JP3342835B2 - コレットチャック構造 - Google Patents

コレットチャック構造

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JP3342835B2 JP20392498A JP20392498A JP3342835B2 JP 3342835 B2 JP3342835 B2 JP 3342835B2 JP 20392498 A JP20392498 A JP 20392498A JP 20392498 A JP20392498 A JP 20392498A JP 3342835 B2 JP3342835 B2 JP 3342835B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋盤等に用いられ
る払い出しコレットチャックのようなコレットチャック
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のコレットチャック構造と
しては、例えば、図11に示すように固定治具30にワ
ーク装着部31と雄ねじ部32とを設けて、ワーク装着
部31にワークWをセットして、このワークWにワッシ
ャ33を載せ、雄ねじ部32にナット部材34を螺合し
て、このナット部材34を締め付けてワークWをワーク
装着部31に装着するようにしたものがあった。
【0003】また、従来のコレットチャック構造として
は、図12に示すように固定治具36のワーク装着部3
5の中心部の貫通孔38にドローロッド39を上下動可
能に挿入し、固定治具36のワーク装着部35にワーク
Wをセットし、ドローロッド39にC型ワッシャ37を
嵌め、ドローロッド39をスプリング力または油圧もし
くは空気圧で引き込んで、ドローロッド39のヘッド部
40でC型ワィシャ37を押さえてワークWを固定する
ものがあった。
【0004】また、従来のコレットチャック構造として
は、図13に示すように治具ベース41にワーク受け部
材42を固定し、このワーク受け部材42に片側テーパ
コレット43をセットし、ワーク受け部材42の中心部
に設けた貫通孔42Aにドローロッド44を挿入したも
のがあり、ワーク受け部材42にワークWをセットし、
ドローロッド44をスプリング力または油圧もしくは空
気圧で引き込み、ドローロッド44のテーパ部44Aで
片側テーパコレット43を拡開して、この片側テーパコ
レット43をワークWの内周部に圧着してワークWを固
定するものがあった。
【0005】また、従来のコレットチャック構造として
は、図14に示すように治具ベース51にワーク受け部
材44を固定し、このワーク受け部材44に両側テーパ
コレット45をセットし、ワーク受け部材44の中心部
に設けた貫通孔46にドローロッド47を挿入したもの
があり、ワーク受け部材44にワークWをセットし、ド
ローロッド47をスプリング力または油圧もしくは空気
圧で引き込み、ドローロッド47のテーパ部47Aで両
側テーパコレット45を拡開して、この両側テーパコレ
ット45をワークWの内周部に圧着してワークWを固定
するものがあった。
【0006】また、従来のこの種のコレットチャック構
造としては、図15及び図19に示す円環状ワークの内
周保持用コレットチャック50がある。この内周保持用
コレットチャック50は円筒状のチャック本体50Aの
外周部に取付用フランジ部51を形成し、チャック本体
50Aに周方向に所定の間隔をおいて複数の保持片部5
2を形成して構成されている。これらの保持片部52
は、前記チャック本体50Aの周部の中間部に周方向に
所定の間隔をおいて複数の孔部53を形成し、チャック
本体50Aの先端縁部から前記孔部53にかけて割り溝
54を形成して構成されており、これらの保持片部52
の先側の保持部55は付け根部56に比較して厚肉にな
されており、図17の(1)に示すように保持部55の
外周径D2はワークWの内径D1に対して直径で0.5
mm程度大きく製作されている。前記付け根部56は薄
肉になされていて、弾性変形し易いようになっている。
【0007】そして、図17の(1)、(2)に示すよ
うに内周保持用コレットチャック50の保持片部52を
前記ワークWの内周部W2に挿入して前記付け根部56
の弾性変形により保持部55の外周径D2をワークWの
内径D1に縮径して、前記付け根部56の弾性変形によ
る反力で保持部55を前記ワークWの内周部W2に押し
付けて、前記内周保持用コレットチャック50は前記ワ
ークWを保持する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例のうち、図11に示すコレットチャック構造に
あっては、雄ねじ部32にナット部材34を螺合して、
このナット部材34を締め付けてワークWをワーク装着
部31に装着するために、ワークWのワーク装着部31
への取付け、取外しがやりにくくなるという問題点があ
ったし、図12に示すコレットチャック構造にあって
は、ドローロッド39にC型ワィシャ37を嵌め、ドロ
ーロッド39をスプリング力または油圧もしくは空気圧
で引き込んで、ドローロッド39のヘッド部40でC型
ワィシャ37を押さえてワークWを固定するために、ワ
ークWのワーク装着部35への取付け、取外しがやりに
くくなるという問題点があった。
【0009】また、図13に示す従来のコレットチャッ
ク構造にあっては、ドローロッド44のテーパ部44A
で片側テーパコレット43を拡開して、この片側テーパ
コレット43をワークWの内周部に圧着してワークWを
固定するために、片側テーパコレット43が割れやす
く、割れた場合に再生ができないし、ワークWの内径公
差がφ0.1位までしか対応できないし、また、設計変
更等で内径がφ0.1以上変更になると使用できなくな
るという問題点があったし、図14に示すコレットチャ
ック構造にあっては、ドローロッド54のテーパ部54
Aで両側テーパコレット53を拡開して、この両側テー
パコレット53をワークWの内周部に圧着してワークW
を固定するために、両側テーパコレット53が割れやす
く、割れた場合に再生ができないし、ワークWの内径公
差がφ0.1位までしか対応できないし、また、設計変
更等で内径がφ0.1以上変更になると使用できなくな
るという問題点があった。
【0010】また、図15及び図19に示す従来のコレ
ットチャック構造にあっては、図18の(1)に示すよ
うに前記ワークWが傾斜していたり、芯ずれしていた
り、また、図18の(2)に示すようにワークWに大き
なバリ57等が付着していたりした場合、内周保持用コ
レットチャック50の保持片部52が前記ワークWの内
周部W1に挿入される際には、チャック端面の特定箇
所、すなわち特定の保持片部52の端部のみ強く当り、
ワークWが円滑に移動できない状態で強制的に移動され
ると、前記保持片部52が、その付け根部56の薄肉部
付近で破損してしまう。
【0011】すなわち、前記保持片部52の付け根部5
6付近は図19に示すように断面が円弧形状であり、そ
の円弧の半径方向(矢印方向)に弾性変形させるため、
その部分のばね定数が大きくなり、小変形で大きな力と
なる。したがって、前記保持部55の外周径D2をワー
クWの内径D1より大きく取れないし、また、前記付け
根部56付近の応力(局部応力)が大きくなり、すみア
ール(R)が小さく応力集中が生じ、変形量が設定値よ
り若干大きくなった程度でも破損してしまうという問題
点があった。
【0012】本発明は、上記の問題点に着目して成され
たものであって、その目的とするところは、局部応力に
よるコレットの破損を防止することができるコレットチ
ャック構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係わるコレットチャック構造
は、コレットを拡開して、このコレットをワークの内周
部に当接させて前記ワークを保持するコレットチャック
構造において、コレット本体を縦割りして複数の割りコ
レット部材を形成し、組み合わせ状態の前記割りコレッ
ト部材の外周部に、弾性部材挿入部とワーク当接部とを
形成し、組み合わせ状態の前記割りコレット部材の内周
部にコレット側テーパ面部を形成し、前記弾性部材挿入
部に、前記割りコレット部材を縮径方向に付勢する弾性
部材を設けて構成したコレットと、治具側テーパ面部を
有し、且つ前記コレットを、これのコレット側テーパ面
部を前記治具側テーパ面部に摺接させて保持して前記コ
レットの軸線方向の作動時に前記割りコレット部材を
縮、拡径させる治具と、前記コレットを、その軸線方向
に作動させるコレット作動部材とを備えており、前記コ
レット作動部材を、ロッド部の上端側にコレット押圧部
を設けて構成し、このコレット押圧部のコレット押圧側
に、前記コレット作動部材のオーバーストローク時に前
記治具に接触してオーバーストロークを防止するオーバ
ーストローク防止座部と、コレット押圧時に、前記割り
コレット部材に当接する基準座と、前記割りコレット部
材の落下時に、これらの割りコレット部材に干渉するコ
レット落下防止部とをそれぞれ設けて構成したことを特
徴とする。
【0014】かかる構成により、コレット作動部材を移
動させて、これのコレット押圧部でコレットを押圧し
て、このコレットを移動させて、このコレット(複数の
割りコレット部材)を、そのコレット側テーパ面部を治
具の治具側テーパ面部に摺接させて、弾性部材の弾性力
に抗して拡径して、コレットでワークをクランプする。
【0015】このように、コレットを軸方向に拘束せ
ず、また径方向を弾性部材により拘束するために、コレ
ットに局部応力が加わらない。このために、局部応力に
よる割りコレットの破損を防止することができる。
【0016】また、かかる構成により、オーバーストロ
ーク防止座部と基準座との間の距離の増減によりコレッ
トの拡張量を調整することができる。また、コレット押
圧部のコレット押圧側に、前記割りコレット部材の落下
時に、この割りコレットに干渉するコレット落下部を形
成することにより、弾性部材が切れる等の事故時に割り
コレットが拡開し落下するが、この場合に、割りコレッ
ト部材にコレット落下防止部が干渉して、これらの割り
コレット部材の落下を防止することができる。
【0017】また、上記の目的を達成するために、請求
項2の発明に係わるコレットチャック構造は、請求項1
に記載のコレットチャック構造において、前記コレット
を、複数に縦割りされた割りコレット部材を備え、これ
らの割りコレット部材の外面部の複数箇所に、前記弾性
部材挿入部を構成する挿入溝部を形成し、前記割りコレ
ット部材の外周面に、前記挿入溝部間に位置させて、前
記ワーク当接部を構成するワーク当接面を形成し、前記
割りコレット部材の内周面に、前記テーパ面部を構成す
る円錐面部を形成し、前記弾性部材をリング状の弾性体
で構成した
【0018】かかる構成により、上記した実施の形態例
1の作用効果と同様の作用効果を奏し得るばかりか、複
数の割りコレット部材は、その挿入溝部に挿入されたリ
ング状の弾性体により、その円錐面部を治具の治具側テ
ーパ面部に摺接させて保持され、弾性体の収縮率が低下
したり、切れたりしたら、新しいものに交換することで
再生使用が何回でもできる。
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】図1は本発明に係るコレットチャック構造
の配置を説明するための工作機械の一部省略した正面
図、図2は本発明に係るコレットチャック構造の縦断面
図である。
【0022】本発明に係わるコレットチャック構造であ
る内周保持用コレットチャックAは、治具ベース1に固
着される治具2と、この治具2に設けられるワーク受け
部材3と、コレット4と、コレット作動部材であるドロ
ーロッド18とより構成してある。
【0023】前記治具2は、図3に示すように、その下
部に直筒部6を、上部に、この直筒部6に連なる治具側
テーパ面部7をそれぞれ有しており、直筒部6には取付
フランジ部8が形成してあり、また、治具側テーパ面部
7の上端部は端面部9にしてある。そして、治具2の中
心部には貫通孔10が形成してある。
【0024】前記ワーク受け部材3は、図4及び図5に
示すように円板状の部材本体3Aを有しており、この部
材本体3Aの中央部には嵌合孔11が形成してあり、こ
の部材本体3Aには周方向に所定の間隔をおいて複数の
取付孔12が設けてある。そして、部材本体3Aの上面
の外周縁部には周方向に所定の間隔をおいて複数のワー
ク受け部13が形成してある。
【0025】前記コレット4は、図6乃至図9に示すよ
うに縦に8等分された割りコレットであり、コレット本
体4Aを縦割りして、8個の割りコレット部材4−1が
形成してある。これらの割りコレット部材4−1の外周
面の上下には、8個の割りコレット部材4−1が組み合
わされた状態で、周方向に沿うリング状の弾性部材挿入
溝14、15を構成する挿入溝部14a、15aが形成
してあり、割りコレット部材4−1の外周面には、上下
の挿入溝部14a、15a間に位置させて、8個の割り
コレット部材4−1が組み合わされた状態で、ワーク当
接部16を構成する当接面16aが形成してある。ま
た、割りコレット部材4−1の内周面は、8個の割りコ
レット部材4−1が組み合わされた状態で、コレット側
テーパ面部17を構成する円錐面部17aが形成してあ
る。
【0026】そして、8個の割りコレット部材4−1を
組み合わした状態で、上側の弾性部材挿入溝14に弾性
部材(リング状の弾性体)であるOリング5Aを2個装
着し、また、下側の弾性部材挿入溝15に弾性部材(リ
ング状の弾性体)であるOリング5Bを2個装着してコ
レット4が構成してある。
【0027】前記ドローロッド18は、図10に示すよ
うにロッド部19と、このロッド部19の上端側に設け
られたコレット押圧部であるヘッド部20とを備えてお
り、ロッド部19の下部にはねじ部21が形成してあ
り、また、ヘッド部20の外周部がワーク案内部21に
なっており、ヘッド部20の下面部(コレット押圧側)
20aには、ロッド部19の中心イを中心とした円上に
位置させて円環状突起部から成るオーバーストローク防
止座部22と、このオーバーストローク防止座部22と
同心の円環状突起部から成る基準座23と、オーバース
トローク防止座部22と同心の円環状突起部から成るコ
レット落下防止部24とがそれぞれ形成してあり、この
コレット落下防止部24の外周面はワーク案内部21の
延長上に位置していて、ワーク案内部21の一部を構成
している。また、ヘッド部20の中心部には有底の上部
センター挿入穴25が形成してある。
【0028】そして、治具ベース1に、治具2を、その
取付フランジ部8を治具ベース1の上端面部に載せて設
置し、ワーク受け部材3を治具2の取付フランジ部8上
に設置して、ワーク受け部材3の取付孔12に挿通した
固定ボルト(図示せず)で、ワーク受け部材3を取付フ
ランジ部8と共に、治具ベース1に共締めして、治具ベ
ース1に、治具2とワーク受け部材3とが固着してあ
る。
【0029】そして、治具2には、コレット4を、その
コレット側テーパ面部17を治具2の治具側テーパ面部
7に摺接してセットしてある。この場合、コレット4は
8個の割りコレット部材4−1を組み合わした状態で、
上、下側の弾性部材挿入溝14、15にそれぞれ2個の
Oリング5A、5Bを装着して構成してあるために、こ
れらのOリング5A、5Bの締め付けで割りコレット部
材4−1の円錐面部17aが治具2の治具側テーパ面部
7に摺接している。
【0030】そして、治具2の貫通孔10にドローロッ
ド18のロッド部19が挿入してあり、このロッド部1
9は、そのねじ部21でシリンダー装置(図示せず)の
ピストンロッド26側に連結してある。ドローロッド1
8のヘッド部20の基準座23がコレット4の上端面4
aに当接しており、ヘッド部20のコレット落下防止部
24がコレット4の上端部の外方に位置している。
【0031】次に、上記のように構成された内周保持用
コレットチャックAによるワークWの保持(クランプ)
及びこの保持の解除(アンクランプ)を説明する。
【0032】ワークWをドローロッド18のヘッド部2
0に被せて、ワークWの下端面W1をワーク受け部材3
の複数のワーク受け部13に当接させて、このワーク受
け部材3にワークWをセットする。
【0033】この状態で、上部センター部材27を下降
させて、この上部センター部材27をヘッド部20の上
部センター挿入穴25に挿入する。次に、シリンダー装
置を縮小動作させてドローロッド18を下降させ、ドロ
ーロッド18のヘッド部20の基準座23でコレット4
(割りコレット部材4−1)の上端面4aを押圧して、
このコレット4を下方向に移動させる。この場合、8個
の割りコレット部材4−1は、その円錐面部16aを治
具2の治具側テーパ面部7に摺接させているために、外
方向にOリング5A、5Bの弾性力に抗して拡開して、
割りコレット部材4−1の外周面のワーク当接面16a
が、ワークWの内周部W2に当接して、内周保持用コレ
ットチャックAはワークWをクランプする。
【0034】また、シリンダー装置を伸張動作させてド
ローロッド18を上昇させ、ドローロッド18のヘッド
部20の基準座23によるコレット4(割りコレット部
材4−1)の押圧を解除すると、Oリング5A、5Bは
コレット4の8個の割りコレット部材4−1をバラケな
いように保持しながら、これらの割りコレット部材4−
1を縮径(内径方向に収縮)させてワークWの保持を解
除(アンクランプ)する。
【0035】上記した実施の形態例によれば、ドローロ
ッド18を移動させて、これのヘッド部20の基準座2
3でコレット4を押圧して、このコレット(8個の割り
コレット部材4−1)4を移動させて、そのコレット側
テーパ面部17を治具2の治具側テーパ面部7に摺動さ
せて、Oリング5A、5Bの弾性力に抗して拡開して、
コレット(8個の割りコレット部材4−1)4のワーク
当接部(ワーク当接面)16が、ワークWの内周部W1
に当接してワークWをクランプする。
【0036】このように、コレット4を軸方向に拘束せ
ず、また径方向をOリング5A、5Bにより拘束するた
めに、コレット4に局部応力が加わらない。このため
に、局部応力によるコレット4の破損を防止することが
できる。
【0037】また、複数の割りコレット部材4−1は、
その挿入溝部14a、15aに挿入されたOリング5
A、5Bにより、その円錐面部17aを治具2の治具側
テーパ面部7に摺接させて保持されており、前記Oリン
グ5A、5Bの収縮率が低下したり、切れたりしたら、
新しいものに交換することで再生使用が何回でもでき
る。
【0038】また、ドローロッド18のヘッド部20に
設けたオーバーストローク防止座部22と基準座23と
の間の距離の増減によりコレット4の拡張量を調整する
ことができる。
【0039】また、Oリング5A、5Bが切れる等の事
故時に割りコレット部材4−1が拡開し落下するが、こ
の場合に、割りコレット部材4−1にコレット落下防止
部24が干渉して、この割りコレット部材4−1の落下
を防止することができる。
【0040】なお、弾性部材(弾性体)としてのOリン
グ5A、5Bはコレット4の8個の割りコレット部材4
−1がバラケないように保持しながら、アンクランプ時
に縮径(内径方向に収縮)させるものであるが、弾性部
材(弾性体)としては輪ゴム、リング状コイルばねでも
よいが、歯切り加工では一般的に切削油を使う関係上、
輪ゴムは耐油性が必要になる。また、安価で、しかも入
手しやすく、太さや内径寸法の種類の多いものがよい。
このことから、ニトリルゴム、弗素ゴムのOリングが適
している。Oリングの場合、劣化しても直ぐに交換する
ことができる。
【0041】また、寸法の異なるワークWを加工する時
にコレット径を2mm以上変更する場合には、太さや内
径寸法の種類の多い弾性部材(弾性体)がよい。
【0042】なお、コレット4の分割時に切り割り幅分
tの円周長の減少があるが、ワークWの保持は、旋盤等
で円周上の等配3点保持等ですでに行われており、円周
上の245度以上の接触部があれば機能上問題はない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るコレ
ットチャック構造にあっては、コレット作動部材を移動
させて、これのコレット押圧部の基準座でコレットを押
圧して、このコレットを作動させて、このコレット(複
数の割りコレット部材)を、そのコレット側テーパ面部
を治具の治具側テーパ面部に摺接させて、弾性部材の弾
性力に抗して拡開(拡縮)して、コレットの外周面のワ
ーク当接部が、ワークの内周部に当接してワークをクラ
ンプする。
【0044】このように、コレット(複数の割りコレッ
ト部材)を軸方向に拘束せず、また径方向を弾性部材に
より拘束するために、コレットに局部応力が加わらな
い。このために、局部応力によるコレットの破損を防止
することができる。
【0045】また、複数の割りコレット部材は、その挿
入溝部に挿入されたリング状の弾性体(弾性部材)によ
り、その円錐面部を治具の治具側テーパ面部に摺接させ
て保持されており、前記弾性体の収縮率が低下したり、
切れたりしたら、新しいものに交換することで再生使用
が何回でもできる。
【0046】また、コレット作動部材を、ロッド部の上
端側にコレット押圧部を設けて構成し、このコレット押
圧部のコレット押圧側に、前記コレット作動部材のオー
バーストローク時に前記治具に接触してオーバーストロ
ークを防止するオーバーストローク防止座部と、コレッ
ト押圧時に、前記コレット(複数の割りコレット部材)
に当接する基準座を設けることにより、オーバーストロ
ーク防止座部と基準座との間の距離の増減により割りコ
レットの拡張量を調整することができる。
【0047】また、コレット押圧部のコレット押圧側
に、前記割りコレット部材の落下時に、この割りコレッ
ト部材に干渉するコレット落下防止部を形成することに
より、弾性部材が切れる等の事故時に割りコレット部材
が拡開し落下するが、この場合に、割りコレット部材に
コレット落下防止部が干渉して、この割りコレット部材
の落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコレットチャック構造の配置を説
明するための工作機械の一部省略した正面図である。
【図2】本発明に係るコレットチャック構造の縦断面図
である。
【図3】同コレットチャック構造の治具の正面図であ
る。
【図4】同コレットチャック構造のワーク受け部材の平
面図である。
【図5】同ワーク受け部材の側面図である。
【図6】同コレットチャック構造のコレットの平面図で
ある。
【図7】同コレットの正面図である。
【図8】同コレットの斜視図である。
【図9】割りコレット部材の斜視図である。
【図10】同コレットチャック構造のドローロッドの一
部断面した正面図である。
【図11】従来のコレットチャック構造の構成説明図で
ある。
【図12】同コレットチャック構造の他の構成説明図で
ある。
【図13】同コレットチャック構造の別の他の構成説明
図である。
【図14】同コレットチャック構造の別の他の構成説明
図である。
【図15】従来のコレットチャック構造の平面図であ
る。
【図16】同コレットチャック構造の断面図である。
【図17】(1)は従来のコレットチャック構造におけ
るワーク保持前の状態の断面図である。(2)は従来の
コレットチャック構造におけるワーク保持の状態の断面
図である。
【図18】(1)は従来のコレットチャック構造で傾い
たワークを保持する状態の断面図である。(2)は従来
のコレットチャック構造でバリを発生したワークを保持
する状態の断面図である。
【図19】従来のコレットチャック構造における保持片
部の付け根部付近での半径方向の弾性変形を説明するた
めの斜視図である。
【符号の説明】
2 治具 4 コレット 4A コレット本体 4−1 割りコレット部材 5A Oリング(弾性部材)(弾性体) 5B Oリング(弾性部材)(弾性体) 7 治具側テーパ面部 14 弾性部材挿入部 14a 挿入溝部 15 弾性部材挿入部 15a 挿入溝部 17 コレット側テーパ面部 18 ドローロッド(コレット作動部材)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレットを拡開して、このコレットをワ
    ークの内周部に当接させて前記ワークを保持するコレッ
    トチャック構造において、 コレット本体を縦割りして複数の割りコレット部材を形
    成し、組み合わせ状態の前記割りコレット部材の外周部
    に、弾性部材挿入部とワーク当接部とを形成し、組み合
    わせ状態の前記割りコレット部材の内周部にコレット側
    テーパ面部を形成し、前記弾性部材挿入部に、前記割り
    コレット部材を縮径方向に付勢する弾性部材を設けて構
    成したコレットと、 治具側テーパ面部を有し、且つ前記コレットを、これの
    コレット側テーパ面部を前記治具側テーパ面部に摺接さ
    せて保持して前記コレットの軸線方向の作動時に前記割
    りコレット部材を縮、拡径させる治具と、 前記コレットを、その軸線方向に作動させるコレット作
    動部材とを備えており、 前記コレット作動部材を、ロッド部の上端側にコレット
    押圧部を設けて構成し、このコレット押圧部のコレット
    押圧側に、前記コレット作動部材のオーバーストローク
    時に前記治具に接触してオーバーストロークを防止する
    オーバーストローク防止座部と、コレット押圧時に、前
    記割りコレット部材に当接する基準座と、前記割りコレ
    ット部材の落下時に、これらの割りコレット部材に干渉
    するコレット落下防止部とをそれぞれ設けて構成し たこ
    とを特徴とするコレットチャック構造。
  2. 【請求項2】 前記コレットを、複数に縦割りされた割
    りコレット部材を備え、これらの割りコレット部材の外
    面部の複数箇所に、前記弾性部材挿入部を構成する挿入
    溝部を形成し、前記割りコレット部材の外周面に、前記
    挿入溝部間に位置させて、前記ワーク当接部を構成する
    ワーク当接面を形成し、前記割りコレット部材の内周面
    に、前記テーパ面部を構成する円錐面部を形成し、前記
    弾性部材をリング状の弾性体で構成した請求項1に記載
    のコレットチャック構造。
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