JP3216344B2 - フィルムカートリッジドア開閉装置 - Google Patents

フィルムカートリッジドア開閉装置

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JP3216344B2
JP3216344B2 JP18951993A JP18951993A JP3216344B2 JP 3216344 B2 JP3216344 B2 JP 3216344B2 JP 18951993 A JP18951993 A JP 18951993A JP 18951993 A JP18951993 A JP 18951993A JP 3216344 B2 JP3216344 B2 JP 3216344B2
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道広 岩田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィルムカートリッジド
ア開閉装置に関するものであり、更に詳しくは、フィル
ム遮光用のカートリッジドアを有するフィルムカートリ
ッジに対し、カートリッジドアの開閉動作を行うカメラ
用のフィルムカートリッジドア開閉装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、フィルム出入口に遮光用のカ
ートリッジドア(例えば、回転可動式の開閉ドア)を備え
たフィルムカートリッジが提案されている。カートリッ
ジドアは、カメラのカートリッジ室内でフィルムカート
リッジ内外へのフィルム給送(フィルムの送り出し又は
巻き込み)が行われる際には開き状態となり、フィルム
カートリッジがカメラのカートリッジ室外に取り出され
る際には閉じ状態となってフィルムカートリッジ内のフ
ィルムを遮光するように、フィルムカートリッジドア開
閉装置で駆動される。カートリッジドアが開いた状態で
はカートリッジ室蓋は閉じている必要があり、カートリ
ッジ室蓋を開いたときにはカートリッジドアが閉じた状
態になけらばならないことから、この装置においてカー
トリッジドアの開閉をカートリッジ室蓋の開閉操作との
連動で行うメカニズムが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カートリッジ
ドアの開・閉を共にメカ連動で行うようにすると、非常
に強いスプリングが動力源として必要になり、カートリ
ッジ室蓋の開閉操作力量がそのスプリングの力によって
極端に重くなってしまう。
【0004】本発明はこの点に鑑みてなされたものであ
って、カートリッジ室蓋の開閉操作力量を重くすること
なく、簡単な構成でカートリッジドアを開けることがで
きるフィルムカートリッジドア開閉装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るカメラのフィルムカートリッジドア開
閉装置は、カートリッジスプールと,該カートリッジス
プールに巻かれたフィルムをフィルム出入口において遮
光するカートリッジドアとを備えたフィルムカートリッ
ジが装填されるカートリッジ室と,該カートリッジ室を
閉じるカートリッジ室蓋と,前記カートリッジスプール
を回転させることによりフィルムカートリッジ内外への
フィルム給送を行うフィルム給送手段とを有するカメラ
において、前記カートリッジ室内で前記カートリッジド
の係合部と係合するドアドライバーと,前記カートリ
ッジ室蓋が閉じられたとき、これに連動して前記フィル
ム給送手段の駆動力を前記ドアドライバーに与えて前記
カートリッジドアの開放を行わせる駆動手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0006】
【作用】上記のように、カートリッジ室蓋が閉じられる
と、フィルム給送手段がドアドライバーを駆動すること
によりカートリッジドアを開けるので、カートリッジ室
蓋の閉じ操作力量が重くなることはない。また、例えば
カートリッジ室蓋の開き操作とのメカ連動でカートリッ
ジドアを閉じるように構成した場合でも、特に強いスプ
リングを用いる必要がないので、カートリッジ室蓋の開
き操作力量が重くなることはない。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。本実施例は、図12〜図14に示すフィルムカ
ートリッジ70が使用されるカメラのフィルムカートリ
ッジドア開閉装置である。まず、このフィルムカートリ
ッジ70の構成について説明する。
【0008】図12及び図13はフィルムカートリッジ
70の外観を示す斜視図であり、図14はその横断面図
である。フィルムカートリッジ70は、プラスチック製
のカートリッジ外殻76(図14)で構成されたハードシ
ェル構造を有しており、カートリッジ外殻76内には、
カートリッジスプール72(図14),カートリッジスプ
ール72に巻かれたフィルムFLをフィルム出入口78
において遮光するカートリッジドア75(図12〜図1
4)並びにカートリッジスプール72と一体に形成され
共に回転するデータディスク73(図1,図12)及び表
示用ディスク77(図1)を備えている。
【0009】図12及び図13に示すように、カートリ
ッジスプール72の両端部には、スプール用係合部71
が一体に設けられており、カメラの制御回路(不図示)が
カートリッジスプール72の回転停止位置を制御しうる
ように、スプール用係合部71の断面形状は回転非対称
を成している。なお、フィルムカートリッジ70組立時
の自由度を増すため、カートリッジスプール72両端の
スプール用係合部71は互いに同一形状を成している。
【0010】スプール用係合部71には、図12に示す
ように、後述のスプールドライバーキー24(図1)の凸
部24aと嵌合するキー溝71aと、後述の円筒状嵌合
部22(図1)の先端部と軸嵌合する軸嵌合穴71bとが
形成されている。つまり、スプールドライバー20と嵌
合する嵌合穴はキー溝71aと軸嵌合穴71bとから成
り、カートリッジスプール72は円筒状嵌合部22の先
端部が軸嵌合穴71bに軸嵌合し、かつ、スプールドラ
イバーキー24の凸部24aがキー溝71aに嵌合して
初めてスプールドライバー20との係合状態となり、ス
プールドライバー20によって回転しうるのである。ま
た、図13に示すように、表示窓D1〜D3側のスプー
ル用嵌合部71に設けられている軸嵌合穴71bには、
裏蓋1の保持軸5(図1)が嵌合する。
【0011】また、図1に示すようにカートリッジスプ
ール72の一端に設けられているデータディスク73に
は、図12に示すようにカートリッジ70内のフィルム
FLのISO感度,枚数,ラチチュード等の各種フィル
ム情報(例えばDXコードに相当するもの)を表すバーコ
ードシールが貼付されている。データディスク73の回
転中に、後述するフォトリフレクタPR1(図1)によっ
て、このバーコードから上記フィルム情報を読み取ると
ともに、その読み取り開始位置の情報からフィルムカー
トリッジ70の使用状態を検知し、カメラのメモリー
(不図示)等に出力する。バーコードに含まれるフィルム
情報としては、上記のようなDXコードに含まれる情報
の他に、ネガフィルムかリバーサルフィルムか、あるい
はX線フィルムか赤外線フィルムかといったフィルムの
種類に関する情報、フィルムの製造年月日や使用期限に
関する情報が挙げられる。
【0012】一方、カートリッジスプール72の他端に
設けられている表示用ディスク77には、ディスク表面
の所定位置に部分的に着色が施されている。また、図1
3に示すようにカートリッジ外殻76の表示ディスク7
7側端部には、未使用表示窓D1,使用途中表示窓D2
及び使用済表示窓D3が形成されている。後述するスプ
ールドライバー20は、フィルム巻戻し完了後、フィル
ムカートリッジ70の使用状態(使用済状態,使用途中
状態,未使用状態)と対応するようにカートリッジスプ
ール72の回転停止位置を制御するので、いずれの表示
窓D1〜D3からその着色が見えるかによって、フィル
ムカートリッジ70の使用状態を確認することができ
る。このように使用状態確認用のインジケート機構を設
けているのは、カートリッジ室3内に装填されていると
き以外、フィルムFLは全てカートリッジスプール72
で巻き取られてカートリッジ外殻76内に収納された状
態にあり、カートリッジ外にフィルムが出ているか否か
で使用状態を確認することができないからである。
【0013】図12及び図13に示すように、カートリ
ッジドア75の両端部には、ドア用係合部74がカート
リッジドア75を挟むようにして一体に設けられてい
る。カートリッジドア75は、このドア用係合部74で
カートリッジ外殻76に保持されており、図14に示す
ように軸部分75aを中心として所定の角度範囲で回動
自在(図14中の矢印mO,mC)に構成されている。カ
ートリッジドア75の開閉は、ドア用係合部74に設け
られているキー溝74aに、後述するドアドライバーキ
ー12(図1)を嵌合させ、ドアドライバー10を回動さ
せることによって行われる。同図中の破線はドア開き状
態でのカートリッジドア75の位置を示している。な
お、フィルムカートリッジ70組立時の自由度を増すた
め、ドア用係合部74は互いに同一形状を成している。
【0014】ところで、フィルムカートリッジ70の使
用状態を前記表示窓D1〜D3で確認しうるようにする
ため、カートリッジドア75の閉じ状態においては、カ
ートリッジスプール72は回転しないようにロックされ
る。ここで、カートリッジスプール72のロック及びロ
ック解除動作を図15に基づいて説明する。同図(A)に
示すように、カートリッジスプール72の端部には突起
部72aが設けられており、この突起部72aと係止可
能な突起部79aを有するスプールロックレバー79が
回動自在に設けられている。そして、カートリッジドア
75が閉じているときには、カートリッジドア75の係
止部分75bがスプールロックレバー79の端部に当接
し、スプールロックレバー79の突起部79aがカート
リッジスプール72の突起部72aに係止することによ
って、カートリッジスプール72はロック状態となり回
転できなくなる。
【0015】同図(B)に示すようにカートリッジドア7
5が開くと、係止部分75bがスプールロックレバー7
9の端部から逃げるので、カートリッジスプール72は
ロック解除状態となる。スプールロックレバー79は、
クリック機構(不図示)で同図(B)の状態に保持される
が、この状態でカートリッジスプール72が回される
と、同図(C)に示すようにカートリッジスプール72自
身がスプールロックレバー79をクリックに抗して押し
退ける(矢印m79方向)ことにより回転する。そして、
フィルムFLはフィルム出入口78から送り出される。
【0016】次に、本実施例が用いられたカートリッジ
室本体(ボディ)2について説明する。図1は、フィルム
カートリッジ70がカートリッジ室3内に装填され、カ
ートリッジ室蓋(裏蓋)1が閉じられた状態を示してお
り、そのスプリング側側面部9を併せて示している。ボ
ディ2内のカートリッジ室3は、フィルムカートリッジ
70に合致するような形状に形成されている。ボディ2
上には蓋軸4を中心に回動自在(矢印mD,mU)の裏蓋
1が設けられており、この裏蓋1はカートリッジ室3を
閉じ、その閉じ状態で後述する裏蓋ロックレバーLHで
ロックするようになっている。裏蓋1のカートリッジ室
3側には保持軸5が設けられており、保持軸5には裏蓋
1を上方に付勢する裏蓋スプリングSP5が設けられて
いる。
【0017】ホディ2の側面部には、図2に示すように
裏蓋1に係止する裏蓋ロックレバーLH,ロックレバー
スプリングSP1,裏蓋ロック検知スイッチSW2等が
設けられている。裏蓋ロックレバーLHの下端には、レ
バーLHと連動するように、後述するロックレバー連動
レバーLCが係止されている。ロックレバースプリング
SP1は、図1中のスプリング側側面部9及び図2に示
すように、裏蓋ロックレバーLHを下方(矢印md方向)
に付勢するように、ボディ2及び裏蓋ロックレバーLH
に取り付けられている。同図中、裏蓋1が開いたときの
裏蓋ロックレバーLHの位置を二点鎖線で示し、裏蓋1
が閉じたときの位置を実線で示す。裏蓋ロック検知スイ
ッチSW2は、裏蓋1の閉じ状態で裏蓋ロックレバーL
Hに押されてONするようになっている。
【0018】カートリッジ室3内には、図1に示すよう
にカートリッジ在否検知スイッチSW1が設けられてい
る。フィルムカートリッジ70が、同図に示すようにカ
ートリッジ室3内に装填されると、図10(A)に示すよ
うにフィルムカートリッジ70の側面でカートリッジ在
否検知スイッチSW1が押されてON状態となり、フィ
ルムカートリッジ70がカートリッジ室3内から取り出
されると、図10(B)に示すようにOFF状態となる。
【0019】カートリッジ室3の底面には、図1に示す
ようにスプールドライバー20がカートリッジ室3底面
上に突出するように設けられている。スプールドライバ
ー20は、円筒状嵌合部22とスプールドライバーキー
24とから成っている。同図に示すように、スプールド
ライバーキー24は円筒状嵌合部22内に設けられてお
り、その凸部24aが円筒状嵌合部22に形成されてい
るキー穴22aに嵌合し、給送モーター7によって円筒
状嵌合部22と一体に回転可能で、上下方向(即ち、軸
方向)にのみ摺動自在となっている。
【0020】また、スプールドライバーキー24をカー
トリッジ室3側に突出する方向に付勢するキースプリン
グSP4がスプールドライバーキー24の下に設けられ
ており、フィルムカートリッジ70装填時にスプールド
ライバーキー24のみが退避可能になっている。つま
り、スプールドライバーキー24はスプリングSP4で
上方向に付勢されているので、フィルムカートリッジ7
0装填時に凸部24aの位置と前記スプール用係合部7
1(図12)のキー溝71aの位置とが一致しないと、ス
プールドライバーキー24のみが下方向に押し下げられ
た状態で、円筒状嵌合部22がスプール用係合部71の
軸嵌合穴71bに軸嵌合することになる。
【0021】スプールドライバー20は、その下部でカ
ートリッジ室3底面下に配されたスプールドライバーギ
ア26と一体に形成されており、ボディ2の一部を成す
ケース6とスプールドライバーギア26との嵌合状態
で、回転自在に位置決めされている。なお、このスプー
ルドライバーギア26の回転中心は、ロックレバー連動
レバーLCの回転中心と同一である。
【0022】このスプールドライバーギア26の上面に
はカムCA,CBが設けられており、下面にはカムCD
が設けられている。また、カートリッジドライバーギア
26の下面にはエンコーダ接片28が固定されており、
ケース6上にカートリッジドライバーギア26の下面全
周と対向するように設けられているエンコーダ基板29
と接するようになっている。
【0023】また、カートリッジ室3の底面下にはフィ
ルム巻上げ/巻戻し用の給送モーター7(図1中で模式
的に示す。)が設けられている。給送モーター7の回転
はスプールドライバーギヤ26に伝達され、それによっ
てスプールドライバー20が回転する。カートリッジド
ライバーギア26が回転すると、ギア26に固定のエン
コーダ接片28が、ケース6に固定のエンコーダ基板2
9に対して摺動し、その接触点位置からスプールドライ
バーキー24の凸部24aの位置(即ち、スプールドラ
イバー20の回転角度位置)が検知される。以上のよう
に、給送モーター7,スプールドライバー20,スプー
ルドライバーギア26等から成るフィルム給送手段によ
って、カートリッジスプール72を回転させることによ
りフィルムカートリッジ70内外へのフィルム給送が行
われる。
【0024】フィルム巻戻し後、前記エンコーダ接片2
8等によって検知されるスプールドライバー20の回転
角度位置に基づいて、フィルムカートリッジ70の使用
状態に応じた回転停止位置にカートリッジスプール72
が合わせられる。このときの回転停止位置が、フィルム
カートリッジ70の使用状態を前記表示窓D2又はD3
で表示することになる。なお、使用済状態のフィルムカ
ートリッジ70をカートリッジ室3内に間違って装填し
た場合には、カメラの制御回路(不図示)が、前記データ
ディスク73のデータ読み取り開始位置の情報から、使
用済状態のフィルムカートリッジ70であると判定し、
給送モーター7がフィルム給送動作を行わないように制
御する。
【0025】また、カートリッジ室3の底面には、図1
に示すようにドアドライバー10がカートリッジ室3底
面上に突出するように設けられている。ドアドライバー
10にはドアドライバーキー12が一体に形成されてお
り、カートリッジ室3内でドアドライバーキー12が前
記ドア用係合部74(図12)のキー溝74aと嵌合する
ことにより、ドアドライバー10とカートリッジドア7
5とが係合状態となる。カートリッジドア75の開閉
は、前記係合状態にあるドアドライバー10により、ス
プールドライバーギア26等と連動して行われる。ま
た、ドアドライバー10にはピンPA,PB,PCが設
けられており、トグルスプリングから成るドアドライバ
ー駆動スプリングSP3で所定方向に付勢されている。
【0026】ドアドライバー10には、次のような動作
が要求される。即ち、第1に、カートリッジ装填時には
カートリッジドア75と正常に噛み合うように待機位置
で待機すること、第2に、カートリッジ装填後フィルム
FLを送り出す前に、カートリッジドア75を開き位置
まで駆動すること、第3に、フィルム巻戻し完了後、裏
蓋1が開く前に、カートリッジドア75を閉じ切り位置
まで駆動することが要求される。
【0027】本実施例では、これらの動作のうち、カー
トリッジドア75を閉じ位置まで駆動する動力源として
前記ドアドライバー駆動スプリングSP3を用い、カー
トリッジドア75を開き位置まで駆動する動力源及びド
アドライバー10を待機位置まで駆動する動力源とし
て、前記給送モーター7を用いる。
【0028】図1に示す係止レバーLDは、カートリッ
ジドア75を前記待機位置に位置させるために、ドアド
ライバー10の係止を行うものである。図11に示すよ
うに、係止レバーLD上に設けられているボス8には、
ねじりコイルスプリングから成る係止レバースプリング
SP2が引っかけられており、この係止レバースプリン
グSP2によって、係止レバーLDは矢印m7方向に付
勢されている。
【0029】このように、本実施例ではドアドライバー
10の待機位置精度を正確に保つために、ドアドライバ
ー10の待機位置での保持を係止レバーLDで行う係止
レバー方式を採用している。従って、精度的に達成可能
であれば、係止レバーLDの代わりに前記スプールドラ
イバーギア26上にカムを設け、そのカムで直接保持す
るようにしてもよい。
【0030】また、図1に示すように、カートリッジ室
3の底面には、光学式のセンサであるフォトリフレクタ
PR1が設けられている。先に述べたように、フォトリ
フレクタPR1は、前記データディスク73のバーコー
ドから各種フィルム情報を読み取るとともに、その読み
取り開始位置の情報からフィルムカートリッジ70の使
用状態を検知する。なお、図1には示されていないが、
ケース6上には後述するストッパーSA,SB,SD
(図5等)が設けられている。
【0031】次に、カートリッジ室3外へのフィルムカ
ートリッジ70の取り出しから新たなフィルムカートリ
ッジ70の装填、撮影終了後のフィルム巻上げ完了に至
るまでの本実施例の第1動作〜第5動作の概略を、図3
〜図9に基づいて説明する。給送モーター7等の各部の
動作制御は、先に述べたようにカートリッジ在否検知ス
イッチSW1,裏蓋ロック検知スイッチSW2,フォト
リフレクタPR1及びエンコーダ基板29からの信号に
基づいて、カメラ本体に設けられている制御回路(不図
示)によって行われる。
【0032】図5〜図9は、本実施例の第1動作状態〜
第5動作状態を示すボディ2の底面図である。図3は、
各動作状態におけるキー溝71aとスプールドライバー
キー24との噛み合いの位置関係を示しており、同図
(A)〜(E)は第1動作状態〜第5動作状態におけるスプ
ール用係合部71及びドア用係合部74の回転角度位置
を示しており、同図(a)〜(e)は第1動作状態〜第5動
作状態におけるスプールドライバーキー24の回転角度
位置を示している。また、図4(A)はカートリッジドア
75の閉じきり位置(フィルムカートリッジ70取り出
し前)、同図(B)はドアドライバー10の待機位置、同
図(C)はカートリッジドア75の開き位置におけるドア
ドライバーキー12とキー溝74aとの位置関係を示し
ている。
【0033】まず、図5に示す第1動作状態から説明す
る。図2及び図5に示すように、手動操作で裏蓋ロック
レバーLHを矢印m1方向に移動させると、裏蓋1が開
かれてこの動作状態となる。フィルムカートリッジ70
は、フィルム巻戻し状態のままカートリッジ室3内に装
填された状態にある。スプールドライバー20は、使用
済表示窓D3(図13)で表示が行われるように、キー溝
71aを使用済位置P1(図3(A))に合わせてカートリ
ッジスプール72を停止させている。キー溝71aと係
合状態にあるスプールドライバーキー24の凸部24a
の位置も使用済位置P1(図3(a))で停止している。な
お、スプールドライバー20の回転停止位置の制御は、
先に説明したようにエンコーダ基板29とエンコーダ接
片28でスプールドライバーキー24の凸部24a位置
を検知することによって行われる。
【0034】第1動作状態では裏蓋1が開いていること
から、カートリッジドア75は図4(A)に示すように閉
じ状態(ドア閉じ切り位置)にある。図5に示すように、
ドアドライバー10はドアドライバー駆動スプリングS
P3によって左回り方向(矢印m3方向)に付勢されてい
るが、ケース6(図1)上のストッパーSBと当接した状
態でその回転が止められており、図4(A)に示すカート
リッジドア75の閉じ状態が保持されている。
【0035】図4(B)に示すように、キー溝74a内に
はドアドライバーキー12との間に左右にdだけクリア
ランスが設けられているので、このカートリッジドア7
5の閉じ状態においては、図4(A)に示すようにキー溝
74aの中心から左回り方向に角度θ1(=20°)の位
置まで回ってカートリッジドア75を閉じきるようにな
っている。なお、このとき係止レバーLDは、図5に示
すように係止レバースプリングSP2により右回り方向
(矢印m7方向)に付勢されているが、スプールドライバ
ーギア20上の係止レバー保持カムCDと当接した状態
でその回転が止められている。
【0036】図6は、第2動作状態を示している。上記
第1動作状態において裏蓋1が開かれたカートリッジ室
3内からフィルムカートリッジ70を取り出すと、カー
トリッジ在否検知スイッチSW1(図1)がOFF状態
(図10(B))となる。すると、前記制御回路によって給
送モーター7は逆転され、それによりスプールドライバ
ーギア26が図6中の左回り方向(矢印m4方向)に回転
し、それと共にスプールドライバーギア26と一体に形
成されているスプールドライバー20も同方向に回転す
る。
【0037】スプールドライバーギア26が、図6に示
すように矢印m4方向に回転することによって、スプー
ルドライバーギア26上のカムBがピンBを蹴り、ドア
ドライバー10を右回り方向(矢印m5方向)に回転させ
る。この時、同時に係止レバーLDの先端は、係止レバ
ー保持カムCDから外れ、係止レバースプリングSP2
の付勢力により右回り方向(矢印m7方向)回転させられ
た後、係止レバーストッパーSDと当接して停止する。
【0038】ドアドライバー10は、カムBによってド
アドライバー10の爪部R1が係止レバーLDの爪部R
2と当接しうるできるところまで右回り方向(矢印m5
方向)に回転させられるが、その後カムBとピンBの係
合が離れると、ドアドライバー駆動スプリングSP3の
付勢力(矢印m3方向)で、ドアドライバー10は左回り
方向(矢印m6方向)に戻るように回転させられる。そし
て、図6に示すように係止レバーLDの爪部R2で左回
転を阻止された状態で保持される。
【0039】ところで、図3(B)に示すように、使用途
中状態のフィルムカートリッジ70のキー溝71aは、
使用済位置P1から右回りに角度β1(=45°)回転した
位置P2にあり、未使用状態のフィルムカートリッジ7
0のキー溝71aは、使用途中位置P2から更に右回り
に角度β2(=45°)回転した位置P3にあるように、ス
プール用係合部71の回転停止位置が決められている。
一方、第2動作状態でのスプールドライバーキー24の
回転停止位置は、図3(b)に示すように、第1動作状態
から角度α1(=70°)だけ左回り方向(矢印m4方向)
に回転し停止した位置であり、このとき凸部24aは待
機位置P5に位置している。従って、未使用状態又は使
用途中状態のフィルムカートリッジ70をカートリッジ
室3に装填しても、凸部24aとキー溝71aとは噛み
合わず、円筒状嵌合部22が軸嵌合穴71bに軸嵌合し
た状態となるにすぎない。なお、図3(B)に示すフィル
ムカートリッジ70は未使用状態であるので、キー溝7
1aと凸部24aとの回転角度位置の差はα1+β1+β
2(=160°)である。
【0040】このように、本実施例では、使用済位置P
1,使用途中位置P2,未使用位置P3の3ポジションう
ちのいずれかにキー溝71aが位置するときの状態を、
カートリッジスプール72の回転停止位置としているの
に対し、第2動作状態では凸部24aを上記3ポジショ
ンのいずれとも噛み合わない待機位置P5に位置させて
いる。しかし、先に述べたように、使用済状態のフィル
ムカートリッジ70がカートリッジ室3内に装填され、
スプールドライバーキー24がキー溝74aに嵌合して
も、給送動作を行わないように制御されるので、凸部2
4aが使用済位置P1に位置した状態で待機する構成と
しても使用者はこれに気づくので問題は生じない。従っ
て、凸部24aの待機位置が使用途中位置P2,未使用
位置P3の2ポジション以外の位置であれば、スプール
ドライバーキー24の待機位置は制限されない。つま
り、待機位置では、使用可能なフィルムカートリッジ7
0のカートリッジスプール72と噛み合わないように、
スプールドライバーキー24の回転停止位置を決めれば
よい。
【0041】また、図6に示す第2動作状態でのドアド
ライバー10の回転停止位置は、図4(B)に示すように
キー溝74aの中央位置で停止した位置である。このよ
うにキー溝74aとの間に左右のクリアランスdがある
状態でドアドライバーキー12が待機しているため、フ
ィルムカートリッジ70をカートリッジ室3内に装填す
る際に、ドアドライバーキー12をキー溝74aにスム
ーズに嵌合させることができる。
【0042】このように、本実施例ではドア閉じ切り位
置(図4(A))に駆動された状態のドアドライバー10と
カートリッジドア75との係合が外されると、ドアドラ
イバー駆動スプリングSP3がドアドライバー10をド
ア閉じ切り位置からカートリッジドア75に対する所定
の待機位置(図4(B))へ駆動するので、フィルムカート
リッジ装填時に、ドアドライバー10をカートリッジド
ア75とスムーズに係合させることができる。しかも、
かかる動作はカメラの給送モーター7等を利用した簡単
な機構,構成で実現可能であるため、コスト/スペース
への影響を最小限に抑えることができる。
【0043】また、給送モーター7の力を利用する構成
となっているので、裏蓋開閉操作力等に影響を与えず
に、ドアドライバー10をドア閉じ切り位置(図4(A))
から待機位置(図4(B))へ戻すことができる。そして、
ドア閉じ切り位置(図4(A))から待機位置(図4(B))へ
のドアドライバー10の駆動は、カートリッジドア75
とドアドライバー10との係合が外れた後に行われるの
で、裏蓋1が開いた状態でカートリッジドア75が開か
れることはない。
【0044】本実施例では、カートリッジ存否検知スイ
ッチSW1からの信号が、カートリッジ有(スイッチS
W1がON)からカートリッジ無(スイッチSW1がOF
F)へ変化したことに基づいて、給送モーター7を逆転
させることにより、ドアドライバー10をドア閉じ切り
位置から待機位置へ駆動するようにしているが、裏蓋ロ
ック検知スイッチSW2からの信号が裏蓋閉(スイッチ
SW2がON)から裏蓋開(スイッチSW2がOFF)に
変化したことに基づいて、給送モーター7を逆転させる
ことにより、ドアドライバー10をドア閉じ切り位置か
ら待機位置に駆動するようにしてもよい。なお、この場
合には、裏蓋ロック検知スイッチSW2がOFF状態で
もカートリッジ室3内にフィルムカートリッジ70が装
填されている可能性があるので、裏蓋1を開くと同時に
(又は所定時間経過後に)フィルムカートリッジ70を押
し出してスプールドライバー20とカートリッジスプー
ル72との係合を解除する機構(例えば、イジェクト機
構)を設けたり、裏蓋ロック検知スイッチSW2がOF
Fしてから所定時間経過後(例えば、1秒後)に給送モー
ター7の回転をスタートさせる遅延機構を設けたりする
のが好ましい。
【0045】図7は、第3動作状態を示している。上記
第2動作状態にあるカートリッジ室3内にフィルムカー
トリッジ70を装填し、図2に示すように裏蓋1を閉じ
ると、ボディ2の係止部2aと係止状態にある係止部L
Hbが、裏蓋1の当接部1bに押されて係止が解除され
る。その結果、裏蓋ロックレバーLHが、ロックレバー
スプリングSP1の付勢力(矢印md方向)により、図2
中の実線で描かれた位置に回動する(図2,図7中の矢
印m2方向)。裏蓋ロックレバーLHの回動とともに、
その係止部LHaが裏蓋1の係止部1aに係止する。こ
のとき、裏蓋ロックレバーLHが裏蓋ロック検知スイッ
チSW2と当接するためスイッチSW2がON状態とな
り、また、図7に示すようにロックレバー連動レバーL
Cが左回り方向(矢印m4方向)に回転する。その結果、
ロックレバー連動レバーLCのカム面CCが、ピンCか
ら離れる方向へ移動することになる。なお、第3動作状
態ではカートリッジスプール72及びスプールドライバ
ー20は移動しないので、図3(C),(c)に示すように
スプール用係合部71及びスプールドライバーキー24
の回転角度位置は変わらない。
【0046】図8は第4動作状態を示している。上記第
3動作状態において裏蓋ロック検知スイッチSW2がO
N状態となったため、前記制御回路によって給送モータ
ー7が逆転される。給送モーター7の逆転によって、ス
プールドライバーギア26が図8中の左回り方向(矢印
m4方向)に回転し、それとともにスプールドライバー
20(図1)も回転する。
【0047】第4動作状態でのスプールドライバーキー
24の回転停止位置は、図3(d)に示すように使用済位
置P1(図3(a))から角度α2(=190°)回転した位置
である。つまり、位置P5(図3(c))にある凸部24a
が、回転角度α2−α1(=120°)だけ左回り方向(矢
印m4方向)に回転した位置P4である。
【0048】図3(d)に示すように、位置P4(図3
(d))に凸部24aが位置しているスプールドライバー
キー24は、更に80°(=360°−α2−β1−β2)
左回り(矢印m4方向)に回転を続け、未使用位置P3
あるキー溝71aに凸部24aを嵌合させる。第4動作
状態においては、カートリッジドア75が既に開いてい
るので、図15(B)に示すようにカートリッジスプール
72のロックは解除されている。従って、スプールドラ
イバーキー24とカートリッジスプール72のキー溝7
1aとが噛み合った後もそのまま左回り(矢印m4方向)
に所定の回転角度だけ回転を続け、前記フォトリフレク
タPR1でデータディスク73から前記情報を読み取
る。なお、未使用位置P3での凸部24aとキー溝71
aとの嵌合が行われないために、データディスク73か
らデータを読み取ることができなかった場合には、更に
45°(=β2)以上左回り(矢印m4方向)に回転を続け
る。
【0049】データディスク73からのデータ読み取り
が完了したら、給送モーター7の回転を正転に切り換え
る。給送モーター7の正転によりスプールドライバーギ
ア26は矢印m3方向(右回転方向)に回転するので、ス
プールドライバー20と係合状態にあるカートリッジス
プール72はフィルム送り出し方向に回転することにな
る(スラスト動作)。
【0050】なお、第4動作状態からすぐに正転させる
ようにしてもよい。その場合、図3(d)の状態から回転
角度α2+β1+β2(=280°)だけスプールドライバ
ーキー24が回転した時に、凸部24aが未使用位置P
3に到達してキー溝71aに嵌合し、スプールドライバ
ー20がカートリッジスプール72と係合状態となるの
で、それからデータディスク73からデータ読み取りを
行うようにする。
【0051】一方、スプールドライバーギア26は、図
8に示すように矢印m4方向に回転することによって、
スプールドライバーギア26上のカムCAがピンPAを
蹴り、ドアドライバー駆動スプリングSP3の付勢力
(図6中の矢印m3方向)に抗してドアドライバー10を
右回り方向(矢印m5方向)に回転させる。ドアドライバ
ー駆動スプリングSP3はトグルスプリングであるた
め、カムCAとピンPAの係合が離れた後、ドアドライ
バー10はドアドライバー駆動スプリングSP3の付勢
力(矢印m5方向)によって自力で右回転し、ストッパー
SAに当たって停止させられる。
【0052】このようにドアドライバー10が回転する
ので、ドアドライバーキー12は、図4(C)に示すよう
に待機位置(同図(B))から角度θ2(=70°)だけ右回
り方向(矢印m5方向)に回転してドアドライバー75を
開き状態とする。なお、ドアドライバーキー12は、待
機位置にある図4(B)の状態からクリアランスdの回転
角度(図4(A)中のθ1と同じ大きさ)だけ空回りしてか
らキー溝74aの内壁を押すことになるので、カートリ
ッジドア75の開閉角度の大きさは図3(D)に示すよう
にθ3(=θ2−θ1=50°)ということになる。
【0053】また、図8に示すように、ドアドライバー
10の回転によって、ドアドライバー10のカム面CE
(図7)が係止レバーLDを係止レバースプリングSP2
の付勢力に抗して矢印m8方向(左回転方向)に回転さ
せ、ドアドライバー10と係止状態となるように、係止
レバーLDを係止レバー保持カムCDの回転軌跡外に移
動させる。
【0054】このように本実施例では、カートリッジ室
蓋1が閉じられると、フィルム給送モーター7,スプー
ルドライバー20等のフィルム給送手段でドアドライバ
ー10を駆動することにより、カートリッジドア75を
開けるように構成しているので、動力源として強いスプ
リングを用いる必要はない。従って、カートリッジ室蓋
1の開閉操作力量を重くすることなく、簡単な構成でカ
ートリッジドア75を開けることができる。しかも、カ
メラの動作シーケンスの変更と、既存部品の形状変更だ
けで対応できるため、余分なコストやスペースなしに実
現可能である。
【0055】また、カートリッジドア75の開き動作
は、凸部24aがキー溝71aに嵌合することによりス
プールドライバー20がカートリッジスプール72と係
合状態となるまでに行われるので、カートリッジドア7
5の閉じ状態でカートリッジスプール72がロックされ
ていることは問題とならない。また、カートリッジドア
75の開き動作の動力源が給送モーター7であるため、
ロックレバースプリングP1やドアドライバー駆動スプ
リングSP3等の力を強くする必要はなく、裏蓋開閉操
作の操作力量を軽くすることができる。
【0056】本実施例では、カートリッジドア75を開
くために、給送モーター7を逆転させることにより、カ
ートリッジスプール72をフィルム送り出し方向(スラ
スト方向)に回転させているが、給送モーター7を正転
させてカートリッジドア75を開くように構成してもよ
い。但し、給送モーター7を正転させる構成では他の構
成要素との整合をとるために機構が複雑化するのに対
し、給送モーター7を逆転させる方が構成を簡素化しう
るというメリットがある。また、スプールドライバー2
0がカートリッジスプール72に係合するまでは正転,
逆転のいずれの場合でも問題はないが、係合後にそのま
ま正転を続ける場合にはフィルムFLが送り出されてし
まうので正転量は制限されるのに対し、係合後にそのま
ま逆転を続ける場合には逆転量に対する制約条件はない
というメリットがある。
【0057】図9に示す第5動作状態は、第4動作状態
から撮影,フィルム巻上げ(矢印m3方向)及びフィルム
巻戻し(矢印m4方向)が完了し、凸部24aが使用済位
置P1に位置するように給送モーター7でスプールドラ
イバー20を回転させた状態である。
【0058】この第5動作状態において、カメラの裏蓋
ロック解除操作を行う。つまり、図2に示すように裏蓋
ロックレバーLHを手動で右側(矢印m1方向)に移動さ
せる。すると、係止部LHaと係止部1aとの係止が外
れるとともに、係止部LHbが係止部2aに係止する。
裏蓋1は、図1に示すスプリングSP5の付勢力によっ
て矢印mU方向に開き、図2に示す裏蓋ロックレバーL
Hが裏蓋ロック検知スイッチSW2から離れ、そのため
裏蓋ロック検知スイッチSW2はOFF状態となる。
【0059】一方、図9に示すように、裏蓋ロックレバ
ーLHに連動して、ロックレバー連動レバーLCが右回
り方向(矢印m3方向)に回転する。すると、カム面CC
がピンPCを押し、ドアドライバー10をドアドライバ
ー駆動スプリングSP3の付勢力(矢印m5方向)に抗し
て左回り方向(矢印m3方向)に回転させる。トグルスプ
リングであるドアドライバー駆動スプリングSP3によ
り、ドアドライバー10は図5に示すようにストッパー
SBに当接するまで左回り方向(矢印m3方向)に回転す
る。
【0060】このときのドアドライバー10の回転(矢
印m3方向)によって、カートリッジドア75は閉じ切
り位置(図4(A))まで回動することになる。このドア閉
じ動作は、図4(C)から図4(A)への動きと対応する。
従って、カートリッジドア75を閉じる際のドアドライ
バー10の回転角度の大きさは、θ1+θ2(=90°)で
ある。但し、開き状態(図4(C))から2・θ1(=40°)
分の回転はクリアランス(2・d)を移動する空回り動作
となるため、その間、カートリッジドア75は回動せ
ず、キー溝74aの内壁に当接した後の回転(回転角度
=50°=θ1+θ2−2・θ1)によって、カートリッジ
ドア75は閉じ切られる。
【0061】このようにフィルム巻戻し完了後に、カー
トリッジ室蓋1のロック解除操作が行われると、ドアド
ライバー駆動スプリングSP3がドアドライバー10を
カートリッジドア75のドア閉じ切り位置まで駆動する
ので、確実にカートリッジドア75を閉じることができ
る。例えば、図4(B)に示すように、キー溝74aとド
アドライバーキー12とのクリアランスdを大きくとる
ことにより、その係合をスムーズに行いうるようにして
も、カートリッジドア75を確実に閉め切ることが可能
である。
【0062】一方、上記のようにドアドライバー10が
回転することにより、カム面CEも回転して係止レバー
LDから逃げることになる。従って、係止レバーLDは
係止レバースプリングSP2の付勢力(矢印m7方向)に
よって、その先端が係止レバー保持カムCDに当接する
まで右回り方向(矢印m7方向)に回転する。以上のよう
にして図5の第1動作状態に復帰する。
【0063】なお、カートリッジドア75の開・閉動作
を共に給送モーター7で行うようにすると、開閉切換え
のためのアクチュエータ等の別機構が必要になるため、
機構が複雑化するおそれがあるが、本実施例ではカート
リッジドア75の開き動作の動力源を給送モーター7と
し、閉じ動作の動力源をドアドライバー駆動スプリング
SP3としているので、開閉切換えのためのアクチュエ
ータ等は不要であり、機構も簡単なものとなっている。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
ートリッジ室蓋が閉じられると、フィルム給送手段でド
ライバーを駆動することにより、カートリッジドアを開
ける構成となっているので、カートリッジドアを開くた
めのカートリッジ室蓋とのメカ連動は不要であり、カー
トリッジドア開閉用の動力源として強いスプリングを用
いる必要もない。従って、カートリッジ室蓋の開閉操作
力量を重くすることなく、簡単な構成でカートリッジド
アを開けることができるフィルムカートリッジドア開閉
装置を実現することができる。しかも、カメラの動作シ
ーケンスの変更や既存部品の形状変更だけで対応できる
ため、余分なコストやスペースなしに実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例が適用されたカメラのカートリ
ッジ室本体の構造を正面側から見た状態を示す断面図。
【図2】本発明の実施例が適用されたカメラのカートリ
ッジ室本体の構造を側面側から見た状態を示す断面図。
【図3】図12〜図14に示すフィルムカートリッジの
スプール用係合部と、本発明に係る実施例のスプールド
ライバーキーとの回転角度の位置関係を各動作ごとに示
す斜視図。
【図4】図12〜図14に示すフィルムカートリッジの
カートリッジドアの開閉動作を断面的に示す説明図。
【図5】本発明の実施例の第1動作状態を示すカートリ
ッジ室本体の底面図。
【図6】本発明の実施例の第2動作状態を示すカートリ
ッジ室本体の底面図。
【図7】本発明の実施例の第3動作状態を示すカートリ
ッジ室本体の底面図。
【図8】本発明の実施例の第4動作状態を示すカートリ
ッジ室本体の底面図。
【図9】本発明の実施例の第5動作状態を示すカートリ
ッジ室本体の底面図。
【図10】本発明に係る実施例のカートリッジ在否検知
スイッチのON/OFF動作状態を正面側から断面的に
示す説明図。
【図11】本発明に係る実施例の係止レバーと係止レバ
ースプリングとの取付け状態を示す外観斜視図。
【図12】本発明の実施例が適用されたカメラに使用可
能なフィルムカートリッジをデータディスク側から見た
状態を示す外観斜視図。
【図13】本発明の実施例が適用されたカメラに使用可
能なフィルムカートリッジを表示窓側から見た状態を示
す外観斜視図。
【図14】本発明の実施例が適用されたカメラに使用可
能なフィルムカートリッジの横断面図。
【図15】図12〜図14に示すフィルムカートリッジ
のカートリッジスプールのロック,ロック解除及びフィ
ルム給送状態を断面的に示す説明図。
【符号の説明】
1 …カートリッジ室蓋(裏蓋) 1a…係止部 1b…当接部 2 …カートリッジ室本体(ボディ) 2a…係止部 3 …カートリッジ室 4 …蓋軸 5 …保持軸 6 …ケース 7 …給送モーター 8 …ボス 9 …スプリング側側面部 10 …ドアドライバー 12 …ドアドライバーキー 20 …スプールドライバー 22 …円筒状嵌合部 22a…キー穴 24 …スプールドライバーキー 24a…凸部 26 …スプールドライバーギア 28 …エンコーダ接片 29 …エンコーダ基板 PR1 …フォトリフレクタ LH …裏蓋ロックレバー LHa…係止部 LHb…係止部 SW1 …カートリッジ在否検知スイッチ SW2 …裏蓋ロック検知スイッチ PA …ピン CA …カム SA …ストッパー PB …ピン CB …カム SB …ストッパー LC …ロックレバー連動レバー PC …ピン CC …カム面 LD …係止レバー CD …係止レバー保持カム SD …ストッパー CE …カム面 SP1 …ロックレバースプリング SP2 …係止レバースプリング SP3 …ドアドライバー駆動スプリング SP4 …キースプリング SP5 …裏蓋スプリング R1 …爪部 R2 …爪部 70 …フィルムカートリッジ 71 …スプール用係合部 71a…キー溝 71b…軸嵌合穴 72 …カートリッジスプール 72a…突起部 73 …データディスク 74 …ドア用係合部 74a…キー溝 75 …カートリッジドア 75a…軸部分 75b…係止部分 76 …カートリッジ外殻 77 …表示用ディスク 78 …フィルム出入口 79 …スプールロックレバー 79a…突起部 D1 …未使用表示窓 D2 …使用途中表示窓 D3 …使用済表示窓 FL …フィルム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カートリッジスプールと,該カートリッジ
    スプールに巻かれたフィルムをフィルム出入口において
    遮光するカートリッジドアとを備えたフィルムカートリ
    ッジが装填されるカートリッジ室と, 該カートリッジ室を閉じるカートリッジ室蓋と, 前記カートリッジスプールを回転させることによりフィ
    ルムカートリッジ内外へのフィルム給送を行うフィルム
    給送手段とを有するカメラにおいて、 前記カートリッジ室内で前記カートリッジドアの係合部
    と係合するドアドライバーと, 前記カートリッジ室蓋が閉じられたとき、これに連動し
    前記フィルム給送手段の駆動力を前記ドアドライバー
    に与えて前記カートリッジドアの開放を行わせる駆動手
    段とを備えたことを特徴とするカメラのフィルムカート
    リッジドア開閉装置。
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