JP3342658B2 - 屋根材および融雪屋根 - Google Patents

屋根材および融雪屋根

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JP3342658B2
JP3342658B2 JP04208598A JP4208598A JP3342658B2 JP 3342658 B2 JP3342658 B2 JP 3342658B2 JP 04208598 A JP04208598 A JP 04208598A JP 4208598 A JP4208598 A JP 4208598A JP 3342658 B2 JP3342658 B2 JP 3342658B2
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芳武 荒木
忠司 松田
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有限会社松田金物店
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屋根材および融雪屋
根に関し、屋根表面材の裏面にヒータユニットを具備し
てなる屋根材およびその屋根材を複数個配列した融雪屋
根に関する。
【0002】
【従来の技術】降雪地域の融雪屋根に関しては、従来よ
り多くの提案がなされている。それらのなかで、樹脂材
料中に導電性粉末が分散されてなる自己温度制御型ヒー
タを用いた例として、屋根材の裏面に自己温度制御型ヒ
ータを埋め込んだ融雪屋根(特開平 8-177174 号公
報)、断面略偏平状の自己温度制御型ヒータを屋根全体
に蛇行配設した融雪屋根(特開平 7-119335 号公報)が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自己温度制御型ヒータは、小形化が困難なため屋根表面
材と一体とすることができず、ヒータを設置後屋根葺作
業をするか、あるいは屋根葺作業後にヒータを設置して
いた。このため、屋根葺作業と融雪装置作業とは別個に
行なわなければならず、融雪屋根葺作業に長時間かかる
という問題がある。
【0004】従来の自己温度制御型ヒータは、線状体で
あるため、放熱面が広くとれずヒータの熱を効率よく屋
根表面材に供給することができないという問題がある。
【0005】また、ヒータを配列した従来の融雪屋根
は、温度制御が必要となり、配線構造が複雑になり、そ
の制御が困難になるという問題がある。
【0006】また、従来の自己温度制御型ヒータ、また
はヒータは、ヒータ全体が1本で構成されたり、複数で
あっても各々が直列に接続されているので、どこか1ケ
所故障が生じた場合、全体が運転停止されるか、故障部
分を補修する必要があり、信頼度の低下および、補修に
多額の費用と手間とを必要とするという問題がある。さ
らに、従来のヒータ配置構造では、ヒータを配設した領
域のみ融雪されるためヒータをほぼ屋根表面全体に配設
する必要がある。このため、設備費が多額とならざるを
得なかった。
【0007】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、放熱面積を大きくとることができ、
かつヒータの熱を効率よく屋根表面材に供給することが
できるヒータユニット一体型の屋根材およびこの屋根材
を複数個配列して簡単な配線構造で容易に取り扱い制御
できる信頼性の高い融雪屋根を提供することを目的とす
る。
【0008】本発明の屋根材は、屋根表面材の裏面にヒ
ータユニットを具備してなる屋根材であって、上記ヒー
タユニットは、上記屋根表面材の裏面に形成された空隙
部または屋根表面材の裏面に形成された断熱材板の一部
が除かれた空隙部に取り付けられ、かつ屋根表面材に密
接する放熱板と、この放熱板に取付けられる容器内に収
容される熱源とを有し、該熱源がチタン酸バリウムを主
成分とする正温度係数サーミスタであり、上記容器が上
記放熱板に接する面積は放熱板が屋根表面材に密接する
面積よりも小さく、かつ、上記ヒータユニットが屋根表
面材の傾斜方向と直角の方向に電気的に並列接続され、
該並列接続された電気回路端子が電源線に並列接続され
てなることを特徴とする。
【0009】
【0010】本発明の融雪屋根は、ヒータユニットを具
備する屋根材と、ヒータユニットを具備しない屋根材と
をそれぞれ複数個組合わせて形成される融雪屋根であっ
て、上記ヒータユニットを具備する屋根材は上述の屋根
材であることを特徴とする。また、上記電源線が3相電
源線あるいは3相4線式電源線であり、上記電気回路端
子が電源線の各相間、または中性線とを含めた各相間に
交互に接続されていることを特徴とする。
【0011】また、上記融雪屋根は、融雪屋根表面の屋
根傾斜方向と直角の方向に雪止め部が少なくとも一個以
上設けられ、雪止め部直近上部であって、雪止め部より
屋根傾斜方向上部の屋根表面全面または雪止め部間全面
の 70 %以下の面積内にヒータユニットが集中配設され
ていることを特徴とする。あるいは、融雪屋根表面に屋
根傾斜方向と直角の方向に雪止め部が少なくとも一個以
上設けられ、ヒータユニットが雪止め部より屋根傾斜方
向上部に向かって配設密度が疎となるように配置されて
いることを特徴とする。
【0012】本発明の他の融雪屋根は、瓦屋根表面の少
なくとも一部を覆う融雪屋根であって、該融雪屋根は、
ヒータユニットの容器部が瓦屋根表面の瓦凹部位置に設
けられ、上記ヒータユニットは、融雪屋根の傾斜方向と
直角の方向に電気的に並列接続され、該並列接続された
電気回路端子が電源線に並列接続されていることを特徴
とする。
【0013】本発明の屋根材は、屋根表面材の裏面に密
接する放熱板と、この放熱板が屋根表面材に密接する面
積よりも小さい面積で接する容器内に収容される熱源と
からなるヒータユニットを有することにより、熱源によ
る発熱が有効に屋根表面板に伝達される。また、熱源を
チタン酸バリウムを主成分とする正温度係数サーミスタ
とすることにより、温度制御が容易となる。特に、チタ
ン酸バリウムを主成分とする正温度係数サーミスタを用
いると、温度制御や融雪屋根の電気的制御がより容易と
なる。
【0014】また、ヒータユニットを屋根表面材の裏面
空隙部に設けることにより、ヒータユニットと屋根表面
材とが一体となった屋根材が得られる。したがって、屋
根葺き作業後に融雪工事をすることなく、従来の屋根葺
き作業を行なうことにより同時に融雪屋根工事をするこ
とができる。また、ヒータユニットに無理な外力がかか
らず耐久性に優れている。
【0015】本発明の融雪屋根は、上述のヒータユニッ
ト用いた屋根材を組合わせてなり、ヒータユニットが、
融雪屋根の傾斜方向と直角の方向に電気的に並列接続さ
れ、該並列接続された電気回路端子が電源線に並列接続
されていることにより、例えば一個のヒータユニットが
故障しても全体の融雪は停止されない。また、電源線を
3相電源線または3相4線式電源線として、電気回路端
子の並列接続を電源線の各相間、または中性線とを含め
た各相間に交互に接続することにより、電源をより均等
に使用することができる。
【0016】融雪屋根表面の屋根傾斜方向と直角の方向
に雪止め部を設け、この雪止め部直近上部であって、雪
止め部より屋根傾斜方向上部の屋根表面全面または雪止
め部間全面の 70 %以下の面積内にヒータユニットを集
中配設することにより、融雪を効果的に行なうことがで
きる。すなわち、雪止め部にて屋根傾斜方向上部より滑
り落ち、蓄積される雪をヒータユニットにより、次々と
融雪することができる。また、雪止め部より屋根傾斜方
向上部に向かって配設密度が疎となるようにヒータユニ
ットを配置することにより、すなわち、雪止め部の直上
部付近のヒータユニットの配設密度を高く、徐々に疎と
なるように配置することにより、雪止め部にて屋根傾斜
方向上部より滑り落ち、蓄積される雪をヒータユニット
により、次々とより融雪することができる。
【0017】本発明の他の融雪屋根は、瓦屋根表面の少
なくとも一部を覆う融雪屋根であって、屋根表面材の裏
面に具備されるヒータユニットの容器部が瓦屋根表面の
瓦凹部に設けられるので、従来の瓦屋根も容易に融雪屋
根にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の屋根材を図1ないし図3
を参照して説明する。図1は段付横葺屋根材を複数個組
合わせてジョイント配列した時の屋根表面材の裏面空隙
部にヒータユニットが設けられている場合を、図3は野
地板または断熱材板を備えた段無横葺屋根表面材の裏面
にヒータユニットを設ける場合において、野地板または
断熱材板に空隙部を形成し、そこにヒータユニットが設
けられている場合をそれぞれ示す断面図である。また、
図2は、一例として示すヒータユニット5の拡大断面図
である。図1に示す屋根材1aは、屋根表面材2とこの
屋根表面材2の裏面にヒータユニット5および断熱シー
ト6を具備している。図2に示すヒータユニット5は、
屋根表面材に密接する放熱板3と、この放熱板3に取付
けられた容器4とから構成され、容器4には内部にチタ
ン酸バリウムを主成分とする正温度係数サーミスタの熱
源4aとが収容されている。熱源4aは放熱板3に接す
る金属製蓋4bにて密閉されていることが好ましく、ま
た、プラスチック製蓋などの外部容器4cにてさらに密
閉されていることが好ましい。このヒータユニット5か
らは内部の熱源4aに接続された接続端子が両端側面か
ら出ている。放熱板3は熱源4aが収容されている容器
4よりも大きい平面積とすることが好ましい。屋根表面
材2はビス7および鋼板のスプリングバックを利用した
ハゼ構造部8により相互にジョイント配列されている。
その際、例えば野地板または断熱材板9との間に空隙部
10aが形成される。屋根材1aは、この空隙部10a
が形成される位置に予め放熱板3とサーミスタの熱源4
aが収容された容器4とからなるヒータユニット5を配
設しておく。
【0019】図3に示す屋根材1bは、屋根表面材2の
裏面に野地板または断熱材板9を有する屋根材構造と
し、野地板または断熱材板9が除かれた空隙部10bに
ヒータユニット5が設けられている。また、断熱シート
6が屋根材1aと同様に設けられている。屋根表面材2
の裏面と熱源4aが収容される容器4との間に、容器4
の平面積よりも大きい平面積の放熱板3を密着して装着
させる。放熱板3は野地板または断熱材板9と屋根表面
材2との間に設ける。ヒータユニット5における熱源容
器部凸部の厚さは、空隙部10bにヒータユニット5を
収容したとき、空隙部が残存する厚さとする。すなわ
ち、ヒータユニット5における熱源容器部凸部の厚さを
野地板または断熱材板9の厚さ以下とする。このように
設定することにより、ヒータユニット5に無理な外力が
かからない。
【0020】ヒータユニット5は、屋根表面材2の形
状、寸法に合わせユニット長さ、本数、配列数、配置方
式等を適当に選択して配設することができる。またヒー
タユニットが組込まれた屋根材を複数個組合わせて融雪
屋根とすることができ、必要とされる屋根の形状や面積
に応じて適宜に屋根材を組合わせて融雪屋根とすること
ができる。例えば、ヒータユニットが組込まれた屋根材
のみを用いて融雪屋根とすること、あるいはヒータユニ
ットが組込まれた屋根材を所定の間隔をおいて配列し他
はヒータユニットのない屋根材を組合わせて融雪屋根と
すること、など種々の組合わせとすることができる。ヒ
ータユニット5の配設方法の一例を図4に示す。図4は
融雪屋根2aの平面図である。破線で示されるヒータユ
ニット5は、融雪屋根2aの裏面に、横手方向に屋根の
傾斜方向と直角方向に直列に配列接続されている。ま
た、融雪屋根2aの表面には、屋根の庇側に雪止め部1
1が設けられている。なお、雪止め部11は棟までに複
数個設けることができる。ヒータユニット5は、屋根表
面材2の裏面空隙部に配設されるが、雪止め部11が少
なくとも一個以上形成されている融雪屋根2aにあって
は、雪止め部直近上部であって、雪止め部より屋根傾斜
方向上部の屋根表面全面または雪止め部間全面の 70 %
以下の面積内にヒータユニット5が集中配設することが
好ましい。この範囲内にヒータユニットを設けることに
より、雪止め部11にて屋根傾斜方向上部より滑り落
ち、蓄積される雪をヒータユニット5により、次々と融
雪することができる。
【0021】ヒータユニット5の他の配設方法の一例を
図5に示す。図5は他の例を示す融雪屋根2aの平面図
である。ヒータユニット5の他の配設方法は、雪止め部
11の直近上部付近のヒータユニット5の配設密度を高
く、屋根上部棟方向に向かって配設密度が徐々に疎とな
るように配設する。具体的には、図5に示す長さL1
2 、L3 、L4 、L5、L6 等がL1 <L2 <L3
4 <L5 <L6 となるように配設する。この場合にお
いても雪止め部にて効果的に融雪することができる。
【0022】本発明に係る屋根表面材は、鋼板、銅板、
アルミ板、トタン板などの金属製屋根表面材、瓦屋根表
面材などを用いることができる。特に放熱板が屋根表面
材の裏面に密接することのできる鋼板など金属製屋根表
面材が好ましい。また、放熱板は熱伝導性に優れた金属
板例えば銅やアルミニウム製が好ましい。本発明に係る
チタン酸バリウムを主成分とする正温度係数サーミスタ
は、チタン酸バリウムを主成分とする半導体セラミック
スであり、材料組成により任意にスイッチング温度(キ
ュリー点)をもち、この温度から電気抵抗が急激に増加
する性質を有している。したがって、この正温度係数サ
ーミスタは、低温時には電気の良導体であるが、ある一
定温度以上になると、急激に抵抗値が上昇し、電気の不
良導体となる。本発明は、この性質を利用したものであ
り、一定の温度の維持が容易にでき、融雪屋根材の熱源
として優れている。
【0023】
【0024】本発明の他の融雪屋根は、ヒータユニット
の容器4の凸部が瓦屋根表面の瓦凹部に内設するように
屋根材を複数個組合わせて得られる。これにより、従来
の瓦屋根も容易に融雪屋根とすることができる。図6は
従来の瓦屋根上に設けられた融雪屋根の一例を示す図で
あり、図6(a)は平面図、図6(b)は断面図を示
す。また図6(c)は放熱板を屋根表面材とした場合の
断面図を示す。瓦屋根12の一部を覆うように設けられ
る融雪屋根は屋根材1cを連結金具12aにより連結す
ることにより形成される。この場合、屋根材1cの裏面
に設けられる容器4は瓦屋根12の傾斜方向に配設する
ことが好ましい。これにより、瓦屋根12の瓦凹部の空
間を埋めることができ、融雪がより容易となる。また、
屋根材1cは放熱板を屋根表面材とすることによりヒー
タユニットのみでも形成することができる。なお、融雪
屋根の表面には庇側に雪止め部11を設けることが好ま
しい。
【0025】融雪屋根の他の一例を図7に示す。図7
(a)は折版形式の屋根材を、図7(b)は瓦棒葺屋根
材を用いた融雪屋根の一部をそれぞれ示す。折版形式の
屋根材1d、瓦棒葺屋根材1eの裏面に、これら屋根表
面材に密接する放熱板3と、この放熱板3に取付けら
れ、放熱板3の平面積よりも小さい平面積を有する容器
4内に収容される熱源4aからなるヒータユニットが取
付けられている。放熱板3の形状は屋根材の形状によっ
て変更することができる。
【0026】ヒータユニットの電源線への接続方法につ
いて図8により説明する。図8は融雪屋根におけるヒー
タユニット接続の一例を示す図である。図8において矢
印方向で示す屋根の傾斜方向と直角の方向に複数個のヒ
ータユニット5が電気的に並列接続される。すなわち、
サーミスタなどの熱源4aの接続端子13を相互に並列
に接続する。複数個の接続端子13が並列に接続された
電気回路端子14は、つぎに電源15に並列に接続され
る。好ましくは3相電源、あるいは3相4線式電源を用
いて、屋根の傾斜方向に配列された電気回路端子14が
電源線の2相、または各相と中性線上に交互に接続す
る。このように、それぞれの電気回路端子14は電源1
5に並列に接続される。
【0027】融雪屋根に配設されるヒータユニットは単
相電源に接続することができるが、3相電源を用いるこ
とにより電流容量を少なくすることができる。その結
果、比較的細い線径の配電線を使用でき、またブレーカ
の容量を小さくできるため、設備コストを下げることが
できる。
【0028】また、本発明に係るチタン酸バリウムを主
成分とする正温度係数サーミスタは、発熱量が電圧に依
存しないため、電源電圧が相違しても、あるいは電圧が
変動しても充分追随して、一定の発熱量を確保すること
ができるので、従来のヒータ加熱方式の融雪屋根に比較
して、容易に電源を選ぶことができるので、目的の融雪
効果が安定して得られる。
【0029】また、ヒータユニットをブロックにわけ
て、その各々に電源スイッチ16を設けることができ
る。例えば屋根雪センサーと併用して、融雪屋根の融雪
状況に応じて電源スイッチ16を配電盤にて制御するこ
とにより、より効率的に融雪を行なうことができる。
【0030】厚さ約 1.5mmのアルミニウム製放熱板を有
するヒータユニットが直下に配設された厚さ約 0.35mm
の鋼板製屋根表面材を組合わせた融雪屋根を用いて融雪
実験を行なった。ヒータユニットは雪止め部より 1m 以
内に配設した。熱源はチタン酸バリウムを主成分とする
正温度係数サーミスタを用いて、設定温度を 100℃とし
た。サーミスタを収容する容器4の蓋4cはプラスチッ
ク製とした。無風および室温約 22 ℃の状態で電源を入
れるとヒータユニット上部における放熱板の裏面温度は
約 69 ℃を示した。一方、雪が降り積もった状態で電源
を入れるとその温度は約 20 ℃であった。このため、雪
が降り始め時から電源を入れる操作を行なったところ、
本発明の融雪屋根は雪が積もらず、効果的に融雪するこ
とができた。図4に示すヒータユニット配置をした場合
における融雪時屋根温度の測定結果を図9に示す。図
中、曲線aは放熱板の裏面であって熱源の横に、曲線b
はヒータユニットを設けていない屋根材の裏面に、それ
ぞれ設置したヒーターセンサーによる測定結果を示す。
曲線aが温度上昇および下降を示している。温度上昇
は、雪止め部の直近上部に配設されたヒータユニットに
より融雪されるためであり、温度下降は、屋根棟付近に
積もった雪が滑り落ちるためである。このように、積も
った雪が順次屋根を滑り落ちる現象がみられ、屋根上部
にヒータユニットが配設されていなくとも融雪すること
ができた。また、この間、特に温度制御は行なわなかっ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の屋根材は、屋根表面材に密接す
る放熱板と、この放熱板に取付けられ、放熱板の平面積
よりも小さい平面積を有する容器内に収容される熱源と
を有するヒータユニットを具備し、このヒータユニット
が屋根材の裏面空隙部あるいは野地板等との間に配設さ
れるので、ヒータユニット一体型の屋根材が得られる。
そのため、屋根葺作業と融雪装置設置作業とは別個に行
なう必要がないため屋根葺き作業が容易になる。また、
放熱面が広くとれヒータユニットの熱を効率よく屋根表
面材に供給することができる。特に、熱源としてチタン
酸バリウムを主成分とする正温度係数サーミスタを用い
ると電源電圧が変動等しても充分追随して、一定の発熱
量を確保することができるので安定して融雪することが
できる。
【0032】本発明の融雪屋根は、上述の屋根材を用
い、ヒータユニットが融雪屋根の傾斜方向と直角の方向
に電気的に並列接続され、該並列接続された電気回路端
子が電源線に並列接続されているので、1個のヒータユ
ニットに故障が生じても他のヒータユニットによる融雪
を維持することができる。また、並列に配列された各電
気回路端子を3相電源線に交互に接続するので、電流容
量を小さくすることができ、また、制御がより容易とす
る。さらに、ヒータユニットを雪止め部より屋根傾斜方
向直近上部の少なくとも 70 %以下の面積内に集中配
設、あるいは屋根傾斜方向上部に向かって配設密度が疎
となるように配設するので、屋根を滑り落ちた雪を雪止
め部で融雪することができ、融雪屋根全体にヒータユニ
ットを配設する必要がなくなる。その結果、低いコスト
で融雪することができる。
【0033】本発明の他の融雪屋根は、ヒータユニット
の容器部が瓦屋根表面の瓦凹部に設けられているので、
従来の瓦屋根に容易に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】屋根材の一実施例を示す断面図である。
【図2】ヒータユニットの拡大断面図である。
【図3】屋根材の一実施例を示す断面図である。
【図4】屋根表面材の平面図である。
【図5】他の例を示す屋根表面材の平面図である。
【図6】瓦屋根上に設けられた融雪屋根の一例を示す図
である。
【図7】融雪屋根の他の一例を示す図である。
【図8】融雪屋根におけるヒータユニット接続の一例を
示す図である。
【図9】融雪時屋根温度の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 屋根材 2 屋根表面材 3 放熱板 4 容器 5 ヒータユニット 6 断熱シート 7 ビス 8 ハゼ構造部 9 野地板 10 空隙部 11 雪止め部 12 瓦屋根 13 接続端子 14 電気回路端子 15 電源 16 電源スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−320810(JP,A) 特開 平5−148961(JP,A) 特開 平8−177174(JP,A) 特開 昭62−242043(JP,A) 登録実用新案3039547(JP,U) 実用新案登録2539042(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 13/00 E04D 1/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根表面材の裏面にヒータユニットを具
    備してなる屋根材であって、前記ヒータユニットは、前
    記屋根表面材の裏面に形成された空隙部または前記屋根
    表面材の裏面に形成された断熱材板の一部が除かれた空
    隙部に取り付けられ、かつ前記屋根表面材に密接する放
    熱板と、この放熱板に取付けられる容器内に収容される
    熱源とを有し、該熱源がチタン酸バリウムを主成分とす
    る正温度係数サーミスタであり、前記容器が前記放熱板
    に接する面積は前記放熱板が前記屋根表面材に密接する
    面積よりも小さく、かつ、前記ヒータユニットが前記屋
    根表面材の傾斜方向と直角の方向に電気的に並列接続さ
    れ、該並列接続された電気回路端子が電源線に並列接続
    されてなることを特徴とする屋根材。
  2. 【請求項2】 ヒータユニットを具備する屋根材と、ヒ
    ータユニットを具備しない屋根材とをそれぞれ複数個組
    合わせて形成される融雪屋根であって、前記ヒータユニ
    ットを具備する屋根材は請求項1記載の屋根材であるこ
    とを特徴とする融雪屋根。
  3. 【請求項3】 前記電源線が3相電源線または3相4線
    式電源線であり、前記電気回路端子が前記電源線の各相
    間、または中性線とを含めた各相間に交互に接続されて
    いることを特徴とする請求項2記載の融雪屋根。
  4. 【請求項4】 前記融雪屋根表面の屋根傾斜方向と直角
    の方向に雪止め部が少なくとも一個以上設けられ、前記
    雪止め部直近上部であって、前記雪止め部より屋根傾斜
    方向上部の屋根表面全面または前記雪止め部間全面の 7
    0 %以下の面積内に前記ヒータユニットが集中配設され
    ていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の
    融雪屋根。
  5. 【請求項5】 前記融雪屋根表面に屋根傾斜方向と直角
    の方向に雪止め部が少なくとも一個以上設けられ、前記
    ヒータユニットが前記雪止め部より屋根傾斜方向上部に
    向かって配設密度が疎となるように配設されていること
    を特徴とする請求項2または請求項3記載の融雪屋根。
  6. 【請求項6】 瓦屋根表面の少なくとも一部を覆う融雪
    屋根であって、該融雪屋根は、請求項1記載の屋根材ま
    たは屋根表面材を除いた請求項1記載の屋根材を複数個
    組合わせて形成され、前記容器部が瓦屋根表面の瓦凹部
    位置に設けられ、前記ヒータユニットは、前記融雪屋根
    の傾斜方向と直角の方向に電気的に並列接続され、該並
    列接続された電気回路端子が電源線に並列接続されてい
    ることを特徴とする融雪屋根。
JP04208598A 1998-02-24 1998-02-24 屋根材および融雪屋根 Expired - Fee Related JP3342658B2 (ja)

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