JP3346332B2 - 符号分割多元接続方式移動通信システム - Google Patents

符号分割多元接続方式移動通信システム

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JP3346332B2
JP3346332B2 JP10880199A JP10880199A JP3346332B2 JP 3346332 B2 JP3346332 B2 JP 3346332B2 JP 10880199 A JP10880199 A JP 10880199A JP 10880199 A JP10880199 A JP 10880199A JP 3346332 B2 JP3346332 B2 JP 3346332B2
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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は符号分割多元接続方
式移動通信システムに係わり、詳細には移動局端末と無
線基地局との間のクローズループ制御により送信電力を
制御する符号分割多元接続方式移動通信システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】符号分割多元接続方式(Code Division
Multiple Access:以下、CDMAと略す。)移動通信
システムは、サービスエリアが複数のエリアから構成さ
れており、各エリアごとに配置された無線基地局装置
(Base Transceiver Station:以下、BTSと略す。)
と各エリアに在圏中の移動局端末(Mobile Station:以
下、MSと略す。)との間でCDMA伝送による双方向
の無線通信を行う。CDMA伝送では、送信側において
送信信号の変調後、MSごとに割り当てられている互い
に直交する拡散符号により信号帯域を広帯域に拡散させ
て送信する。これに対して受信側では同じ拡散符号を用
いて元の狭帯域の変調に戻した後、復調する。このよう
に、拡散符号により個々の通信路の特定が可能であるた
め、CDMA移動通信システムでは、すべて同一の周波
数帯域を用いられる。さらにCDMA移動通信システム
では、MSで同時に複数のBTSと接続することがで
き、例えばエリア境界におけるハンドオーバ処理による
円滑なエリア移動はCDMA移動通信システムの長所と
なる。一方、このような拡散符号が異なるが同一周波数
帯域を用いるCDMA移動通信システムでは、他の拡散
符号による信号は、別の拡散符号による信号にとっては
干渉雑音の原因となる。そこで、BTSとMSとの間
で、互いに他の信号との干渉を最小限に抑えるととも
に、できるだけ高い受信感度を実現するために、着目す
る信号の受信電力とそれ以外の信号の受信電力との比を
示す希望波受信電力対干渉波受信電力比(Signal to In
terference Ratio:以下、SIRと略す。)を指標とし
て互いの送信電力の制御を行っている。
【0003】図22は従来のCDMA移動通信システム
の構成の概要を表わしたものである。このCDMA移動
通信システムのサービスエリアは複数のエリアによって
構成され、各エリアごとに配置されたBTS101〜1
Nは、その上位局である無線ネットワーク制御装置(R
adio Network Controller:以下、RNCと略す。)1
1とネットワーク回線を介して接続されている。また、
MS12は、在圏エリアに配置されているBTSとCD
MA伝送による無線通信を行う。MS12は、その所在
位置に応じて複数のBTSと接続され、その時点で最も
感度の優れたBTSと無線通信の送受を行う。これを、
ダイバーシティ・ハンドオーバー(Diversity HandOve
r:以下、DHOと略す。)状態にあるという。MS1
2は、接続されているBTSとの間で、送信電力制御の
ための高速クローズループ制御を行っている。以下で
は、MS12はBTS101、10Nと接続されているも
のとする。高速クローズループ制御は、MS12とBT
S101、10Nそれぞれとの間で、MS12からBTS
101、10N方向の上りおよびBTS101、10Nから
MS12方向の下りフレーム信号の送受により、互いに
対向装置に対して送信電力の増加あるいは低減指示を行
う。
【0004】図23はMSとBTSとの間で授受される
フレーム信号のフォーマットの構成の概要を表わしたも
のである。同図(a)に示すように上りおよび下りフレ
ーム信号は、ともに複数スロット131〜13Mから構成
されているフレーム信号14として、MS12およびB
TS101、10N間を送受される。これらスロットのう
ち、同図(b)に示すような所定のスロット133の所
定位置には、送信電力制御(Transmitter Power Contro
l:以下、TPCと略す。)15ビットが付加される。
このTPCビット15は、例えば2ビット列であり、
“11”のときは送信電力の増加指示、“00”のとき
は送信電力の低減指示を示す。
【0005】このようなTPCビットは、MSあるいは
BTSで生成される。ここでは、BTSで生成されるも
のとする。このようなBTSは、MSからの上り回線の
フレーム信号を受信し、この上り信号の受信SIRと、
予め決められた基準SIR(以下、Srefとする。)
とを比較することにより、上り回線の送信元であるMS
に対して送信電力の制御を行う。Srefは、BTSご
とに割り当てられた所要のフレームエラー発生率(Fram
e Error Rate:以下、FERと略す。)を達成するため
に、予め決められた基準値である。
【0006】図24はBTSにおけるTPCビット生成
処理の概要を表わしたものである。BTSは、MSから
の上り回線のフレーム信号の受信を監視し(ステップS
16:N)、上り回線のフレーム信号を受信したとき
(ステップS16:Y)、このフレーム信号のSIRを
測定する(ステップS17)。次に、この測定した受信
SIRと予め決められたSrefとを比較し(ステップ
S18)、受信SIRがSref以上であるとき(ステ
ップS18:Y)、所要のFERを満たすのに十分な受
信レベルであると判断する。しかし、MSからの送信電
力が大きすぎると、同じエリアに在圏中の他のMSの通
信の干渉となってしまい、サービスエリア全体としての
通信品質の低下を招く。そこで、受信レベルが十分であ
ると判断されたときには、MSに対して送信電力を低減
させるように指示するTPCビットを生成する(ステッ
プS19)。一方、ステップS18で、受信SIRがS
refより小さいとき(ステップS18:N)、受信レ
ベルが低いため所要のFERを満たせないと判断して、
MSに対して送信電力を増加させるように指示するTP
Cビットを生成する(ステップS20)。このように、
ステップS19およびステップS20によって生成され
たTPCビットは、BTSからMSに対して、図23に
示したような下り回線のフレーム信号に付加されて送信
される。
【0007】図25はこのMSにおける送信制御処理の
概要を表わしたものである。MSは、BTSからの下り
回線のフレーム信号の受信を監視し(ステップS21:
N)、これを受信すると(ステップS21:Y)、この
フレーム信号の所定のスロットに含まれる図24に示し
たようにBTSで生成されたTPCビットを抽出し、こ
れを判別する(ステップS22)。例えば抽出したTP
Cビットが“11”であるときには、送信電力の増加指
示であると判別し(ステップS22:Y)、MSの送信
電力の増加制御を行う(ステップS23)。一方、ステ
ップS22で、例えば抽出したTPCビットが“00”
であるときには、送信電力の低減指示であると判別し
(ステップS22:N)、MSの送信電力の低減制御を
行う(ステップS24)。
【0008】このようにCDMA移動通信システムにお
けるBTSとMSとの間で、上りフレーム信号に対応し
た下りフレーム信号にTPCビットを付加することで、
相手側から送信電力を制御する。このような制御を高速
クローズループ制御と呼ぶ。
【0009】この高速クローズループ制御に関して、例
えば特開平6−132872号公報「移動局送信電力制
御装置」には、BTSで自局SIR値と自局が属するサ
ービスエリア全体の平均SIR値との差であるSIR評
価値を算出し、自局SIR値と上限および下限閾値とを
比較して、その比較結果に応じてSIR評価値に比例し
た値で相手側に要求する送信電力を設定するようにし
て、MSの分布の粗密に応じた通信品質の維持を図る技
術が開示されている。
【0010】また特開平6−276130号公報「送信
電力制御方法」には、目標値SIR値と現時刻での自局
のSIR値との差である更新量ΔPとから、予め定めら
れた上限値および下限値を超えない範囲で相手側からの
送信電力を設定し、隣接するBTSのSIRが同じ値に
なるように制御する技術が開示されている。
【0011】さらに特開平8−32514号公報「送信
電力制御方法および送信電力制御装置」には、通常は高
精度な制御が可能で、上述した高速クローズループ制御
により送信電力制御を行い、受信電力が急に大きくなっ
たような周囲の伝搬状況になると、オープンループ制御
で最適な送信電力を短時間に制御するようにした技術が
開示されている。
【0012】ところで、この高速クローズループ制御
は、図22に示すようにMS12が複数のBTS1
1、10Nと同時接続されたDHO状態の場合には、複
数のBTSそれぞれから独立にTPCビットが設定され
る。しかし、MS12は送信電力の低減指示を優先させ
て上り回線の送信電力を決定する。これは、MS12に
接続されている複数のBTSから送信電力の低減指示が
あるということは、その低減指示を行うBTSではMS
12からの上り回線の送信電力が十分であることを意味
し、所要FERを得ることができる。このようにしてM
Sの送信電力を決定する各BTSのSrefは、所要の
通信品質を満たし、かつ他チャンネルへの干渉を最小限
に抑えるSIRの最小値が設定される。しかし、MS自
体の移動速度の変化による伝搬特性の変化や、接続ブラ
ンチ数の変化などの原因で、所要の通信品質とSIRと
の関係が変化し、予め設定したSrefを用いると所要
の通信品質を満たせなくなるか、あるいは過剰な通信品
質になってしまう場合がある。そこで、このようなSr
efを補正するために、アウターループ制御が行われて
いる。
【0013】アウターループ制御については、例えば
“Specifications of Air−In
teface for 3G Mobile Syst
emVer1.0”(Association of Radio Industrie
s and Businesses:ARIB)に記載されている。この
文献に記載されている上り回線のアウターループ制御
は、平均FERや平均ビットエラー発生率(Bit Error
Rate:BER)に着目した所要通信品質を満たすため、
BTSにおいて品質情報に基づいたSrefの更新を行
う。この更新のアルゴリズムについては、上述した文献
には下り回線のアウターループ制御について記載されて
いるが、上り回線のアウターループ制御にも適用するこ
とができる。すなわち、品質情報としてMSからの上り
回線のフレーム信号の巡回冗長検査(Cyclic Redundanc
y Check:以下、CRCと略す。)結果を用い、この結
果に応じたSrefの更新が行われる。
【0014】図26は上述した高速クローズループ制御
およびアウターループ制御が行われるMSとBTSとの
間のシーケンスの概要を表わしたものである。まず、M
Sからの任意の上り回線のフレーム信号25をBTSで
受信すると、BTSはこの上りフレーム信号25のSI
Rを測定する(処理26)。さらにBTSでは、受信し
た上り回線のフレーム信号25のCRC結果をチェック
し、その結果に応じてBTSで自律的にSrefの更新
を行う(処理27)。例えばCRC結果が誤りビットの
発生を示す“NG”の場合、一般的に受信レベルが不十
分であることが多いため、高速クローズループ制御によ
りMSからの送信電力の増加指示を行わせる目的でSr
efを上げる。一方、CRC結果が誤りビットの発生が
ないことを示す“OK”の場合、一般的に受信レベルが
十分であることが多いため、他チャンネルへの干渉を最
小限に抑えるように高速クローズループ制御によりMS
からの送信電力の低減指示を行わせる目的でSrefを
下げる。このようなアウターループ制御によって更新さ
れたSrefと、図24に示したように処理26で測定
した受信SIRとを比較することで、TPCビットを作
成して、これを下り回線のフレーム信号28としてMS
に送信する。MSでは、図25に示したように受信した
下り回線のフレーム信号に含まれるTPCビットを参照
して、送信電力の増加あるいは低減制御を行うことにな
る。
【0015】図27は上述したBTSにおけるSref
更新処理の流れの概要を表わしたものである。BTS
は、MSからの上り回線の受信信号1フレーム分を監視
し(ステップS30:N)、これを受信すると(ステッ
プS30:Y)、フレーム信号の予め決められた位置に
格納されたCRCビットに基づいて誤りビットが発生し
ているか否かを検査する(ステップS31)。このCR
C結果が“OK”のとき(ステップS32:Y)、Sr
efに予め決められた減算値であるSIRdec[d
B]で減算し、Srefを下げるように更新する(ステ
ップS33)。一方、CRC結果が“NG”のとき(ス
テップS32:N)、Srefに予め決められた増加値
であるSIRinc[dB]を加算し、Srefを上げ
るように更新する(ステップS34)。このようにCR
C結果が“OK”の場合誤りビットの発生がないため、
Srefを下げてMSの送信電力が過剰に設定されない
ようにし、CRC結果が“NG”の場合誤りビットが発
生したため、Srefを上げてMSの送信電力を増加さ
せて所要の通信品質を満たす受信レベルを得ようとして
いる。
【0016】ところで、上述したSIRdecおよびS
IRincは、FERの所要品質をFERtgとした場
合、次式で示される関係を有している。
【0017】 SIRdec=SIRinc×FERtg/(1―FERtg)・・・(1)
【0018】図28は(1)式でFERtgを10パー
セントとしたときのアウターループ制御によるSref
の変化の様子を表わしたものである。これは、10パー
セントの割合で、SIRinc35による加算が行わ
れ、残り90パーセントの割合でSIRdec36によ
る減算が行われることを意味する。したがって、1回S
IRincによって加算されると、残りの9回でSIR
decによる減算により、元のSrefに収束するよう
な関係になっている。このようなFERtgと無関係
に、SIRdecがSIRincと同じ値である場合、
FERtgが10パーセントのとき明らかにSIRde
cによる減算によって、Srefが極端に小さくなって
しまう。一般的には、FERtgは1パーセント以下で
あるため、SIRdecはSIRincより小さくな
る。
【0019】このようなアウターループ制御に関して、
例えば特許−2823034号「移動通信システムの送
信電力制御方式」には、信号品質の劣化の回数を測定
し、その回数が信号品質劣化の規定値を超えたときに
は、Srefを一定ステップで更新する技術が開示され
ている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のア
ウターループ制御を適用したCDMA移動通信システム
では、MSが複数のBTSと同時接続中であるDHO状
態の場合、上述したように各BTSごとに自律的に受信
した上りフレーム信号のCRC結果を用いてSrefの
更新を行う。そのため、DHO状態で接続された複数の
BTS間でSrefに差が生じることが問題となる。す
なわち、DHO状態にあるMSは伝搬特性の最も良好な
BTSに合わせて、特開平6−132872号公報や特
開平6−276130号公報あるいは特開平8−325
14号公報に開示された高速クローズループ制御による
送信電力の低減指示を優先させるため、この高速クロー
ズループ制御に寄与しない方のBTS(以下、BTSs
という。)では受信SIRがSrefに達していない可
能性が高くなる。このような場合、BTSsではアウタ
ーループ制御によりSrefを上げるように制御され
る。一般に、DHO状態にあるMSに接続されている複
数のBTSについて、それぞれMSまでの伝搬特性の差
が大きいため、高速クローズループ制御に寄与するBT
Sが特定のBTSに偏る状態が長く続く可能性が高い。
したがって、BTSsでは、さらにSrefの増加によ
る更新が繰り返され、Srefが急速に増加する。結果
的に高速クローズループ制御に寄与したBTSと寄与し
ないBTSsとを比較すると、それぞれのSrefに大
きな差が生まれる。
【0021】このようにBTSsにだけSrefが過剰
に増加している状態で、MSがこのBTSsに近づいた
場合、まず例えば特許−2823034号に開示された
ようなアウターループ制御によりSrefが減少してい
くが、上述したように一般的にSIRdecはSIRi
ncより小さいため、過剰に増加していたSrefが適
当な値にまで減少するのに長時間が必要となる。この間
は、BTSsからMSに対して過剰な送信電力を要求す
ることとなるため、BTSsが伝搬特性の最も良好なB
TSであるにもかかわらず、高速クローズループ制御は
他のBTSに寄与するため、MSからは過剰な送信電力
でフレーム信号が送信されることになる。この過剰な送
信電力により、周辺のMSに対する干渉電力を増加さ
せ、サービスエリア全体としての通信品質の劣化を招
く。また、BTSsのSrefが過剰に増加している状
態で、接続対象のBTSがBTSsのみとなった場合に
は、BTSsの過剰なSrefにより高速クローズルー
プ制御が行われるため、同様に周辺のMSに対する干渉
電力を増加させ、サービスエリア全体としての通信品質
の劣化を招く。
【0022】これはDHO状態における高速クローズル
ープ制御に寄与しないBTSを判別することができない
からであり、その結果としてサービスエリア全体として
の通信品質の劣化を招いている。
【0023】そこで本発明の第1の目的は、DHO状態
における高速クローズループ制御に寄与しないBTSを
判別し、接続されているBTSごとにSrefに大きな
差があっても、短期間に適当なSrefに収束させるア
ウターループ制御を行って、過剰な送信電力にともなう
通信品質の劣化を低減させるCDMA移動通信システム
を提供することにある。
【0024】また本発明の第2の目的は、DHO状態の
における高速クローズループ制御に寄与しないBTSを
判別し、接続されているBTSごとにSrefに大きな
差が生じないようにして通信品質の維持を図るCDMA
移動通信システムを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)送信電力の増減の要求に基づいて上り回線の
送信電力を変更して送信信号を上り回線に送出する送信
電力変更手段を備える移動局端末と、(ロ)上り回線の
受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力比を測定す
る第1の受信電力比測定手段と、この第1の受信電力比
測定手段によって測定された希望波受信電力対干渉波受
信電力比が所定の第1の基準値を超えているとき上り回
線の送信電力の増加を要求し、第1の基準値を超えてい
ないとき送信電力の低減を要求する第1の送信電力制御
手段と、過去所定期間内に第1の基準値を増加させた回
数を計数する第1の計数手段と、この第1の計数手段に
よって計数された回数と、期間内の最初に第1の基準値
を増加させたときの希望波受信電力対干渉波受信電力比
と第1の基準値との差としての第1の差分と、現時点の
希望波受信電力対干渉波受信電力比と第1の基準値との
差としての第2の差分との差とに基づいた変更値によっ
て、第1の基準値を変更する第1の基準値更新手段とを
備える無線基地局とを符号分割多元接続方式移動通信シ
ステムに具備させる。
【0026】すなわち請求項1記載の発明では、無線基
地局の第1の受信電力比測定手段により上り回線のSI
Rを測定させ、第1の送信電力制御手段でこれが第1の
基準値を超えているときは上り回線の送信電力の増加を
要求し、第1の基準値を超えないときは上り回線の送信
電力の低減を要求させるようにした。また、第1の計数
手段では、所定期間内に第1の基準値を増加させた回数
を計数させている。第1の基準値更新手段では、期間内
の最初に第1の基準値を増加させたときの希望波受信電
力対干渉波受信電力比と第1の基準値との差としての第
1の差分と、現時点の希望波受信電力対干渉波受信電力
比と第1の基準値との差としての第2の差分との差とに
基づいた変更値によって、この所定期間内に第1の基準
値を増加させた回数に応じて第1の基準値を更新するよ
うにしている。このようにして更新された第1の基準値
に基づいて第1の送信電力制御手段によって送信電力制
御が行われ、移動局端末ではこれに応じて送信電力を変
更する。これにより、BTSごとにSIRの差が生じ
て、MSが、Srefが急速に増加して高速クローズル
ープ制御に寄与しないBTS近辺に移動した場合に、M
Sに対して過剰な送信電力を要求することを回避するこ
とができるようになり、その結果上り回線の干渉量を低
減することができるようになる。
【0027】請求項2記載の発明では、(イ)下り回線
の受信信号の誤りを検出する下り回線誤り検出手段と、
この下り回線誤り検出手段によって検出された誤りに基
づいて下り回線の送信電力の増減を要求するための第2
の基準値を更新する下り基準値更新手段と、下り回線の
受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力比を測定す
る第2の受信電力比測定手段と、この第2の受信電力比
測定手段によって測定された希望波受信電力対干渉波受
信電力比が所定の第2の基準値を超えたとき下り回線の
送信電力の増加を要求し、第2の基準値を超えないとき
送信電力の低減を要求する第2の送信電力制御手段と、
第2の基準値更新手段によって第2の基準値が増加して
更新されたときにはその旨を通知する基準値情報を生成
する基準値情報生成手段と、送信電力の増減の要求に基
づいて上り回線の送信電力を変更して基準値情報ととも
に送信信号を上り回線に送出する送信電力変更手段とを
備える移動局端末と、(ロ)上り回線の受信信号の希望
波受信電力対干渉波受信電力比を測定する第1の受信電
力比測定手段と、この第1の受信電力比測定手段によっ
て測定された希望波受信電力対干渉波受信電力比が所定
の第1の基準値を超えたとき上り回線の送信電力の増加
を要求し、第1の基準値を超えないとき送信電力の低減
を要求する第1の送信電力制御手段と、過去所定期間内
に第1の基準値を増加させた回数を計数する第1の計数
手段と、期間内に基準値情報生成手段によって生成され
た基準値情報が通知された回数を計数する第2の計数手
段と、第1の計数手段によって計数された回数と第2の
計数手段によって計数された回数とに基づいた変更値に
よって第1の基準値を変更する第1の基準値更新手段と
を備える無線基地局とを符号分割多元接続方式移動通信
システムに具備させる。
【0028】すなわち請求項2記載の発明では、移動局
端末で下り回線誤り検出手段により下り回線の受信信号
の誤りを検出させ、下り基準値更新手段により第2の基
準値を更新するようにしている。また、第2の受信電力
比測定手段により下り回線の受信SIRを測定させて、
これと更新されている第2の基準値とに基づいて下り回
線の送信電力を第2の送信電力制御手段により制御す
る。さらに移動局端末は、この第2の基準値が増加した
ときにその旨を通知する基準値情報を生成させ、送信電
力変更手段で上り回線にのせて送出させる。無線基地局
でも、同様に上り回線の受信SIRが測定されて、第1
の基準値に基づいて上り回線の送信電力制御を行わせて
いる。また、第1の計数手段により過去所定期間内にお
ける第1の基準値の増加回数を計数させるとともに、第
2の計数手段によりこの期間内における基準値情報によ
って移動局端末の第2の基準値が増加した回数を計数さ
せる。そして、第1の基準値更新手段では、この無線基
地局の第1の基準値の増加回数と、移動局端末の第2の
基準値の増加回数とに基づいた変更値によって、第1の
基準値を変更するようにしている。
【0029】請求項3記載の発明では、(イ)送信電力
の増減の要求に基づいて上り回線の送信電力を変更して
送信信号を上り回線に送出する送信電力変更手段を備え
る移動局端末と、(ロ)上り回線の受信信号の希望波受
信電力対干渉波受信電力比を測定する第1の受信電力比
測定手段と、この第1の受信電力比測定手段によって測
定された希望波受信電力対干渉波受信電力比が所定の第
1の基準値を超えたとき上り回線の送信電力の増加を要
求し、第1の基準値を超えないとき送信電力の低減を要
求する第1の送信電力制御手段と、過去所定期間内の第
1の基準値の平均値を算出する第1の基準値平均値算出
手段と、期間内の希望波受信電力対干渉波受信電力比の
平均値を算出する受信電力比平均値算出手段と、第1の
基準値平均値算出手段によって算出された平均値と受信
電力比平均値算出手段によって算出された平均値との差
が第1の所定値を超えたとき第1の基準値を更新せず、
第1の所定値を超えないとき予め決められた変更値で第
1の基準値を更新する第1の基準値更新手段とを備える
無線基地局とを符号分割多元接続方式移動通信システム
に具備させる。
【0030】すなわち請求項3記載の発明では、無線基
地局では上り回線の受信SIRが測定されて、第1の基
準値に基づいて上り回線の送信電力制御を行わせるとと
もに、第1の基準値平均値算出手段により過去所定期間
内の第1の基準値の平均値を算出させている。さらに、
受信電力比平均値算出手段により、この期間内の希望波
受信電力対干渉波受信電力比の平均値を算出させてい
る。そして、これら平均値の差が、予め決められた第1
の所定値を超えたときには、Srefが過剰に増加し
て、高速クローズループ制御に寄与しない無線基地局で
あると判断して、第1の基準値を更新せず、第1の所定
値を超えないときは予め決められた変更値で第1の基準
値を更新するようにした。BTSとMSとの間で送信電
力を制御する高速クローズループ制御に用いるSref
を補正するアウターループ制御において、BTSによっ
てSrefに大きな差が生じるような状態を回避するこ
とができるので、結果的に上り回線の干渉量を低減する
ことができるようになる。
【0031】請求項4記載の発明では、(イ)無線基地
局ごとに送信される報知信号の希望波受信電力対干渉波
受信電力比を測定する第2の受信電力比測定手段と、こ
の第2の受信電力比測定手段によって測定された複数の
無線基地局ごとの受信電力比のうち最大受信電力比との
差が第2の所定値を超えたとき無線基地局を受信電力比
情報として上り回線を介して通知する通知手段と、送信
電力の増減の要求に基づいて上り回線の送信電力を変更
して通知手段による送信信号を上り回線に送出する送信
電力変更手段とを備える移動局端末と、(ロ)上り回線
の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力比を測定
する第1の受信電力比測定手段と、この第1の受信電力
比測定手段によって測定された希望波受信電力対干渉波
受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき上り回線
の送信電力の増加を要求し、第1の基準値を超えないと
き送信電力の低減を要求する第1の送信電力制御手段
と、過去所定期間内の通知手段によって通知された回数
を計数する計数手段と、この計数手段によって計数され
た回数が第3の所定値を超えたとき第1の基準値を更新
せず、第3の所定値を超えないとき予め決められた変更
値で第1の基準値を更新する第1の基準値更新手段とを
備える無線基地局とを符号分割多元接続方式移動通信シ
ステムに具備させる。
【0032】すなわち請求項4記載の発明では、移動局
端末では各無線基地局から送信されるパイロット信号な
どの報知信号の受信SIRを測定し、このうち最大受信
電力比との差が第2の所定値を越えた無線基地局を選択
するようにし、これをその無線基地局に通知するように
している。無線基地局では、上り回線の受信SIRが測
定されて、第1の基準値に基づいて上り回線の送信電力
制御を行わせるとともに、計数手段によって過去所定期
間内におけるこの通知回数を計数するようにしている。
そして、この計数結果が第3の所定値を越えたときに
は、このBTSは高速クローズループ制御に寄与してい
ない無線基地局であると判断して、Srefの更新を行
わせないようにした。これにより、BTSとMSとの間
で送信電力を制御する高速クローズループ制御に用いる
Srefを補正するアウターループ制御において、BT
SによってSrefに大きな差が生じるような状態を回
避することができるので、結果的に上り回線の干渉量を
低減することができるようになる。
【0033】請求項5記載の発明では、(イ)複数の無
線基地局から通知される受信フレームに含まれる品質情
報に基づいて最良の受信フレームを選択するとともに、
無線基地局ごとに最良の受信フレームが選択されなかっ
た回数を計数する第3の計数手段と、この第3の計数手
段によって計数された回数が第4の所定値を超えた無線
基地局があるときにはその無線基地局に通知する通知手
段とを備える無線ネットワーク装置と、(ロ)送信電力
の増減の要求に基づいて上り回線の送信電力を変更して
送信信号を上り回線に送出する送信電力変更手段とを備
える移動局端末と、(ハ)上り回線の受信信号の希望波
受信電力対干渉波受信電力比を測定する第1の受信電力
比測定手段と、この第1の受信電力比測定手段によって
測定された希望波受信電力対干渉波受信電力比が所定の
第1の基準値を超えたとき上り回線の送信電力の増加を
要求し、第1の基準値を超えないとき送信電力の低減を
要求する第1の送信電力制御手段と、通知手段によって
通知されたとき所定のフラグをオフ状態にし、通知され
ないときオン状態に設定するフラグ制御手段と、このフ
ラグ制御手段によってフラグがオフ状態に設定されてい
るとき第1の基準値を更新せず、フラグがオン状態に設
定されているとき予め決められた変更値で第1の基準値
を更新する第1の基準値更新手段とを備える無線基地局
とを符号分割多元接続方式移動通信システムに具備させ
る。
【0034】すなわち請求項5記載の発明では、複数の
無線基地局にその上位局としての無線ネットワーク装置
を接続し、これに各無線基地局から通知される受信フレ
ームに含まれる品質情報に基づいて最良感度の受信フレ
ームを選択させるようにしている。また、無線基地局ご
とにこれに選択されない回数を計数させ、第4の所定値
を越えた無線基地局にはその旨を通知するようにした。
無線基地局では、上り回線の受信SIRが測定されて、
第1の基準値に基づいて上り回線の送信電力制御を行わ
せるとともに、フラグ制御手段によってこの通知結果に
よりフラグをオフ状態にするようにした。そして、フラ
グがオフ状態にあるときは、複数の無線基地局の中でも
感度が悪いため、高速クローズループ制御に寄与してい
ないと判断できることから、Srefの更新を行わせな
いようにした。これにより、BTSとMSとの間で送信
電力を制御する高速クローズループ制御に用いるSre
fを補正するアウターループ制御において、BTSによ
ってSrefに大きな差が生じるような状態を回避する
ことができるので、結果的に上り回線の干渉量を低減す
ることができるようになる。
【0035】請求項6記載の発明では、(イ)送信電力
の増減の要求に基づいて上り回線の送信電力を変更して
送信信号を上り回線に送出する送信電力変更手段を備え
る移動局端末と、(ロ)この移動局端末に接続されてい
複数の無線基地局それぞれの有する送信電力の増減を
要求するための基準値を問い合わせる基準値問い合わせ
手段と、この基準値問い合わせ手段によって報告された
基準値の中から最小値を選択し無線基地局に前記した移
動局端末の送信電力変更のための基準値として通知する
通知手段とを備える無線ネットワーク装置と、(ハ)
り回線の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力比
を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の受
信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力対
干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき上
り回線の送信電力の増加を要求し、第1の基準値を超え
ないとき送信電力の低減を要求する第1の送信電力制御
手段と、通知手段によって通知された基準値を第1の基
準値として更新する第1の基準値更新手段とを備える無
線基地局とを符号分割多元接続方式移動通信システムに
具備させる。
【0036】すなわち請求項6記載の発明では、無線ネ
ットワーク装置に所定の移動局端末に接続されている
数の無線基地局ごとに有する送信電力制御用の基準値を
報告させ、その中から最小値を選択して、各無線基地局
に通知するようにした。これを受けた無線基地局は、自
局の送信電力制御用の基準値を、この通知された基準値
に更新するようにした。これにより、所定の移動局端末
に接続されているすべての無線基地局でSrefの違い
による不都合が生じることがなくなるため、DHO状態
で高速クローズループ制御に寄与しないBTSでSre
fが過剰に増加する現象を回避することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
【0038】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0039】第1の実施例
【0040】図1は本発明の第1の実施例におけるCD
MA移動通信システムの構成の概要を表わしたものであ
る。このCDMA移動通信システムは、サービスエリア
が複数のエリアから構成されており、各エリアごとにB
TSが配置されている。そのうちの1つのBTS40に
着目して、このBTS40のエリアにMS41が在圏中
の状態にあるものとする。このBTS40とMS41と
の間でCDMA伝送による双方向の無線通信が行われ
る。BTS40は、その上位局である図示しないRNC
とネットワーク回線を介して接続されている。
【0041】BTS40は、アンテナ42と、AMP4
3と、TRX44と、信号処理部45と、IF46とを
有している。アンテナ42は、MS41との間で上りお
よび下りの無線フレーム信号を送受する。AMP43
は、このアンテナ42との間で送受される送信信号およ
び受信信号の電力増幅を行う。TRX44は、AMP4
3と信号処理部45との間の周波数変換を行う。信号処
理部45は、送信および受信信号処理を行い、本実施例
ではTRX44を介して入力された受信信号の復調を行
って、測定した受信SIRに基づいてMSに対して送信
電力を制御する高速クローズループ制御と、受信信号の
CRCを検査してSrefの更新を行うアウターループ
制御とを司る。IF46は、上位局であるRNCとのイ
ンタフェース機能を有する。さらにBTS40は、制御
部47を有しており、これらAMP43、TRX44、
信号処理部45およびIF46の制御を行い、呼処理や
BTS40の状態管理機能を有する。
【0042】信号処理部45は、送信データの誤り訂正
符号化、1次変調としてのデータ変調そして2次変調と
しての拡散変調を行うとともに、受信データの同期処
理、逆拡散、データ復調などのベースバンド処理を行う
変復調部48を備えている。さらに信号処理部45は、
変復調部48によって復調された受信信号のSIRを測
定するSIR測定部49と、復調された復調信号の誤り
を検出する誤り検出部50と、測定された受信SIRと
誤り検出部50による検出結果とに基づいてSrefを
設定する基準値設定部51と、測定された受信SIRと
基準値設定部51によって設定されたSrefとに基づ
いてMSに対する送信電力制御を行うためのTPCビッ
トを生成する送信電力制御部52とを備えている。
【0043】MS41は、アンテナ53を有しており、
BTS40との間で上りおよび下りの無線フレーム信号
を送受する。MS41は、BTS40から受信した下り
回線のフレーム信号に含まれるTPCビットを参照し
て、上り回線のフレーム信号を送信する際の電力を制御
することができるようになっている。MS41の高速ク
ローズループ制御は、図25に示したものと同様である
ため、説明を省略する。
【0044】このような構成のCDMA移動通信システ
ムは、MS41から受信した上り回線のフレーム信号を
SIR測定部49で受信SIRを測定する。その一方、
誤り検出部50ではベースバンド処理された受信信号の
CRC検査が行われ、その結果が基準値設定部51に通
知される。基準値設定部51では、誤り検出部50から
通知されるCRC結果が“NG”の場合、Srefを増
加するとともに、その増加した回数を記憶するようにし
ている。一方、基準値設定部51は、誤り検出部50か
ら通知されるCRC結果が“OK”の場合、Srefが
所定期間Tm[sec]以内に急速に増加しているか否
かを検出するようにしている。すなわち、所定期間Tm
以内で計数された増加回数が1回目のときのSrefと
受信SIRとの差と、現時点におけるSrefと受信S
IRとの差とを比較し、増加回数が1回目のときと比べ
て所定値以上増加している場合は、急速にSrefが増
加しているものと判断する。こうして、急速にSref
が増加していると判断された場合は、Srefを大きい
ステップで減少させる。急速にSrefが増加していな
いと判断された場合は、小さいステップでSrefを減
少させる。このようなアウターループ制御によって更新
されたSrefとSIR測定部49によって測定された
受信SIRとを用いて、送信電力制御部52はMSに対
して送信電力の増加あるいは低減を指示するTPCビッ
トを生成する。
【0045】このような制御を可能とするBTS40の
制御部47は、図示しない中央処理装置(Central Proc
essing Unit:以下、CPUと略す。)を有しており、
磁気ディスクなどの外部記憶装置あるいはこれとは別に
設けられた読み出し専用メモリ(Read Only Memory:以
下、ROMと略す。)などの所定の記憶装置に格納され
たプログラムに基づいて各種制御を実行できるようにな
っている。
【0046】図2はこのような記憶装置に格納されたB
TS40の制御部47の上り回線の受信処理内容の概要
を表わしたものである。制御部47は、アンテナ42を
介して受信した上り回線のフレーム信号をAMP43で
電力増幅し(ステップS56)、TRX44で周波数変
換後、信号処理部45の変復調部48でベースバンド処
理させる(ステップS57)。ベースバンド処理された
受信信号は、SIR測定部49で受信SIRを測定させ
(ステップS58)、誤り検出部50でCRC検査を行
わせる(ステップS59)。次に、基準値設定部51
に、誤り検出部50から通知されるCRC結果と、SI
R測定部49から通知される受信SIRとに基づいて、
上り回線の高速クローズループ制御で使用するSref
を決定させる(ステップS60)。そして、送信電力制
御部52では、基準値設定部51から通知されるSre
fと、SIR測定部49で測定された受信SIRとから
TPCビットを生成させる(ステップS61)。すなわ
ち、図24に示したように受信SIRがSref以上で
あると判別されたときには、MS41からの送信電力を
低減させるTPCビット“00”を生成させ、これに対
して受信SIRがSrefより小さいと判別されたとき
には、MS41からの送信電力を増加させるTPCビッ
ト“11”を生成させる。その後、再び上り回線のフレ
ームの受信を監視する(エンド)。
【0047】図3はBTS40の制御部47の下り回線
の送信処理内容の概要を表わしたものである。制御部4
7は、例えば、送信電力制御部52からステップS61
で生成されたTPCビットを下り回線のフレーム信号と
して送信する要求があった場合、下り回線のフレーム信
号に生成されたTPCビットを付加して変復調部48に
送信ベースバンド処理を行わせてる(ステップS6
3)。そして、TRX44で周波数変換後、AMR43
に電力増幅させて(ステップS64)、アンテナ42か
ら送信させて(ステップS65)、一連の処理を終了す
る(エンド)。
【0048】図4は図2に示したステップS60におけ
るSref更新の処理内容の概要を表わしたものであ
る。基準値設定部51では、Srefの観測を行ってい
る。また、これとは別に現時点から過去所定期間Tm
[sec]の間でSrefの増加回数Nincをカウン
トするとともに、Nincが“1”のとき、すなわち過
去Tm[sec]の間で最初にSrefを増加したとき
のSref(以下、Sref_intという。)とその
ときの受信SIR(Srcv_intという。)とをそ
れぞれ保持するようになっている。このような基準値設
定部51は、誤り検出部50から通知されたCRC結果
が“NG”のとき(ステップS67:N)、従来と同様
にMSの送信電力を増加させることで上り通話品質の向
上を図るべくSrefが増加される。すなわち、次の
(2)式で示されるように予め決められたSIRinc
[dB]だけ加算してSrefを更新し(ステップS6
8)、Srefの更新処理を終了する(エンド)。
【0049】 Sref=Sref+SIRinc[dB] ・・・(2)
【0050】このSrefの更新に用いられるSIRd
ecおよびSIRincは、(1)式に示したようにF
ERの所要値FERtgに基づいて所要FERを達成す
るべく、予め決められた値である。
【0051】一方、ステップS67でCRC結果が“O
K”のとき(ステップS67:Y)、従来と同様に過剰
な送信電力による干渉電力を低減させるため、MSの送
信電力の低減を図るべくSrefが低減される。しか
し、第1の実施例では、予め過去所定期間Tm[se
c]の間でSrefの増加回数としてカウントされたN
incと、過去Tm[sec]の間のSref_int
とSrcv_intとの差と、現時点におけるSref
とSrcvとの差から、急速にSrefが増加している
か否かを判別するようにしている。そして、急速にSr
efが増加していると判別されたときには、従来のSI
Rdec[dB]より大きい値であるYdec[dB]
による減算を行い、急速にSrefが増加していないと
判別されたときは従来と同様にSIRdec[dB]に
よる減算を行うようにしている。すなわち、ステップS
67でCRC結果が“OK”のとき、過去所定期間Tm
[sec]のSref増加回数Nincと予め決められ
た増加上限値である所定値Xnと比較される(ステップ
S68)。これは、受信品質の安定した理想的環境にお
けるSrefの増加回数が推定できるため、所定期間T
m[sec]内で、所定値Xn回以上ものSrefの更
新が増加であった場合、Srefの急激の増加の可能性
があると判断することができる。
【0052】しかし、Srefの急激の増加現象につい
ては、次の2通りの原因が考えられる。第1は、伝搬特
性の変動や接続BTS数の変化などにより所要FERと
所要SIRが急速に大きく変化した場合である。第2
は、MS41がDHO状態であり、そのBTSが上り回
線の高速クローズループ制御に寄与していない場合であ
る。前者の場合、Srefの急速な増加は所要FERを
満たすために行った正常な制御の結果である。一方、後
者の場合、不必要な増加処理の結果であり、Srefが
過剰な値に設定されていることになる。ここで、DHO
状態におけるSrefの増加現象について説明する。
【0053】図5はDHO状態におけるSrefの増加
現象を説明するためにCDMA移動通信システムを模式
的に表わしたものである。すなわち、DHO状態のMS
41は、互いに異なるエリアに配置されたBTS4
1、402と接続されている。ここでは、MS41から
はBTS401の方がBTS402より距離的に近く、B
TS401の方がBTS402よりより強いレベルで電波
がMS41へ到達しているものとする。DHO状態のM
S41は、伝搬特性の良好なBTSからのTPCビット
に基づいて送信電力を決定することから、図5に示した
位置のMS41はBTS401からの送信電力制御にし
たがって送信電力を決定する。例えばBTS402から
MS41へ送信電力の増加を要求した場合であっても、
BTS401で所要の通信品質を満たしている場合は、
BTS401はMS41に対して送信電力の減少を要求
する。この場合、MS41は、BTS401からの送信
電力減少の要求を優先させて制御することになる。この
結果、BTS402の受信SIRは、さらにSrefを
下回ることとなるため、CRC結果も“NG”となっ
て、BTS402に設定されているSrefはアウター
ループ制御によって増加する。したがって、BTS40
1とBTS402との間の伝搬特性の差が大きく、高速ク
ローズループ制御に寄与するBTSがBTS401であ
る状態が長く続くと、BTS402のSrefは急速に
増加することになる。このとき、BTS401でのSr
efが同じように増加している場合は問題ないが、BT
S401でのSrefが増加せずBTS402のSref
のみが増加している場合は、この増加は不必要な処理で
ありSrefが過剰な値に設定されてしまうことにな
る。
【0054】第1の実施例では、急速にSrefが増加
し、かつ高速クローズループ制御に寄与しないBTSを
判別するために、“Sref−Srcv”と“Sref
_int−Srcv_int”の差を比較する。ここ
で、このようなBTSを判別する原理について説明す
る。
【0055】図6は急速にSrefが増加し、かつ高速
クローズループ制御に寄与しないBTSを判別する原理
を説明するためにSrefの時間変化の様子を表わした
ものである。ここでは、時間軸上に、アウターループ制
御により更新されるBTSのSref70と、受信SI
R71の時間変化を示している。上述したように、現時
点T0から過去所定時間Tm[sec]内において最初
に増加したときのSref_intおよびSrcv_i
ntを保持しており、このときの“Sref_int−
Srcv_int”は差分72で示す部分であり、現時
点での“Sref−Srcv”は差分73で示す部分で
ある。このように過去Tm[sec]の間、BTS40
2がほとんど高速クローズループ制御に寄与せず、かつ
BTS402のSrefだけが急速に増加している場
合、Srefと受信SIRとの差は増加する。したがっ
て、現時点でのSrefと受信SIRの差“Sref−
Srcv”が、測定期間Tm[sec]の間で最初にS
refを増加させたときのSrefと受信SIRとの差
“Sref_int−Srcv_int”と比較して、
所定値Xs以上大きいときには、Srefの更新時に減
少量を大きくすることでSrefを急速に減少させる。
【0056】図4に戻って説明する。このような検出原
理によって、ステップS69で所定期間Tm[sec]
内でSrefの増加回数Nincが、所定値Xn以上も
のSrefの更新が増加でありSrefの急激の増加の
可能性があるとされたとき(ステップS69:Y)、急
速にSrefが増加し、かつ高速クローズループ制御に
寄与しないBTSを判別するために、“Sref−Sr
cv”と“Sref_int−Srcv_int”との
差が所定値Xs以上であるか否かをチェックする(ステ
ップS74)。ここで、所定値Xs以上であると判別さ
れたとき(ステップS74:Y)には、図6に示したよ
うに急速にSrefが増加し、かつ高速クローズループ
制御に寄与しないBTSであると判断して、SIRde
cより大きい値であるYdecを用いて、次の(3)式
のようにSrefを更新し(ステップS75)、一連の
処理を終了する(エンド)。これにより、過剰に増加し
ているSrefを適当な値にまで、できるだけ早く戻
す。
【0057】 Sref=Sref−Ydec[dB] ・・・(3)
【0058】一方、ステップS69で、所定期間Tm
[sec]内でSrefの増加回数Nincが、所定値
Xnに満たないとき(ステップS69:N)には、Sr
efの急激な増加と判断せず、従来通り次の(4)式で
示されるようにSrefを更新し(ステップS76)、
一連の処理を終了する(エンド)。
【0059】 Sref=Sref−SIRdec[dB] ・・・(4)
【0060】また、ステップS74で、増加回数Nin
cが所定値Xn以上であるが、“Sref−Srcv”
と“Sref_int−Srcv_int”との差が所
定値Xsを満たないと判別されたとき(ステップS7
4:N)、伝搬特性の悪化などの理由によって所要FE
Rと所要SIRの関係が大きく変化したことによってS
refが急速に増加したものと判断し、従来通り(4)
式で示されるようにSIRdecによる減算を行い(ス
テップS76)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0061】このように第1の実施例におけるCDMA
移動通信システムでは、BTSとMSとの間で送信電力
を制御する高速クローズループ制御に用いるSrefを
補正するアウターループ制御において、基準値設定部5
1で受信信号のCRC結果が“NG”の場合は所定のS
IRincで加算してSrefを更新し、CRC結果が
“OK”の場合はSrefを減少させて更新させてい
る。特に第1の実施例におけるBTSでは、現時点から
過去所定期間Tm[sec]の間でSrefの増加回数
Nincをカウントするとともに、Nincが“1”の
とき、すなわち過去Tm[sec]の間で最初にSre
fを増加したときのSrefをSref_intとし
て、そのときの受信SIRをSrcv_intとしてそ
れぞれ保持する。そして、基準値設定部51で、CRC
結果が“OK”であるとき、Nincが所定のXn以上
で、かつ“Sref−Srcv”と“Sref_int
−Srcv_int”との差が所定値Xs以上のとき
に、Srefが急速に増加し、かつ高速クローズループ
制御に寄与しないものであると判別して、SIRdec
よりも大きな値であるYdecで減算してSrefを更
新するようにしている。また、CRC結果が“OK”で
あっても、Nincが所定のXn以上だが“Sref−
Srcv”と“Sref_int−Srcv_int”
との差が所定値Xs未満であったり、あるいはNinc
が所定のXn未満であるときには、伝搬特性の悪化など
の理由によって所要FERと所要SIRの関係が大きく
変化したものであったり、あるいはSrefの急速な増
加ではないと判断して、SIRdecの減算によるSr
efの更新を行う。これにより、BTSごとにSIRの
差が生じて、MSが、Srefが急速に増加して高速ク
ローズループ制御に寄与しないBTS近辺に移動した場
合に、MSに対して過剰な送信電力を要求することを回
避することができるようになり、その結果上り回線の干
渉量を低減することができるようになる。
【0062】第2の実施例
【0063】第1の実施例におけるCDMA移動通信シ
ステムでは、上り回線の受信信号のCRC結果を用いて
Srefの更新を行っていたが、第2の実施例における
CDMA移動通信システムでは、下り回線の高速クロー
ズループ用基準SIRの情報を用いてSrefの更新を
行うようにしている。
【0064】図7は本発明の第2の実施例におけるCD
MA移動通信システムの構成の概要を表わしたものであ
る。ただし、図1に示す第1の実施例におけるCDMA
移動通信システムと同一部分には同一符号を付し適宜説
明を省略する。このCDMA移動通信システムは、サー
ビスエリアが複数のエリアから構成されており、各エリ
アごとにBTSが配置されている。そのうちの1つのB
TS80に着目して、このBTS80のエリアにMS8
1が在圏中の状態にあるものとする。このBTS80と
MS81との間でCDMA伝送による双方向の無線通信
が行われる。BTS80は、その上位局である図示しな
いRNCとネットワーク回線を介して接続されている。
【0065】BTS80は、アンテナ42と、AMP4
3と、TRX44と、信号処理部82と、IF46とを
有している。信号処理部82は、送信および受信信号処
理を行い、本実施例ではTRX44を介して入力された
受信信号の復調を行って、測定した受信SIRに基づい
てMSに対して送信電力を制御する高速クローズループ
制御と、MS81からの受信信号に含まれるSref情
報を用いたSrefの更新を行うアウターループ制御と
が行われる。さらにBTS80は、制御部83を有して
おり、これらAMP43、TRX44、信号処理部82
およびIF46の制御を行い、呼処理やBTS80の状
態管理機能を有する。
【0066】信号処理部82は、変復調部48と、変復
調部48によって復調された受信信号のSIRを測定す
るSIR測定部84と、復調された復調信号の誤りを検
出する誤り検出部50と、受信信号に含まれるSref
情報に基づいてSrefを設定する基準値設定部85
と、測定された受信SIRと基準値設定部85によって
設定されたSrefとに基づいてMSに対する送信電力
制御を行うためのTPCビットを生成する送信電力制御
部52とを備えている。
【0067】MS81は、アンテナ53を有しており、
BTS80との間で上りおよび下りの無線フレーム信号
を送受する。MS81は、BTS80から受信した下り
回線のフレーム信号に含まれるTPCビットを参照し
て、上り回線のフレーム信号を送信する際の電力を制御
することができる。ここで、第2の実施例におけるCD
MA移動通信システムでは下り回線によるアウタールー
プ制御に着目している。すなわち、MS81が有するS
refについても、BTSからの下り回線のフレーム信
号を受信し、この受信した信号のCRC結果に基づいて
Srefの更新を行う。例えば下り回線のフレーム信号
のCRC結果が“OK”の場合はSIRdecによる減
算を行って更新し、CRC結果が“NG”の場合はSI
Rincによる加算を行って更新する。またこのMS8
1は、Srefの増加を行った旨を下り回線のアウター
ループ制御によりBTSに通知することができるように
なっていることを特徴としている。
【0068】図8は第2の実施例におけるCDMA移動
通信システムの高速クローズループ制御およびアウター
ループ制御が行われるMSとBTSとの間のシーケンス
の概要を表わしたものである。まず、BTSからの任意
の下り回線のフレーム信号86をMSで受信すると、M
Sはこの下りフレーム信号86のSIRを測定する(処
理87)。さらにMSでは、受信した上り回線のフレー
ム信号86のCRC結果をチェックし、その結果に応じ
てBTSで自律的にSrefの更新を行う(処理8
8)。例えばCRC結果がエラーの発生を示す“NG”
の場合、一般的に受信レベルが不十分であることが多い
ため、高速クローズループ制御によりBTSからの送信
電力の増加指示を行わせる目的で、下り回線高速クロー
ズループ制御用のSrefを上げる。一方、CRC結果
がエラーの発生がないことを示す“OK”の場合、一般
的に受信レベルが十分であることが多いため、他チャン
ネルへの干渉を最小限に抑えるように高速クローズルー
プ制御によりBTSからの送信電力の低減指示を行わせ
る目的で下り回線高速クローズループ制御用のSref
を下げる。このようなアウターループ制御によって更新
されたSrefと、処理87で測定した受信SIRとを
比較することで、TPCビットを作成して、これを上り
回線のフレーム信号としてBTSに送信する。その際、
第2の実施例におけるMS81では、Srefの増加が
あった旨を通知するためのSref情報を生成し、これ
を上り回線のフレーム信号に付加して、Sref増加通
知89としてBTSに対して送信する。なお、BTSで
は、受信した上り回線のフレーム信号に含まれるTPC
ビットを参照して、送信電力の増加あるいは低減制御を
行うことになる。
【0069】図9は第2の実施例におけるMSのSre
f情報の生成処理の流れの概要を表わしたものである。
すなわち、MSはBTSからの下り回線のフレーム信号
の受信を監視し(ステップS90:N)、これを受信し
たとき(ステップS90:Y)、フレーム信号に含まれ
るCRCビットからCRC検査を行う(ステップS9
1)。そして、CRC結果が“OK”のとき(ステップ
S92:Y)、過剰な送信電力による干渉電力を低減さ
せるため、送信電力の低減を図るべく、(4)式で示さ
れるようにSIRdecで減算して、Srefを更新す
る(ステップS93)。一方、ステップS92でCRC
結果が“NG”のとき(ステップS92:N)、一般的
に受信レベルが不十分であることが多いため、高速クロ
ーズループ制御によりBTSからの送信電力の増加指示
を行わせる目的で、(2)式で示されるように下り回線
高速クローズループ制御用のSrefにSIRincを
加算して、Srefを更新する(ステップS94)。さ
らに、Srefを増加して更新したときには、その旨を
示すSref情報を生成する(ステップS95)。ステ
ップS93あるいはステップS94で更新されたSre
fを参照して、図示しない受信SIR測定部によって測
定された受信SIRとの比較により、BTSに送信電力
の増加あるいは減少を指示するためのTPCビットを生
成する(ステップS96)。このTPCビットと、ステ
ップS95で生成されたSref情報は、それぞれ上り
回線のフレーム信号に付加されて送信される(ステップ
S97)。
【0070】一方、BTS80は、SIR測定部49M
S81から受信した上り回線のフレーム信号の受信SI
Rを測定する。その一方、誤り検出部50ではベースバ
ンド処理された受信信号のCRC検査が行われ、その結
果が基準値設定部51に通知される。上り回線のフレー
ム信号に付加されたTPCビットは、信号処理部82で
判別された後、送信電力制御部52に通知され、この情
報に基づき下り回線の送信電力を決定する。また、同様
に付加されたSref情報は、基準値設定部85に通知
される。基準値設定部85では、下り回線のSref情
報を観測するとともに、過去の所定期間Tm[sec]
の間に下り回線のSrefが増加した回数Nmsをカウ
ントする。そして、変復調部48から通知される下り回
線のSref情報と誤り検出部50から通知されるCR
C結果とに基づいて、上り回線の高速クローズループ制
御で使用するSrefを決定し、これを送信電力制御部
52に通知する。
【0071】このような制御を可能とするBTS80の
制御部83は、図示しないCPUを有しており、磁気デ
ィスクなどの外部記憶装置あるいはこれとは別に設けら
れたROMなどの所定の記憶装置に格納されたプログラ
ムに基づいて各種制御を実行できるようになっている。
このような記憶装置に格納されたBTS80の制御部8
3の処理内容は、図2および図3に示したものと同様な
ので説明を省略する。しかし、ステップS60における
Srefの決定処理について異なる。
【0072】図10は第2の実施例におけるBTS80
のSref更新の処理内容の概要を表わしたものであ
る。基準値設定部85では、Srefの観測を行ってお
り、これとは別に現時点から過去所定期間Tm[se
c]の間でSrefの増加回数Nincと、下り回線の
Srefが増加した旨の通知をMSから受けた回数Nm
sをカウントする。このような基準値設定部85は、誤
り検出部50から通知されたCRC結果が“NG”のと
き(ステップS98:N)、従来と同様にMSの送信電
力を増加させることで上り通話品質の向上を図るべくS
refを増加する。すなわち、(2)式で示されるよう
に予め決められたSIRinc[dB]だけ加算してS
refを更新し(ステップS99)、Srefの更新処
理を終了する(エンド)。
【0073】一方、ステップS98でCRC結果が“O
K”のとき(ステップS98:Y)、従来と同様に過剰
な送信電力による干渉電力を低減させるため、送信電力
の低減を図るべくSrefが低減される。しかし、第2
の実施例では、予め過去所定期間Tm[sec]の間で
Srefの増加回数としてカウントされたNincと、
MSから通知された下り回線のSrefの増加回数Nm
sとから、Srefが急速に過剰な値に増加しているこ
とを検出する。そして、急速にSrefが増加している
と判別されたときには、従来のSIRdec[dB]よ
り大きいYdec[dB]による減算を行い、急速にS
refが増加していないと判別されたときは従来と同様
にSIRdec[dB]による減算を行うようにしてい
る。すなわち、ステップS98でCRC結果が“OK”
のとき、第1の実施例と同様に、過去所定期間Tm[s
ec]のSref増加回数Nincと予め決められた増
加上限値である所定値Xnと比較される(ステップS9
9)。Nincが所定値Xn以上であるとき(ステップ
S99:Y)には、Srefが急速に増加し、かつ高速
クローズループ制御に寄与しない可能性が高いと判断し
て、過去Tm[sec]の間に下り回線のSrefが増
加した回数Nmsと所定値Xmsとの比較を行う(ステ
ップS100)。
【0074】下り回線のSref増加回数Nmsが所定
値Xms以上のとき(ステップS100:Y)、下り回
線のSrefが頻繁に増加させていることから下り回線
の伝搬特性が悪化していると判断することができる。一
般的に、上り回線と下り回線とでは伝搬特性にある程度
の相関があるため、上り回線も下り回線と同様に伝搬特
性が悪化したため、Srefが急速に増加しているもの
と判断し、(4)式で示されるように従来の減少量SI
Rdecによる減算を行ってSrefを更新する(ステ
ップS101)。一方、ステップS100で、下り回線
のSref増加回数Nmsが所定値Xms未満のとき
(ステップS100:N)、下り回線のSrefをほと
んど増加させていないことから、下り回線の伝搬特性は
悪化せず、上り回線の伝搬特性も悪化していないと判断
することができる。これにより、Srefの急速な増加
は、上り回線の伝搬特性の変化によるものではなく、D
HO状態において高速クローズループ制御に寄与しない
BTSであるために生じた減少であると判断することが
できる。したがって、(3)式で示されるように従来の
減少量SIRdecより大きな値であるYdecを用い
て減算してSrefを更新する(ステップS102)。
また、ステップS99でCRC結果が“OK”であって
も、Nincが所定のXn未満であるとき(ステップS
99:N)には、Srefの急速な増加ではないと判断
して、(4)式で示されるようにSIRdecの減算に
よるSrefの更新を行う(ステップS101)。
【0075】このように第2の実施例におけるCDMA
移動通信システムでは、BTSを制御する高速クローズ
ループ制御に用いるSrefをMSで補正する下り回線
のアウターループ制御において、下り回線のSrefが
更新された際にSrefが増加した旨を、上り回線のフ
レーム信号によりBTSに通知させるようにしている。
このBTSでは、第1の実施例と同様に現時点から過去
所定期間Tm[sec]の間でSrefの増加回数Ni
ncをカウントするとともに、さらに過去所定期間Tm
[sec]の間でMSから下り回線のSrefの増加回
数Nmsをカウントさせるようにした。そして、基準値
設定部85で受信信号のCRC結果が“OK”の場合は
上り回線のSrefを減少させて更新させるが、Nin
cが所定のXn以上で、Nmsが所定のXms未満のと
きに、上り回線のSrefが急速に増加し、かつ高速ク
ローズループ制御に寄与しないものであると判別して、
SIRdecよりも大きな値であるYdecで減算して
上り回線のSrefを更新するようにしている。また、
CRC結果が“OK”で、Nincが所定のXn以上だ
がNmsがXms以上のときは、下り回線のSrefが
頻繁に増加させていることから下り回線の伝搬特性が悪
化していると判断し、これと相関がある上り回線も同様
に伝搬特性が悪化したため、上り回線のSrefが急速
に増加しているものとして、SIRdecの減算による
上り回線のSrefの更新を行うようにした。これによ
り、BTSごとにSIRの差が生じて、MSが、上り回
線のSrefが急速に増加して高速クローズループ制御
に寄与しないBTS近辺に移動した場合に、MSに対し
て過剰な送信電力を要求することを回避することができ
るようになり、その結果上り回線の干渉量を低減するこ
とができるようになる。
【0076】第3の実施例
【0077】第1および第2の実施例におけるCDMA
移動通信システムでは、DHO状態における高速クロー
ズループ制御に寄与しないBTSを判別し、接続されて
いる複数のBTSそれぞれにアウターループ制御によっ
て設定されたSrefに大きな差があっても、減少ステ
ップを大きくすることで短期間に適当なSrefに収束
させていた。しかし、第3の実施例におけるCDMA移
動通信システムでは、DHO状態のにおける高速クロー
ズループ制御に寄与しないBTSを判別し、接続されて
いる複数のBTSそれぞれにアウターループ制御によっ
て設定されるSrefに大きな差が生じないようにし
て、結果的にサービスエリア全体の通信品質の維持を図
る。
【0078】第3の実施例におけるCDMA移動通信シ
ステムは、図1に示した第1の実施例におけるCDMA
移動通信システムと同様の構成であり、また図2および
図3に示した処理内容と同様である。ただ、基準値設定
部でSrefを決定する処理内容のみが異なる。すなわ
ち、基準値設定部ではSIR測定部から通知された受信
SIRおよびSrefについて、測定周期Tave[s
ec]間の平均値を平均受信SIR(以下、Arcvと
いう。)および平均Sref(以下、Arefとい
う。)として観測するようになっている。そして、この
ArcvとArefとの差と、誤り検出部50から通知
されるCRC結果との基づいて上り回線の高速クローズ
ループ制御用いるSrefを決定し、送信電力制御部5
2に通知する。
【0079】図11は第3の実施例におけるBTSのS
ref更新の処理内容の概要を表わしたものである。基
準値設定部では、上述したように受信SIRおよびSr
efについて、測定周期Tave[sec]間の平均値
を観測している。このような基準値設定部は、誤り検出
部50から通知されたCRC結果が“OK”のとき(ス
テップS103:Y)、従来と同様に過剰な送信電力を
減少させることで、干渉電力の減少を図るため、Sre
fを減少させる。すなわち、(4)式で示されるように
予め決められたSIRdec[dB]だけ減算されてS
refを更新し(ステップS104)、Srefの更新
処理を終了する(エンド)。
【0080】一方、ステップS103でCRC結果が
“NG”のとき(ステップS103:N)、第1および
第2の実施例では、従来と同様にMSの送信電力を増加
させることで受信レベルを増加させてBTSでの受信品
質を改善するため、Srefを増加させていた。しか
し、第3の実施例では、まず、高速クローズループ制御
に寄与するBTSか否かを判断するために、Arefと
Arcvとの差を所定値Xaと比較する(ステップS1
05)。すなわち、BTSはSrefが過剰に増加し、
高速クローズループ制御に寄与していないときは、受信
SIRに対してSrefの値が非常に大きくなることを
利用して、ArefとArcvとの差が所定値Xa以上
のとき(ステップS105:Y)には、Srefが過剰
に増加し、かつ高速クローズループ制御に寄与しないB
TSであると判断して、Srefの値を更新しないよう
にする(ステップS106)。一方、ステップS105
でArefとArcvとの差が所定値Xa未満であると
き(ステップS105:N)には、高速クローズループ
制御に寄与するBTSであると判断して、従来と同様に
(2)式で示されるように予め決められたSIRinc
[dB]を加算してSrefを更新する(ステップS1
07)。
【0081】このように第3の実施例におけるCDMA
移動通信システムは、基準値設定部ではSIR測定部か
ら通知された受信SIRおよびSrefについて、測定
周期Tave[sec]間の平均値をArcvおよびA
refとして観測するようにしている。そして、CRC
結果が“NG”のときに、BTSはSrefが過剰に増
加し、高速クローズループ制御に寄与していないとき
は、受信SIRに対してSrefの値が非常に大きくな
ることに着目して、ArcvとArefとの差が所定値
Xa以上のときに、DHO状態における高速クローズル
ープ制御に寄与しないBTSと判別して、Srefの更
新を行わないようにした。これにより、BTSとMSと
の間で送信電力を制御する高速クローズループ制御に用
いるSrefを補正するアウターループ制御において、
BTSによってSrefに大きな差が生じるような状態
を回避することができるので、結果的に上り回線の干渉
量を低減することができるようになる。
【0082】第4の実施例
【0083】第2の実施例におけるCDMA移動通信シ
ステムは、MSからの上り回線のフレーム信号によりB
TSに対してMSにおける下り回線のアウターループ制
御によってSrefが増加した旨を通知させ、この通知
回数に基づいて、Srefが過剰に増加し、かつ高速ク
ローズループ制御に寄与しないBTSであるか否かを判
別するようにしていた。しかし、第4の実施例における
CDMA移動通信システムでは、MSから通知される下
りパイロット信号の受信SIR情報に基づいて高速クロ
ーズループ制御に寄与しないBTSであるか否かを判別
するようにし、第3の実施例と同様にこのような高速ク
ローズループ制御に寄与しないBTSに対して、Sre
fが過剰に増加することを回避することができるように
している。
【0084】第4の実施例におけるCDMA移動通信シ
ステムは、図7に示した第2の実施例におけるCDMA
移動通信システムのBTS80と同様の構成であり、ま
た図2および図3に示した処理内容ともほぼ同様であ
る。ただ、基準値設定部でSrefを決定する処理内容
が異なる。また、第4の実施例におけるMSについて
は、定期的に接続されているBTSから常時送信されて
くるパイロット信号の受信SIRを測定し、受信SIR
情報を生成してこれを上り回線のフレーム信号に付加し
てBTSに送信することができるようになっている。パ
イロット信号は、各BTSから常時送信されている報知
信号である。従来の、MSが接続BTSを特定する際に
利用する以外に、アウターループ制御用にも用いてい
る。
【0085】図12は第4の実施例におけるMSとBT
Sとの間で送受される上り回線および下り回線のフレー
ムフォーマット構成の一例を表したものである。同図
(a)は、上り回線のフレームフォーマット構成の一例
を示す。同図(b)は、下り回線のフレームフォーマッ
ト構成の一例を示す。上り回線は、同図(a)に示すよ
うに複数のスロット1081〜108Lから構成されてい
るフレーム信号109として、MSからBTSに対して
送信される。これらスロットのうち、例えばスロット1
082の所定位置には、MSからBTSの送信電力を制
御するためのTPCビット110と、受信SIR情報1
11が付加されている。一方、下り回線は、同図(b)
に示すように、複数のスロット1121〜112Pから構
成されているフレーム信号113として、BTSからM
Sに対して送信される。これらスロットのうち、例えば
スロット1122の所定位置には、BTSからMSの送
信電力を制御するためのTPCビット114が付加され
ている。
【0086】上り回線のフレーム信号を生成するMS
は、次のような処理により受信SIR情報を生成する。
【0087】図13は第4の実施例におけるMSの受信
SIR情報の生成処理の概要をあらわしたものである。
すなわち、MSでは、上述したように接続されているB
TSごとに、それぞれのBTSから常時送信されている
パイロット信号の受信SIRを測定する(ステップS1
16)。次に、BTSごとに測定された全てのパイロッ
ト受信SIRから最大値を検出し、これと各BTSのパ
イロット受信SIRとの差が所定値Xcmp以上となる
BTSが存在するか否かを検索する(ステップS11
7)。該当するBTSが存在するとき(ステップS11
8:Y)には、各BTSごとに割り当てられている識別
番号としてのBTS番号をパイロット受信SIR情報1
11として上り回線のフレーム信号に付加する(ステッ
プS119)。ステップS118で該当するBTSが存
在しないとき(ステップS118:N)は、パイロット
受信SIR情報111として該当するBTSがないこと
を示す予め決められたNULLデータを付加する。
【0088】また、下り回線のフレーム信号を生成する
第4の実施例におけるBTSの制御部は、図示しないC
PUを有しており、磁気ディスクなどの外部記憶装置あ
るいはこれとは別に設けられたROMなどの所定の記憶
装置に格納されたプログラムに基づいて各種制御を実行
できるようになっている。
【0089】図14はこのような記憶装置に格納された
第4の実施例におけるBTSの制御部の上りフレーム送
信処理内容の概要を表わしたものである。この制御部
は、アンテナ42を介して受信した上り回線のフレーム
信号をAMP43で電力増幅し(ステップS121)、
TRX44で周波数変換後、信号処理部45の変復調部
48でベースバンド処理させる(ステップS122)。
変復調部では、ベースバンド処理された受信信号から上
述したパイロット受信SIR情報を抽出し、これと自局
に予め割り当てられたBTS番号と比較し(ステップS
123)、一致した場合(ステップS124:Y)、M
SからBTS番号の通知を受けた旨を基準値設定部に通
知するとともに、誤り検出部でCRC検査を行わせる
(ステップS125)。ステップS124で、BTS番
号が一致しないとき(ステップS124:N)には、S
ref更新を行わず、そのままTPCビットの生成を行
う(ステップS127)。第4の実施例における基準値
設定部は、これとは別に過去Tm[sec]の間にMS
からBTS番号の通知を受けた回数Npをカウントする
ようになっている。そして、基準値設定部では、この通
知を受けた回数Npと誤り検出部から通知されたCRC
結果とに基づいて、Srefを決定する(ステップS1
26)。このようにして決定されたSrefは、送信電
力制御部に通知される。送信電力制御部では、基準値設
定部から通知されるSrefと、SIR測定部で測定さ
れた受信SIRとからTPCビットを生成させる(ステ
ップS127)。その後、再び上り回線のフレームの受
信を監視する(エンド)。
【0090】図15は第4の実施例におけるBTSの制
御部の下りフレーム受信処理内容の概要を表わしたもの
である。制御部は、例えば、送信電力制御部からステッ
プS127で生成されたTPCビットを下り回線のフレ
ーム信号として送信する要求があった場合、下り回線の
フレーム信号に生成されたTPCビットを付加して変復
調部に送信ベースバンド処理を行わせる(ステップS1
29)。そして、TRX44で周波数変換後、AMR4
3に電力増幅させて(ステップS130)、アンテナ4
2から送信させ(ステップS131)、一連の送信処理
を終了する(エンド)。
【0091】図16は第4の実施例におけるSref更
新の処理内容の概要を表わしたものである。基準値設定
部では、Srefの観測を行っており、これとは別に現
時点から過去所定期間Tm[sec]の間にMSからB
TS番号の通知を受けた回数Npをカウントする。この
ような基準値設定部は、誤り検出部から通知されたCR
C結果が“OK”のとき(ステップS132:Y)、従
来と同様に過剰な送信電力を減少させることで、干渉電
力の減少を図るため、Srefを減少させる。すなわ
ち、(4)式で示されるように予め決められたSIRd
ec[dB]だけ減算されてSrefを更新し(ステッ
プS133)、Srefの更新処理を終了する(エン
ド)。
【0092】一方、ステップS132でCRC結果が
“NG”のとき(ステップS132:N)、第1および
第2の実施例では、従来と同様にMSの送信電力を増加
させることで受信レベルを増加させてBTSでの受信品
質を改善するため、Srefを増加させていた。しか
し、第4の実施例では、まず、高速クローズループ制御
に寄与するBTSか否かを判断するために、通知を受け
た回数Npと所定値Xpを比較する。これは、第3の実
施例における高速クローズループ制御に寄与しなBTS
か否かを判別する方法とも異なる。ここでは、MSから
送信されてくるパイロット受信SIR情報として通知さ
れるBTS番号は、複数接続されているBTSのパイロ
ット受信SIRの中の最大受信SIRとの差が大きいB
TSであることを示しているため、高速クローズループ
制御に寄与していない可能性が高いことに着目してい
る。したがって、ステップS132でCRC結果が“N
G”のときに、まずNpがXp以上であるか否かがチェ
ックされる(ステップS134)。NpがXp以上であ
るとき(ステップS134:Y)には、MSでの最大パ
イロット受信SIRとの差が大きいという通知が所定回
数以上到来したことを意味するため、高速クローズルー
プ制御に寄与しないBTSであると判断して、Sref
の値を更新しないようにする(ステップS135)。一
方、ステップS134でNpが所定値Xp未満であると
き(ステップS134:N)には、高速クローズループ
制御に寄与するBTSであると判断して、従来と同様に
(2)式で示されるように予め決められたSIRinc
[dB]を加算してSrefを更新する(ステップS1
36)。
【0093】このように第4の実施例におけるCDMA
移動通信システムでは、MSではBTSごとに常時送信
されているパイロット信号の受信SIRを測定し、各B
TSの受信SIRについてその中の最大受信SIRとの
差が所定のXcmp以上のBTSがある場合、BTS番
号としてこれを上り回線でBTSに通知するようにし
た。BTSの基準値設定部では所定期間Tm[sec]
間にMSからこのBTS番号の通知を受けた回数Npを
カウントするようにしている。そして、CRC結果が
“NG”のときに、基準値設定部では、MSから送信さ
れてくるパイロット受信SIR情報として通知されるB
TS番号は、複数接続されているBTSのパイロット受
信SIRの中の最大受信SIRとの差が大きいBTSで
あることを示しているため、高速クローズループ制御に
寄与していない可能性が高いことに着目して、Npが所
定値Xp以上のときに、DHO状態における高速クロー
ズループ制御に寄与しないBTSと判別して、Sref
の更新を行わないようにした。これにより、BTSとM
Sとの間で送信電力を制御する高速クローズループ制御
に用いるSrefを補正するアウターループ制御におい
て、BTSによってSrefに大きな差が生じるような
状態を回避することができるので、結果的に上り回線の
干渉量を低減することができるようになる。
【0094】第5の実施例
【0095】第3あるいは第4の実施例におけるCDM
A移動通信システムは、MSからの上り回線のフレーム
信号あるいは受信SIR情報を用いて、DHO状態にお
ける高速クローズループ制御に寄与しないBTS判別
するようにしていた。しかし、第5の実施例におけるC
DMA移動通信システムは、BTSの上位局であるRN
Cから通知される選択合成情報を参照して、DHO状態
における高速クローズループ制御に寄与しないBTSを
判別するようにしている。
【0096】図17は第5の実施例におけるCDMA移
動通信システムの構成の概要を表わしたものである。た
だし、図1および図7で示した第1および第2の実施例
におけるCDMA移動通信システムと同一部分には同一
符号を付し、適宜説明を省略する。すなわち、第5の実
施例におけるCDMA移動通信システムは、MS41
と、第1および第2のBTS1401、1402とを備え
ている。MS41は、図1に示した第1の実施例におけ
るMSと同一のものであるため、説明を省略する。第1
および第2のBTS1401、1402は、図7に示した
第2の実施例におけるBTSと同様の構成であるため、
その構成について説明を省略する。
【0097】こられ第1および第2のBTS1401
1402には、ネットワーク回線を介してRNC141
が接続されている。RNC141は、ネットワーク回線
を介してBTSとの間で所定のネットワークデータの送
受信インタフェース機能を有するIF部142と、この
IF部142を介して複数のBTSから受信して受信フ
レームの選択合成処理を行うダイバーシティ・ハンドオ
ーバ・トランク(Diversity Handover Trank:以下、D
HTと略す。)143とを備えている。このように、R
NC141には、複数のBTSがネットワーク回線を介
して接続され、各BTSからはDHO状態にあるMS4
1からの受信データをネットワークデータとして受信す
ることができるようになっている。
【0098】図18はこのようなネットワーク回線上で
送受されるネットワークデータのフォーマット構成の一
例を表わしたものである。このようなネットワークデー
タ144がフレームデータ転送単位として生成され、そ
れぞれBTS番号145と、CRC結果146と、MS
番号147とが付加されている。このようなネットワー
クデータとしては、例えば非同期転送モードセルやその
他パケットなどがあり、いずれも各BTSにおいて生成
される。各BTSでは、接続しているMSに対応して、
その受信フレームのCRC結果を測定し、自局のBTS
番号および接続しているMSの識別番号としてのMS番
号とともにRNC141に通知する。
【0099】RNC141は、IF部142を介してこ
のような複数のネットワークデータを受信して、DHT
143で選択合成処理を行う。
【0100】図19はRNCによる選択合成処理の流れ
の概要を表わしたものである。すなわち、RNC141
はIF部142を介して図18に示したようなフォーマ
ットデータを受信し(ステップS150)、DHT14
3では品質情報としてネットワークデータに含まれるC
RC結果に基づいて、受信した複数フレームの中で最良
の受信感度のフレームを選択する(ステップS15
1)。また、DHT143では、接続BTSごとに選択
合成処理で選択されない回数Ncを観測している。DH
T143は選択合成処理とは別に、接続されているBT
Sごとに現時点から過去Tm[sec]の間で選択さな
かった回数Ncをカウントしており、このNcが所定値
Xc以上となるBTSが存在する場合(ステップS15
2:Y)、このBTSに対してその旨を通知する(ステ
ップS153)。これは、Ncが所定値Xc以上となる
BTSは、通信品質が悪いため高速クローズループ制御
に寄与していない可能性が高いことに着目している。一
方、ステップS152で、Ncが所定値Xc以上となる
BTSが存在しないとき(ステップS152:N)、そ
のまま次のBTSからのデータを受信する(リター
ン)。
【0101】このような通知を受けたBTSは、Sre
fの更新処理とは別に次のようなSrefフラグ制御を
行う。
【0102】図20はこのSrefフラグ制御の流れの
概要を表わしたものである。すなわち、BTSは、RN
C143からNcがXc以上になった旨の通知を受けた
とき(ステップS154:Y)、Sref増加フラグ
(以下、Mincという。)を“オフ”状態とし(ステ
ップS155)、RNC143からNcがXc以上にな
った旨の通知を受けないとき(ステップS154:
B)、Mincを“オン”状態と設定する(ステップS
156)。
【0103】このようなMinc制御が行われる各BT
Sの動作は、図2および図3の第1の実施例におけるB
TSと同様であるが、Srefの更新処理が異なる。
【0104】図21は第5の実施例におけるSref更
新の処理内容の概要を表わしたものである。基準値設定
部は、誤り検出部から通知されたCRC結果が“OK”
のとき(ステップS157:Y)、従来と同様に過剰な
送信電力を減少させることで、干渉電力の減少を図るた
め、Srefを減少させる。すなわち、(4)式で示さ
れるように予め決められたSIRdec[dB]だけ減
算されてSrefを更新し(ステップS158)、Sr
efの更新処理を終了する(エンド)。
【0105】一方、ステップS157でCRC結果が
“NG”のとき(ステップS157:N)、まず、高速
クローズループ制御に寄与するBTSか否かを判断する
ために、Mincが“オン”状態である“オフ”状態で
あるかを判別する(ステップS159)。このMinc
は図20に示したように、接続されているBTSごとに
現時点から過去Tm[sec]の間で選択されなかった
回数Ncが所定値Xc以上のとき、通信品質が悪いため
高速クローズループ制御に寄与していない可能性が高い
と判断するためのフラグである。したがって、ステップ
S159でMincが“オフ”状態であるとき(ステッ
プS159:N)、通信品質が悪いため高速クローズル
ープ制御に寄与しているBTSと判断されたため図20
で設定されたものであるから、Srefの値を更新しな
いようにする(ステップS160)。一方、ステップS
159でMincが“オン”状態であるとき(ステップ
S159:Y)には、高速クローズループ制御に寄与す
るBTSであると判断して、従来と同様に(2)式で示
されるように予め決められたSIRinc[dB]を加
算してSrefを更新する(ステップS161)。
【0106】このように第5の実施例におけるCDMA
移動通信システムでは、BTSの上位局であるRNC
で、各BTSから通知される受信フレームに含まれるC
RCなどの品質情報に基づいて、選択合成処理により最
良受信感度のフレームのを選択する。そして、接続され
ているBTSごとに現時点から過去Tm[sec]の間
で選択されなかった回数Ncをカウントし、このNcが
所定値Xc以上となるBTSが存在する場合に、このB
TSに対してその旨を通知するようにした。BTSで
は、この通知を受けたときにだけMincを“オフ”状
態にする。そして、CRC結果が“NG”のときに、基
準値設定部はMincが“オフ”状態の場合は通信品質
が悪いため高速クローズループ制御に寄与していない可
能性が高いと判断し、Srefの更新を行わないように
した。これにより、BTSとMSとの間で送信電力を制
御する高速クローズループ制御に用いるSrefを補正
するアウターループ制御において、BTSによってSr
efに大きな差が生じるような状態を回避することがで
きるので、結果的に上り回線の干渉量を低減することが
できるようになる。
【0107】第6の実施例
【0108】第5の実施例におけるCDMA移動通信シ
ステムでは、RNCが各BTSから通知される品質情報
に基づいた選択合成情報により、過去所定期間Tm[s
ec]の間選択されたなかった回数をBTSごとにカウ
ントし、これに基づいてDHO状態における高速クロー
ズループ制御に寄与しないBTSと判別するようにして
いた。しかし、第6の実施例におけるCDMA移動通信
システムは、RNCが同一MSに接続されている各BT
SごとにSrefを問い合わせ、収集したSrefから
最小のSrefを選択して、これらBTSに通知するよ
うにしている。
【0109】第6の実施例におけるCDMA移動通信シ
ステムは、図17に示したようにDHO状態にあるMS
と接続されている複数のBTSと、その上位局であるR
NCとがネットワーク回線で接続されている。そして、
図18に示したフォーマットのネットワークデータによ
り、RNCがこれらBTSに対して定期的にSrefを
問い合わせるようにする。RNCでは、報告されたDH
O状態にあるMSに接続されたBTSの全Srefの中
で、最小のSrefを選択し、この値をこれらのBTS
に通知する。各BTSでは、基準値設定部において、R
NCから通知された値にSrefを直接変更するように
する。このようなSrefの更新処理を定期的に行うこ
とで、DHO状態にあるMSに接続された全BTSのS
refを一致させる。これにより、DHO状態で高速ク
ローズループ制御に寄与しないBTSでSrefが過剰
に増加する現象を回避することができる。
【0110】また、RNCからDHO状態にあるMSに
接続されている全BTSに対してSrefを問い合わせ
る処理を、DHTで各BTSにおける受信品質に差があ
ることを検出した場合にのみ行わせるようにしても良
い。受信品質の差は、各BTSから通知されるネットワ
ークデータに含まれるCRC結果や受信SIRを監視す
ることで、容易に検出することができる。これにより、
RNCとBTSとの間の信号伝送量を軽減することがで
きる。
【0111】このように第6の実施例におけるCDMA
移動通信システムでは、RNCからDHO状態にあるM
Sに接続されている全BTSに対して、Srefを問い
合わせるようにした。そして、RNCでは報告された全
Srefのうち最小のSrefを選択し、これを全BT
Sに設定する。これにより、DHO状態で高速クローズ
ループ制御に寄与しないBTSでSrefが過剰に増加
する現象を回避することができる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2記載の発明によれば、DHO状態にある移動局端末
に接続された無線基地局ごとにSIRの差が生じて、移
動局端末が、Srefが急速に増加して高速クローズル
ープ制御に寄与しない無線基地局近辺に移動した場合
に、移動局端末に対して過剰な送信電力を要求すること
を回避することができるようになり、その結果上り回線
の干渉量を低減することができるようになる。
【0113】また請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明の効果に加えて、対向装置の実際の伝搬特
性の結果との相関を考慮して、高速クローズループ制御
に寄与しない無線基地局を判別することができるので、
より精度良いアウターループ制御を行うことができるよ
うになる。
【0114】さらに請求項3記載の発明によれば、無線
基地局と移動局端末との間で送信電力を制御する高速ク
ローズループ制御に用いるSrefを補正するアウター
ループ制御において、無線基地局によってSrefに大
きな差が生じるような状態を回避することができるの
で、結果的に上り回線の干渉量を低減することができる
ようになる。さらに無線基地局の中だけで制御すること
ができるので、システムを簡素化することができる。
【0115】さらにまた請求項4記載の発明によれば、
無線基地局と移動局端末との間で送信電力を制御する高
速クローズループ制御に用いるSrefを補正するアウ
ターループ制御において、無線基地局によってSref
に大きな差が生じるような状態を回避することができる
ので、結果的に上り回線の干渉量を低減することができ
るようになる。さらに移動局端末からの情報により制御
することができるので、より直接的かつ的確なアウター
ループ制御を行うことができる。
【0116】さらに請求項5記載の発明によれば、無線
基地局と移動局端末との間で送信電力を制御する高速ク
ローズループ制御に用いるSrefを補正するアウター
ループ制御において、無線基地局によってSrefに大
きな差が生じるような状態を回避することができるの
で、結果的に上り回線の干渉量を低減することができる
ようになる。さらに無線ネットワーク装置により一括管
理することによって、DHO状態における移動局端末に
接続されている複数の無線基地局の送信電力制御用の基
準値の制御について、無線通信を省略することができる
ので、システム全体の通信効率を向上させることができ
る。
【0117】さらに請求項6記載の発明によれば、無線
基地局と移動局端末との間で送信電力を制御する高速ク
ローズループ制御に用いるSrefを補正するアウター
ループ制御において、無線基地局によってSrefに大
きな差が生じるような状態を回避することができるの
で、結果的に上り回線の干渉量を低減することができる
ようになる。さらに、非常に簡素な処理によって、DH
O状態にある全ての無線基地局における送信電力用の基
準値を同一に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるCDMA移動通
信システムの構成の概要を示す構成図である。
【図2】第1の実施例におけるBTSの制御部の上り回
線フレーム受信処理内容の概要を示す流れ図である。
【図3】第1の実施例におけるBTSの制御部の下り回
線フレーム送信処理内容の概要を示す流れ図である。
【図4】第1の実施例におけるSref更新処理の概要
を示す流れ図である。
【図5】DHO状態におけるSrefの増加現象を説明
するためのCDMA移動通信システムの説明図である。
【図6】急速にSrefが増加し、かつ高速クローズル
ープ制御に寄与しないBTSを判別する原理を説明する
ための説明図である。
【図7】本発明の第1の実施例におけるCDMA移動通
信システムの構成の概要を示す構成図である。
【図8】第2の実施例におけるCDMA移動通信システ
ムの高速クローズループ制御およびアウターループ制御
が行われるMSとBTSとの間のシーケンスの概要を示
すシーケンス図である。
【図9】第2の実施例におけるMSの処理内容の概要を
示す流れ図である。
【図10】第2の実施例におけるSref更新処理の概
要を示す流れ図である。
【図11】第3の実施例におけるSref更新処理の概
要を示す流れ図である。
【図12】第4の実施例におけるMSとBTSとの間で
送受される上り回線および下り回線のフレームフォーマ
ット構成の一例を示す説明図である。
【図13】第4の実施例におけるMSの受信SIR情報
の生成処理の概要を示す流れ図である。
【図14】第4の実施例におけるBTSの制御部の上り
回線フレーム受信処理内容の概要を示す流れ図である。
【図15】第4の実施例におけるBTSの制御部の上り
回線フレーム受信処理内容の概要を示す流れ図である。
【図16】第4の実施例におけるSref更新の処理内
容の概要を示す流れ図である。
【図17】第5の実施例におけるCDMA移動通信シス
テムの構成の概要を示す概略図である。
【図18】第5の実施例におけるネットワーク回線上で
送受されるネットワークデータのフォーマット構成の概
要を示す説明図である。
【図19】第5の実施例におけるRNCの選択合成処理
の概要を示す流れ図である。
【図20】第5の実施例におけるSrefフラグ制御の
概要を示す流れ図である。
【図21】第5の実施例におけるSref更新の処理内
容の概要を示す流れ図である。
【図22】従来のCDMA移動通信システムの構成の概
要を示す概略図である。
【図23】従来のMSとBTSとの間で授受されるフレ
ーム信号のフォーマット構成の概要を示す説明図であ
る。
【図24】従来のBTSにおけるTPCビット生成処理
の概要を示す流れ図である。
【図25】従来のMSにおける送信制御処理の概要を示
す流れ図である。
【図26】高速クローズループ制御およびアウタールー
プ制御が行われるMSとBTSとの間のシーケンスの概
要を示すシーケンス図である。
【図27】従来のBTSにおけるSref更新処理の概
要を示す流れ図である。
【図28】アウターループ制御によるSrefの変化の
様子を示す説明図である。
【符号の説明】
40、401、402、80 BTS 41、81 MS 42、53 アンテナ 43 AMP 44 TRX 45、82 信号処理部 46 IF 47、83 制御部 48 変復調部 49 SIR測定部 50 誤り検出部 51 基準値設定部 52 送信電力制御部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信電力の増減の要求に基づいて上り回
    線の送信電力を変更して送信信号を上り回線に送出する
    送信電力変更手段を備える移動局端末と、 上り回線の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力
    比を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の
    受信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力
    対干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えている
    とき前記上り回線の送信電力の増加を要求し、前記第1
    の基準値を超えていないとき前記送信電力の低減を要求
    する第1の送信電力制御手段と、過去所定期間内に前記
    第1の基準値を増加させた回数を計数する第1の計数手
    段と、この第1の計数手段によって計数された回数と、
    前記期間内の最初に前記第1の基準値を増加させたとき
    の前記希望波受信電力対干渉波受信電力比と前記第1の
    基準値との差としての第1の差分と、現時点の前記希望
    波受信電力対干渉波受信電力比と前記第1の基準値との
    差としての第2の差分との差とに基づいた変更値によっ
    て、前記第1の基準値を変更する第1の基準値更新手段
    とを備える無線基地局とを具備することを特徴とする符
    号分割多元接続方式移動通信システム。
  2. 【請求項2】 下り回線の受信信号の誤りを検出する下
    り回線誤り検出手段と、この下り回線誤り検出手段によ
    って検出された誤りに基づいて前記下り回線の送信電力
    の増減を要求するための第2の基準値を更新する下り基
    準値更新手段と、下り回線の受信信号の希望波受信電力
    対干渉波受信電力比を測定する第2の受信電力比測定手
    段と、この第2の受信電力比測定手段によって測定され
    た希望波受信電力対干渉波受信電力比が所定の第2の基
    準値を超えたとき前記下り回線の送信電力の増加を要求
    し、前記第2の基準値を超えないとき前記送信電力の低
    減を要求する第2の送信電力制御手段と、前記第2の基
    準値更新手段によって前記第2の基準値が増加して更新
    されたときにはその旨を通知する基準値情報を生成する
    基準値情報生成手段と、送信電力の増減の要求に基づい
    て上り回線の送信電力を変更して前記基準値情報ととも
    に送信信号を上り回線に送出する送信電力変更手段とを
    備える移動局端末と、 上り回線の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力
    比を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の
    受信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力
    対干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき
    前記上り回線の送信電力の増加を要求し、前記第1の基
    準値を超えないとき前記送信電力の低減を要求する第1
    の送信電力制御手段と、過去所定期間内に前記第1の基
    準値を増加させた回数を計数する第1の計数手段と、前
    記期間内に前記基準値情報生成手段によって生成された
    基準値情報が通知された回数を計数する第2の計数手段
    と、前記第1の計数手段によって計数された回数と前記
    第2の計数手段によって計数された回数とに基づいた変
    更値によって前記第1の基準値を変更する第1の基準値
    更新手段とを備える無線基地局とを具備することを特徴
    とする符号分割多元接続方式移動通信システム。
  3. 【請求項3】 送信電力の増減の要求に基づいて上り回
    線の送信電力を変更して送信信号を上り回線に送出する
    送信電力変更手段を備える移動局端末と、 上り回線の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力
    比を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の
    受信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力
    対干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき
    前記上り回線の送信電力の増加を要求し、前記第1の基
    準値を超えないとき前記送信電力の低減を要求する第1
    の送信電力制御手段と、過去所定期間内の前記第1の基
    準値の平均値を算出する第1の基準値平均値算出手段
    と、前記期間内の前記希望波受信電力対干渉波受信電力
    比の平均値を算出する受信電力比平均値算出手段と、前
    記第1の基準値平均値算出手段によって算出された平均
    値と前記受信電力比平均値算出手段によって算出された
    平均値との差が第1の所定値を超えたとき前記第1の基
    準値を更新せず、前記第1の所定値を超えないとき予め
    決められた変更値で前記第1の基準値を更新する第1の
    基準値更新手段とを備える無線基地局とを具備すること
    を特徴とする符号分割多元接続方式移動通信システム。
  4. 【請求項4】 無線基地局ごとに送信される報知信号の
    希望波受信電力対干渉波受信電力比を測定する第2の受
    信電力比測定手段と、この第2の受信電力比測定手段に
    よって測定された複数の無線基地局ごとの受信電力比の
    うち最大受信電力比との差が第2の所定値を超えたとき
    無線基地局を受信電力比情報として上り回線を介して通
    知する通知手段と、送信電力の増減の要求に基づいて上
    り回線の送信電力を変更して前記通知手段による送信信
    号を上り回線に送出する送信電力変更手段とを備える移
    動局端末と、 上り回線の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力
    比を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の
    受信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力
    対干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき
    前記上り回線の送信電力の増加を要求し、前記第1の基
    準値を超えないとき前記送信電力の低減を要求する第1
    の送信電力制御手段と、過去所定期間内の前記通知手段
    によって通知された回数を計数する計数手段と、この計
    数手段によって計数された回数が第3の所定値を超えた
    とき前記第1の基準値を更新せず、前記第3の所定値を
    超えないとき予め決められた変更値で前記第1の基準値
    を更新する第1の基準値更新手段とを備える無線基地局
    とを具備することを特徴とする符号分割多元接続方式移
    動通信システム。
  5. 【請求項5】 複数の無線基地局から通知される受信フ
    レームに含まれる品質情報に基づいて最良の受信フレー
    ムを選択するとともに、前記無線基地局ごとに前記最良
    の受信フレームが選択されなかった回数を計数する第3
    の計数手段と、この第3の計数手段によって計数された
    回数が第4の所定値を超えた無線基地局があるときには
    その無線基地局に通知する通知手段とを備える無線ネッ
    トワーク装置と、 送信電力の増減の要求に基づいて上り回線の送信電力を
    変更して送信信号を上り回線に送出する送信電力変更手
    段とを備える移動局端末と、 上り回線の受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力
    比を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の
    受信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力
    対干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき
    前記上り回線の送信電力の増加を要求し、前記第1の基
    準値を超えないとき前記送信電力の低減を要求する第1
    の送信電力制御手段と、前記通知手段によって通知され
    たとき所定のフラグをオフ状態にし、通知されないとき
    オン状態に設定するフラグ制御手段と、このフラグ制御
    手段によって前記フラグがオフ状態に設定されていると
    き前記第1の基準値を更新せず、前記フラグがオン状態
    に設定されているとき予め決められた変更値で前記第1
    の基準値を更新する第1の基準値更新手段とを備える無
    線基地局とを具備することを特徴とする符号分割多元接
    続方式移動通信システム。
  6. 【請求項6】 送信電力の増減の要求に基づいて上り回
    線の送信電力を変更して送信信号を上り回線に送出する
    送信電力変更手段を備える移動局端末と、 この移動局端末に接続されている 複数の無線基地局それ
    ぞれの有する送信電力の増減を要求するための基準値を
    問い合わせる基準値問い合わせ手段と、この基準値問い
    合わせ手段によって報告された基準値の中から最小値を
    選択し前記無線基地局に前記移動局端末の送信電力変更
    のための基準値として通知する通知手段とを備える無線
    ネットワーク装置と、上り回線の 受信信号の希望波受信電力対干渉波受信電力
    比を測定する第1の受信電力比測定手段と、この第1の
    受信電力比測定手段によって測定された希望波受信電力
    対干渉波受信電力比が所定の第1の基準値を超えたとき
    前記上り回線の送信電力の増加を要求し、前記第1の基
    準値を超えないとき前記送信電力の低減を要求する第1
    の送信電力制御手段と、前記通知手段によって通知され
    た基準値を前記第1の基準値として更新する第1の基準
    値更新手段とを備える無線基地局とを具備することを特
    徴とする符号分割多元接続方式移動通信システム。
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