JP3337704B2 - ペプチド,その製造法および用途 - Google Patents

ペプチド,その製造法および用途

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JP3337704B2 JP02778592A JP2778592A JP3337704B2 JP 3337704 B2 JP3337704 B2 JP 3337704B2 JP 02778592 A JP02778592 A JP 02778592A JP 2778592 A JP2778592 A JP 2778592A JP 3337704 B2 JP3337704 B2 JP 3337704B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高血圧治療剤、心・脳
循環疾患治療剤、腎疾患治療剤、ぜんそく治療剤あるい
はその予防剤等、医薬として有用なエンドセリン受容体
拮抗作用を有する新規なペプチドおよびその用途に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン(ET)は、柳沢らにより
ブタ大動脈内皮細胞の培養上清から単離され構造決定さ
れた21個のアミノ酸から成る血管収縮性ペプチドであ
る〔柳沢ら、ネイチャー(Nature),332巻、411〜412
頁)(1988)〕。その後、エンドセリンをコードしている
遺伝子の研究から、エンドセリンに構造の類似したペプ
チドが存在することが明らかにされ、それぞれエンドセ
リン−1(ET−1)、エンドセリン−2(ET−
2)、エンドセリン−3(ET−3)と命名されてい
る。それらのエンドセリン類の構造は以下の通りである
(ET−1,2,3における構成アミノ酸はすべてL体
である)。
【0003】
【化3】
【0004】 〔井上ら、プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA),86巻、2863〜2867頁(1989)〕。上
記エンドセリン類は生体内に存在し、血管収縮作用を有
していることから循環系調節に関与する内因性因子であ
ると予想され、高血圧症、心・脳循環疾患(例えば心筋
梗塞)、腎疾患(例えば急性腎不全)との関係が推定さ
れている。また気管支平滑筋収縮作用も有しているの
で、ぜんそくとの関係も推定されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】上記のエンドセリン類の受容
体に対する優れた拮抗剤が得られれば該エンドセリン類
の作用機作の解明に役立つのみならず、上記の疾患の有
効な治療薬になる可能性が大きいので、そのような優れ
た効果を有する新規ペプチドを提供することが本発明の
課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エンドセ
リンによる強力な血管平滑筋収縮活性を抑制する作用を
指標として更に鋭意研究を進め、エンドセリンの19位に
おける置換を中心にアミノ酸置換を行なった新規なペプ
チドがエンドセリン拮抗剤として顕著な効果を奏するこ
とを見出し、本発明を完成したものである。すなわち本
発明は、式(I)(配列番号:1)
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、Mはメルカプトアシル基を示し、
P、Q、R、S、T、U、V、W、X、YおよびZはそ
れぞれアミノ酸残基を示しYのアミノ酸側鎖は置換され
た炭素数1ないし15の飽和脂肪族炭化水素基または
(1S)−1−メチルプロピル基以外の置換されていな
い炭素数4ないし15の飽和脂肪族炭化水素基である〕
で表わされるペプチドまたはその薬理学的に許容される
塩、および式(II)(配列番号:2) M-P-Cys-Q-R-S-T-Asp-U-Glu-Cys-Val-Tyr-V-Cys-His-W-X-Y-Ile-Z-OH (II) 〔式中、Mはメルカプトアシル基を示し、P、Q、R、
S、T、U、V、W、X、YおよびZはそれぞれアミノ
酸残基を示しYのアミノ酸側鎖は置換された炭素数1な
いし15の飽和脂肪族炭化水素基または(1S)−1−
メチルプロピル基以外の置換されていない炭素数4ない
し15の飽和脂肪族炭化水素基である〕で表わされるペ
プチドまたはその塩を酸化反応に付すことを特徴とする
式(I)(配列番号:1)
【0009】
【化5】
【0010】〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表
わされるペプチドまたはその塩の製造法ならびに該ペプ
チド(I)またはその薬理学的に許容される塩の用途に
関するものである。
【0011】本発明のペプチド(I)において、Yのア
ミノ酸側鎖としての炭素数1ないし15の飽和脂肪族炭
化水素基は、直鎖状または分枝状のアルキル、シクロア
ルキルもしくはシクロアルキルアルキル基である。アル
キル基としてはC1ないしC1 0のアルキル基が好まし
く、例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシルなどが挙げられる。シクロアルキル
基としては、C3ないしC10のシクロアルキル基が好ま
しく、その例としてはシクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シ
クロオクチルおよびノルボルニルが挙げられる。シクロ
アルキル−アルキル基としてはC3−C1 0シクロアルキ
ル−C1−C6アルキルが好ましく、その例としてはシク
ロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチ
ルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチ
ル、1−シクロペンチルエチル、1−シクロヘキシルエ
チル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシル
エチル、3−シクロヘキシルプロピル、4−シクロヘキ
シルブチルおよび5−シクロヘキシルプロピルが挙げら
れる。
【0012】上記の飽和炭化水素基は置換されており、
この置換基としては含イオウ基(チオン、メルカプト、
メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロ
ピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、t−ブチ
ルチオ、フェニルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘ
キシルチオ、チエニルなど)、含酸素基(ケトン、ヒド
ロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプ
ロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキ
シ、n−ペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、フェ
ノキシ、ベンジルオキシ、フリルなど)、含窒素基(ア
ミノ、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−n−
プロピルアミノ、N−イソプロピルアミノ、N−n−ブ
チルアミノ、N−イソブチルアミノ、N−t−ブチルア
ミノ、N−n−ペンチルアミノ、N−n−ヘキシルアミ
ノ、N−シクロヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミ
ノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジ−n−プロピ
ルアミノ、N,N−ジ−イソ−プロピルアミノ、N,N
−ジ−n−ブチルアミノ、N,N−ジ−イソ−ブチルア
ミノ、N,N−ジ−t−ブチルアミノ、N,N−ジ−n
−ペンチルアミノ、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノ、
N,N−ジシクロヘキシルアミノ、ニトロ、グアニジ
ノ、ピロリジノ、ピペリジノ、インドリル、イミダゾリ
ルなど)、芳香族炭化水素基(例えばフェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチル)、ハロゲン(クロロ、ブロモ、
フルオロなど)などが挙げられる。
【0013】Y’としての(1S)−1−メチルプロピ
ル基以外の置換されていない炭素数4ないし15の飽和
脂肪族炭化水素基としては、アルキル、シクロアルキル
またはシクロアルキル−アルキル基が挙げられ、これら
のアルキルは直鎖状あるいは分枝状であることができ
る。アルキル基としてはC4−C10のアルキル基が好ま
しく、これらの例としては、n−ブチル、イソブチル、
t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシルなどが挙げられる。シクロアルキル
基としては炭素数4〜10のシクロアルキル基が好まし
く、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびノルボル
ニルが挙げられる。シクロアルキル−アルキル基として
はC3−C10シクロアルキル−C1−C6アルキルが好ま
しく、その例としてはシクロプロピルメチル、シクロブ
チルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメ
チル、シクロヘプチルメチル、1−シクロペンチルエチ
ル、1−シクロヘキシルエチル、2−シクロペンチルエ
チル、2−シクロヘキシルエチル、2,2−ジシクロペ
ンチルエチル、2,2−ジシクロヘキシルエチル、3−
シクロヘキシルプロピル、4−シクロヘキシルブチルお
よび5−シクロヘキシルプロピルが挙げられる。Yのア
ミノ酸の側鎖としては、β位の炭素原子において分岐し
た炭化水素基であるものがより好ましく、例えばイソブ
チル、ネオペンチル、シクロプロピルメチル、シクロブ
チルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメ
チル、シクロヘプチルメチル、2−シクロヘキシルプロ
ピル、2,2−ジシクロヘキシルエチル、2−メルカプ
トプロピル、2−チエニルメチル、2−ヒドロキシプロ
ピル、2−フリルメチル、3−インドリルメチル、4−
イミダゾイルメチルおよびベンジルのようなものが挙げ
られる。
【0014】本発明明細書において、アミノ酸およびペ
プチドなどを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニールアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン Tyr(Et) :O−エチルチロシン Nal(1) :1−ナフチルアラニン Nal(2) :2−ナフチルアラニン Cha :シクロヘキシルアラニン Thi :β−2−チエニルアラニン Phe(4F) :4−フルオロフェニルアラニン Phg :フェニルグリシン Cyt :シスチン Abu :2−アミノ酪酸 Nva :ノルバリン Nle :ノルロイシン tLeu :ターシャリーロイシン γLeu :γ−メチルロイシン Mpr :3−メルカプトプロピオン酸 また本文中で常用される保護基および試薬を下記の略号
で表記する。 Boc :t−ブトキシカルボニル Bzl :ベンジル BrZ :2−ブロムベンジルオキシカルボニル ClZ :2−クロルベンジルオキシカルボニル Tos :p−トルエンスルホニル Dnp :2,4−ジニトロフェニル OcHex:シクロヘキシルエステル For :ホルミル MeBzl:4−メチルベンジル Acm :アセトアミドメチル TFA :トリフルオロ酢酸 HF :無水フッ化水素 HOBt :1−ハイドロキシベンズトリアゾール DMF :N,N−ジメチルホルムアミド 本発明において、Mで表わされる置換されていてもよい
メルカプトアシル基は、メルカプト基を有するカルボン
酸由来のアシル基であり、該カルボン酸としては脂肪
族、脂環族および芳香族のものが挙げられる。脂肪族の
メルカプトアシル基としてはメルカプトC2−C10アル
カノイル基が好ましく、たとえば3−メルカプトプロピ
オニル、4−メルカプトブチリルなどが挙げられる。脂
環族のメルカプトアシル基としてはメルカプトC3−C8
シクロアルキルカルボニルが好ましく、たとえば3−メ
ルカプトシクロペンチルカルボニルなどが挙げられる。
芳香族のメルカプトアシル基としてはたとえばメルカプ
トC6−C14アリールカルボニル基が好ましく、たとえ
ば4−メルカプトベンゾイル、4−メルカプトフェニル
アセチル、3−メルカプト−3−フェニルプロピオニル
などが挙げられる。中でも上記の脂肪族、脂環族のもの
が好ましい。該メルカプトアシル基は置換されていても
よい。メルカプトアシル基上の置換基としてはアミノ
基、水酸基等が挙げられ、アシル基のα位がアミノ基で
置換されたメルカプトアシル基がより好ましい。したが
ってCys、ホモシステイン、3−メルカプト−D−バ
リン(ペニシラミン)等が好ましい例として挙げられ
る。置換されていないメルカプトアシル基としては3−
メルカプトプロピオニル基が、置換されたメルカプトア
シル基としてはCysが、それぞれ最も好ましい例であ
る。
【0015】本発明において、P,Q,R,S,T,
U,V,W,X,Y,Zで表わされるアミノ酸残基は、
天然のアミノ酸の残基であっても、また非天然のアミノ
酸の残基であってもよく、L体、D体、DL体のいずれ
でもよい。従って、P,Q,R,S,T,U,V,W,
X,Y,Zはそれぞれ
【0016】
【化6】
【0017】と書き表わすこともでき、式(I)(配列
番号:1)の化合物は(I’)(配列番号:1)
【0018】
【化7】
【0019】と表わすことができる。式(I’)におい
てP’,Q’,R’,S’,T’,U’,V’,W’、
X’、Z’はそれぞれ水素原子または置換されていても
よい炭素数1ないし15の炭化水素基であり、Y’は前
記したYのアミノ酸側鎖に相当し、置換された炭素数1
ないし15の飽和脂肪族炭化水素基または(1S)−1
−メチルプロピル基以外の置換されていない炭素数4な
いし15の飽和脂肪族炭化水素基である。炭素数1ない
し15の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香
族炭化水素基あるいは脂肪芳香族炭化水素基が挙げられ
る。
【0020】上記のP’〜X’およびZ’における脂肪
族炭化水素基としては、飽和あるいは不飽和の直鎖状、
分枝状または環状いずれの炭化水素基でもよく、例とし
て、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、
n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペ
ンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチ
ル、シクロヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−
デシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル
などが挙げられる。置換された脂肪族炭化水素基として
は、メチルチオメチル、エチルチオメチル、n−プロピ
ルチオメチル、イソプロピルチオメチル、n−ブチルチ
オメチル、t−ブチルチオメチル、2−メチルチオエチ
ル、2−エチルチオエチル、2−t−ブチルチオエチ
ル、メルカプトメチル、1−メルカプトエチル、2−メ
ルカプトエチル、フェニルチオメチル、1−フェニルチ
オエチル、2−フェニルチオエチル、ベンジルチオメチ
ル、4−メトキシフェニルチオメチル、4−メトキシベ
ンジルチオメチル、4−メチルベンジルチオメチル、4
−ニトロベンジルチオメチル、4−ピリジルベンジルチ
オメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、
2−ヒドロキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチ
ル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n
−ブトキシメチル、t−ブトキシメチル、n−ペンチル
オキシメチル、シクロペンチルオキシメチル、n−ヘキ
シルオキシメチル、シクロヘキシルオキシメチル、1−
メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−プロポキシ
エチル、1−イソプロポキシエチル、1−n−ブトキシ
エチル、1−イソブトキシエチル、1−t−ブトキシエ
チル、フェノキシメチル、1−フェノキシエチル、2−
フェノキシエチル、ベンジルオキシメチル、2−ベンジ
ルオキシエチル、カルボキシメチル、1−カルボキシエ
チル、2−カルボキシエチル、メトキシカルボニルメチ
ル、エトキシカルボニルメチル、n−プロポキシカルボ
ニルメチル、イソプロポキシカルボニルメチル、n−ブ
トキシカルボニルメチル、イソブトキシカルボニルメチ
ル、t−ブトキシカルボニルメチル、n−ペンチルオキ
シカルボニルメチル、シクロペンチルオキシカルボニル
メチル、n−ヘキシルオキシカルボニルメチル、シクロ
ヘキシルオキシカルボニルメチル、シクロヘプチルオキ
シカルボニルメチル、シクロオクチルオキシカルボニル
メチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチ
ル、エトキシカルボニルエチル、n−プロポキシカルボ
ニルエチル、イソプロポキシカルボニルエチル、n−ブ
トキシカルボニルエチル、イソブトキシカルボニルエチ
ル、t−ブトキシカルボニルエチル、n−ペンチルオキ
シカルボニルエチル、シクロペンチルオキシカルボニル
エチル、n−ヘキシルオキシカルボニルエチル、シクロ
ヘキシルオキシカルボニルエチル、シクロヘプチルオキ
シカルボニルエチル、シクロオクチルオキシカルボニル
エチル、2−アミノエチル、2−(N−メチルアミノ)
エチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、3−
アミノプロピル、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロ
ピル、2−グアジニノエチル、3−グアニジノプロピ
ル、アミノカルボニルメチル、N−メチルアミノカルボ
ニルメチル、N−エチルアミノカルボニルメチル、N−
n−プロピルアミノカルボニルメチル、N−イソプロピ
ルアミノカルボニルメチル、N−n−ブチルアミノカル
ボニルメチル、N−イソブチルアミノカルボニルメチ
ル、N−t−ブチルアミノカルボニルメチル、N−n−
ペンチルアミノカルボニルメチル、N−イソペンチルア
ミノカルボニルメチル、N−ネオペンチルアミノカルボ
ニルメチル、N−n−ヘキシルアミノカルボニルメチ
ル、N−シクロヘキシルアミノカルボニルメチル、N,
N−ジメチルアミノカルボニルメチル、N,N−ジエチ
ルアミノカルボニルメチル、N,N−ジ−n−プロピル
アミノカルボニルメチル、N,N−ジイソプロピルアミ
ノカルボニルメチル、N,N−ジ−n−ブチルアミノカ
ルボニルメチル、N,N−ジ−イソブチルアミノカルボ
ニルメチル、N,N−ジ−t−ブチルアミノカルボニル
メチル、N,N−ジ−n−ペンチルアミノカルボニルメ
チル、N,N−ジ−イソペンチルアミノカルボニルメチ
ル、N,N−ジ−ネオペンチルアミノカルボニルメチ
ル、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノカルボニルメチ
ル、N,N−ジシクロヘキシルアミノカルボニルメチ
ル、ピロリジノカルボニルメチル、ピペリジノカルボニ
ルメチル、アミノカルボニルエチル、N−メチルアミノ
カルボニルエチル、N−エチルアミノカルボニルエチ
ル、N−n−プロピルアミノカルボニルエチル、N−イ
ソプロピルアミノカルボニルエチル、N−n−ブチルア
ミノカルボニルエチル、N−イソブチルアミノカルボニ
ルエチル、N−t−ブチルアミノカルボニルエチル、N
−n−ペンチルアミノカルボニルエチル、N−シクロペ
ンチルアミノカルボニルエチル、N−n−ヘキシルアミ
ノカルボニルエチル、N−シクロヘキシルアミノカルボ
ニルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルエチ
ル、N,N−ジエチルアミノカルボニルエチル、N,N
−ジ−n−プロピルアミノカルボニルエチル、N,N−
ジイソプロピルアミノカルボニルエチル、N,N−ジ−
n−ブチルアミノカルボニルエチル、N,N−ジイソブ
チルアミノカルボニルエチル、N,N−ジ−t−ブチル
アミノカルボニルエチル、N,N−ジ−n−ペンチルア
ミノカルボニルエチル、N,N−ジシクロペンチルアミ
ノカルボニルエチル、N,N−ジ−n−ヘキシルアミノ
カルボニルエチル、N,N−ジシクロヘキシルアミノカ
ルボニルエチル、3−インドリルメチル、4−イミダゾ
リルメチル、2−チエニルメチル、2−フリルメチル、
ピロリジノカルボニルエチル、ピペリジノカルボニルエ
チル等が挙げられる。
【0021】上記のP’〜X’およびZ’における芳香
族炭化水素基または該脂肪芳香族炭化水素基としては、
例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フェ
ニルメチル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチ
ル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、9−ア
ントラニルメチルなどが挙げられる。置換された芳香族
炭化水素基、脂肪芳香族炭化水素基としては例えば、4
−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニルメチ
ル、4−メトキシフェニルメチル、4−エトキシフェニ
ルメチル、4−n−プロポキシフェニルメチル、4−イ
ソプロポキシフェニルメチル、4−n−ブトキシフェニ
ルメチル、4−イソブトキシフェニルメチル、4−t−
ブトキシフェニルメチル、4−n−ペンチルオキシフェ
ニルメチル、4−シクロペンチルオキシフェニルメチ
ル、4−n−ヘキシルオキシフェニルメチル、4−シク
ロヘキシルオキシフェニルメチル、4−アミノフェニル
メチル、4−ジメチルアミノフェニルメチル、4−ジエ
チルアミノフェニルメチル、4−ジ−n−プロピルアミ
ノフェニルメチル、4−ジイソプロピルアミノフェニル
メチル、4−ジ−n−ブチルアミノフェニルメチル、4
−ピロリジノフェニルメチル、4−ピペリジノフェニル
メチル、4−ニトロフェニルメチル、4−フルオロフェ
ニルメチル、3−フルオロフェニルメチル、2−フルオ
ロフェニルメチル、4−クロロフェニルメチル、3−ク
ロロフェニルメチル、2−クロロフェニルメチル等が挙
げられる。Y’(Yのアミノ酸側鎖に相当)は置換され
た炭素数1ないし15の飽和脂肪族炭化水素基または
(1S)−1−メチルプロピル基以外の置換されていな
い炭素数4ないし15の飽和脂肪族炭化水素基である。
【0022】上記のP〜Zのアミノ酸残基(すなわち
P’〜Z’)について、更に具体的に、また好ましいも
のを説明すると、以下のようである。Pは、アミノ酸側
鎖(P’)として置換されていてもよいアルキル基を有
するアミノ酸残基であり、この置換基としては水酸基が
好ましく、具体的にはSer,Thrの他Ala等が挙
げられる。Qとしては、例えばSer,Thr,Ph
e,Alaが挙げられ、中でもSer,Alaが好まし
いものとして挙げられる。Rは、アミノ酸側鎖(R’)
として置換されていてもよいアルキル基を有するアミノ
酸残基であり、この置換基としては水酸基が好ましく、
具体的にはSer,Thrの他Ala等が挙げられる。
Sは、アミノ酸側鎖(S’)として親油性(lipophilic)
の部分を有するアミノ酸残基であり、例えばLeu,A
la,Tyr,Trp,Met等が具体例として挙げら
れ、中でもLeuが好ましい。Tとしては、Met,L
eu,Lys,Ala,Nle,Glu等が挙げられ、
中でもMet,Ala,Nle等が好ましい。Uとして
は、Lys,Ala,Gluが挙げられる。Vとして
は、芳香族アミノ酸が好ましく、その中でも単環式のも
のの方が二環式のものに比べ好ましく、Phe,Tyr
の他、Trpが好ましいものとして挙げられる。Wとし
ては、Leuの他Gln等も挙げられる。Zとしては、
芳香族アミノ酸が好ましく、その中でも二環式のものが
好ましく、Trpの他、Trpに置換基を有するもの
〔例えばN(インドール)−ホルミルトリプトファン〕、
α−ナフチルアラニン,β−ナフチルアラニン等が好ま
しいものとして挙げられる。なお、合成時にはS−S結
合の酸化を伴うため、酸化による分解を受け易いトリプ
トファンを用いずにそのN(インドール)−ホルミル体等
の置換体を用いることがしばしば行われる。Xとして
は、Asp以外のものが好ましく、中でもそのエンドセ
リン受容体への結合親和性の強さから水酸基を有するア
ミノ酸残基が特に好ましく、例えばSer,Thrが好
ましいものの例として挙げられる。この他、Asn,G
ly等も好ましく用いられるアミノ酸残基である。
【0023】Yとしては、アミノ酸側鎖(Y’)の2位
が分岐しているアミノ酸残基、例えばLeu,Cha,
Phe,γLeu,Asn等が好ましいものとして挙げ
られる。本発明は19位における置換(Y)を本質的な
特徴とするものである。更にはこの19位の置換と18
位置換との組合せも重要であり、18位−19位がTh
r−Leu,Thr−γLeu,Thr−Cha,Th
r−Phe,Thr−Asn,Ser−Leu,Asn
−Leu,Gly−Leu等の組合せが好ましい例であ
る。中でもThr−Leu,Thr−γLeu,Thr
−Chaの組合せが特に好ましい。
【0024】ペプチド(I)または(I’)の薬理学的
に許容される塩としては塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩など
の無機酸付加塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸
塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、蓚酸塩などの有機酸塩のほ
か、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの塩
も挙げられる。本発明のペプチド(I)または(I’)
は、ペプチド合成の常套手段で製造し得る。即ち、固相
合成法、液相合成法のいずれによってもよい。そのよう
なペプチド合成の手段は、任意の公知の方法に従えばよ
く、たとえば、M.Bodansky および M.A.Ondetti 著、
ペプチド・シンセシス(Peptide Synthesis)、インター
サイエンス、ニューヨーク、1966年;F.M.Finn
および K.Hofmann 著、ザ・プロテインズ(The Protei
ns)、第2巻、H.Nenrath、R.L.Hill 編集、アカデミ
ックプレスインク、ニューヨーク、1976年;泉屋信
夫他著“ペプチド合成の基礎と実験”丸善(株)198
5年;矢島治明、榊原俊平他著、生化学実験講座1、日
本生化学会編、東京化学同人1977年;木村皓俊他
著、続生化学実験講座2、日本生化学会編、東京化学同
人1987年;J.M.Stewart およびJ.D.Young 著、
ソリッド フェイズ ペプチド シンセシス(Solid Phase
Peptide Synthesis)、ピアスケミカルカンパニー、イリ
ノイ、1984年などに記載された方法、たとえばアジ
ド法、クロライド法、酸無水物法、混酸無水物法、DC
C法、活性エステル法、ウッドワード試薬Kを用いる方
法、カルボジイミダゾール法、酸化還元法、DCC/H
ONB法、BOP試薬を用いる方法などが挙げられる。
【0025】本発明のペプチド(I)または(I’)
は、そのペプチド結合の任意の位置で2分される2種の
フラグメントの一方に相当する反応性カルボキシル基を
有する原料と、他方のフラグメントに相当する反応性ア
ミノ基を有する原料をペプチド合成の常套手段で縮合さ
せ、生成する縮合物が保護基を有する場合、その保護基
を常套手段で脱離させた後、更に酸化反応を行うことに
より製造しうる。
【0026】特に固相合成法においては、反応に関与す
べきでない官能基を保護したアミノ酸とパム(Pam)樹脂
などの不溶性樹脂をアミノ酸のカルボキシル基を通して
結合させ、このN(α)保護基を脱離したのち、これに
関与すべきでない官能基を保護したアミノ酸を縮合し、
目的とする保護ペプチドとなるまでこの操作をくり返
し、次いでフッ化水素処理、トリフルオロメタンスルホ
ン酸処理、トリフルオロ酢酸処理などの常套手段により
保護基を脱離すると同時に目的のペプチドを樹脂から切
り出し、更に酸化反応を行うことにより製造しうる。
【0027】酸化反応を行って、M1−Cys15結合および
Cys3−Cys11結合を作る場合、化合物(II)または(I
I’) M-P-Cys-Q-R-S-T-Asp-U-Glu-Cys-Val-Tyr-V-Cys-His-W-X-Y-Ile-Z-OH (II)
【0028】
【化8】
【0029】を公知の方法により酸化する。この場合
同時に2つのジスルフィド結合を酸化反応によりつくっ
てもよいし、M1とCys15の保護基を残したまま酸化反
応を行ってCys3−Cys11結合をつくったのち保護基を脱
離し、もう一度酸化反応をおこなってM1−Cys15結合を
つくってもよいし、またCys3とCys11の保護基を残し
たまま酸化反応を行ってM1−Cys15結合をつくったのち
保護基を脱離し、もう一度酸化反応をおこなってCys3
Cys11結合をつくってもよい。
【0030】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などもまた公知のものあるいは手
段から適宜選択しうる。
【0031】原料のアミノ基の保護基としては、たとえ
ばカルボベンゾキシ、t−ブチルオキシカルボニル、t
−アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボ
ニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ク
ロルベンジルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカ
ルボニル、トリフルオロアセチル、フタリル、ホルミ
ル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホス
フィノチオイル、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニルなどが挙げられる。カルボキシル基の保護基として
は、たとえばアルキルエステル(例、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−ア
ダマンチルなどのエステル基)、ベンジルエステル、4
−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエス
テル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエ
ステル、フェナシルエステル、カルボベンゾキシヒドラ
ジド、t−ブチルオキシカルボニルヒドラジド、トリチ
ルヒドラジドなどが挙げられる。
【0032】システインのチオール保護基としては、た
とえば4−メトキシベンジル、4−メチルベンジル、ベ
ンジル、t−ブチル、アダマンチル、トリチル、アセト
アミドメチル、カルボメトキシスルフェニル、3−ニト
ロ−2−ピリジンスルフェニル、トリメチルアセトアミ
ドメチル等が挙げられる。
【0033】セリンの水酸基は、たとえばエステル化ま
たはエーテル化によって保護することができる。このエ
ステル化に適する基としてはたとえばアセチル基などの
低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、
ベンジルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル
基などの炭酸から誘導される基などがあげられる。また
エーテル化に適する基としては、たとえばベンジル基、
テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。し
かしながら、セリンの水酸基は必ずしも保護する必要は
ない。チロシンのフェノール性水酸基の保護基として
は、たとえば、ベンジル、2、6−ジクロロベンジル、
2−ニトロベンジル、2−ブロモベンジルオキシカルボ
ニル、t−ブチルなどが挙げられるが、必ずしも保護す
る必要はない。メチオニンはスルホキサイドの形で保護
しておいてもよい。ヒスチジンのイミダゾールの保護基
としては、p−トルエンスルホニル,4−メトキシ−
2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル,2,4−
ジニトロフェニル,ベンジルオキシメチル,t−ブトキ
シメチル,t−ブトキシカルボニル,トリチル,t−ブ
トキシカルボニル,トリチル,9−フルオレニルメチル
オキシカルボニルなどがあげられるが、必ずしも保護す
る必要はない。トリプトファンのインドールの保護基と
しては、ホルミル,2,4,6−トリメチルベンゼンス
ルホニル,2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホニ
ル,4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンス
ルホニル,β,β,β−トリクロルエチルオキシカルボ
ニル,ジフェニルホスフィノチオイルなどがあげられる
が、必ずしも保護する必要はない。
【0034】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば対応する酸無水物、アジド,活性エス
テル[アルコール(例、ペンタクロロフェノール,2,
4,5−トリクロロフェノール,2,4−ジニトロフェ
ノール,シアノメチルアルコール,p−ニトロフェノー
ル,N−ハイドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド,N−ハイドロキシスクシミド,N−
ハイドロキシフタルイミド,N−ハイドロキシベンゾト
リアゾール)とのエステル]などがあげられる。原料の
アミノ基の活性化されたものとして、例えば対応するリ
ン酸アミドがあげられる。縮合反応は溶媒の存在下に行
うことができる。溶媒としては、ペプチド縮合反応に使
用しうることが知られているものから適宜選択されう
る。例えば無水又は含水のジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキサイド,ピリジン,クロロホルム,ジオキ
サン,ジクロロメタン,テトラハイドロフラン,アセト
ニトリル,酢酸エチル,N−メチルピロリドンあるいは
これらの適宜の混合物などがあげられる。反応温度は、
ペプチド結合形成反応に使用されうることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜30℃の範
囲から適宜選択される。
【0035】次にこのようにして得られた保護ペプチド
又は保護ペプチド樹脂を保護基脱離反応に付す。該反応
は、使用する保護基の種類によって異なるが、いずれに
してもペプチド結合に影響を与えずに、保護基が除かれ
ることが工業的に有利であり、システイン含有ペプチド
においては、2段階で、即ち、まず、チオール保護基以
外の保護基を除去したのち、ついでチオール保護基を除
去する方が、その精製のしやすさから有利の場合もあ
る。そのような場合に用いられるチオール保護基として
は、アセトアミドメチル基、トリメチルアセトアミドメ
チル基などがあげられる。前記したように最終工程の酸
化反応は全保護基を脱離したペプチド(II)(又は(I
I’))を一段階で酸化してペプチド(I)(又は
(I’))に導いてもよいし、また、ペプチド(II)
(又は(II’))の2個のメルカプト基のみ保護基を有
する化合物を一度酸化した後、保護基を脱離して二度目
の酸化を行うことによりペプチド(I)(又は(I’))
に導いてもよい。後者の場合、保護基の脱離と酸化反応
を同時に行う酸化的脱保護反応を行ってもよい。また、
Trpは前記したとおり酸化反応に弱いので、Trpの
保護基だけは残したままで上記の酸化反応を行ったの
ち、最後に該保護基を脱離するという方法も採り得る。
保護基の脱離方法としては、例えば、無水フッ化水素,
メタンスルホン酸,トリフルオロメタンスルホン酸,ト
リフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液等による酸処理
があげられるが、この他に液体アンモニア中ナトリウム
による還元等もあげられる。上記酸処理による脱保護基
反応は、一般に−20℃〜40℃の適温で行われるが、
酸処理においては、アニソール,フェノール,チオアニ
ソール,m−クレゾール,p−クレゾール,ジメチルス
ルフィド,1,4−ブタンジチオール,1,2−エタン
ジチオールの如きカチオン捕捉剤の添加が有効である。
また、酸処理に安定なチオール保護基、例えばアセトア
ミドメチル,3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル等
の保護基は、前者は、ヨウ素,酢酸水銀で、後者は、メ
ルカプトエタノール等で除去することができる。また、
ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,
4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除
去され、トリプトファンのインドール保護基として用い
られるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール,
1,4−ブタンジチオール等の存在下、酸処理による脱
保護以外に、希水酸化ナトリウム,希アンモニア等によ
るアルカリ処理によっても除去される。このようにして
保護ペプチドの保護基を除去して得られたペプチドがチ
オールペプチド(II)または(II’)の場合は該チオー
ルペプチドを酸化反応に付す。酸化する方法としては、
水などの溶媒中、空気,フェリシアン化カリウム,ヨウ
素,ジヨードエタンなどで酸化する方法があげられる。
上記酸化反応は、一般に約0℃〜約40℃の適温で、p
H約6〜約8.5において、高度希釈法で行われるのが
望ましい。
【0036】このようにして製造されたペプチド(I)
又は(I’)は反応終了後、ペプチドの分離手段におけ
る常法、例えば、抽出,分配,再沈殿,再結晶,カラム
クロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィーなど
によって採取される。本発明のペプチド(I)又は
(I’)は自体公知の方法によりナトリウム塩,カリウ
ム塩,カルシウム塩,マグネシウム塩などの塩や、酸付
加塩、とりわけ薬理学的に許容される酸付加塩としても
得ることができ、たとえば、無機酸(例、塩酸,硫酸,
リン酸)あるいは有機酸(例、酢酸,プロピオン酸,ク
エン酸,酒石酸,リンゴ酸,蓚酸,メタンスルホン酸)
などの塩があげられる。
【0037】本発明のペプチドまたはその薬理学的に許
容され得る塩は後記する試験例に示されるように温血動
物のエンドセリン受容体に結合し、しかもこのものがエ
ンドセリン様の収縮活性を示さないことによって、エン
ドセリン拮抗剤として作用するものである。温血動物に
抗エンドセリン活性を導入するために、有効量の該ペプ
チドまたはその薬理学的に許容され得る塩が温血動物に
投与される。
【0038】
【作用・効果】エンドセリンの1,2,4,5,6,
7,9,14,17,18,19および21位のいずれかのアミノ
酸において、特に19位において置換を行なった本発明の
新規なペプチドは、エンドセリン拮抗剤としてエンドセ
リンの血管収縮活性の抑制に顕著な効果を奏する。この
ように本発明の新規なペプチドもしくはその塩は血管拡
張作用を有するエンドセリン拮抗剤であるため、循環機
能改善剤または心筋梗塞・急性腎不全、ぜんそく等の治
療剤として用いることができる。本発明のペプチドを上
記治療薬として用いる場合、そのままあるいは薬学的に
許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、粉末、顆
粒、錠剤、カプセル剤、注射剤、座剤、軟膏剤、徐放型
製剤などの剤型で経口的または非経口的に安全に投与す
ることができる。本発明の誘導体は主として非経口的に
投与(例、静脈あるいは皮下注射、脳室内あるいは脊髄
内投剤、経鼻投与、直腸投与)されるが、場合によって
は経口投与されることもある。本発明のペプチドは物質
として安定であるため生理食塩水の溶液として保存でき
るが、マンニトール、ソルビトールを添加して凍結乾燥
アンプルとし、使用時に溶解することもできる。本発明
のペプチドは、遊離体としてあるいはそのアルカリ付加
塩または酸付加塩として投与され得る。その投与量は、
ペプチド(I)の遊離体、アルカリ付加塩、酸付加塩と
もに、遊離体の量として、一般に体重1kg当り1ng
〜10mgの範囲の適量である。さらに詳述すれば、投
与量は対象疾患、症状、投与対象、投与方法などによっ
ても異なるが、たとえば成人の高血圧症患者に対して注
射で投与する場合、通常薬効成分〔ペプチド(I)〕1
回量として1ng/kg〜10mg/kg体重程度を1
日1回〜3回程度投与するのが好都合である。また、点
滴でも効果があり、点滴の場合の全投与量は注射の場合
と同じである。このペプチドまたはその薬理学的に許容
され得る塩は循環機能改善剤または心筋梗塞・急性腎不
全、ぜんそく等の治療剤として用いられる。この治療剤
を調製する場合には、注意深く精製を行ない細菌や発熱
物質が存在しないように注意しなければならない。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例のグリシン以外のアミノ酸は
特記されているものを除いてすべてL体である。表1に
エンドセリン−1,−2,−3、マウスエンドセリン
(MET)および本発明の実施例で得られた新規ペプチ
ドのアミノ酸配列を比較して示す。 表1 既知 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 ET-1 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuAspIleIleTrp (配列番号:4) ET-2 CysSerCysSerSerTrpLeuAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuAspIleIleTrp (配列番号:5) ET-3 CysThrCysPheThrTyrLysAspLysGluCysValTyrTyrCysHisLeuAspIleIleTrp (配列番号:6) MET CysSerCysAsnSerTrpLeuAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuAspIleIleTrp (配列番号:7) 実施例 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 実施例 番号 1 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:8)(略称 〔Thr18,Leu19〕ET-1) 2 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrChaIleTrp (配列番号:9)(略称 〔Thr18,Cha19〕ET-1) 3 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrPheIleTrp (配列番号:10)(略称 〔Thr18,Phe19〕ET-1) 4 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrγLeuIleTrp (配列番号:11)(略称 〔Thr18,γLeu19〕ET-1) 5 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrAsnIleTrp (配列番号:12)(略称 〔Thr18,Asn19〕ET-1) 6 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuSerLeuIleTrp (配列番号:13)(略称 〔Ser18,Leu19〕ET-1) 7 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuAsnLeuIleTrp (配列番号:14)(略称 〔Asn18,Leu19〕ET-1) 8 CysSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuGlyLeuIleTrp (配列番号:15)(略称 〔Gly18,Leu19〕ET-1) 9 CysThrCysPheThrTyrLysAspLysGluCysValTyrTyrCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:16)(略称 〔Thr18,Leu19〕ET-3) 10 CysSerCysSerSerLeuMetAspAlaGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:17)(略称 〔Ala9,Thr18,Leu19〕ET-1) 11 MprSerCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:18)(略称 〔Mpr1,Thr18,Leu19〕ET-1) 12 CysAlaCysSerSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:19)(略称 〔Ala2,Thr18,Leu19〕ET-1) 13 CysSerCysAlaSerLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:20)(略称 〔Ala4,Thr18,Leu19〕ET-1) 14 CysSerCysSerAlaLeuMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:21)(略称 〔Ala5,Thr18,Leu19〕ET-1) 15 CysSerCysSerSerAlaMetAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:22)(略称 〔Ala6,Thr18,Leu19〕ET-1) 16 CysSerCysSerSerLeuAlaAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:23)(略称 〔Ala7,Thr18,Leu19〕ET-1) 17 CysSerCysSerSerLeuNleAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:24)(略称 〔Nle7,Thr18,Leu19〕ET-1) 18 CysSerCysSerSerTrpLeuAspLysGluCysValTyrPheCysHisLeuThrLeuIleTrp (配列番号:25)(略称 〔Thr18,Leu19〕ET-2) 上記のペプチドは全て、Cys1−Cys15(またはM
pr1−Cys15),Cys3−Cys11にS−S結合を
有する。
【0040】実施例1〔Thr18,Leu19〕-ET-1の製造 Boc-Trp(For)-OCH2-パム樹脂(0.5ミルモル)を出発
原料とし、アプライド・バイオシステムズ社のBoc-アミ
ノ酸誘導体カートリッジ(2.0ミリモル)を用い、ト
リフルオロ酢酸によるBoc基の脱離後、HOBt活性エ
ステル法にて順次C末端側からペプチド鎖を延長する。
但し、Boc-Asp(OcHex),Boc-Glu(OcHex)は、(株)ペプ
チド研究所製の粉末を専用カートリッジに封入後使用し
た。このようにして次式で表わされる保護ペプチド樹脂
を得た。 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂 このペプチド樹脂をDMF 10mlに懸濁し、これに
チオフェノール1.0mlを加え、室温で2時間撹拌す
ることにより、Hisのイミダゾール保護基のDnp基
を脱離し、さらに0.1%のインドールを含む50%T
FA/ジクロルメタンで室温20分処理することにより
Boc基を脱離した。このようにして得られるペプチド
樹脂500mgをp−クレゾール500mg、1,4−
ブタンジチオール0.75mlの存在下、無水フッ化水
素5mlで、0℃,1時間処理し全保護基を除去すると
ともに、ペプチドを樹脂より切り出した。フッ化水素を
減圧留去し、残留物に、エチルエーテルを加えて沈殿と
してこれを瀘取した。これにTFA30mlを加えてペ
プチドを溶解し、樹脂を瀘別し、瀘液を濃縮し、残留物
にエチルエーテルを加えて沈殿として瀘取し減圧乾燥し
た。これを0.1M酢酸アンモニウム/水−nBuOH
−EtOH(2:1:1v/v)(pH8.0〜8.
5)500mlに溶かし、室温で15時間撹拌し、空気
酸化した。その後、酢酸を加えてpH5.0として溶媒
を減圧で留去し、残留物を凍結乾燥した。これを60%
酢酸20mlに溶かし、セファデックスG−50のカラ
ム(5cm×108cm)に付し、60%酢酸で溶出
し、目的の分画を集め凍結乾燥した。最後にこれをYM
C−D−ODS−5(2cm×25cm)のカラム(Y
MC社製)を用いた分取液体クロマトグラフィーで精製
し、目的物を得た。アミノ酸分析値(110℃、24時
間加水分解、( )内は理論値を示す) Asp 1.00(1);Thr 0.93(1);Ser 2.56(3);G
lu 1.06(1);Cyt 1.85(2);Val 0.99(1);Me
t 0.99(1);Ile 0.94(1);Leu 3.08(3);Tyr
0.97(1);Phe 1.02(1);Lys 1.00(1);His
1.19(1) LSIMS(M+H+)=2477(理論値=247
7)。
【0041】実施例2〔Thr18,Cha19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Cha-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.94(1);Ser 2.55(3);G
lu 1.05(1);Cyt 1.69(2);Val 0.97(1);Me
t 1.01(1);Ile 0.94(1);Leu 2.04(2);Tyr
0.92(1);Phe 1.01(1);Lys 1.00(1);His
1.19(1) LSIMS(M+H+)=2517(理論値=251
7)。
【0042】実施例3〔Thr18,Phe19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Phe-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.88(1);Ser 2.45(3);G
lu 1.03(1);Cyt 1.48(2);Val 0.88(1);Me
t 1.00(1);Ile 0.85(1);Leu 1.93(2);Tyr
0.87(1);Phe 1.81(2);Lys 1.01(1);His
0.88(1) LSIMS(M+H+)=2511(理論値=251
1)。
【0043】実施例4〔Thr18,γLeu19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-γLeu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実
施例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得
た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.94(1);Ser 2.51(3);G
lu 1.05(1);Cyt 1.69(2);Val 0.98(1);Me
t 1.00(1);Ile 0.92(1);Leu 2.07(2);Tyr
1.04(1);Phe 0.99(1);Lys 1.01(1);His
1.00(1) LSIMS(M+H+)=2491(理論値=249
1)。 γLeu=γ−メチル−L−ロイシン。
【0044】実施例5〔Thr18,Asn19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Asn-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 2.00(2);Thr 0.96(1);Ser 2.50(3);G
lu 1.07(1);Cyt 0.75(2);Val 0.91(1);Me
t 1.03(1);Ile 0.91(1);Leu 2.11(2);Tyr
0.92(1);Phe 1.04(1);Lys 1.02(1);His
0.99(1) LSIMS(M+H+)=2478(理論値=247
8)。
【0045】実施例6〔Ser18,Leu19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Ser(Bz
l)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Ser 3.39(4);Glu 1.06(1);C
yt 1.58(2);Val 0.90(1);Met 0.98(1);Il
e 0.87(1);Leu 3.05(3);Tyr 0.87(1);Phe
0.98(1);Lys 0.99(1);His 0.93(1) LSIMS(M+H+)=2463(理論値=246
3)。
【0046】実施例7〔Asn18,Leu19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Asn-Le
u-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1と
同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 2.00(2);Ser 2.40(3);Glu 1.04(1);C
yt 0.76(2);Val 0.85(1);Met 1.02(1);Il
e 0.85(1);Leu 3.06(3);Tyr 0.85(1);Phe
1.00(1);Lys 1.00(1);His 0.93(1) LSIMS(M+H+)=2490(理論値=249
0)。
【0047】実施例8〔Gly18,Leu19〕-ET-1の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Gly-Le
u-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1と
同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Ser 2.51(3);Glu 1.05(1);G
ly 0.99(1);Cyt 1.48(2);Val 0.89(1);Me
t 0.98(1);Ile 0.84(1);Leu 3.01(3);Tyr
0.86(1);Phe 0.97(1);Lys 0.99(1);His
0.93(1) LSIMS(M+H+)=2433(理論値=243
3)。
【0048】実施例9〔Thr18,Leu19〕-ET-3の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Thr(Bzl)-Cys(MeBzl)-Phe-Thr(Bzl)-Ty
r(BrZ)-Lys(ClZ)-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys
(MeBzl)-Val-Tyr(BrZ)-Tyr(BrZ)-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-
Leu-Thr(Bzl)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、
さらに実施例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的
物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 2.71(3);Glu 1.10(1);C
yt 0.77(2);Val 0.94(1);Ile 0.91(1);Le
u 2.01(2);Tyr 2.84(3);Phe 0.99(1);Lys
1.96(2);His 0.95(1) LSIMS(M+H+)=2628(理論値=262
8)。
【0049】実施例10〔Ala9,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Met-Asp(OcHex)-Ala-Glu(OcHex)-Cys(MeBzl)-Va
l-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bzl)-Le
u-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1と
同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.91(1);Ser 2.46(3);G
lu 1.03(1);Ala 0.99(1);Cyt 0.75(2);Va
l 0.88(1);Met 1.00(1);Ile 0.88(1);Leu
2.98(3);Tyr 0.86(1);Phe 0.96(1);His
0.93(1) LSIMS(M+H+)=2420(理論値=242
0)。
【0050】実施例11〔Mpr1,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Mpr(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bzl)-L
eu-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBzl)-V
al-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bzl)-L
eu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1
と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.94(1);Ser 2.53(3);G
lu 1.07(1);Cyt 0.66(1);Val 0.94(1);Me
t 0.98(1);Ile 0.92(1);Leu 3.03(3);Tyr
0.88(1);Phe 0.97(1);Lys 0.98(1);His
0.94(1) LSIMS(M+H+)=2462(理論値=246
2)。
【0051】実施例12〔Ala2,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ala-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bzl)-Le
u-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBzl)-Va
l-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bzl)-Le
u-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1と
同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.95(1);Ser 1.74(2);G
lu 1.06(1);Ala 0.96(1);Cyt 0.74(2);Va
l 0.95(1);Met 0.99(1);Ile 0.94(1);Leu
3.08(3);Tyr 0.89(1);Phe 0.98(1);Lys
0.99(1);His 0.96(1) LSIMS(M+H+)=2461(理論値=246
1)。
【0052】実施例13〔Ala4,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ala-Ser(Bzl)-Le
u-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBzl)-Va
l-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bzl)-Le
u-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1と
同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.95(1);Ser 1.67(2);G
lu 1.06(1);Ala 0.96(1);Cyt 0.82(2);Va
l 0.94(1);Met 0.99(1);Ile 0.92(1);Leu
3.06(3);Tyr 0.88(1);Phe 0.98(1);Lys
0.99(1);His 0.95(1) LSIMS(M+H+)=2461(理論値=246
1)。
【0053】実施例14〔Ala5,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ala-Le
u-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBzl)-Va
l-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bzl)-Le
u-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施例1と
同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.94(1);Ser 1.68(2);G
lu 1.05(1);Ala 0.98(1);Cyt 0.92(2);Va
l 0.92(1);Met 0.92(1);Ile 0.90(1);Leu
2.96(3);Tyr 0.91(1);Phe 0.98(1);Lys
0.98(1);His 0.95(1) LSIMS(M+H+)=2461(理論値=246
1)。
【0054】実施例15〔Ala6,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Ala-Met-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.89(1);Ser 2.45(3);G
lu 1.04(1);Ala 0.98(1);Cyt 0.88(2);Va
l 0.86(1);Met 0.96(1);Ile 0.85(1);Leu
1.85(2);Tyr 0.86(1);Phe 0.93(1);Lys
0.98(1);His 0.90(1) LSIMS(M+H+)=2435(理論値=243
5)。
【0055】実施例16〔Ala7,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Ala-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.94(1);Ser 2.55(3);G
lu 1.06(1);Ala 0.97(1);Cyt 0.87(2);Va
l 0.93(1);Ile 0.92(1);Leu 3.03(3);Tyr
0.90(1);Phe 0.98(1);Lys 0.98(1);His
0.95(1) LSIMS(M+H+)=2417(理論値=2417)。
【0056】実施例17〔Nle7,Thr18,Leu19〕-ET-1
の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Leu-Nle-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys(MeBz
l)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-Thr(Bz
l)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに実施
例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得た。 アミノ酸分析値: Asp 1.00(1);Thr 0.95(1);Ser 2.50(3);G
lu 1.07(1);Cyt 0.78(2);Val 0.95(1);Il
e 0.93(1);Leu 3.07(3);Tyr+Nle 1.97
(2);Phe 0.99(1);Lys 0.99(1);His 0.96
(1) LSIMS(M+H+)=2459(理論値=245
9)。
【0057】実施例18〔Thr18,Leu19〕-ET-2の製造 実施例1と同様の操作により以下の保護ペプチド樹脂、 Boc-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Cys(MeBzl)-Ser(Bzl)-Ser(Bz
l)-Trp(For)-Leu-Asp(OcHex)-Lys(ClZ)-Glu(OcHex)-Cys
(MeBzl)-Val-Tyr(BrZ)-Phe-Cys(MeBzl)-His(Dnp)-Leu-T
hr(Bzl)-Leu-Ile-Trp(For)-OCH2-パム樹脂を得、さらに
実施例1と同様の脱保護・酸化・精製により目的物を得
た。 アミノ酸分析値: LSIMS(M+H+)=2532(理論値=253
2)。
【0058】〔試験例〕 (1)ブタ冠動脈平滑筋に対する収縮抑制作用の測定 外膜結合組織及び内皮細胞を除去した冠動脈右回旋枝か
ら作製した2×15mmの螺旋条片を、4mlのマグヌ
ス装置に固定し、その張力を変重・変位変換器UL−1
0GR(ミネベア社)により検出し、ポリグラフ(日本
電気三栄)により記録した。マグヌス装置は37℃に保
ち、O2 95%,CO2 5%混合ガスで飽和したクレブス
−ヘンゼライト液(組成〔mM〕:NaCl 118,
KCl 4.7,CaCl2 2.5,KH2PO4 1.
2,NaHCO3 25.0,MgSO4 1.2,Glucos
e 10.0)で満たした。条片は1.25−1.5gの
張力をかけ、1.5時間平衡化し、収縮応答が一定とな
るまで30分間隔で60mM KCl投与を繰り返し、
さらに1.5時間平衡化した後、測定試料の投与を行な
った。条片の収縮は、個々の条片の60mM KClに
対する収縮応答で正規化して統計処理した。抑制作用
は、所定の濃度の化合物投与の約15分後に、エンドセ
リン−1を累積的に投与し、その収縮のコントロール
(エンドセリン−1のみ投与)との比較から求めたpA
2値で示した。その結果を表3に示す。
【0059】本発明の新規ペプチド(I)およびその塩
は、ブタ冠動脈平滑筋において、エンドセリンによる収
縮を抑制する作用を示したが、このような例は未だ報告
されていない。したがって、本発明のペプチド(I)ま
たはその塩は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサ
ギ、犬、ネコ、ブタ、ヒト等)の高血圧症、心筋梗塞、
急性腎不全、ぜんそく等の治療に用いることができる。
【0060】(2)本発明ペプチドの、エンドセリンに
対するアンタゴニスト性について、エンドセリンレセプ
ターへの結合性、およびブタ冠動脈平滑筋に対する収縮
作用(前記(1)の方法による)を測定した結果を表2
に示す。なおレセプターへの結合性測定法は以下の通り
である。レセプター結合アッセイ ブタの心臓より調製した膜画分をアッセイ用緩衝液を用
いて0.15mg/mlに希釈し、これを100μlず
つアッセイチューブに分注しアッセイに用いる。この膜
画分懸濁液に、5nMの放射性ヨード(125I)で標識
したエンドセリン−1溶液を2μl、さらに被検ペプチ
ド溶液を3μl加えて、1時間25℃でインキュベート
した。この後、膜画分懸濁液を氷冷したアッセイ用緩衝
液900μlで希釈した後、12,000×g、10分
間遠心して上清と沈さに分離した。沈さには細胞膜とこ
れに埋め込まれたエンドセリンレセプターが含まれ、レ
セプターに結合した放射性ヨード標識エンドセリンも沈
さに回収される。従って、この沈さの放射性ヨードをガ
ンマ線計測機により測定することにより、エンドセリン
レセプターに結合した放射性ヨード標識エンドセリン量
を定量した。表2に示すとおり本発明のペプチドはET
レセプター結合性の値が大きくて最大収縮の値が大きく
ないので強いアンタゴニスト作用を有することがわか
る。 表2 実施例 化合物 結合活性(*1) 収縮活性(*2) 最大収縮番号 比活性 比活性 〔% 60mM KCl〕 ET−1 100(*3) 100(*4) 120 1 〔Thr18,Leu19〕ET-1 40 <0.1 4 2 〔Thr18,Cha19〕ET-1 23 <0.1 2 3 〔Thr18,Phe19〕ET-1 9.0 <0.1 4 4 〔Thr18,γLeu19〕ET-1 23 <0.1 0 5 〔Thr18,Asn19〕ET-1 1.6 <0.1 9 6 〔Ser18,Leu19〕ET-1 15 <0.1 1 7 〔Asn18,Leu19〕ET-1 12 <0.1 4 8 〔Gly18,Leu19〕ET-1 9.5 <0.1 14 9 〔Thr18,Leu19〕ET-3 4.0 <0.1 12 10 〔Ala9,Thr18,Leu19〕ET-1 16 <0.1 4 11 〔Mpr1,Thr18,Leu19〕ET-1 16 <0.1 1 12 〔Ala2,Thr18,Leu19〕ET-1 32 <0.1 5 13 〔Ala4,Thr18,Leu19〕ET-1 57 <0.1 6 14 〔Ala5,Thr18,Leu19〕ET-1 8.6 <0.1 6 15 〔Ala6,Thr18,Leu19〕ET-1 11 <0.1 7 16 〔Ala7,Thr18,Leu19〕ET-1 62 <0.1 9 17 〔Nle7,Thr18,Leu19〕ET-1 27 <0.1 9 *1 ブタ心筋膜画分; *2 ブタ冠動脈; *3 IC50=2.0×10~9M,IC50はI125−ET
−1のブタ心筋画分への結合を50%阻止するに要する
試料の濃度を表わす; *4 EC50(%KCl)=1.6×10~9M,EC50
(%KCl)は60mM KClによるブタ冠動脈の収
縮の50%収縮をひきおこす試料の濃度を表わす。
【0061】(3)ブタ冠動脈収縮に対する拮抗作用は
以下の表3に示すとおりである。 表3 ブタ冠動脈収縮に対する拮抗作用 実施例 番号 化合物 pA2 比活性 1 〔Thr18,Leu19〕ET-1 7.7 100 2 〔Thr18,Cha19〕ET-1 7.7 100 3 〔Thr18,Phe19〕ET-1 7.2 32 4 〔Thr18,γLeu19〕ET-1 7.4 50 6 〔Ser18,Leu19〕ET-1 7.5 63 8 〔Gly18,Leu19〕ET-1 6.7 10 10 〔Ala9,Thr18,Leu19〕ET-1 5.9 1.6 11 〔Mpr1,Thr18,Leu19〕ET-1 6.5 6 12 〔Ala2,Thr18,Leu19〕ET-1 6.7 10 13 〔Ala4,Thr18,Leu19〕ET-1 6.9 16 14 〔Ala5,Thr18,Leu19〕ET-1 5.5 0.6 15 〔Ala6,Thr18,Leu19〕ET-1 6.5 6 16〔Ala7,Thr18,Leu19〕ET-1 7.2 32 pA2は活性薬(たとえばET−1)単独での濃度反応
曲線(dose response curve)を2倍だけ高用量側に平
行移動させるのに必要な競合的拮抗薬のモル濃度のネガ
ティブロガリズムの値。大きいほど拮抗作用が強いこと
を示す。以上のように本発明のエンドセリン誘導体
〔I〕またはその塩はエンドセリンの拮抗としての性質
を有し、循環機能改善剤、血管拡張剤またはぜんそく治
療剤として用いることができる。
【0062】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Xaa Xaa Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Xaa Glu Cys Val Tyr Xaa Cys His 1 5 10 15 Xaa Xaa Xaa Ile Xaa 20。
【0063】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Xaa Xaa Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Xaa Glu Cys Val Tyr Xaa Cys His 1 5 10 15 Xaa Xaa Xaa Ile Xaa 20。
【0064】配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Xaa Cys Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Lys Glu Cys Val Tyr Xaa Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0065】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0066】配列番号:5 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0067】配列番号:6 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0068】配列番号:7 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Asn Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0069】配列番号:8 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0070】配列番号:9 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Cha Ile Trp 20。
【0071】配列番号:10 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Phe Ile Trp 20。
【0072】配列番号:11 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 特徴を表す記号:modified site 存在位置:19 他の情報:γLeu 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Xaa Ile Trp 20。
【0073】配列番号:12 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide−bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Asn Ile Trp 20。
【0074】配列番号:13 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Ser Leu Ile Trp 20。
【0075】配列番号:14 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asn Leu Ile Trp 20。
【0076】配列番号:15 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Gly Leu Ile Trp 20。
【0077】配列番号:16 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0078】配列番号:17 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Ala Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0079】配列番号:18 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 特徴を表す記号:modified site 存在位置:1 他の情報:Xaa=Mpr 配列 Xaa Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0080】配列番号:19 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ala Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0081】配列番号:20 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ala Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0082】配列番号:21 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ala Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0083】配列番号:22 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Ala Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0084】配列番号:23 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Ala Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0085】配列番号:24 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Nle Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
【0086】配列番号:25 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 特徴を表す記号:disulfide-bonds 存在位置:1,15 存在位置:3,11 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Thr Leu Ile Trp 20。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 7/04 - 7/66 C07K 14/575 SwissProt/PIR/GeneS eq

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:1
    3、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:1
    6、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:1
    9、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:2
    2、配列番号:23、配列番号:24及び配列番号:2
    5で表わされる群から選ばれるものであるペプチドまた
    はその薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:1
    6、配列番号:20、配列番号:23、配列番号:24
    及び配列番号:25で表わされる群から選ばれるもので
    ある、請求項1記載のペプチドまたはその薬理学的に許
    容される塩。
  3. 【請求項3】配列番号:8で表わされる請求項1記載の
    ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】配列番号:9で表わされる請求項1記載の
    ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】配列番号:11で表わされる請求項1記載
    のペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  6. 【請求項6】配列番号:8、配列番号:9、配列番号:
    10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:1
    3、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:1
    6、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:1
    9、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:2
    2、配列番号:23、配列番号:24及び配列番号:2
    5で表わされる群から選ばれるものであるペプチドまた
    はその薬理学的に許容される塩の製造において、各配列
    番号のペプチドまたはその薬理学的に許容される塩にお
    けるCys1−Cys15及びCys3−Cys11間のS−S結合を有し
    ないものを酸化反応に付し、Cys1−Cys15及びCys3−Cys
    11間にS−S結合を付与したことを特徴とする配列番
    号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:1
    1、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:1
    4、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:1
    7、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:2
    0、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:2
    3、配列番号:24及び配列番号:25で表わされる群
    から選ばれるものであるペプチドまたはその薬理学的に
    許容される塩の製造法。
  7. 【請求項7】請求項1記載のペプチドまたはその薬理学
    的に許容される塩を含有するエンドセリン受容体拮抗
    剤。
  8. 【請求項8】管拡張剤である請求項7記載のエンドセ
    リン受容体拮抗剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010138165A (ja) * 2008-11-14 2010-06-24 Sekisui Chem Co Ltd 抗ヒトエンドセリン受容体タイプaモノクローナル抗体、並びに、ハイブリドーマ

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JP2010138165A (ja) * 2008-11-14 2010-06-24 Sekisui Chem Co Ltd 抗ヒトエンドセリン受容体タイプaモノクローナル抗体、並びに、ハイブリドーマ

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