JP3338424B2 - 欠陥修正方法および欠陥修正装置 - Google Patents

欠陥修正方法および欠陥修正装置

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JP3338424B2
JP3338424B2 JP2000320262A JP2000320262A JP3338424B2 JP 3338424 B2 JP3338424 B2 JP 3338424B2 JP 2000320262 A JP2000320262 A JP 2000320262A JP 2000320262 A JP2000320262 A JP 2000320262A JP 3338424 B2 JP3338424 B2 JP 3338424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、欠陥修正方法お
よび欠陥修正装置に関し、特に、液晶産業における液晶
表示装置(LCD)用カラーフィルタの色抜け欠陥を修
正するための欠陥修正方法および欠陥修正装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LCD用カラーフィルタの欠陥を修正す
るための欠陥修正装置は、たとえば、実開平6−581
87号公報、特開平6−109919号公報、特開平5
−88191号公報、特開平6−27479号公報に開
示されている。
【0003】図12は、このような従来のLCD用カラ
ーフィルタ修正装置の一例の構成を示す外観斜視図であ
る。
【0004】図12において、従来のLCD用カラーフ
ィルタの修正装置は、XYテーブル22上に欠陥修正対
象物(ワーク)2を真空チャックテーブル25によって
固定し、CCDカメラ24により欠陥位置を検出する。
次に修正装置は、欠陥位置にYAGレーザ源20からレ
ーザ光を照射して欠陥箇所を焼き飛ばす。
【0005】さらに、修正装置は、焼き飛ばしたことに
より生じたカラーフィルタの色抜け部にディスペンサ2
6で修正液を塗布し、欠陥を修正する。
【0006】図13は、図12に示したディスペンサ2
6の構成を模式的に示す図である。図13において、修
正液を塗布するディスペンサ26は、コントローラ27
によって、シリンジ28内に、一定時間、一定圧力をか
けることにより、ニードル29先端から、一定量の修正
液を吐出していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のディスペンサは
上述のように構成されていたため、微少量を吐出する場
合、圧力および圧力印加時間の条件設定は、かなりの時
間を要するという問題点があった。さらに、シリンジ2
8内の修正液残量が変わると、吐出量も変わってしま
い、そのたびに、条件設定が必要となり、作業効率が悪
いという問題点があった。
【0008】図14は、微少なインクの滴下を行なおう
とする際のディスペンサ26のニードル29の先端部の
様子を模式的に示す図であり、図15は、ディスペンサ
を用いて微少なインクの滴下を行なったときのディスペ
ンサ26のニードル29の先端部の様子を模式的に示す
図である。
【0009】図14に示すように、塗布量が少ないと、
表面張力により修正液の自重のみではニードル29先端
から修正液が離れない(E)。したがって、図15に示
すように、塗布中の修正液を、欠陥修正対象物に落とす
ためには、修正液が欠陥修正対象物に付着するように、
ニードル29と欠陥修正対象物とのギャップaを微妙に
コントロールする必要があった。このギャップaは、極
めて微小なため欠陥修正対象物が大きい場合、欠陥修正
対象物の撓みを考慮に入れなければならず、広範囲にわ
たって常に一定のギャップを維持する必要があり、制御
が困難という問題点があった。
【0010】特に、修正液が微量になればなるほど、修
正液がニードル29先端から離れ難くなるため、ディス
ペンサ26での極微量の修正液の塗布は、困難という問
題点があった。
【0011】図16は、ディスペンサのニードル29内
でインクが乾燥して詰まった状態を模式的に示す図であ
る。
【0012】修正液の吐出の間隔が比較的長い場合は、
図16に示すようにディスペンサ26のニードル29先
端に付着している修正液が、1回の吐出から次の吐出の
間に乾燥していた。このため、ニードル29が詰まって
しまい吐出不能になるという問題点があった。
【0013】さらに、従来のディスペンサは、高価なう
えに、シリンジ28やニードル29等の修正液が付着す
る部分は、消耗品のため、ある程度使用したら取り替え
が必要であった。このため、コストが高くなるという問
題点があった。
【0014】この発明は、以上のような問題点を解決す
るためになされたもので、高価なディスペンサを用いる
ことなく、カラーフイルタの色抜け欠陥を修正する欠陥
修正方法および欠陥修正装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、カラーフイ
ルタの色抜け欠陥を修正する欠陥修正方法であって、針
部材の先端部に修正液を付着させるステップと、修正液
の付着した針部材の先端部をカラーフイルタの色抜け欠
陥部に接触させ、修正液を塗布するステップを含むこと
を特徴とする。
【0016】これにより、この発明では、ディスペンサ
ではなく、修正液が先端に付着した針部材をカラーフイ
ルタの色抜け欠陥部に接触させることにより修正液を塗
布するため、極微量の修正液の塗布が可能となるととも
に、針部材と色抜け欠陥部とのギャップのコントロール
も不要となる。
【0017】他の発明は、カラーフイルタの欠陥を修正
する欠陥修正方法であって、欠陥を除去するステップ
と、針部材の先端部に修正液を付着させるステップと、
修正液の付着した針部材の先端部をカラーフイルタの欠
陥を除去した箇所に接触させ、修正液を塗布するステッ
プを含むことを特徴とする。
【0018】また、欠陥をレーザ光で除去することを特
徴とする。これにより、欠陥修正のための作業効率が向
上する。
【0019】さらに、欠陥修正後に必要に応じて針部材
を溶剤を用いて洗浄することを特徴とする。これによ
り、修正液を色抜け欠陥に塗布した後、針部材の先端部
を溶液を用いて洗浄するため、塗布回数が増加しても、
針部材の先端部を清浄な状態に保つことができる。
【0020】さらに、他の発明は、カラーフイルタの色
抜け欠陥を修正する欠陥修正装置であって、色抜け欠陥
を修正するための修正液を溜めておくための修正液溜部
と、その先端部が平坦状に形成された針部材と、針部材
を修正液溜部に移動させ、その先端に修正液を付着させ
てカラーフイルタの色抜け欠陥部に塗布する移動手段と
を備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明による欠陥修正方法
および修正装置について図面を参照しながら説明する。
【0022】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態による欠陥修正装置を示す概略図であ
る。図1において、欠陥修正装置は、修正液を塗布する
針1と、針1とワーク(欠陥修正対象物)2とを接触さ
せ、また接触時のワーク2への衝撃を緩和するエアシリ
ンダ3とからなり、さらに、ワーク2への針1の接触手
段は、エアシリンダ3、圧力・流量調整およびエア供給
手段(レギュレータ)4、針1の位置決め精度を高くす
るための第1ガイド30a、第2ガイド30bとを備
え、エアシリンダ3はシャフト5を含む。修正液の塗布
は、修正液を先端部に付着させた針1をワーク2に接触
させることにより行なう。エアシリンダ3としては単動
式エアシリンダまた復動式エアシリンダを用いる。
【0023】図2は、単動式エアシリンダ(イ)、
(ロ)、復動式エアシリンダ(ハ)を示す概略図であ
る。単動式エアシリンダ(イ)および(ロ)は、シリン
ダ6、流入・排気口7、シャフト5、ピストン8、ばね
9、シールリング10、ストッパ11、ピストンリング
12およびOリング13からなる。
【0024】単動式エアシリンダ(イ)において、エア
を流入・排気口7からシリンダ6内に入れ、空気圧がば
ね9の反発力よりも大きな圧力になるとピストン8は、
ばね9の力に打ち勝って、矢印α方向へ動く。
【0025】エアを抜くと、ばね9は伸びるのでピスト
ン8は矢印βの方向へ動く。矢印βの方向が図1に示す
ワーク2へ針1を近づける方向となる。
【0026】以上のことから、単動式エアシリンダ
(イ)および(ロ)は、図示しないエアの配管が1本で
すみ、複雑な空気配管や電磁弁等による制御が必要でな
く、ばね9のばね定数を適度に定めることにより、ピス
トン8の動作速度(図1の針1の落とし込み速度)を設
定する。
【0027】単動式エアシリンダ(ロ)において、図1
に示す針1をワーク2に近づける場合(矢印β方向に動
かす)は、空気を流入・排気口7からシリンダ6内に入
れてシャフト5を動かす。すなわち、空気圧がばね9の
反発力よりも大きな圧力になるとピストン8は、ばね9
の力に打ち勝って、矢印B方向へ動く。
【0028】このとき、空気の圧力や流量をコントロー
ルすることにより、図1に示す針1の微妙な動作のコン
トロールが可能となる。また、矢印α方向へシャフト5
を動かす場合は、エアを抜いてばね9の反発力を利用す
る。
【0029】復動式エアシリンダ(ハ)は、シリンダ
6、第1流入・排気口7a、第2流入・排気口7b、シ
ャフト5、ピストン8、シールリング10、ストッパ1
1、ピストンリング12およびOリング13からなる。
【0030】復動式エアシリンダ(ハ)において、第1
流入・排気口7aからエアを入れ、同時に第2流入・排
気口7bからエアを抜くと、ピストン8は矢印αの方向
へ動く。
【0031】第2流入・排気口7bからエアを入れ、同
時に第1流入・排気口7aからエアを抜けば、ピストン
8は矢印βの方向へ動く。
【0032】矢印βの方向が図1に示すワーク2へ針1
を近づける方向となる。したがって、吸入圧と排気圧の
それぞれを微妙に調整して図1に示す針1の動作をコン
トロールする。
【0033】たとえば、図2で、ピストン8を矢印βへ
動かす時、ピストン8の作動初期時にシリンダ6の下室
と上室の両方の空気圧を約6kgf/cm2 としてお
き、下室の空気圧を約6〜5〜4〜3kgf/cm2
と徐々に数段階に分けて減圧して、ピストン8を矢印β
へ、すなわち図示しない針をワークへ近づける。
【0034】さらに、作動初期時にシリンダ6の下室と
上室の両方の空気圧を約3kgf/cm2 とし、上室
の空気圧を徐々に数段階に分けて3〜4〜5〜6kgf
/cm2 と上げることによっても図示しない針をワー
クへ接触させることができる。
【0035】また、別の例としてシリンダ6の上室の圧
力を約3〜4〜5〜6kgf/cm2 と徐々に上昇さ
せるのと同時にシリンダ6の下室の圧力を6〜5〜4〜
3kgf/cm2 と徐々に数段階に分けて減少させ、
シリンダ6の両方の部屋の圧力の総和を一定に保ちなが
ら、上室と下室に圧力差を持たせ、図1に示す針1をワ
ークへ接触させることができる。圧力は、数段階に分け
て変化させてもよく、また、連続的に変化させてもよ
い。
【0036】また、たとえば、この圧力差を使用条件に
合わせて、0〜6kgf/cm2以上、または、約0〜
3kgf/cm2 以上の圧力差で1kgf/cm2 ご
とに最適なピストン8の作動のできる圧力差に設定す
る。圧力差が小さい方が図1に示す針1の微低速のコン
トロールが容易になる。
【0037】復動式エアシリンダ(ハ)は、図示しない
空気配管が複雑となるが、ピストン8の動作、すなわち
図1に示す針1の動作を細かく調整することができる。
【0038】ピストンリング12などの摺動部の摺動抵
抗(シリンダ6とピストンリング12などの摺動部とが
こすり合わされる場合の摩擦抵抗)が少ないのであれ
ば、シリンダ6の下室、上室のどちらか一方に所定の空
気圧をかけ、反対側の空気は、大気中に排気して復動式
エアシリンダ(ハ)を動作させ、図1に示す針1を制御
することができる。なお、針1は図1のような部位に取
り付ける以外に、シャフト(ロッド)5の真下に取り付
けたり、または、シャフト(ロッド)5の先端を所定の
形状にして針として用いることもできる。
【0039】次に、単動式エアシリンダ(イ)および
(ロ)と復動式エアシリンダ(ハ)の共通した事項につ
いて説明する。
【0040】シリンダ6内の空気圧は、ピストン8、シ
リンダ6の性能にもよるが、使用条件により、約1〜1
0kgf/cm2 程度または約3〜6kgf/cm2
程度が一般的である。
【0041】使用条件やピストン8とシリンダ6のサイ
ズにもよるが、シリンダ6内の空気圧が所定圧力以下で
あると、シールリング10やピストンリング12などの
摺動抵抗に打ち勝てず、エアシリンダが作動不良となる
可能性がある。そのためこれらのシールリング10やピ
ストンリング12をたとえば、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)等のフッ素樹脂等の低摩擦材である自
己潤滑性樹脂材料で製作することにより、静摩擦係数や
動摩擦係数を低くし、エアシリンダの動作不良を防ぐこ
とができる。フッ素樹脂は、また、動摩擦係数よりも静
摩擦係数の方が低いという特性をもち、微動する部位に
有利であり、スティックスリップ等も発生しにくい。
【0042】また、このフッ素樹脂にポリフェニレンサ
ルファイト樹脂(PPS)やポリイミド樹脂(PI)や
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、芳香族
ポリエステル樹脂等の耐摩耗性樹脂、黒鉛や炭素繊維等
のカーボン類や有機繊維類、ガラス繊維等の無機繊維類
等の充填材を混入してシールリング10やピストンリン
グ12の材料に使用することもできる。
【0043】フッ素樹脂を固形潤滑用充填材とし、上記
の耐摩耗性の樹脂を主成分としてもよい。フッ素樹脂や
耐摩耗性の樹脂等に混合する充填材の充填量は約3〜3
3重量%の範囲の中で、約3〜15重量%ごとに充填量
を調整することもでき、2種以上の充填材を、さらに3
〜5重量%ごとに充填することもできる。また、充填材
は一種類のみならず二種類以上を混合したものを用いる
ことができる。充填材の充填量は約3重量%未満では、
充填材による効果の期待が少なく、約33重量%を超え
ると、主成分の効果の期待が少なくなる。
【0044】フッ素樹脂にこのような充填材を混入させ
ることにより、耐クリープ性や耐摩耗性が向上されなが
ら、摺動特性はあまり損なわれない。ちなみにフッ素樹
脂に充填材を入れても、充填量や使用用途、条件によっ
ても異なるが、静摩擦係数は、約0.03〜0.2、動
摩擦係数は約0.08〜0.25程度と低く、摩擦特性
を低減させない。
【0045】シールリング10などの摺動性のリング
は、エラストマー等のゴム材による弾性材のOリングに
より適度の緊迫力にて、シリンダ6に押しつけられ、ピ
ストン8とシリンダ6間は、良好な摺動性シールとして
密封でき精度よくエアシリンダを動作させることがで
き、図示しない針の制御の精度が増す。
【0046】過酷な使用条件下で使用するのでなけれ
ば、部品点数を減らすため、シールはOリング13だけ
として摺動、密封することができる。
【0047】シールリング10などの摺動部の耐摩耗性
や摩擦係数を改善するために、摺動面にグリース等の半
固形潤滑剤や油等の液体潤滑剤を塗布してもよいが、摺
動速度が速い条件下等の過酷な摺動速度でなければ上記
した自己潤滑性のある摺動材であれば、メンテナンスフ
リーとして液体潤滑剤なしで使用することもできる。
【0048】半固形の潤滑剤は、粘りがあるので、微動
する場合に若干の抵抗となるが、摺動面に長く付着さ
れ、給油等の回数を減らすことができ、メンテナンスフ
リーに優れる。液体の潤滑剤は、粘度が低く、摺動面か
らかき落とされることも予想され、注油を必要ともする
が、微動する場合に、抵抗が少なく、低摩擦性に好まし
い。
【0049】ピストン8、シリンダ6、ストッパ11等
は、それぞれ鋼、鋳鉄、アルミニウム合金、アルミの鋳
物材等を用い、ばね9は、所定のばね鋼を選択する。
【0050】また、ストッパ11はOリング13のよう
なエラストマー等のゴム材の弾性体とすることもでき
る。
【0051】微妙に作動させるピストン8は、アルミ等
の軽量金属として軽くすることにより、ピストン8の作
動性をよくし、効率よく図示しない針の制御をすること
ができる。
【0052】上記したシリンダ6などの材料である鋼、
合金、鋳物、ゴム等の材料に対して最適なシールリング
10などの摺動材を選択してエアシリンダの制御精度、
すなわち、針1の制御精度を向上させ安定した液状物質
塗布装置、修正装置および液状物質塗布方法を提供する
ことができる。
【0053】シリンダ6内の空気圧が、使用条件により
変わるが、約6kgf/cm2 以上や、約10kgf
/cm2 を超えると、空気圧供給源の図示しない過給
機や図示しないエアーコンプレッサ等に比較的大きな負
荷がかかることになることも予想されるので、注意を要
する。
【0054】また、シリンダ6内の空気圧が高すぎた
り、シリンダ6内の圧力差が大きすぎたりすると、ピス
トン8の摺動速度が速くなり、図示しない針の微妙な動
作が難しくなることに注意を要する。
【0055】また、摺動速度が速くなると、ピストンリ
ング12などの摺動材にかかる負荷も大きくなり、エア
シリンダの制御、つまり、針の制御が精度よく行なわれ
なくなる点に注意を要する。
【0056】図3は、図1の欠陥修正装置の作動工程を
示す概略図である。図1に示されていないが別途設けら
れたインク溜部14に針1を落とし込み(状態A)、イ
ンク15を針1の先端部に付着させ、引き上げる(状態
B)。そして、ワーク2の色抜け部(欠陥除去部分)の
真上にインク15の付着した針1がくるようにワーク2
を移動させる。次に針1をワーク2に接触させ(状態
C)、さらに針1を引き上げることにより色抜け部にイ
ンク15を塗布(状態D)する。
【0057】針1とワーク2の接触時(状態C)に、ワ
ーク2に傷をつけるのを避けるため、針1の先端部は平
面状になっている。
【0058】図4は、インク溜部14の構成を概略的に
示す外観斜視図である。インク溜部14は、インク溜1
6aと、開口部17が中央に形成された蓋16bとから
構成される。インクの液面低下による針1先端部のイン
クの付着量の変動を防止するため、インクの使用量に対
して十分容量が大きく、かつ、インク液面の低下の影響
が少なくなるよう、液面の表面積が大きなインク溜16
aを使用する。さらに、インクの乾燥を防ぐため、開口
部17は極力小さくなっている。
【0059】また、針1先端部のインクの付着量(図3
のh)が常に一定に保たれるように、インク溜16aへ
の針1の落とし込みをコントロールする。さらに、針1
の太さを変えることによっても、インクの付着量(塗布
量)を変えることができる。
【0060】また周辺温度の影響でインクが乾燥してし
まう恐れがあるため、状況によっては温度調節をする。
【0061】以上により、先端部が平面状の針に、イン
クを付着させ、そのインクの付着した先端部をできるだ
けワークに衝撃がかからないようにワークに接触させ、
欠陥除去部分にインクを塗布し欠陥を修正する。
【0062】その結果、ワークを傷つけることなく、極
めて微少なインクの塗布を微調整なしに容易に行なうこ
とができ、作業効率が向上する。また、針とワークのギ
ャップのコントロールが不要となり、ワークが大きい場
合でも困難な制御をすることなく、インクの塗布ができ
るようになる。
【0063】さらに、ディスペンサのニードル内でのイ
ンクの乾燥によるインク詰まりを防ぐことができ、イン
クを塗布する間隔が長いときでも、容易に対応できる。
【0064】また、構造が簡単なため、ディスペンサを
使用する場合に比べコストが少なくて済む。
【0065】また、ワークへの落とし込みや衝撃緩和
は、エアシリンダでなく、他の直動アクチュエータや電
磁ソレノイドを用いてもよい。
【0066】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施の形態による欠陥修正装置を示す外観斜視図で
ある。
【0067】図5において、欠陥修正装置は、針1、針
支持台18および電磁ソレノイド19からなる。そし
て、インク溜16aと、開口部17が中央に形成された
蓋16bとからなるインク溜部14に入れられたインク
を針1に付着させ、ワーク2へインクの付着した針1を
接触させることにより、欠陥部へインクを塗布する。
【0068】図6は、図5の欠陥修正装置の作動工程を
示す概略図である。ワーク(欠陥修正対象物)2に接触
前は、先端部にインク15の付着した針1はAの状態に
なっている。そして、電磁ソレノイド(図示せず)によ
り針支持台18をワーク2に近づけていき、針1をワー
ク2に接触させる(状態B)ことにより修正液を塗布す
る。
【0069】ここで、針1は針支持台18に固定されて
いないため、針1がワーク2に接触した状態Bにおい
て、ワーク2には針1の自重のみがかかる。その結果、
針1によるワーク2の損傷を防ぐことができ、LCD用
カラーフィルタの生産性を向上させることができる。ま
た、図5の欠陥修正装置は、第1の実施の形態と同様の
効果を奏する。
【0070】(第3の実施の形態)図7は、本発明の第
3の実施の形態による欠陥修正装置を示す外観斜視図で
ある。
【0071】図7において、修正装置は、主として、Y
AGレーザ源20、針1、エアシリンダ3、赤、緑、
青、黒の4つのインク溜部21、XYステージ22、Z
軸テーブル23、CCDカメラ24、真空チャックテー
ブル25を備えている。
【0072】ワーク2上の欠陥箇所の特定後、YAGレ
ーザ源20からのレーザ光によりワーク2上の欠陥箇所
を焼き飛ばし、その焼き飛ばした欠陥除去部分に、イン
ク溜部21でインクを先端部に付着させた針1を、接触
させインクを塗布し、欠陥を修正する。なお、針1をワ
ーク2に接触させ、また、そのときの衝撃を緩和するた
めに図1の第1の実施の形態と同様にエアシリンダ3を
設けてある。
【0073】以上のように第3の実施の形態は欠陥を焼
き飛ばすYAGレーザ源20を有する欠陥除去装置と第
1の実施の形態による欠陥修正装置とを一体として備え
ているため、一連の動作で欠陥を修正する。このため、
YAGレーザ源20と欠陥修正装置とが別々に設置され
ている場合に比べ、欠陥箇所の特定の回数が少なく、1
回の特定で欠陥を修正でき、作業効率が向上する。
【0074】また、図7の欠陥修正装置は、第1の実施
の形態と同様の効果を奏する。 (第4の実施の形態)第1〜3の実施の形態において
は、針状部材(針1)に、液状物質(インク)を付着さ
せ、その次に、塗布対象物(ワーク2)に、その針状部
材(針1)を接触させることにより、液状物質(イン
ク)を塗布するという工程を繰返し行なっている。この
ため、針状部材(針1)の先端に液状物質(インク)の
固りができてくる場合がある。この場合には、安定した
液状物質(インク)の塗布が困難となる。また、液状物
質(インク)の特性により異なるが、粘度が高いものほ
ど、このような状態になりやすい。
【0075】図8は、針を用いてインクの塗布を繰返し
行なった場合の針の先端部の様子を示す概略図である。
なお、図3と同様の部分について同一の参照符号を付
し、その説明を適宜省略する。
【0076】図8(a)は、インク15を針1によりワ
ーク2に塗布した後において、針1の先端にインク15
が付着している様子を示す図である。図8(b)は、針
1を用いて、インク15の塗布を、繰返し行なった後の
針1の先端部の様子を示す図である。図8(b)に示す
ように、針1の先端部には、インク15を塗布した後の
インク15の残りが固りとなっている。
【0077】図9は、針を用いてインクを繰返し塗布し
た場合において、インクが塗布される様子を示す図であ
る。
【0078】図9を参照して、●はインクを示し、イン
クが塗布されたワークを上から見た場合を示している。
矢印Aで示す塗布されたインクは、1回目の塗布により
行なわれたものである。そして、針によるインクの塗布
を繰返し行なうと、インクの塗布量が少なくなっていく
(図9の右に行くほどインクの塗布量が少なくなってい
る)。また、繰返しインクの塗布を行なうと、インクの
塗布量は少なくなっていくが、その反対に、針に残留す
るインクの量は多くなっていく。
【0079】このように、針によるインクの塗布を繰返
し行なう場合には、針の先端部のインクの固りにより、
インクの塗布が不安定になる。第4の実施の形態は、こ
のような問題を解決し、インクの塗布を繰返し行なって
も、安定なインクの塗布ができる欠陥修正装置および欠
陥修正方法を提供する。
【0080】図10は、本発明の第4の実施の形態によ
る欠陥修正装置を示す外観斜視図である。なお、図5と
同様の部分については同一の参照符号を付しその説明を
適宜省略する。
【0081】図10を参照して、第4の実施の形態によ
る欠陥修正装置は、針1、インク溜部14、針支持台1
8、電磁ソレノイド19、XYテーブル22および溶液
溜部40を含む。XYテーブル(移動テーブル)22の
上には、ワーク2がある。すなわち、図10の欠陥修正
装置は、図5の欠陥修正装置において、針1を洗浄する
ための溶液溜部3をさらに設けたものである。
【0082】図10を参照して、針1は、電磁ソレノイ
ド19により上下する機構を有する。インク溜部14
は、XYステージ22により針1の下に移動する。そし
て、針1を下降させ、インク溜部14のインクを付着さ
せる。インクを付着させた後、針1は上昇する。
【0083】次に、XYステージ22により、ワーク2
が針1の下に移動する。そして、針1が下降し、ワーク
2にインクを塗布する。
【0084】次に、針1は、上昇し、XYステージ22
により、溶液溜部40が針1の下に移動する。そして、
針1が下降し、針1の先端を、溶液溜部40の溶液に浸
し、針1の先端に付着したインクの残りを除去する。な
お、溶液溜部40には、インクの付着した針1を洗浄す
るための溶液が入れてある。
【0085】また、インクの粘度が高い場合は、電磁ソ
レノイド19が1回の動作では(1回針1を溶液溜部4
0の溶液に浸すだけでは)、針1の先端に残ったインク
を除去できない場合がある。この場合には、数回電磁ソ
レノイド19を動作させる(数回針1を溶液溜部40の
溶液に浸し、針1を洗浄する)。
【0086】なお、電磁ソレノイド19のかわりに、第
1の実施の形態で説明したようなエアシリンダを用いる
こともできる。
【0087】図11は、図10の針1に付着したインク
を洗浄する様子を示す概略図である。なお、図8および
図10と同様の部分については同一の参照符号を付しそ
の説明を適宜省略する。
【0088】図11(a)は、針1によりインク15
を、ワーク2に塗布した後の様子を示している。図11
(b)は、針1によりインクを塗布した後、溶液溜部4
0に入れてある溶液41に、インクの付着した針1を浸
す様子を示している。図11(c)は、溶液溜部40の
溶液41により針1が洗浄され、針1に付着したインク
の残りが除去された様子を示している。
【0089】以上のように、本発明の第4の実施の形態
による欠陥修正装置においては、針1によりインクを塗
布した後、インクの付着した針1を洗浄し、付着したイ
ンクを除去している。このため、塗布回数が増加して
も、針1の先端は清浄な状態であり、安定したインクの
塗布が可能となる。また、同様の理由により、インクを
塗布する際に、修正液の特性(粘度、揮発性など)によ
る影響を受けにくい。
【0090】また、図5と同様の構成を有しているた
め、第2の実施の形態と同様の効果をも奏する。
【0091】なお、第1〜第4の実施の形態による欠陥
修正装置および欠陥修正方法は、液晶産業の製造工程な
どで利用することができる。すなわち、カラーフィルタ
の白抜けまたは欠陥等の修正のために用いることができ
る。
【0092】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ディ
スペンサではなく、修正液が先端に付着した針部材を色
抜け欠陥部にできるだけ衝撃を与えないように接触させ
ることにより、修正液を塗布して欠陥を修正することに
より、カラーフイルタの塗布対象部を傷つけることな
く、極めて微少な修正液の塗布を微調整なしに容易に行
なうことができ、作業効率が向上する。
【0093】また、針部材と欠陥修正部とのギャップの
コントロールが不要となり、塗布対象物が大きい場合で
も、困難な制御をすることなく、修正液を塗布すること
ができる。
【0094】さらに、ディスペンサのニードル内での修
正液の乾燥による修正液詰まりを防ぐことができ、修正
液を塗布する間隔が長いときでも、容易に対応できる。
【0095】また、構造が簡単なため、ディスペンサを
使用する場合に比べ、装置も安価でニードルやシリンジ
等の消耗品もないため、コストが少なくて済む。
【0096】さらに、修正液を塗布した後、修正液の付
着した針部材を洗浄するため、修正液の塗布回数が増加
しても、針部材の先端を清浄な状態に保つことができ
る。その結果、安定した修正液の塗布が可能となる。
【0097】さらに、欠陥をレーザ光で除去するレーザ
源を有するので、欠陥修正のための作業効率が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による欠陥修正装
置を示す概略図である。
【図2】 第1の実施の形態による単動式エアシリンダ
および復動式エアシリンダを示す概略図である。
【図3】 第1の実施の形態による欠陥修正装置の作動
工程を示す概略図である。
【図4】 第1の実施の形態によるインク(液状物質)
溜部を示す外観斜視図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態による欠陥修正装
置を示す外観斜視図である。
【図6】 第2の実施の形態の欠陥修正装置の作動工程
を示す概略図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態による欠陥修正装
置を示す外観斜視図である。
【図8】 針を用いてインクを繰返し塗布する場合にお
いて、針の先端部の様子を示す概略図である。
【図9】 針を用いてインクを繰返し塗布する場合にお
いて、塗布されたインクの量が減少する様子を示す図で
ある。
【図10】 本発明の第4の実施の形態による欠陥修正
装置を示す外観斜視図である。
【図11】 インクの付着した針が洗浄される様子を示
す概略図である。
【図12】 従来の修正装置の一例の構成を示す外観斜
視図である。
【図13】 従来の欠陥修正装置(ディスペンサ)の構
成を模式的に示す図である。
【図14】 従来の欠陥修正装置(ディスペンサ)を用
いて、微少なインクの滴下を行なおうとする際のディス
ペンサのニードルの先端部の様子を模式的に示す図であ
る。
【図15】 従来の欠陥修正装置(ディスペンサ)を用
いて、微少なインクの滴下を行なったときのディスペン
サのニードルの先端部の様子を模式的に示す図である。
【図16】 従来の欠陥修正装置(ディスペンサ)のニ
ードル内にインクが乾燥して詰まった状態を模式的に示
す図である。
【符号の説明】
1 針、2 ワーク(欠陥修正対象物)、3 エアシリ
ンダ(駆動・接触手段)、4 圧力・流量調整およびエ
ア供給手段(レギュレータ)、5 シャフト(ロッ
ド)、6 シリンダ、7 流入・排出口、7a 第1流
入・排出口、7b第2流入・排出口、8 ピストン、9
ばね、10 シールリング(リップシール)、11
ストッパ、12 ピストンリング、13 Oリング、1
4,21インク溜部、15 インク、16a インク
溜、16b 蓋、17 開口部、18 針支持台、19
電磁ソレノイド(駆動・接触手段)、20 YAGレ
ーザ源、22 XYテーブル、23 Z軸テーブル、2
4 CCDカメラ、25 真空チャックテーブル、26
ディスペンサ、27 コントローラ、28 シリン
ジ、29 ニードル、30a 第1ガイド、30b 第
2ガイド、40 溶液溜部、41 溶液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/20 - 5/28 B05C 1/02 B05D 1/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフイルタの色抜け欠陥を修正する
    欠陥修正方法であって、 針部材の先端部に修正液を付着させるステップと、 前記修正液の付着した前記針部材の先端部を前記カラー
    フイルタの色抜け欠陥部に接触させ、前記修正液を塗布
    するステップを含むことを特徴とする、欠陥修正方法。
  2. 【請求項2】 カラーフイルタの欠陥を修正する欠陥修
    正方法であって、前記欠陥を除去するステップと、 針部材の先端部に修正液を付着させるステップと、 前記修正液の付着した前記針部材の先端部を前記カラー
    フイルタの欠陥を除去した箇所に接触させ、前記修正液
    を塗布するステップを含むことを特徴とする、欠陥修正
    方法。
  3. 【請求項3】 前記欠陥をレーザ光で除去することを特
    徴とする、請求項2に記載の欠陥修正方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記欠陥修正後に必要に応じて
    前記針部材を溶剤を用いて洗浄することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の欠陥修正方法。
  5. 【請求項5】 カラーフイルタの色抜け欠陥を修正する
    欠陥修正装置であって、 前記色抜け欠陥を修正するための修正液を溜めておくた
    めの修正液溜部と、 その先端部が平坦状に形成された針部材と、 前記針部材を前記修正液溜部に移動させ、その先端に修
    正液を付着させて前記カラーフイルタの色抜け欠陥部に
    塗布する移動手段とを備えたことを特徴とする、欠陥修
    正装置。
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