JP3342559B2 - 後減量加工におけるアニオン返し法 - Google Patents

後減量加工におけるアニオン返し法

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    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P5/00Other features in dyeing or printing textiles, or dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form
    • D06P5/02After-treatment

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  • Textile Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル繊維染色
物の後加工法に関する。更に詳しくはポリエステル繊維
染色物の風合加工の一種である後アルカリ減量加工に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリエステル繊維染色物をカチオン
性の減量加工促進剤を用いて高温短時間処理の減量加工
を行なう際、アルカリ耐性の非常に弱い一部の染料を除
いて、ポリエステル繊維の溶解に伴い繊維から脱落した
染料が浴中の減量加工促進剤と一緒にポリエステル繊維
表面に付着し、汚染を起こすという現象がたびたび見ら
れる。この汚染は、減量加工浴を80℃付近まで冷却し
還元剤を投入する従来の工程では除くことが困難であ
り、また中和後に中性浴で行なうアニオン返しでもほと
んど除くことができない。従ってアルカリ減量加工の施
されるポリエステル繊維の染色においてはアルカリ耐性
の非常に弱いごく一部の染料が汚染の少ないアルカリ減
量加工用の染料として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カチオン性の減量加工
促進剤を用いて行なうポリエステル繊維染色物の後アル
カリ減量加工時の汚染は、それを除去することが困難な
ため、減量加工促進剤などの薬剤の使用や高温短時間処
理というような減量加工の効率アップの目的で採用され
る手段も、結局のところ製品の品質を下げてしまう結果
となっている。そこで本発明は上記のような、とりわけ
減量加工促進剤を用いて減量加工されたポリエステル繊
維上の汚染を、アニオン返しの工程で容易に脱色除去す
ることを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決する為に鋭意研究を行った結果本発明に至ったもの
である。すなわち、本発明は塩基性物質の存在下で後ア
ルカリ減量加工処理されたポリエステル繊維染色物を還
元剤の存在下においてアニオン界面活性剤で処理するこ
とを特徴とするアニオン返し法、に関するものである。
【0005】以下、本発明の方法を詳細に説明する。本
発明の方法では、塩基性物質を使用して減量加工処理さ
れたポリエステル繊維染色物のアニオン返しを行うに当
たり、アニオン界面活性剤の他に還元剤を用いる。また
処理浴のpHを調整するために適宜塩基性物質または酸
性物質、緩衝溶液等を用いることができる。本発明の方
法ではこれらの薬剤を含む処理浴を調製し、この処理浴
中で減量加工の終った染色物を80〜90℃で数分から
数十分間処理することにより目的の加工物が得られる。
浴比は通常1:5〜1:50の範囲で行われる。
【0006】減量加工促進剤を使用することのメリット
は、使用しない時に比較して加工浴中の強塩基の消費が
効率的に行なわれるようになり、ポリエステル繊維の加
水分解速度を速めるという点にある。この効果により少
ない強塩基の量でかつ短時間の処理によって目的の減量
率を得ることができる。他方デメリットとしては、減量
加工が進んでいくに伴い、繊維表面に吸着しているカチ
オン、すなわち減量加工促進剤と繊維から脱落した染料
がスタッキングを起こし、これがポリエステル繊維を汚
染するという点である。この汚染は減量加工浴に還元剤
を投入する方法では、除去することは一般に困難であ
る。
【0007】本発明の方法では、前記したような原因
で、ポリエステル繊維染色物の表面に付着している染料
を、アニオン返しと同時に分解し汚染を除去することが
可能である。その結果アニオン返しと汚染染料の脱色除
去を同時にかつ効率的に行なうことができ、工程の簡略
化、コストメリットを引出すことができる。本発明の方
法で対象となる繊維は、マイクロファイバー、新合繊、
カチオン可染ポリエステルを含むポリエステル繊維全般
の染色物である。これらの繊維形態は、原綿、スライバ
ー、糸、織物、編物、不織布、縫製品等いかなる形態の
ものであってもよい。本発明の方法によるアニオン返し
に使用することの出来る還元剤は一般的なもので良い
が、使用量や加工時間等考慮に入れると、還元性が高く
即効性のあるものが良い。
【0008】本発明の方法で使用しうる還元剤の例とし
てハイドロサルファイト系化合物、アルデヒドサルフォ
キシレート塩系化合物、二酸化チオ尿素、その他の硫黄
化合物等が挙げられる。このうちハイドロサルファイト
系化合物としては、ナトリウムハイドロサルファイト、
ナトリウムハイドロサルファイト亜鉛塩、ハイドロサル
ファイト亜鉛塩、ハイドロサルファイトカルシウム塩等
がある。又アルデヒドサルフォキシレート塩系化合物と
しては、ホルムアルデヒドサルフォキシレートナトリウ
ム塩、ホルムアルデヒドサルフォキシレート亜鉛塩、ア
セトアルデヒドサルフォキシレート亜鉛塩、ジホルムア
ルデヒドサルフォキシレート亜鉛塩、塩基性ホルムアル
デヒドサルフォキシレート亜鉛塩、酸性ホルムアルデヒ
ドサルフォキシレート亜鉛塩等がある。更にその他の硫
黄化合物としては、硫化ソーダ、多硫化ソーダ、水硫化
ソーダ、亜硫酸ソーダ等がある。
【0009】本発明の方法で使用しうるアニオン界面活
性剤の例としては、市販のアニオン返しを目的として市
販されているものが挙げられる。(例:ビクセンAG−
25(特殊アニオン系脱フィックス・アニオン返し剤:
日華化学(株)製))使用量は、一般的には1〜10g
/Lの範囲である。
【0010】還元剤の使用量は通常1〜30g/Lの範
囲が好ましい。又、使用する還元剤の最適pHに調整す
る必要があるためアニオン返し浴には適宜塩基性物質ま
たは酸性物質、緩衝溶液等を併用するのが好ましい。
【0011】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明するが、実施例における布の汚染の判定は次の方法
で行なった。加工布と未加工布をキセノン標準光源下に
並べ、JIS L 0805汚染用グレースケールを用
いてその汚染の度合を判定した。
【0012】実施例1 初めに減量加工を以下の要領にて行なう。あらかじめカ
ヤロンポリエステルイエロー4G−E(アゾ系分散染
料:日本化薬(株)製)4.20%o.w.f.で染色
したポリエステル新合繊糸と、染色されていないポリエ
ステル新合繊糸(前記と同じ物)を2:1の比率になる
ようボーダー柄に編み立てた5gの試験布を用意する。
次に苛性ソーダ20g/L、ネオレートNCB(カチオ
ン性特殊アルキルアミン第四級アンモニウム塩系減量加
工促進剤:日華化学(株)製)3g/Lを含む減量加工
浴を、高温高圧染色試験用ステンレス製ポットに試験布
に対して浴比1:20になるよう100ml調製し、試
験布を投入し密閉する。このサンプルをミニカラー染色
機(テクサム技研製染色試験機)を用い、50℃から1
10℃まで30分で昇温し、110℃にて30分間処理
した後そのまま冷却して試験布を取り出し、水洗し、脱
水する。
【0013】次にアニオン返しを行なう。ビクセンAG
−25(特殊アニオン系脱フィックス・アニオン返し
剤:日華化学(株)製)2g/L、カヤキレーターC−
1000(アニオン性特殊ポリカルボン酸系水質軟化
剤:日本化薬(株)製)0.5g/L、ハイドロサルフ
ァイト5g/L、苛性ソーダ5g/Lを含むアニオン返
し浴を試験布に対し浴比1:20になるよう100ml
調製し、前記で得た試験布を投入し85℃にて20分間
常圧で振盪したのち取り出し、試験布を中性になるよう
に中和し、再び水洗、脱水、乾燥する。
【0014】実施例2 アニオン返し浴にハイドロサルファイト、苛性ソーダの
代わりにホルムアルデヒドサルフォキシレートナトリウ
ム塩5g/L、酢酸1g/Lを用いる他は、実施例1と
同様の方法にて処理を行なった。
【0015】比較例1 比較例として、実施例1と同様の方法にて減量加工処理
を行なった後80℃まで冷却し、ハイドロサルファイト
を5g/Lになるように浴中に投入する。同温度にて5
分間処理した後、冷却して試験布を取り出し水洗する。
試験布を中性になるよう中和し、再び水洗し、ハイドロ
サルファイトを使用しない他は実施例1と同様の方法で
アニオン返しを行ない比較用の処理布を得た。
【0016】上述のごとくして得られた本発明及び比較
用の処理物の汚染を判定し、その結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】表1より明らかなごとく、本発明の方法に
よる加工物は比較例に対して白場への汚染が格段に改善
されていることがわかる。
【0019】
【発明の効果】減量加工促進剤を使用する後アルカリ減
量加工の施された染色物であっても白場への汚染の少な
い染色物がえられるようになった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性物質の存在下で後アルカリ減量加工
    処理されたポリエステル繊維染色物を還元剤の存在下に
    おいてアニオン界面活性剤で処理することを特徴とする
    アニオン返し法。
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