JP3340303B2 - 薄型dc−dcコンバータ用部品 - Google Patents
薄型dc−dcコンバータ用部品Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型で薄形のDC
−DCコンバータ用部品に関する。 【0002】 【従来の技術】DC−DCコンバータ用部品、例えばト
ランスは、各種定格のものが決められているが、それら
の多くは略立方体形状をしている。 【0003】近時、電気・電子機器の分野では、機器の
軽薄短小化が鋭意追究されているが、例えば、そのハイ
ブリッド回路に従来構造のトランスを設置する場合、ハ
イブリッド回路がたとえ充分に薄く、かつ小面積であっ
たとしても、トランスが、従来のようにこの回路に比べ
て大型であれば、それは全体の回路,機器においてトラ
ンスの占める死容積が大となることであって、全体の軽
薄短小化への努力を満足せしめることとはいえない。 【0004】それゆえ、回路,機器の軽薄短小化の努力
は、その一環としてDC−DCコンバータ用部品の薄形
化、小型化を必要とする。このような要請に基づいて、
フェライト焼結体を鉄心コアとする小型トランスが開発
されている。しかしながら、フェライト焼結体は、飽和
磁束密度(Bs)が4500G前後と小さいので、コア
を充分小型化できないばかりでなく、熱伝導率が低いた
め、放熱性が悪いという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題を解決するためになされたものであり、小型、薄形で
かつ特性をより向上させたDC−DCコンバータ用部品
を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、DC−D
Cコンバータ用部品の容量が、鉄心コアのBsと磁束線
が横ぎる鉄心の有効断面積との積に比例する事実に着目
した。すなわち、容量一定のDC−DCコンバータ用部
品を製作する場合、Bsが大きい材料を鉄心とすればそ
の断面積を小たらしめることができる、つまりDC−D
Cコンバータ用部品を小型化することができ、またコイ
ルを所定径の巻線ではなく板状にし、鉄心も板状にすれ
ば薄形化が可能となるとの着想を得、本発明の構造のD
C−DCコンバータ用部品を開発するに到った。 【0007】すなわち、本発明(請求項1)は、複数枚
の非晶質磁性合金薄体片の積層体と、ループを形成す
る、1枚の板状コイルからなる、または複数枚の板状コ
イルを絶縁層を介して積層してなる板状コイル体とから
なり、該板状コイルの厚さ方向または積層方向は、該積
層体の積層方向と同一であり、該積層体の間に絶縁層を
介して該板状コイル体が配設され、リード線が該板状コ
イル体の側面から引き出されてなることを特徴とする薄
型DC−DCコンバータ用部品を提供する。 【0008】上記DC−DCコンバータ用部品におい
て、該非晶質磁性合金薄体片は、一般式Coa Feb M
c Zd (式中、MはFe及びCo以外の遷移金属の少な
くとも1種の元素を、ZはSi、B、P、Al、及びC
から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、
c、dはそれぞれ原子%で表され、cは0〜10、dは
15〜30であり、残部はa、bである)により示され
る組成を有するものとすることが出来る。 【0009】この場合、一般式Coa Feb Mc Zd に
おいて、b/(a+b)が0.04〜0.08であるこ
とが好ましい。また、bが70以上であることが好まし
い。また、非晶質磁性合金薄体片の厚みは、5〜40μ
mであることが好ましい。 【0010】以下、本発明のDC−DCコンバータ用部
品について、トランスを例に挙げて詳細に説明する。 【0011】図1は、本発明の一実施態様に係るトラン
スの斜視図,図2は図1のAーA´線に沿う縦断面図で
ある。図1及び2において、参照符号1は、非晶質磁性
合金の薄体からなるトランスブロックを示し、2a,2
bは板状コイルを示す。尚、板状コイル2a,2bの積
層状態は、図1及び図2では簡略化して示されている。 【0012】トランスブロック1は、非晶質磁性合金の
板から、例えば図3〜図5に斜視図として示した薄体片
1a,1b,1cを切り出し、これら切片をそれぞれ接
着剤を介して接着・積層してなる各ブロックを組合せて
構成される。ここで、図中、Waで示される薄体片1a
の幅とLbで示される薄体片1bの長さとは略等しく、
また、Wcで示される薄体片1cの幅は薄体片1aの幅
Waよりも小さい。 【0013】すなわち、トランスブロック1は、薄体片
1aを所定の複数枚接着・積層して2個の薄体片ブロッ
ク1a´と、このブロック1a´の両脇に介挿され薄体
片1bを接着・積層してなる2個のブロック1b´と、
全体の略中央位置に介挿され薄体片1cを接着・積層し
てなる1個のブロック1c´(ヨークに相当する)とか
ら構成されている。 【0014】かくして、トランスブロック1の略中央部
には、ブロック1c´を取り囲むようにして回廊状の空
間が形成される。本発明の一実施態様に係るトランス
は、この回廊状の空間に一次側コイルおよび二次側コイ
ルとして図6、図7に例示した2枚の板状コイル2a,
2bが絶縁性の接着剤3に埋設された状態で配設され、
その端部には例えば溶接若しくは導電性接着剤で接着す
ることによりリード線4が結線されている。 【0015】各薄体の間、及び薄体と板状コイルの間
は、電気絶縁性の接着剤,例えばエポキシ樹脂のような
有機合成樹脂によって接着され、各薄体及び薄体と板状
コイルとの間に電気絶縁層を形成する。 【0016】ここで、鉄心コアとなる薄体は、通常の液
体急冷法を適用して製造された非晶質磁性合金のリボン
を所定形状に例えば打抜き加工したものである。非晶質
磁性合金としては、Βsが大きく、高周波域における鉄
損が小さい合金材料であれば何であってもよいが、例え
ば、次式:Coa Feb Mc Zd で示される非晶質合金
が挙げられる。 【0017】式Coa Feb Mc Zd において、MはF
e、Co以外の遷移金属の少な<とも1種を表わし、Z
は非晶質化に必要な元素で、Si、B、P、Al、Cの
中から選ばれる1種を表わし、a、b、c、dはそれぞ
れ原子%を表わす。cは0〜10、dは15〜30であ
り、残部はa,bであるが、b/(a+b)を0.04
〜0.08とした合金はとくに優れた磁気特性を示す。
また、bを70以上とした合金は、Bsが高く、トラン
スを小型化する上で有用である。 【0018】また、薄体の厚みは、高周波域における鉄
損の程度,積層効率との関係を勘案して適宜決められる
が、あまり薄いと接着枚数が多<なることにより(接着
剤からなる絶縁層が多くなる)積層効率の低下を招き、
逆にあまり厚いと、高周波磁気特性の低下を招くので、
例えば使用周波数が20〜500KHzの場合、その厚
みは5〜40μm範囲内に設定することが好ましい。厚
みの調整は、液体急冷法における、融液の噴出速度、急
冷ドラムの回転数などの操作条件を適宜選定すれば容易
に可能である。 【0019】板状コイルとしては、銅からなるものが好
適で、薄い銅板を例えば図6、図7に示すような形状に
打抜き加工したり、または半導体素子の製造分野で適用
されているエッチング方法などによって容易に製造する
ことができる。 【0020】このようにして組立てたトランスは、その
周囲を例えばエポキシ樹脂などでモールドして使用に供
される。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示し、本
発明をより具体的に説明する。 【0022】実施例1 Co75.3Fe4.7 Si4 B16で示されるコバルト系非晶
質合金のリボン(厚み20μm)を打抜いて、図3〜図
5に示す各薄体片1a,lb,lcを得た。薄体片1a
の寸法は縦20.0mm,幅(Wa)12.5mm;薄
体片1bの寸法は幅2.5mm、縦(Lb)12.5m
m;薄体片1cの寸法は縦8mm,幅(Wc)5.5m
mであった。 【0023】125枚の薄体片1aを接着・積層したブ
ロックla´を2個,100枚の薄体片1bを接着・積
層したブロックlb´を2個,更に100枚の薄体片1
cを接着.積層したブロックlc´を1個それぞれ成形
した。用いた接着剤の厚みは約10μmであった。 【0024】厚みl50μmの銅シートからエッチング
法により図6、図7に示した板状コイルを製作した。図
6が二次コイル(コイル幅1.0mm)で2層で4ター
ンとし、図7は一次コイル(コイル幅0.5mm)の一
例で4層12ターンとした。 【0025】上記した各薄体片のブロックを組合わせ、
かつ板状コイルを絶縁シートとともに組込んでシートト
ランスを製作した。コイル間の端末は相互に接合し、そ
の他の部分は厚み50μmの絶縁シートで絶縁されてい
る。 【0026】得られたトランスの形状は、縦20.0m
m、幅12.5mm、高さ10.5mmであった。 【0027】このトランスをDC−DCコンバータに取
り付け、100kΗzで試験した。一次電圧40Vとし
て、二次側で12Vー0.5Aを取り出すことができ
た。このトランスと同一仕様のトランスをフェライトで
作成すると、フェライトの飽和磁束密度が4500Gで
あることからして、2倍の有効断面積が必要となり、こ
の結果、シートトランスの外寸は縦33mm、幅12.
5mm、高さ18.0mmとなり、体積で約3倍の大き
さになってしまう。 【0028】実施例2 Co2 Fe77B8 Si13で示される鉄系非晶質合金のリ
ボン(厚み25μm)を打ち抜いて、実施例1で用いた
図3に示す薄体片1aと同一寸法の、縦20.0mm、
幅(Wa)12.5mmの薄体片を作成し、これを5枚
接着・積層した積層体2個を成形した。板状コイルとし
ては、実施例1で用いた図7に示す4層12ターンのコ
イルを用いた。 【0029】2個の前記非晶質合金からなる積層体の間
に板状コイルを絶縁シートとともに組込み、リード線を
側面から引出し、シート状積層体からなるDC−DCコ
ンバータ用部品を製作した。得られた部品は、縦20.
0mm、幅12.5mm、高さ1.2mmと非常に薄
く、小型のDC−DCコンバータ用部品が得られた。 【0030】この部品を5V、2AのDC−DCコンバ
ータに取付け、2Aまでの実装試験を行なったところ、
同一仕様の部品をフェライトで作成した場合に比べ、約
4倍の優れた特性が得られることが確認された。 【0031】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
DC−DCコンバータ用部品は、薄く小型であるにもか
かわらず、容量は大きく、しかも高周波域において鉄損
による発熱がない。したがって、DC−DCコンバータ
に取付けて使用される部品として有効であり、その工業
的価値は大である。 【0032】なお、例示したトランス等のDC−DCコ
ンバータ用部品では、各薄体,板状コイルはいずれもそ
の断面が四角形状であるが、その形状はそれに限定され
るものではなく、薄体がドーナッツ形状、板状コイルが
蚊とり線香形状のものであってもよいことはいうまでも
ない。
−DCコンバータ用部品に関する。 【0002】 【従来の技術】DC−DCコンバータ用部品、例えばト
ランスは、各種定格のものが決められているが、それら
の多くは略立方体形状をしている。 【0003】近時、電気・電子機器の分野では、機器の
軽薄短小化が鋭意追究されているが、例えば、そのハイ
ブリッド回路に従来構造のトランスを設置する場合、ハ
イブリッド回路がたとえ充分に薄く、かつ小面積であっ
たとしても、トランスが、従来のようにこの回路に比べ
て大型であれば、それは全体の回路,機器においてトラ
ンスの占める死容積が大となることであって、全体の軽
薄短小化への努力を満足せしめることとはいえない。 【0004】それゆえ、回路,機器の軽薄短小化の努力
は、その一環としてDC−DCコンバータ用部品の薄形
化、小型化を必要とする。このような要請に基づいて、
フェライト焼結体を鉄心コアとする小型トランスが開発
されている。しかしながら、フェライト焼結体は、飽和
磁束密度(Bs)が4500G前後と小さいので、コア
を充分小型化できないばかりでなく、熱伝導率が低いた
め、放熱性が悪いという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した問
題を解決するためになされたものであり、小型、薄形で
かつ特性をより向上させたDC−DCコンバータ用部品
を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、DC−D
Cコンバータ用部品の容量が、鉄心コアのBsと磁束線
が横ぎる鉄心の有効断面積との積に比例する事実に着目
した。すなわち、容量一定のDC−DCコンバータ用部
品を製作する場合、Bsが大きい材料を鉄心とすればそ
の断面積を小たらしめることができる、つまりDC−D
Cコンバータ用部品を小型化することができ、またコイ
ルを所定径の巻線ではなく板状にし、鉄心も板状にすれ
ば薄形化が可能となるとの着想を得、本発明の構造のD
C−DCコンバータ用部品を開発するに到った。 【0007】すなわち、本発明(請求項1)は、複数枚
の非晶質磁性合金薄体片の積層体と、ループを形成す
る、1枚の板状コイルからなる、または複数枚の板状コ
イルを絶縁層を介して積層してなる板状コイル体とから
なり、該板状コイルの厚さ方向または積層方向は、該積
層体の積層方向と同一であり、該積層体の間に絶縁層を
介して該板状コイル体が配設され、リード線が該板状コ
イル体の側面から引き出されてなることを特徴とする薄
型DC−DCコンバータ用部品を提供する。 【0008】上記DC−DCコンバータ用部品におい
て、該非晶質磁性合金薄体片は、一般式Coa Feb M
c Zd (式中、MはFe及びCo以外の遷移金属の少な
くとも1種の元素を、ZはSi、B、P、Al、及びC
から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、b、
c、dはそれぞれ原子%で表され、cは0〜10、dは
15〜30であり、残部はa、bである)により示され
る組成を有するものとすることが出来る。 【0009】この場合、一般式Coa Feb Mc Zd に
おいて、b/(a+b)が0.04〜0.08であるこ
とが好ましい。また、bが70以上であることが好まし
い。また、非晶質磁性合金薄体片の厚みは、5〜40μ
mであることが好ましい。 【0010】以下、本発明のDC−DCコンバータ用部
品について、トランスを例に挙げて詳細に説明する。 【0011】図1は、本発明の一実施態様に係るトラン
スの斜視図,図2は図1のAーA´線に沿う縦断面図で
ある。図1及び2において、参照符号1は、非晶質磁性
合金の薄体からなるトランスブロックを示し、2a,2
bは板状コイルを示す。尚、板状コイル2a,2bの積
層状態は、図1及び図2では簡略化して示されている。 【0012】トランスブロック1は、非晶質磁性合金の
板から、例えば図3〜図5に斜視図として示した薄体片
1a,1b,1cを切り出し、これら切片をそれぞれ接
着剤を介して接着・積層してなる各ブロックを組合せて
構成される。ここで、図中、Waで示される薄体片1a
の幅とLbで示される薄体片1bの長さとは略等しく、
また、Wcで示される薄体片1cの幅は薄体片1aの幅
Waよりも小さい。 【0013】すなわち、トランスブロック1は、薄体片
1aを所定の複数枚接着・積層して2個の薄体片ブロッ
ク1a´と、このブロック1a´の両脇に介挿され薄体
片1bを接着・積層してなる2個のブロック1b´と、
全体の略中央位置に介挿され薄体片1cを接着・積層し
てなる1個のブロック1c´(ヨークに相当する)とか
ら構成されている。 【0014】かくして、トランスブロック1の略中央部
には、ブロック1c´を取り囲むようにして回廊状の空
間が形成される。本発明の一実施態様に係るトランス
は、この回廊状の空間に一次側コイルおよび二次側コイ
ルとして図6、図7に例示した2枚の板状コイル2a,
2bが絶縁性の接着剤3に埋設された状態で配設され、
その端部には例えば溶接若しくは導電性接着剤で接着す
ることによりリード線4が結線されている。 【0015】各薄体の間、及び薄体と板状コイルの間
は、電気絶縁性の接着剤,例えばエポキシ樹脂のような
有機合成樹脂によって接着され、各薄体及び薄体と板状
コイルとの間に電気絶縁層を形成する。 【0016】ここで、鉄心コアとなる薄体は、通常の液
体急冷法を適用して製造された非晶質磁性合金のリボン
を所定形状に例えば打抜き加工したものである。非晶質
磁性合金としては、Βsが大きく、高周波域における鉄
損が小さい合金材料であれば何であってもよいが、例え
ば、次式:Coa Feb Mc Zd で示される非晶質合金
が挙げられる。 【0017】式Coa Feb Mc Zd において、MはF
e、Co以外の遷移金属の少な<とも1種を表わし、Z
は非晶質化に必要な元素で、Si、B、P、Al、Cの
中から選ばれる1種を表わし、a、b、c、dはそれぞ
れ原子%を表わす。cは0〜10、dは15〜30であ
り、残部はa,bであるが、b/(a+b)を0.04
〜0.08とした合金はとくに優れた磁気特性を示す。
また、bを70以上とした合金は、Bsが高く、トラン
スを小型化する上で有用である。 【0018】また、薄体の厚みは、高周波域における鉄
損の程度,積層効率との関係を勘案して適宜決められる
が、あまり薄いと接着枚数が多<なることにより(接着
剤からなる絶縁層が多くなる)積層効率の低下を招き、
逆にあまり厚いと、高周波磁気特性の低下を招くので、
例えば使用周波数が20〜500KHzの場合、その厚
みは5〜40μm範囲内に設定することが好ましい。厚
みの調整は、液体急冷法における、融液の噴出速度、急
冷ドラムの回転数などの操作条件を適宜選定すれば容易
に可能である。 【0019】板状コイルとしては、銅からなるものが好
適で、薄い銅板を例えば図6、図7に示すような形状に
打抜き加工したり、または半導体素子の製造分野で適用
されているエッチング方法などによって容易に製造する
ことができる。 【0020】このようにして組立てたトランスは、その
周囲を例えばエポキシ樹脂などでモールドして使用に供
される。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示し、本
発明をより具体的に説明する。 【0022】実施例1 Co75.3Fe4.7 Si4 B16で示されるコバルト系非晶
質合金のリボン(厚み20μm)を打抜いて、図3〜図
5に示す各薄体片1a,lb,lcを得た。薄体片1a
の寸法は縦20.0mm,幅(Wa)12.5mm;薄
体片1bの寸法は幅2.5mm、縦(Lb)12.5m
m;薄体片1cの寸法は縦8mm,幅(Wc)5.5m
mであった。 【0023】125枚の薄体片1aを接着・積層したブ
ロックla´を2個,100枚の薄体片1bを接着・積
層したブロックlb´を2個,更に100枚の薄体片1
cを接着.積層したブロックlc´を1個それぞれ成形
した。用いた接着剤の厚みは約10μmであった。 【0024】厚みl50μmの銅シートからエッチング
法により図6、図7に示した板状コイルを製作した。図
6が二次コイル(コイル幅1.0mm)で2層で4ター
ンとし、図7は一次コイル(コイル幅0.5mm)の一
例で4層12ターンとした。 【0025】上記した各薄体片のブロックを組合わせ、
かつ板状コイルを絶縁シートとともに組込んでシートト
ランスを製作した。コイル間の端末は相互に接合し、そ
の他の部分は厚み50μmの絶縁シートで絶縁されてい
る。 【0026】得られたトランスの形状は、縦20.0m
m、幅12.5mm、高さ10.5mmであった。 【0027】このトランスをDC−DCコンバータに取
り付け、100kΗzで試験した。一次電圧40Vとし
て、二次側で12Vー0.5Aを取り出すことができ
た。このトランスと同一仕様のトランスをフェライトで
作成すると、フェライトの飽和磁束密度が4500Gで
あることからして、2倍の有効断面積が必要となり、こ
の結果、シートトランスの外寸は縦33mm、幅12.
5mm、高さ18.0mmとなり、体積で約3倍の大き
さになってしまう。 【0028】実施例2 Co2 Fe77B8 Si13で示される鉄系非晶質合金のリ
ボン(厚み25μm)を打ち抜いて、実施例1で用いた
図3に示す薄体片1aと同一寸法の、縦20.0mm、
幅(Wa)12.5mmの薄体片を作成し、これを5枚
接着・積層した積層体2個を成形した。板状コイルとし
ては、実施例1で用いた図7に示す4層12ターンのコ
イルを用いた。 【0029】2個の前記非晶質合金からなる積層体の間
に板状コイルを絶縁シートとともに組込み、リード線を
側面から引出し、シート状積層体からなるDC−DCコ
ンバータ用部品を製作した。得られた部品は、縦20.
0mm、幅12.5mm、高さ1.2mmと非常に薄
く、小型のDC−DCコンバータ用部品が得られた。 【0030】この部品を5V、2AのDC−DCコンバ
ータに取付け、2Aまでの実装試験を行なったところ、
同一仕様の部品をフェライトで作成した場合に比べ、約
4倍の優れた特性が得られることが確認された。 【0031】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
DC−DCコンバータ用部品は、薄く小型であるにもか
かわらず、容量は大きく、しかも高周波域において鉄損
による発熱がない。したがって、DC−DCコンバータ
に取付けて使用される部品として有効であり、その工業
的価値は大である。 【0032】なお、例示したトランス等のDC−DCコ
ンバータ用部品では、各薄体,板状コイルはいずれもそ
の断面が四角形状であるが、その形状はそれに限定され
るものではなく、薄体がドーナッツ形状、板状コイルが
蚊とり線香形状のものであってもよいことはいうまでも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るトランスの1例を示
す斜視図。 【図2】 図1のAーA´線に沿う縦断面図。 【図3】 本発明の一実施例に係るトランスを製作する
際に用いる薄体片の斜視図。 【図4】 本発明の一実施例に係るトランスを製作する
際に用いる薄体片の斜視図。 【図5】 本発明の一実施例に係るトランスを製作する
際に用いる薄体片の斜視図。 【図6】 本発明のDC−DCコンバータ用部品に用い
る板状コイルの平面図。 【図7】 本発明のDC−DCコンバータ用部品に用い
る板状コイルの平面図。 【符号の説明】 1…トランスブロック la,lb,lc…薄体片 la´,lb´,lc´…薄体片ブロツク 2a,2b…板状コイル 3…接着剤 4…リード線
す斜視図。 【図2】 図1のAーA´線に沿う縦断面図。 【図3】 本発明の一実施例に係るトランスを製作する
際に用いる薄体片の斜視図。 【図4】 本発明の一実施例に係るトランスを製作する
際に用いる薄体片の斜視図。 【図5】 本発明の一実施例に係るトランスを製作する
際に用いる薄体片の斜視図。 【図6】 本発明のDC−DCコンバータ用部品に用い
る板状コイルの平面図。 【図7】 本発明のDC−DCコンバータ用部品に用い
る板状コイルの平面図。 【符号の説明】 1…トランスブロック la,lb,lc…薄体片 la´,lb´,lc´…薄体片ブロツク 2a,2b…板状コイル 3…接着剤 4…リード線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭55−24490(JP,A)
特開 昭58−44704(JP,A)
特開 昭55−138215(JP,A)
実開 昭57−201825(JP,U)
実開 昭57−201808(JP,U)
実開 昭52−23318(JP,U)
特公 平7−46660(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01F 1/14 - 1/18
H01F 3/02
H01F 19/06
H01F 27/24
H01F 30/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.それぞれ複数枚の非晶質磁性合金薄体片からなる一
対の積層体と、ループを形成する、1枚の板状コイルか
らなる、または複数枚の板状コイルを絶縁層を介して積
層してなる板状コイル体とからなり、該板状コイルの厚
さ方向または積層方向は、該積層体の積層方向と同一で
あり、該一対の積層体の間に絶縁層を介して該板状コイ
ル体が配設され、リード線が該板状コイル体の側面から
引き出されてなる薄型DC−DCコンバータ用部品であ
って、該非晶質磁性合金は、一般式Coa Feb M
c Zd (式中、MはFeおよびCo以外の遷移金属
の少なくとも1種の元素を、ZはSi、B、P、Al、
及びCから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、a、
b、c、dはそれぞれ原子%で表され、cは0〜10、
dは15〜30であり、残部はa、bである)により示
される組成を有し、該非晶質磁性合金薄体片の厚みが5
〜40μmであり、使用周波数が20〜500kHzで
あることを特徴とする薄型DC−DCコンバータ用部
品。 2.該一般式Coa Feb Mc Zd において、
b/(a+b)が0.04〜0.08であることを特徴
とする請求項1に記載の薄型DC−DCコンバータ用部
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03190096A JP3340303B2 (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 薄型dc−dcコンバータ用部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03190096A JP3340303B2 (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 薄型dc−dcコンバータ用部品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21460185A Division JPH0746660B2 (ja) | 1985-09-30 | 1985-09-30 | 薄形トランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08236355A JPH08236355A (ja) | 1996-09-13 |
JP3340303B2 true JP3340303B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=12343891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03190096A Expired - Lifetime JP3340303B2 (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 薄型dc−dcコンバータ用部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3340303B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS515180B2 (ja) * | 1972-12-11 | 1976-02-18 | ||
JPS5223318U (ja) * | 1975-08-07 | 1977-02-18 | ||
JPS6322658Y2 (ja) * | 1981-06-18 | 1988-06-22 | ||
JPS59101415U (ja) * | 1982-12-24 | 1984-07-09 | 日本電気株式会社 | トランス |
JPS59151411U (ja) * | 1983-03-30 | 1984-10-11 | 東芝ライテック株式会社 | 高周波プリントコイルトランス |
JPS60124007U (ja) * | 1984-01-30 | 1985-08-21 | 株式会社トーキン | 薄形インダクタ |
-
1996
- 1996-02-20 JP JP03190096A patent/JP3340303B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08236355A (ja) | 1996-09-13 |
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