JP3340965B2 - ゴムラテックスの製造方法 - Google Patents

ゴムラテックスの製造方法

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JP3340965B2 JP20835298A JP20835298A JP3340965B2 JP 3340965 B2 JP3340965 B2 JP 3340965B2 JP 20835298 A JP20835298 A JP 20835298A JP 20835298 A JP20835298 A JP 20835298A JP 3340965 B2 JP3340965 B2 JP 3340965B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業的に簡便な方
法でABS系樹脂の製造に好適な広い粒子径分布を有す
る平均粒子径150〜400nmのゴムラテックスを、
150nm未満の小粒子ゴムラテックスから凝固物の発
生なく得るゴムラテックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS系樹脂やASA系樹脂は、シアン
化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体、不飽和
カルボン酸エステル系単量体からなる単量体混合物をゴ
ム状重合体にグラフト重合してなる樹脂組成物であり、
その高い耐衝撃性、高い表面光沢、良好な流動性等の多
くの特徴を有することから世の中に広く使用されてい
る。
【0003】ABS系樹脂の機械特性はゴム状重合体の
性状、そのマトリクス樹脂中での分散粒子径や粒子径分
布、ゴム状重合体へのグラフト共重合量やグラフト層の
厚み等に依存することは一般的によく知られたことであ
る。とりわけ、ABS系樹脂の特徴である優れた耐衝撃
性は、これらの因子により大きく変動する性質であり、
優れた耐衝撃性を有するABS系樹脂を得るにはこれら
因子を適切に設定することが重要である。かかる観点か
ら、従来よりABS系樹脂原料に供するに適正なゴム状
重合体に関して様々な検討がなされており、これらの知
見に基き開発されたABS系樹脂は広く工業材料として
用いられるに至っている。
【0004】一般的に、ABS系樹脂に用いられるゴム
状重合体の分散粒子径としては、その耐衝撃性および外
観の面から平均粒子径として150〜400nmの範囲
のものが広く使用されている。しかしながら、この様な
粒子径範囲のゴム状重合体を乳化重合法によりアグロメ
ーションによって製造するためには非常に長時間を要し
た。その様な低い生産性を改善する目的で行われたの
が、150nm未満の比較的小さなゴム状重合体を前も
って製造し、これを何らかの方法で平均粒子径で150
〜400nmのゴム状重合体とする、いわゆる肥大化と
いう手法である。
【0005】特公昭32−9592号公報や同33−4
437号公報には凍結法による肥大化が提案されている
が、工業的には肥大化過程に要する設備が膨大になる、
コストが非常に高額になりやすいこと等が課題であっ
た。また、特公昭37−10565号公報や同41−9
82号公報、同60−19930号公報にはラテックス
に剪断力等の機械的な力を加えて肥大化する手法が提案
されているが、凝固物が発生し易い、同一の粒子径を有
するゴムラテックスを安定に得にくい等の課題を有す
る。なお、凝固物とはゴムラテックスから析出した塊状
固形物をいう。
【0006】さらに、特公昭46−32056号公報や
同59−49937号公報、同62−61044号公報
には酸性物質や酸無水物を添加することによって肥大化
する手法が提案されており、これら方法では凝固物発生
量が比較的少なく工業的にも有効な手法と思われるが、
得られた肥大化ラテックスは粒子径分布が比較的狭いも
のであった。しかしながら、この様な粒子径分布の狭い
ゴムラテックスは、近年低コスト化が望まれ、かつ多様
化した要求性能を満たすことのできるABS系樹脂を製
造するには不適であった。
【0007】特公昭46−35976号公報には酸基を
有する単量体を重合または共重合してラテックスの形と
して得て、これをゴム状重合体ラテックスと混合するこ
とによって肥大化する方法が提案されているが、肥大化
しないゴム状重合体が比較的多く残存してしまい目的の
粒子径分布が得られないという課題があった。
【0008】さらに、特公平7−21014号公報や特
開平7−157502号公報に流通式管型装置を用いた
連続肥大化方法が提案されているが、いずれも上記発明
と同様に粒子径分布が狭いゴムラテックスしか得られ
ず、また酸性物質に酸を用いることから製造できるゴム
ラテックスの粒子径が限定され、要求される様な種々の
粒子径のゴムラテックスが製造できないという課題があ
った。
【0009】また、ABS系樹脂に用いるゴムラテック
スとして、特開平9−249791号公報や特開平3−
258851号公報に提案されている様に耐衝撃性をバ
ランスさせることは可能であるが、ABS系樹脂の基本
性能の一つである成形加工性が悪化したり、特開平7−
278404号公報に提唱されている様な着色性に悪影
響を及ぼすことが多く、広い用途に適用できるABS系
樹脂を製造するためにはむしろ広い粒子径分布を有する
ゴムラテックスを用いることが好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、肥大
化過程において凝固物を殆ど発生させずに一度に所望の
粒子径分布を有するゴムラテックスを、工業的に有利な
方法で製造するゴムラテックスの製造方法を提供するこ
とにある。ABS系樹脂等の原料としてのゴムラテック
スは、特定の場合を除いて実用上何らかの粒子径分布を
有するものが必要とされる場合が多く、特にABS系樹
脂の特徴である優れた耐衝撃性−流動性−樹脂成形外観
を高次元でバランスさせるためには広い粒子径分布が必
要であった。その様な要求においては粒子径の異なる肥
大化ゴムラテックスを予め複数準備し、これらをある比
率でラテックスブレンドする工程が必要となり、工業的
な見地からはその製造過程の煩雑さ、設備の増大を招く
おそれがある等課題が多い。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の主旨は、予め水
媒体に分散した酸無水物を小粒子ゴムラテックスに流通
式管型装置内で混合させ、レイノルズ数の低い状態で容
器内に導入した後、ある一定時間静置することにより肥
大化を進行せしめ、その後塩基性物質による中和工程を
経て最終的に広い粒子径分布を有する高性能なABS系
樹脂製造に適したゴムラテックスを得ることを特徴とす
る。すなわち本発明は、乳化重合によって得られた酸性
域で不安定となる中性ないしアルカリ性である平均粒子
径150nm以下の小粒子ゴムラテックスに、酸無水物
を添加して小粒子ゴムラテックスを肥大化し粒子径分布
の広いゴムラテックスを得るゴムラテックスの製造方法
であって、酸無水物と小粒子ゴムラテックスとを流通式
管型装置内に供給し混合して混合ラテックスとし、該混
合ラテックスを容器内に導入し、該混合ラテックスの容
器内への導入を完了してから10分以上、300分以下
静置した後に、塩基性物質によって中和することを特徴
とするゴムラテックスの製造方法である。該製造方法に
おいて、混合ラテックスを容器内に導入し始めてから導
入を終了するまでの所要時間が5分以上、60分以下で
あること、容器内に吐出される混合ラテックスの大部分
を液面下に吐出し、且つ混合ラテックスを流通式管型装
置から容器内に供給する供給管内の混合ラテックスがレ
イノルズ数2、000以下の層流状態にあること、酸無
水物と水とを予め一段目の流通式管型装置内で混合した
水溶液を二段目の流通式管型装置に供給して小粒子ゴム
ラテックスと混合すること、製造されたゴムラテックス
の重量平均粒子径Sが150〜400nmでありかつ1
50nm未満の粒子径を有する粒子の割合が10重量%
未満でさらに0.8×S〜1.25×Sの範囲の粒子径
を有する粒子の割合が70重量%以下であること、がそ
れぞれ好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる小粒子
ゴムラテックスは、酸無水物を添加することによって肥
大化を進行させる必要性があることから、酸性域(pH
≦6)で凝集などを起こす不安定なものである必要があ
る。そのためには予め中性ないしアルカリ性(pH>
6)である必要がある。
【0013】用いる乳化剤としては上記目的が達成され
る限りにおいては特に種類は限定されないが、例えばオ
レイン酸ナトリウムやステアリン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム、混合脂肪酸ナトリウムまたはこれらの
カリウム塩等の脂肪酸石鹸類やアビエチン酸塩に代表さ
れるロジン酸石鹸類、アルキル基の炭素数が6〜15で
あるアルケニルコハク酸塩が使用でき、これらは1種で
または2種以上を併用して使用することも出来る。その
使用量は、該小粒子ラテックスが乳化重合で容易に得ら
れることから、ゴム状重合体100重量部に対し通常の
乳化重合に用いられる0.5〜5重量部が好ましい。
【0014】ゴム状重合体の組成については常温でゴム
状の性質を示すものであれば特に限定されないが、例え
ばポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム(NBR)、ポリアクリル酸ブチルゴムに代表される
アクリルゴム等に代表され、これらは単独でも2種以上
を併用して用いてもよい。
【0015】この小粒子ゴムラテックスの重量平均粒子
径は150nm未満であり、150nmを越える場合に
は重合時間が長くなって本発明の目的の一つである経済
的メリットが薄れてしまうばかりでなく、肥大化が進行
し難くなる。
【0016】小粒子ゴムラテックスの濃度は肥大化粒子
径および凝固物発生量に多大な影響を与える。濃度が高
ければ肥大化粒子径が大きくなり、かつ凝固物の発生量
が増加し、濃度を低下させればその逆の傾向となる。そ
のため、適正な濃度が選択されるが、実用的に好ましい
範囲は20〜50重量%の小粒子ゴムラテックスであ
る。20重量%未満であれば多量の酸無水物が必要とな
り、また肥大化ラテックスが希薄となり実用的な価値は
低くなる。50重量%を越える場合には、多量の凝固物
が発生する。
【0017】この小粒子ゴムラテックスを得る方法とし
ては、その製造の容易さから乳化重合が選択される。ま
た、その乳化重合における開始剤については特に限定さ
れず、通常の過硫酸カリウムを用いる”ホットラバー”
処方や、有機過酸化物および還元剤、触媒を使用するい
わゆる”コールドラバー”処方(レドックス処方)等が
使用できる。
【0018】本発明で用いられる酸無水物としては、有
機酸の無水物であれば特に限定されないが、無水酢酸、
無水マレイン酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸、無
水グルタル酸、無水吉草酸、無水イソ吉草酸、無水コハ
ク酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等が好ましい
が、特に好ましくは無水酢酸または無水マレイン酸であ
る。
【0019】用いる酸無水物の量は目的とする肥大化ゴ
ムラテックスの粒子径によって任意に選択される。大量
の酸無水物を使用することでより大きな粒子径のゴムラ
テックスが得られ、少量にすることでより小さな粒子径
のゴムラテックスが得られるが、あまりにも酸無水物の
添加量が少なすぎると肥大化が進行し難くなり酸無水物
の使用量の下限は限定される。酸無水物の種類にもよる
が一般的には小粒子ゴムラテックス100重量部に対し
て0.1重量部以上の添加量が必要となる。
【0020】酸無水物を小粒子ゴムラテックス中で均一
に分散させるためには予め水媒体中に溶解または分散さ
せておくことが好ましい。より好ましくは、酸無水物と
水とを流通管型装置内で予め均一に混合した状態(水溶
液の状態)で、ゴムラテックスとを混合することが好ま
しい。ここでいう流通管型装置の内容は後述する。酸無
水物を予め水媒体中に溶解または分散させておかなくと
も肥大化は可能であるが、凝固物が多量に発生する。ま
た、水が多すぎて希薄な酸無水物水溶液である場合には
凝固物の発生は殆どなくなるが、その分肥大化ラテック
スも希薄になるために製造コスト的に不利になり実用的
な価値はなくなる。以上のことから、酸無水物1重量部
に対し水を10〜50重量部使用することが好ましい。
【0021】図1は、本発明のゴムラテックスの製造方
法に用いる製造装置の例を示す図である。該製造装置
は、図1に示すように、水導入口2と酸無水物導入口3
とを備えて酸無水物と水とを予め混合して水溶液とし、
該水溶液を二段目の流通式管型装置8に供給する一段目
の流通式管型装置9と、小粒子ゴムラテックスを導入す
る導入口1を備えて前記水溶液と小粒子ゴムラテックス
とを混合して混合ラテックスとし該混合ラテックスを流
通させる二段目の流通式管型装置8と、排出口5を備え
て二段目の流通式管型装置8を通過した混合ラテックス
を容器6内に導入する(供給する)供給管4と、該供給
管4より導入された混合ラテックスを10〜300分間
静置して小粒子ゴムラテックスを肥大化し且つゴムラテ
ックスの粒子径分布を広くした後に、このゴムラテック
スを塩基性物質によって中和するための容器6とを備え
ている。
【0022】水媒体に分散させた酸無水物は二段目の流
通式管型装置8を用いて小粒子ゴムラテックス中に断続
的または連続的に供給される。流通式管型装置8として
はとくに形状が限定されないが、例えば図1に示す様な
装置が好適である。図示する装置において、導入口1よ
り小粒子ゴムラテックスを供給し、予め水媒体に分散さ
せた酸無水物を導入口7より混合部Aに供給する。小粒
子ゴムラテックスと予め水媒体に分散された酸無水物と
は、二段目の流通式管型装置8内で混合されて混合ラテ
ックスとされ、この混合ラテックスは供給管4を経て排
出口5より容器6に導入される。
【0023】二段目の流通式管型装置8において、小粒
子ゴムラテックスと水媒体に分散させた酸無水物とが接
触するA部またはその先には混合を促す混合用エレメン
トBがあることが好ましく、この混合用エレメントBの
例としては、インラインミキサーの様な動的に撹拌する
様な装置や、スタティックミキサーの様な静的に撹拌す
る装置が設置できる。また、図1の装置は水平から垂直
まで種々の角度で設置することができる。肥大化するゴ
ムラテックス粒子の比重が水のそれよりも大きい場合に
は、小粒子ゴムラテックスの導入口を上方に設置して小
粒子ゴムラテックスを下降させ、それが小さい場合には
小粒子ゴムラテックスの導入口を図1に示すごとく下方
に設置して小粒子ゴムラテックスの流れが上昇するよう
にすることが好ましい。なお、一段目の流通式管型装置
9の混合用エレメントDとして、混合用エレメントBと
同様に、インラインミキサーやスタティックミキサー等
を用いることができる。
【0024】この様に混合されたゴムラテックス(混合
ラテックス)は、そのまま撹拌されない容器6内に移送
される。容器6に移送される場合には、図1の排出口5
は、その混合ラテックスの大部分が容器6内のゴムラテ
ックスの液面下に吐出されるような位置に設置される。
大部分とは、当該容器6が空であった場合には当然排出
口5は液面下にはなり得ないので、混合ラテックスの全
量の50重量%以上、好ましくは70重量%以上で10
0重量%未満をいう。混合ラテックスの全量の50重量
%を越える量を液面より上方で供給した場合には凝固物
が多量に発生する。
【0025】また、工業的な見地から凝固物の発生量を
少なくするために、図1に示す供給管4中を流れる混合
ラテックスの流動状態が規制される。いわゆる管内のレ
イノルズ数が2000以下の層流状態が好ましい。この
レイノルズ数が2000を越える乱流状態にある場合に
は、この供給管4内においても凝固物が多く発生し好ま
しくない。この供給管4中を流れる混合ラテックスのレ
イノルズ数を調節する方法としてはどの様なものでも構
わないが、公知の方法である管の内径を変更する方法、
管内の流速を調節する方法、混合ラテックスの粘度を調
節する方法等が使用できる。
【0026】小粒子ゴムラテックスと酸無水物との混合
によって得られた混合ラテックスは供給管4から排出口
5を経て容器6に移液される場合、酸無水物は既にゴム
ラテックス中に分散しているため、または移液する際に
発生する流動によって酸無水物の拡散が促されるので、
移液中または移液後の撹拌は必要でなく、むしろ撹拌が
あることにより凝固物を多量に発生させる。また、流通
式管型装置8から容器6に移液を開始し移液を終了する
迄の所要時間は、本発明の目的である広い粒子径分布を
有するゴムラテックスを得る観点から、容器6に混合ラ
テックスが完全に導入されてからの保持時間にも影響さ
れるが、5分以上、60分以下に調節することが好まし
い。5分未満である場合には、所望とする広い粒子径分
布を有するゴムラテックスを得ることができなくなり、
また60分を越えても同様である。この機構については
良くは判らないが、酸無水物とゴムラテックスとの混合
を開始してから、塩基性物質でラテックスを安定化する
までの時間、即ち肥大化時間を連続的もしくは断続的に
変動させることにより、所望の粒子径分布を得ることが
できるものと推測される。
【0027】本発明において、酸無水物は小粒子ゴムラ
テックス中に混合された後に加水分解して小粒子ゴムの
肥大化を行うものと推測されるが、そのため酸無水物の
加水分解速度に応じた保持時間、即ち静置時間を必要と
する。この保持時間は、前述の流通式管型装置から容器
6に移液開始から終了に要する所要時間と密接な関係が
あり、また、用いる酸無水物の種類によってもある程度
変動するが、通常10分以上、300分以下が必要であ
り、好ましくは15分以上、200分以下である。酸無
水物と小粒子ゴムラテックスとの混合物を無攪拌下で容
器6内に保持する保持時間が短ければ肥大化の進行が不
十分となり、肥大化粒子径が小さくなったり150nm
未満の小粒子が多くなり、目的とする高性能なABS系
樹脂が得られなくなる。また逆に、300分を越える様
になると、ゴムラテックスの粒子径分布が狭くなった
り、塊状物が多量に発生したりする。
【0028】特定の時間、容器6内に保持された後に肥
大化ゴムラテックスに塩基性物質を添加して安定化する
ことができる。用いる塩基性性物質としてはいかなるも
のでも構わないが、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウム、水酸化アンモニウム(アンモニア水)、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムの様な化合物が使用でき、特に
好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであ
る。これらは水溶液の形で用いることができ、その濃度
は物質の種類によって選ばれるが、おおよそ1〜10重
量%の水溶液が使用される。10重量%を越えると凝固
物が発生し易くなり、また1重量%未満であると、ラテ
ックスが希薄になり過ぎて生産性が悪化する。
【0029】該肥大化ゴムラテックスはABS系樹脂の
製造に提供される目的から、その平均粒子径として15
0〜400nmの範囲が選ばれる。150nm未満およ
び400nmを越える場合には得られるABS系樹脂の
基本性能の一つである耐衝撃性や表面光沢が低くなる。
【0030】本発明の目的とするところであるゴムラテ
ックスの粒子径分布は、まず第一に150nm未満の粒
子の割合が10重量%未満、好ましくは7重量%未満で
あることが好ましい。10重量%を越える場合には、当
該ゴムを使用して得られるABS系樹脂の性能が劣る様
になる。第二に、0.8×S〜1.25×S(但し、S
は製造されたゴムラテックスの重量平均粒子径であ
る。)の範囲の粒子径を有する粒子の割合が70重量%
以下であること、より好ましくは60重量%以下であ
る。70重量%を越える様な粒子径分布の狭いゴムラテ
ックスでは、本発明の目的である広い用途に適用できる
ABS系樹脂が製造出来なくなる。
【0031】本発明により得られた特定の粒子径分布を
有するゴムラテックスを用いて製造できるのは、アクリ
ロニトリル−ブタジエン系ゴム−スチレンからなるAB
S樹脂に限定されず、どの様な樹脂でも構わないが、ア
クリロニトリル−アクリルゴム−スチレン(ASA)樹
脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン系ゴム−スチレン
(MBS)樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂やこ
れらとポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂とのポリマーアロイにして用いることができ
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の例に限定されるものではない。なお、以下
の例中の%、および部数は明記しない限りは重量%、重
量部数を意味する。また、以下の実施例、比較例中での
ゴムラテックスの粒子径分布は、超希薄なゴムラテック
ス滴をコロージョン膜を付与した透過型電子顕微鏡用銅
メッシュ上に載せ、これを四酸化オスミウムで染色後水
分を蒸発乾固させ透過型電子顕微鏡で写真撮影した後
(倍率20、000倍)、300〜500個のゴム粒子
のサイズをカウントして求めた。
【0033】 製造例1 〜小粒子ゴムラテックス(A)の製造 撹拌装置の付いた10リットルステンレス製オートクレーブに、 脱イオン水(以下単に水という。) 150部 スチレン 10部 オレイン酸カリウム 1.5部 ロジン酸カリウム 1.5部 水酸化カリウム 0.1部 過硫酸カリウム 0.3部 を仕込み、窒素置換後減圧にし、 ブタジエン 90部 を仕込み、内温を70℃に昇温して10時間重合を行っ
た。水蒸気蒸留によって残存ブタジエンモノマーを除去
後、冷却して平均粒子径85nm、固形分40.1%、
pH11.0である小粒子ゴムラテックス(A)を得
た。
【0034】製造例2 〜小粒子ゴムラテックス(B)
の製造 製造例1に記載の例において、スチレン10部に変えて
アクリロニトリル5部に、ブタジエンを90部から95
部に変更した他は同様にして重合を行い、平均粒子径8
0nm、固形分40.3%、pH11.1である小粒子
ゴムラテックス(B)を得た。
【0035】製造例3 〜小粒子ゴムラテックス(C)
の製造 窒素置換した10Lガラス製反応器(撹拌装置付き)
に、 水 150部 炭酸ナトリウム 0.03部 アルケニルコハク酸ジカリウム 0.5部 ロンガリット 0.3部 硫酸第一鉄七水塩 0.00005部 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00015部 を仕込み75℃に昇温した。これに、 アクリル酸−n−ブチル 98.8部 メタクリル酸アリル 0.9部 1、3−ブチレンジメタクリレート 0.3部 tert−ブチルヒドロパーオキシド 0.2部 アルケニルコハク酸ジカリウム 0.5部 からなる溶液を窒素フロー下4時間かけて滴下し、滴下
終了後2時間保持した後冷却して平均粒子径82nm、
固形分40.4%、pH8.8である小粒子ゴムラテッ
クス(C)を得た。
【0036】実施例1 図1に示す混合用エレメントB部の内径が30mm、長
さ250mm、混合用エレメントD部の内径が15m
m、長さ125mmのスタティックミキサーである二段
の流通式管型装置8、9を用い、製造例1で得た平均粒
子径85nmの小粒子ゴムラテックス(A)を室温にて
導入口1より100ml/分で送液し管8内をラテック
スで満たした後、導入管2より水を6ml/分、導入口
3より無水酢酸を0.25ml/分の速度で供給し、小
粒子ゴムラテックス(A)と無水酢酸とを流通式管型装
置8により混合した。この混合によって得られた混合ラ
テックスを内径8mmの供給管4中でのレイノルズ数が
55で層流状態であることを確認し、排出口5が底部か
ら5mm上方にある容器6(容量5L、無撹拌)に供給
した。容器6への排出が開始してから40分で導入管1
〜3からの供給を全て同時に停止し、そのまま管内の残
液を全て容器6内に送り出した。そのまま10分間、混
合ラテックスを容器6内に静置した後、4%水酸化ナト
リウム水溶液190mlを添加、5分後に撹拌、中和し
てラテックスのpHを11に調整し肥大化を終了した。
得られたラテックスをガーゼにて濾過し、得られた塊状
物を乾燥し重量を測定した結果、0.15g(全ポリマ
ーに対し0.01%)と良好であった。重量平均粒子径
(S)が320nm、また、得られた肥大化ラテックス
の粒子径分布を測定した結果、150nm未満の粒子の
割合が3%、256nm(0.8×S)〜400nm
(1.25×S)の範囲の粒子径を有する粒子が42%
と広い粒子径分布を有するものであった。
【0037】実施例2 ラテックスの供給速度を200ml/分として20分で
全てのラテックスを容器6に導入し、静置時間を2時間
とした以外は同様にして操作を行い(このときの供給管
4でのレイノルズ数;27)、乾燥後の塊状物が0.0
8g(全ポリマーに対し0.005%)と良好であった。
重量平均粒子径(S)が320nm、また、得られた肥
大化ラテックスの粒子径分布を測定した結果、150n
m未満の粒子の割合が1%、0.8×S〜1.25×S
の範囲に入る粒子が55%と広い粒子径分布を有するも
のであった。
【0038】実施例3 用いるゴムラテックスを、製造例2の小粒子ゴムラテッ
クス(B)に変更した以外は、実施例1と同様にして処
理を行い(このときの供給管4でのレイノルズ数;5
5)、乾燥後の塊状物が0.20g(全ポリマーに対し
0.013%)と良好であった。重量平均粒子径(S)
が270nm、また、得られた肥大化ラテックスの粒子
径分布を測定した結果、150nm未満の粒子の割合が
4%、0.8×S〜1.25×Sの範囲に入る粒子が5
4%と広い粒子径分布を有するものであった。
【0039】実施例4 用いるゴムラテックスを、製造例3の小粒子ゴムラテッ
クス(C)に変更した以外は、実施例1と同様にして処
理を行い(このときの供給管4でのレイノルズ数;5
5)、乾燥後の塊状物は0.10g(全ポリマーに対し
0.006%)と良好であった。重量平均粒子径(S)
が340nm、また、得られた肥大化ラテックスの粒子
径分布を測定した結果、150nm未満の粒子の割合が
5%、0.8×S〜1.25×Sの範囲に入る粒子が5
1%と広い粒子径分布を有するものであった。
【0040】比較例1 酸無水物水溶液導入口7を排出口5とした装置にて、容
器6(容積5L)内に小粒子ゴムラテックス(A)4、0
00gを直接容れ200rpmで撹拌下、これの液面下
に導入管2から水を230g、導入管3からは無水酢酸
を9.6g各々30秒間で全量混合・供給した。供給終
了後、1分間撹拌を継続し撹拌を停止した。そのまま3
0分静置し、4%水酸化ナトリウム水溶液190mlを
添加し、pHを11に調整した。乾燥後の塊状物は0.
08g(全ポリマーに対し0.005%)と良好であっ
た。重量平均粒子径(S)が310nm、また、得られ
た肥大化ラテックスの粒子径分布を測定した結果、15
0nm未満の粒子の割合が3%、0.8×S〜1.25
×Sの範囲に入る粒子が84%と狭い粒子径分布を有す
るものであった。
【0041】比較例2 ラテックスの全量が容器6に導入されてからの静置時間
を3分に変更した以外は、実施例1と同様にして処理を
行い(このときの供給管4でのレイノルズ数;54)、
乾燥後の塊状物が0.03g(全ポリマーに対し0.0
02%)と良好であった。重量平均粒子径(S)が17
0nm、また、得られた肥大化ラテックスの粒子径分布
を測定した結果、150nm未満の粒子の割合が83%
と非常に多いものであった。
【0042】比較例3 ラテックスの全量が容器6に導入されてからの静置時間
を8時間に変更した以外は、実施例1と同様にして処理
を行い(このときの供給管4でのレイノルズ数;5
4)、乾燥後の塊状物が82.5g(全ポリマーに対し
5.16%)と非常に多いものであった。重量平均粒子
径(S)が390nm、また、得られた肥大化ラテック
スの粒子径分布を測定した結果、150nm未満の粒子
の割合が1重量%、0.8×S〜1.25×Sの範囲に
入る粒子が89%と狭い粒子径分布を有するものであっ
た。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴムラテ
ックスの製造方法によれば粒子径が小さなゴムラテック
スを用いても、肥大化工程において凝固物を殆ど発生さ
せることなく、高性能なABS樹脂等の製造に好適な広
い粒子径分布を有した肥大化ゴムラテックスを工業的に
有利に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴムラテックスの製造方法に用いる
製造装置の例を示す装置図である。
【符号の説明】
1・・小粒子ゴムラテックス導入口、2・・水導入
口、、3・・酸無水物導入口、4・・供給管、5・・排
出管、6・・容器、7・・酸無水物水溶液導入口、8、
9・・流通式管型装置、A、C・・混合部、B、D・・
混合用エレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/00 - 3/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合によって得られた酸性域で不安
    定となる中性ないしアルカリ性である平均粒子径150
    nm以下の小粒子ゴムラテックスに、酸無水物を添加し
    て小粒子ゴムラテックスを肥大化し粒子径分布の広いゴ
    ムラテックスを得るゴムラテックスの製造方法であっ
    て、酸無水物と小粒子ゴムラテックスとを流通式管型装
    置内に供給し混合して混合ラテックスとし、該混合ラテ
    ックスを容器内に導入し、該混合ラテックスの容器内へ
    の導入を完了してから10分以上、300分以下静置し
    た後に、塩基性物質によって中和することを特徴とする
    ゴムラテックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 混合ラテックスを容器内に導入し始めて
    から導入を終了するまでの所要時間が5分以上、60分
    以下である請求項1記載のゴムラテックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 容器内に吐出される混合ラテックスの大
    部分を液面下に吐出し、且つ混合ラテックスを流通式管
    型装置から容器内に供給する供給管内の混合ラテックス
    がレイノルズ数2、000以下の層流状態にあることを
    特徴とする請求項1記載のゴムラテックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 酸無水物と水とを予め一段目の流通式管
    型装置内で混合した水溶液を二段目の流通式管型装置に
    供給して小粒子ゴムラテックスと混合する請求項1記載
    のゴムラテックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 製造されたゴムラテックスの重量平均粒
    子径Sが150〜400nmであり、かつ150nm未
    満の粒子径を有する粒子の割合が10重量%未満で、さ
    らに0.8×S〜1.25×Sの範囲の粒子径を有する
    粒子の割合が70重量%以下である請求項1記載のゴム
    ラテックスの製造方法。
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