JP3343218B2 - 演算増幅器 - Google Patents

演算増幅器

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JP3343218B2 JP25508498A JP25508498A JP3343218B2 JP 3343218 B2 JP3343218 B2 JP 3343218B2 JP 25508498 A JP25508498 A JP 25508498A JP 25508498 A JP25508498 A JP 25508498A JP 3343218 B2 JP3343218 B2 JP 3343218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、MOS型
の電界効果トランジスタ(以下、「FET」という)等
の半導体集積回路で構成され、Pチャネル型MOSFE
T(以下、「PMOS」という)及びNチャネル型MO
SFET(以下、「NMOS」という)からなる相補型
MOSFET(以下、「CMOS」という)のプッシュ
プル型出力段等を持つ演算増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来のプッシュプル型出力段を
持つ演算増幅器の一構成例を示す回路図である。この演
算増幅器は、逆相入力電圧VIaと正相入力電圧VIb
との差を増幅して差動出力電圧VAを出力する差動段1
と、所定のレベルシフト電圧で該差動出力電圧VAのレ
ベルをシフトしてレベルシフト出力電圧VBを出力する
レベルシフト段2と、該差動出力電圧VA及びレベルシ
フト出力電圧VBによってオン、オフ動作して出力電圧
VOを出力するプッシュプル型出力段3とを備えてい
る。差動段1は、逆相入力電圧VIaを入力する逆相入
力端子1aと、正相入力電圧VIbを入力する正相入力
端子1bとを有し、これらの入力端子1a及び1bがそ
れぞれNMOS1c及び1dのゲートに接続されてい
る。NMOS1c及び1dのソースは、定電流源用のN
MOS1eのドレインに共通接続されている。NMOS
1eのソースはグランド(以下、「GND」という)
ードに接続され、ゲートにバイアス電圧VB1が印加さ
れる。NMOS1cのドレインは、PMOS1fのドレ
イン及びゲートに接続され、該PMOS1fのソースが
電源電位(以下、「VDD」という)ノードに接続され
ている。NMOS1dのドレインは、PMOS1gのド
レインに接続され、このドレインから差動出力電圧VA
が出力されるようになっている。PMOS1gのゲート
はPMOS1fのゲートに接続され、該PMOS1gの
ソースがVDDノードに接続されている。
【0003】レベルシフト段2は、ゲートがPMOS1
gのドレインに接続されたNMOS2aと、ゲートにバ
イアス電圧VB2が印加される定電流源用のNMOS2
bとを有し、これらのNMOS2a及び2bがVDD
ードとGNDノードとの間に直列接続され、該NMOS
2a,2bの接続点からレベルシフト出力電圧VBが出
力されるようになっている。出力段3は、ゲートがPM
OS1gのドレインに接続されたPMOS3aと、ゲー
トがNMOS2bのドレインに接続されたNMOS3b
とを有し、これらのPMOS3a及びNMOS3bがV
DDノードとGNDノードとの間に直列接続されてい
る。PMOS3aのドレイン及びNMOS3bのドレイ
ンは、出力電圧VOを出力するための出力端子3cに接
続されている。このような構成の演算増幅器では、逆相
入力端子1aに入力される逆相入力電圧VIaと、正相
入力端子1bに入力される正相入力電圧VIbとによっ
てNMOS1c及び1dがオン、オフ動作し、これらの
逆相入力電圧VIaと正相入力電圧VIbとの差が増幅
されて、PMOS1gのドレインから差動出力電圧VA
が出力される。この差動出力電圧VAにより、NMOS
2a及びPMOS3aがオン、オフ動作し、該NMOS
2aのオン、オフ動作によって差動出力電圧VAがレベ
ルシフトされ、該NMOS2aのソースからレベルシフ
ト出力電圧VBが出力され、NMOS3bがオン、オフ
動作する。これにより、NMOS3bのドレイン側の出
力端子3cから、増幅された出力電圧VOが出力され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
演算増幅器では、次のように消費電力とクロスオーバ歪
みの問題があり、これらを解決することが困難であっ
た。図2のような回路構成の場合、出力段3のVDD
ードからGNDノードに流れる貫通電流ISは、VDD
が高い時、及びPMOS3aとNMOS3bの閾値電圧
VTが低い時に増大して電力を浪費する。逆に、VDD
が低い時、及び閾値電圧VTが大きい時に、貫通電流I
Sが減少して0となってクロスオーバ歪みを発生する。
電力を浪費する場合の例を説明する。簡単のために、V
DD=5V、PMOS3aの閾値電圧VTP=1V、N
MOS3bの閾値電圧VTN=1V、PMOS3aとN
MOS3bは各ゲート・ソース間電圧Vgsが等しい時
にドレイン・ソース間電流Idsが等しくなると仮定す
る。
【0005】レベルシフト段2の電流をILF、該レベ
ルシフト段2のレベルシフト電圧をVLFとする。NM
OS2aが電流ILFを流すのに必要な該NMOS2a
のゲート・ソース間電圧Vgs(=VLF=VTN+
α)を1.2V程度とすれば、PMOS3aのゲート・
ソース間電圧VgsとNMOS3bのゲート・ソース間
電圧Vgsとが等しくなるためには、NMOS3bのゲ
ート・ソース間電圧Vgs=(VDD−VLF)/2=
(5−1.2)/2=1.9Vであればよい。この時、
NMOS3bが飽和領域であるから、出力段3をVDD
ノードからGNDノードに貫通する貫通電流ISは、次
式(1)のようになる。 IS=μ(NMOS3bのVgs−VTN)2 =μ(1.9−1)2 =0.81μA ・・・(1)
【0006】次に、VDD=6V、PMOS3aの閾値
電圧VTP=0.6V、NMOS3bの閾値電圧VTN
=0.6Vの場合を考える。αがほとんど変化しないと
すれば、VLF=VTN+α=0.8V程度となる。P
MOS3aのゲート・ソース間電圧VgsとNMOS3
bのゲート・ソース間電圧Vgsとが等しくなるために
は、該NMOS3bのゲート・ソース間電圧Vgs=
(6−0.8)/2=2.6Vであって、この時、貫通
電流ISは次式(2)のようになる。 IS=μ(2.6−0.6)2 =4μA ・・・(2) 即ち、(1)式と(2)式の条件では、4.94倍も出
力段3の貫通電流ISが変化する。クロスオーバ歪みを
発生する場合の例として、VDD=3V、PMOS3a
の閾値電圧VTP=1V、NMOS3bの閾値電圧VT
N=1V、PMOS3aとNMOS3bはこれらのゲー
ト・ソース間電圧Vgsが等しい時にドレイン・ソース
間電圧Idsが等しくなると仮定すると、VLF=VT
N+α=1.2V程度となる。PMOS3aのゲート・
ソース間電圧VgsとNMOS3bのゲート・ソース間
電圧Vgsとが等しくなるためには、NMOS3bのゲ
ート・ソース間電圧Vgs=(VDD−VFL)/2=
(3−1.2)/2=0.9Vであればよい。この時、
NMOS3bのゲート・ソース間電圧Vgs<VTNで
あるから、出力段3に貫通電流ISが流れず、クロスオ
ーバ歪みが発生する。本発明は、前記従来技術が持って
いた課題を解決し、低消費電力で、クロスオーバ歪みの
発生しない演算増幅器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のうちの第1の発明では、演算増幅器におい
て、バイアス回路と、差動段と、レベルシフト段と、プ
ッシュプル型の出力段とを備えている。前記バイアス回
路は、ダイオード接続された第1のトランジスタ、ダイ
オード接続された第2のトランジスタ、第1のバイアス
ノード、電圧降下によりバイアス電圧を生成する第1の
抵抗、前記バイアス電圧を出力する第2のバイアスノー
ド、及びダイオード接続された第3のトランジスタを有
している。そして、前記第1及び第2のトランジスタ
は、第1の電源電位ノードと前記第1のバイアスノード
との間に直列に接続され、前記第1の抵抗は、前記第1
のバイアスノードと前記第2のバイアスノードとの間に
接続され、前記第3のトランジスタは、前記第2のバイ
アスノードと第2の電源電位ノードとの間に接続されて
いる。前記差動段は、第1の入力電圧と第2の入力電圧
との差を増幅して差動出力電圧を出力するものである。
前記レベルシフト段は、前記差動出力電圧によって導通
状態が制御される第4のトランジスタ、第1のノード、
第2の抵抗、レベルシフト出力電圧を出力する第2のノ
ード、及び前記バイアス電圧によって導通状態が制御さ
れて一定電流を流す第5のトランジスタを有している。
そして、前記第4のトランジスタは、前記第1の電源電
位ノードと前記第1のノードとの間に接続され、前記第
2の抵抗 は、前記第1のノードと前記第2のノードとの
間に接続され、前記第5のトランジスタは、前記第2の
ノードと前記第2の電源電位ノードとの間に接続され、
前記第2の抵抗を流れる電流と該第2の抵抗の抵抗値と
の積によって制御されるレベルシフト電圧で前記差動出
力電圧のレベルをシフトして前記レベルシフト電圧を前
記第2のノードから出力する。 前記出力段は、前記差動
出力電圧によって導通状態が制御される第6のトランジ
スタ、出力ノード、及び前記レベルシフト出力電圧によ
って導通状態が制御される第7のトランジスタを有し、
前記第6のトランジスタは、前記第1の電源電圧ノード
と前記出力ノードとの間に接続され、前記第7のトラン
ジスタは、前記出力ノードと前記第2の電源電位ノード
との間に接続されている。 さらに、前記第1乃至第7の
トランジスタにおけるゲート長Lに対するゲート幅Wの
比の値をW/Lとして、前記第1のトランジスタのW/
Lと前記第6のトランジスタのW/Lとの比は、前記第
3のトランジスタのW/Lと前記第7のトランジスタの
W/Lとの比に実質的に等しく、かつ前記第3のトラン
ジスタのW/Lと前記第5のトランジスタのW/Lとの
比は、前記第2のトランジスタのW/Lと前記第4のト
ランジスタのW/Lとの比、及び前記第1の抵抗の抵抗
値と前記第2の抵抗の抵抗値との比に実質的に等しい。
【0008】第2の発明では、第1の発明の演算増幅器
において、前記第2のトランジスタはFETを用いて構
成されており、前記第2のトランジスタの基板は前記第
2のトランジスタのソースに接続されている。 第3の発
明では、第1の発明の演算増幅器において、前記第4の
トランジスタはFETを用いて構成されており、前記第
4のトランジスタの基板は前記第4のトランジスタのソ
ースに接続されている。 第3の発明では、第1の発明の
演算増幅器において、前記第2のトランジスタは、直列
接続された複数のFETにより構成されており、かつ前
記複数のFETにおける各々のゲートは、前記複数のF
ETの各々のドレインに接続されている。 第5の発明で
は、第4の発明の演算増幅器において、前記複数のFE
Tの各々 の基板は、前記複数のFETの各々のソースに
接続されている。 第6の発明では、第1の発明の演算増
幅器において、前記レベルシフト段における前記第4の
トランジスタと前記第2の抵抗との間には、複数の第8
のトランジスタが直列に接続され、前記複数の第8のト
ランジスタは、それぞれFETを用いて構成されてお
り、かつ前記複数の第8のトランジスタにおける各々の
ゲートは、前記複数の第8のトランジスタの各々のドレ
インに接続されている。 第7の発明では、第6の発明の
演算増幅器において、前記複数の第8のトランジスタの
各々の基板は、前記複数の第8のトランジスタの各々の
ソースに接続されている。
【0009】本発明では、以上のような構成を採用した
ことにより、バイアス回路で生成されたバイアス電圧が
のトランジスタに与えられ、この第のトランジス
タが定電流源として動作する。第1と第2の入力電圧が
差動段に入力されると、これらの第1と第2の入力電圧
の差が増幅されて差動出力電圧が出力される。差動出力
電圧は、レベルシフト段でレベルシフトされ、このレベ
ルシフト出力電圧が出力段へ与えられる。出力段では、
差動段から与えられた差動出力電圧によって第のトラ
ンジスタの導通状態が制御され、レベルシフト段から与
えられたレベルシフト出力電圧によって第のトランジ
スタの導通状態が制御され、この出力段の出力ノードか
ら該演算増幅器の出力電圧が出力される。
【0010】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 図1は、本発明の第1の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。この演算増幅器は、例えば、バイアス電圧
VB2を生成して出力するバイアス回路10と、第1の
入力電圧(例えば、逆相入力電圧)VIaと第2の入力
電圧(例えば、正相入力電圧)VIbとの差を増幅して
差動出力電圧VAを出力する差動段20と、所定のレベ
ルシフト電圧VLFで該差動出力電圧VAのレベルをシ
フトしてレベルシフト出力電圧VBを出力するレベルシ
フト段30と、該差動出力電圧VA及びレベルシフト出
力電圧VBによりオン、オフ動作して出力電圧VOを出
力するプッシュプル型出力段40とを備え、VDDが3
V程度以上のCMOS LSIで構成されている。
【0011】バイアス回路10は、ダイオード接続され
のトランジスタ(例えば、PMOS)11を有
し、このPMOS11のソースが第1の電源電位(例え
ば、VDD)ノードに接続され、ドレイン及びゲートが
共通接続されている。PMOS11のドレインには、
イオード接続されたのトランジスタ(例えば、NM
OS)12のドレイン及びゲートが接続され、このNM
OS12のソース側の第1のバイアスノードが第1の抵
抗13の一端に接続されている。抵抗13の他端側の第
2のバイアスノードには、第のトランジスタ(例え
ば、NMOS)14のドレイン及びゲートが接続され、
このNMOS14のソースが第2の電源電位(例えば、
GND)ノードに接続され、該NMOS14のゲートか
らバイアス電圧VB2を出力するようになっている。差
動段20は、逆相入力電圧VIaを入力する逆相入力端
子21と、正相入力電圧VIbを入力する正相入力端子
22とを有し、これらの入力端子21,22にそれぞれ
NMOS23,24のゲートが接続されている。NMO
S23のソース及びNMOS24のソースは、定電流源
用のNMOS25のドレインに共通接続され、このNM
OS25のソースがGNDに接続され、ゲートに所定の
バイアス電圧VB1が印加されるようになっている。N
MOS23のドレインは、PMOS26のドレイン及び
ゲートに接続され、このPMOS26のソースがVDD
に接続されている。PMOS26のゲートには、PMO
S27のゲートが接続され、このPMOS27のソース
がVDDに接続され、ドレインがNMOS24のドレイ
ンに接続され、該PMOS27のドレインから差動出力
電圧VAを出力するようになっている。
【0012】レベルシフト段30は、第4のトランジス
タ(例えば、NMOS)31を有し、このNMOS31
のゲートがPMOS27のドレインに接続され、該NM
OS31のドレインがVDDノードに接続され、ソース
が第1のノードN31に接続されている。ノードN31
は第2の抵抗32の一端に接続され、この抵抗32の他
端が第2のノードN32に接続されている。ノードN3
2には、定電流源用の第1のトランジスタ(例えば、N
MOS)33のドレインが接続され、このNMOS33
のソースがGNDノードに接続され、ゲートにバイアス
電圧VB2が印加され、該ノードN32からレベルシフ
ト出力電圧VBを出力するようになっている。出力段4
0は、差動出力電圧VAによって導通状態が制御される
のトランジスタ(例えば、PMOS)41と、レベ
ルシフト出力電圧VBによって導通状態が制御される第
のトランジスタ(例えば、NMOS)42とを有し、
これらがVDDノードとGNDノードとの間に直列接続
されている。PMOS41のドレイン及びNMOS42
のドレインには、出力ノード(例えば、出力端子43
が接続され、この出力端子43から出力電圧VOを出力
するようになっている。
【0013】次に、図1の演算増幅器の動作を説明す
る。VDDが印加されると、バイアス回路10内のNM
OS14のゲートからバイアス電圧VB2が出力されて
レベルシフト段30内のNMOS33のゲートに印加さ
れ、このNMOS33が定電流源として動作する。さら
に、図示しない回路から供給されるバイアス電圧VB1
が差動段20内のNMOS25のゲートに印加される
と、このNMOS25が定電流源として動作する。逆相
入力電圧VIaが逆相入力端子21に入力されると共
に、正相入力電圧VIbが正相入力端子22に入力され
ると、これらの入力電圧VIaとVIbの差が差動段2
0で増幅され、PMOS27のドレインから差動出力電
圧VAが出力される。この差動出力電圧VAによってレ
ベルシフト段30内のNMOS31の導通状態が制御さ
れ、所定のレベルシフト電圧VLFによって差動出力電
圧VAのレベルがシフトされ、このシフトされたレベル
シフト出力電圧VBがノードN32から出力される。出
力段40では、差動出力電圧VAによってPMOS41
の導通状態が制御されると共に、レベルシフト出力電圧
VBによってNMOS42の導通状態が制御され、出力
端子43から増幅された出力電圧VOが出力される。
【0014】ここで、例えば、MOSFETのゲート幅
をW、ゲート長をLとし、又、簡単のためにMOSFE
Tの飽和状態のドレイン・ソース間電流IdsをIds
=μ(Vgs−VT)2のように近似する。バイアス回
路10において、PMOS11及びNMOS12,14
のディメンジョンW/Lを十分大きくすると、それぞれ
の閾値電圧VT分をVDDから引いた電圧が抵抗13の
両端にかかる。この時、バイアス回路10を流れる電流
IBは、 IB=(VDD−VTP−VTN−VTN−Δ)/R13 =(VDD−VTP−VTN−VTN)/R13 で表される。VTPはPMOS11の閾値電圧VT、V
TNはNMOS12,14の閾値電圧VT、R13は抵
抗13の抵抗値である。Δは、PMOS11及びNMO
S12,14をオンさせてバイアス回路10に電流IB
を流すために必要であるが、各MOSFETのディメン
ジョンW/Lが十分大きい時、VDDに比べるとかなり
小さくなるので、ここでは無視する。又、レベルシフト
段30におけるレベルシフト電圧VLFは、 VLF=VTN+α+R32*ILF =VTN+α+R32*(VDD−VTP−2*VTN)/R13 =(VDD−VTP)*R32/R13(2*R32 /R13−1)*VTN+α のように表される。R32は抵抗32の抵抗値、ILF
はレベルシフト段30の電流である。αは、NMOS3
3をオンさせるために必要であるが、該NMOS33の
ディメンジョンW/Lが十分大きい時、VDDに比べる
とかなり小さくなるので、ここでは無視する。これらの
式から解るように、抵抗32の抵抗値R32と抵抗13
の抵抗値R13とを調整すれば、VDDが大きい場合、
及び閾値電圧VTPとVTNが小さい場合、レベルシフ
ト電圧VLFを大きくできるので、出力段40のVDD
ノードからGNDノードへ流れる貫通電流ISの増加を
抑制できる。
【0015】特に、各MOSFETのディメンジョンW
/Lと抵抗値をPMOS41:PMOS11=NMOS
42:NMOS14かつNMOS14:NMOS33=
NMOS12:NMOS31=R13:R32のように
すれば、バイアス回路10を貫通する電流IBの定数倍
が出力段40の貫通電流ISとなるので、この貫通電流
ISを簡単に制御できる。簡単のために、PMOS41
=PMOS11、NMOS42=NMOS14=NMO
S33、NMOS12=NMOS31、R13=R32
の場合を説明すると、上記のαやΔが無視できない場合
でも、バイアス回路10の電流IBとレベルシフト段3
0の電流ILFとは同値となるから、レベルシフト電圧
VLF=PMOS41のゲート電圧Vg−NMOS42
のゲート電圧Vg=PMOS11のゲート電圧Vg−N
MOS14のゲート電圧Vg、である。即ち、この場
合、出力段40の貫通電流ISとバイアス回路10の貫
通電流IBとは等しくなる。例えば、PMOS41/P
MOS11=NMOS42/NMOS14=5、NMO
S14=NMOS3、NMOS12/NMOS31、R
32=R13の場合は、バイアス回路10の貫通電流I
Bの5倍が出力段40の貫通電流ISとなる。
【0016】以上のように、本実施形態では、次のよう
な効果がある。消費電力改善の例として、VDD=5
V、VTP=1V、VTN=1V、Δ=0.42、PM
OS41=PMOS11、NMOS42=NMOS14
=NMOS33、NMOS12=NMOS31、R32
=R13=10000Ωの場合では、 IB=(VDD−VTP−VTN−VTN−Δ)/R13 =(5−1−1−1−0.42)/R13 =1.58/10000=0.158mA IS=IB=0.158mA ・・・(3) となる。
【0017】上記と同様にVDD=6V、VTP=0.
6V、VTN=0.6V、Δ=0.6、PMOS41=
PMOS11、NMOS42=NMOS14=NMOS
33、NMOS12=NMOS31、R32=R13=
10000Ωの場合では、 IB=(VDD−VTP−VTN−VTN−Δ)/R13 =(6−0.6−0.6−0.6−0.6)/R13 =3.6/10000=0.36mA IS=IB=0.36mA ・・・(4) となる。即ち、(3)式と(4)式の条件の違いによっ
ても、出力段40の貫通電流ISは2.28倍である。
図2の従来回路では、同様の条件で4.94倍であった
から、出力段40の貫通電流ISの増加が半分以下に抑
制されたことになる。又、レベルシフト段30の抵抗3
2や電流ILFを調整すれば、レベルシフト電圧VLF
を変化させられるので、大きな負荷が駆動できるように
レベルシフト電圧VLFを小さくしたり、貫通電流IS
を少なくするようにレベルシフト電圧VLFを大きくす
ることができる。上記の例では、R32=R13=10
000Ωとしているが、レベルシフト電圧VLFを小さ
くするためには、R32=6000Ωのようにすればよ
いし、レベルシフト電圧VLFを大きくするためにはR
13=14000Ωのようにすればよい。
【0018】第2の実施形態 図3は、本発明の第2の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、第1の実施形態と同様にVDDが3V程度以上のC
MOSLSIで構成されているが、バイアス回路10A
の第のトランジスタ(例えば、NMOS)12のバル
クがソースと接続され、レベルシフト段30Aの第4の
トランジスタ(例えば、NMOS)31のバルクがソー
スと接続されている点のみが異なっている。この第2の
実施形態の演算増幅器は、基本的には第1の実施形態と
同様の動作を行うが、バイアス回路10AのNMOS1
2とレベルシフト段30AのNMOS31の閾値電圧V
Tがバックバイアス効果の影響を受けない。このため、
第1の実施形態と同様の効果を期待できる上に、さらに
次のような効果もある。NMOS31のソース電圧Vs
が変動した時のバックバイアス効果によって該NMOS
31の閾値電圧VTの変動が抑えられるので、レベルシ
フト段30Aにおけるレベルシフト電圧VLFの変動が
抑えられる。又、第1の実施形態のバイアス回路10で
は、VDD<PMOS11の閾値電圧VTP+NMOS
12の閾値電圧VTN+NMOS14の閾値電圧VT
N、の時には電流IBが流れないので動作しないが、バ
ックバイアス効果によって閾値電圧VTが上がると、第
1の実施形態が正常に動作する最低のVDDが上がって
しまう。つまり、この第2の実施形態では、第1の実施
形態よりも低いVDDで動作する。
【0019】第3の実施形態 図4は、本発明の第3の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、例えば、VDDが5V程度以上のCMOS LSI
で構成され、第1の実施形態のバイアス回路10及びレ
ベルシフト段30に代えて、構成の異なるバイアス回路
10B及びレベルシフト段30Bが設けられている。バ
イアス回路10Bは、第1の実施形態と同様の第のト
ランジスタ(例えば、PMOS)11、第のトランジ
スタ(例えば、NMOS)12、第のトランジスタ
(例えば、NMOS)14及び抵抗13を有し、さらに
該NMOS12と抵抗13との間に、ゲート及びドレイ
ンが共通接続されたn個のNMOS15が直列接続され
ている。レベルシフト段30Bは、第1の実施形態と同
様に第4のトランジスタ(例えば、NMOS)31、第
のトランジスタ(例えば、NMOS)33及び抵抗3
2を有し、さらに該NMOS31と抵抗32との間に、
ゲート及びドレインが共通接続されたn個の第8のトラ
ンジスタ(例えば、NMOS)34が直列接続されてい
る。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0020】次に、図4の演算増幅器の動作を説明す
る。バイアス回路10Bを流れる電流IBは、 IB=(VDD−VTP−VTN−VTN−n*VTN−Δ)/R13 で表される。Δは、PMOS11、2個のNMOS1
2,14、及びn個のNMOS15をオンさせて電流I
Bを流すために必要であるが、各MOSFETのディメ
ンジョンW/Lが十分大きい時、VDDに比べるとかな
り小さくなる。又、レベルシフト電圧VLFは、 VLF=VTN+n*VTN+α+R32*ILF のように表される。αは、NMOS33とn個のNMO
S34をオンさせるために必要であるが、各MOSFE
TのディメンジョンW/Lが大きい時、VDDに比べる
とかなり小さくなる。つまり、第1の実施形態のレベル
シフト電圧VLFに比べて、同じ抵抗32と同じ電流I
LFを使用しても、n個のNMOS34の閾値電圧VT
N分だけ大きなレベルシフト電圧VLFを得ることにな
る。
【0021】以上のように、本実施形態では、次のよう
な効果がある。 (i) バイアス回路10Bによって閾値電圧VT変動
とVDD変動を吸収するようにレベルシフト段30Bの
電流ILFが変化するので、第1の実施形態と同様の効
果を期待できる。 (ii) 第1の実施形態と同値のレベルシフト電圧VL
Fを得るために必要な抵抗32と13の値を小さくでき
るので、本実施形態の演算増幅器を例えば大規模集積回
路(LSI)で形成した場合、このLSIのパターンに
おける抵抗13,32の形成面積を小さくできる。ある
いは、必要なバイアス回路10Bの電流IBとレベルシ
フト段30Bの電流ILFを小さくできる。
【0022】第4の実施形態 図5は、本発明の第4の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第3の実施形態を示す図4中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、第3の実施形態と同様にVDDが5V程度以上のC
MOSLSIで構成されているが、該第3の実施形態の
バイアス回路10B及びレベルシフト段30Bに代え
て、構成の異なるバイアス回路10C及びレベルシフト
段30Cが設けられている。バイアス回路10Cは、第
3の実施形態のバイアス回路10Bとほぼ同様の構成で
あるが、1個のNMOS12及びn個のNMOS15の
それぞれのバルクがそれぞれのソースと接続されている
点のみが異なっている。又、レベルシフト段30Cは、
第3の実施形態のレベルシフト段30Bとほぼ同様の構
成であるが、1個のNMOS31及びn個のNMOS3
4のそれぞれのバルクがそれぞれのソースと接続されて
いる点のみが異なっている。その他の構成は、第3の実
施形態と同様である。本実施形態の動作は、第3の実施
形態とほぼ同様であるが、バイアス回路10Cの1個の
NMOS12及びn個のNMOS15の閾値電圧VT
と、レベルシフト段30Cの1個のNMOS31及びn
個のNMOS34の閾値電圧VTが、バックバイアス効
果の影響を受けない点のみが異なる。
【0023】このため、本実施形態では、次のような効
果がある。 (a) NMOS31のソース電圧Vsが変動した時の
バックバイアス効果によって1個のNMOS31及びn
個のNMOS34の閾値電圧VTの変動が抑えられるの
で、該レベルシフト段30Cのレベルシフト電圧VLF
の変動も抑えられる。 (b) 第3の実施形態のバイアス回路10Bでは、V
DD<VTP+VTN+VTN+・・・+VTN、の時
には電流IBが流れないので動作しないが、バックバイ
アス効果によって閾値電圧VTが上がると、該第3の実
施形態が正常に動作する最低のVDDが上がってしま
う。これに対し、本実施形態では、第3の実施形態より
も低いVDDで動作する。
【0024】第5の実施形態 図6は、本発明の第5の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、例えば、VDDが2V程度以上のCMOS LSI
で構成され、第1の実施形態のバイアス回路10及びレ
ベルシフト段30に代えて、構成の異なるバイアス回路
10D及びレベルシフト段30Dが設けられている。バ
イアス回路10Dは、バイアス回路10のNMOS12
を削除した構成である。即ち、このバイアス回路10D
は、第のトランジスタ(例えば、NMOS)11、抵
抗13及び第のトランジスタ(例えば、NMOS)1
4を有し、これらがVDDノードとGNDノードとの間
に直列接続されている。レベルシフト段30Dは、レベ
ルシフト段30のNMOS31を削除した構成である。
即ち、このレベルシフト段30Dは、差動段20のPM
OS27のドレインに接続された第1のノードN31を
有し、このノードN31に抵抗32の一端が接続され、
該抵抗32の他端が第2のノードN32に接続されてい
る。ノードN32は、第のトランジスタ(例えば、N
MOS)33のドレインに接続され、このソースがGN
ノードに接続されている。ノードN31は出力段40
のPMOS41のゲートに接続され、さらにノードN3
2が該出力段40のNMOS42のゲートに接続されて
いる。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0025】次に、本実施形態の動作を説明する。バイ
アス回路10Dでは、PMOS11及びNMOS14の
ディメンジョンW/Lを十分大きくすると、それぞれの
閾値電圧VT分をVDDから引いた電圧が抵抗13の両
端にかかる。この時、バイアス回路10Dを流れる電流
IBは、 IB=(VDD−VTP−VTN−Δ)/R13 =(VDD−VTP−VTN)/R13 で表される。Δは、PMOS11とNMOS14をオン
させて電流IBを流すために必要であるが、各MOSF
ETのディメンジョンW/Lが十分大きい時、VDDに
比べるとかなり小さくなるので、ここでは無視する。
又、レベルシフト電圧VLFは、 VLF=R32*ILF=R32*(VDD−VTP−VTN)/R13 のように表される。これらの式から解るように、抵抗3
2の抵抗値R32と抵抗13の抵抗値R13とを調整す
れば、VDDが大きい場合、及び閾値電圧VTPとVT
Nが小さい場合、レベルシフト電圧VLFを大きくでき
るので、出力段40の貫通電流ISの増加を抑制でき
る。
【0026】特に、各MOSFETのディメンジョンW
/Lと抵抗値をPMOS41:PMOS11=NMOS
42:NMOS14かつNMOS14:NMOS33=
R13:R32のようにすれば、バイアス回路10Dを
貫通する電流IBの定数倍が出力段40の貫通電流IS
となるので、該貫通電流ISを簡単に制御できる。簡単
のために、PMOS41=PMOS11、NMOS42
=NMOS14=NMOS33、R13=R32の場合
を説明すると、上記のΔが無視できない場合でも、バイ
アス回路10Dの電流IBとレベルシフト段30Dの電
流ILFとは同値となるから、レベルシフト電圧VLF
=PMOS41のゲート電圧Vg−NMOS42のゲー
ト電圧Vg=PMOS11のゲート電圧Vg−NMOS
14のゲート電圧Vg、である。即ち、この場合、出力
段40の貫通電流ISとバイアス回路10Dの貫通電流
IBとは等しくなる。例えば、PMOS41/PMOS
11=NMOS42/NMOS14=5、NMOS14
=NMOS33、R32=R13の場合は、バイアス回
路10Dの貫通電流IBの5倍が出力段40の貫通電流
ISとなる。以上のように、本実施形態では、第1の実
施形態と同様に出力段40の貫通電流ISの抑制効果が
ある。さらに、レベルシフト電圧VLFの式から閾値電
圧VTNの項がなくなっているので、従来回路がクロス
オーバ歪みを発生するVDD=3V、閾値電圧VTP=
1V、閾値電圧VTN=1Vの時でも正常に動作すると
いう効果がある。
【0027】第6の実施形態 図7は、本発明の第6の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第5の実施形態を示す図6中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、第5の実施形態と同様にVDDが2V程度以上のC
MOSLSIで構成されているが、該第5の実施形態に
電流補正段50が付加されている。電流補正段50は、
第3の抵抗51及び第のトランジスタ(例えば、NM
OS)52で構成され、該抵抗51の一端が差動段20
のPMOS26のドレインに接続されている。抵抗51
の他端はNMOS52のドレインに接続され、このNM
OS52のソースがGNDノードに接続され、ゲートが
バイアス回路10DのNMOS14のゲートに接続され
てバイアス電圧VB2が印加されるようになっている。
又、抵抗32の抵抗値R32と抵抗51の抵抗値R5
1、及びNMOS33のディメンジョンとNMOS52
のディメンジョンは、同じ電流が流れるように調整され
ている。本実施形態のバイアス回路10Dとレベルシフ
ト段30Dの動作は、第5の実施形態とほぼ同様である
が、電流補正段50が設けられているので、この電流補
正段50によって差動段20の左右の電流を等しくして
いる点のみが異なっている。このため、本実施形態で
は、次のような効果がある。第5の実施形態では、差動
段20の差動出力電圧VAからレベルシフト段30Dに
電流が流れ込むために、該差動段20のPMOS26の
電流とPMOS27の電流に差が生じるので、オフセッ
トが大きくなってしまう。これに対し、本実施形態で
は、電流補正段50によって差動段20の左右の電流が
等しくなるので、オフセットを小さくできる。
【0028】第7の実施形態 図8は、本発明の第7の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第5の実施形態を示す図6中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、第5の実施形態と同様にVDDが2V程度以上のC
MOSLSIで構成されているが、該第5の実施形態の
レベルシフト段30Dに代えて、構成の異なるレベルシ
フト段30Eが設けられている。レベルシフト段30E
は、第5の実施形態のレベルシフト段30Dに、第10
のトランジスタ(例えば、PMOS)34が付加された
構成になっている。PMOS34は、ドレインが第1の
ノードN31に接続され、ソースがVDDノードに接続
され、ゲートがバイアス回路10Dの第のトランジス
タ(例えば、PMOS)11のゲートに接続されてバイ
アス電圧VB3が印加されるようになっている。その他
の構成は、第5の実施形態と同様である。本実施形態で
は、基本的には第5の実施形態の動作と同じであるが、
さらに加えて、バイアス回路10Dとレベルシフト段3
0EのMOSFETのディメンジョンW/Lと抵抗値
を、PMOS11:PMOS34=NMOS14:NM
OS33=R13:R32のように設定すれば、PMO
S34を流れる電流とNMOS33を流れる電流とを等
しくできる。このため、第5の実施形態とほぼ同様の効
果がある。さらに、PMOS34を流れる電流とNMO
S33を流れる電流とを等しくすれば、差動段20から
レベルシフト段30Eに電流が流れ込まない。これによ
り、差動段20の左右を流れる電流の不均衡によって発
生するオフセットを抑えることが可能である。
【0029】第8の実施形態 図9は、本発明の第8の実施形態を示す演算増幅器の回
路図であり、第7の実施形態を示す図8中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。この演算増幅器
は、第7の実施形態と同様にVDDが2V程度以上のC
MOSLSIで構成されているが、該第7の実施形態に
電流補正段50Aが付加されている。電流補正段50A
は、ゲートが第のトランジスタ(例えば、PMOS)
11のゲートに接続された第11のトランジスタ(例え
ば、PMOS)53と、第3の抵抗51と、ゲートがN
MOS14のゲートに接続された第のトランジスタ
(例えば、NMOS)52とを有し、これらがVDDと
GNDとの間に直列接続されている。この電流補正段5
0Aは、レベルシフト段30Eと同様の構成であるが、
PMOS53のドレイン側の第3のノードが差動段20
のPMOS26のドレインに接続されている。本実施形
態では、図7の第6の実施形態とほぼ同様の動作をする
が、PMOS34が電流を流すので、差動段20の差動
出力電圧VAとレベルシフト段30Eのレベルシフト出
力電圧VBを、第6の実施形態に比べて高く設定でき
る。又、その高さはPMOS34のディメンジョンW/
Lで調整できる。例えば、PMOS34=PMOS5
3、抵抗32の抵抗値R32=抵抗51の抵抗値R5
1、NMOS33=NMOS52のように設定すれば、
差動段20の左右の電流を均衡させることができる。こ
のため、第6の実施形態とほぼ同様の効果がある。さら
に加えて、レベルシフト出力電圧VBを高く設定できる
ので、出力段40のNMOS42のゲート電圧Vgが高
くなり、該NMOS42が大きな負荷を駆動できるよう
になる。又、差動段20の左右の電流を均衡させること
ができるので、オフセット電圧を小さくできる。
【0030】なお、本発明は上記実施形態に限定され
ず、種々の利用形態や変形が可能である。第1及び第2
の実施形態では、VDDが3V程度以上のCMOS L
SIに適用した例、第3及び第4の実施形態では、VD
Dが5V程度以上のCMOS LSIに適用した例、第
5、第6、第7及び第8の実施形態では、VDDが2V
程度以上のCMOS LSIに適用した例をそれぞれ説
明したが、本発明はこれらのVDDの電圧に限定され
ず、あるいはCMOS LSI以外の回路で構成しても
よい。例えば、上記実施形態の各トランジスタは、MO
SFET以外のFETで構成したり、あるいはFET以
外のトランジスタで構成してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明
によれば、第1乃至第7のトランジスタのW/Lと第1
及び第2の抵抗の抵抗値とに対して、所定の相似的な関
係を持たせたので、バイアス回路を貫通する電流の定数
倍が出力段の貫通電流となり、この出力段の貫通電流を
簡単に制御できる。その上、レベルシフト段に第2の抵
抗を挿入して、この抵抗を流れる電流と該抵抗値との積
によってレベルシフト電圧を制御するようにしたので、
該レベルシフト電圧を小さくして大きな負荷を駆動でき
るようにしたり、あるいはレベルシフト電圧を大きくし
て出力段に流れる貫通電流を少なくするようにすること
ができる。しかも、出力段に流れる貫通電流を抑制しつ
つ、クロスオーバ歪みの発生を防止することができる。
及び第の発明によれば、第4のトランジスタのソ
ース電圧が変動した時のバックバイアス効果によって該
第4のトランジスタの閾値電圧の変動が抑えられるの
で、レベルシフト段におけるレベルシフト電圧の変動が
抑えられる。又、第1の発明では、バックバイアス効果
によって第4のトランジスタの閾値電圧が上がると、正
常に動作する最低の第1の電源電位が上がってしまう
が、この第及び第の発明では、第1の発明よりも低
い第1の電源電位で動作する。第及び第の発明によ
れば、第1の発明と同値のレベルシフト電圧を得るため
に必要な第1と第2の抵抗の値を小さくできるので、演
算増幅器を例えば大規模集積回路(LSI)で形成した
場合、このLSIのパターンにおける第1及び第2の抵
抗の形成面積を小さくできる。あるいは、必要なバイア
ス回路の電流とレベルシフト段の電流を小さくできる。
及び第の発明によれば、第及び第の発明より
も低い第1の電源電位で動作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図2】従来の演算増幅器の回路図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図7】本発明の第6の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図8】本発明の第7の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【図9】本発明の第8の実施形態を示す演算増幅器の回
路図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C,10D バイアス回
路 20 差動段 30,30A,30B,30C,30D,30E レ
ベルシフト段 31,33,42 NMOS 13,32 抵抗 34,41 PMOS 40 出力段 50,50A 電流補正段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−97212(JP,A) 特開 平1−165208(JP,A) 特開 平10−65460(JP,A) 特開 平11−340752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 3/45

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオード接続された第1のトランジス
    タ、ダイオード接続された第2のトランジスタ、第1の
    バイアスノード、電圧降下によりバイアス電圧を生成す
    る第1の抵抗、前記バイアス電圧を出力する第2のバイ
    アスノード、及びダイオード接続された第3のトランジ
    スタを有し、前記第1及び第2のトランジスタは、第1
    の電源電位ノードと前記第1のバイアスノードとの間に
    直列に接続され、前記第1の抵抗は、前記第1のバイア
    スノードと前記第2のバイアスノードとの間に接続さ
    れ、前記第3のトランジスタは、前記第2のバイアスノ
    ードと第2の電源電位ノードとの間に接続されたバイア
    ス回路と、 第1の入力電圧と第2の入力電圧との差を増幅して差動
    出力電圧を出力する差動段と、 前記差動出力電圧によって導通状態が制御される第4の
    トランジスタ、第1のノード、第2の抵抗、レベルシフ
    ト出力電圧を出力する第2のノード、及び前記バイアス
    電圧によって導通状態が制御されて一定電流を流す第5
    のトランジスタを有し、前記第4のトランジスタは、前
    記第1の電源電位ノードと前記第1のノードとの間に接
    続され、前記第2の抵抗は、前記第1のノードと前記第
    2のノードとの間に接続され、前記第5のトランジスタ
    は、前記第2のノードと前記第2の電源電位ノードとの
    間に接続され、前記第2の抵抗を流れる電流と該第2の
    抗の抵抗値との積によって制御されるレベルシフト電
    圧で前記差動出力電圧のレベルをシフトして前記レベル
    シフト電圧を前記第2のノードから出力するレベルシフ
    ト段と、 前記差動出力電圧によって導通状態が制御される第6の
    トランジスタ、出力ノード、及び前記レベルシフト出力
    電圧によって導通状態が制御される第7のトランジスタ
    を有し、前記第6のトランジスタは、前記第1の電源電
    圧ノードと前記出力ノードとの間に接続され、前記第7
    のトランジスタは、前記出力ノードと前記第2の電源電
    位ノードとの間に接続されたプッシュプル型の出力段と
    を備え、 前記第1乃至第7のトランジスタにおけるゲート長Lに
    対するゲート幅Wの比 の値をW/Lとして、前記第1の
    トランジスタのW/Lと前記第6のトランジスタのW/
    Lとの比は、前記第3のトランジスタのW/Lと前記第
    7のトランジスタのW/Lとの比に実質的に等しく、か
    つ前記第3のトランジスタのW/Lと前記第5のトラン
    ジスタのW/Lとの比は、前記第2のトランジスタのW
    /Lと前記第4のトランジスタのW/Lとの比、及び前
    記第1の抵抗の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値との比
    に実質的に等しいことを特徴とする演算増幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の演算増幅器において、 前記第2のトランジスタは電界効果トランジスタを用い
    て構成されており、前記第2のトランジスタの基板は前
    記第2のトランジスタのソースに接続されていることを
    特徴とする演算増幅器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の演算増幅器において、 前記第4のトランジスタは電界効果トランジスタを用い
    て構成されており、前記第4のトランジスタの基板は前
    記第4のトランジスタのソースに接続されていることを
    特徴とする演算増幅器。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の演算増幅器において、 前記第2のトランジスタは、直列接続された複数の電界
    効果トランジスタにより構成されており、かつ前記複数
    の電界効果トランジスタにおける各々のゲートは、前記
    複数の電界効果トランジスタの各々のドレインに接続さ
    れていることを特徴とする演算増幅器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の演算増幅器において、 前記複数の電界効果トランジスタの各々の基板は、前記
    複数の電界効果トランジスタの各々のソースに接続され
    ていることを特徴とする演算増幅器。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の演算増幅器において、 前記レベルシフト段における前記第4のトランジスタと
    前記第2の抵抗との間には、複数の第8のトランジスタ
    が直列に接続され、 前記複数の第8のトランジスタは、それぞれ電界効果ト
    ランジスタを用いて構成されており、かつ前記複数の第
    8のトランジスタにおける各々のゲートは、前記複数の
    第8のトランジスタの各々のドレインに接続されている
    ことを特徴とする演算増幅器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の演算増幅器において、 前記複数の第8のトランジスタの各々の基板は、前記複
    数の第8のトランジスタの各々のソースに接続されてい
    ることを特徴とする演算増幅器。
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