JP3340836B2 - 金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物及びその製造方法 - Google Patents
金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物及びその製造方法Info
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Description
含有金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物及びその製
造方法に関する。
ざましいものがあり、千数百m/分という高速伸線が行
われている。これには伸線設備の進歩もさることなが
ら、潤滑技術の進歩によるところが少なくないとされ、
潤滑剤の果たす役割は非常に大きいと言えよう。伸線加
工の潤滑剤処理において、石灰石けんは、りん酸塩、硼
砂ともに前処理剤として位置づけられており、比較的炭
素含有量の少ない鋼材の加工における潤滑剤のキャリア
(潤滑剤を運び込む効果を有する成分)として、乾式潤
滑剤と共に使用されている(Tribology Me
talworking J.A.Shey,P385
(ASM.,1983)、「鉄鋼伸線用潤滑マニュア
ル」日本塑性加工学会編、P18、1982)。石灰石
けんは比較的安価で、一時的な防錆剤としても有用であ
り、引き抜き後の残存皮膜が除去し易く、また、単独で
もある程度の滑性を示すため、軽加工の場合には乾式潤
滑剤を併用せずに使用されている。その歴史は昭和初期
にさかのぼるが、これらの多くの長所を有するために現
在でも広く用いられている。
ら、実際には伸線向上の長年の経験に基づく方法で独自
の石灰石けんが作られている。(「鉄鋼伸線用潤滑剤マ
ニュアル」、P19)。その要因として目的によって使
用する潤滑剤の性能を使い分ける必要がある(潤滑、吉
田信弘.30、709(1985))ことがあげられる
が、石灰石けんに関する普遍的な知見がいまなおほとん
ど無いことも、要因の一つのように思われる。過去の文
献等を見ても石灰石けんの明確な定義づけすらされてお
らず、製法や使用方法が記載されている程度である。
用の潤滑剤マニュアル」にはその製法に関する記述がな
されている。これによれば、アルカリ石けんに対して過
剰の生石灰(酸化カルシウム)を加えて水中でかくはん
すると、先ず反応式(1)によって生石灰の消化(水
和)反応により消石灰(水酸化カルシウム)を生成し、
この発熱によって生成した消石灰と石けんが反応式
(2)により複分解反応し、反応式(2)の反応が可逆
的に起きると考えられている。
成した消石灰、カルシウム石けん及びアルカリ分、未反
応アルカリ石けん及び水が含まれている。このうち、潤
滑剤組成物において加工材に吸着し、潤滑剤を保持する
(キャリア効果)を担っているのが、主成分である消石
灰とカルシウム石けんであるが、カルシウム石けんは加
工材表面への付着性とともに潤滑性に寄与し、石灰石け
んの摩擦係数を低下させる役割(滑剤)を持ち、消石灰
は潤滑剤を保持する表面粗さと加工時の金属間接触を防
止する役割も有している。
一般的には生石灰100重量部に対して5〜10重量部
の脂肪酸のアルカリ石けん、400部程度の水を加えて
製造される。複分解反応が終了したらさらに2〜3倍量
の水を加えて放置する。しかし、反応温度や放置時間、
生石灰とアルカリ石けんの配合比率、撹拌などの条件に
よって得られる石灰石けんの性能が変化するため、各伸
線工場では経験に基づいた方法で製造されている。脂肪
酸のアルカリ石けんにはナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ塩が用いられているが、一般には針状の牛脂脂肪
酸のアルカリ石けんが多く用いられている。
硫酸などによる化学的、あるいはショットブラストによ
り機械的に脱スケール処理した後、温度50〜60℃、
固形分5〜30重量%程度とした石灰石けん液に浸漬処
理し、乾燥して潤滑皮膜を形成させる。加工条件によっ
て異なるが、乾燥後はそのままか、あるいはさらに乾式
潤滑剤や油系潤滑剤を塗布して引き抜き加工されてい
る。石灰石けんはベアリング鋼等の伸線加工にも用いら
れる。このプロセスでは鋼線にりん酸塩処理した後、石
灰石けん処理が行われる。この場合、石灰石けんはキャ
リアとしてでなく、滑り性を与える成分としての役割を
果している。
灰、高級脂肪酸のアルカリ塩および水を反応させること
を特徴とする金属材料引き抜き加工用潤滑剤の製造方法
について開示されているが、より性能の良い石灰石けん
が望まれる。上述の従来の石灰石けんからなる金属材料
引き抜き加工用潤滑剤にはつぎのような問題点があっ
た。
ラがあると付着量の少ない部分で潤滑不良を起こすこと
がある。そのため、処理液の濃度を上げるか、もしくは
幾度か浸漬処理を繰り返すことによって付着量の少ない
部分を無くさなければならない。しかし、付着ムラはそ
の後の加工材の表面肌の品質劣化を招く場合が多い。
乾燥後保存している間に加工材に錆を生じる。錆は摩擦
係数が高いため潤滑状態に悪影響を与え、伸線の場合ダ
イス寿命が短くなり、特に錆が多い場合には引き抜き力
が高くなり、加工材が破断することもある。
め、製造ロットや製造者の違いにより安定した品質が得
られにくい。 キャリア効果に乏しく、金型寿命が短い。 処理液に泡が発生(発泡)し、付着が不均一になる。
来の技術の問題点を改善し、付着性、キャリアー効果と
も良好で、防錆性および潤滑性に優れた石灰石けんから
なる金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物及びその製
造方法を提供することである。
の解決手段について鋭意検討した結果、石灰石けん中の
構成脂肪酸を特定することおよび組成物の構成比率を特
定することにより予想外に石灰石けんの付着性やキャリ
ア効果を向上できることを新たに見い出し、本発明を完
成するに至った。
とする金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物におい
て、石灰石けん中の構成脂肪酸が、構成脂肪酸全量に対
して、炭素数16以上の飽和脂肪酸90重量%を超えて
構成され、かつ水分を除く石灰石けん固形分の組成が、
消石灰68〜85重量%、カルシウム石けん10〜30
重量%及びアルカリ石けん0.3〜2重量%であること
を特徴とする金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物を
提供する。
る金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物において、石
灰石けん中の構成脂肪酸が、構成脂肪酸全量に対して炭
素数16以上の飽和脂肪酸90重量%を超え、さらに炭
素数18以上の飽和脂肪酸が50重量%以上で構成さ
れ、かつ水分を除く石灰石けん固形分の組成が、消石灰
68〜85重量%、カルシウム石けん10〜30重量%
及びアルカリ石けん0.3〜2重量%であることを特徴
とする金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物を提供す
る。
の飽和脂肪酸が構成脂肪酸全量に対して90重量%を越
えて構成されているアルカリ石けんと生石灰を添加して
石灰石けんを生成させ潤滑剤組成物を製造することを特
徴とする金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物の製造
方法を提供する。
象となる金属材料は、鉄、ステンレス、クロム鋼、モリ
ブデン鋼、チタン鋼である。
組成物は石灰石けんを必須成分とする。本発明の組成物
の必須成分である石灰石けんは、消石灰、カルシウム石
けん、アルカリ分、アルカリ石けんおよび水の混合物で
あり、消石灰およびカルシウム石けんを主成分とする。
の構成脂肪酸が、構成脂肪酸全量に対して、炭素数16
以上の飽和脂肪酸として90重量%(以下%とする)を
越えて構成されていることである。炭素数16以上の飽
和脂肪酸が構成脂肪酸全量に対して90%以下、すなわ
ち、炭素数16未満の飽和脂肪酸が構成脂肪酸全量に対
して10%以上か、又は不飽和脂肪酸を構成脂肪酸全量
に対して10%以上で構成されている場合には、付着
性、キャリア性、防錆性および潤滑性において目的とす
る効果は得られない。また、構成脂肪酸を炭素数18以
上の飽和脂肪酸を50%以上とすることにより、さらに
キャリア効果が向上する。
肪酸であるパルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、
ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸等が挙げられ
る。
灰については68〜85%、カルシウム石けんは10〜
30%及びアルカリ石けん分は0.3〜2%である。消
石灰が68%未満になるとキャリア効果が低下し、逆に
85%を超えると石けん分の低下により滑り性が悪くな
る。カルシウム石けんが10%未満ではキャリア効果が
不充分であり、30%を超すと消石灰分が減少するため
にキャリア効果が低下する。未反応の遊離のアルカリ石
けん分は少ない方が良く、2%を超えると付着がムラに
なりやすく、防錆性に悪影響を及ぼす。また、未反応の
アルカリ石けん分はいわゆるアニオン系の界面活性剤と
して作用し、発泡の原因となる。
て説明する。実施にあたっては生石灰の重量に対して1
0〜30%の脂肪酸のアルカリ石けんを水に投入して製
造する。製造時の反応温度は使用する脂肪酸のアルカリ
石けんの溶解温度以上にすることが必要である。即ち生
石灰の消化による温度上昇によってアルカリ石けんが溶
解し、反応式(2)の反応が進むが、脂肪酸のアルカリ
石けんは、その炭素数が多いものほど水への溶解温度が
高くなる傾向がある。反応時の温度を使用する脂肪酸の
アルカリ石けんの溶解温度以上にするために、生石灰と
水の比率を考慮したり、加熱装置により予め水温を上げ
ておくなどしなければならない。石けんが水中で溶解す
る温度に達すれば複分解反応が進行し、カルシウム石け
んを生成する。
て防錆添加剤、増粘剤、分散剤を加えても良く、これら
の添加によって防錆性、皮膜付着量、分散安定性を向上
させることができる。防錆添加剤としては、タングステ
ン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン
酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム等の無機塩、トリエ
タノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン塩が有
効である。これらの添加剤は使用する石灰石けん液の
0.1〜2.0%の範囲で添加すると良く、特に防錆性
が必要とされる場合にはさらに添加量を増やしても良
い。
リビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース等
の樹脂や、シリカや炭酸カルシウム、ベントナイト等の
無機物の添加が有効である。これらは使用する石灰石け
ん液の2.0〜5.0%の範囲で添加すると良く、あま
り多く添加すると石灰石けんのキャリア効果や防錆性に
悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要である。
キルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオ
キシエチレンソルダビンアルキルエステル類等の非イオ
ン系界面活性剤、脂肪酸塩、硫酸エステル類等の陰イオ
ン系界面活性剤が有効である。これらは使用する石灰石
けん液の0.5〜2.0%の範囲で添加すると良く、こ
れよりも多く添加すると発泡の原因になることがある。
加工材を酸洗、又は機械的に脱スケールした後、本発明
の製法によって得られた石灰石けんを水に分散させ所定
の濃度にし浸漬処理して皮膜を形成させる。また、加工
に供する前には加工材を充分乾燥させる。りん酸塩処理
と組み合わせて使用する場合は、りん酸塩処理後に充分
水洗してから石灰石けん処理する。
下のようであると考えられる。炭酸数16以上の飽和脂
肪酸を用いた結果、付着性に優れ、低発泡性であること
から均一に加工材表面が被覆されるため、錆が発生し難
くなる。また、キャリア効果に優れるため、引き抜き加
工した後の残存皮膜が多く、焼き付きが発生し難い。特
にこの点は従来から用いられてきた牛脂脂肪酸の石けん
から作ったものに比べて明らかに効果が認められる。さ
らに、炭素数16以上の飽和脂肪酸を主成分とするアル
カリ石けんを原料として用いた結果、カルシウム石けん
の生成度が高くなり、カルシウム石けん含量10〜30
%の好ましい範囲の石灰石けんを製造できる。
挙げて具体的に説明する。本発明で用いた潤滑剤組成物
の評価方法およびカルシウム石けんの生成度および石灰
石けんの組成比の測定方法は以下の通りである。 (付着性)アルカリ脱脂(日本パーカライジング(株)
製、ファインクリーナー4360、20g/L、60
℃)後、常温17.5%の塩酸で1分間酸洗し、水洗し
た軟鋼板材(70×150×0.8mm)を金属材料の
塑性加工用水系潤滑剤組成物(以下潤滑剤組成物と略
す)中に60℃で1分間浸漬し、静かに引き上げた。自
然乾燥後、目視により付着外観を判定し、これを次の3
段階評価した。 ○:均一 △:僅かに不均一 ×:不均一
を40℃、90%の恒温恒湿槽内に保存し、その発錆状
況を目視により観察した。評価基準は次のとおりであ
る。 ◎:発錆無し ○:点錆 △:点錆多数 ×:全面錆
リ脱脂後、常温17.5%の塩酸で1分間酸洗し水洗し
たSWC材(3mmφ)を潤滑剤組成物中に60℃で1
分間浸漬処理し、105℃の熱風オーブンにて20分間
強制乾燥した。粉末の潤滑助剤を使用せず、2.4mm
φに伸線速度50m/分にて伸線した。80℃、5%の
クロム酸水溶液に20分間浸漬して伸線後の皮膜を溶解
させて皮膜の付着量を測定し、キャリア効果を評価し
た。また、伸線後の線材表面を観察し、焼き付き傷発生
の有無、外観を観察した。評価基準は次のとおりであ
る。 耐焼き付き性 ○:傷なし △:微傷 ×:多数傷 外観 ○:均一 ×:不均一
よって生成したカルシウム石けんの生成度を測定した。
この測定方法は、カルシウム石けんを生成していない未
反応の遊離のアルカリ石けん分がエタノール水に溶解す
ることを利用して分離、定量するものである。製造され
た石灰石けんに同量程度のエタノール水(50%)を加
え、50℃で約30分間撹拌を行う。遊離アルカリの石
けん分をエタノールに溶解させ、瀘紙を用いてエタノー
ル水可溶成分と不溶成分に分離する。このとき瀘過され
る成分はアルカリ分、遊離のアルカリ石けん分であり、
瀘過されない成分はカルシウム石けんと消石灰である。
これらの分離物に塩酸を適量添加して酸分解し、遊離し
た脂肪酸を無極性溶媒に溶解・抽出後、重量測定によっ
て定量した。エタノール不溶成分中の脂肪酸量の全脂肪
酸量に対する百分率をカルシウム石けん生成度とした。
を100mlの比色管に50mLまで入れ、比色管に蓋
をして15秒間上下に激しく振とうした。20分間放置
後の泡量を読み取り、発泡性を評価した。
ルシウム石けん生成度の測定において得られたエタノー
ル不溶成分中のカルシウム分、可溶成分中のナトリウム
を原子吸光法を用いて定量した。また、原料の平均分子
量を用い、エタノール不溶成分中の脂肪酸量からカルシ
ウム石けん分を算出し、エタノール不溶成分中の脂肪酸
量からナトリウム石けん分を出した。原子吸光で得られ
たカルシウムからカルシウム石けんを生成しているカル
シウム分を差し引き、消石灰分を算出した。同様の方法
でアルカリ分を算出した。
る。 C12 :ラウリン酸(飽和脂肪酸) C14 :ミリスチン酸(飽和脂肪酸) C16 :パルミチン酸(飽和脂肪酸) C18 :ステアリン酸(飽和脂肪酸) C16F1:パルミトレイン酸(不飽和脂肪酸) C18F1:オレイン酸(不飽和脂肪酸) C18F2:リノール酸(不飽和脂肪酸)
て強撹拌しながら表1に示した組成の炭素数18の飽和
脂肪酸のステアリン酸を主成分とするナトリウム石けん
30重量部を投入し、生石灰(JIS−R9001、特
号、以下同様)160重量部徐々に加えて、石灰石けん
を製造した。得られたカルシウム石けんの生成度(%)
の測定及び組成比を定量した。得られたカルシウム石け
んに水を添加して、カルシウム石けんの固形分10%に
なるように調整し、潤滑剤組成物を得た。こうして得ら
れた潤滑剤組成物について、付着性、防錆性、潤滑性及
び発泡性について評価試験を行った。
酸を主成分とするナトリウム石けん50重量部、生石灰
130重量部を投入した以外は、実施例1と全く同様に
して潤滑剤組成物を得、該組成物について実施例1と全
く同様の評価試験を行った。
酸を主成分とするナトリウム石けん70重量部、生石灰
110重量部を投入した以外は、実施例1と全く同様に
して潤滑剤組成物を得、該組成物について実施例1と全
く同様の評価試験を行った。
酸を主成分とするナトリウム石けん30重量部、生石灰
160重量部を投入した以外は、実施例1と全く同様に
して潤滑剤組成物を得、該組成物について実施例1と全
く同様の評価試験を行った。
酸を主成分とするアルカリ石けん30重量部、生石灰1
60重量部を投入した以外は、実施例1と全く同様にし
て潤滑剤組成物を得、該組成物について実施例1と全く
同様の評価試験を行った。
アルカリ石けんの替わりに表1に示す組成の牛脂脂肪酸
のアルカリ石けんを使用した以外は実施例1と全く同様
にして潤滑剤組成物を得、該組成物について評価試験を
行った。
アルカリ石けんの替わりに表1に示す組成の炭素数16
の飽和脂肪酸のパルミチン酸を主成分とするアルカリ石
けんを使用した以外は実施例1と全く同様にして潤滑剤
組成物を得、該組成物について評価試験を行った。
アルカリ石けんの替わりに表1に示す組成のやし油を原
料とする脂肪酸のアルカリ石けんを用いて製造した以外
は実施例1と全く同様にして潤滑剤組成物を得、該組成
物について評価試験を行った。
アルカリ石けんの替わりに表1に示す組成の不飽和脂肪
酸を主成分とするアルカリ石けんを用いて製造した以外
は実施例1全く同様にして潤滑剤組成物を得、該組成物
について評価試験を行った。評価結果を表2に示した。
ずれも付着外観が均一であった。これに対して比較例1
〜4の潤滑剤組成物は流れ落ち模様が発生し、不均一な
付着外観であった。
組成物は付着性に優れるため、発錆はほとんど認められ
なかった。比較例1〜4の潤滑剤組成物の場合、流れ模
様の認められたムラの部分から錆が発生し、14日経過
後は全面錆となるものもあった。
組成物のいずれも焼き付きは見られず、良好な潤滑性を
示した。特にカルシウム石けんの多い実施例3はキャリ
ア効果に優れていた。これに対して比較例1〜4の潤滑
剤組成物はキャリア効果が乏しく、伸線後の線材表面に
焼き付き傷が生じていた。
物は発泡性が低く、長期の撹拌が行われても泡の発生が
少なく、均一な付着外観となる。一方、比較例1〜4の
潤滑剤組成物では、泡が発生しやすい。
施例1〜5では、カルシウム石けんの生成度が高く、カ
ルシウム石けんの組成においてもカルシウム石けん分が
10〜30%の好ましい範囲にありキャリア効果及び発
泡性が優れている。一方比較例1〜4では、カルシウム
石けんの生成度が低く、カルシウム石けんの組成も10
%未満の範囲であり、キャリア効果及び発泡性において
劣る。
属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物を用いることによ
り、付着性と防錆性、およびキャリア効果を同時に満足
することが可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】 石灰石けんを必須成分とする金属材料の
塑性加工用水系潤滑剤組成物において、石灰石けん中の
構成脂肪酸が、構成脂肪酸全量に対して、炭素数16以
上の飽和脂肪酸90重量%を超えて構成され、かつ水分
を除く石灰石けん固形分の組成が、消石灰68〜85重
量%、カルシウム石けん10〜30重量%及びアルカリ
石けん0.3〜2重量%であることを特徴とする金属材
料の塑性加工用水系潤滑剤組成物。 - 【請求項2】 さらに、前記構成脂肪酸全量に対して炭
素数18以上の飽和脂肪酸が50重量%以上で構成され
ている特徴とする請求項1記載の金属材料の塑性加工用
水系潤滑剤組成物。 - 【請求項3】水中に炭素数16以上の飽和脂肪酸が構成
脂肪酸全量に対して90重量%を越えて構成されている
アルカリ石けんと生石灰を添加して石灰石けんを生成さ
せ、生成した該石灰石けん中の構成脂肪酸が、構成脂肪
酸全量に対して、炭素数16以上の飽和脂肪酸90重量
%を越えて構成され、かつ水分を除く石灰石けん固形分
の組成が、消石灰68〜85重量%、カルシウム石けん
10〜30重量%及びアルカリ石けん0.3〜2重量%
であり、得られた該石灰石けんを必須成分とする潤滑剤
組成物を製造することを特徴とする金属材料の塑性加工
用水系潤滑剤組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6561394A JP3340836B2 (ja) | 1994-03-08 | 1994-03-08 | 金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07242894A JPH07242894A (ja) | 1995-09-19 |
JP3340836B2 true JP3340836B2 (ja) | 2002-11-05 |
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ID=13292055
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Country | Link |
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JP (1) | JP3340836B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-08 JP JP6561394A patent/JP3340836B2/ja not_active Expired - Lifetime
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