JP2010207740A - 塗布液供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜状シール方式のピストンポンプにおいて、膜状シールの長寿命化を図るとともに、膜状シールの折り返し部分における塗布液凝集の発生を抑える。
【解決手段】塗布ユニットに連通される流出口を有するハウジングと、ハウジング内を軸方向に往復動作するピストンヘッドと、少なくともハウジングとピストンヘッドとで形成される隙間を封止する膜状シールと、ピストンヘッドを往復動作させるピストン駆動装置と、ピストン駆動装置を駆動制御する制御装置と、を備えており、ピストンヘッドは、軸方向後端部分から先端部分にかけて縮径する円錐形状を有しており、制御装置は、膜状シールがピストンヘッドに接する状態に応じてピストンヘッドの移動速度を調節し、流出口から吐出される塗布液の吐出量が一定になるように前記ピストン駆動装置を駆動制御する。
【選択図】図4
【解決手段】塗布ユニットに連通される流出口を有するハウジングと、ハウジング内を軸方向に往復動作するピストンヘッドと、少なくともハウジングとピストンヘッドとで形成される隙間を封止する膜状シールと、ピストンヘッドを往復動作させるピストン駆動装置と、ピストン駆動装置を駆動制御する制御装置と、を備えており、ピストンヘッドは、軸方向後端部分から先端部分にかけて縮径する円錐形状を有しており、制御装置は、膜状シールがピストンヘッドに接する状態に応じてピストンヘッドの移動速度を調節し、流出口から吐出される塗布液の吐出量が一定になるように前記ピストン駆動装置を駆動制御する。
【選択図】図4
Description
本発明は液晶パネル、有機ELパネル、太陽電池パネルなどの製造過程に於いて、ガラス基板等の基板上に塗布液を塗布し、基板上に薄膜を形成する塗布装置の塗布液供給装置に関する。
液晶や有機ELなどのパネル製造工程の中で基板表面にレジスト等の塗布液を塗布し薄膜を基板上に形成する過程において、基板サイズが1m角を越えるいわゆる第5世代(G5)以上の基板の場合は主としてスリットノズル方式の塗布装置により塗布が行われている。スリットノズル方式による塗布に於いては、スリットノズルから吐出された液により形成された膜が乾燥により固定された膜として残り、その後露光・現像などの処理を受けることになる。乾燥後の膜厚は数ミクロンのオーダーであり、要求される均一性は2〜3%、場合によっては1%以下のこともある。
このような均一な膜厚を得るためには均一な塗布を行うことが要求される。このため塗布液を供給するポンプ(塗布液供給装置)には安定した吐出精度が要求され、例えば特許文献1に記載の膜状シール方式のポンプが提案されている。この方式のポンプは特許文献2に記載されているダイヤフラム方式のポンプに比較して、塗布液吐出応答の安定性で優れている。さらに特許文献3に記載されているシリンジ方式のポンプに比較して、シリンジ方式の応答安定性を保持しつつ膜状シールによりピストン運動時のエア混入を防止しているという点において優れている。
ところが、膜状シール方式のポンプは、図3に示すように、シリンダ100に取付けられた膜状シール101が、シリンダ100内を往復動作するピストンヘッド102に固定されており、シリンダ100とピストンヘッド102とで形成される比較的狭い間隙に膜状シール101を折り込むのであるから折れ曲がり部が比較的容易に疲労し易く、このため膜状シール101の寿命が比較的短くなるという問題がある。この問題に対し適切な材料選定と精密加工により膜状シール101の寿命を延長することは可能であるが、適正条件選択の巾は非常に狭く実用的は言い難い。さらに、比較的狭い間隙に折り込まれた膜状シール101には塗布液の凝集が発生し易く、この凝集によるパーティクルの発生も問題となっている。そこで、パーティクルを発生させず、同時に機械的寿命が長くかつ吐出特性の安定したポンプが提供されることが持ち望まれている。
本発明の塗布液供給装置は上記課題を解決するために成されたものであり、以下の構成によりこれら先行技術が持つ困難を克服するものである。すなわち請求項1に記載されている本発明による塗布装置の塗布液供給装置は、基板上に塗布液を塗布する塗布ユニットを備える塗布装置の前記塗布ユニットに塗布液を供給する塗布液供給装置であって、前記塗布ユニットに連通される流出口を有するハウジングと、前記ハウジング内を軸方向に往復動作するピストンヘッドと、前記ハウジングと前記ピストンヘッドとに取付けられ、少なくともハウジングとピストンヘッドとで形成される隙間を封止する膜状シールと、前記ピストンヘッドを往復動作させるピストン駆動装置と、前記ピストン駆動装置を駆動制御する制御装置と、を備えており、前記ピストンヘッドは、軸方向後端部分から先端部分にかけて縮径する円錐形状を有しており、前記制御装置は、前記膜状シールがピストンヘッドに接する状態に応じてピストンヘッドの移動速度を調節し、流出口から吐出される塗布液の吐出量が一定になるように前記ピストン駆動装置を駆動制御することを特徴としている。
上記本発明の塗布液供給装置によれば、ピストンヘッドが軸方向後端部分から先端部分にかけて縮径する円錐形状を有しているため、ハウジングとピストンヘッドとで形成される隙間が従来のものに比べて大きくなる。これにより、膜状シールの疲労を減少させると共に折り返し部での塗布液凝集を防止させることができる。ここで、ピストンヘッドの移動により膜状シールがピストンヘッドに接する状態が変化するため、塗布液の吐出特性もそれにしたがって変化するが、制御装置により、膜状シールがピストンヘッドに接する状態に応じてピストンヘッドの移動速度が調節されるため、流出口から吐出される塗布液の吐出量を一定にすることができる。したがって、膜状シールの短寿命、折り返し部での塗布液凝集を防止しつつ、安定した塗布液の供給を行うことができる。
また、請求項2に記載の技術により塗布開始時点のピストン加速終了時のピストン速度は塗布終了時点のピストン減速開始時のピストン速度より速くすることにより、吐出方向先端が吐出方向後端より径が小さくなる円錐状ピストン形状の塗布液吐出応答性の変化に対応させている。
このように本発明によれば、スリットノズル方式の塗布装置において従来の塗布液供給装置の問題であった膜状シールの短寿命、折り返し部での塗布液凝集という問題を解消し、さらに円錐状ピストン形状での塗布液吐出応答性の変化に対応した均一な吐出応答ができる。これにより大型基板においても安定した塗布性能を発揮する塗布装置を実現できる。
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるピストンポンプ8(塗布液供給装置、図2参照)を有する塗布装置を示す斜視図であり、図2は、その塗布装置の塗布液経路を概略的に示した図である。
図1、図2に示すように、塗布装置は、供給される薄板状の基板2に薬液やレジスト液等の塗布液を塗布するものである。この塗布装置は、基台3と、基板2を載置するためのテーブル4と、このテーブル4に対し一定方向に移動可能に構成される塗布ユニット5と、この塗布ユニット5に塗布液を供給するピストンポンプ8とを備えている。
なお、以下の説明では、塗布ユニット5が移動する方向をX軸方向、これと水平面上で直交する方向をY軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
前記基台3は、各構成部材、例えばテーブル4及び塗布ユニット5を支持するものであり、石材等で形成されている。
前記テーブル4は、搬入された基板2をその表面に載置して保持するものである。具体的には、テーブル4には、その表面に開口する複数の吸引孔(不図示)が形成されており、これらの吸引孔と真空ポンプとが連通して接続されている。そして、テーブル4の表面に基板2が載置された状態で真空ポンプを作動させることにより、吸引孔に吸引力が発生し基板2がテーブル4の表面側に吸引されて吸着保持されるようになっている。また、テーブル4には、基板2を昇降動作させる基板昇降機構が設けられている。すなわち、テーブル4の表面には複数のピン孔(不図示)が形成されており、このピン孔にはZ軸方向に昇降動作可能なリフトピンが埋設されている。これにより、テーブル4の表面に基板2を載置した状態でリフトピンを上昇させることにより、リフトピンの先端部分が基板2に当接した状態で、基板2を所定の高さ位置に保持できるようになっている。
前記塗布ユニット5は、テーブル4に載置された基板2に塗布液を塗布するためのものであり、塗布液を塗布する口金部6と、この口金部6の両端部分に設けられたユニット支持部7とを有している。
前記ユニット支持部7は、口金部6を昇降動作可能に支持するとともに、この口金部6をX軸方向に移動させるためのものであり、走行装置10とこの走行装置10に支持される昇降装置20とを有している。
昇降装置20は、口金部6を昇降動作させるものであり、Z軸方向に延びるレール21と口金部6に連結されるスライダ22とを有している。このレール21には、スライダ22がレール21に沿ってスライド自在に取り付けられている。また、スライダ22にはサーボモータにより駆動されるボールねじ機構が取り付けられており、このサーボモータを駆動制御することにより、スライダ22がZ軸方向に移動するとともに、任意の位置で停止できるようになっている。これにより、口金部6は、Z軸方向への昇降動作が駆動制御され、テーブル4に対して接離可能に動作するようになっている。
走行装置10は、口金部6をX軸方向に走行させるためのものであり、走行装置本体11とX軸方向に延びるレール13とを有している。この走行装置本体11は、基台3との間に設けられるエアパッド(不図示)によって基台3上に支持されている。そして、走行装置本体11は、レール13にスライド自在に取り付けられており、走行装置本体11に取り付けられたリニアモータ12を駆動制御することにより、走行装置本体11がX軸方向に移動するようになっている。これにより、口金部6は、X軸方向に沿って走行することができるようになっている。
このように構成されるユニット支持部7により、口金部6は、テーブル4の表面に対してZ軸方向に昇降動作できるとともに、テーブル4の表面から所定高さを維持した状態でテーブル4の表面上をX軸方向に沿って走行できるようになっている。
前記口金部6は、Y軸方向に延びる形状を有する柱状部材であり、テーブル4の表面と対向する対向面には塗布液を吐出するノズル61(図2参照)が形成されている。このノズル61は、テーブル4の表面側に突出し、この突出した部分にはY軸方向に延びる形状のスリットが形成されている。すなわち、このスリットを通じて口金部6に供給された塗布液が基板2の表面に吐出されるようになっている。
具体的には、この口金部6の上流側には、塗布液を貯留する塗布液タンクTとピストンポンプ8とが備えられており、ピストンポンプ8が、塗布液タンクTの塗布液を口金部6に送液することにより、口金部6内の塗布液がスリットを通じて吐出されるようになっている。
前記ピストンポンプ8は、塗布液タンクTに貯留された塗布液を塗布ユニット5の口金部6に供給するものであり、図4に示すように、ハウジング81に固定される膜状シール82と、この膜状シール82に連結されたピストン軸部83と、ピストン軸部83を駆動させるボールネジ駆動部84(本発明のピストン駆動装置)とを有している。
ここで、ピストン軸部83の中心軸に沿う方向を単に軸方向と呼び、この中心軸を中心とした回転方向を軸周りと呼ぶこととする。
ハウジング81は、一軸方向に延びる略円筒形状を有しており、その内部に膜状シール82が収容されている。具体的には、ハウジング81は、軸方向に分割できるように形成されており、膜状シール82が挟持された状態で一体的に連結されている。このハウジング81と膜状シール82とによって液体収容部85が形成されており、この液体収容部85によって塗布液タンクTから供給された塗布液を一時的に貯留できるようになっている。
また、ハウジング81の液体収容部85と反対側には、圧力制御室87が形成されている。具体的には、ハウジング81の端部には、軸ガイド部88が備えられており、この軸ガイド部88、ハウジング81、膜状シール82によって圧力制御室87が形成されている。この圧力制御室87は、真空ポンプ9(図2参照)と連通して接続されており、この真空ポンプ9を作動させることにより、圧力制御室87を大気圧よりも低圧に調節できるようになっている。すなわち、液体収容部85に塗布液を流入させる際、ピストン軸部83を液体収容部85と反対側に駆動させつつ、真空ポンプ9を作動させて圧力制御室87の減圧させることにより、膜状シール82の形状を維持した状態でスムーズにピストン軸部83を駆動させることができる。
膜状シール82は、ハウジング81に固定されることにより、ハウジング81内に液体収容部85を形成するものである。具体的には、膜状シール82は、その外周部分がフランジ部81aに挟持された状態でフランジ部81aがボルト81bで締結されることによりハウジング81内に固定されている。これにより、ハウジング81内の軸方向一方側に塗布液を収容可能な液体収容部85が形成される。
また、膜状シール82は、可撓性材料で形成されており、ポリエステル布の上にゴムを被覆したもので形成され、ほぼ均一厚さに形成されている。この膜状シール82は、ほぼシルクハット形状を有しており、その外周部分でハウジング81に固定され、中央部分でピストン軸部83のピストンヘッド83aに固定されている。また、外周部分と中央部分とを連結する部分は、開いたU字形状を維持した状態でハウジング81内に取付けられている。このU字形状の部分により、ピストンヘッド83aとハウジング81とで形成される隙間が封止される。そして、この膜状シール82の中央部分が液体収容部85側、及び、その反対側(軸方向)に変位することにより、塗布液が口金部6に供給される。すなわち、ハウジング81には、塗布液タンクTと配管を介して連結される流入口81cと口金部6と配管を介して連結される流出口81dとが形成されており、膜状シール82が流体収容部85と反対側(図4において下側)に変位することにより、塗布液タンクTから流入口81cを通じて塗布液が液体収容部85に供給され、膜状シール82の中央部分が流体収容部85側(図4において上側)に変位することにより、塗布液タンクTから流出口81dを通じて口金部6に塗布液が供給されるようになっている。
ピストン軸部83は、膜状シール82を軸方向に変位させるものであり、膜状シール82に連結されるピストンヘッド83aと軸方向に延びる形状の軸本体83bとを有している。ピストン軸部83のピストンヘッド83aは軸方向の先端側の径が駆動部側(後端側)の径よりも小さくなる様な形状となっている。径の変化は直線的な変化すなわち円錐形を成すものから円錐曲線等の曲線が利用可能である。ピストンヘッド83aの先端部は軸方向に対して垂直は平面または平面に近い曲率を有する曲面となっていてその一方側端面で膜状シール82と連結されている。本実施例に於いてはピストンヘッド83aの先端は水平とし、そこから円錐状に広がる形状を採用している。さらに、この先端部と膜状シール82の流体収容部85側と反対側の中央部分とが、それぞれの中心を一致させた状態で連結されている。したがって、軸本体83bがハウジング81内を摺動すると、膜状シール82の折り返し部(U字形状部分)中央部分が摺動方向に対して直交する姿勢を維持した状態で液体収容部85側及び液体収容部85と反対側に変位するようになっている。これにより、液体収容部85内の塗布液が口金部6に供給できるようになっている。
軸本体83bは、軸方向に延びる棒状部材であり、ボールネジ駆動部84と連結されている。ボールネジ駆動部84は、駆動シャフトと駆動シャフトに取付けられたボールネジナットとを有しており、駆動シャフトを軸周りに回転させることにより、ボールネジナットが駆動シャフトに沿って軸方向に移動できるように構成されている。すなわち、軸本体83bとボールネジナットとが連結されていることにより、ボールネジ駆動部84を駆動させて駆動シャフトを回転させると、軸本体83bが軸方向に移動し、膜状シール82が軸方向に変位できるようになっている。
また、軸本体83bは、軸ガイド部88によりガイドされている。これにより、軸ガイド部88に軸本体83bが挿入されると、ピストン軸部83は、ハウジング81の軸心と軸本体83bの軸心とが一致した状態で支持される。
軸ガイド部88には、Oリング89が設けられている。具体的には、軸ガイド部88にはシール溝が形成されており、このシール溝にOリング89が設けられている。そして、このOリング89と軸本体83bの外周面が密着することにより、圧力制御室87の圧力が所定の圧力に維持できるようになっている。
前記ボールネジ駆動部84は、ピストン軸部83を軸方向に駆動させるものである。具体的には、ボールネジとサーボモータから構成されており、サーボモータを制御することによりピストン軸部83の動作を制御できるようになっている。
また、本実施形態の塗布装置では、制御装置90が設けられており、予め記憶されたプログラムに従って一連の塗布動作を実行すべく、各種ユニットの駆動装置、ボールネジ駆動部84等を駆動制御するとともにこの塗布動作において必要な各種演算が行われるようになっている。具体的には、塗布開始時点のピストン加速終了時のピストンヘッドの移動速度が、塗布終了時点のピストン減速開始時のピストンヘッドの移動速度より速くなるようにボールネジ駆動部84のサーボモータを駆動制御するように設定されている。
次に、この塗布装置における塗布動作について図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、これら一連の動作は制御装置90によって制御される。
まず、基板2の搬入が行われる(ステップS1)。具体的には、テーブル4の表面から複数のリフトピンが突出した状態で待機されており、これらのリフトピンの先端部分に基板2が載置される。そして、リフトピンを下降させて基板2をテーブル4の表面に載置し、この状態で真空ポンプ9を作動させて吸引孔に吸引力を発生させることにより、基板2をテーブル4の表面上に吸着させて保持される。
次に、塗布液の吸い込み動作が行われる(ステップS2)。すなわち、テーブル4上にセットされた基板2に必要となる塗布液(基板1枚分)がピストンポンプ8に吸い込まれる。具体的には、真空ポンプ9を作動させて圧力制御室87の圧力を大気圧以下の所定の圧力に制御しつつボールネジ駆動部84を駆動させることにより、ピストン軸部83を液体収容部85と反対側に移動させる。これにより、塗布液タンクTに貯留された塗布液が流入口81cを通じて液体収容部85に流入し、この液体収容部85に貯留される。
次に、塗布液の塗布動作が行われる(ステップS3)。すなわち、ピストンポンプ8に供給された塗布液を口金部6に供給するとともに、口金部6から基板2上に塗布液を吐出する。具体的には、ボールネジ駆動部84を駆動させることにより、ピストン軸部83を液体収容部85側に移動させる。これにより、液体収容部85に貯留された塗布液が流出口81dを通じて口金部6に供給され、口金部6のスリットから塗布液が吐出される。
ここで、特許文献1に記載されている図4に示された形状の膜状シール82付きピストンポンプにおいては、吐出工程の全ストロークについて膜状シールと塗布液の接触状態は一定である。従って図5Aに示す様に、ピストンヘッド83aが所定の速度に達するまで加速され、所定の速度に達した後はピストンヘッド83aを一定の速度で移動させれば図5Bに示す様に安定した塗布液吐出状態を得ることが出来る。
一方、本発明で提案する様なヘッド断面が先細に変化する場合、膜状シール82の折り返し部(U字形状部分)半径は、吐出開始位置では大きく吐出終了位置では小さいというように、異なっている。すなわち、膜状シール82の折り返し部がピストンヘッド83aにより支持されない領域が吐出開始位置で大きく(図4B)、吐出終了位置で小さい(図4A)。このため、吐出開始位置においては、吐出終了時よりより多くの塗布液を膜状シール82で受けることになる。このため、吐出開始位置でのポンプの応答性は吐出終了時の応答性に比べ遅くなっている。ピストンヘッド83aの移動速度が図5Aに示す様に一定の場合、ポンプの吐出量を示すと図6の様になり均一な塗布が行えないことになる。
このため、本発明においては図7Aに示されるように、ピストンヘッド83aの速度を加速終了時点で一定にする事無く、塗布液と膜状シール82の種類により定められる定速条件下での吐出特性を補正する吐出速度に設定する。例えば、吐出初期段階での応答性が悪い場合は図7Aで示されるようにピストンヘッド83aの速度を高くし塗布液の吐出量を補正する。次に、ピストンヘッド83aがハウジング81に押し込まれ、膜状シール82の折り返し部半径が減少しピストンの吐出応答性が良くなるに従いピストン駆動部83の速度を低下させる。このようにして図7Bに示されるように、吐出応答性の変化に対応して安定した吐出性能を発揮できる。
ピストンヘッド83aの駆動速度は、膜状シール82と塗布液の特性に応じ、直線的に変化させても良いし、曲線状に変化させても良い。特に、生産現場で多い塗布液変更の場合は、予め特性情報を得ておけば、その情報に応じて制御装置90に入力することにより設定を変更することが出来る。
次に、走行装置10を駆動させて基板2上に塗布膜を形成する。具体的には、昇降装置20を駆動制御することにより口金部6が基板2から所定の高さ位置になるように設定し、この状態から走行装置10を駆動制御することにより、口金部6をX軸方向に走行させる。すなわち、口金部6のスリットから塗布液を吐出させながら口金部6を走行させることにより、基板2上に塗布液が均一厚さで塗布される。
次に、基板2の排出が行われる(ステップS4)。すなわち、S3における塗布動作により基板2表面に塗布膜が形成された後、真空ポンプを停止させて、吸引孔における圧力を大気圧に戻す。そして、リフトピンを上昇させることにより、リフトピンの先端部分で基板2を保持させ、図示しないロボットハンドに基板2の受け渡しが行われ、テーブル4の表面から基板2が排出される。
このように、本実施形態におけるピストンポンプとその吐出制御を用いれば、先細形状のピストンを用いることにより膜状シールの折り返し部の負荷を低減しつつ、膜状シールが塗布液と接触する面積がピストンの移動と共に変化することによる吐出応答性の変化に対応した安定吐出を可能とするピストンポンプを実現できる。
このように、本実施形態におけるピストンポンプとその吐出制御を用いれば、先細形状のピストンを用いることにより膜状シールの折り返し部の負荷を低減しつつ、膜状シールが塗布液と接触する面積がピストンの移動と共に変化することによる吐出応答性の変化に対応した安定吐出を可能とするピストンポンプを実現できる。
1 塗布装置
2 基板
5 塗布ユニット
6 口金部
8 ピストンポンプ
82 膜状シール
83 ピストン軸部
83a ピストンヘッド
84 ボールネジ駆動部
85 液体収容部
90 制御装置
2 基板
5 塗布ユニット
6 口金部
8 ピストンポンプ
82 膜状シール
83 ピストン軸部
83a ピストンヘッド
84 ボールネジ駆動部
85 液体収容部
90 制御装置
Claims (2)
- 基板上に塗布液を塗布する塗布ユニットを備える塗布装置の前記塗布ユニットに塗布液を供給する塗布液供給装置であって、
前記塗布ユニットに連通される流出口を有するハウジングと、
前記ハウジング内を軸方向に往復動作するピストンヘッドと、
前記ハウジングと前記ピストンヘッドとに取付けられ、少なくともハウジングとピストンヘッドとで形成される隙間を封止する膜状シールと、
前記ピストンヘッドを往復動作させるピストン駆動装置と、
前記ピストン駆動装置を駆動制御する制御装置と、
を備えており、
前記ピストンヘッドは、軸方向後端部分から先端部分にかけて縮径する円錐形状を有しており、前記制御装置は、前記膜状シールがピストンヘッドに接する状態に応じてピストンヘッドの移動速度を調節し、流出口から吐出される塗布液の吐出量が一定になるように前記ピストン駆動装置を駆動制御することを特徴とする塗布液供給装置。 - 前記制御装置は、塗布開始時点のピストン加速終了時のピストンヘッドの移動速度が、塗布終了時点のピストン減速開始時のピストンヘッドの移動速度より速くなるように駆動制御することを特徴とする塗布液供給装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101942032B1 (ko) * | 2017-08-04 | 2019-01-25 | 충북대학교 산학협력단 | 제팅 디스펜스 |
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2009
- 2009-03-11 JP JP2009057344A patent/JP2010207740A/ja active Pending
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