしD7は、
特定地域内の道路の単位区間内でのドライバーの自動車
1の操作状況を、曜日別、および、所定時間毎の時間帯
別に、たとえば、9時ないし12時、12時ないし15
時のように、3時間毎の時間帯別に、学習するものであ
り、学習プログラムD1は、特定地域内の道路の単位区
間毎の平均車速Vを、曜日別および時間帯別に、学習
し、学習プログラムD2は、特定地域内の道路の各単位
区間において、ドライバーがブレーキペダル31を操作
した場所を、時間帯別に、学習し、学習プログラムD3
は、特定地域内の道路の各単位区間におけるドライバー
のステアリングホィール4の操舵状況を、単位区間毎に
平均して、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プロ
グラムD4は、特定地域内の道路の単位区間毎の平均ヨ
ーレイトYを、曜日別および時間帯別に、学習し、学習
プログラムD5は、特定地域内の道路の各単位区間にお
けるアクセルペダル30、ブレーキペダル31およびク
ラッチペダル32の操作状況を、単位区間毎に平均し
て、曜日別および時間帯別に、学習し、学習プログラム
D6は、特定地域内の道路の各単位区間におけるシフト
レバー33の操作状況を、単位区間毎に平均して、曜日
別および時間帯別に、学習し、学習プログラムD7は、
特定地域内の道路の各単位区間におけるマニュアル・ス
ィッチ34の操作を、操作場所、曜日別および時間帯別
に、学習するものである。
【0031】ここに、単位区間は、たとえば、1km毎
で、隣接する単位区間との間で、地域の一部が、たとえ
ば、100mづつ、重複するように、あるいは、10分
毎で、隣接する単位区間との間で、一部が時間的に、た
とえば、1分づつ、重複するように、設定される。これ
らの学習プログラムC1ないしC3は、同一単位区間
を、同一曜日、同一時間帯に、自動車1が、所定回数、
たとえば、10回あるいは50回、走行したときに、そ
れまでに検出された地形状況の平均値が算出され、初期
プログラムが作成されて、RAM52に、記憶されるも
のであり、学習プログラムD1、D3ないしD6は、同
一単位区間を、同一曜日、同一時間帯に、自動車1が、
所定回数、たとえば、10回あるいは50回、走行した
ときに、それまでに検出された操作状況の平均値が算出
され、初期プログラムが作成されて、RAM52に、記
憶され、学習プログラムD2およびD7は、同一曜日、
同一時間帯に、自動車1が、同一単位区間を、所定回
数、たとえば、10回あるいは50回、走行したとき
に、同一場所でなされたそれまでのブレーキペダル3
1、マニュアル・スィッチ34の操作状況を平均して、
初期プログラムが作成され、RAM52に、記憶される
ようになっている。ここに、ブレーキペダル31、マニ
ュアル・スィッチ34の操作が、所定の距離内でなされ
たとき、たとえば、ブレーキペダル31の操作の場合に
は、5m以内、マニュアル・スィッチ34の操作の場合
には、100m以内でなされたときは、同一場所でなさ
れたと判定するようになっている。
【0032】RAM52には、また、標準プログラムB
1ないしB5、学習プログラムC1ないしC3、D1な
いしD7を補正する補正プログラムE1ないしE7を備
えている。補正プログラムE1は、時計40からの信号
に基づき、メイン・コンピュータユニット50が、夜間
であると判定したときに、標準プログラムB1ないしB
5に、強制的に、一律の補正を加えるものであり、補正
プログラムE2は、メイン・コンピュータユニット50
が、渋滞していると判定したときに、標準プログラムB
1ないしB5および学習プログラムC1ないしC3なら
びにD1ないしD7に、強制的に、一律の補正を加える
ものであり、補正プログラムE3は、図示しないワイパ
ーの作動信号などに基づき、メイン・コンピュータユニ
ット50が、雨天や雪が振っている天候状態にあると判
定したときに、標準プログラムB1ないしB5および学
習プログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7
に、強制的に、一律の補正を加えるものであり、また、
補正プログラムE4は、積算計41からの信号に基づ
き、メイン・コンピュータユニット50が、連続走行時
間が、所定時間を越えたと判定したときに、標準プログ
ラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC
3ならびにD1ないしD7に、強制的に、一律の補正を
加えるものである。これらの補正プログラムE1ないし
E4は、あらかじめ、実験的にあるいは理論的に作成さ
れ、RAM52に格納されている。
【0033】これに対して、補正プログラムE5は、ス
テアリングホィール4、アクセルペダル30およびブレ
ーキペダル31の操作信号に基づき、メイン・コンピュ
ータユニット50が、ステアリングホィール4の操舵速
度、アクセルペダル30の操作速度およびブレーキペダ
ル31の操作速度の大きさを検出し、特定のドライバー
の操作の特徴を判定し、標準プログラムB1ないしB5
を補正するものであり、補正プログラムE6は、それま
でに、RAM52に記憶されていた制御データに比し
て、自動車1の走行状態が、所定以上、不安定な方向に
あると、メイン・コンピュータユニット50が判定した
ときに、走行安定性の低下の程度に応じて、標準プログ
ラムB1ないしB5および学習プログラムC1ないしC
3ならびにD1ないしD7に、強制的に、補正を加える
ものであり、さらに、補正プログラムE7は、メイン・
コンピュータユニット50が、マニュアル・スィッチ3
4の操作状況を検出して、標準プログラムB1ないしB
5を補正するものである。ここに、補正プログラムE6
は、補正プログラムE1ないしE4と同様に、あらかじ
め、実験的にあるいは理論的に作成され、RAM52に
格納されているが、補正プログラムE5は、都市部、市
街地、市外地、山道、高速道路に分類された同一地域内
を、所定回数、たとえば、100回あるいは200回、
走行したときのステアリングホィール4の操舵速度、ア
クセルペダル30の操作速度およびブレーキペダル31
の操作速度を平均して、それぞれ、地域毎に、作成され
て、RAM52に格納され、また、補正プログラムE7
は、同一地域内を、所定回数、たとえば、100回ある
いは200回、走行したときのマニュアル・スィッチ3
4の操作状況を平均して、作成され、RAM52に格納
されるようになっている。
【0034】なお、補正プログラムE1、E5およびE
7が、標準プログラムB1ないしB5の補正にのみ使用
されているのは、特定地域内で使用される学習プログラ
ムC1ないしC3およびD1ないしD7は、道路毎、曜
日毎および時間帯毎に、自動車1が運転されたときのド
ライバーの操作の特徴が考慮されて、作成され、補正さ
れているから、補正プログラムE1、E5およびE7に
よる補正を要しないためである。
【0035】学習プログラムC1ないしC3、D1ない
しD7および補正プログラムE5ないしE7には、検出
されたデータ、たとえば、C1であれば、振動を示す上
下加速度GVが、C2であれば、横加速度GLが、記憶
されるようになっている。表1は、ROM51に格納さ
れた設定プログラムA1ないしA6の制御データおよび
RAM52に格納された標準プログラムB1ないしB5
のうち、自動車1が、所定時間、走行した後の標準プロ
グラムB3の制御データの比の一例を示すものである。
【0036】表1において、ACSは、アクティブサス
ペンション制御装置12の制御データの設定プログラム
A1ないしA6および標準プログラムB3の間の比、A
BSは、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置14の
制御データの設定プログラムA1ないしA6および標準
プログラムB3の間の比、VGRは、ギヤ比制御装置7
の制御データの設定プログラムA1ないしA6および標
準プログラムB3の間の比、4WSは、4輪操舵制御装
置17の制御データの設定プログラムA1ないしA6お
よび標準プログラムB3の間の比、TRCは、トラクシ
ョン・コントロール装置15の制御データの設定プログ
ラムA1ないしA6および標準プログラムB3の間の
比、EGCは、エンジン制御装置3の制御データの設定
プログラムA1ないしA6および標準プログラムB3の
間の比、PSCは、パワーステアリング制御装置9の制
御データの設定プログラムA1ないしA6および標準プ
ログラムB3の間の比の一例を、それぞれ、示してい
る。これらの値に、それぞれの制御装置につき、所定の
係数を乗じて、それぞれの制御装置の制御データが得ら
れる。ここに、ACSにおいては、1がサスペンション
が最もソフトに、5が最もハードになる制御データに、
ABSにおいては、1が最も制動がかかりにくく、5が
最も制動がかかる制御データに、VGRにおいては、1
が最もギヤ比が大きく、5が最もギヤ比が小さい制御デ
ータに、4WSにおいては、1が最も後輪が同相方向に
操舵され、5が最も逆相方向に操舵される制御データ
に、TRCにおいては、1が最もスリップが小さく、5
が最もスリップが大きく、パワーがアップする制御デー
タに、EGCにおいては、1が最も燃費効率が良く、5
が最も得られるパワーが大きくなる制御データに、PS
Cにおいては、1が最も小さな力でステアリングホィー
ル4を操舵することができ、5がステアリングホィール
4を操舵するために、最も大きな力を要する制御データ
に、それぞれ、対応している。
【0037】これらの設定プログラムA1ないしA7に
おける制御データの設定は、一例にすぎず、いかなる車
両特性を、自動車1に持たせたときに、より多くのドラ
イバーに満足を与え得るかについての考え方により、変
更が可能であることは言うまでもない。表1のうち、A
CSの例で、制御データ設定の考え方につき、説明を加
えると、都市部走行用設定プログラムであるA1におい
ては、渋滞などが生じやすく、したがって、発進、停止
を繰り返すことが多いので、スコットやダイブを防止す
るため、サスペンションがかなりハードになるように、
制御データの比は4に設定されており、市街地走行用設
定プログラムであるA2においては、車速Vが、都市部
に比して、高くなるが、それほど高速ではなく、したが
って、走行安定性はほとんど問題にならず、専ら乗り心
地を重視して、サスペンションが最もソフトになるよう
に、制御データの比は1に設定されており、市外地走行
用設定プログラムであるA3においては、車速Vがさら
に高くなるため、走行安定性も考慮して、サスペンショ
ンがソフトになるように、制御データの比は2に設定さ
れており、山道走行用設定プログラムであるA4、高速
道路走行用設定プログラムであるA5になるにしたがっ
て、車速Vは一層高くなるので、次第に、サスペンショ
ンがハードになるように、これらにおいては、制御デー
タの比は、それぞれ、3および4に設定されている。さ
らに、路面摩擦係数の低い道路を走行用の設定プログラ
ムA6においては、車両の挙動ができるだけゆるやかに
なるように、サスペンションが最もソフトとするため、
制御データの比は1に設定され、横加速度GLが、たと
えば、0.5Gを越えた専ら走行安定性を問題にすべき
走行状態を対象とする設定プログラムA7においては、
サスペンションが最もハードになるように、制御データ
の比は5に設定されている。
【0038】表1において、標準プログラムB1ないし
B5の一例として示された市外地走行用の標準プログラ
ムB3は、特定のドライバーが慎重な運転をする場合
に、設定プログラムA3が補正された例を示すものであ
り、設定プログラムA3の制御データの比は、いずれ
も、慎重な運転をするのに適した値に補正されている。
表2は、学習プログラムC1ないしC3の制御データ
が、特定地域内の各道路の地形状態により、どのように
補正されるかを示し、表3は、学習プログラムD1、D
3ないしD6の制御データが、特定地域内の道路の単位
区間毎のドライバーの自動車1の操作状況により、どの
ように補正されるか、および、学習プログラムD2およ
びD7が、特定地域内の道路の各単位区間における各場
所毎に、ドライバーの自動車1の操作状況により、どの
ように補正されるかを、それぞれ、示すものであり、ま
た、表4は、補正プログラムE1ないしE7により、標
準プログラムB1ないしB5、学習プログラムC1ない
しC3および学習プログラムD1ないしD7の制御デー
タが、どのように補正されるかを示すものである。
【0039】表2、表3および表4における操作状況に
基づく補正は、あらかじめ記憶しているマップに基づい
てなされる。表2および表3において、「大」とは、制
御データの比の値を大きく補正することを意味し、
「小」とは、制御データの比の値を小さく補正すること
を意味している。図4は、メイン・コンピュータユニッ
ト50によって実行される基本制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【0040】図4において、まず、横加速度センサ46
から、横加速度GLが、アンチ・ロック・ブレーキング
制御装置14から、路面摩擦係数の推定値μが、それぞ
れ、メイン・コンピュータユニット50に入力される。
次いで、メイン・コンピュータユニット50は、横加速
度センサ46から入力された横加速度GLの絶対値が、
所定値GLo 、たとえば、0.5G以上か否かを判定す
る。
【0041】その結果、YESのときは、自動車1に加
わる横加速度GLが大きく、専ら走行安定性を重視する
必要のある走行状態にあり、ROM51に格納された設
定プログラムA7に基づき、制御を実行すべき状態にあ
ると判定されるから、メイン・コンピュータユニット5
0は、フラグPを0にセットし、さらに、前回のサイク
ルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更さ
れたか否かを判定し、変更されたときは、フラグSを0
にセットし、変更されていないときは、フラグSを1に
セットする。
【0042】他方、NOのときは、アンチ・ロック・ブ
レーキング制御装置14からの入力信号に基づいて、路
面摩擦係数の推定値μが、所定値μo 以下か否かを判定
する。その結果、YESのときは、路面摩擦係数の低い
道路を走行中と認められ、専ら走行安定性を重視する必
要のある走行状態にあり、ROM51に格納された設定
プログラムA6に基づき、制御を実行すべき状態にある
と判定されるから、メイン・コンピュータユニット50
は、フラグPを1にセットし、さらに、前回のサイクル
と今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更され
たか否かを判定し、変更されたときは、フラグSを0に
セットし、変更されていないときは、フラグSを1にセ
ットする。
【0043】他方、NOのときは、ドライバー判定サブ
ルーチン、地域判定サブルーチン、プログラム選択サブ
ルーチン、学習制御サブルーチン、心理補正サブルーチ
ンが順次実行され、最後に制御実行サブルーチンが実行
される。このうち、本発明は心理補正サブルーチンに関
するものである。まず、ドライバー判定サブルーチンが
実行されて、ドライバーが、オーナードライバーやその
家族などの特定のドライバーが否かが判定され、設定プ
ログラムA1ないしA5による制御を実行する必要があ
るか否かが判定される。
【0044】すなわち、図5に示されるように、メイン
・コンピュータユニット50は、ドライバー識別手段4
8から、ドライバー信号が入力されているか否かによ
り、オーナードライバーあるいはその家族などの特定の
ドライバーであるか否かを判定する。ここに、ドライバ
ー識別手段48は、ICカード、専用キー、免許証、発
信機付き時計などのドライバーの所持品を検出したと
き、ドライバー信号を、メイン・コンピュータユニット
50に出力するように構成されている。
【0045】その結果、ドライバー信号が入力されてい
るときは、メイン・コンピュータユニット50は、フラ
グFを0にセットするとともに、さらに、前回のサイク
ルにおいて、フラグFが0であったか否かを判定して、
前回のサイクルにおいて、フラグFが0でなかったとき
は、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにおいて
も、フラグFが0であったときは、フラグSを1にセッ
トする。
【0046】他方、ドライバー信号が入力されていない
ときは、メイン・コンピュータユニット50は、さら
に、図示しないドライバーの体重検出装置、画像処理に
より、ドライバーの体型および/または顔などを認識す
る装置、あるいは、音声の認識装置、シートのポジショ
ン検出装置などにより、ドライバーの体重、体型、顔、
音声、シートのポジションなどの一または二以上が、R
AM52に記憶されたデータと一致したするか否かによ
り、特定のドライバーか否かを判定する。
【0047】その結果、これらの一または二以上が、R
AM52に記憶されたデータと一致したときは、メイン
・コンピュータユニット50は、ドライバーが、オーナ
ードライバーあるいはその家族などの特定のドライバー
であると判定し、フラグFを0にセットするとともに、
さらに、前回のサイクルにおいて、フラグFが0であっ
たか否かを判定して、前回のサイクルにおいて、フラグ
Fが0でなかったときは、フラグSを0にセットし、前
回のサイクルにおいても、フラグFが0であったとき
は、フラグSを1にセットする。
【0048】これに対して、ドライバーの体重などか
ら、特定のドライバーと判定し得ないときは、メイン・
コンピュータユニット50は、さらに、ステアリングホ
ィール4の操舵速度、アクセルペダル30の操作速度、
ブレーキペダル31の操作速度およびクラッチペダル3
2の操作速度を、所定時間にわたり、モニターし、それ
まで、自動車1が、特定のドライバーにより、運転され
た結果、RAMに記憶されている特定のドライバーのス
テアリングホィール4の操舵速度、アクセルペダル30
の操作速度、ブレーキペダル31の操作速度およびクラ
ッチペダル32の操作速度の平均値と比較して、その差
が、所定値以内のときは、オーナードライバーあるいは
その家族などの特定のドライバーであると判定して、フ
ラグFを0にセットするとともに、さらに、前回のサイ
クルにおいて、フラグFが0であったか否かを判定し
て、前回のサイクルにおいて、フラグFが0でなかった
ときは、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにお
いても、フラグFが0であったときは、フラグSを1に
セットする。
【0049】これに対して、その差が、所定値を越えて
いると判定したときは、オーナードライバーあるいはそ
の家族などの特定のドライバーではないと判定して、フ
ラグFを1にセットするとともに、さらに、前回のサイ
クルにおいて、フラグFが1であったか否かを判定し
て、前回のサイクルにおいて、フラグFが1でなかった
ときは、フラグSを0にセットし、前回のサイクルにお
いても、フラグFが1であったときは、フラグSを1に
セットする。
【0050】こうして、ドライバー判定サブルーチンに
より、ドライバーが、オーナードライバーあるいはその
家族などの特定のドライバーか否かを判定した後、メイ
ン・コンピュータユニット50は、さらに、図6に示す
地域判定サブルーチンを実行する。すなわち、メイン・
コンピュータユニット50は、位置検出センサ18から
の信号に基づき、位置検出用コンピュータユニット53
により生成されたナビゲーション信号を読み取る。
【0051】その結果、ナビゲーション信号を読み取る
ことができないときは、フラグHが0にセットされ、リ
ターンされる。他方、ナビゲーション信号を読み取るこ
とができたが、ナビゲーション信号が不適当で、ナビゲ
ーション信号に基づき、自動車1の位置を正確に決定す
ることができないと、メイン・コンピュータユニット5
0が判定したときは、フラグHが1にセットされ、リタ
ーンされる。
【0052】これに対して、ナビゲーション信号に基づ
き、自動車1の位置を決定し得るときは、フラグHが2
にセットされ、さらに、メイン・コンピュータユニット
50は、このナビゲーション信号に基づき、自動車1の
現在の位置と自動車1のオーナーの自宅あるいはディー
ラーの所在地などの基点からの直線距離Lが、所定距離
Lo以内、たとえば、20km以内の特定地域内を走行中か
否かを判定する。
【0053】その結果、自動車1のオーナーの自宅ある
いはディーラーの所在地などの基点からの直線距離L
が、所定距離Lo 以内、たとえば、20km以内の特定地
域内を、走行中と判定したときは、メイン・コンピュー
タユニット50は、フラグMを0にセットし、他方、特
定地域外を走行中と判定したときは、フラグMを1にセ
ットする。
【0054】次いで、メイン・コンピュータユニット5
0は、図7および図8に示されるプログラム選択サブル
ーチンを実行する。すなわち、図7および図8に示され
るように、メイン・コンピュータユニット50は、ま
ず、フラグFが0か否かによって、ドライバーが、オー
ナードライバーやその家族などの特定のドライバーか否
かを判定する。
【0055】その結果、NOのとき、すなわち、ドライ
バーが、特定のドライバーではないと判定したときは、
メイン・コンピュータユニット50は、さらに、フラグ
Hが0か否かを判定する。その結果、YESのときは、
ドライバーは、特定ドライバーではないので、本来、R
OM51に格納された設定プログラムA1ないしA5に
基づき、制御が実行されるべきであるが、ナビゲーショ
ン信号を読み出すことができず、自動車1が、いずれの
地域にあるか、判定し得ないので、メイン・コンピュー
タユニット50は、設定プログラムA1ないしA5のう
ち、標準的なプログラムである設定プログラムA3にア
クセスし、フラグNを0にセットするとともに、前回の
サイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが
変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更され
ていないときは、フラグSを1にセットする。
【0056】他方、フラグHが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、ROM51に格納され
た設定プログラムA1ないしA5にアクセスし、フラグ
Nを0にセットするとともに、前回のサイクルと今回の
サイクルとで、使用するプログラムが変更されたとき
は、フラグSを0にセットし、変更されていないとき
は、フラグSを1にセットする。
【0057】これに対して、フラグFが0であるとき、
すなわち、ドライバーが、特定のドライバーであると判
定されたときは、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、フラグHが0か否かを判定する。その結
果、YESのときは、ドライバーが、特定ドライバーと
判定されているので、標準プログラムB1ないしB5お
よび補正プログラムE1ないしE7、あるいは、学習プ
ログラムC1ないしC3ならびにD1ないしD7および
補正プログラムE1ないしE4ならびにE6に基づき、
制御が実行されるべきであるが、ナビゲーション信号を
読み出すことができず、自動車1が、いずれの地域にあ
るかさえ、判定し得ないので、メイン・コンピュータユ
ニット50は、標準プログラムB1ないしB5のうち、
最も標準的なプログラムである標準プログラムB3にア
クセスし、フラグNを1にセットするとともに、前回の
サイクルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが
変更されたときは、フラグSを0にセットし、変更され
ていないときは、フラグSを1にセットする。
【0058】他方、NOのときは、メイン・コンピュー
タユニット50は、さらに、フラグHが1か否かを判定
する。その結果、YESのときは、ドライバーが、特定
ドライバーと判定されているので、標準プログラムB1
ないしB5および補正プログラムE1ないしE7、ある
いは、学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ない
しD7および補正プログラムE1ないしE4ならびにE
6に基づき、制御が実行されるべきであるが、ナビゲー
ション信号により、自動車1の正確な位置を判定するこ
とができないので、メイン・コンピュータユニット50
は、標準プログラムB1ないしB5にアクセスし、フラ
グNを2にセットするとともに、前回のサイクルと今回
のサイクルとで、使用するプログラムが変更されたとき
は、フラグSを0にセットし、変更されていないとき
は、フラグSを1にセットする。
【0059】他方、NOのときは、メイン・コンピュー
タユニット50は、さらに、フラグMが0か否かによ
り、自動車1が、特定地域内にあるか否かを判定する。
その結果、NOのときは、自動車1は、特定地域外にあ
ると認められるから、メイン・コンピュータユニット5
0は、RAM52に格納された標準プログラムB1ない
しB5および補正プログラムE1ないしE7にアクセス
し、フラグNを3にセットするとともに、前回のサイク
ルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更さ
れたときは、フラグSを0にセットし、変更されていな
いときは、フラグSを1にセットする。
【0060】他方、YESのときは、自動車1は、特定
地域内にあると認められるが、走行すべき単位区間につ
いてのその曜日、その時間帯の制御データが、未だ、学
習されてはおらず、RAM52に記憶されていない可能
性があるので、走行すべき単位区間におけるその曜日、
その時間帯の制御データが、学習されて、RAM52に
記憶されているか否かを判定する。
【0061】その結果、YESのとき、すなわち、走行
すべき単位区間におけるその曜日、その時間帯の制御デ
ータが、すでに、学習され、記憶されているときは、メ
イン・コンピュータユニット50は、RAM52に格納
された学習プログラムC1ないしC3ならびにD1ない
しD7およびE1ないしE4ならびにE6にアクセス
し、フラグNを4にセットするとともに、前回のサイク
ルと今回のサイクルとで、使用するプログラムが変更さ
れたときは、フラグSを0にセットし、変更されていな
いときは、フラグSを1にセットする。
【0062】他方、NOのとき、すなわち、その曜日、
その時間帯におけるその走行すべき単位区間の制御デー
タが、学習されてはおらず、RAM52に記憶されてい
ないときは、メイン・コンピュータユニット50は、さ
らに、その単位区間からの直線距離lが所定距離lo 、
たとえば、20m以内の近隣単位区間のその曜日、その
時間帯の制御データが、学習され、RAM52に記憶さ
れているか否かを判定する。
【0063】その結果、NOのときは、学習プログラム
により、制御を実行することはできないと判定して、メ
イン・コンピュータユニット50は、RAM52に格納
された標準プログラムB1ないしB5および補正プログ
ラムE1ないしE7にアクセスし、フラグNを3にセッ
トするとともに、前回のサイクルと今回のサイクルと
で、使用するプログラムが変更されたときは、フラグS
を0にセットし、変更されていないときは、フラグSを
1にセットする。
【0064】これに対して、YESのとき、すなわち、
走行すべき単位区間からの直線距離lが所定距離lo 、
たとえば、20m以内の近隣単位区間におけるその曜
日、その時間帯の制御データが、RAM52に記憶され
ているときは、学習プログラムC1ないしC3、および
D1、D3ないしD6に関しては、この制御データは、
その特定ドライバーが、走行すべき単位区間を、その曜
日、その時間帯に走行したときに、学習される制御デー
タに類似していると認められる、したがって、標準プロ
グラムB1ないしB5に基づき、制御を実行するより
も、その近隣単位区間のその曜日、その時間帯の制御デ
ータに基づいて、制御を実行する方が、ドライバーによ
り大きな満足を与え得ると考えられるから、メイン・コ
ンピュータユニット50は、RAM52に記憶された近
隣単位区間の学習プログラムC1ないしC3およびD
1、D3ないしD6にアクセスして、この近隣単位区間
の類似データを、ゲインkだけ、安定側に補正し、フラ
グNを5にセットする。しかし、学習プログラムD2お
よびD7の制御データは、それぞれ、ブレーキペダル3
1の操作位置およびマニュアル・スィッチ34の操作位
置を学習して、得られるべきものであるから、近隣単位
区間の制御データがあっても、これらに基づき、制御実
行することは、適当でないので、メイン・コンピュータ
ユニット50は、RAM52に記憶された近隣単位区間
の学習プログラムD2およびD7には、アクセスしな
い。その後、前回のサイクルと今回のサイクルとで、使
用するプログラムが変更されたか否かを判定して、変更
されたときは、フラグSを0にセットし、変更されてい
ないときは、フラグSを1にセットする。
【0065】図9および図10は、学習制御サブルーチ
ンを示すフローチャートである。図9および図10にお
いて、メイン・コンピュータユニット50は、まず、フ
ラグNが0か否かを判定する。その結果、YESのとき
は、ROM52に格納された設定プログラムA1ないし
A5、あるいは、設定プログラムA3にしたがって、制
御がなされるので、メイン・コンピュータユニット50
は、学習制御を実行しない。
【0066】他方、NOのときは、メイン・コンピュー
タユニット50は、さらに、フラグNが1か否かを判定
する。その結果、YESのときは、ナビゲーション信号
を読み取ることができず、標準プログラムB1ないしB
5のうち、最も標準的なプログラムB3を、暫定的に選
択して、制御を実行する場合であるので、実際に、標準
プログラムB3を選択していることが適当であるとは、
必ずしも言えず、もし、適当でないときには、学習制御
を実行すると、標準プログラムB3を、学習制御によ
り、かえって、不適当に、補正してしまうおそれがある
から、学習制御は実行しない。
【0067】これに対して、フラグNが1でないとき
は、さらに、メイン・コンピュータユニット50は、フ
ラグNが2か否かを判定する。その結果、YESのとき
は、メイン・コンピュータユニット50は、ナビゲーシ
ョン信号に基づき、B1ないしB5の中から該当する地
域の標準プログラムを読出して、その標準プログラムの
各制御装置、すなわち、アクティブサスペンション制御
装置12、アンチ・ロック・ブレーキング制御装置1
4、ギヤ比制御装置7、4輪操舵制御装置17、トラク
ション・コントロール装置15、エンジン制御装置3、
パワーステアリング制御装置9の制御データDBo を読
出し、さらに、走行データDを読み込んで、制御データ
DBo と走行データDの差の絶対値が、所定値d1以下
か否かを、各制御装置毎に、判定する。
【0068】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、走
行データDとの差が小さく、RAM52に記憶されてい
るその制御装置の制御データDBo を補正する必要がな
いと認められるから、メイン・コンピュータユニット5
0は、その走行データDの学習はおこなわない。他方、
NOのときは、メイン・コンピュータユニット50は、
さらに、制御データDBo と走行データDの差の絶対値
が、所定値d2以上か否かを、各制御装置毎に、判定す
る。ここに、d2>d1である。
【0069】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、走
行データDとの差がきわめて大きく、特定ドライバーの
かかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、した
がって、そのような走行データDを学習することは適当
でないから、メイン・コンピュータユニット50は、そ
の走行データDの学習はおこなわない。
【0070】これに対して、NOのときは、メイン・コ
ンピュータユニット50は、更新回数nが、所定回数n
o に達したか否かを判定する。その結果、NOのとき
は、学習制御による更新回数nは少なく、したがって、
未だ、自動車1は、特定ドライバーの操作特性に十分合
致した走行特性を備えているとは認められないので、メ
イン・コンピュータユニット50は、その走行データD
による学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0071】 DBo =(j1×DBo +D)/(j1+1) ここに、j1は、所定の係数で、たとえば、10000
に設定される。しかる後、更新回数nを、n=n+1と
して、RAM52に記憶する。他方、YESのときは、
学習制御により、すでに、自動車1が、特定ドライバー
の運転特性に十分に合致した特性を備えていると認めら
れるから、学習制御による制御データDBo の補正値は
小さくてもよく、したがって、メイン・コンピュータユ
ニット50は、その走行データDによる学習制御を次式
にしたがって、実行する。
【0072】 DBo =(j2×DBo +D)/(j2+1) ここに、j2は、所定の係数で、j1<j2であり、た
とえば、15000に設定される。しかる後、更新回数
nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。これ
に対して、フラグNが2でないと判定したときは、メイ
ン・コンピュータユニット50は、さらに、フラグNが
3か否かを判定する。
【0073】その結果、YESのときは、メイン・コン
ピュータユニット50は、ナビゲーション信号に基づ
き、B1ないしB5の中から該当する地域の標準プログ
ラムを読出して、その標準プログラムの各制御装置、す
なわち、アクティブサスペンション制御装置12、アン
チ・ロック・ブレーキング制御装置14、ギヤ比制御装
置7、4輪操舵制御装置17、トラクション・コントロ
ール装置15、エンジン制御装置3、パワーステアリン
グ制御装置9の制御データDBo を読出し、さらに、走
行データDを読み込んで、読み込まれた走行データDに
基づき、補正プログラムE5ないしE7にしたがって、
制御データDBo を補正して、補正データDBを得、制
御データDBo と補正データDBの差の絶対値が、所定
値d3以下か否かを、各制御装置毎に、判定する。
【0074】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、補
正データDBとの差が小さく、RAM52に記憶されて
いるその制御装置の制御データDBo を補正する必要が
ないと認められるから、メイン・コンピュータユニット
50は、その補正データDBの学習はおこなわない。他
方、NOのときは、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、制御データDBo と補正データDBの差の
絶対値が、所定値d4以上か否かを、各制御装置毎に、
判定する。ここに、d4>d3である。
【0075】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、補
正データDBとの差がきわめて大きく、特定ドライバー
のかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、し
たがって、そのような補正データDBを学習することは
適当でないから、メイン・コンピュータユニット50
は、その補正データDBの学習はおこなわない。
【0076】これに対して、NOのときは、メイン・コ
ンピュータユニット50は、更新回数nが、所定回数n
o に達したか否かを判定する。その結果、NOのとき
は、学習制御による更新回数nは少なく、したがって、
未だ、自動車1は、特定ドライバーの操作特性に十分合
致した走行特性を備えているとは認められないので、メ
イン・コンピュータユニット50は、その走行データD
による学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0077】 DBo =(m1×DBo +DB)/(m1+1) ここに、m1は、所定の係数で、たとえば、10000
に設定される。しかる後、更新回数nを、n=n+1と
して、RAM52に記憶する。他方、YESのときは、
学習制御により、すでに、自動車1が、特定ドライバー
の運転特性に十分に合致した特性を備えていると認めら
れるから、学習制御による制御データDBo の補正値は
小さくてもよく、したがって、メイン・コンピュータユ
ニット50は、その走行データDによる学習制御を次式
にしたがって、実行する。
【0078】 DBo =(m2×DBo +DB)/(m2+1) ここに、m2は、所定の係数で、m1<m2であり、た
とえば、15000に設定される。しかる後、更新回数
nを、n=n+1として、RAM52に記憶する。これ
に対して、フラグNが3でないと判定したときは、メイ
ン・コンピュータユニット50は、さらに、フラグNが
4か否かを判定する。
【0079】その結果、YESのときは、自動車1は特
定地域内にあり、走行すべき単位区間の制御データも、
RAM52に、記憶されていると認められるから、メイ
ン・コンピュータユニット50は、学習プログラムC1
ないしC3およびD1ないしD7を読出して、これらの
学習プログラムの各制御装置の制御データに基づき、学
習プログラムの各制御装置の制御データDCo を算出す
る。
【0080】メイン・コンピュータユニット50は、さ
らに、走行データDを読み込んで、これに基づき、学習
プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7にした
がって、制御データDCo を補正して、補正データDC
を得、各制御装置の制御データDCo と補正データDC
の差の絶対値が、所定値d5以下か否かを、各制御装置
毎に、判定する。
【0081】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDCO と、走
行データDとの差が小さく、RAM52に記憶されてい
るその制御装置の制御データDCO を補正する必要がな
いと認められるから、メイン・コンピュータユニット5
0は、その補正データDCの学習はおこなわない。他
方、NOのときは、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、制御データDCo と補正データDCの差の
絶対値が、所定値d6以上か否かを、各制御装置毎に、
判定する。ここに、d6>d5である。
【0082】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDCo と、補
正データDCとの差がきわめて大きく、特定ドライバー
のかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、し
たがって、そのような補正データDCを学習することは
適当でないから、メイン・コンピュータユニット50
は、その補正データDCの学習はおこなわない。
【0083】これに対して、NOのときは、メイン・コ
ンピュータユニット50は、更新回数nが、所定回数n
o に達したか否かを判定する。その結果、NOのとき
は、学習制御による更新回数nは少なく、したがって、
未だ、自動車1は、特定ドライバーの操作特性に十分合
致した走行特性を備えているとは認められないので、メ
イン・コンピュータユニット50は、その走行データD
による学習制御を次式にしたがって、実行する。
【0084】 DCo =(r1×DCo +DC)/(r1+1) ここに、r1は、所定の係数で、たとえば、100に設
定される。しかる後、更新回数nを、n=n+1とし
て、RAM52に記憶する。他方、YESのときは、学
習制御により、すでに、自動車1が、特定ドライバーの
運転特性に十分に合致した特性を備えていると認められ
るから、学習制御による制御データDCoの補正値は小
さくてもよく、したがって、メイン・コンピュータユニ
ット50は、その走行データDによる学習制御を次式に
したがって、実行する。
【0085】 DCo =(r2×DCo +DC)/(r2+1) ここに、r2は、所定の係数で、r1<r2であり、た
とえば、150に設定される。しかる後、更新回数n
を、n=n+1として、RAM52に記憶する。これに
対して、フラグNが4でないときは、フラグNは5であ
り、走行すべき単位区間の制御データが、未だ、学習さ
れて、RAM52に記憶されてはいないと認められる
が、走行している単位区間の制御データを学習して、作
成するため、メイン・コンピュータユニット50は、走
行データDを読み込む。そして、学習プログラムD1、
D3ないしD6については、同じ曜日、同じ時間帯に、
同じ単位区間を、p回、たとえば、10回、あるいは、
50回、走行し、p個の走行データDが得られたとき、
これらp個の走行データDを加算して、pで除算して、
制御データDCo を算出し、RAM52に記憶させる。
他方、学習プログラムD2については、同じ曜日、同じ
時間帯に、同じ場所で、ブレーキペダル31の操作が、
p回、たとえば、10回、あるいは、50回なされたと
きに、p個の走行データDを加算して、pで除算して、
制御データDCo を算出し、RAM52に記憶させる。
【0086】ここに、学習プログラムD1、D3ないし
D6の走行データDは、たとえば、1km毎で、隣接する
単位区間との間で、地域の一部が、たとえば、100m
づつ、重複するように設定された単位区間、あるいは、
10分毎で、隣接する単位区間との間で、一部が時間的
に、たとえば、1分づつ、重複するように設定された単
位区間内におけるデータを、各単位区間毎に、積算計4
1から入力された検出信号に基づき、平均して、算出さ
れる。このように、走行データDを算出することによ
り、走行データの連続性を担保することができ、望まし
い。
【0087】学習プログラムC1ないしC3ならびにD
1ないしD7に基づいて、学習プログラムの制御データ
DCO を求め、学習プログラムC1ないしC3およびD
1ないしD7に基づいて、走行データDより、各制御装
置の補正データDCを算出する方法について、ACSの
場合を例にして、より詳細に説明を加えると、次のとお
りである。
【0088】図11および図12は、地形状況に基づく
学習プログラムC1ないしC3により、ACSの制御デ
ータを補正する方法を説明するためのマップであり、図
11は、上下加速度GVと補正用データとの関係を示す
マップ、図12は、横加速度GLと補正用データとの関
係を示すマップで、これらは、ROM51に記憶されて
いる。
【0089】上下加速度センサ47の検出信号に基づい
て、図11に示されるように、学習プログラムC1の補
正用データx1が算出される。ここに、1は、サスペン
ションが最もハードなデータを示し、0は、サスペンシ
ョンが最もソフトなデータを示している。次いで、横加
速度センサ46の検出信号に基づき、図12に示される
ように、学習プログラムC2の補正用データx2が算出
される。
【0090】表2に示されるように、ACSの制御デー
タは、学習プログラムC3によっては、補正されないか
ら、この2つの補正用データx1およびx2に基づい
て、次式にしたがって、学習プログラムC1ないしC3
の補正用データXcが算出される。 Xc=(x1+x2)/2 ROM51に記憶されている図示しないマップにより、
同様にして、学習プログラムD1ないしD7の補正用デ
ータXdが算出される。
【0091】こうして得られた補正用データXcおよび
Xdに基づき、次式にしたがって、補正データDCが得
られる。 DC=(K1・Xc+K2・Xd)/(K1+K2) ここに、K1、K2は、重み付け係数であり、K1<K
2に設定される。さらに、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、前回に、学習プログラムC1ないしC3なら
びにD1ないしD7毎に、RAM52に記憶された各デ
ータに基づいて、同様にして、算出された制御データD
Co と、こうして得られた補正データDCとの差の絶対
値が、所定値d3およびd4と比較し、上述のように、
学習すべきときは、補正データDCを学習し、学習すべ
きでないときは、補正データDCの学習を実行しない。
【0092】標準プログラムB1ないしB5において、
補正プログラムE5ないしE7にしたがって、走行デー
タDを補正し、補正データDBを得る方法も同様であ
る。図22は心理補正サブルーチンを示すフローチャー
トである。まず、メイン・コンピュータユニット50は
フラグFが6か否を判定する。後述するように、フラグ
F=6は補正プログラムE6が実行されたときに設定さ
れるものである。
【0093】この判定がNOであるとき、すなわち、補
正プログラムE6が未だ実行されていないときには、メ
イン・コンピュータユニット50はフラグNが3、4ま
たは5であるか否かを判定する。この判定がYESであ
るときは、さらに、フラグNが5であるか否かを判定す
る。フラグN=5とは特定ドライバーが特定地域内を走
行しており、現在走行している道路に関する学習データ
はないが、その道路の近隣の道路に関する学習データは
存在する場合である。
【0094】フラグN=5であるときは、制御ゲインを
安定側に補正する。すなわち、制御データの比が大きく
なる方向に補正する。フラグN=5とは、例えば、初め
ての道路を走行するような場合でその道路に関する学習
データは存在しない場合である。このような場合にはド
ライバーの心理状態を推定することができないので、一
律に制御ゲインを安定側に補正する。ただし、この場合
の補正量は後述する補正プログラムE6による補正量よ
りは小さいものとする。
【0095】一方、フラグN=5でないときには、制御
データ(例えば、前述のDB0 )と走行データDとの差
A (この差ZA は過去のデータと現在得られているデ
ータとの差を示す)がしきい値(−ZO )よりも大きい
か否かを判定する。しきい値に負号が付してあるのは、
制御データと走行データの差ZA が不安定側にあるか否
かを判定するためである。
【0096】この判定がYESである場合は、ドライバ
ーの心理状況が不安定であると推定し得るので、補正プ
ログラムE6を実行する。補正プログラムE6による制
御ゲインの補正量は、例えば、図22に示した制御マッ
プAに従って求められる。制御データと走行データとの
差ZA としきい値(−ZO)との差〔ZA −(−
O )〕=ZA +ZO が一定値を越えるとE6による補
正量が0から一次的に増加し、E6による補正量が所定
値に達すると、それ以後は(ZA +ZO )の値にかかわ
らず、E6による補正量はその所定値を保つ。
【0097】補正プログラムE6が実行された後、フラ
グFが6にセットされる。フラグFが6か否かの判定が
YESであるときは、イグニッションスイッチがオフか
否かの判定、すなわち、エンジンが作動していないか否
かの判定が行われる。この判定結果がYESであると
き、すなわち、ドライバーがイグニッションスイッチを
切って運転をやめたときは、フラグF=6をキャンセル
し、心理補正サブルーチンは終了する。
【0098】一方、判定結果がNOであるとき、すなわ
ち、ドライバーが未だ運転を継続しているときは、ドラ
イバーの操作状況に関する学習を中止させる。すなわ
ち、表3に示した学習プログラムD1ないしD7に対す
るデータの更新を中止する。ただし、表2に示した道路
の地形状況に関する学習プログラムC1ないしC3に対
するデータの更新は継続する。ドライバーの心理状況が
不安定であるのでドライバーの操作状況に関するデータ
をそれまでのデータに加えることは好ましくないが、道
路の地形状況に関するデータはドライバーの心理状況と
は無関係であるのでそのデータは用いることができるか
らである。
【0099】なお、この場合、学習プログラムD1ない
しD7のみならず、学習プログラムC1ないしC3に対
するデータ更新を一律に停止させてもよい。図13、図
14および図15は、制御実行サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。図13、図14および図15におい
て、メイン・コンピュータユニット50は、まず、フラ
グPが0か否かを判定する。
【0100】その結果、YESのときは、自動車1に加
わる横加速度GLが大きく、もっぱら、走行安定性を重
視する必要のある走行状態にあり、ROM51に格納さ
れた設定プログラムA7に基づき、制御を実行すべき状
態にあると判定される。そこで、メイン・コンピュータ
ユニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定す
る。
【0101】その結果、YESのときは、走行状況の変
化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバ
ーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドラ
イバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーか
ら、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと
今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化した
と認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化
することを防止するため、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御
時間Tに、時間T1 を加算する。
【0102】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、各制御装置の制御ゲイ
ンが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した
否かを判定する。その結果、YESのときは、自動車1
の走行状況が、急激に変化することを防止するため、メ
イン・コンピュータユニット50は、制御ゲインが変化
した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間T
に、時間T2 を加算する。
【0103】しかる後に、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、設定プログラムA7にしたがって、各制御装
置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲ
インが、今回算出された値に、徐々になるように、制御
実行信号を、各制御装置に出力する。これに対して、フ
ラグPが0でないときは、さらに、メイン・コンピュー
タユニット50は、フラグPが1か否かを判定する。
【0104】その結果、YESのときは、路面摩擦係数
の低い道路を走行中と認められ、専ら走行安定性を重視
する必要のある走行状態にあり、ROM51に格納され
た設定プログラムA6に基づき、制御を実行すべき状態
にあると判定される。そこで、メイン・コンピュータユ
ニット50は、さらに、フラグSが0か否かを判定す
る。
【0105】その結果、YESのときは、走行状況の変
化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバ
ーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドラ
イバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーか
ら、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと
今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変更され
ていると認められるので、自動車1の走行状況が、急激
に変化することを防止するため、メイン・コンピュータ
ユニット50は、各制御装置のタイマーに記憶されてい
る制御時間Tに、時間T1 を加算する。
【0106】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、各制御装置の制御ゲイ
ンが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した
否かを判定する。その結果、YESのときは、自動車1
の走行状況が、急激に変化することを防止するため、メ
イン・コンピュータユニット50は、制御ゲインが変化
した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間T
に、時間T2 を加算する。
【0107】しかる後に、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、設定プログラムA6にしたがって、各制御装
置のタイマーに記憶された制御時間T経過後に、制御ゲ
インが、今回算出された値に、徐々になるように、制御
実行信号を、各制御装置に出力する。これに対して、フ
ラグPが1でないときは、さらに、メイン・コンピュー
タユニット50は、フラグNが0か否かを判定する。
【0108】その結果、YESのときは、ROM51に
格納された設定プログラムA1ないしA5により、制御
がなされるべき状況であるが、メイン・コンピュータユ
ニット50は、さらに、フラグSが0か否か、すなわ
ち、使用されるプログラムが変更されたか否かを判定す
る。その結果、YESのときは、走行状況の変化によ
り、あるいは、ドライバーが、オーナードライバーやそ
の家族などの特定ドライバーから、その他のドライバー
に、または、特定ドライバー以外のドライバーから、特
定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと今回の
サイクルとで、使用されるプログラムが変更されている
と認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化
することを防止するため、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御
時間Tに、時間T1 を加算する。
【0109】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、各制御装置の制御ゲイ
ンが、前回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した
否かを判定する。その結果、YESのときは、自動車1
の走行状況が、急激に変化することを防止するため、メ
イン・コンピュータユニット50は、制御ゲインが変化
した制御装置のタイマーに記憶されている制御時間T
に、時間T2 を加算する。
【0110】ここに、ROM51に格納された設定プロ
グラムA1ないしA5の制御ゲインは、補正プログラム
E1ないしE7により、補正されないから、メイン・コ
ンピュータユニット50は、各制御装置のタイマーに記
憶された制御時間T経過後に、制御ゲインが、今回算出
された値に、徐々になるように、各制御装置に、制御実
行信号を出力する。
【0111】他方、フラグNが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、さらに、フラグNが1
か否かを判定する。その結果、YESのときは、標準プ
ログラムB3に基づく制御を開始する。まず、メイン・
コンピュータユニット50は、さらに、フラグSが0か
否かを判定する。
【0112】その結果、YESのときは、走行状況の変
化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバ
ーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドラ
イバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーか
ら、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと
今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化した
と認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化
することを防止するため、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御
時間Tに、時間T1 を加算する。
【0113】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、補正プログラムE1な
いしE4に基づき、標準プログラムB3にしたがって、
算出された各制御装置の制御ゲインを、表4に示すよう
に、一律に補正して、各制御装置の制御ゲインを算出す
る。すなわち、まず、時計40からの入力信号に基づい
て、夜間と判定したときは、表4に示されるように、該
当する地域の標準プログラムの各制御装置の制御データ
DBを補正し、ナビゲーション信号や車速センサ43か
らの入力信号に基づき、渋滞状態にあると判定したとき
は、表4に示されるように、該当する地域の標準プログ
ラムの各制御装置の制御データDBを補正し、図示しな
いワイパー作動手段からの信号により、ワイパーが作動
しており、雨天あるいは雪の降っている天候状態である
と判定したときは、表4に示されるように、該当する地
域の標準プログラムの各制御装置の制御データDBを補
正し、さらに、時計40および積算計41からの入力信
号に基づき、走行時間が長いと判定したときは、その長
さに応じて、表4に示されるように、該当する地域の標
準プログラムの各制御装置の制御データDBを補正し
て、こうして補正された各制御装置の制御データに基づ
いて、各制御装置の制御ゲインを算出する。
【0114】その後、メイン・コンピュータユニット5
0は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前
回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判
定する。その結果、YESのときは、自動車1の走行状
況が、急激に変化することを防止するため、メイン・コ
ンピュータユニット50は、制御ゲインが変化した制御
装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T
2 を加算する。
【0115】しかる後に、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間
T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々
になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力す
る。これに対して、フラグNが1でないと判定されたと
きは、メイン・コンピュータユニット50は、さらに、
フラグNが2または3か否かを判定する。
【0116】その結果、YESのときは、メイン・コン
ピュータユニット50は、ナビゲーション信号に基づ
き、標準プログラムB1ないしB5の中から該当する地
域の標準プログラムを読出し、標準プログラムB1ない
しB5のいずれかに基づく制御を開始する。まず、メイ
ン・コンピュータユニット50は、さらに、フラグSが
0か否かを判定する。
【0117】その結果、YESのときは、走行状況の変
化により、あるいは、ドライバーが、オーナードライバ
ーやその家族などの特定ドライバーから、その他のドラ
イバーに、または、特定ドライバー以外のドライバーか
ら、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと
今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化した
と認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化
することを防止するため、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御
時間Tに、時間T1 を加算する。
【0118】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、補正プログラムE1な
いしE4に基づき、ナビゲーション信号に基づいて選択
された標準プログラムB1ないしB5のいずれかにした
がって、算出された各制御装置の制御ゲインを、表4に
示すように、一律に補正して、各制御装置の制御ゲイン
を算出する。
【0119】その後、メイン・コンピュータユニット5
0は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前
回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判
定する。その結果、YESのときは、自動車1の走行状
況が、急激に変化することを防止するため、メイン・コ
ンピュータユニット50は、制御ゲインが変化した制御
装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T
2 を加算する。
【0120】しかる後に、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間
T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々
になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力す
る。これに対して、フラグNが2または3でないと判定
されたときは、メイン・コンピュータユニット50は、
さらに、フラグNが4か否かを判定する。
【0121】その結果、YESのときは、学習プログラ
ムC1ないしC3およびD1ないしD7に基づく制御を
開始する。まず、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。その結
果、YESのときは、走行状況の変化により、あるい
は、ドライバーが、特定ドライバー以外のドライバーか
ら、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと
今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化した
と認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化
することを防止するため、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御
時間Tに、時間T1 を加算する。
【0122】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、補正プログラムE1な
いしE4に基づき、ナビゲーション信号に基づき、学習
プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7にした
がって、算出された各制御装置の制御ゲインを、表4に
示すように、一律に補正して、各制御装置の制御ゲイン
を算出する。
【0123】その後、メイン・コンピュータユニット5
0は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前
回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判
定する。その結果、YESのときは、自動車1の走行状
況が、急激に変化することを防止するため、メイン・コ
ンピュータユニット50は、制御ゲインが変化した制御
装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T
2 を加算する。
【0124】しかる後に、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間
T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々
になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力す
る。これに対して、フラグNが4でないと判定されたと
きは、走行すべき単位区間の制御データが、未だ、RA
M52には、記憶されてはいないが、走行すべき単位区
間からの直線距離lが、所定距離lo 以内の近隣単位区
間の制御データは、RAM52に記憶されているので、
メイン・コンピュータユニット50は、学習プログラム
C1ないしC3およびD1、D3ないしD6につき、こ
の近隣単位区間の制御データに基づく制御を開始する。
しかし、学習プログラムD2およびD7の制御データ
は、それぞれ、ブレーキペダル31およびマニュアル・
スィッチ34の操作場所との関係で、学習がなされ、生
成されるものであるから、近隣単位区間の制御データに
基づく制御を実行することは適当でなく、したがって、
制御は実行しない。
【0125】まず、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、フラグSが0か否かを判定する。その結
果、YESのときは、走行状況の変化により、あるい
は、ドライバーが、特定ドライバー以外のドライバーか
ら、特定ドライバーに変わったため、前回のサイクルと
今回のサイクルとで、使用されるプログラムが変化した
と認められるので、自動車1の走行状況が、急激に変化
することを防止するため、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶されている制御
時間Tに、時間T1 を加算する。
【0126】他方、フラグSが0でないときは、メイン
・コンピュータユニット50は、補正プログラムE1な
いしE4に基づき、ナビゲーション信号に基づき、学習
プログラムC1ないしC3およびD1、D3ないしD6
についての近隣単位区間の制御データを、表4に示すよ
うに、一律に補正して、各制御装置の制御ゲインを算出
する。
【0127】その後、メイン・コンピュータユニット5
0は、こうして得られた各制御装置の制御ゲインが、前
回のサイクルと今回のサイクルとで、変化した否かを判
定する。その結果、YESのときは、自動車1の走行状
況が、急激に変化することを防止するため、メイン・コ
ンピュータユニット50は、制御ゲインが変化した制御
装置のタイマーに記憶されている制御時間Tに、時間T
2 を加算する。
【0128】しかる後に、メイン・コンピュータユニッ
ト50は、各制御装置のタイマーに記憶された制御時間
T経過後に、制御ゲインが、今回算出された値に、徐々
になるように、制御実行信号を、各制御装置に出力す
る。以上、本実施例によれば、RAM52には、都市
部、市街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、
その地域に合致した制御ゲインに設定された設定プログ
ラムA1ないしA5、横加速度GLが所定値GLo より
大きい走行状態で、強制的に使用される設定プログラム
A6、路面摩擦係数の小さい道路を走行中に、強制的に
使用される設定プログラムA7、オーナードライバーや
その家族などの特定のドライバーが、自動車1を運転す
る場合に、その操作の特徴を学習して、都市部、市街
地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その地域
および特定ドライバーの操作に合致するように学習、変
更された制御ゲインを有する標準プログラムB1ないし
B5、自動車1のオーナーの自宅あるいはディーラーの
所在地から、所定距離Lo 内の特定範囲内で、地形およ
びオーナードライバーやその家族などの特定のドライバ
ーの操作を学習して、単位区間毎に、その単位区間およ
び特定ドライバーの操作に合致するように学習された制
御ゲインを有する学習プログラムC1ないしC3ならび
にD1ないしD7、および、標準プログラムB1ないし
B5および学習プログラムC1ないしC3ならびにD1
ないしD7を補正する補正プログラムE1ないしE7を
備えており、オーナードライバーやその家族などの特定
ドライバーが、自動車1を、通勤などで、走行する頻度
の高い特定地域内で、運転するときは、地形およびオー
ナードライバーやその家族などの特定のドライバーの操
作を学習して、単位区間毎に、その道路の地形および特
定ドライバーの操作に合致するように学習された制御ゲ
インを有する学習プログラムC1ないしC3ならびにD
1ないしD7を、補正プログラムE1ないしE1および
E6によって補正した制御ゲインにより、自動車1の走
行特性が制御されているから、特定ドライバーに、きわ
めて大きな満足感を与えることができるとともに、走行
安定性を向上させることが可能になり、また、特定ドラ
イバーが、特定地域外を運転するときには、都市部、市
街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その地
域および特定ドライバーの操作に合致するように学習、
変更された制御ゲインを有する標準プログラムB1ない
しB5を、補正プログラムE1ないしE7によって補正
した制御ゲインにより、自動車1の走行特性が制御され
るから、大きな満足感を与えることができ、さらに、オ
ーナードライバーやその家族などの特定ドライバー以外
のドライバーが、自動車1を運転するときは、都市部、
市街地、市外地、山道、高速道路などの地域毎に、その
地域に合致した制御ゲインに設定された設定プログラム
A1ないしA5により、自動車1の走行特性が制御され
るから、特定ドライバー以外のドライバーが、自動車1
を運転する場合にも、従来に比して、大きな満足感を与
えることが可能になる。
【0129】また、特定ドライバー以外のドライバー
が、運転するときは、学習制御をおこなわないので、特
定ドライバーが運転したことにより、特定ドライバーの
操作に合致するように変更されたプログラムの制御ゲイ
ンが、好ましくない方向に、変更されることも防止する
ことが可能になる。さらには、横加速度GLが所定値G
Lo 以上の走行状態では、強制的に、設定プログラムA
6が、路面摩擦係数の小さい道路を走行中には、強制的
に、設定プログラムA7が、それぞれ、選択され、使用
されるから、走行安定性を損なうことも、確実に防止す
ることができる。
【0130】図16および図17は、本発明の他の学習
制御の実施例を示すフローチャートである。図16およ
び図17に示された実施例においては、制御データDB
o と走行データDの差の絶対値が、所定値d1を越え、
かつ、制御データDBo と走行データDの差の絶対値
が、所定値d2未満のとき、制御データDBo と補正デ
ータDBの差の絶対値が、所定値d3を越え、かつ、制
御データDBo と補正データDBの差の絶対値が、所定
値d4未満のとき、および、制御データDCoと補正デ
ータDCの差の絶対値が、所定値d5を越え、かつ、制
御データDCoと補正データDCの差の絶対値が、所定
値d6未満のとき、すなわち、学習制御をすべき場合
に、各制御装置に設けられた前記実施例とは別のカウン
ターが、制御ゲインの更新回数qが、qo に達したにも
かかわらず、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に
合致した特性を備えてはいないと認められたときは、そ
の走行データDは、特定ドライバーの操作上のくせに基
づいており、そのくせによって、標準プログラムB1な
いしB5または学習プログラムD1ないしD7が補正さ
れていたと判定して、学習制御により、安定側に、補正
している。これにより、ドライバーにくせに基づいて、
学習制御がなされ、かえって、走行特性が不安定になる
ことの防止が図られている。
【0131】すなわち、フラグNが2であるか否かを判
定し、YESのときは、メイン・コンピュータユニット
50は、ナビゲーション信号に基づき、B1ないしB5
の中から該当する地域の標準プログラムを読出して、そ
の標準プログラムの各制御装置、すなわち、アクティブ
サスペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレー
キング制御装置14、ギヤ比制御装置7、4輪操舵制御
装置17、トラクション・コントロール装置15、エン
ジン制御装置3、パワーステアリング制御装置9の制御
データDBo を読出し、さらに、走行データDを読み込
んで、制御データDBo と走行データDの差の絶対値
が、所定値d1以下か否かを、各制御装置毎に、判定す
る。
【0132】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、走
行データDとの差が小さく、RAM52に記憶されてい
るその制御装置の制御データDBo を補正する必要がな
いと認められるから、メイン・コンピュータユニット5
0は、その走行データDの学習はおこなわない。他方、
NOのときは、メイン・コンピュータユニット50は、
さらに、制御データDBo と走行データDの差の絶対値
が、所定値d2以上か否かを、各制御装置毎に、判定す
る。ここに、d2>d1である。
【0133】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、走
行データDとの差がきわめて大きく、特定ドライバーの
かかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、した
がって、そのような走行データDを学習することは適当
でないから、メイン・コンピュータユニット50は、そ
の走行データDの学習はおこなわない。
【0134】これに対して、NOのときは、メイン・コ
ンピュータユニット50は、更新回数qが、所定回数q
o に達したか否かを判定し、所定回数qo に達したと判
定したときは、メイン・コンピュータユニット50は、
特定ドライバーの操作状況が、学習制御によって、変化
したか否かを判定する。すなわち、統計的に、学習制御
によって、制御データDBo と走行データDの差の絶対
値が小さくなっているか否かを判定する。
【0135】その結果、YESのときは、学習制御によ
り、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に合致した
特性を備えつつあると認められるから、メイン・コンピ
ュータユニット50は、更新回数qを、q=q+1とし
て、RAM52に記憶させ、その走行データDによる学
習制御を、次式にしたがって、実行する。 DBo =(j3×DBo +D)/(j3+1) ここに、j3は、所定の係数で、たとえば、10000
に設定される。
【0136】他方、NOのときは、qo 回も、学習制御
により、制御データDBo の更新を実行したにもかかわ
らず、特定ドライバーの操作状況が変化してはおらず、
それは、走行データDが、特定ドライバーの操作上のく
せに基づいて得られていると認められるから、特定ドラ
イバーの操作に反して、安定側に補正することが、走行
安定性を確保する上で望ましく、したがって、メイン・
コンピュータユニット50は、更新回数qを、q=0と
して、RAM52に記憶させるとともに、その走行デー
タDによる学習制御を、次式にしたがって、実行する。
【0137】 DBo =(j4×DBo −D)/(j4−1) ここに、j4は、所定の係数である。また、フラグNが
3であるときは、メイン・コンピュータユニット50
は、ナビゲーション信号に基づき、B1ないしB5の中
から該当する地域の標準プログラムを読出して、その標
準プログラムの各制御装置、すなわち、アクティブサス
ペンション制御装置12、アンチ・ロック・ブレーキン
グ制御装置14、ギヤ比制御装置7、4輪操舵制御装置
17、トラクション・コントロール装置15、エンジン
制御装置3、パワーステアリング制御装置9の制御デー
タDBo を読出し、さらに、走行データDを読み込ん
で、読み込まれた走行データDに基づき、補正プログラ
ムE5ないしE7にしたがって、制御データDBo を補
正して、補正データDBを得、制御データDBo と補正
データDBの差の絶対値が、所定値d3以下か否かを、
各制御装置毎に、判定する。
【0138】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、補
正データDBとの差が小さく、RAM52に記憶されて
いるその制御装置の制御データDBo を補正する必要が
ないと認められるから、メイン・コンピュータユニット
50は、その補正データDBの学習はおこなわない。他
方、NOのときは、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、制御データDBo と補正データDBの差の
絶対値が、所定値d4以上か否かを、各制御装置毎に、
判定する。ここに、d4>d3である。
【0139】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDBo と、補
正データDBとの差がきわめて大きく、特定ドライバー
のかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、し
たがって、そのような補正データDBを学習することは
適当でないから、メイン・コンピュータユニット50
は、その補正データDBの学習はおこなわない。
【0140】これに対して、NOのときは、メイン・コ
ンピュータユニット50は、更新回数qが、所定回数q
o に達したか否かを判定し、所定回数qo に達したと判
定したときは、メイン・コンピュータユニット50は、
ドライバーの操作状況が、学習制御によって、変化した
か否かを判定する。すなわち、統計的に、学習制御によ
って、制御データDBo と走行データDの差の絶対値が
小さくなっているか否かを判定する。
【0141】その結果、NOのときは、学習制御によ
り、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に合致した
特性を備えつつあると認められるから、メイン・コンピ
ュータユニット50は、更新回数qを、q=q+1とし
て、RAM52に記憶させ、その補正データDBによる
学習制御を、次式にしたがって、実行する。 DBo =(m3×DBo +DB)/(m3+1) ここに、m3は、所定の係数で、たとえば、10000
に設定される。
【0142】他方、YESのときは、qo 回も、学習制
御により、制御データDBo の更新を実行したにもかか
わらず、特定ドライバーの操作状況が変化してはおら
ず、それは、走行データDが、特定ドライバーの操作上
のくせに基づいて得られ、そのくせによって、補正プロ
グラムE5ないしE7にしたがった補正がなされていた
と認められるから、特定ドライバーの操作に反して、安
定側に補正することが、走行安定性を確保する上で望ま
しく、したがって、メイン・コンピュータユニット50
は、更新回数qを、q=0として、RAM52に記憶さ
せるとともに、その補正データDBによる学習制御を、
次式にしたがって、実行する。
【0143】 DBo =(m4×DBo −DB)/(m4−1) ここに、m4は、所定の係数である。さらに、フラグN
が4であるときは、自動車1は特定地域内にあり、走行
すべき道路の制御データも、RAM52に、記憶されて
いると認められるから、メイン・コンピュータユニット
50は、学習プログラムC1ないしC3およびD1ない
しD7を読出して、これらの学習プログラムの各制御装
置の制御データに基づき、学習プログラムの各制御装置
の制御データDCo を算出する。
【0144】メイン・コンピュータユニット50は、さ
らに、走行データDを読み込んで、これに基づき、学習
プログラムC1ないしC3およびD1ないしD7にした
がって、制御データDCo を補正して、補正データDC
を得、各制御装置の制御データDCoと補正データDC
の差の絶対値が、所定値d5以下か否かを、各制御装置
毎に、判定する。
【0145】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDCO と、走
行データDとの差が小さく、RAM52に記憶されてい
るその制御装置の制御データDCO を補正する必要がな
いと認められるから、メイン・コンピュータユニット5
0は、その補正データDCの学習はおこなわない。他
方、NOのときは、メイン・コンピュータユニット50
は、さらに、制御データDCo と補正データDCの差の
絶対値が、所定値d6以上か否かを、各制御装置毎に、
判定する。ここに、d6>d5である。
【0146】その結果、YESのときは、RAM52に
記憶されているその制御装置の制御データDCo と、補
正データDCとの差がきわめて大きく、特定ドライバー
のかかる操作は、突発的になされた可能性が大きく、し
たがって、そのような補正データDCを学習することは
適当でないから、メイン・コンピュータユニット50
は、その補正データDCの学習はおこなわない。
【0147】これに対して、NOのときは、メイン・コ
ンピュータユニット50は、更新回数qが、所定回数q
o に達したか否かを判定し、所定回数qo に達したと判
定したときは、メイン・コンピュータユニット50は、
ドライバーの操作状況が、学習制御によって、変化した
か否かを判定する。すなわち、統計的に、学習制御によ
って、制御データDBo と走行データDの差の絶対値が
小さくなっているか否かを判定する。
【0148】その結果、NOのときは、学習制御によ
り、自動車1が、特定ドライバーの運転特性に合致した
特性を備えつつあると認められるから、メイン・コンピ
ュータユニット50は、更新回数nを、q=q+1とし
て、RAM52に記憶させ、その補正データDCによる
学習制御を、次式にしたがって、実行する。 DCo =(r3×DCo +DC)/(r3+1) ここに、r3は、所定の係数で、たとえば、100に設
定される。
【0149】他方、YESのときは、qo 回も、学習制
御により、制御データDCo の更新を実行したにもかか
わらず、特定ドライバーの操作状況が変化してはおら
ず、それは、走行データDが、特定ドライバーの操作上
のくせに基づいて得られ、そのくせによって、学習プロ
グラムD1ないしD7にしたがった補正がなされていた
と認められるから、特定ドライバーの操作に反して、安
定側に、補正することが、走行安定性を確保する上で望
ましく、したがって、メイン・コンピュータユニット5
0は、更新回数qを、q=0として、RAM52に記憶
させるとともに、その補正データDCによる学習制御
を、次式にしたがって、実行する。
【0150】 DCo =(r4×DCo −DC)/(r4−1) ここに、r4は、所定の係数である。図18は、本発明
の他の実施例を示す学習制御自動車1のブロックダイア
グラムであり、オートマチック・トランスミッション制
御装置20を備えたオートマチック学習制御自動車1の
実施例を示しており、図19は、その操作系、検出系お
よび制御系のブロックダイアグラムである。したがっ
て、クラッチペダル32は設けられてはおらず、トラン
スミッション装置21は、オートマチック・トランスミ
ッション制御装置20により制御されている。この場合
には、表1に対応するオートマチック・トランスミッシ
ョン・コントロール装置20の制御データの設定プログ
ラムA1ないし7の比ATCは、それぞれ、1、2、
3、5、3、1、5に設定され、これら設定プログラム
A1ないし7の制御データに対する標準プログラムB3
の制御データの比ATCは、2に補正されている。ここ
に、比が大であるほど、パワー重視の制御ゲインであ
り、比が小さいほど、燃費重視の制御ゲインである。本
実施例においても、前記実施例と、同様に、学習制御が
なされる。
【0151】表5、表6および表7は、それぞれ、表
2、表3および表4に対応するものであり、地形状況お
よび操作状況に対して、ATCがいかに補正されるかを
示すものである。表6および表7において、D2、D7
およびE7は、表3および表4と同様であるので、省略
されている。本発明は、以上の実施例に限定されること
なく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種
々の変更が可能であり、それらも、本発明の範囲内に包
含されるものであることは言うまでもない。
【0152】たとえば、前記実施例においては、RAM
52には、特定ドライバーが、特定地域外で、自動車1
を運転する場合に使用される標準プログラムB1ないし
B5を格納しているが、特定ドライバーが、特定地域外
で、自動車1を運転する場合には、設定プログラムA1
ないしA5を使用して、RAM52の容量が小さくなる
ようにし、コストダウンを図ることもできる。この場合
には、ナビゲーション信号が入力されないときは、標準
プログラムB3に代えて、設定プログラムA3が使用さ
れ、また、ナビゲーション信号に異常があると判定した
ときは、標準プログラムB1ないしB5に代えて、設定
プログラムA1ないしA5が使用されることになる。
【0153】また、前記実施例においては、特定ドライ
バー以外のドライバーが、自動車1を運転する場合に
は、設定プログラムA1ないしA7のみが使用されてい
るが、特定地域内を走行する場合には、地形に関する学
習プログラムC1ないしC3を用い、学習制御を実行す
るようにしてもよく、このようにしても、学習プログラ
ムC1ないしC3は、地形に関するもので、操作とは無
関係であるから、学習プログラムC1ないしC3の制御
ゲインが、好ましくない方向に、変更されることもな
く、また、特定ドライバー以外のドライバーに、より大
きな満足感を与えることが可能になる。
【0154】さらに、前記実施例においては、ROM5
1は、設定プログラムとして、都市部、市街地、市外
地、山道、高速道路の5つの地域についての地域別設定
プログラムA1ないしA5を格納しているが、都市部、
市街地、市外地、山道、高速道路という地域区分は、一
つの例にすぎず、さらに、地域をより細分化して、設定
プログラムを、ROM51に格納させるようにして、自
動車1の走行特性の向上を図ってもよいし、また、都市
部、市外地、高速道路のように、地域の数を減少させ
て、ROM51の容量の小型化を図ることも可能であ
る。
【0155】同様に、前記実施例においては、RAM5
2は、標準プログラムとして、都市部、市街地、市外
地、山道、高速道路の5つの地域についての地域別標準
プログラムB1ないしB5を格納しているが、都市部、
市街地、市外地、山道、高速道路という地域区分は、一
つの例にすぎず、さらに、地域を細分化して、標準プロ
グラムを、RAM52に格納させるようにして、自動車
1の走行特性の向上を図ってもよいし、また、都市部、
市外地、高速道路のように、地域の数を減少させて、R
AM52の容量の小型化を図ってもよい。
【0156】また、学習プログラムおよび補正プログラ
ムは、前記実施例に示された学習プログラムD1ないし
D7および補正プログラムE5ないしE7に限定される
ものではなく、他の学習プログラムおよび補正プログラ
ムを追加しても、あるいは、学習プログラムD1ないし
D7および補正プログラムE5ないしE7の一部を省略
してもよい。たとえば、地形に関する学習プログラムと
して、路面摩擦係数を学習するプログラム、補正プログ
ラムとして、走行距離により、標準プログラムを補正す
るプログラム、ドライバーの操作に関する補正プログラ
ムとして、車速V、ヨーレイト変化、ヨーレイトの変
動、クラッチペダル32の操作速度、シフトレバー33
の操作速度などにより、標準プログラムを補正する補正
プログラムなどを追加してもよいし、学習プログラムと
して、ドライバーの操作に関する学習プログラムのみを
有していてもよい。
【0157】さらに、前記実施例においては、走行すべ
き単位区間のデータが、まだ、学習されていない場合
に、近隣単位区間におけるその曜日、その時間帯の制御
データが、RAM52に記憶されているときは、近隣単
位区間の制御データに基づいて、制御を実行している
が、走行すべき単位区間のデータが、まだ、学習されて
いない場合には、つねに、標準プログラムB1ないしB
5にしたがって、制御を実行するようにしてもよい。
【0158】また、オーナードライバー、その家族など
の特定ドライバー毎に、複数の標準プログラムB1ない
しB5、学習プログラムC1ないしC3およびD5ない
しD7を、RAM52に格納するようにしてもよいし、
RAM52の容量を小型化するために、オーナードライ
バーのみ、あるいは、オーナードライバーおよびその家
族などの中の特定の者のみを対象とした複数の標準プロ
グラムB1ないしB5、学習プログラムC1ないしC3
およびD5ないしD7を、RAM52に格納するように
してもよい。
【0159】さらに、前記実施例においては、制御デー
タの更新回数nが、所定回数no 以上になったときは、
自動車1が、特定ドライバーの運転特性に十分に合致し
た特性を備えていると判断して、係数j1をj2に、m
1をm2に、r1をr2に、それぞれ一律に、1回の
み、大きく補正し、補正値が小さくなるように制御して
いるが、更新回数nが、no より大きいn1回に達した
ときは、これらをさらに大きく補正するなど、制御デー
タの更新回数nにしたがって、段階的に、複数回にわた
り、これらの係数を補正してもよく、さらには、制御デ
ータの更新回数nが多くなるにしたがって、これらの係
数を少しづつ、大きくなるように補正してもよい。
【0160】また、学習プログラムC1ないしC3およ
びD1ないしD7が使用される場合に、制御データの更
新回数nが、所定回数no 以上になったときは、学習プ
ログラムC1ないしC3およびD1ないしD7の制御デ
ータが信頼性の高いものになっていると判断して、係数
r1を、より大きな係数r2に補正しているが、学習プ
ログラムC1ないしC3およびD1ないしD7が使用さ
れる特定地域内のある単位区間を走行している際に、制
御データの更新回数nが、所定回数no 以上になったと
いうことは、その単位区間を走行する頻度が高く、その
単位区間に対して、よりきめ細かな学習制御をおこなう
ことが望ましいと判断し得るから、係数r1を、より大
きな係数r2に補正するとともに、あるいは、その代わ
りに、走行データDを読み取る単位区間、すなわち、単
位距離または単位時間を小さく補正するようにして、走
行頻度の高い特定地域内の単位区間において、よりきめ
細かな学習制御を実行するようにしてもよく、この場合
にも、更新回数nが、noより大きいn1回に達したと
きに、再び、走行データDを読み取る単位区間、すなわ
ち、単位距離または単位時間を小さく補正するなど、単
位距離または単位時間を、制御データの更新回数nにし
たがって、段階的に、複数回にわたり、補正するように
しても、さらには、制御データの更新回数nが多くなる
にしたがって、走行データDを読み取る単位距離または
単位時間を少しづつ、小さくなるように補正してもよ
い。また、走行データDを読み取る単位距離または単位
時間を小さく補正するとともに、あるいは、これに代え
て、読み取る単位時間帯の一部または全部を、たとえ
ば、9時ないし12時であったものを、9時ないし10
時、10時ないし11時、11時ないし12時とするよ
うに、小さくしてもよい。
【0161】さらに、前記実施例においては、ドライバ
ー識別手段48が、ICカード、専用キー、免許証、発
信機付き時計などのドライバーの所持品を検出したと
き、メイン・コンピュータユニット50に、ドライバー
信号を出力して、ドライバー信号が入力されると、メイ
ン・コンピュータユニット50が、特定のドライバーで
あると判定するように構成されているが、ドライバー識
別手段48を、ドライバー所持品検出装置により構成す
る代わりに、あるいは、ドライバー所持品検出装置を備
えるとともに、さらに、暗証番号など特定の情報をマニ
ュアル入力可能な入力装置を備え、暗証番号などの特定
の情報が入力されたときは、ドライバー信号を、メイン
・コンピュータユニット50に出力するようにしてもよ
い。
【0162】また、前記実施例においては、ドライバー
信号が入力されていないときは、メイン・コンピュータ
ユニット50は、さらに、ドライバーの体重検出装置、
画像処理によって、ドライバーの体型および/または顔
などを認識する装置、あるいは、音声の認識装置、シー
トのポジション検出装置などにより、ドライバーの体
重、体型、顔、音声、シートのポジションなどの一また
は二以上が、RAM52に記憶されたデータと一致した
ときに、特定のドライバーであると識別し、これらの情
報から、特定のドライバーと判定し得ないときは、さら
に、ステアリングホィール4の操舵速度、アクセルペダ
ル30の操作速度、ブレーキペダル31の操作速度およ
びクラッチペダル32の操作速度と、RAM52に記憶
されているこれらの平均値とを比較して、特定のドライ
バーか否かを判定しているが、ドライバーの体重、体
型、顔、音声、シートのポジションなどの一または二以
上が、RAM52に記憶されたデータと一致したのみで
は、特定のドライバーと判定せず、さらに、所定時間に
わたり、モニターされたステアリングホィール4の操舵
速度、アクセルペダル30の操作速度、ブレーキペダル
31の操作速度およびクラッチペダル32の操作速度
を、それまで、自動車1が、特定のドライバーにより、
運転された結果、RAMに記憶されている特定のドライ
バーのステアリングホィール4の操舵速度、アクセルペ
ダル30の操作速度、ブレーキペダル31の操作速度お
よびクラッチペダル32の操作速度の平均値と比較し
て、その差が、所定値以内のときに、はじめて、特定の
ドライバーと判定するように構成してもよく、あるい
は、これらの判定の一方のみが実行されるようにしても
よい。
【0163】さらに、図16および図17に示す学習制
御の実施例においては、制御データDBo 、DCo の更
新回数qが、所定回数qo に達したか否かを判定し、所
定回数qo に達したと判定したときは、ドライバーの操
作状況が、学習制御によって、変化しているか否か、す
なわち、統計的に、学習制御によって、制御データDB
o 、DCo と補正データDB、DCの差の絶対値が小さ
くなっているか否かを判定して、その走行データDが、
特定ドライバーのくせによるものか否かを判定し、くせ
によるものと判定したときは、特定ドライバーの操作に
反して、制御データDBo 、DCo を、安定側に、補正
しているが、学習制御により通常なされるべき補正よ
り、補正量が小さくなるように補正されればよく、たと
えば、その代わりに、制御データを、あらかじめ定めた
所定の制御データに補正しても、さらには、学習制御に
よる補正を中止するようにしてもよく、また、ドライバ
ーの操作にしたがって、学習制御による補正をおこなっ
ても、補正量が小さくなるように補正されればよく、本
明細書において、補正量を小さくするとは、これらすべ
ての場合を包含する。
【0164】また、図16および図17に示される学習
制御の実施例においては、制御データDBo 、DCo の
更新回数qが、所定回数qo に達するのを待って、統計
的に、学習制御によって、制御データDCo と補正デー
タDCの差の絶対値が小さくなっていない場合には、そ
の走行データDは、特定ドライバーのくせによるものと
判定して、特定ドライバーの操作に反して、制御データ
DBo 、DCo を、安定側に補正しているが、これに代
えて、次のように、特定ドライバーのくせを判定して、
制御データDBo、DCo を補正をおこなってもよい。
【0165】すなわち、制御データDBo 、DCo の更
新回数qが、所定回数qo より小さいq1に達した段階
で、制御データDBo 、DCo を補正すべき状態になっ
たときに、次式にしたがって、制御データDBo 、DC
o を大きく補正する(ここに、j5<j3、m5<m
3、r5<r3である。)。 DBo =(j5×DBo +DB)/(j5+1) DBo =(m5×DBo +DB)/(m5+1) DCo =(r5×DCo +DC)/(r5+1) 次の制御サイクルにおいて、制御データDBo と走行デ
ータDの差の絶対値が、所定値d7を越え、かつ、所定
値d2またはd4未満(ここに、d7>d1、d7>d
3、d7>d5)か否かを判定する。
【0166】その結果、YESのときは、前回、制御デ
ータDBo が大きく補正されたにもかかわらず、依然と
して、ドライバーの操作状況に変化が認められず、走行
データDと制御データDBo との差の絶対値が大きく、
得られた走行データDは、特定ドライバーのくせによる
ものと判定し得るので、特定ドライバーの操作に対する
制御データDBo の補正量を小さくすることが、走行安
定性を向上させる上で望ましいから、次式にしたがっ
て、制御データDBo の補正をおこなう、ここに、j6
>j1、m6>m1である。
【0167】 DBo =(j6×DBo +DB)/(j6+1) DBo =(m6×DBo +DB)/(m6+1) また、制御データDCo と走行データDの差の絶対値
が、所定値d8を越え、かつ、所定値d6未満(ここ
に、d8>d1、d8>d3、d8>d5)のときも、
同様に、得られた走行データDは、特定ドライバーのく
せによるものと判定し得るので、特定ドライバーの操作
に対する制御データDCo の補正量を小さくすること
が、走行安定性を向上させる上で望ましいから、次式に
したがって、制御データDCo の補正をおこなう。ここ
に、r6>r1である。
【0168】 DCo =(r6×DCo +DC)/(r6+1) 他方、次の制御サイクルにおける制御データDBo と走
行データDの差の絶対値が、所定値d1またはd3を越
えているが、所定値d7未満であるとき、あるいは、所
定値d1またはd3以下のときは、前回、制御データD
Bo が大きく補正された結果、自動車1が、特定ドライ
バーの操作の特徴に合致しつつあり、前回における特定
ドライバーの操作が、くせに基づくものではないと判定
し得るから、通常の学習制御を実行すればよく、したが
って、次式にしたがって、通常のように、制御データD
Bo の補正をおこなう。
【0169】 DBo =(j1×DBo +DB)/(j1+1) DBo =(m1×DBo +DB)/(m1+1) また、制御データDCo と走行データDの差の絶対値
が、所定値d5を越えているが、所定値d8未満のとき
も、同様に、次式にしたがって、通常のように、制御デ
ータDCo の補正をおこなう。
【0170】 DCo =(r1×DCo +DC)/(r1+1) このようにして、くせを判定する場合には、より早く、
特定ドライバーの操作がくせによるものか否かを判定す
ることができ、ドライバーのくせによって、好ましくな
い制御データが生成されることを防止することができる
という利点がある。なお、標準プログラムB3またはB
1ないしB5を使用している場合には、第1回目の更新
時に、上記学習制御を実行するようにしてもよい。ここ
に、次の制御サイクルで、ドライバーの操作が、くせと
判定されたときに、徐々に、補正量を小さくするように
してもよい。
【0171】なお、図1ないし図15に示された実施例
においては、一方のカウンタの更新回数nが、no にな
ったときに、学習制御の補正値が小さくなるように、係
数の補正のみをおこなっており、他方、図16および図
17に示された実施例においては、他方のカウンタの更
新回数qが、qo になったときに、くせの判定をおこな
い、くせと判定したときは、補正量が小さくなるような
補正のみをおこなっているが、一方のカウンタの更新回
数nが、no になったときに、学習制御の補正値が小さ
くなるように、係数の補正をおこなうとともに、他方の
カウンタの更新回数qが、qo になったときに、くせか
否かを判定し、くせと判定したときは、学習制御による
補正量が小さくなるような補正をおこなうようにしても
よい。この場合、no とqo とを異なった値に設定し
て、これらの補正を、独立に、おこなってもよいし、q
o=no に設定し、更新回数nおよびqが、no に達し
たとき、まず、くせの判定をおこない、くせではないと
判定したときは、学習制御により、自動車1が、特定ド
ライバーの運転特性に十分に合致した特性を備えている
と判断して、補正量が小さくなるように補正し、他方、
くせであると判定したときは、補正量がより小さくなる
ように補正するようにしてもよい。
【0172】また、前記実施例においては、図11およ
び図12に示されるように、単一の曲線にしたがって、
たとえば、ACSの補正用データx1、x2を算出して
いるが、ROM51が、図20および図21に示される
ように、各地域毎のマップを格納し、メイン・コンピュ
ータユニット50が、位置検出用コンピュータユニット
53から入力されたナビゲーション信号に基づき、該当
する地域の曲線を選択して、たとえば、ACSの補正用
データx1、x2を算出するようにしてもよく、補正プ
ログラムE5ないしE7についても同様である。
【0173】さらに、特許請求の範囲において、各手段
は、必ずしも、物理的手段に限定されるものではなく、
各手段の機能が、ソフトウエアにより、実現される場合
も、本発明は包含し、さらに、1つの手段の機能が、2
以上の物理的手段により実現される場合も、また、2つ
の手段の機能が、1つの物理的手段により、実現される
場合も、本発明は包含する。
【0174】
【発明の効果】本発明によれば、ドライバーの心理状況
の変化に伴う車両の操作状況に確実に対応することがで
き、ドライバーの心理状況が不安定状態であることに起
因する操縦安定性の低下を防止することができる。
【0175】
【表1】
【0176】
【表2】
【0177】
【表3】
【0178】
【表4】
【0179】
【表5】
【0180】
【表6】
【0181】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施例に係る学習制
御自動車のブロックダイアグラムである。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施例に係る学習制
御自動車の操作系、検出系および制御系のブロックダイ
アグラムである。
【図3】図3は、マニュアル・スィッチが設けられたイ
ンスツルメントパネルの略正面図である。
【図4】図4は、基本制御ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図5】図5は、ドライバー判定サブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図6】図6は、地域判定サブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図7】図7は、プログラム選択サブルーチンの前半部
を示すフローチャートである。
【図8】図8は、プログラム選択サブルーチンの後半部
を示すフローチャートである。
【図9】図9は、学習制御サブルーチンの前半部を示す
フローチャートである。
【図10】図10は、学習制御サブルーチンの後半部を
示すフローチャートである。
【図11】図11は、学習プログラムC1のACSにお
ける上下加速度GVと補正用データとの関係を示すマッ
プである。
【図12】図12は、学習プログラムC2のACSにお
ける横加速度GLと補正用データとの関係を示すマップ
である。
【図13】図13は、制御実行サブルーチンの前半部を
示すフローチャートである。
【図14】図14は、制御実行サブルーチンの中盤部を
示すフローチャートである。
【図15】図15は、制御実行サブルーチンの後半部を
示すフローチャートである。
【図16】図16は、学習制御サブルーチンの他の例の
前半部を示すフローチャートである。
【図17】図17は、学習制御サブルーチンの他の例の
後半部を示すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明の他の好ましい実施例に係
る学習制御自動車のブロックダイアグラムである。
【図19】図19は、本発明の他の好ましい実施例に係
る学習制御自動車の操作系、検出系および制御系を示す
ブロックダイアグラムである。
【図20】図20は、学習プログラムC1のACSにお
ける上下加速度GVと補正用データとの関係を示すマッ
プである。
【図21】図21は、学習プログラムC2のACSにお
ける横加速度GLと補正用データとの関係を示すマップ
である。
【図22】図22は、心理補正サブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 自動車 2 エンジン 3 エンジン制御装置 4 ステアリングホィール 5 前輪 6 ギヤ比変更装置 7 ギヤ比制御装置 8 パワーステアリング装置 9 パワーステアリング制御装置 10 後輪 11 アクティブサスペンション装置 12 アクティブサスペンション制御装置 13 ブレーキ 14 アンチ・ロック・ブレーキング制御装置 15 トラクション・コントロール装置 16 後輪操舵装置 17 4輪操舵制御装置 18 位置検出センサ 19 ディスプレイ装置 20 オートマチック・トランスミッション制御装置 21 トランスミッション装置 30 アクセルペダル 31 ブレーキペダル 32 クラッチペダル 33 シフトレバー 34 マニュアル・スィッチ 35 消去スィッチ 36 インスツルメントパネル 37 インディケータ 40 時計 41 積算計 42 カレンダー 43 車速センサ 44 ヨーレイトセンサ 45 加速度センサ 46 横加速度センサ 47 上下加速度センサ 48 ドライバー識別手段 50 メイン・コンピュータユニット 51 ROM 52 RAM 53 位置検出用コンピュータユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 29/02 311 F02D 29/02 311A 45/00 340 45/00 340Z 376 376H F16H 61/00 F16H 61/00 G05B 13/02 G05B 13/02 L (72)発明者 竹原 伸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 柴田 峰東 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 平林 繁文 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 宮本 誠司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−112158(JP,A) 特開 昭60−43137(JP,A) 特開 昭60−90944(JP,A) 特開 平2−67442(JP,A) 特開 昭62−107253(JP,A) 特開 昭62−56657(JP,A) 特開 昭63−255134(JP,A) 特開 平1−247856(JP,A) 特開 平2−99439(JP,A) 特開 平1−219337(JP,A) 特開 平1−203639(JP,A) 特開 昭62−261622(JP,A) 特開 平3−135853(JP,A) 特開 平2−238600(JP,A) 特開 平3−153436(JP,A) 実開 平2−3036(JP,U) 特公 平3−44029(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/00 B60G 17/00 B60T 8/00 B62D 5/00 B62D 6/00 F02D 29/02 311 F02D 45/00 340 F02D 45/00 376 F16H 61/00 G05B 13/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の走行状況を検出する検出手段
    と、所定の制御ゲインで、自動車の走行特性を制御可能
    な走行特性制御手段と、自動車の走行状況を学習し、前
    記走行特性制御手段の前記制御ゲインを変更可能な制御
    手段とを備えた学習制御自動車において、特定ドライバーの 所定の操作に対して、その特定ドライ
    バーのそれまで蓄積された学習データと現在の走行デー
    タとを対比し、その差が不安定側において所定値以上で
    あるか否かを判定する判定手段とこの判定手段が前記所定値以上であると判定した場合に
    は、前記制御手段により学習された前記特定ドライバー
    制御ゲインを安定側に補正する補正手段と、を備えて
    いることを特徴とする学習制御自動車。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、前記制御ゲインを安定
    側にする補正をエンジンの停止まで継続することを特徴
    とする請求項1に記載の学習制御自動車。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、特定ドライバーのそれ
    まで蓄積された地理別及び時間別における学習データと
    現在の走行データとの対比して前記判定を行うことを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載の学習制御自動
    車。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記判定手段が前記所
    定値以上であると判定した場合、特定ドライバーによる
    自動車の走行状況の学習を中止することを特徴とする請
    求項1乃至3の何れかの請求項に記載の学習制御自動
    車。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記判定手段が前記所
    定値以上であると判定した場合でも、道路の地形状況に
    関する学習だけは継続することを特徴とする請求項4に
    記載の学習制御自動車。
  6. 【請求項6】 前記補正手段は前記判定手段が前記判
    定を行うことができない場合にも、前記制御ゲインを安
    定側に補正することを特徴とする請求項1に記載の学習
    制御自動車。
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