JP3341815B2 - 受話状態検出方法およびその装置 - Google Patents

受話状態検出方法およびその装置

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JP3341815B2 JP16609697A JP16609697A JP3341815B2 JP 3341815 B2 JP3341815 B2 JP 3341815B2 JP 16609697 A JP16609697 A JP 16609697A JP 16609697 A JP16609697 A JP 16609697A JP 3341815 B2 JP3341815 B2 JP 3341815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のマイクロホ
ンで構成されるマイクロホンアレーの出力信号を信号処
理して収音を行う収音部および通信先からの受話信号を
受話音波として放射する受話スピーカを用いた通信会議
装置における受話状態の検出方法およびその装置に係
り、特に受話スピーカから放射された受話音波から受話
状態を検出する際に、受話スピーカの近傍に存在する音
源の影響を除去して正確に受話状態を検出する方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア技術の進歩に伴
い、マイクロホンとスピーカを用いた、拡声通話形態に
よるテレビ会議などの通信会議が可能になりつつある。
その場合に、通信会議の机上に話者数分のマイクロホン
を設置することなく、マイクロホンを意識しない自然な
通話が可能で、かつ音声等の目的音のみを収音する収音
装置が求められている。
【0003】そのような収音装置の例として、複数のマ
イクロホン(マイクロホンアレー)を設置して、それら
の出力を信号処理して目的音を抽出する収音装置があ
る。このようなマイクロホンアレーを用いて雑音を抑圧
し目的音を抽出する信号処理方式には、遅延和方式,A
MNORなど多数知られているが(例えば大賀,山崎,
金田共著“音響システムとディジタル処理”,電子情報
通信学会,1995年,pp.173−197)、例え
ば、遅延和方式では次のように目的音を抽出する。
【0004】図4は、遅延和方式による目的音抽出の原
理を説明する図である。図において、1は収音部(マイ
クロホンアレー),21 ,22 ,・・・,2M はマイク
ロホン(Mはマイクロホンの数)、31 ,32 ,・・
・,3M は遅延器、4は加算器、5は出力信号、6は雑
音抑圧部、dはマイクロホン間隔、s(t)は前記収音
部1に到来する音波(tは時間を表わす)、θは前記音
波s(t)が収音部1に到来する到来角度、τは各マイ
クロホンに音波が到達する時間差(遅延時間)である。
【0005】図4のマイクロホン21 ,22 ,・・・,
M が等間隔dで直線状に並び、音波s(t)が遠方か
ら、この直線状に並んだマイクロホンに角度θで到達す
るものとする。このとき、マイクロホン21 に到達した
音波がマイクロホン22 に到達するまでに伝播する距離
は、マイクロホン間隔dと到来角θとからdsinθで
表わされる(図1)。同様に、i番目のマイクロホン2
i (i=2,・・・,M)に到達するまでに伝播する距
離は、(i−1)dsinθで表わされる。したがっ
て、マイクロホン2i (i=2,・・・,M)に到達す
るまでの遅延時間τi は、マイクロホン21 を基準にす
ると、この伝播距離を音速cで割ることにより、次式
(1)で表わされる。
【0006】
【数1】 ここで、各マイクロホン2i (i=1,・・・,M)か
らの出力信号をxi (t)で表わすと、これは音波s
(t)がτi だけ遅れたものであるから、次式(2)の
ようになる。
【0007】
【数2】 ここで遅延器3i (i=1,2,・・・,M)の遅延量
i を適切に設定すると、θ方向から到来する音波のみ
を強調して出力信号5に出力できることを以下に示す。
【0008】遅延器3i (i=1,2,・・・,M)の
遅延量Di を次式(3)のように設定する。
【0009】
【数3】 0 はτi の値が小さすぎるときに遅延特性をディジタ
ルフィルタで実現する際の精度が低下することを防ぐた
めに付加する固定遅延量である。
【0010】このとき、遅延器3i (i=1,2,・・
・,M)の出力は、式(2)の信号に式(3)の遅延量
i が生じたものなので、次式(4)のようになる。
【0011】
【数4】 すなわち、マイクロホンの番号iに関わらず、s(t)
がD0 だけ遅れた同一の信号となる。
【0012】このように位相を揃えてから加算器4によ
って信号を足し合わせれば、このθ方向から到来する音
波は、足し合わされた分、強調される。一方、θ方向と
は別のθN 方向から到来する音波は、τi とは異なる遅
延時間τN をもって受音されるため、式(3)の遅延量
では位相は揃わず、加算器4によって信号を足し合わせ
ても強調されることはない。
【0013】このようにして、遅延和方式では目的の方
向θから到来する音波を強調し、他の方向θN から到来
する雑音を相対的に抑圧する。
【0014】このとき、目的の方向θを走査し、マイク
ロホンアレーの出力信号を監視すれば、θが目的話者の
方向に向いたとき出力信号が大きくなるので、目的話者
の方向を探すことができる。そして、この目的話者の方
向θからの音波を強調するように式(4)に従って位相
を揃えて加算することにより、すなわちマイクロホンア
レーの指向性をθの方向に向けることにより、目的音を
高いSN比で収音することができる。
【0015】なお、ここでは説明の便宜上、複数のマイ
クロホンを等間隔dで直線上に並んだものとして説明し
たが、このマイクロホンの間隔は不等間隔にすることも
可能で、並べる形状も2次元的・3次元的に並べてもよ
い。
【0016】また、図5のように点音源的な音源Sがア
レーに比較的近い距離に位置する場合は、音源Sからの
球面波的な性質を利用して、遅延器31 ,32 ,・・
・,3M の後段にゲイン71 ,72 ,・・・,7M を設
け、このゲインに適切な荷重を与えることが収音SN比
の向上に重要である。荷重の与え方としては、次式
(5),(6),(7)で表わされるような与え方があ
る(野村,金田,小島“近接音場型マイクロホンアレ
ー”,日本音響学会誌,53巻2号(1997),p
p.110−116)。
【0017】
【数5】
【0018】
【数6】
【0019】
【数7】 ここにr1 ,r2 ,・・・,rM は音源Sから各マイク
ロホン21 ,22 ,・・・,2M までの距離、rC は室
内の臨界距離すなわち音源の直接音パワーと残響音パワ
ーとが等しくなる距離であり、室容積V[m3 ]、室の
残響時間T[秒]に対し、rC =√(0.0032V/
T)で表わされる(H.Kuttruff, “RoomAcoustics(Thir
d Edition)”,Elsevier Applied Science,pp.100-132
(1991))。このときマイクロホンアレーは音源Sの位置
の“点”に対して最も感度が高くなるようになり、いわ
ば感度の“焦点”が形成されるようになる。このとき、
各マイクロホンまでの距離ri (i=1,2,・・・,
M)に対する遅延器31 ,32 ,・・・,3M の遅延D
0 −ri /c(c:音速)と上述のゲインg0 すなわち
aを変化させて感度の焦点を走査し、アレー出力を監視
すれば、目的話者の存在する点に感度の焦点を向いたと
きにアレー出力が大きくなるので、これによって目的話
者の位置を見い出すことができる。
【0020】このようにして、方向ないし位置として目
的話者の存在領域を見い出し、その存在領域にアレーの
指向性を向けることにより、高い収音SN比で目的音を
収音することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】このマイクロホンアレ
ーをテレビ会議などの通信会議などに応用することを試
みる。マイクロホンアレーを通信会議の収音部などに利
用する利点は、高い収音SN比で話者から離れた位置に
マイクロホンアレーを設置することが可能なため、机上
に複数のマイクロホンを設置することがなく、マイクロ
ホンを意識しない、自然な通話が可能になるなどの利点
が挙げられる。
【0022】このマイクロホンアレーを収音部にした通
信会議装置の例を図6に示す。この図で10A,10B
は通信会議室、11A,11Bはマイクロホンアレー、
12A,12Bはマイクロホンアレー主装置、13は通
信回線、14A,14Bは受話スピーカを表わす。通信
会議室10Aで発話された目的音声はマイクロホンアレ
ー11Aで収音され、マイクロホンアレー主装置12A
で目的音声を強調する処理が施された後、通信回線13
を通って、通信先である通信会議室10Bに送信され、
受話スピーカ14Bから受話音声として放射される。通
信会議室10Bで発話された目的音声に対する信号の流
れも、上述と同様の流れとなる。マイクロホンアレー主
装置12Aおよびマイクロホンアレー主装置12Bは、
上述のようにマイクロホンアレー11A,11Bの指向
性を走査して目的話者の存在領域を見い出し、マイクロ
ホンアレーの指向性が目的話者の存在領域に向くように
動作し、目的音声を高いSN比で収音するように動作す
る。
【0023】このようにマイクロホンアレー11A,1
1Bは、目的話者の存在領域を検出してこの存在領域に
マイクロホンアレーの指向性を向けて目的音を高いSN
比で収音することについては効果があった。しかし、通
信先からの受話音声が受話スピーカ14A,14Bから
放射されたとき、この受話スピーカをしばしば目的話者
として誤検出してしまい、マイクロホンアレーの指向性
を受話スピーカ14A,14Bの方向に向けてしまうこ
とが解った。さらにこのとき、受話スピーカ14A,1
4Bから放射された音声がマイクロホンアレー11A,
11Bに収音されて再び発話者のいる通信会議室10
A,10Bに戻ってエコーとして知覚されたり、ハウリ
ングなどの原因になって通話品質が劣化するという問題
の生じることも解った。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めには、受話スピーカから音が出ているかどうか、すな
わち、受話状態を検出して、その受話状態の有無に応じ
た指向性制御を行う方法が有効である。例えば、受話状
態と判定されたときには、マイクロホンアレーの指向性
を受話スピーカ方向に向くことを禁止する、などが基本
的な指向性制御である。そして、この方法を効果的に実
行するためには、受話状態を適切に検出することが重要
となる。
【0025】受話検出の最も簡単な方法は、検出用の指
向性を受話スピーカの存在する領域Fspの位置に向け
て、その時の出力Espを観察する方法である。この出
力Espは受話スピーカから音が出ている時には大きく
なるので、あるしきい値th1を設けて、Esp>th
1になった時を受話状態と判定する。
【0026】しかし、この方法では目的話者がスピーカ
の近傍にいて発声する場合、その影響でスピーカ位置に
指向性を向けた場合の出力Espも増大して、Espが
th1以上の値となり、受話状態と誤判定してしまう場
合がある。そこで、この問題を回避するために、本発明
では、以下のように受話状態判定を行う。すなわち、受
話スピーカの存在する領域Fspへのマイクロホンアレ
ーの指向性のほかに受話スピーカ近傍の領域Fcmpに
比較用の指向性を向け、Fspに対するアレー出力Es
pとFcmpに対するアレー出力Ecmpとを比較する
ことで受話を検出する。ただし、Fcmpは、Fspと
比べて想定される目的話者の位置に近い位置であるもの
とする。受話スピーカから受話音声が放射されていると
きはEspが最も高いためにEsp>Ecmpとなる。
一方、目的話者が発声する場合には、FcmpはFsp
よりも目的話者に近いので、Esp<Ecmpとなる。
従って、Esp>Ecmpとなるときを以って、受話ス
ピーカから放射される受話音声から受話状態を検出する
ことができる。なお、室内の騒音の影響を除くために
は、Esp>Ecmpの条件に加えて、Espがあるし
きい値th3を超えたときを以って受話と判定すればよ
い。
【0027】また、マイクロホンアレー出力に対する信
号処理として図4または図5に示した遅延和方式を用い
る場合、一般に高域周波数の方が指向性が鋭い。従っ
て、高域周波数成分を用いれば、受話スピーカの近傍に
話者や雑音源が存在している場合でも、受話スピーカか
ら放射される音波をこれらから放射される音波と分離し
て収音することができ、受話スピーカから放射される受
話音声を区別して受話を検出することができる。高域周
波数成分を取り出すには、受話スピーカに対するアレー
出力を高域ろ波器に通すことで取り出すことができる。
【0028】以上のように受話検出を行い、前述したよ
うな指向性制御を行えば、先に記したハウリングやエコ
ーの問題を回避することができる。
【0029】また、受話状態の判定は、音響エコーキャ
ンセラにとっても重要である。音響エコーキャンセラと
は、前述の図6の通信会議で説明したエコーを信号処理
によってキャンセルし、エコーやハウリングを防止して
通話品質の劣化を防ぐものである(例えば、大賀,山
崎,金田共著“音響システムとディジタル処理”,電子
情報通信学会,1995年,pp.209−214)。
この音響エコーキャンセラは、適応的にエコーのキャン
セルを行うが、この適応処理は一般的に受話状態におい
て行われる。そのため、音響エコーキャンセラでは、受
話状態の検出が重要となる。ここで述べた受話状態の検
出方法は、このような音響エコーキャンセラにおける受
話状態検出にも応用することができる。
【0030】また、ここでは受話スピーカから受話音声
が放射されているか否かを判別する受話状態検出方法と
して説明を行ったが、受話スピーカに限らず、任意の音
源に対してその音源から音波が放射されているか否かを
検出する方法としても応用できる。すなわち、マイクロ
ホンアレーの指向性を音源の領域FS に向け、またこの
音源近傍の領域Fn に比較用の指向性を向け、FS およ
びFni(i=1,2,・・・,N;Nは比較用の指向
性の数)に対する出力の、例えばそれぞれのパワーPS
およびPniを計算し、PS >Pni(i=1,2,・
・・,N)のとき、その音源から音波が放射されている
として検出する方法である。このようにして、発話者の
位置を検出する方法としても応用することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明にかかる受話状態検出方法
およびその装置は、受話音声が存在する受話状態を検出
することによって、目的話者が発する目的音声と受話ス
ピーカから放射される受話音声とを識別する。また、こ
の受話検出には、受話スピーカの存在する領域Fspへ
のアレーの指向性のほかに受話スピーカの近傍でかつF
spよりも目的話者に近い領域Fcmpに比較用の指向
性を向け、Fspに対するアレー出力EspとFcmp
に対するアレー出力Ecmpとを比較してEsp>Ec
mpを判定して受話を検出するため、目的話者がスピー
カの近傍にいて発声する場合にも、その影響で受話状態
と誤判定することを防ぐことができる。また、Espが
設定されたしきい値thを超えたかを判定して受話を検
出するため、室内の背景騒音によってEsp>Ecmp
となった場合に受話と誤判定することを防ぐ。
【0032】この受話検出部で検出された受話状態に基
づいて、例えば受話スピーカ近傍領域にマイクロホンア
レーの指向性を向けることを防ぐなどの指向性制御を行
うことにより、受話スピーカから放射される受話音声の
影響を防ぎ、目的音声の存在しない受話スピーカ近傍領
域に誤ってマイクロホンアレーの指向性を向ける動作を
防ぐ。
【0033】
【実施例】以下、図面を参照して実施例を説明する。
【0034】図1は、本発明の第1の実施例の構成を示
すブロック図である。この図において、20は通信会議
装置で、マイクロホンアレー21とマイクロホンアレー
主装置22と受話回線23−1と送話回線23−2と受
話スピーカ24とから構成される。30は受話状態検出
部であり、受話スピーカ24にマイクロホンアレー21
の指向性を向ける受話スピーカ出力収音部31と、受話
スピーカ出力収音部31が指向性を向ける近傍領域に比
較用の指向性を向ける比較用収音部32と、これら受話
スピーカ出力収音部31,比較用収音部32からのそれ
ぞれの出力信号を用いて受話状態を判定する受話状態判
定部33と受話状態信号を出力する受話状態出力端子3
4から構成される。
【0035】その動作を説明するとマイクロホンアレー
21で収音された信号は、マイクロホンアレー主装置2
2で信号処理が施され、目的話者の存在領域にマイクロ
ホンアレー21の指向性を向けて目的音声を高いSN比
で収音し、送話回線23−2を通して目的音声を通信先
に送信する。通信先から受信回線23−1を通して受信
した受話信号は、受話スピーカ24によって受話音声と
して放射される。このとき、目的話者の発話していない
受話スピーカ24の近傍領域に誤ってマイクロホンアレ
ー21の指向性が向けられないようにするなどの目的
で、受話状態検出部30を設ける。受話状態検出部30
で検出された受話状態は受話状態信号として受話状態出
力端子34から出力され、この出力された受話状態信号
は、例えばマイクロホンアレー主装置22の信号処理を
制御して、マイクロホンアレー21の指向性が受話スピ
ーカ24に向けられないようにするなどの用途に用いる
ことができる。受話状態の検出は、受話スピーカ24に
マイクロホンアレー21の指向性を向ける受話スピーカ
出力収音部31および受話スピーカ出力収音部31が指
向性を向ける近傍領域に比較用の指向性を向ける比較用
収音部32のそれぞれの出力信号を用いて受話状態判定
部33によって判定される。受話スピーカ出力収音部3
1および比較用収音部32は、それぞれマイクロホンア
レー21で収音された信号を用いて、それぞれの指向性
を形成する。
【0036】図2に、本発明の第2の実施例を示す。こ
の実施例は、受話スピーカ出力収音部31からの出力信
号のパワーを計算する受話スピーカ出力パワー計算部3
5と、比較用収音部32からの出力信号のパワーを計算
する比較用パワー計算部36と、受話スピーカ出力パワ
ー計算部35で計算された受話スピーカ出力パワーが比
較用パワー計算部36で計算された比較用パワーよりも
設定した値だけ超えたかを判定する受話スピーカ出力パ
ワー勾配判定部37と、受話スピーカ出力パワーが設定
されたしきい値th3を超えたかを判定する受話スピー
カ出力パワー判定部38を設け、受話スピーカ出力パワ
ー勾配判定部37および受話スピーカ出力パワー判定部
38の判定がともに真であるときに受話状態判定部33
が受話状態と判定するよう構成された実施例である。
【0037】図3に、本発明の第3の実施例を示す。こ
の実施例は、受話信号の特定の帯域成分を取り出すため
の帯域ろ波部39A,39Bを受話スピーカ出力収音部
31および比較用収音部32の後段にそれぞれ設け、こ
の帯域ろ波部部39A,39Bの出力信号を用いて受話
状態判定部33が受話状態を検出するように構成した実
施例である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる受
話状態検出方法は、複数のマイクロホンから成るマイク
ロホンアレーと、該マイクロホンアレーの出力信号を信
号処理するマイクロホンアレー主装置と、受話スピーカ
とから成る通信装置の受話状態検出方法において、通信
先から受話信号を受信し、該受話信号を受話音波として
前記受話スピーカから放射し、受話スピーカの領域およ
びその近傍領域に該マイクロホンアレーの指向性をそれ
ぞれ形成し、それぞれの指向性に対する出力から受話状
態を検出するようにしたので、受話スピーカから放射さ
れた受話音波から受話状態を検出する際に、受話スピー
カの近傍に存在する音源の影響を除去して正確に受話状
態を検出することができる。
【0039】また、本発明にかかる受話状態検出装置
は、受話音声が存在する受話状態を検出する受話状態検
出部を設けることによって、目的話者が発する目的音声
と受話スピーカから放射される受話音声とを識別するこ
とができるようになる。
【0040】また、前記受話状態検出部は、受話スピー
カの存在する領域Fspへのアレーの指向性のほかに受
話スピーカの近傍で、かつFspよりも目的話者に近い
領域Fcmpに比較用の指向性を向け、Fspに対する
アレー出力EspとFcmpに対するアレー出力Ecm
pとを比較してEsp>Ecmpを判定して受話を検出
するようにしたため、目的話者がスピーカの近傍にいて
発声する場合にも、その影響で受話状態と誤判定するこ
とを防ぐことができる。また、Espが設定されたしき
い値thを超えたかを判定して受話を検出するため、室
内の背景騒音によってEsp>Ecmpとなった場合に
受話と誤判定することを防ぐこともできる。
【0041】さらに、受話スピーカ出力収音手段からの
出力信号から帯域ろ波器により特定の帯域成分をとり出
し受話状態を検出するようにしたもので、受話スピーカ
の近傍に話者や雑音源が存在している場合でも、これら
を区別して受話スピーカから放射できる音波を検出する
ことができる。
【0042】前記のように受話状態検出部で検出された
受話状態に基づいて、例えば受話スピーカ近傍領域にア
レーの指向性を向けることを防ぐなどの指向性制御を行
うことにより、受話スピーカから放射される受話音声の
影響を防ぎ、目的音声の存在しない受話スピーカ近傍領
域に誤ってマイクロホンアレーの指向性を向ける動作を
防ぐことができる。このため、スピーカから放射された
音声がマイクロホンアレーに収音されることを防ぐこと
ができるようになり、発話者の発した音声が回線を通っ
て再び発話者のいる部屋に戻るエコーを防ぎ、またハウ
リングを防止できるようになり、これらエコーやハウリ
ングによる通話品質の劣化を防止するという、これまで
にない優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受話状態検出装置の第1の実施例の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の受話状態検出装置の第2の実施例の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の受話状態検出装置の第3の実施例の構
成を示すブロック図である。
【図4】従来の遅延和方式による雑音抑圧収音の原理を
説明する図である。
【図5】音源がマイクロホンアレーに近い位置に位置す
る場合に遅延器の後段のゲインの荷重を適切に設定して
収音SN比を向上させることを説明するための図であ
る。
【図6】従来のマイクロホンアレーを用いた通信会議を
説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
20 通信会議装置 21 マイクロホンアレー 22 マイクロホンアレー主装置 23−1 受話回線 23−2 送話回線 24 受話スピーカ 30 受話状態検出部 31 受話スピーカ出力収音部 32 比較用収音部 33 受話状態判定部 34 受話状態出力端子 35 受話スピーカ出力パワー計算部 36 比較用パワー計算部 37 受話スピーカ出力パワー勾配判定部 38 受話スピーカ出力パワー判定部 39A 帯域ろ波部 39B 帯域ろ波部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−104970(JP,A) 特開 平6−269082(JP,A) 特開 平7−240990(JP,A) 特開 平7−284186(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/00 320 G01S 3/807 G10L 15/28 H04B 3/23 H04R 1/40 320

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のマイクロホンから成るマイクロホ
    ンアレーと、該マイクロホンアレーの出力信号を信号処
    理するマイクロホンアレー主装置と、受話スピーカとか
    ら成る通信装置の受話状態検出方法において、通信先か
    ら受話信号を受信し、該受話信号を受話音波として前記
    受話スピーカから放射し、受話スピーカの領域およびそ
    の近傍領域に該マイクロホンアレーの指向性をそれぞれ
    形成し、それぞれの指向性に対する出力から受話状態を
    検出することを特徴とする受話状態検出方法。
  2. 【請求項2】 複数のマイクロホンから成るマイクロホ
    ンアレーと、該マイクロホンアレーの出力信号を信号処
    理するマイクロホンアレー主装置と、通信先からの信号
    を受信する受信手段と、該受信手段からの受話信号を受
    話音波として放射する受話スピーカとからなる通信装置
    における受話状態検出装置において、該受話スピーカな
    いし該受話スピーカの近傍領域ないし指定した特定の領
    域に該マイクロホンアレーの指向性を向ける受話スピー
    カ出力収音部と、該受話スピーカ出力収音部が指向性を
    向ける領域の近傍に該マイクロホンアレーの指向性を向
    ける比較用収音部と、該受話スピーカ出力収音部からの
    受話スピーカ出力収音部出力信号および該比較用収音部
    からの比較用収音手段出力信号を用いて受話状態を判定
    する受話状態判定部とからなる受話状態検出部を備えた
    ことを特徴とする受話状態検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の受話状態検出装置であ
    って、該受話スピーカ出力収音部からの出力信号のパワ
    ーを計算する受話スピーカ出力パワー計算部と、該比較
    用収音部の出力信号のパワーを計算する比較用パワー計
    算部と、該受話スピーカ出力パワー計算部で計算された
    受話スピーカ出力パワーが該比較用パワー計算部で計算
    された比較用パワーよりも設定した値だけ超えたかを判
    定する受話スピーカ出力パワー勾配判定部および該受話
    スピーカ出力パワーが設定されたしきい値を超えたかを
    判定する受話スピーカ出力パワー判定部および受話状態
    判定部とから該受話状態検出部が構成され、該受話スピ
    ーカ出力パワー勾配判定部および該受話スピーカ出力パ
    ワー判定部の判定がともに真であるときに該受話状態判
    定部が受話状態と判定することを特徴とする受話状態検
    出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の受話状態検出
    装置であって、該受話スピーカ出力収音部からの出力信
    号の特定の帯域成分を取り出すための帯域ろ波部を設
    け、該帯域ろ波部の出力信号を用いて該受話状態検出部
    が受話状態を検出することを特徴とする受話状態検出装
    置。
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