JP3343023B2 - 乱流式クリーンルームの空気供給装置 - Google Patents

乱流式クリーンルームの空気供給装置

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JP3343023B2
JP3343023B2 JP8593696A JP8593696A JP3343023B2 JP 3343023 B2 JP3343023 B2 JP 3343023B2 JP 8593696 A JP8593696 A JP 8593696A JP 8593696 A JP8593696 A JP 8593696A JP 3343023 B2 JP3343023 B2 JP 3343023B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乱流式クリーンル
ームの空気供給装置、更に詳しくは乱流式クリーンルー
ム内の温度を素早く均一化するために有効な空気供給装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】室内の清浄度をある程度高く維持してお
くことを特に要求される部屋(以下「クリーンルーム」
という。)の空調システムは、一般にクリーンルーム内
での汚れた空気を一旦取り出し、新鮮な空気を補給した
後に、所定の空気条件に調整し、この調整空気を、再び
クリーンルームに供給し以後これを繰り返すという、い
わゆる循環方式が採用されている。具体的には、クリー
ンルームの外に空調のための主要設備を配置し、クリー
ンルーム内の汚れた空気や昇温した空気、湿度変化した
空気等をクリーンルームから取り出した後、その空調設
備へと導く。空調設備には、クリーンルーム内のクリー
ン度(1フィート立方中の0.5ミクロン以上のダスト
の数)、温度、湿度及び風量を調節できるように、一般
にフィルター、熱交換器、蒸気発生器及び送風機等が備
えられている。従って、空調設備に導かれた空気は、別
途外部からこの空調設備へ導かれた新鮮空気と混合され
た後、クリーン度、温度、湿度及び風量について所望の
設定値に調節され、その後再びクリーンルーム内に供給
されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の空調
システムにおいて、温度の調節は、クリーンルーム内の
ある箇所(温度測定箇所)の温度が所望の値となるよう
にクリーンルームに供給される前の空気の温度を変更す
るという単純な制御によって行われるが、調整空気のク
リーンルーム内への再供給は、空気吹出口からルーム内
へ吹き込む方式であるため、吹出口直下においては、吹
出し冷風塊が周囲の空気とすぐには十分混じり合った状
態とはならないため、温度低下を招くことがある。
【0004】即ち、従来の乱流式クリーンルームの空調
システムでは、一般に空気の吹出口が天井に、複数等間
隔に設けられており、供給された空気の大部分はそのま
ま天井から床へ向けて吹き出される。このため、ルーム
内では垂直方向の空気の積層状態が乱され、つまり乱流
が形成される。そして、平面的にみると、ルーム内の温
度は、空気供給口より少し大きい面積に相当する区域で
の温度変化が著しく、それ以外はあまり温度変化がない
という非常に不均一な温度分布となっている。そして、
この不均一な温度分布の緩和は、空気の自然対流による
混じり合いにまかせている。このことが種々の問題を引
き起こしている。例えば、冷たい空気(以下、「冷風」
という。)が供給される場合について具体的に言えば、
空気吹出口の真下に半導体検査機器等の精密機器が配置
されているような場合、供給された冷風が直接その精密
機器に当たって、結露を生じさせる結果、精密機器を可
動させる前に除露作業を余儀なくさせられるという問題
がある。また、空気の吹出口の真下付近に動植物が生息
するようにすると、動植物の体調や成長に悪影響を及ぼ
すことになり、さらにルームに食品を収納すると、温度
分布の不均一はたちまち品質を劣化させ、製品価値をな
くしてしまうといった問題につながる。
【0005】このような問題を解決するための一策とし
ては、乱流式クリーンルーム内への空気の吹き込みを、
各空気吹出口から多方面に向けて行うこと、つまりルー
ム内の空気と速やかに混合できるように、いわゆる案内
気流を攪拌する空気拡散装置を取り付けることが考えら
れる。
【0006】しかし、そのような空気拡散装置の取り付
けは、装置そのもの及び取付作業等が大がかりなものと
なってしまい、設備コストやメンテナンスコストの大幅
な増加につながる。そこで、本発明者等は、天井からの
空気の吹き込自体は従来と同様とし、吹き込まれた直後
に適当な偏向板を設けて、空気が水平方向に均等に拡散
するようにすれば、そのような大がかりな空気拡散装置
を使用せずとも同様の効果、つまり乱流式クリーンルー
ム内での吹出気流を室内空気と速やかに混合し、室内の
温度ムラを少なくできるはずとの考えを基に、そのよう
な偏向板の有効かつ適切な配置の仕方を見極めるべく検
討を重ね、本発明に達することができた。即ち、本発明
の目的とするところは、再調整された空気が乱流式クリ
ーンルーム内へ供給された場合、空気吹出口を通過する
空気の気流拡散性能を高めることにより吹出気流を室内
空気と素早く混合させ、室内の温度ムラを少なくするこ
とができる、非常に経済的でかつコンパクトなものを提
供しようとする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、室内の
清浄度をある程度高く維持するために室内空気を排出し
所定の空気条件に調整した後、その室内に還流すること
によってその室内の温度,湿度及びクリーン度を調節す
るようにした乱流式クリーンルームの空気供給装置にお
いて、前記乱流式クリーンルームに再供給される空気の
吹出口には、少なくとも4基以上のガイド弁を、全体が
正方形状または長方形状となるように集合して配置し
それぞれのガイド弁には、複数の空気案内翼がブライン
ド状に配設されると共に各空気案内翼の角度が個別に当
該ガイド弁に対し変化できるようにされ、また、ガイド
弁は、各ガイド弁の取り付け方向を互いに異なるように
組み合わせ可能とされていることを特徴としたものであ
る。
【0008】複数の空気案内翼の取り付け構成を上記の
ようにすることにより、乱流式クリーンルームの容積、
空気吹出口の位置(天井の中央あるいは端)等の条件の
如何にかかわらず、その空気案内翼の角度及びガイド弁
の取り付け方向を予めその条件に合うように調整してお
くだけで、吹出口を通過した空気(例えば冷風)を直ち
に水平方向に均等に拡散させることができる。この結
果、吹出気流を素早く室内空気と混じり合わせ、室内の
温度ムラの少ない乱流式クリーンルームを確保すること
ができる。加えて、天井に設ける空気吹出口の数をへら
すことができる。従って、本発明はこのような乱流式ク
リーンルームを確保するための空気供給装置として、従
来のように大がかりな空気拡散装置を使用しない分、非
常に経済的なものとすることができ、かつコンパクトで
ある。
【0009】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明の構成のうち、前記ガイド弁を前記吹出口に取り
付けられた収納ケース内に配置されたものであることを
特徴としたものである。このようにガイド弁を収納ケー
ス内に配置することによって、各空気案内翼の角度やガ
イド弁の取り付け方向の調整やこれらの部材の清掃が容
易になり、メンテナンスを有利なものにすることができ
るようになる。
【0010】また請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載の発明の構成のうち、前記ガイド弁を6基以上集
合すると共に、その集合群の中央部に位置するガイド弁
の空気案内翼を、そのガイド弁を通過する空気が真下に
向かうように角度調節されたものであることを特徴とし
たものである。ガイド弁が5基以下の場合、例えば使用
される可能性が高い4基の場合で言えば、吹出口を通過
した空気が四方に拡散される効果は十分に発揮しうるも
のの、吹出口の真下方向は風圧を受けるため、いわば減
圧状態の空間部が形成されることになる。この結果、四
方に拡散するように流出した空気の一部がその真下方向
に逆流しやすくなり、この場合は結果的に供給される空
気の流れを部分的に撹乱されしまうので、本発明の効果
を最大限に発揮させようとする点からは改善の余地があ
る。そこで、ガイド弁を6基以上、例えば6基とした場
合は中央の1基又は2基については空気が真下方向に流
れるように調整しておくことにより、そのような空気の
逆流を防ぎ、吹出口を通過した空気を全方向に均等に拡
散することができる。従って、本発明の効果を最大限に
発揮させることができるようになる。
【0011】また請求項4記載の発明は、請求項1乃至
請求項3記載の発明の構成のうち、前記収納ケースを多
孔板で形成されたものであることを特徴としたものであ
る。このように収納ケースとして多孔板を使用すること
により、収納ケースを通過する空気を整流した後、全方
向へ供給することができるので、水平方向への拡散効率
を高めることができる。従って、吹出口のすぐ下、つま
り天井に近い高さの位置から水平方向の均一な温度分布
と、垂直方向の乱れのない空気の積層状態、即ち層流状
態を一層確実に形成することができるようになるという
利点がある。
【0012】また請求項5記載の発明は、請求項1乃至
請求項4記載の発明の構成のうち、前記ガイド弁及び前
記収納ケースを帯電防止可能な軽金属板で形成されたも
のであることを特徴としたものである。一般にダスト
は、静電気を帯びている場合に容易に付着するという性
質があるため、係るダストが存在する空気の吹出口をプ
ラスチック製材料で構成したような場合、その部材にダ
ストが付着し成長する。このため、清掃・除去のための
作業が必要となり、放置すれば空調そのものの効率が悪
くなってしまう。しかし、本発明のように帯電防止可能
な軽金属製のガイド弁及び収納ケースを使用すれば、こ
のような不都合はなく本発明の効果を十分に発揮させる
ことができる。
【0013】また請求項6記載の発明は、請求項1乃至
請求項5記載の発明の構成のうち、乱流式クリーンルー
ムを集積回路試験装置を設置した部屋とした点に特徴が
ある。本発明を、集積回路試験装置を設置した乱流式ク
リーンルームに好適なものとすることにより、従来この
ような乱流式クリーンルームで生じていた集積回路試験
装置の結露発生を防止し、除露作業を不要とすることが
できる。また請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項5記載の発明の構成のうち、乱流式クリーンルームを
動植物の生息する部屋とした点に特徴がある。本発明
を、動植物の生息するような乱流式クリーンルームに好
適なものとすることにより、従来このような乱流式クリ
ーンルームで生じていた不都合、即ち温度分布の不均一
に起因した動植物の生息に対しての悪影響をなくすこと
ができる。また請求項8記載の発明は、請求項1乃至請
求項5記載の発明の構成のうち、乱流式クリーンルーム
を食品を取り扱う部屋とした点に特徴がある。本発明
を、食品を取り扱うような乱流式クリーンルームに好適
なものとすることにより、従来このような乱流式クリー
ンルームで生じていた不都合、即ち温度分布の不均一に
起因した食品の品質劣化、製品価値の問題を解決するこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
(図1から図6)に基づき説明する。図1は集積回路試
験装置を設置した乱流式クリーンルーム(以下、実施形
態の説明中では単に「ルーム」という)の空調システム
を示す概略説明図であり、図2はルームの空気吹出口に
配置される複数のガイド弁のうちの一つを代表的に示す
斜視図であり、図3は6基のガイド弁を多孔板製収納ケ
ースに備えた斜視図であり、図4は図3に示す多孔板製
収納ケースを裏側から見た状態を示す斜視図である。
【0015】図1に示すように、集積回路試験装置を設
置したルームの空調システムは、基本的にルーム3とル
ーム3の外部に設置された空調システム1との両者を接
続するダクト4,6とで構成されている。そして、ルー
ム3内の空気を循環させる空調設備1と、集積回路試験
装置2を設置したルーム3をダクト4によってつながれ
た構成になっている。そして、空調設備1は、フィルタ
ー7,温水器8,冷水器9,蒸気発生器10,及び送風
機11を内蔵して構成されている。送風機11の出口は
ダクト4に接続されている。さらに空調設備1の側壁に
は、外部の新鮮な空気を取り入れる吸引ファン5が設け
られており、吸引ファン5の出口部には、ルーム3内か
ら取り出された空気を空調設備1に導くためのダクト6
の先端が開口する構成とされている。
【0016】ダクト4は、空調設備1を経て再活性され
た空気をルーム3内まで送るための配管であり、ルーム
3内の天井40の裏側(図面では上側面)上を這うよう
に取り付けられている。また天井40に形成された凹部
空間40aの中央部には、天井40を貫いてダクト4の
内部に開口する接続管13が設けられている。即ち、接
続管13及び凹部空間40aでルーム3に対する空気吹
出口12が確保された構成となっている。また、凹部空
間40aのルーム3側寄りの位置には、供給される空気
内に含まれるダストを除去するフィルター15が取り付
けられている。さらにフィルター15より下で天井40
の下面より少し下方に突き出た位置には、本発明特有の
ガイド弁16を6基納置した多孔板製収納ケース23が
取り付けられている。
【0017】各ガイド弁16は、図2に示すように、ブ
ラインド状に複数並列に配置された空気案内翼18の両
端に側面板19が取り付けて構成される。この取り付け
は、各空気案内翼18の両端中央部と各側面板19の中
央部とをボルト・ナット締めすることにより行う。ナッ
トを緩めることにより各空気案内翼18の角度を0°〜
90°の範囲まで変化できるようにされている。各空気
案内翼18の上側縁部18aは、各空気案内翼18の角
度を変えても接続管13から流れてくる空気が無理なく
ガイド弁16を通過できるようにさせている。
【0018】図1に示した多孔板製収納ケース(以下、
「パンチケース」という。)及び該ケース内にガイド弁
16を納置する際の具体的な構成を以下図3、図4を
参照しつつ説明する。図3に示すように、パンチケース
23の内部には6基のガイド弁16(図面では代表的に
3基のみ示している。)が納置されており、同図に示す
ように各ガイド弁16は、そのガイド弁全体としての取
り付け方向が、順次互いに異なる方向を向くように組み
合わせてある(例えば東西南北の方向)なお、空気吹
出口12が天井40の端付近にない場合には、原則的に
中央部にある2基のガイド弁16においては空気案内翼
18は真下を向くように、他の4基のガイド弁16にお
いて空気案内翼18は例えば東西南北の方向を向くよ
うに、各空気案内翼18の角度を変えるものとする。パ
ンチケース23の周線部には、フランジ部24が形成さ
れており、適当な間隔で設けられたネジ穴27を有す
る。このフランジ部24を天井40の下面にネジ止めす
ることにより、図1に示すように、複数のガイド弁16
を空気吹出口12の真下に簡単に取り付けられるように
なっている。
【0019】次に、上記のように構成されたルームの空
調システムの作動について説明する。空調システムを稼
働させると、まず吸引ファン5が回り、外部の新鮮な空
気が空調設備1に導かれる。導入量としては、ルーム3
から取り出し、循環させる空気の量の3%程度が好まし
い。この程度の空気を追加することでルーム3の室圧を
好ましい状態に保持できるからである。導入された空気
は、ルーム3から排出された空気と混合された後、まず
フィルター7で混合空気中のダストが除去される。次い
で、ルーム3内の検知温度に応じて温水器8又は、冷水
器9のいずれかを通過することにより交換される。温水
器8あるいは、冷水器9を通過した空気は、蒸気発生器
10を通過する間に所望の湿度を有する空気に調整され
た後、送風機11へ送られる。送風機11によってダク
ト4内に押し出された調整済みの空気は、ダクト4,接
続管13を経て空気吹出口12の内部に到達する。到達
した空気は、フィルター15によって、より細かいダス
ト(フィルター7では除去できなかったダスト)が完全
に除去された後、そのフィルター15の下面全体から供
給され、ガイド弁16に達する。
【0020】ガイド弁16に達した空気は、空気案内翼
18(図3参照)の間に入り込み、その空気案内翼18
の表面上に沿って流れる。ガイド弁16は上述したよう
に、各空気案内翼18が全方向を向くように配置してい
るので、ガイド弁16を通過した空気は、当然に全方向
に広がるように流れる。従って、ルーム3の天井付近全
体で吹出気流は室内空気と素早く混じり合う。この結
果、ルーム3内全体が温度的にムラの少ない、つまりほ
ぼ均一した室温状態となる。
【0021】従って、空気吹出口12から冷風が供給さ
れた場合でも、従来の乱流式ルームにおける空調システ
ムで問題とされていた集積回路試験装置2に生じる結露
の発生を回避することができる。ルーム3内の下方にあ
る空気は、ルーム3の側壁下部に備えつけられた排出フ
ァン25で取り出された後、ダクト6を通って、空調設
備1に送られ再循環に供される。
【0022】上記の実施の形態は、本発明に係る乱流式
クリーンルームの空気供給装置を集積回路試験装置室に
適用した場合について記載したものであるが、クリーン
ルームが動植物の生息するような部屋や食品を取り扱う
部屋、例えばペットショップ等、そして食品工場である
場合にも適用可能であり、脱臭用材を組み込むことを容
易にできる構成で好適な空調システムとすることができ
る。
【0023】
【比較例】以下、本発明に係る空気供給装置を集積回路
試験装置室に適用した空調システムで得られる温度分布
の均一性を従来の集積回路試験装置室の空調システムで
得られる温度分布について図面を参照しつつ比較する。
図5は従来の集積回路試験装置室の空調システムを稼働
したときに得られる室内の風速測定図であり、図6は本
発明の空気供給装置を装備した集積回路試験装置室の空
調システムを稼働したときに得られる室内の風速測定図
である。なお、図5、図6ともに試験装置室の天井から
床方向に見た図で、実線で正方形を囲っている部分は集
積回路試験装置が存在する位置、点線で長方形を囲って
いる部分はガイド弁が存在する位置を示している。な
お、点線内の矢印は、各ガイド弁により空気が供給され
る方向を示しており、黒点は真下方向を向いていること
を示している。
【0024】従来の空調システムでは、試験装置室内に
供給された空気は直接、床方向に真っ直ぐに流下する。
従って、図5に示すように、集積回路試験装置の付近
は、空気の流速範囲が最大である0.50m/s以上の
範囲Fとなっている。また、集積回路試験装置から離れ
た場所では、空気の流速の範囲が最小である0.05m
/s以下の範囲Aとなっている。即ち、このような最大
範囲と最小範囲の隔たりが非常に大きく、しかも流速範
囲の境界線が混み入った状態にあるため、ルーム全体と
してみれば平面的にも、また垂直方向にみても室温のム
ラが著しいことが理解できる。
【0025】これに対し、本発明の空調システムを稼働
した場合は、図6に示すように、空気の流速は0.30
m/s〜0.50m/sの範囲Eから0.05m/s以
下の範囲Aまで存在する。しかし0.05m/s以下の
範囲Aは、図5の場合より非常に狭くなっている。また
0.50m/s以上の範囲Fは存在しない。このよう
に、最大範囲と最小範囲の隔たりが小さく、しかも流速
範囲の境界線は図5の場合と異なり、その間隔が大きい
ためクリーンルーム全体としてみれば、平面的にも、垂
直的にも室温のムラが非常に少なくなっていることがよ
く理解できる。
【0026】なお、上記の本発明の空調システムによる
効果と同一の効果を、天井部に大がかりな空気拡散装置
を取り付け、該装置を作動させることによって達成させ
ようとする場合に要する総コストを試算したところ、実
に10倍にもなることが分かり、本発明に係る空調シス
テムの有効性、特に経済面での優位性が明らかとなっ
た。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、前記乱流式クリーンルームに再供給
される空気の吹出口には、少なくとも4基以上のガイド
弁を、全体が正方形状または長方形状となるように集合
して配置し、それぞれのガイド弁には、複数の空気案内
翼がブラインド状に配設されると共に各空気案内翼の角
度が個別に当該ガイド弁に対し変化できるようにされ、
また、ガイド弁は、各ガイド弁の取り付け方向を互いに
異なるように組み合わせ可能とされているものである。
従って、吹出気流を素早く室内空気と混じり合わせ、室
内の温度ムラの少ない乱流式クリーンルームを確保する
ことができる。従って、本発明はこのような乱流式クリ
ーンルームを確保するための空気供給装置として、従来
のように大がかりな空気拡散装置を使用しない分、非常
に経済的なものとすることができ、かつコンパクトであ
る。
【0028】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、ガイド弁を収納ケース内に配置する
ことによって、各空気案内翼の角度やガイド弁の取り付
け方向の調整やこれらの部材の清掃が容易になり、メン
テナンスを有利なものにすることができるというような
効果を奏する。
【0029】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の効果に加えて、ガイド弁を6基以上、例えば6基と
した場合は中央の1基又は2基については空気が真下方
向に流れるように調整しておくことにより、中央での空
気の逆流を防ぎ、吹出口を通過した空気を全方向に均等
に拡散することができる。従って、本発明の効果を最大
限に発揮させることができるというような効果を奏す
る。
【0030】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3の発明の効果に加えて、収納ケースとして多孔板を
使用することにより、収納ケースを通過する空気を整流
した後、全方向へ供給することができるので、水平方向
への拡散効率を高めることができる。従って、吹出口の
すぐ下、つまり天井に近い高さの位置から水平方向の均
一な温度分布と、垂直方向の乱れのない空気の積層状
態、即ち層流状態を一層確実に形成することができると
いうような効果を奏する。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4記載の発明の構成のうち、ガイド弁及び収納ケース
を帯電防止可能な軽金属板で形成されたものである。
一般にダストは、静電気を帯びている場合に容易に付着
するという性質があるため、係るダストが存在する空気
の吹出口をプラスチック製材料で構成したような場合、
その部材にダストが付着し成長する。このため、清掃・
除去のための作業が必要となり、放置すれば空調そのも
のの効率が悪くなるが、本発明によれば、このような不
都合はなく本発明の効果を十分に発揮させることができ
る。
【0032】請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求
項5記載の効果に加えて、本発明を、集積回路試験装置
を設置した乱流式クリーンルームに好適なものとするこ
とにより、従来このような乱流式クリーンルームで生じ
ていた集積回路試験装置の結露発生を防止し、除露作業
を不要とすることができる効果が得られる。
【0033】請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項5記載の効果に加えて、本発明を、動植物の生息する
ような乱流式クリーンルームに好適なものとすることに
より、従来このような乱流式クリーンルームで生じてい
た不都合、即ち温度分布の不均一に起因した動植物の生
息に対しての悪影響をなくすことができる効果が得られ
る。
【0034】請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求
項5記載の効果に加えて、本発明を、食品を取り扱うよ
うな乱流式クリーンルームに好適なものとすることによ
り、従来このような乱流式クリーンルームで生じていた
不都合、即ち温度分布の不均一に起因した食品の品質劣
化、製品価値の問題を解決することができる効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】集積回路試験装置を設置した乱流式クリーンル
ームの空調システムを示す概略説明図である。
【図2】乱流式クリーンルームの空気吹出口に配置され
る複数のガイド弁のうちの一つを代表的に示す斜視図で
ある。
【図3】6基のガイド弁を多孔板製収納ケースに備えた
斜視図である。
【図4】図3に示す多孔板製収納ケースを裏側から見た
状態を示す斜視図である。
【図5】従来の集積回路試験装置室の空調システムを稼
働したときに得られる室内の風速測定図である。
【図6】本発明の空気供給装置を集積回路試験装置室に
適用した空調システムを稼働したときに得られる室内の
風速測定図である。
【符号の説明】
1 空調設備 2 集積回路試験装置 3 集積回路試験装置室(乱流式クリーンルーム) 4,6 ダクト 5 吸引ファン 8 温水器 9 冷水器 10 蒸気発生器 11 送風機 12 空気吹出口 16 ガイド弁 18 空気案内翼 23 多孔板製収納ケース A 空気の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮岡 進 兵庫県西脇市和田町75番地 ジェネシ ス・テクノロジー株式会社 西脇事業所 内 (72)発明者 吉用 明敏 兵庫県西脇市和田町75番地 ジェネシ ス・テクノロジー株式会社 西脇事業所 内 (72)発明者 畑 一郎 兵庫県西脇市和田町75番地 ジェネシ ス・テクノロジー株式会社 西脇事業所 内 (72)発明者 山下 恭平 東京都豊島区南大塚2丁目26番20号 株 式会社テクノ菱和 東京本店内 (72)発明者 加藤 圭二 東京都豊島区南大塚2丁目26番20号 株 式会社テクノ菱和 東京本店内 (72)発明者 菊地 雅史 大阪府大阪市北区天満2丁目7番3号 株式会社テクノ菱和 大阪支店内 (72)発明者 今井 精一 東京都豊島区南大塚2丁目26番20号 株 式会社テクノ菱和 本社内 (56)参考文献 特開 平7−120035(JP,A) 特開 平4−221164(JP,A) 実開 平2−55045(JP,U) 実開 平3−86019(JP,U) 実開 昭61−149029(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 7/04 - 7/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内の清浄度をある程度高く維持するた
    めに室内空気を排出し所定の空気条件に調整した後、そ
    の室内に還流することによってその室内の温度,湿度及
    びクリーン度を調節するようにした乱流式クリーンルー
    ムの空気供給装置において、 前記乱流式クリーンルームに再供給される空気の吹出口
    には、少なくとも4基以上のガイド弁を、全体が正方形
    状または長方形状となるように集合して配置し それぞれのガイド弁には、複数の空気案内翼がブライン
    ド状に配設されると共に各空気案内翼の角度が個別に当
    該ガイド弁に対し変化できるようにされ、 また、ガイド弁は、各ガイド弁の取り付け方向を互いに
    異なるように組み合わせ可能とされている ことを特徴と
    する乱流式クリーンルームの空気供給装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド弁は、前記吹出口に取り付け
    られた収納ケース内に配置されたものである請求項1記
    載の乱流式クリーンルームの空気供給装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド弁を6基以上集合すると共
    に、その集合群の中央部に位置するガイド弁の空気案内
    翼を、そのガイド弁を通過する空気が真下に向かうよう
    に角度調節されたものである請求項1又は請求項2記載
    の乱流式クリーンルームの空気供給装置。
  4. 【請求項4】 前記収納ケースが多孔板で形成されたも
    のである請求項1乃至請求項3記載の乱流式クリーンル
    ームの空気供給装置。
  5. 【請求項5】 前記ガイド弁及び前記収納ケースは、帯
    電防止可能な軽金属板で形成されたものである請求項1
    乃至請求項4記載の乱流式クリーンルームの空気供給装
    置。
  6. 【請求項6】 前記クリーンルームが、集積回路試験装
    置を設置した部屋である請求項1乃至請求項5記載の乱
    流式クリーンルームの空気供給装置。
  7. 【請求項7】 前記クリーンルームが、動植物の生息す
    る部屋である請求項1乃至請求項5記載の乱流式クリー
    ンルームの空気供給装置。
  8. 【請求項8】 前記クリーンルームが、食品を取り扱う
    部屋である請求項1乃至請求項5記載の乱流式クリーン
    ルームの空気供給装置。
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