JP3343725B2 - 構造物補強方法 - Google Patents

構造物補強方法

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JP3343725B2
JP3343725B2 JP21536198A JP21536198A JP3343725B2 JP 3343725 B2 JP3343725 B2 JP 3343725B2 JP 21536198 A JP21536198 A JP 21536198A JP 21536198 A JP21536198 A JP 21536198A JP 3343725 B2 JP3343725 B2 JP 3343725B2
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康訓 松岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、橋脚等の構造物
を補強する方法であって、せん断耐力およびじん性を、
同時に高めて補強できる構造物補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、橋脚等の構造物を補強する手
段として、炭素繊維やアラミド繊維などの繊維シートを
貼着等することにより、せん断耐力を高めたり、じん性
を高めたりして、橋脚等の構造物を補強し、強化する手
段が用いられている。ここで、せん断耐力とは、せん断
力(部材の仮想断面に働く断面力の一つで、その面に沿
って働く力)に対する極限強さをいい、また、じん性と
は、ねばり強さ(じん性に富む材料は、弾性限度を超え
ても、破壊するまでに大きく変形することが可能であ
る)をいい、これらを高めることができれば、構造物の
変形性能が増加するため、耐震性が向上する。ところ
が、繊維シートで構造物の補強を行う場合、せん断耐力
を高めるためには、構造物の側面に付着力が大となるよ
うに貼着しなければならず、じん性を高めるためには、
構造物の側面に付着力が小となるように貼着しなければ
ならないので、相反することを行わなければならないた
め、従来は、どちらか一方を強化する手段がとられてき
た。したがって、強化されない方は、設計上構造物自体
を強化する等しなければならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、せん断耐力か
じん性のどちらか一方のみしか補強できない従来技術で
は、同時に補強できないため効率が悪いという問題があ
った。
【0004】また、構造物自体を強化することでせん断
耐力およびじん性を強化すること、または、強化されな
い方を構造物自体を強化することで補うことは、構造物
の材料自体にコストがかかり、さらには施工にもコスト
がかかってしまうという問題があった。
【0005】さらに、せん断耐力およびじん性の補強を
行わないことは、構造物が設計上十分な耐震性をもたな
いことから、大きな震災等が起きたときには、構造物が
崩れ落ちてしまう等危険であるという問題があった。
【0006】そこで、前記問題を解決するために、この
発明は、極めて簡易であり、効率的であり、コストもか
からない構造物補強方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、前記目的を解決
するために、この発明は、『構造物を補強する方法であ
って、構造物の側面を平滑になるように加工し、前記側
面に付着力大となるように、繊維シートを貼着し、前記
繊維シート上に、付着力を防止するように、付着力防止
部材を捲着し、前記付着力防止部材の上に、付着力小な
るように、繊維シートを捲着することにより、構造物の
せん断耐力およびじん性を補強する構造物補強方法。』
を提供するものである。
【0008】すなわち、この発明は、繊維シートと繊維
シートの間に付着力防止部材を介在させることにより、
両繊維シートの付着力を一方を大に、他方を小にさせる
ことができ、同時にせん断耐力とじん性を補強できるよ
うにしたことに特徴がある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の構造物補強方法
の実施の形態を図面に沿って説明する。図1は、この発
明の構造物補強方法の実施の形態を示す斜視図であり、
図2は、この発明の構造物の補強方法の力の作用関係を
示す横断面図である。
【0010】以下、図1及び図2に基づき、この発明の
実施の形態を説明する。この発明は、『構造物1を補強
する方法であって、構造物1の側面1aを平滑になるよ
うに加工し、前記側面1aに付着力大となるように、繊
維シート2を貼着し、前記繊維シート2上に、付着力を
防止するように、付着力防止部材3を捲着し、前記付着
力防止部材3の上に、付着力小なるように、繊維シート
4を捲着することにより、構造物のせん断耐力およびじ
ん性を補強する構造物補強方法。』を提供するものであ
る。
【0011】ここで、この発明に係る補強方法で補強で
きる構造物1は、橋脚等の一般的な構造物である。この
発明は、ほとんどの構造物に適用できるが、特に鉄筋コ
ンクリート等のコンクリート製の構造物に最適である。
コンクリートは脆性な材質であるため、ねばりが弱く、
破壊しやすいので、この発明に係る補強方法によって、
じん性を高めることにより、コンクリートの破壊直前、
または、破壊直後の構造物の変形性能を増すことができ
るからである。また、あわせて、この発明に係る補強方
法によって、せん断耐力も補強できるので、せん断力に
よるコンクリートの破壊を予防できるのである。
【0012】また、構造物1の側面1aは後述する繊維
シート2を付着力大となるように貼着できるように、表
面を平滑になるように加工しておく必要がある。後述す
る繊維シート2が付着力大となるように貼着するほう
が、構造物に発生したせん断力を、効果的に後述する繊
維シート2に伝達させることができるため、せん断耐力
を補強するには適しているからである。
【0013】また、繊維シート2または繊維シート4
は、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維やアラミド繊
維、ポリアミド繊維等の有機繊維等の高強度繊維の繊維
シートであれば、この発明に適用できる。ここで、前記
繊維シート2は、せん断耐力を補強するための補強部材
であり、前記繊維シート4は、じん性を補強するための
補強部材である。
【0014】前記繊維シート2は、硬度が高いほど、せ
ん断力を伝達することができるので、硬度の高い繊維を
用いるほうがこの発明には適している。また、厚さは厚
ければ厚いほど伝達できるせん断力が増すので適してい
るが、前記構造物1の使用状況等を考慮して適宜選択す
るのがよい。さらに、貼り方は、前記構造物1の側面1
aに付着力を大にして貼着するのがよい。前記構造物1
と前記繊維シート2とが固定されて一体化となり、前記
構造物1に発生したせん断力に対して、前記繊維シート
2がより効果的にせん断力を伝達することができること
により、せん断耐力の補強度を増すことができるからで
ある。
【0015】また、前記繊維シート4は、粘度が高いほ
ど(延びが大きいほど)じん性を発揮できるので、粘度
の高い繊維を用いるほうがこの発明には適している。ま
た、厚さは、厚ければ厚いほどじん性を発揮できるが、
前記構造物1の重量や使用状況等を考慮して適宜選択す
るのがよい。さらに、貼り方は、前記繊維シート2の上
に後述する付着力防止部材を介在させて、その上に付着
力を小さくして捲着するのがよい。付着力を小にするほ
うが、前記構造物1の脆性が伝わらず、前記繊維シート
4自体のじん性を発揮しやすいからである。
【0016】また、付着力防止部材3は、前記繊維シー
ト2と前記繊維シート4との間に介在される部材であ
り、付着力を大きくして前記構造物1の側面1aに貼着
された前記繊維シート2と前記繊維シート4を付着力を
小さくして捲着するための部材である。この発明に係る
補強方法の特徴として用いられる部材で、前記繊維シー
ト2または前記繊維シート4を前記構造物1に対して付
着力を大きくするのと、小さくするのを同時に行うため
に用いられる。
【0017】この付着力防止部材3は、例えば、表面が
なめらかなフィルムを捲着してもよいし、付着力を防止
できる剥離剤のようなものを塗布してもよい。
【0018】この発明の構造物補強方法を用いることに
よって、以下のような作用がある。図2(a)に示すよ
うに、例えば、地震による慣性力Fが前記構造物1に作
用したときに、前記構造物1の側面1aには、慣性力F
の方向にせん断力S1が発生しようとする。
【0019】ところが、前記繊維シート2が付着力大で
前記構造物1の側面1aに貼着されているので、前記繊
維シート2に引張力T1が発生し、それを押し戻そうと
して(縮もうとして)作用する逆向きの力(圧縮力)
が、前記せん断力S1の一部を負担する。
【0020】したがって、前記構造物1の側面1aに
は、前記せん断力S1から前記引張力T1だけ小さいせ
ん断力S2が生じることとなり、前記地震による慣性力
Fが前記構造物1に作用した場合でも、前記構造物1に
は前記せん断力S1に対して余裕が生じ、前記構造物1
のせん断耐力が補強される。
【0021】また、図2(b)に示すように、例えば地
震による慣性力Fが前記構造物1に作用すると、前記構
造物1の側面1bに配置されている軸方向鉄筋Cが座屈
し、かぶりコンクリートDが慣性力Fの方向に(外方
に)押し出されようとする。
【0022】このとき、前記繊維シート4が弾性力T2
を発揮し、それにより生じる反力(繊維シート4が縮も
うとする力)により、側面1bを押さえつけようとする
力T3が生じるため、前記軸方向鉄筋Cが座屈すること
や、かぶりコンクリートDが押し出されるのを抑えるこ
とができ、前記構造物1のじん性が補強される。
【0023】したがって、大きな地震のような慣性力F
が複数方向にかかるような場合、この発明に係る構造物
補強方法を利用することにより、せん断耐力とじん性が
同時に補強されるため、効果的に前記構造物1を補強す
ることができる。
【0024】
【発明の効果】この発明の方法によれば、橋脚等の構造
物のせん断耐力とじん性を同時に補強できるので、効率
的であり、構造物の強度が増加するため、極めて安全で
ある。例えば、大きな地震があった場合などは特に有効
である。
【0025】また、必要な繊維シートの枚数を低減で
き、簡易に実施できるので、材料自体のコストがかから
ず、施工期間も低減できるため、コストダウンを図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構造物補強方法の実施の形態を示す
斜視図である。
【図2】この発明の構造物補強方法の力の作用関係を示
す横断面図である。
【符号の説明】
1 構造物 1a 側面 1b 側面 2 繊維シート 3 付着力防止部材 4 繊維シート F 慣性力 S1 せん断力 S2 せん断力 T1 引張力 T2 弾性力 T3 押さえつけようとする力 C 軸方向鉄筋 D かぶりコンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀口 賢一 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−97460(JP,A) 特開 平9−78848(JP,A) 特開 平10−61206(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02 B32B 5/08 B32B 13/14 E04C 5/07 E01D 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物を補強する方法であって、 構造物の側面を平滑になるように加工し、 前記側面に付着力大となるように、繊維シートを貼着
    し、 前記繊維シート上に、付着力を防止するように、付着力
    防止部材を捲着し、 前記付着力防止部材の上に、付着力小なるように、繊維
    シートを捲着することにより、構造物のせん断耐力およ
    びじん性を補強する構造物補強方法。
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