JP3154468B2 - 受音方法及びその装置 - Google Patents
受音方法及びその装置Info
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- JP3154468B2 JP3154468B2 JP6314096A JP6314096A JP3154468B2 JP 3154468 B2 JP3154468 B2 JP 3154468B2 JP 6314096 A JP6314096 A JP 6314096A JP 6314096 A JP6314096 A JP 6314096A JP 3154468 B2 JP3154468 B2 JP 3154468B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主としてコンサ
ートホールや拡声通信会議等の残響音場において、複数
のマイクロホンを用いて焦点(注目すべき点)の音を受
音する場合、各マイクロホンの出力信号に焦点から各マ
イクロホンまでの距離に応じて時間遅延を与え、それぞ
れのマイクロホンの出力和を取り出す、遅延和アレーと
呼ばれる受音方法及びその装置に関するものである。
ートホールや拡声通信会議等の残響音場において、複数
のマイクロホンを用いて焦点(注目すべき点)の音を受
音する場合、各マイクロホンの出力信号に焦点から各マ
イクロホンまでの距離に応じて時間遅延を与え、それぞ
れのマイクロホンの出力和を取り出す、遅延和アレーと
呼ばれる受音方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は2組の円周配置マイクロホンアレ
ーを持つ、遅延和アレーの原理を説明する図であると共
に、この発明の構成を示す図でもある。図1において、
11 ,12 は円周配置マイクロホンアレー、21 ,22
はマイクロホン保持フレーム、31 ,32 ,…,3m ,
3m+1 ,3m+2 ,…3M はマイクロホン、41 ,42 ,
…4M は遅延器、51 ,52 ,…5M は乗算器、61 ,
62 ,…6N は加算器である。
ーを持つ、遅延和アレーの原理を説明する図であると共
に、この発明の構成を示す図でもある。図1において、
11 ,12 は円周配置マイクロホンアレー、21 ,22
はマイクロホン保持フレーム、31 ,32 ,…,3m ,
3m+1 ,3m+2 ,…3M はマイクロホン、41 ,42 ,
…4M は遅延器、51 ,52 ,…5M は乗算器、61 ,
62 ,…6N は加算器である。
【0003】図1に示した遅延器41 ,42 ,…4
M は、次式で示される遅延量Dikを受信信号に付加す
る。 Dik=D0 −τik i=1,2,…M ; k=1,2,…N ……… (1) τik=rik/c ……… (2) ただし、Mはマイクロホンの数、Nはマイクロホンアレ
ーの焦点の数、rikはk番目の焦点からi番目のマイク
ロホンまでの距離、cは音速を表す。D0 はD ikの値が
小さすぎて、遅延特性をディジタルフィルタで実現する
際の精度が低下するのを防ぐために付加する固定遅延量
である。
M は、次式で示される遅延量Dikを受信信号に付加す
る。 Dik=D0 −τik i=1,2,…M ; k=1,2,…N ……… (1) τik=rik/c ……… (2) ただし、Mはマイクロホンの数、Nはマイクロホンアレ
ーの焦点の数、rikはk番目の焦点からi番目のマイク
ロホンまでの距離、cは音速を表す。D0 はD ikの値が
小さすぎて、遅延特性をディジタルフィルタで実現する
際の精度が低下するのを防ぐために付加する固定遅延量
である。
【0004】ここで、目的とする音源からの目的信号を
s(t) と表す。このとき、i番目のマイクロホンで受音
される目的信号をxsi(t) と表せば、音波の距離減衰1
/r siおよび伝搬時間τsiを用いて、 xsi(t) =(1/rsi)s(t−τsi) ……… (3) と表せる。ただし、rsiは目的音源から各マイクロホン
までの距離、τsi=rsi/cは伝搬時間を表す。
s(t) と表す。このとき、i番目のマイクロホンで受音
される目的信号をxsi(t) と表せば、音波の距離減衰1
/r siおよび伝搬時間τsiを用いて、 xsi(t) =(1/rsi)s(t−τsi) ……… (3) と表せる。ただし、rsiは目的音源から各マイクロホン
までの距離、τsi=rsi/cは伝搬時間を表す。
【0005】各受音信号xsiに対して、遅延器4i にお
いて遅延Dikを付加する。その結果はxsi(t−Dik)
となり、式(1),(3)より xsi(t−Dik)=(1/rsi)s(t−τsi−D0 +τik) …… (4) となる。ここで、目的音源がk番目の焦点位置にあると
すると、rsi=rik,τ si=τikとなり、 xsi(t−Dik)=(1/rik)s(t−D0 ) …… (5) となる。この式から分かるように、各遅延器41 ,
42 ,…4M からの出力xsi(t−Dik),i=1,
2,…,Mは、マイクロホン番号iによらず同位相の信
号となっていることが分かる。言い換えると、この遅延
操作によって焦点位置から到来する信号の時間差が補正
され、同相化されることが分かる。そして、同相化した
信号を乗算器51 ,52 ,…5M で乗算し、加算器
61 ,62 ,…6N において加算することで、焦点から
到来する音は強調される。一方、焦点とは異なった方向
から到来する音は、τikとは異なる伝搬時間τNiをもっ
て受音される。従って、式(5)で表されるDikによる
遅延操作では信号は同相化されず、遅延器の出力は時間
的にずれた波形となっており、これを加算しても強調効
果は小さい。以上の結果、遅延和アレーは、焦点方向に
対してのみ感度が高い指向特性を形成する。
いて遅延Dikを付加する。その結果はxsi(t−Dik)
となり、式(1),(3)より xsi(t−Dik)=(1/rsi)s(t−τsi−D0 +τik) …… (4) となる。ここで、目的音源がk番目の焦点位置にあると
すると、rsi=rik,τ si=τikとなり、 xsi(t−Dik)=(1/rik)s(t−D0 ) …… (5) となる。この式から分かるように、各遅延器41 ,
42 ,…4M からの出力xsi(t−Dik),i=1,
2,…,Mは、マイクロホン番号iによらず同位相の信
号となっていることが分かる。言い換えると、この遅延
操作によって焦点位置から到来する信号の時間差が補正
され、同相化されることが分かる。そして、同相化した
信号を乗算器51 ,52 ,…5M で乗算し、加算器
61 ,62 ,…6N において加算することで、焦点から
到来する音は強調される。一方、焦点とは異なった方向
から到来する音は、τikとは異なる伝搬時間τNiをもっ
て受音される。従って、式(5)で表されるDikによる
遅延操作では信号は同相化されず、遅延器の出力は時間
的にずれた波形となっており、これを加算しても強調効
果は小さい。以上の結果、遅延和アレーは、焦点方向に
対してのみ感度が高い指向特性を形成する。
【0006】さて、この従来形の第1の遅延和アレーに
おいて、焦点から離れた点であっても、その付近にマイ
クロホンが配置されていると、その点に対する感度が上
昇し、その点の付近に雑音源が存在するとSN比が劣化
するという問題があった。即ち非焦点位置における感度
上昇の問題である。この問題に対しては「焦点から離れ
た位置のマイクロホンの出力は使わない、または焦点か
ら離れた位置のマイクロホン出力を加算するときの荷重
を小さくする。」と言う方針で解決が試みられた。その
結果、乗算器51 ,52 ,…5M において、焦点から各
マイクロホンの距離のm乗の逆数により重み付けを行え
ば非焦点位置で感度が上昇することを防止できることが
示された(特願平6−219941「受音方法及びその
装置」)。
おいて、焦点から離れた点であっても、その付近にマイ
クロホンが配置されていると、その点に対する感度が上
昇し、その点の付近に雑音源が存在するとSN比が劣化
するという問題があった。即ち非焦点位置における感度
上昇の問題である。この問題に対しては「焦点から離れ
た位置のマイクロホンの出力は使わない、または焦点か
ら離れた位置のマイクロホン出力を加算するときの荷重
を小さくする。」と言う方針で解決が試みられた。その
結果、乗算器51 ,52 ,…5M において、焦点から各
マイクロホンの距離のm乗の逆数により重み付けを行え
ば非焦点位置で感度が上昇することを防止できることが
示された(特願平6−219941「受音方法及びその
装置」)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の第
2の方法では次に述べるような問題があった。即ち、焦
点位置の音源に対する感度差が発生した。具体的にはマ
イクロホンアレーに近い位置の焦点に対する感度は上昇
し、遠い位置の焦点に対する感度は低下した。次に、こ
のことを実験データに基づいて説明する。
2の方法では次に述べるような問題があった。即ち、焦
点位置の音源に対する感度差が発生した。具体的にはマ
イクロホンアレーに近い位置の焦点に対する感度は上昇
し、遠い位置の焦点に対する感度は低下した。次に、こ
のことを実験データに基づいて説明する。
【0008】実験では、室容積が86m3で残響時間が0.
2秒の部屋において、図1に示した2組のマイクロホン
アレー(マイクロホン総数:M=32個)を天井から吊
り下げた。そして、マイクロホンアレーから下方1.1m
の平面上に28箇所の焦点を設定した。具体的には、横
2m,縦4.8mの平面上に横0.67m×縦0.8mの格子
を描き、4×7=28箇所にマイクロホンアレーの焦点
を設定した。この格子平面の横方向をX座標、縦方向を
Y座標とする。次に、第1の焦点ps1(X,Y座標=
〔2,2〕)または、第2の焦点ps2(X,Y座標=
〔3,3〕)の位置にスピーカを設置し、ホス雑音を同
一の音量で発生させた。そして、上記28箇所に焦点を
形成した場合のマイクロホンアレーの出力信号y1 (t)
,y2 (t) ,…,y28(t) のパワーを測定し、yk (t)
ごとにその結果を等高線で示した。ただし、乗算器5
1 ,52 ,…5M の各マイクロホンゲイン(乗算係数)
gikは、従来の第2の方法〔特願平6−219941
「受音方法及びその装置」〕に示したように、焦点から
各マイクロホンまでの距離rikの逆数により重み付けさ
れている(gik=1/rik)。
2秒の部屋において、図1に示した2組のマイクロホン
アレー(マイクロホン総数:M=32個)を天井から吊
り下げた。そして、マイクロホンアレーから下方1.1m
の平面上に28箇所の焦点を設定した。具体的には、横
2m,縦4.8mの平面上に横0.67m×縦0.8mの格子
を描き、4×7=28箇所にマイクロホンアレーの焦点
を設定した。この格子平面の横方向をX座標、縦方向を
Y座標とする。次に、第1の焦点ps1(X,Y座標=
〔2,2〕)または、第2の焦点ps2(X,Y座標=
〔3,3〕)の位置にスピーカを設置し、ホス雑音を同
一の音量で発生させた。そして、上記28箇所に焦点を
形成した場合のマイクロホンアレーの出力信号y1 (t)
,y2 (t) ,…,y28(t) のパワーを測定し、yk (t)
ごとにその結果を等高線で示した。ただし、乗算器5
1 ,52 ,…5M の各マイクロホンゲイン(乗算係数)
gikは、従来の第2の方法〔特願平6−219941
「受音方法及びその装置」〕に示したように、焦点から
各マイクロホンまでの距離rikの逆数により重み付けさ
れている(gik=1/rik)。
【0009】図5は、音源を第1の焦点ps1に設置した
場合のy1 (t) より求めたパワー分布であり、図6は、
音源を第2の焦点ps2に設置した場合のy2 (t) より求
めたパワー分布である。両図からも明らかなように、マ
イクロホンアレーの出力は、音源のある焦点位置で最も
高い。しかし、音源を第1の焦点ps1に配置した場合の
出力パワーの値は約−24dBであり(図5)、音源を第
2の焦点ps2に配置した場合の出力パワーの値は約−2
8dBである(図6)。即ち、音源位置がps1とps2とで
は約4dBのレベル差が生じていることが分かる。このよ
うに、従来法においては、音源から出る音の大きさが同
じであっても、音源の置かれる焦点位置によってアレー
の出力レベルが異なるという問題点があった。この問題
点は実用上は、(i)位置の異なる話者に焦点を向けた
ときの音量変化、(ii) 音源位置の検出に対する障害、
という問題点を生じる。
場合のy1 (t) より求めたパワー分布であり、図6は、
音源を第2の焦点ps2に設置した場合のy2 (t) より求
めたパワー分布である。両図からも明らかなように、マ
イクロホンアレーの出力は、音源のある焦点位置で最も
高い。しかし、音源を第1の焦点ps1に配置した場合の
出力パワーの値は約−24dBであり(図5)、音源を第
2の焦点ps2に配置した場合の出力パワーの値は約−2
8dBである(図6)。即ち、音源位置がps1とps2とで
は約4dBのレベル差が生じていることが分かる。このよ
うに、従来法においては、音源から出る音の大きさが同
じであっても、音源の置かれる焦点位置によってアレー
の出力レベルが異なるという問題点があった。この問題
点は実用上は、(i)位置の異なる話者に焦点を向けた
ときの音量変化、(ii) 音源位置の検出に対する障害、
という問題点を生じる。
【0010】本発明の目的は、従来の遅延和アレー装置
が持つ前記欠点を解決し、音源の存在する焦点位置にか
かわらず、同じレベルで高い信号対雑音比の信号を収音
することである。
が持つ前記欠点を解決し、音源の存在する焦点位置にか
かわらず、同じレベルで高い信号対雑音比の信号を収音
することである。
【0011】
(1)請求項1の発明は、焦点からの音を複数のマイク
ロホンを用いて受音する方法であって、第i番目のマイ
クロホンの出力信号に対して、前記焦点から第i番目の
マイクロホンまでの距離に応じて時間遅延を与えると共
に、前記距離の累乗値の逆数を乗算し、それらの乗算し
た信号を加算し、加算した信号に含まれる焦点位置に置
かれた音源の直接音成分のパワーと残響音成分のパワー
の和に応じて加算結果を正規化した後出力する。
ロホンを用いて受音する方法であって、第i番目のマイ
クロホンの出力信号に対して、前記焦点から第i番目の
マイクロホンまでの距離に応じて時間遅延を与えると共
に、前記距離の累乗値の逆数を乗算し、それらの乗算し
た信号を加算し、加算した信号に含まれる焦点位置に置
かれた音源の直接音成分のパワーと残響音成分のパワー
の和に応じて加算結果を正規化した後出力する。
【0012】(2)請求項2の受音装置は、焦点からの
音を受音する複数のマイクロホン(i=1,2,…,
M)と、それらの各マイクロホンの出力信号に、前記焦
点から各マイクロホンまでの距離(ri )に応じて遅延
させる遅延手段と、前記各マイクロホンの出力信号を前
記距離(ri )の累乗値の逆数(ri -m)を乗算する乗
算手段と、前記乗算手段および遅延手段により処理され
た各マイクロホンの出力信号を加算する加算手段と、加
算した信号に含まれる焦点位置に置かれた音源の直接音
成分のパワーと残響音成分のパワーの和に応じて該信号
の正規化を行う正規化手段とより構成される。
音を受音する複数のマイクロホン(i=1,2,…,
M)と、それらの各マイクロホンの出力信号に、前記焦
点から各マイクロホンまでの距離(ri )に応じて遅延
させる遅延手段と、前記各マイクロホンの出力信号を前
記距離(ri )の累乗値の逆数(ri -m)を乗算する乗
算手段と、前記乗算手段および遅延手段により処理され
た各マイクロホンの出力信号を加算する加算手段と、加
算した信号に含まれる焦点位置に置かれた音源の直接音
成分のパワーと残響音成分のパワーの和に応じて該信号
の正規化を行う正規化手段とより構成される。
【0013】(3)請求項3の発明は、前記(2)にお
いて、遅延手段による遅延時間Di(i=1,2,…,
M)が、Di =D0 −τi ; τi =ri /c (D0
は固定遅延、cは音速)に設定されている。 (4)請求項4の発明は、前記(2)および(3)にお
いて、正規化手段における正規化係数√Cは、室内の臨
界距離をrC とすると、 √C=√〔{Σj=1 M (1/rj m+1)}2+(1/rc 2){Σj=1 M (1
/rj 2m) }〕 と設定されている。
いて、遅延手段による遅延時間Di(i=1,2,…,
M)が、Di =D0 −τi ; τi =ri /c (D0
は固定遅延、cは音速)に設定されている。 (4)請求項4の発明は、前記(2)および(3)にお
いて、正規化手段における正規化係数√Cは、室内の臨
界距離をrC とすると、 √C=√〔{Σj=1 M (1/rj m+1)}2+(1/rc 2){Σj=1 M (1
/rj 2m) }〕 と設定されている。
【0014】(5)請求項5の発明は、前記(2),
(3)および(4)において、複数の焦点の各々に対応
する複数の前記正規化した信号から所望の音源位置を判
定する手段と、その判定結果に基づいて該複数の信号か
ら一つまたは、複数の信号を選択して出力する手段とを
設けたものである
(3)および(4)において、複数の焦点の各々に対応
する複数の前記正規化した信号から所望の音源位置を判
定する手段と、その判定結果に基づいて該複数の信号か
ら一つまたは、複数の信号を選択して出力する手段とを
設けたものである
【0015】
(1)問題の解析 上記の問題点を定量的に解析する。図1において、2組
の円周配置マイクロホンアレーにM個のマイクロホンを
取付け、遅延Dikを付加してk番目の位置に焦点を形成
した場合を考える。音源がk番目の焦点位置に置かれた
とき、マイクロホンの出力信号は式(5)より次式で表
される。
の円周配置マイクロホンアレーにM個のマイクロホンを
取付け、遅延Dikを付加してk番目の位置に焦点を形成
した場合を考える。音源がk番目の焦点位置に置かれた
とき、マイクロホンの出力信号は式(5)より次式で表
される。
【0016】 yk (t) =Σi=1 M gikxsi(t−Dik) =Σi=1 M (gik/rik)s(t−D0) …… (6) 従来の第2の方法では、式(6)において、マイクロホ
ンの出力信号の信号対雑音比を高くするために、各マイ
クロホンゲイン(乗算係数)gikをk番目の焦点からi
番目のマイクロホンまでの距離rikのm乗の逆数rik -m
(ただし、1≦m≦3)として重み付けを行っていた。
そこで、gik=1/rik m を式(6)に代入して次式が
得られる。
ンの出力信号の信号対雑音比を高くするために、各マイ
クロホンゲイン(乗算係数)gikをk番目の焦点からi
番目のマイクロホンまでの距離rikのm乗の逆数rik -m
(ただし、1≦m≦3)として重み付けを行っていた。
そこで、gik=1/rik m を式(6)に代入して次式が
得られる。
【0017】 yk (t) =Σi=1 M (1/rik m+1)s(t−D0) …… (7) 従って、k番目の位置に焦点を形成し、その焦点位置に
音源がある場合のマイクロホンアレーの出力の絶対値の
2乗平均値(パワー)は次式で表せる。 |yk (t) |2 AV=|Σi=1 M (1/rik m+1)s(t−D0)|2 AV =|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 |s2(t−D0)|AV …… (8) (8)式の添字AVは時間平均を表す。8(式)の結果
から、マイクロホンアレーの出力パワーは、焦点位置に
依存して|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 に比例して変化
することが分かる。
音源がある場合のマイクロホンアレーの出力の絶対値の
2乗平均値(パワー)は次式で表せる。 |yk (t) |2 AV=|Σi=1 M (1/rik m+1)s(t−D0)|2 AV =|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 |s2(t−D0)|AV …… (8) (8)式の添字AVは時間平均を表す。8(式)の結果
から、マイクロホンアレーの出力パワーは、焦点位置に
依存して|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 に比例して変化
することが分かる。
【0018】(2)問題の解決方法 そこで、音源のある焦点位置にかかわらず、一定のマイ
クロホン出力の得られる方法について提案する。式
(8)より、マイクロホンアレーの出力パワー|y
k (t) |2 AV は、焦点からマイクロホンまでの距離の関
数である|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 の項と、音源信
号の関数である|s2(t−D0)|AV の項で与えられ
る。ここで|s2(t−D0)|AVは音源信号パワーを表
し、音源のある焦点位置にかかわらず一定値である。従
って、|yk (t) |2 AVが焦点位置によらず一定値とす
るためには、式(8)を1/|Σi=1 M (1/rik m+1)
|2 で正規化すればよいことが分かる。そして、そのた
めには各マイクロホンゲイン(乗算係数)gikを次式の
ように設定すればよい。
クロホン出力の得られる方法について提案する。式
(8)より、マイクロホンアレーの出力パワー|y
k (t) |2 AV は、焦点からマイクロホンまでの距離の関
数である|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 の項と、音源信
号の関数である|s2(t−D0)|AV の項で与えられ
る。ここで|s2(t−D0)|AVは音源信号パワーを表
し、音源のある焦点位置にかかわらず一定値である。従
って、|yk (t) |2 AVが焦点位置によらず一定値とす
るためには、式(8)を1/|Σi=1 M (1/rik m+1)
|2 で正規化すればよいことが分かる。そして、そのた
めには各マイクロホンゲイン(乗算係数)gikを次式の
ように設定すればよい。
【0019】
【数1】 ただし、Mはマイクロホン数、Nはマイクロホンアレー
の焦点の数を表す。式(6)に式(9)で新たに定義さ
れたマイクロホンゲインgikを代入して、yk (t) のパ
ワーを計算すると、次式が得られる。
の焦点の数を表す。式(6)に式(9)で新たに定義さ
れたマイクロホンゲインgikを代入して、yk (t) のパ
ワーを計算すると、次式が得られる。
【0020】
【数2】 式(10)より明らかなように、音源のある焦点の位置
にかかわらず、マイクロホンアレーの出力信号パワー
は、音源信号のみの関数である|s2(t−D0)| AVとな
り、一定となる。 (3)残響が多い室内への適用 上記(2)項の問題の解決方法に従い、図1に示す2組
の円周配置マイクロホンアレーを用いて、音源検出の実
験を残響のない自由空間にて行った。音源がk番目の焦
点位置にある場合、マイクロホンアレーの信号対雑音比
が最大で、かつ出力パワーが一定となるように、マイク
ロホンゲインgikを式(9)に従って設定した。その結
果、残響のない自由空間においては、音源がある焦点位
置にかかわらず、マイクロホンアレーの信号対雑音比が
最大で、かつ出力パワーが一定となり、良好な音源検出
が実現できた。しかし、この方法では残響の多い室内で
の音源検出はうまくいかなかった。そこで、室内の臨界
距離rC の考えを導入し、マイクロホンゲインgikを次
式のように工夫した。
にかかわらず、マイクロホンアレーの出力信号パワー
は、音源信号のみの関数である|s2(t−D0)| AVとな
り、一定となる。 (3)残響が多い室内への適用 上記(2)項の問題の解決方法に従い、図1に示す2組
の円周配置マイクロホンアレーを用いて、音源検出の実
験を残響のない自由空間にて行った。音源がk番目の焦
点位置にある場合、マイクロホンアレーの信号対雑音比
が最大で、かつ出力パワーが一定となるように、マイク
ロホンゲインgikを式(9)に従って設定した。その結
果、残響のない自由空間においては、音源がある焦点位
置にかかわらず、マイクロホンアレーの信号対雑音比が
最大で、かつ出力パワーが一定となり、良好な音源検出
が実現できた。しかし、この方法では残響の多い室内で
の音源検出はうまくいかなかった。そこで、室内の臨界
距離rC の考えを導入し、マイクロホンゲインgikを次
式のように工夫した。
【0021】ここで、室内の臨界距離rC とは、音源の
直接音パワーと残響音パワーとが等しくなるまでの距離
を言う。この臨界距離rC は、rC =√(0.0032V
/T)で与えられる。ここで、Vは室容積、Tは室内の
残響時間を表す。さて、残響成分を考慮すれば、式
(3)で表された各マイクロホンの受音信号 xsi(t) は
次式のように表される。
直接音パワーと残響音パワーとが等しくなるまでの距離
を言う。この臨界距離rC は、rC =√(0.0032V
/T)で与えられる。ここで、Vは室容積、Tは室内の
残響時間を表す。さて、残響成分を考慮すれば、式
(3)で表された各マイクロホンの受音信号 xsi(t) は
次式のように表される。
【0022】 xsi(t) =(1/rsi)s(t−τsi) +vi (t) …… (11) ただし、vi (t) はi番目のマイクロホンで受音される
残響成分を表す。式(11)で表された各受音信号に対
して遅延Dikと荷重係数(乗算係数)gik(=1/rik
m ) を乗じて総和をとった出力信号yk (t) は式(6)
と同様に、 yk (t) =Σi=1 M gikxsi(t−Dik) =Σi=1 M (1/rik m) {1/rik)s(t-D0)+vi (t−Dik) } …… (12) ここで、目的信号の直接音成分s(t−D0 )と各マイ
クロホンで受音された残響成分vi (t−Dik),i=
1,2,…,Mがそれぞれ無相関であると仮定する。即
ち、 〔s(t−D0)・vi (t−Dik)〕AV=0 i=1,2,…,M; 〔vi (t−Dik)・vj (t−Djk)〕AV=0 j=1,2,…,M …… (13) と仮定する。また、各残響音成分のパワーは等しくこれ
をPq と仮定し、目的信号のパワーをPS と表す。即
ち、 Pq =|vi 2(t−Dik)|AV ; PS =|s2(t−D0)|AV …… (14) このとき、アレー出力yk (t) のパワー(2乗平均)を
計算すると、 |yk (t) |2 AV=|Σi=1 M {(1/rik m+1)s(t-D0)+(1/rik m) ×vi (t−Dik) }|2 AV =|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 |s2(t-D0)|AV +|Σi=1 M (1/rik 2m) |〔vi 2 (t−Dik) 〕AV =|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 Ps+|Σi=1 M (1/rik 2m) |Pq …… (15) となる。ここで、残響音のパワーは臨界距離rC におけ
る直接音のパワーに等しいので、 Pq =(1/rC 2)PS …… (16) が成立する。これより、 |yk (t) |2 =〔{Σi=1 M (1/rik m+1)}2 +(1/rc 2 ) ×{Σi=1 M (1/rik 2m)}〕Ps …… (17) となる。即ち、残響成分を考慮したアレー出力のパワー
は、焦点とマイクロホン間距離rjKと臨界距離rC を用
いれば、 Ck ={Σj=1 M (1/rjk m+1)}2 +(1/rc 2 ) ×{Σj=1 M (1/rjk 2m)} …… (18) に比例することが分かった。この式より、アレーの出力
パワーはrjKの値に依存する。即ち、焦点位置に依存す
ることが分かる。これを防ぐためには、荷重係数gikを
√Ck で正規化すれば良い。即ち、gikを新たに gik=(1/√Ck ) (1/rik m ) …… (19) と定めればよい。このとき出力パワーは、 |yk (t) |2 AV=|(1/ √Ck ) Σi=1 M {(1/rik m+1)s(t−D0) +(1/rik m ) vi (t−Dik) }|2 AV =(1/Ck )[{Σj=1 M (1/rjk m+1)}2 +(1/rc 2) ×{Σj=1 M (1/rjk 2m) }〕PS =PS …… (20) となり、焦点位置に依存しなくなることが分かる。
残響成分を表す。式(11)で表された各受音信号に対
して遅延Dikと荷重係数(乗算係数)gik(=1/rik
m ) を乗じて総和をとった出力信号yk (t) は式(6)
と同様に、 yk (t) =Σi=1 M gikxsi(t−Dik) =Σi=1 M (1/rik m) {1/rik)s(t-D0)+vi (t−Dik) } …… (12) ここで、目的信号の直接音成分s(t−D0 )と各マイ
クロホンで受音された残響成分vi (t−Dik),i=
1,2,…,Mがそれぞれ無相関であると仮定する。即
ち、 〔s(t−D0)・vi (t−Dik)〕AV=0 i=1,2,…,M; 〔vi (t−Dik)・vj (t−Djk)〕AV=0 j=1,2,…,M …… (13) と仮定する。また、各残響音成分のパワーは等しくこれ
をPq と仮定し、目的信号のパワーをPS と表す。即
ち、 Pq =|vi 2(t−Dik)|AV ; PS =|s2(t−D0)|AV …… (14) このとき、アレー出力yk (t) のパワー(2乗平均)を
計算すると、 |yk (t) |2 AV=|Σi=1 M {(1/rik m+1)s(t-D0)+(1/rik m) ×vi (t−Dik) }|2 AV =|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 |s2(t-D0)|AV +|Σi=1 M (1/rik 2m) |〔vi 2 (t−Dik) 〕AV =|Σi=1 M (1/rik m+1)|2 Ps+|Σi=1 M (1/rik 2m) |Pq …… (15) となる。ここで、残響音のパワーは臨界距離rC におけ
る直接音のパワーに等しいので、 Pq =(1/rC 2)PS …… (16) が成立する。これより、 |yk (t) |2 =〔{Σi=1 M (1/rik m+1)}2 +(1/rc 2 ) ×{Σi=1 M (1/rik 2m)}〕Ps …… (17) となる。即ち、残響成分を考慮したアレー出力のパワー
は、焦点とマイクロホン間距離rjKと臨界距離rC を用
いれば、 Ck ={Σj=1 M (1/rjk m+1)}2 +(1/rc 2 ) ×{Σj=1 M (1/rjk 2m)} …… (18) に比例することが分かった。この式より、アレーの出力
パワーはrjKの値に依存する。即ち、焦点位置に依存す
ることが分かる。これを防ぐためには、荷重係数gikを
√Ck で正規化すれば良い。即ち、gikを新たに gik=(1/√Ck ) (1/rik m ) …… (19) と定めればよい。このとき出力パワーは、 |yk (t) |2 AV=|(1/ √Ck ) Σi=1 M {(1/rik m+1)s(t−D0) +(1/rik m ) vi (t−Dik) }|2 AV =(1/Ck )[{Σj=1 M (1/rjk m+1)}2 +(1/rc 2) ×{Σj=1 M (1/rjk 2m) }〕PS =PS …… (20) となり、焦点位置に依存しなくなることが分かる。
【0023】上記式(18)に示した正規化係数CK の
第1項は、(1/rik m ) を荷重係数としたときのアレ
ー出力に含まれる焦点位置に置かれた音源の直接音成分
のパワーを表し、第2項は残響音成分のパワーを表す。
自由空間などのように残響が小さい音場では臨界距離r
c は∞となり、式(18)の第2項は零となって式(1
9)と式(9)で表した自由空間における荷重係数は一
致することが分かる。なお、式(19)において1/√
Ck は全てのiに対して共通であるので、gik=1/r
ik m とおいて合成したyk (t) を√Ck で除して正規化
を行っても全く等価となる。
第1項は、(1/rik m ) を荷重係数としたときのアレ
ー出力に含まれる焦点位置に置かれた音源の直接音成分
のパワーを表し、第2項は残響音成分のパワーを表す。
自由空間などのように残響が小さい音場では臨界距離r
c は∞となり、式(18)の第2項は零となって式(1
9)と式(9)で表した自由空間における荷重係数は一
致することが分かる。なお、式(19)において1/√
Ck は全てのiに対して共通であるので、gik=1/r
ik m とおいて合成したyk (t) を√Ck で除して正規化
を行っても全く等価となる。
【0024】(4)実施例 図1および図4は、本発明の実施例を示す。ただし、こ
の発明では図1の乗算係数gikは前記提案済みのものと
異なり、gik=(1/√Ck )(1/rik m )とされ
る。ここでCk は定数である。図4は自動音源位置検出
機能を有する遅延和アレー(請求項5)の構成図であ
る。図4において、8はマイクロホンがM個のマイクロ
ホンアレー、9は遅延部および乗算部、10は加算部、
11は音源位置検出部、12は信号選択部、13はマイ
クロホンアレーの出力信号である。図4の装置は以下の
ように動作する。
の発明では図1の乗算係数gikは前記提案済みのものと
異なり、gik=(1/√Ck )(1/rik m )とされ
る。ここでCk は定数である。図4は自動音源位置検出
機能を有する遅延和アレー(請求項5)の構成図であ
る。図4において、8はマイクロホンがM個のマイクロ
ホンアレー、9は遅延部および乗算部、10は加算部、
11は音源位置検出部、12は信号選択部、13はマイ
クロホンアレーの出力信号である。図4の装置は以下の
ように動作する。
【0025】先ず最初にマイクロホンアレー8で音場内
の音を受音する。次に、この受音信号に対して、第k番
目の位置(ただし、k=1,2,…N)に焦点を形成す
る信号処理(遅延和)を行う。具体的には、第k番目の
焦点位置から発生して受音された信号が全て同位相で加
算される様に、音源から各マイクロホンまでの距離r ik
に応じて時間遅延を9の遅延部で与える(ただし、i=
1,2,…M)。さらに、焦点位置にかかわらず、出力
パワーが一定となるように、9の乗算部で式(19)で
示したマイクロホンゲインgikを入力信号に掛ける。1
0の加算部では、M個の入力信号を加算し、出力y
k (t) を合成する。同様に、k=1,2…,NとしてN
個の焦点位置ps1,ps2,…,psN に焦点を結んだとき
の出力y1 (t),y2 (t) ,…,yN (t) を合成する。
の音を受音する。次に、この受音信号に対して、第k番
目の位置(ただし、k=1,2,…N)に焦点を形成す
る信号処理(遅延和)を行う。具体的には、第k番目の
焦点位置から発生して受音された信号が全て同位相で加
算される様に、音源から各マイクロホンまでの距離r ik
に応じて時間遅延を9の遅延部で与える(ただし、i=
1,2,…M)。さらに、焦点位置にかかわらず、出力
パワーが一定となるように、9の乗算部で式(19)で
示したマイクロホンゲインgikを入力信号に掛ける。1
0の加算部では、M個の入力信号を加算し、出力y
k (t) を合成する。同様に、k=1,2…,NとしてN
個の焦点位置ps1,ps2,…,psN に焦点を結んだとき
の出力y1 (t),y2 (t) ,…,yN (t) を合成する。
【0026】これらN個の出力信号は、それぞれ11の
音源位置検出部および12の信号選択部に入力される。
11の音源位置検出部では、N個の出力信号y1 (t) ,
y2(t) ,…,yN (t) を用いて音源位置検出を行う。
音源位置検出の方法には色々な方法が考えられるが、こ
こでは、y1 (t),y2 (t) ,…,yN (t) の中でも最も
パワーが大きい信号ykmax(t) に対応する焦点番号k
max を音源の存在する焦点位置と判断する。次に音源位
置検出部で検出した音源の存在する焦点番号kma x は、
信号選択部12に入力される。信号選択部12では、音
源位置検出部11からのkmax を用い、出力信号y
1 (t) ,y2 (t) ,…,yN (t) の中からykm ax(t) を
選択して受音装置の出力とする。
音源位置検出部および12の信号選択部に入力される。
11の音源位置検出部では、N個の出力信号y1 (t) ,
y2(t) ,…,yN (t) を用いて音源位置検出を行う。
音源位置検出の方法には色々な方法が考えられるが、こ
こでは、y1 (t),y2 (t) ,…,yN (t) の中でも最も
パワーが大きい信号ykmax(t) に対応する焦点番号k
max を音源の存在する焦点位置と判断する。次に音源位
置検出部で検出した音源の存在する焦点番号kma x は、
信号選択部12に入力される。信号選択部12では、音
源位置検出部11からのkmax を用い、出力信号y
1 (t) ,y2 (t) ,…,yN (t) の中からykm ax(t) を
選択して受音装置の出力とする。
【0027】以上説明した図4の実施例においては、最
も大きな音がする音源が目的とする音源と考え、これに
焦点を向けることで、高いSN比の受音を実現するもの
であった。このようなシステムにおいて、対象とする音
場内に複数の音、例えば目的信号源と雑音源が存在する
場合には、的確に目的信号源の位置を見いだすことが重
要である。しかし、従来の遅延和アレーの方法では、焦
点位置によって感度が異なる(アレーに近い焦点位置に
対する感度が上昇する)ため、雑音源(空調装置など)
がアレーの近くにある場合には、出力パワーが大きくな
り、その結果、実際には雑音源のパワーが小さいもので
あるにもかかわらず、これを目的信号源と誤判断してし
まう場合が発生していた。これに対して、本発明を適用
した場合には、焦点位置によらず音源から発生する音の
大きさを正確に計測することが可能となるため、最大の
音を発する音源位置を的確に把握し、その位置に焦点を
向けることで良好な高SN比受音が可能となる。
も大きな音がする音源が目的とする音源と考え、これに
焦点を向けることで、高いSN比の受音を実現するもの
であった。このようなシステムにおいて、対象とする音
場内に複数の音、例えば目的信号源と雑音源が存在する
場合には、的確に目的信号源の位置を見いだすことが重
要である。しかし、従来の遅延和アレーの方法では、焦
点位置によって感度が異なる(アレーに近い焦点位置に
対する感度が上昇する)ため、雑音源(空調装置など)
がアレーの近くにある場合には、出力パワーが大きくな
り、その結果、実際には雑音源のパワーが小さいもので
あるにもかかわらず、これを目的信号源と誤判断してし
まう場合が発生していた。これに対して、本発明を適用
した場合には、焦点位置によらず音源から発生する音の
大きさを正確に計測することが可能となるため、最大の
音を発する音源位置を的確に把握し、その位置に焦点を
向けることで良好な高SN比受音が可能となる。
【0028】(5)実験結果 実験では、室容積が86m3で残響時間が0.2秒の室内に
おいて、図1に示した2組の円周配置マイクロホンアレ
ー(マイクロホン総数:M=32個)を天井から吊り下
げた。そして、マイクロホンアレーから下方1.1mの平
面上に28箇所の焦点を設定した。具体的には、横2
m,縦4.8mの平面上に横0.67m×縦0.8mの格子を
描き、4×7=28箇所にマイクロホンアレーの焦点を
設定した。この格子平面の横方向をX座標、縦方向をY
座標とする。次に、第1の焦点ps1(X,Y座標=
〔2,2〕)または、第2の焦点ps2(X,Y座標=
〔3,3〕)の位置にスピーカを設置し、ホス雑音を同
一の音量で発生させた。そして、上記28箇所に焦点を
形成した場合のマイクロホンアレーの出力信号y1 (t),
y2(t) ,…,y28(t) のパワーを測定し、その結果を
等高線で示した。ただし、乗算器51 ,52 ,…5M の
各マイクロホンゲインgikは、本発明の方法である式
(19)のように重み付けされている(ただし、m=1
とした)。
おいて、図1に示した2組の円周配置マイクロホンアレ
ー(マイクロホン総数:M=32個)を天井から吊り下
げた。そして、マイクロホンアレーから下方1.1mの平
面上に28箇所の焦点を設定した。具体的には、横2
m,縦4.8mの平面上に横0.67m×縦0.8mの格子を
描き、4×7=28箇所にマイクロホンアレーの焦点を
設定した。この格子平面の横方向をX座標、縦方向をY
座標とする。次に、第1の焦点ps1(X,Y座標=
〔2,2〕)または、第2の焦点ps2(X,Y座標=
〔3,3〕)の位置にスピーカを設置し、ホス雑音を同
一の音量で発生させた。そして、上記28箇所に焦点を
形成した場合のマイクロホンアレーの出力信号y1 (t),
y2(t) ,…,y28(t) のパワーを測定し、その結果を
等高線で示した。ただし、乗算器51 ,52 ,…5M の
各マイクロホンゲインgikは、本発明の方法である式
(19)のように重み付けされている(ただし、m=1
とした)。
【0029】図2は、音源を第1の焦点ps1に設置した
場合のy1 (t) より求めたパワー分布であり、図3は、
音源を第2の焦点ps2に設置した場合のy2 (t) より求
めたパワー分布である。両図からも明らかなように、マ
イクロホンアレーの出力は、音源のある焦点位置で最も
高い。また、音源を第1の焦点ps1に配置した場合の出
力パワーの値は約−22dBであり、音源を第2の焦点ps
2に配置した場合も同様に、出力パワーの値は約−22
dBであった。このように、音源位置がps1にある場合と
ps2にある場合とでは、共に本アレーシステムの出力の
パワーが等しいことが分かる。このことより、音源の焦
点位置にかかわらず、同じレベルのマイクロホン出力が
得られていることが確認できた。
場合のy1 (t) より求めたパワー分布であり、図3は、
音源を第2の焦点ps2に設置した場合のy2 (t) より求
めたパワー分布である。両図からも明らかなように、マ
イクロホンアレーの出力は、音源のある焦点位置で最も
高い。また、音源を第1の焦点ps1に配置した場合の出
力パワーの値は約−22dBであり、音源を第2の焦点ps
2に配置した場合も同様に、出力パワーの値は約−22
dBであった。このように、音源位置がps1にある場合と
ps2にある場合とでは、共に本アレーシステムの出力の
パワーが等しいことが分かる。このことより、音源の焦
点位置にかかわらず、同じレベルのマイクロホン出力が
得られていることが確認できた。
【0030】本発明は、各マイクロホン出力の重み係数
として、音源から各マイクロホンまでの距離のm乗の逆
数(ri -m) (ただし、1≦m≦3)〔特願平6−21
9941「受音方法及びその装置」〕に加え、(18)
式のCk の平方根で正規化を行うことを特徴としたもの
である。このことにより、残響の多い室内においても、
音源のある焦点位置にかかわらず、高い感度でかつ同一
音量のマイクロホン出力を得ることができる。
として、音源から各マイクロホンまでの距離のm乗の逆
数(ri -m) (ただし、1≦m≦3)〔特願平6−21
9941「受音方法及びその装置」〕に加え、(18)
式のCk の平方根で正規化を行うことを特徴としたもの
である。このことにより、残響の多い室内においても、
音源のある焦点位置にかかわらず、高い感度でかつ同一
音量のマイクロホン出力を得ることができる。
【0031】なお、上記の正規化は、(1/rik m ) を
荷重係数としたときのアレー出力に含まれる焦点位置に
置かれた音源の直接音成分と残響音成分のパワー和に基
づいて正規化を行うことが重要である。従って、CK は
式(18)そのものでなくとも同等の値をとる近似量を
用いても本発明と同等の効果を実現することができる。
荷重係数としたときのアレー出力に含まれる焦点位置に
置かれた音源の直接音成分と残響音成分のパワー和に基
づいて正規化を行うことが重要である。従って、CK は
式(18)そのものでなくとも同等の値をとる近似量を
用いても本発明と同等の効果を実現することができる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、コンサートホールや
拡声通信会議等の残響音場で、音声や楽音を複数のマイ
クロホンを用いて収音する場合、各マイクロホンの出力
信号が全て同位相で加算される様に、音源から各マイク
ロホンまでの距離ri に応じて時間遅延を与え、かつ、
音源と各マイクロホンまでの距離のm乗の逆数r
i -m(ただし、1≦m≦3)と、式(18)のCK の平
方根で、各マイクロホンの出力信号を正規化して出力和
を取り出せば、残響の多い室内においても、音源のある
焦点位置にかかわらず、高い感度でかつ一定音量の目的
音を収音することができる。
拡声通信会議等の残響音場で、音声や楽音を複数のマイ
クロホンを用いて収音する場合、各マイクロホンの出力
信号が全て同位相で加算される様に、音源から各マイク
ロホンまでの距離ri に応じて時間遅延を与え、かつ、
音源と各マイクロホンまでの距離のm乗の逆数r
i -m(ただし、1≦m≦3)と、式(18)のCK の平
方根で、各マイクロホンの出力信号を正規化して出力和
を取り出せば、残響の多い室内においても、音源のある
焦点位置にかかわらず、高い感度でかつ一定音量の目的
音を収音することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例および従来の受音装置の構成
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図2】式(19)の乗算係数を用いた図1の発明装置
において、焦点ps1に音源がある場合の出力信号y
1 (t) を用いて求めたパワー分布の一例を示す図。
において、焦点ps1に音源がある場合の出力信号y
1 (t) を用いて求めたパワー分布の一例を示す図。
【図3】式(19)の乗算係数を用いた図1の発明装置
において、焦点ps2に音源がある場合の出力信号y
2 (t) を用いて求めたパワー分布を示す図。
において、焦点ps2に音源がある場合の出力信号y
2 (t) を用いて求めたパワー分布を示す図。
【図4】請求項5の実施例を示すブロック図。
【図5】乗算係数gik=1/rik m (しかしm=1)と
した図1の従来の装置において、焦点ps1に音源がある
場合の出力信号y1 (t) を用いて求めたパワー分布を示
す図。
した図1の従来の装置において、焦点ps1に音源がある
場合の出力信号y1 (t) を用いて求めたパワー分布を示
す図。
【図6】乗算係数gik=1/rik m (しかしm=1)と
した図1の従来の装置において、焦点ps2に音源がある
場合の出力信号y2 (t) を用いて求めたパワー分布を示
す図。
した図1の従来の装置において、焦点ps2に音源がある
場合の出力信号y2 (t) を用いて求めたパワー分布を示
す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−84392(JP,A) 特開 平5−95550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 3/00 320 H04R 1/40 320
Claims (5)
- 【請求項1】 焦点からの音を複数のマイクロホンを用
いて受音する方法であって、第i番目のマイクロホンの
出力信号に対して、前記焦点から第i番目のマイクロホ
ンまでの距離に応じて時間遅延を与えると共に、前記距
離の累乗値の逆数を乗算し、それらの乗算した信号を加
算し、加算した信号に含まれる焦点位置に置かれた音源
の直接音成分のパワーと残響音成分のパワーの和に応じ
て加算結果を正規化した後出力することを特徴とする受
音方法。 - 【請求項2】 焦点からの音を受音する複数のマイクロ
ホン(i=1,2,…,M)と、それらの各マイクロホ
ンの出力信号に、前記焦点から各マイクロホンまでの距
離(ri )に応じて遅延させる遅延手段と、前記各マイ
クロホンの出力信号を前記距離(ri )の累乗値の逆数
(ri -m)を乗算する乗算手段と、前記乗算手段および
遅延手段により処理された各マイクロホンの出力信号を
加算する加算手段と、加算した信号に含まれる焦点位置
に置かれた音源の直接音成分のパワーと残響音成分のパ
ワーの和に応じて該信号の正規化を行う正規化手段とよ
り成る受音装置。 - 【請求項3】 請求項2において、前記遅延手段による
遅延時間Di (i=1,2,…,M)が、 Di =D0 −τi ; τi =ri /c (D0 は固定遅
延、cは音速) に設定されていることを特徴とする受音装置。 - 【請求項4】 請求項2および3において、前記正規化
手段における正規化係数√Cは、室内の臨界距離をrC
とすると、 √C=√〔{Σj=1 M (1/rj m+1)}2+(1/rc 2){Σj=1
M (1/rj 2m) }〕 と設定されていることを特徴とする受音装置。 - 【請求項5】 請求項2、3及び4において、複数の焦
点の各々に対応する複数の前記正規化した信号から所望
の音源位置を判定する手段と、その判定結果に基づいて
該複数の信号から一つまたは、複数の信号を選択して出
力する手段とを設けたことを特徴とする受音装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6314096A JP3154468B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 受音方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6314096A JP3154468B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 受音方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09261792A JPH09261792A (ja) | 1997-10-03 |
JP3154468B2 true JP3154468B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=13220668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6314096A Expired - Fee Related JP3154468B2 (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 受音方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154468B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017205966A1 (en) | 2016-05-31 | 2017-12-07 | Nureva Inc. | Method, apparatus, and computer-readable media for focussing sound signals in a shared 3d space |
WO2018045453A1 (en) | 2016-09-12 | 2018-03-15 | Nureva Inc. | Method, apparatus and computer-readable media utilizing positional information to derive agc output parameters |
US12010484B2 (en) | 2019-01-29 | 2024-06-11 | Nureva, Inc. | Method, apparatus and computer-readable media to create audio focus regions dissociated from the microphone system for the purpose of optimizing audio processing at precise spatial locations in a 3D space |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7995768B2 (en) | 2005-01-27 | 2011-08-09 | Yamaha Corporation | Sound reinforcement system |
JP2006332736A (ja) * | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Yamaha Corp | マイクロフォンアレイ装置 |
JP2007005969A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Yamaha Corp | マイクロフォンアレイ装置 |
JP4760160B2 (ja) * | 2005-06-29 | 2011-08-31 | ヤマハ株式会社 | 集音装置 |
JP4867579B2 (ja) * | 2005-11-02 | 2012-02-01 | ヤマハ株式会社 | 遠隔会議装置 |
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