JP3346149B2 - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP3346149B2
JP3346149B2 JP01605596A JP1605596A JP3346149B2 JP 3346149 B2 JP3346149 B2 JP 3346149B2 JP 01605596 A JP01605596 A JP 01605596A JP 1605596 A JP1605596 A JP 1605596A JP 3346149 B2 JP3346149 B2 JP 3346149B2
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film
cartridge chamber
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film cartridge
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義人 小西
秀彦 藤井
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻取り軸に巻き取
られたフィルムを遮光状態で収納したフィルムカートリ
ッジを使用するカメラであって、特に、カートリッジ室
がフィルムカートリッジを一定の向きに出し入れできる
ように収容し、カメラ本体内の収納位置とフィルムカー
トリッジの出し入れ口が露出するカメラ本体外への突出
位置との間を、収容したフィルムカートリッジの巻取り
軸に交差する方向に一軸を中心として移動できるように
したカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のようなカメラは突出位置にあるカ
ートリッジ室にフィルムカートリッジを収容した後、カ
ートリッジ室を収納位置に移動させるだけで、フィルム
の装填ができそのまま使用できる。この使用のために、
カメラは装填されたフィルムカートリッジのフィルム出
口に設けられた遮光扉をカメラ本体側の駆動系によって
自動的に開けた後、巻取り軸を駆動してフィルムカート
リッジ内のフィルムをフィルム出口から押出してカメラ
側の巻き上げスプールに送りつけておくことにより、シ
ャッターレリーズに伴うフィルムの巻き上げができるよ
うにする。またカメラは、フィルムが取り出されると
き、巻取り軸をフィルム巻取り方向に駆動してフィルム
をフィルムカートリッジ内に完全に巻き込んだ後、フィ
ルムカートリッジの遮光扉を自動的に閉じる。これによ
って、カートリッジ室を突出位置に移動させて開いて
も、フィルムカートリッジ内のフィルムが外光によって
露光されるようなことはない。また、カートリッジ室に
は収納位置にロックするロック部材が働かされ、不用意
に開かれないようになっている。
【0003】一方、特開平4−80735号公報は、カ
ートリッジ室に収容したフィルムカートリッジの巻取り
軸と係合してこれを駆動する巻取り軸駆動部材であるフ
ォークをカメラ本体側に設けたカメラを開示している。
このような構成によって、カートリッジ室の移動体積は
小さくなり、カメラ本体まわりの遮光に有利である。
【0004】また、前記フォークは、カートリッジ室の
前記のような移動に先立って巻取り軸と係合してこれを
駆動する位置から退避されるようになっていることによ
り、カートリッジ室が収納位置と突出位置の間を巻取り
軸と交差する方向に移動されても、この移動を邪魔する
ことはなく、カートリッジ室を単純な支持構造および移
動形式にて移動させられる。
【0005】前記のように、装填されたフィルムカート
リッジ内のフィルムをカメラ側で押出して巻き上げスプ
ールに送りつけることにより、以降の巻き上げが確実に
達成されるようにするには、スプールへのフィルムの送
り付け精度が要求される。この要求はフィルムの供給側
であるフィルムカートリッジの装填位置精度が十分でな
いと満足されない。
【0006】カートリッジ室に収容されるフィルムカー
トリッジは、巻取り軸の下端が前記退避できるフォーク
と係合し合うだけでは位置精度よく支持されないので、
カートリッジ室に位置精度よく収容し、装填位置にてフ
ィルムカートリッジをフォーク側に押圧するような支持
構造が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フォーク等の
下側の軸だけの嵌合によってフィルムカートリッジを支
持すると、傾き自由度のために、精度よく位置決めされ
ない。そこで、上下の支持軸でフィルムカートリッジを
支持することが推奨されているが、そのままでは、巻取
り軸と交差する方向へフィルムカートリッジを抜き取る
ことは物理的にできない。上下の支持軸は、精度翼フィ
ルムカートリッジを支持するために、巻取り軸とある程
度の嵌合長を持っているので、カメラ本体内で軸を退避
しようとすると退避スペースが大きく、無駄な空間がで
きる。
【0008】本発明は、カメラ本体内の駆動機構との連
結が必要なフォーク等の支持軸は、支持軸と支持軸を駆
動するカメラ本体側部材との間で切り離すことで退避量
を小さくすることができ、単なる支持軸は、カメラ本体
外に出たときに外のスペースを用いて退避すると、カメ
ラ本体内に退避スペースが不要になることを巧みに利用
して、フィルムカートリッジのカートリッジ室への出し
入れや、カートリッジ室の移動による装填や取出しの各
作業、および構造の複雑化なく、巻取り軸に上下から係
合する上下支持軸により、高精度に支持および駆動でき
るようにしたカメラを提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
のような目的を達成するために、巻取り軸に巻き取られ
たフィルムを遮光状態で収納したフィルムカートリッジ
を使用するカメラにおいて、フィルムカートリッジを出
し入れ口を通じて一定の向きに収容でき、かつカメラ本
体の外面内に収納される収納位置と出入り口が露出する
ようにカメラ本体の外面から突出した突出位置との間
を、収容したフィルムカートリッジの巻取り軸に交差す
る方向に一軸を中心に移動できるように支持されたカー
トリッジ室と、 カートリッジ室の底部に設けられてカ
ートリッジ室に収容されるフィルムカートリッジの巻取
り軸の下端とフィルムカートリッジの出し入れ方向に係
合する下部支持軸と、カートリッジ室の出し入れ口の口
部後縁に一軸を中心としてカートリッジ室内のフィルム
カートリッジの上部に被さる伏倒位置とこの伏倒位置か
ら退避してカートリッジ室にフィルムカートリッジの出
し入れができるようにする退避位置との間に移動できる
ように支持されるとともに、カートリッジ室の収納位置
への移動に連動して伏倒し、かつ突出位置への移動に連
動して退避位置となる支持部材と、この支持部材に設け
られて、カートリッジ室が収納位置となって支持部材が
伏倒位置となったとき、巻取り軸の上端に係合して下部
支持部材との間で巻取り軸を回転できるように支持し、
かつ、カートリッジ室が突出位置となって支持部材が退
避位置となるのに伴い巻取り軸の上端との係合がはずれ
る上部支持軸と、カメラ本体内に設けられ、カートリッ
ジ室が収納位置にあるとき、これに有する下部支持軸に
駆動力を伝達してカートリッジ室内のフィルムカートリ
ッジの巻取り軸を駆動する巻取り軸駆動手段とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0010】このような構成では、カートリッジ室に収
容されるフィルムカートリッジは、カートリッジ室の底
部に設けられた下部支持軸に、巻取り軸の下端がフィル
ムカートリッジの出し入れ方向に係合して位置決めされ
て、カートリッジ室との嵌まり合いをラフにしても巻取
り軸が下部支持軸と長いストロークを持って無理なく、
かつスムーズに出し入れできるように嵌まり合うので、
フィルムカートリッジは出し入れしやすいし、フィルム
カートリッジを巻取り軸との十分な係合長にてカートリ
ッジ室上で精度よく位置決めすることができる。この位
置決め状態のフィルムカートリッジはさらに、カートリ
ッジ室が収納位置に移動するのに連動したカートリッジ
室上の支持部材のカートリッジ室に被さる伏倒位置への
移動によって、支持部材に設けらた上部支持軸が巻取り
軸の上端に係合して、前記下部支持軸との間で上下から
挟み付けて、軸線方向の移動は勿論、両端での振れもな
いように装填位置に支持するので、上部支持軸と巻取り
軸との係合長が小さくてもフィルムカートリッジを装填
位置へ特別な作業なしに高精度に、かつ安定回転できる
ように支持することができる。カメラ側の巻取り軸駆動
手段は、収納位置にあるカートリッジ室の下部支持軸に
駆動力を伝達して巻取り軸を駆動し、フィルムの押出し
や巻き込みを行うが、巻取り軸が高精度でかつ安定回転
できるように支持されていることにより、特にフィルム
を押し出して巻き上げスプールに送りつけるのが、高精
度な送りつけ位置、送りつけ量、送りつけタイミングに
て行えるので、以降のフィルムの巻き上げが確実に達成
されるようにすることができ、信頼性の高いものとな
る。
【0011】フィルムカートリッジを取り出すのにカー
トリッジ室を突出位置に移動させると、これに連動して
支持部材は、上部支持軸をカートリッジ室に収容された
フィルムカートリッジの巻取り軸の上端との係合を外し
ながら、この上部支持軸とともに退避位置に移動するの
で、前記フィルムカートリッジの高精度な位置決め支持
のために、フィルムカートリッジのカートリッジ室への
出し入れや、カメラ本体への装填および取出しに特別な
作業は不要であり、フィルムカートリッジの取扱いが特
に複雑になることはなく、従来通りに容易に取扱い、使
用することができるし、カートリッジ室の収納位置と突
出位置との間の移動には無関係で移動が一軸を中心にし
た単純なもので支障ないし、支持部材の一軸を中心とし
た単純な移動も上部支持軸と巻取り軸との係合長が小さ
くてよいことによりこれを邪魔することもないので、構
造が特に複雑になることはなくコスト上昇の原因にもな
らない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
き添付の図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態
のカメラは一眼レフカメラであって、図1の(a)およ
び(b)に示すように、カメラ本体1の前面に撮影レン
ズ2と出没式のストロボ発光部4が設けられ、上面には
後方から見て右寄りの位置にレリーズ釦10が設けら
れ、中央にはペンタプリズムを用いたファインダ3が設
けられている。カメラ本体1のレリーズ釦10とは反対
の左側の側面にフィルムカートリッジ5を装填する装填
口6が設けられている。
【0013】フィルムカートリッジ5は図1、図3に示
すような樹脂製のカートリッジケース7を持ち、このカ
ートリッジケース7のほぼ中央を縦通して巻取り軸8が
回転自在に支持して設けられている。巻取り軸8はフィ
ルム9の一端を止着しており、巻き取り方向への回転に
よってフィルム9をカートリッジケース7内に巻き込め
るし、逆方向に回転することによってフィルム9をカー
トリッジケース7のフィルム出口7aからフィルム9を
押し出せる。フィルム出口7aには遮光扉11が図3の
(c)に示す仮想線の開き状態と破線で示す閉じ状態と
の間で開閉できるように設けられ、この開閉のために遮
光扉11は軸11a部を図3の(a)、(b)、(c)
に示すように軸受されている。カートリッジケース7は
フィルム出口7a部が側周面の一部から接線方向に若干
突出した異形な横断面形状をしている。
【0014】巻取り軸8には図3の(a)、(b)、
(c)に示すように円周方向にバーコード12等を設け
た情報盤13が取付けられており、フィルム9の種類や
品質、残量に関するデータの読みだしができるようにな
っている。このような読みだしのためにカートリッジケ
ース7の端面壁には読みだし用の窓7b、7cが設けら
れ、これらがカートリッジ室21内に設けられる読みだ
しのためのフォトセンサ14a、14b等と図3の
(b)や図3の(c)、図4に示すように対向する。
【0015】もっとも、情報盤13等を利用して巻取り
軸8を所定の位置に止めることで、図3の(a)に示し
たフィルムカートリッジ5の図示しない端面に設けられ
た表示部にフィルム9の使用状態(未使用、途中使用、
露光済み、現像済み等)を表示することができる。カー
トリッジ室21内のフォトセンサ14a、14bは、カ
メラ本体1内の底部から軸22によるカートリッジ室2
1の枢支部を経由してカートリッジ室21内の底部に臨
む図4に示すようなハーネス93によりカメラ本体1側
の図示しない制御回路に結線されるようにし、簡単な結
線構造にてカートリッジ室21の収納位置と突出位置と
の間の移動によってもハーネス93の経路に大きな変化
はないので、前記カートリッジ室21の移動の影響なし
に信号の授受ができる。
【0016】カメラ本体1の装填口6には、図1、図2
の(a)に示すようなカートリッジ室21が設けられて
いる。このカートリッジ室21は、カートリッジケース
7の横断面形状に若干の余裕を持って整合する上向きの
凹部をなし、フィルムカートリッジ5が巻取り軸8の軸
線方向に沿い上向きに開放した出入り口21aから挿入
されることにより、フィルムカートリッジ5を常に一定
の向きに収容することができる。カートリッジ室21は
これの上下左右に若干張出して、最外面の装填口6を開
閉する蓋部21bを有し、この蓋部21bの下端部が装
填口6の開口縁の下部両側に軸22によって開閉できる
ように枢支されている。
【0017】カートリッジ室21は両側壁の上端にフィ
ルムカートリッジ5を手指で摘んで出し入れしやすくす
るためのえぐり部21cが設けられる一方、受入れたフ
ィルムカートリッジ5の巻取り軸8の下端と係合し合う
巻取り軸8を駆動するときの中間駆動伝達部材となるフ
ォーク23と、遮光扉11の軸11aの下端と係合し合
って遮光扉11を開閉駆動する中間駆動伝達部材として
の扉駆動部材24とが底部に設けられ、フォーク23の
上部にカートリッジ室21内に突出してフィルムカート
リッジ5の巻取り軸8の下端に嵌まり合い、フィルムカ
ートリッジ5を支持する下部支持軸23aが一体に設け
られている。もっとも、これらフォーク23や扉駆動部
材24は下部支持軸23aや軸11aにカメラ本体1側
からの駆動力を伝達できればどのような構成でもよく、
扉駆動部材24は省略して軸11aがカメラ本体1の側
の駆動部材と直接係合して駆動されるようにすることも
できる。
【0018】蓋部21bは図1の(a)、図2の(a)
に示すように装填口6を閉じる状態でカメラ本体1の外
面と面一になり、カートリッジ室21がカメラ本体1内
に収納された収納位置となる。カートリッジ室21は蓋
部21bが図1の(b)、図2の(b)に示すように装
填口6を開く状態のとき、カメラ本体1の外面から突出
する突出位置となり出入り口21aが露出する。この突
出位置でフィルムカートリッジ5がカートリッジ室21
に出し入れされる。
【0019】ここで、カートリッジ室21は、これに一
体的に形成された開き方向のストッパ21zがカメラ本
体1内に設けられた図示しない係止部に当接することで
最大突出位置を規制されている。これによって、カート
リッジ室21が軸22回りに過度に回動し、ハーネス9
3等に損傷を与えることを防止している。
【0020】カートリッジ室21は、図1の(b)、図
2の(b)に示す突出位置でフィルムカートリッジ5を
収容した後、図1の(a)、図2の(a)に示す収納位
置に移動されると、一定の向きに収容したフィルムカー
トリッジ5を図4の(a)に示すようにカメラ本体1内
に設定された所定の装填位置Iに所定の姿勢で位置させ
る。
【0021】このカメラ本体1内の装填位置Iには、カ
ートリッジ室21が図4の(a)に示す収納位置とされ
たとき、フォーク23と係合して巻取り軸8を駆動する
巻取り軸駆動部材としてのフォークギヤ25と、扉駆動
部材24と噛み合って遮光扉11を開閉する扉駆動ギヤ
26が設けられている。これらは、下部支持軸23aや
遮光扉11の軸11aとの駆動伝達形式や、カメラ本体
1内に設けられる図12、図13に示すような駆動系2
7との駆動力伝達形式によって、種々の形態を採ること
ができる。
【0022】本実施の形態では、フォーク23および扉
駆動部材24はカートリッジ室21の底部壁に軸受さ
れ、底部壁の上面および下面の双方に臨んでいる。フォ
ーク23は図4、図10、図11に示すように、カート
リッジ室21内に臨む部分に巻取り軸8の下端と軸線方
向、つまりフィルムカートリッジ5の出し入れ方向に嵌
まり合ってこれを支持する前記下部支持軸23aを有
し、この下部支持軸23aに巻取り軸8の下端のキー溝
8aと軸線方向に係合し合って回転を伝達するキー23
bを設けている。キー23bは下部支持軸23aに対し
て軸線方向に進退できるように設けられ、ばね28の付
勢によってキー溝8aとの係合位置に保たれている。な
お、キー23bあは、フォーク23の半径方向に進退す
る構成とすることもできる。カートリッジ室21にフィ
ルムカートリッジ5が収容されたとき、キー溝8aの向
きとキー23bの向きとが一致していないとき、フォー
ク23が回転駆動されて双方の向きが一致するまでキー
23bがばね28の付勢に抗して後退する。これによっ
て、向きの一致しない双方が干渉し合って損傷するよう
なことを防止し、キー溝8aおよびキー23bの向きが
一致したときキー23bがばね28によって進出させら
れて双方が係合し合い、フォーク23の回転を巻取り軸
8に伝達できるようにする。フォーク23の前記底部壁
の下に臨んでいる部分には二股状のフォーク部23cが
設けられ、フォークギヤ25の上面に設けられたフォー
ク部25aと軸線方向に係合し合ってフォークギヤ25
からの回転がフォーク23を介して巻取り軸8に伝達で
き、巻取り軸8を回転駆動できる。
【0023】扉駆動部材24のカートリッジ室21内に
臨む部分に、遮光扉11の軸11aの下端のキー溝11
bと軸線方向に係合し合うキー24aが設けられ、前記
底部壁の下に臨む部分には扉駆動ギヤ26と噛み合う従
動ギヤ24bが設けられている。カートリッジ室21に
収容されるフィルムカートリッジ5の向きは一定してい
るし、カートリッジ室21に収容されるとき遮光扉11
は必ず閉じられている。これによって、カートリッジ室
21に収容されるフィルムカートリッジ5の遮光扉11
の軸11aの位置および回転向きは一義的に決まってい
る。これに対応して、扉駆動部材24とカートリッジ室
21との間に図6〜図8に示すようなばね29を働かせ
て、扉駆動部材24を常に図6の(a)、(e)、図7
の(a)に示す初期回転位置に保つように付勢し、扉駆
動部材24のキー24aが、カートリッジ室21に収容
されてくるフィルムカートリッジ5における軸11aの
キー溝11bと軸線方向に係合し合う向きで安定して待
機するようにする。従って、フィルムカートリッジ5を
カートリッジ室21に収容すると遮光扉11の軸11a
のキー溝11bは扉駆動部材24のキー24aに軸線方
向に必ず係合する。
【0024】しかし、過負荷時の安全のために、キー2
4aと従動ギヤ24bとは、上下に2分された別部材と
し、双方間に働かせた図示しないばね等を介した伝動等
によって従動ギヤ24b側の回転をキー24aに伝達す
るようにし、過負荷時にこれを吸収するようにしてあ
る。
【0025】カートリッジ室21は軸22を中心とした
一軸回転方式の単純な動作で、前記収納位置と突出位置
との間を、カートリッジ室21に収容したフィルムカー
トリッジ5の巻取り軸8の軸線方向と交差する方向に移
動する。このため、カートリッジ室21の側のフォーク
23とカメラ本体1側のフォークギヤ25とのフォーク
部23c、25aどうしが軸線方向に係合し合った状態
のまま、カートリッジ室21が収納位置と突出位置の間
で移動すると、フォーク部23c、25aが干渉し合っ
て損傷する。これは、軸22が垂直に設けられるなど、
巻取り軸8の軸線に直角であるとか、平行であるとかを
問わずに生じる。要するに本発明は、フィルムカートリ
ッジ5が巻取り軸8の軸線に交差する方向に移動される
どんな構成の場合をも対象とする。
【0026】このような干渉を回避するため、フォーク
ギヤ25は図4の(a)、(b)に示す係合位置から下
方に一時的に退避できるようにしてある。フォークギヤ
25はカメラ本体1の底部壁に立設した軸31によって
上下移動と回転とができるように支持され、前記底部壁
との間に働かせたばね32の付勢によって通常にはフォ
ーク23との係合により巻取り軸8を回転駆動できる状
態に保ち、カートリッジ室21の移動に際して下動させ
る。
【0027】扉駆動部材24の従動ギヤ24bもカート
リッジ室21の移動に伴って軸線方向に交差する方向に
移動される。しかし、カートリッジ室21側の従動ギヤ
24bはカートリッジ室21の移動中心である軸22に
対し、カメラ本体1側の扉駆動ギヤ26とは異なった距
離にあることと、双方の軸22に対する噛み合い高さの
関係の少なくとも一方を利用することによって、従動ギ
ヤ24bが扉駆動ギヤ26に対する図5の(a)と
(b)との間の位置変化が示すように、径方向の移動を
伴って離接するようにでき、従動ギヤ24bは扉駆動ギ
ヤ26と干渉しないでスムーズに噛み合い、また、噛み
合いを解除できる。しかも、従動ギヤ24bおよび扉駆
動ギヤ26は共に図5〜図8に示すような欠歯ギヤであ
るとともに、カートリッジ室21が移動されるときは図
6の(e)に示すように欠歯部分で対向し合うように制
御するので、カートリッジ室21の移動の際の従動ギヤ
24bと扉駆動ギヤ26との干渉の問題は起こらず、特
別な干渉防止の対策は不要である。
【0028】カートリッジ室21が収納位置に移動し
て、これが図示しないカメラ本体1側のマイクロスイッ
チ等よりなるセンサが検出すると、カメラ本体1側の図
12、図13に示すような駆動系27は、扉駆動ギヤ2
6を駆動して、図6の(a)から(c)の状態まで回転
させて停止する。なお、(c)〜(d)の間ならば、駆
動ギア26をどこで停止させてもよい。これによって、
遮光扉11を閉じ状態から開き状態にするとともに、扉
駆動ギヤ26のカム部26aが従動ギヤ24bの欠歯・
有歯境界部24cに係合して、前記遮光扉11を開き状
態に保持した後、巻取り軸8を回転駆動してフィルムカ
ートリッジ5内のフィルム9をフィルムカートリッジ5
から押出し、図12、図13に示す巻き上げスプール3
5に送りつけて、以降レリーズ釦10の操作によってシ
ャッタレリーズが行われる都度、巻き上げスプール35
を駆動することによりフィルム9を巻き上げ、撮影が順
次に達成されるようにする。フィルム9の使い切り、あ
るいは撮影の中止等によってフィルムカートリッジ5が
取り出される時点では、図6の(c)に示す状態からフ
ィルム9を巻き戻した後、扉駆動ギヤ26をさらに回転
させて遮光扉11の開き状態への保持を解除して従動ギ
ヤ24bから遮光扉11までをフリーとし、ばね29に
よって図6の(e)に示す初期回動位置に復動されるよ
うにする。
【0029】カートリッジ室21は図1、図2、図4に
示すように、カートリッジ室21の出し入れ口21aに
上方から被さる蓋板状の支持部材33を有している。こ
の支持部材33はカートリッジ室21の蓋部21bとは
反対の側の内側壁21dの上縁、つまり、出し入れ口2
1aの口部後縁に、前記の軸22にぼほ平行な今1つの
軸38によって枢支し、前記出し入れ口21aに被さる
伏倒位置と、この伏倒位置から起立して退避しカートリ
ッジ室にフィルムカートリッジを出し入れを邪魔しない
退避位置との間で移動できるように設けられている。支
持部材33はばね39によって退避方向に付勢され、カ
ートリッジ室21が収納位置と突出位置との間で移動さ
れるときに、カメラ本体1の一部と係合することによ
り、カートリッジ室21の収納位置への移動に連動して
伏倒状態とされ、突出位置への移動に連動して退避状態
とされるようにしてある。
【0030】カートリッジ室21の収納されているカメ
ラ本体1の内面側には、図1の(b)、図4の(a)に
示すような板ばね等よりなる付勢ばねAがあり、支持部
材33を下方に押しつける。ばねAは、ばね39よりも
強く、カートリッジ室21が開き状態では両者の合力は
下方押付け力として働き、カートリッジ室21はこの下
方押付け力とばね32によってサンドイッチ状態に挟持
される。カートリッジ室21が開きときは、ばねAに上
方を押えられながら支持部材33は移動するので、カメ
ラ本体1の天井でつかえることなない。完全に開いてし
まえば、ばねAはフリーとなり、支持部材33はばね3
9によって上方に退避する。
【0031】支持部材33には、カートリッジ室21に
収容されたフィルムカートリッジ5の巻取り軸8の上端
に嵌まり合う上部支持軸42が設けられ、前記下部支持
軸23aおよび扉駆動部材24との間でフィルムカート
リッジ5をを上下から挟持し、フィルムカートリッジ5
をカートリッジ室21内に浮かせた状態で位置決め支持
している。
【0032】特に、カートリッジ室21に収容されるフ
ィルムカートリッジ5は、カートリッジ室21の底部に
設けられた下部支持軸23aに、巻取り軸8の下端がフ
ィルムカートリッジ5の出し入れ方向に係合して位置決
めされて、カートリッジ室21との嵌まり合いをラフに
しても巻取り軸8が下部支持軸23aと長いストローク
を持って無理なく、かつスムーズに出し入れできるよう
に嵌まり合うので、フィルムカートリッジ5は出し入れ
しやすいし、フィルムカートリッジ5を巻取り軸8との
十分な係合長にてカートリッジ室21上で精度よく位置
決めすることができる。この位置決め状態のフィルムカ
ートリッジ5はさらに、カートリッジ室21が収納位置
に移動するのに連動したカートリッジ室21上の支持部
材33のカートリッジ室21に被さる伏倒位置への移動
によって、支持部材33に設けらた上部支持軸42が巻
取り軸8の上端に係合して、前記下部支持軸23aとの
間で上下から挟み付けて、軸線方向の移動は勿論、両端
での振れもないように装填位置Iに支持するので、上部
支持軸42と巻取り軸8との係合長が小さくてもフィル
ムカートリッジ5を装填位置Iへ特別な作業なしに高精
度に、かつ安定回転できるように支持することができ
る。カメラ本体1側の巻取り軸駆動手段であるフォーク
ギヤ25等は、収納位置にあるカートリッジ室21の下
部支持軸23aにフォーク23を介して駆動系27から
の駆動力を伝達して巻取り軸8を駆動し、フィルム9の
押出しや巻き込みを行うが、巻取り軸8が高精度でかつ
安定回転できるように支持されていることにより、特に
フィルム9を押し出して巻き上げスプール35に送りつ
けるのが、高精度な送りつけ位置、送りつけ量、送りつ
けタイミングにて行えるので、以降のフィルムの巻き上
げが確実に達成されるようにすることができ、信頼性の
高いものとなる。
【0033】また、フィルムカートリッジ5を取り出す
のにカートリッジ室21を突出位置に移動させると、こ
れに連動して支持部材33は、上部支持軸42をカート
リッジ室21に収容されたフィルムカートリッジ5の巻
取り軸8の上端との係合を外しながら、この上部支持軸
42とともに退避位置に移動するので、前記フィルムカ
ートリッジ5の高精度な位置決め支持のために、フィル
ムカートリッジ5のカートリッジ室への出し入れや、カ
メラ本体1への装填および取出しに特別な作業は不要で
あり、フィルムカートリッジ5の取扱いが特に複雑にな
ることはなく、従来通りに容易に取扱い、使用すること
ができるし、カートリッジ室21の収納位置と突出位置
との間の移動には無関係で移動が一軸を中心にした単純
なもので支障ないし、支持部材33の一軸を中心とした
単純な移動も上部支持軸42と巻取り軸8との係合長が
小さくてよいことによりこれを邪魔することもないの
で、構造が特に複雑になることはなくコスト上昇の原因
にもならない。
【0034】前記扉駆動部材24のキー24aと遮光扉
11の軸11aのキー溝11bとの嵌合長は、前記した
フォーク23の駆動軸23aと巻取り軸8との嵌合長と
ともに、上部支持軸42と巻取り軸8との係合長に比し
て格段に大きく設定し、カートリッジ室21でのフィル
ムカートリッジ5の支持のより安定を図っている。カメ
ラ本体1内には、図7、図8、図10、図11に示すよ
うに収納位置に移動されてきたカートリッジ室21を収
納位置にロックするロック部材43が設けられている。
ロック部材43は図7、図8に示すようにガイド44に
よって上下動できるように支持されたもので、一縁に切
り込みを持つフック部43aを有している。ロック部材
43はばね45によって下動した係合位置に常時あるよ
うに付勢され、カートリッジ室21が収納位置に移動し
たとき、フック部43aがカートリッジ室21の一部に
一体形成された係合部21eと当接し合うことによって
ばね45に抗し一時的に持ち上げられた後、カートリッ
ジ室21が完全に収納位置まで移動したときばね45の
付勢による係合位置への復帰によってフック部43aが
係合部21eに係合し、カートリッジ室21を収納位置
にロックする。
【0035】これによって、カートリッジ室21が不用
意に開かれるのを防止することができる。
【0036】しかし、カートリッジ室21のロックが従
来のようにいつでも解除してカートリッジ室21を開け
られるのでは、カメラ本体1内でのフィルムカートリッ
ジ5の遮光扉11が開かれているときに、カートリッジ
室21が開かれることがときとして生じ、外光がフィル
ムカートリッジ5内に入って問題となる。
【0037】これを解消するのに、カメラ本体1内に、
巻取り軸駆動部材である前記フォークギヤ25の退避位
置への移動後にロック部材43がロック解除位置に移動
し、ロック部材43のロック完了後にフォークギヤ25
が係合位置に移動するように、フォークギヤ25とロッ
ク部材43とを連動して移動させる連動駆動手段51を
前記駆動系27に設けてある。連動駆動手段51は、図
7、図8、図10、図11に示すように、扉駆動ギヤ2
6の回転とロック部材43の上下動とを連動させる連動
駆動レバー53と、ロック部材43の上下動とフォーク
ギヤ25の上下動とを連動させる連動レバー91とを備
えている。
【0038】連動駆動レバー53は中央部を軸52によ
って枢支され、かつ、一端53aがロック部材43上に
設けられた一対のピン43bの間に挟み込まれて、ロッ
ク部材43の上下動に連動して回動し、他端53bが扉
駆動ギヤ26と同体回転するように設けられたカム55
に対向し、扉駆動ギヤ26が遮光扉11を開閉する回転
動作にカム55を介して従動するようにしてある。連動
レバー91は、中央を軸92によって枢支され、かつ一
端91aがロック部材43の下端の折曲片43cに上方
から当接し、他端91bがフォークギヤ25の上面に当
接している。
【0039】これによって、ロック部材43は、カメラ
本体1側の連動駆動手段51の一部である扉駆動ギヤ2
6、カム55および連動駆動レバー53を通じた駆動系
27の動作制御によって、図8の(a)、(b)に示し
たカートリッジ室21の収納位置へのロック状態からば
ね45に抗して上方へ移動されて、図9の(a)、
(b)に示すようにロックを解除する状態とされること
ができ、この動作制御が、カメラ本体1側でフィルムカ
ートリッジ5の遮光扉11の開閉を行う動作制御と関連
して行われることによって、図8の(a)、(b)に示
すように遮光扉11が閉じているときのみロックを解除
し、遮光扉11が開かれている状態のときはロックを解
除せず、人によってロックが不用意に解除されるのを阻
止し、フィルムカートリッジ5の遮光扉11が開かれた
状態でカートリッジ室21が開かれフィルムが外光によ
って露光してしまうようなことを確実に防止することが
できる。
【0040】また、カートリッジ室21が収納位置にさ
れて駆動系27によって遮光扉11が閉じられるとき、
カメラ本体1側の連動駆動手段51の一部である扉駆動
ギヤ26、カム55および駆動連動レバー53が、図8
に示すようにロック部材43がカートリッジ室21をロ
ックするようにする際、カメラ本体1側の連動駆動手段
51の一部である連動レバー91は、ロック部材43と
の連動によって、遮光扉11が閉じられ、かつカートリ
ッジ室21のロック部材43によるロックが完了した後
に、フォークギヤ25がばね32の付勢によって上動し
て図8の(a)、(b)、図9に示すフォーク23と係
合する係合位置となるようにしてある。
【0041】さらに、フィルム9の使い切りや撮影の終
了によってフィルム9が取り出される時点で、制御系が
これを可能にするために駆動系27によってロック部材
43によるカートリッジ室21の収納位置へのロックを
図7の(a)、(b)、図9に示すように解除する際、
カメラ本体1側の連動駆動手段51の一部である連動レ
バー91は、ロック部材43との連動によって、ロック
が解除される前にフォークギヤ25をばね32に抗して
退避位置に下動させ、フォーク23との係合を解除す
る。これによって、カートリッジ室21は図9に矢印で
示すようにフォーク23とフォークギヤ25との干渉の
問題なく軸22を中心に自由に移動できるようになる。
【0042】要するに、連動駆動手段51である扉駆動
ギヤ26、カム55、連動駆動レバー53および連動レ
バー91は、カートリッジ室21に収容されたフィルム
カートリッジ5の巻取り軸8を駆動する巻取り軸駆動部
材であるフォークギヤ25と前記ロック部材43とを連
動して移動させて、巻取りフォークギヤ25の退避位置
への移動後にロック部材43がロック解除位置に移動
し、ロック部材43のロック完了後にフォークギヤ25
が係合位置に移動するようにするので、1つの駆動手段
を共用した簡単な機構によって、フォークギヤ25の退
避位置および係合位置への移動がカートリッジ室21の
ロック解除やロックのタイミングに合わせて的確に行わ
れるので、フォークギヤ25の退避位置への移動がカー
トリッジ室21のロック解除よりも遅くなることや、フ
ォークギヤ25の係合位置への移動がカートリッジ室2
1のロックよりも早くなることによって、カートリッジ
室21がフォークギヤ25と干渉するような状態で移動
されてしまうようなことを、確実に回避することがで
き、安価で信頼性の高いものとなる。
【0043】扉駆動ギヤ26、カム55、連動駆動レバ
ー53および連動レバー91がなす連動駆動手段51の
具体的な構成は、このような安全機能を満足するかぎ
り、本実施の形態に限定されるものではなく種々に設計
できることは勿論である。
【0044】本実施の形態のカメラは、図12、図13
に示す1つのモータ61によって全ての動作を行う。モ
ータ61はカメラ本体1内のフィルムカートリッジ5が
装填される位置に対して、ミラーボックス63を挟む真
反対の側に設けられるフィルム9の巻き上げ側に位置
し、前記巻き上げスプール35内に同軸で格納されてい
る。これによって、モータ61単独の設置スペースは不
要となる。モータ61の回転は、ミラーボックス63の
フィルム巻き上げ側に設けられた巻き上げ側の割り出し
機構64に有する太陽ギヤ65に、減速系62aを介し
て駆動力を伝達する一方、ミラーボックス63に対して
フィルムカートリッジ5が装填される側に設けられた巻
き戻し側の割り出し機構67に有する駆動ギヤ68に減
速系62aおよび62bを介して駆動力を伝達する。
【0045】モータ61の正転によって、各割り出し機
構64および67を必要に応じて働かせて、モータ61
の駆動力をどの被駆動系に伝達するかを選択し、モータ
61の逆転によってモータ61の駆動力を割り出しによ
って選択された被駆動系に伝達できるように後述する方
法によって切換えを行う。
【0046】巻き上げ側の割り出し機構64は、巻き上
げ側制御レバー71の位置制御によって、巻き上げ側太
陽ギヤ65との時計回りの同体回転が選択的に邪魔され
る、巻き上げ遊星キャリア72とレリーズ・チャージ遊
星キャリア73とを備え、巻き上げ側遊星キャリア72
は太陽ギヤ65と同体回転されることによって、自身が
保持している巻き上げ遊星ギヤ74を巻き上げスプール
35に噛み合わせたり、この噛み合わせを解除したりし
て、巻き上げスプール35にモータ61の回転を伝達で
きる巻き上げ可能状態と、これができない状態とに切換
え、レリーズ・チャージ遊星キャリア73が太陽ギヤ6
5と同体回転されることによって、自身が保持している
レリーズ・チャージ遊星ギヤ75をアイドルギヤ76に
噛み合わせたり、この噛み合わせを解除したりして、遊
星制御カム77にモータ61の駆動力を伝達して、前記
した巻き上げ側制御レバー71および今1つの巻き戻し
側制御レバー82を介して、巻き上げ側および巻き戻し
側の被駆動系の選択が行われるようにしたり、選択状態
が保たれるようにしたりする。各制御レバー71および
82にはばね81a、81bを働かせてこれらが遊星制
御カム77の各カム部77a、77bに従動するように
してある。
【0047】レリーズ・チャージ遊星キャリア73はま
た、レリーズ・チャージ遊星ギヤ75をレリーズ・チャ
ージカム78に噛み合わせたり、この噛み合わせを解除
したりして、レリーズ・チャージカム78にモータ61
の駆動力を伝達して、シャンタレリーズおよびシャッタ
チャージや、ミラーボックス63ミラーを上げ下げでき
る状態にしたり、これをしない状態にしたりする。
【0048】巻き戻し側の割り出し機構67は、駆動ギ
ヤ68にモータ61の駆動力が伝達されるとき、巻き戻
し遊星キャリア83が駆動ギヤ68と噛み合う太陽ギヤ
84と同体回転されるが、前記巻き戻し側制御レバー8
2の設定位置によって、図14の(a)〜(e)に示す
ようにどこまで回転できるかが規制され、この規制によ
って巻き戻し側遊星キャリア83が保持している巻き戻
し遊星ギヤ85がフィルムカートリッジ関連動カム8
6、フォークギヤ25、フィルム押出しギヤ87のいず
れかに噛み合ったり、この噛合いを解除したりして、フ
ィルムカートリッジ関連カム86、フォークギヤ25、
フィルム押出しギヤ87のいずれかにモータ61の駆動
力を伝達できるようにしたり、いずれにも伝達しない状
態にしたりする。巻き戻し側の割り出し機構67には、
巻き戻し制御レバー82が働かない位置で巻き戻し遊星
キャリア83の回転位置を規制するストッパ88および
89が設けられている。
【0049】図14の(a)は図12、図13に示す遊
星制御カム77が駆動中であるときの、巻き戻し側の割
り出し機構67の状態を示している。図14の(b)は
図12、図13に示す巻き上げ側割り出し機構64によ
ってフィルム9の巻き上げ、またはシャッタレリーズや
シャッターチャージか、あるいはミラーの上げ下げが行
われているときの、巻き戻し側の割り出し機構67の状
態を示している。図14の(c)は巻き戻し側の割り出
し機構67のフィルムカートリッジ関連カム86の駆動
中の状態を示している。図14の(d)は巻き戻し側の
割り出し機構67の巻き戻し駆動中の状態を示してい
る。図14の(e)は巻き戻し側の割り出し機構67の
フィルム押出し動作状態を示している。
【0050】図15は遊星制御カム77のカム部77a
および77bの各カム面の半径の変化と、このカム部7
7a、77bの各回転位置に対応して行われる本実施の
形態のカメラの各種動作との関連を示している。
【0051】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、カートリッジ
室に収容されてこれが収納位置とされることにより装填
されるフィルムカートリッジを、上下支持軸が巻取り軸
に上下端からの係合して挟み付けることにより、軸線方
向の移動は勿論、両端での振れもないように装填位置へ
高精度に、かつ安定回転できるように支持し、下部支持
軸を介した巻取り軸の駆動で、フィルムの押出しや巻き
込みを行い、特にフィルムを押し出して巻き上げスプー
ルに送りつけるのが、高精度な送りつけ位置、送りつけ
量、送りつけタイミングにて行えるので、以降のフィル
ムの巻き上げが確実に達成されるようにすることがで
き、信頼性の高いものとなる。
【0052】また、このような高精度な位置決め支持の
ために、フィルムカートリッジのカートリッジ室への出
し入れや、カメラ本体への装填および取出しに特別な作
業は不要であり、フィルムカートリッジの取扱いが特に
複雑になることはなく、従来通りに容易に取扱い、使用
することができるし、カートリッジ室および支持部材の
支持が一軸回転式の簡単なものでよいので構造が特に複
雑になることはなくコスト上昇の原因にもならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのカメラのフィル
ム装填状態および出し入れ状態を示す斜視図である。
【図2】図1のカメラのカートリッジ室を収納状態と突
出状態とで示す斜視図である。
【図3】図1のカメラに用いるフィルムカートリッジを
示す斜視図、断面図および底面図である。
【図4】図1のカメラのカートリッジ室の収納状態と、
フォークギヤおよび巻取り軸間の駆動力伝達機構を示す
断面図である。
【図5】カートリッジ室が収納位置および突出位置とさ
れたときの、フィルムカートリッジの遮光扉を開閉する
駆動機構部の駆動力の伝達および切断の各状態を示す斜
視図である。
【図6】フィルムカートリッジの遮光扉の開閉動作の駆
動の各状態を示す平面図である。
【図7】カートリッジ室のロック解除とフォークギヤの
退避の状態を示す側面図および正面図である。
【図8】カートリッジ室のロックとフォークギヤの係合
状態を示す側面図および正面図である。
【図9】フォークギヤの動作位置とカートリッジ室の移
動できる状態との関係を示す断面図である。
【図10】カートリッジ室とロック部材との関係をカー
トリッジ室の突出状態で示す斜視図である。
【図11】図10のカートリッジ室を取り除いて違った
角度から見た斜視図である。
【図12】本実施の形態のカメラの駆動系を示す平面図
である。
【図13】図12の駆動系の正面図である。
【図14】駆動系の巻き戻し側の割り出し機構による各
動作状態を示す平面図である。
【図15】駆動系の遊星制御カムの半径の変化状態と、
これの各回転位置に対応した本実施の形態のカメラの各
種動作状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1 カメラ本体 5 フィルムカートリッジ 6 装填口 8 巻取り軸 9 フィルム 21 カートリッジ室 22 軸 23 フォーク 23a 下部支持軸 25 フォークギヤ 27 駆動系 33 支持部材 38 軸 42 上部支持軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−159892(JP,A) 特開 平7−199312(JP,A) 特開 平3−75637(JP,A) 特開 平8−234238(JP,A) 特開 平7−114098(JP,A) 特開 平8−328145(JP,A) 特開 平7−64179(JP,A) 米国特許5563672(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 17/00 G03B 17/26 - 17/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻取り軸に巻き取られたフィルムを遮光
    状態で収納したフィルムカートリッジを使用するカメラ
    において、 フィルムカートリッジを出し入れ口を通じて一定の向き
    に収容でき、かつカメラ本体の外面内に収納される収納
    位置と出入り口が露出するようにカメラ本体の外面から
    突出した突出位置との間を、収容したフィルムカートリ
    ッジの巻取り軸に交差する方向に一軸を中心に移動でき
    るように支持されたカートリッジ室と、 カートリッジ室の底部に設けられてカートリッジ室に収
    容されるフィルムカートリッジの巻取り軸の下端とフィ
    ルムカートリッジの出し入れ方向に係合する下部支持軸
    と、 カートリッジ室の出し入れ口の口部に一軸を中心として
    カートリッジ室内のフィルムカートリッジの上部に被さ
    る伏倒位置とこの伏倒位置から退避してカートリッジ室
    にフィルムカートリッジの出し入れができるようにする
    退避位置との間に移動できるように支持されるととも
    に、カートリッジ室の収納位置への移動に連動して伏倒
    し、かつ突出位置への移動に連動して退避位置となる支
    持部材と、 この支持部材に設けられて、カートリッジ室が収納位置
    となって支持部材が伏倒位置となったとき、巻取り軸の
    上端に係合して下部支持部材との間で巻取り軸を回転で
    きるように支持し、かつ、カートリッジ室が突出位置と
    なって支持部材が退避位置となるのに伴い巻取り軸の上
    端との係合がはずれる上部支持軸と、 カメラ本体内に設けられ、カートリッジ室が収納位置に
    あるとき、これに有する下部支持軸に駆動力を伝達して
    カートリッジ室内のフィルムカートリッジの巻取り軸を
    駆動する巻取り軸駆動手段と、 を備えたことを特徴とするカメラ。
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