JP3337612B2 - 電気加熱式触媒装置 - Google Patents

電気加熱式触媒装置

Info

Publication number
JP3337612B2
JP3337612B2 JP26072696A JP26072696A JP3337612B2 JP 3337612 B2 JP3337612 B2 JP 3337612B2 JP 26072696 A JP26072696 A JP 26072696A JP 26072696 A JP26072696 A JP 26072696A JP 3337612 B2 JP3337612 B2 JP 3337612B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foil
metal foil
corrugated
brazing material
foils
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26072696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09173861A (ja
Inventor
康二 吉▲崎▼
省吾 紺谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP26072696A priority Critical patent/JP3337612B2/ja
Publication of JPH09173861A publication Critical patent/JPH09173861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3337612B2 publication Critical patent/JP3337612B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔を積層して
構成した触媒担体を有する電気加熱式触媒装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気通路に排気浄化触媒を設
け、排気中のHC、CO、NOX 等の有害成分を浄化す
る技術が知られている。しかし、排気浄化触媒は活性化
温度より低い温度では排気浄化能力が著しく低下するた
め、機関始動時等、触媒温度が低い間は機関から排出さ
れた上記有害成分、特にHC、CO成分が触媒により浄
化されずそのまま大気に放出される問題が生じる。
【0003】この問題を解決するために、本願出願人は
既に、触媒担体に金属を使用し、機関始動時に担体に局
所的に電流を流すことにより担体を局所的に発熱させて
短時間で触媒温度を活性化温度まで上昇させるようにし
た電気加熱式触媒装置を提案している(特願平7−13
2088号)。図13は、上記電気加熱式触媒装置の触
媒担体の一部拡大断面図である。
【0004】図13に示すように、この触媒担体は平板
状金属箔(平箔)10と波板状金属箔(波箔)20とを
交互に積層した金属箔積層体として形成され、金属箔積
層体の積層方向両端部に通電用電極(図示せず)を接続
した構成とされている。また、平箔10または波箔20
の表面には絶縁被膜が形成されており、平箔10と波箔
20とは上記絶縁被膜の絶縁を破壊して金属箔相互を導
通可能に接合できるロウ材箔1341ににより局所的に
接合される。
【0005】更に、図13に示すように、波箔20を挟
んで隣接する2つのロウ材箔(例えば図13、1341
aと1341b、及び1341cと1341d)は金属
箔積層方向から見てその一部のみが重なるように互いに
金属箔に沿ってずらして配置されている。このように、
波箔20の両側のロウ材箔を一部のみが重なるように配
置することにより、電極間に通電すると電流はロウ材箔
の重なり部分近傍(図13に斜線で示した部分)の波箔
20を通って層間を流れることになり、重なり部分近傍
の波箔20に電流が集中して流れ、この部分の波箔が局
所的に発熱することになる。このように、比較的小さな
局所的発熱部(図13斜線部分)に電流を集中して流す
ことにより、通電電流を全体として低く抑え、バッテリ
の負担を軽減しながら短時間で局所的発熱部を触媒活性
化温度まで昇温させることが可能となる。局所的発熱部
の温度が触媒活性化温度に到達すると、この部分に担持
された触媒では触媒により排気ガス中のHC、CO成分
の酸化反応が開始される。また、この反応により発生し
た熱は発熱部周囲に伝播され、発熱部を中心として高温
領域が広がるため、発熱部周囲の触媒も活性化温度に到
達して触媒によるHC、CO成分の酸化反応が開始され
て反応熱が発生する。このため、上記発熱部は、いわば
触媒反応を開始させる火種として機能することになり、
発熱部に通電後短時間で触媒担体全体が触媒活性化温度
に到達し、担体全体で触媒による酸化反応が開始される
ようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平7−132
088号で本出願人が提案した電気加熱式触媒装置で
は、波箔の両側のロウ材箔を互いにその一部のみ重なる
ように配置して波箔と平箔とを接合することにより、ロ
ウ材箔の重なり部分に局所的発熱部を形成している。と
ころが、このように重なり部分を設けて局所的発熱部を
形成した場合には必ずしも局所的発熱部の電流路断面積
を充分に小さくすることができない場合が生じる。以
下、図14を用いてこの問題を説明する。
【0007】図14は、図13の局所的発熱部(図13
斜線部分)を更に拡大して示した図である。図14にお
いて、波箔20の両側のロウ材箔1341cと1341
dとにより重なり部分(図14にOLで示す部分)が形
成されている。通電時、電流はこの重なり部分OLに含
まれる波箔を通って中心電極側の平箔10aから外周側
の平箔10bに向けて流れることになる。すなわち、重
なり部分に含まれる波箔により局所的発熱部が形成され
ることになる。ところが、図14の場合には、重なり部
分OL内でロウ材箔1341dは波箔20の一方の側の
1つの波頂部20Aと接合され、ロウ材箔1341cは
波箔20の他方の側の2つの波頂部20a、20bと接
合されている。この場合には、通電時に電流は、波箔2
0を通って、ロウ材箔1341cの側の2つの波頂部2
0a、20bからロウ材箔1341dの側の波頂部20
Aに向かう2つの経路RA 、RB と、ロウ材箔1341
cの側の波頂部20bからロウ材箔1341dの側の2
0Aの隣の波頂部20Bに向かう経路RC との計3つの
並列電流路を通って流れることになる。この並列電流路
の数はロウ材箔の重なり部OL内に含まれる波箔の両側
の波頂部の数が多くなる程増大する。
【0008】電流路RA 、RB 、RC の抵抗値は同一で
あるため、形成される電流路の数が多くなるほどロウ材
箔の重なり部分を流れる電流は分散されてしまい、発熱
部をを流れる電流の密度は小さくなることになる。この
ため、各電流路RA 、RB 、RC の発熱量は相対的に小
さくなり、発熱部の昇温速度を充分に早く設定できない
場合が生じてしまう。
【0009】また、図14の場合、局所的発熱部OL内
に複数の並列電流路が形成されるため、局所的発熱部の
電気抵抗が小さくなり、全体として通電時の電流値が増
大してしまう。このため、上記電気加熱式触媒装置では
全体として通電時の電流値を充分に低減することができ
ず、バッテリの負荷低減効果を充分に得ることができな
い問題が生じるのである。
【0010】さらに、前述のように局所的発熱部は触媒
反応を開始させる火種としての役割を果たすため、触媒
担体全体として触媒作用を早期に開始させるためには、
担体内に局所的発熱部をできるだけ多く設けることが好
ましい。ところが、図14のように個々の局所的発熱部
の抵抗を充分に大きくできない場合には、担体内に局所
的発熱部を多数設けると、担体全体としての抵抗値が大
幅に低下してしまい、電気加熱式触媒装置通電時に大電
流が流れてしまうようになる。このため、触媒担体内に
局所的発熱部の数を多くとることができない問題が生じ
る。
【0011】本発明は上記問題に鑑み、局所的発熱部内
に形成される電流路の数を最小にして発熱部の昇温速度
を増大することを可能にするとともに、担体内に形成す
る局所的発熱部の数を増大させることが可能な電気加熱
式触媒装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、波板状金属箔と平板状金属箔とを第1の金属の
酸化物からなる絶縁層を介して交互に積層して金属箔積
層体を形成し、前記第1の金属より還元作用の大きい第
2の金属を含むロウ材箔を金属箔の層間に局所的に配置
し、該ロウ材箔により波板状金属箔と平板状金属箔とを
前記絶縁層を介して導通可能に接合した触媒担体を有す
る電気加熱式触媒装置において、各波板状金属箔を挟ん
で互いに隣接する位置に配置された2つのロウ材箔は、
該2つのロウ材箔間に挟まれる波板状金属箔中に、該2
つのロウ材箔を結ぶ単一の電流路を形成するように配置
されたことを特徴とする電気加熱式触媒装置が提供され
る。すなわち、請求項1の発明では波板状金属箔の両側
に配置されたロウ材箔は、波板状金属箔中に、単一の電
流路を形成するように配置されている。このため、局所
的発熱部では波板状金属箔中に電流路が複数形成される
ことがなく、常に局所的発熱部の抵抗を大きく維持する
ことが可能となる。請求項2に記載の発明によれば、前
記波板状金属箔を挟んで互いに隣接する2つのロウ材箔
の一方は前記波板状金属箔の一方の側の少なくとも1つ
以上の波頂部を平板状金属箔に接合し、前記2つのロウ
材箔の他方は前記波板状ロウ材箔の他方の側の少なくと
も1つ以上の波頂部を平板状金属箔に接続し、前記一方
の金属箔により平板状金属箔に接合される波頂部のグル
ープと前記他方のロウ材箔により平板状金属箔に接合さ
れる波頂部のグループとは、金属箔積層方向から見て、
重なることなく互いに連続している請求項1に記載の電
気加熱式触媒装置が提供される。すなわち、請求項2の
発明では波板状金属箔の両側に配置された2つのロウ材
箔は、波板状金属箔のそれぞれの側の1つ以上の波頂部
を平板状金属箔に接合する。また、波板状金属箔の一方
の側のロウ材箔により接合される波頂部のグループと他
方の側のロウ材箔により接合される波頂部のグループと
は、金属箔積層方向から見て重なることなく互いに連続
しているため、両方の波頂部のグループ間では、各グル
ープの端部に位置する波頂部の間の波板状金属箔部分を
通じてのみ電流が流れるようになる。このため、波板状
金属箔中には両側の平板状金属箔との接合部間に必ず単
一の電流路が形成されるようになる。この場合、両側の
ロウ材箔により平板状金属箔に接続される波頂部グルー
プが上記の構成になっていれば、両側のロウ材箔自体は
金属箔積層方向から見て互いに重なり部分を有していて
も良く、重なり部分を有さなくても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。以下に説明する各実施形態
は全て、金属製の平箔と波箔とを重ねて中心電極回りに
巻回して円筒状の金属箔積層体からなる触媒担体を形成
し、その外周部にもう一方の電極を接続した形式の電気
加熱式触媒装置に本発明を適用した場合を例にとって説
明している。そこで、それぞれの実施形態の説明に入る
前に、図1から図3を用いて先ず、これらの実施形態に
共通する円筒状積層体構造の電気加熱式触媒装置につい
て説明する。なお、以下に説明する全実施形態におい
て、共通する構成要素には同一の参照符号を付して説明
する。
【0014】図1は円筒状金属箔積層体構造の電気加熱
式触媒装置の軸線に沿った断面図を示す、図1において
1は電気加熱式触媒装置の全体、2は後述する円筒状金
属箔積層体からなる触媒担体、10、20はそれぞれ円
筒状金属箔積層体2を構成する帯状の平箔と波箔とを示
している。また、3は円筒状金属箔積層体の中心に設け
られ、平箔と波箔とに通電可能に接続された棒状の中心
電極(プラス極)、5は金属箔積層体2を収容する円筒
状のケーシングであり、ケーシング5は積層体2の外周
と通電可能に接続され、外部電極(マイナス極)として
の機能を果たしている。従って、中心電極3とケーシン
グ(外部電極)5との間に電圧を印加することにより円
筒状金属箔積層体の平箔10と波箔20とに通電するこ
とが可能となっている。
【0015】図2、図3は、図1の円筒状金属箔積層体
2の構造を説明する図である。図2に示すように、円筒
状金属箔積層体2は平箔10と波箔20とを重ねてそれ
ぞれの長手方向端部を中心電極3に接合した後、平箔1
0と波箔20とを重ねた状態のまま中心電極3の周りに
巻回した構成とされる。図3は上記により構成された円
筒状金属箔積層体2の、図1のIII-III 線に沿った断面
を示す。上記のように平箔10と波箔20とを重ねて中
心電極周りに巻回した結果、円筒状積層体2は、図3に
示すように平箔10と波箔20との間の空隙により形成
された軸線方向の通路6が中心電極3の周りに渦巻き状
に配列した構成となっている。また、後述のように、平
箔10と波箔20との表面には排気浄化触媒が担持され
ており、触媒装置1のケーシング5を内燃機関の排気系
に接続して排気を上記軸線方向通路6を通して流すこと
により、排気中の有害成分が触媒によって浄化される。
【0016】平箔10、波箔20は、本実施形態ではと
もにアルミニウムを含有する鉄系合金等(例えば、20
%Cr−5%Al−75%Fe)の金属の、厚さ50ミ
クロン程度の箔材から構成される。また、以下に説明す
る実施形態では、これら平箔10、波箔20のいずれか
一方、又は両方の表面には必要に応じて予め、例えばア
ルミナ(Al23 )等の金属酸化物からなる厚さ1ミ
クロン程度の電気的絶縁層が形成されている。このアル
ミナ層は、例えば酸素雰囲気下で上記金属箔を加熱して
金属箔表面に母材中のアルミニウムの酸化被膜を形成す
ることにより容易に得ることができる。また、金属箔上
に触媒を担持させるため、上記絶縁層を形成した箔(以
下「絶縁箔」という)ではアルミナ絶縁層上に、絶縁層
を形成していない金属箔(以下「生箔」という)では金
属箔の母材上に、それぞれ触媒担持用の厚さ30ミクロ
ン程度のウォッシュコート層を形成し、このウォッシュ
コート層に含浸等により白金Pt、ロジウムRh、パラ
ジウムPd等の触媒成分を担持させている。
【0017】本発明の電気加熱式触媒装置は、機関始動
時に中心電極3と外部電極5との間に電圧を印加して、
触媒を担持する平箔10と波箔20とに電流を流し箔1
0、20の発熱により短時間で触媒を活性化温度(例え
ば300度Cから400度C程度)まで昇温する。本発
明ではこのために各層の金属箔を局所的に通電可能に接
合して金属箔積層方向に比較的狭い断面積の電流路を形
成し、上記接合部を通して金属箔積層方向に集中して電
流を流すようにしている。このように、局所的に狭い断
面積の電流路を設けることにより、電流路部分(すなわ
ち発熱部分)の体積が低減されて発熱部の熱容量が低く
なるため、通電により発熱部の急速な温度上昇を得るこ
とができる。また、電流路の断面積を比較的狭く設定す
ることにより、電極間の抵抗をを比較的高く維持できる
ため、通電時の合計電流量を低く抑えたままで電流路を
流れる電流密度を高く設定して電流路単位体積当たりの
発熱量を増加させることが可能となる。
【0018】以下に説明する本発明の実施形態では、波
箔20に絶縁箔(表面に絶縁層を形成した金属箔)を、
平箔10として生箔(表面に絶縁層を形成していない金
属箔)をそれぞれ使用して、この平箔10と波箔20と
を中心電極3周りに巻回して図1に示したような円筒状
金属箔積層体を形成するとともに、局所的に波箔20の
絶縁層の絶縁性を破壊して平箔10と接合することによ
り中心電極3と外部電極4とを接続する金属箔積層方向
の電流路を形成している。
【0019】図4は平箔10と波箔20とを通電可能に
接合する接合方法を示す図である。本実施形態では、平
箔10と波箔20とを重ねて中心電極3周りに巻回す際
に、通電可能な接合部を形成する部分の平箔10と波箔
20との間に、波箔20の絶縁層を形成する金属酸化物
(本実施形態ではAl23 )より還元性の大きい金属
(例えばジルコニウムZr)を含む所定の幅dのロウ材
箔41を挟んで平箔10と波箔20とを巻回し、円筒状
積層体を形成している。このように積層体を形成した
後、積層体全体を加熱することにより、これらの部分に
絶縁層の絶縁性を破壊した接合部が形成される。すなわ
ち、平箔10と波箔20との間に介挿されるロウ材箔に
は絶縁層を形成する金属(アルミニウム)より還元性が
高い金属(ジルコニウムZr)が含まれるため、加熱に
よりロウ材が溶融すると、ロウ材中のジルコニウムは絶
縁層のアルミナから酸素を奪い酸化ジルコニウムを形成
する。この形成された酸化ジルコニウムは接合部に分散
するため通電可能な接合部が形成される。
【0020】図5は、本実施形態の円筒状金属箔積層体
2の排気入口側端面2d上に上記により形成した金属箔
層間の接合部の配置を示している。本実施形態では、各
金属箔層間の通電可能な接合部は、金属箔積層体2の排
気入口側端面2d上に図5に示すように二重の渦巻のパ
ターン51a、51bを描くように配置されている。ま
た、上記接合部は、端面2dから積層体軸線方向に所定
の深さにわたって形成されている。この端面からの接合
部の深さは、図4のロウ材箔41の幅(図4にdで示
す)により決定され、本実施形態では、この深さは例え
ば0.5mm〜3mm程度の範囲とされる。また、図5
において、2a、2bで示した部分は、それぞれ中心電
極周りと外周部とに形成された、金属箔層間の接合領域
である。接合領域2a、2bでは平箔10と波箔20と
は全面が通電可能に接合されており、この領域では通電
時の抵抗は極めて低くなっている。
【0021】図6は、図5のVI-VI 線に沿った積層体2
の軸線方向断面図である。図6において、斜線で示す領
域は金属箔相互間が通電可能に接合された部分を示す。
図6から判るように、中心電極3近傍の領域2aと外周
近傍の領域2bでは、波箔と平箔とは数層にわたって全
面的に接合されているが、領域2aと2bとの中間の領
域では、端面2dから所定深さのみ(本実施形態では、
例えば0.5mm〜3mm程度)が局所的に接合され、
これらの局所的接合部により上記領域2a、2bを接続
する渦巻状の小さな断面積の電流路51a、51b(図
5)が形成されている。
【0022】なお、中心部及び外周部の接合領域2a、
2bは、電流路51a、51bと同様にジルコニウムZ
rを含むロウ材箔を用いて接合しても良いが、本実施形
態では、図7に示す方法で接合領域2a、2bを形成し
ている。すなわち、本実施形態では波箔20として、絶
縁箔20aの長手方向両側に生箔20b、20cを接続
した構成の複合箔が使用される。この複合波箔は、図7
に示すように生箔20b側を中心電極3に接合して、平
箔10(生箔)と重ねた状態で中心電極3周りに巻回さ
れ、金属箔積層体2が形成される。この際、波箔20の
うち生箔20b、20c部分には、ニッケルNiを含む
ロウ材を塗布して平箔10と重ねて巻回す。これによ
り、形成された金属箔積層体2では領域2a、2c部分
はニッケル系のロウ材を介してそれぞれ生箔の状態の平
箔と波箔とが接触することになり、この状態で加熱、ロ
ウ付けを行うことにより平箔10と波箔20とが絶縁層
を介さずに通電可能に接合される。このように、生箔相
互を直接ロウ付け接合することにより、絶縁箔と生箔と
を、ジルコニウムロウ材箔を用いて絶縁層を介して接合
した場合に較べて高い接合強度を得ることができる。
【0023】また、本実施形態では電流路51a、51
b部分は図4に示したように平箔(生箔)10と波箔
(絶縁箔)20とをジルコニウムロウ材箔(図4、4
1)のみを介して接合しているが、ニッケルを含むロウ
材箔は生箔と良好な接合性を示すため、ジルコニウムを
含むロウ材箔とニッケルを含むロウ材箔とを重ねた複合
箔を用いて平箔10と波箔20とを接合するようにして
もよい。この場合、ニッケルロウ材箔は平箔(生箔)1
0側に、ジルコニウムロウ材箔は波箔(絶縁箔)20側
に接するように上記複合箔を配置して接合を行う。これ
により、ジルコニウムロウ材箔のみを用いて接合を行っ
た場合に較べて接合強度が向上する利点がある。
【0024】次に、図8を用いて、本実施形態の電流路
51a、51bの形状の詳細について説明する。図8
は、図5の電流路51aのVIIIで示した部分の拡大図で
ある。図8において、810a〜810cは積層された
平箔の一部を、820a、820bは平箔810a〜8
10cの間に配置された波箔を示す。また、それぞれの
平箔と波箔との間には、ジルコニウムロウ材箔841a
〜841dが介挿されている。ジルコニウムロウ材箔8
41a〜841dは、それぞれ幅(図8の紙面に直角な
方向、すなわち円筒状金属箔積層体の軸線方向寸法)が
0.5mm〜3mm程度の長方形とされている。
【0025】また、本実施形態では、それぞれの波箔
(820a、820b)を挟んで両側に配置されるロウ
材箔は、互いに円筒状金属箔積層体の円周方向にずらし
て配置されており、波箔(820a、820b)の一方
の側のロウ材箔(841b、841d)により平箔(8
10b、810c)に接合される波箔の波頂部のグルー
プ(例えば、波箔820a、820bの波頂部A1、A
2、A3)と、上記波箔(820a、820b)の他方
の側のロウ材箔(841a、841c)により平箔(8
10a、810b)に接合される波箔の波頂部のグルー
プ(例えば、波箔820a、820bの波頂部B1、B
2、B3)とが、金属箔積層方向(図8に矢印Yで示し
た方向)から見て互いに重なっておらず、しかも互いに
連続している。すなわち、波箔820aを例にとると、
波箔820の上側の波頂部グループA1、A2、A3と
下側の波頂部グループB1、B2、B3(波頂部B3は
図示を省略している)とは、Y方向から見て重なってお
らず、かつ各グループの互いに最も近接した波頂部A1
とB1とは互いに連続している(すなわち、波頂部A1
とB1との間には他の波頂部が存在しない)。この波頂
部の関係は波箔820bの波頂部A1、A2、A3(波
頂部B3は図示を省略している)についても全く同様に
成立している。
【0026】上記のように波箔(820a、820b)
の両側のロウ材箔(841aと841b、841cと8
41d)を配置することにより、各局所的発熱部の波箔
中に単一の電流路が形成されることになる。例えば、図
8に示すように、波箔820a両側のロウ材箔(841
aと841b)は、波頂部A1と波頂部B1との間の波
箔部分によって形成される単一の電流RA のみによって
結ばれ、波箔820b両側のロウ材箔(841cと84
1d)は、波頂部A1と波頂部B1との間の波箔部分に
よって形成される単一の電流RA のみによって結ばれて
いる。また、図示していない他の波箔においても、両側
のロウ材箔も上記と同様に波箔中の単一の電流路によっ
て結ばれることになる。上述のように、本実施形態によ
れば各局所的発熱部の波箔には単一の電流路のみが形成
され、複数の電流路が並列に形成されることがないた
め、局所的発熱部の電流路断面積を極めて小さく設定す
ることが可能となる。このため、局所的発熱部での電流
密度が大幅に増大し、電流値を増大させることなく短時
間で発熱部の温度を上昇させることが可能となる。
【0027】また、波箔の局所的発熱部を単一の電流路
で形成したことにより、各発熱部の電気抵抗が大きくな
ることから、発熱部の数を多く設定した場合でも触媒担
体全体の抵抗値はあまり低下しない。このため、全体と
しての電流値を増大させることなく局所的発熱部の数を
増加させることが可能となり、触媒反応開始のための火
種の数を増大し短時間で触媒担体全体を昇温することが
可能となる。図10は、図8の実施形態における波箔の
両側のロウ材箔(841aと841b、841cと84
1d)の配置を説明する模式図である。図8の実施形態
では、波箔の両側のロウ材箔(841aと841b、8
41cと841d)は図8、図10にOLで示すよう
に、金属箔積層方向Yから見て互いに重なった部分を有
している。しかし、上記説明から明らかなように、本発
明は波箔両側のロウ材箔が金属箔積層方向から見て互い
に全く重なる部分を有さない場合にも適用することがで
きる。図11は、波箔両側のロウ材箔が金属箔積層方向
から見て全く重なる部分を有さない場合の本発明の実施
形態を示している。図11において、波箔の両側に配置
されたロウ材箔(841aと841b、841cと84
1d)は、金属箔積層方向Yから見て互いに間隔をあけ
て配置されており、互いに重なりあう部分を有していな
い。しかし、波箔(820a、820b)の一方の側の
ロウ材箔(841b、841d)により平箔(810
b、810c)に接合される波箔の波頂部のグループ
(例えば、波箔820a、820bの波頂部A1、A
2、A3)と、波箔(820a、820b)の他方の側
のロウ材箔(841a、841c)により平箔(810
a、810b)に接合される波箔の波頂部のグループ
(例えば、波箔820a、820bの波頂部B1、B
2、B3)とは、金属箔積層方向(図8に矢印Yで示し
た方向)から見て互いに重なっておらず、しかも互いに
連続している。従って、この場合も波箔(820a、8
20b)の両側に配置されたロウ材箔(841aと84
1b、841cと841d)は、それぞれ波頂部A1と
B1との間の波箔部分を通る単一の電流路のみによって
結ばれることになる。
【0028】なお、図8、図11の実施形態では平箔を
挟んで配置されるロウ材箔相互(例えば841bと84
1c)も金属箔積層方向Yから見て重なりを有している
が、図8、図11の説明から明らかなように平箔を挟ん
で対向するロウ材箔相互(例えば、図8、図11の84
1bと841c)は必ずしも重なり部分を有している必
要はない。このため、例えば、図9に示すように、平箔
(810b)を挟んで対向するロウ材箔(841bと8
41c)相互が金属箔積層方向Yから見て重なりを有さ
ないように適宜な間隔(図9、G)をあけて配置するよ
うにしても良い。この場合も、ロウ材箔間の部分Gでは
電流は平箔(810b)を通ってロウ材箔841bと8
41cとの間を流れる。このため、図9のようにロウ材
箔を配置することにより、図8、図11のロウ材箔配置
の場合と同様に、通電時の電流を比較的小さく抑えなが
ら発熱部に電流を集中させて効率的に発熱部温度を上昇
させることが可能となる。図12は、本発明の別の実施
形態を示す。上述の各実施形態では、波箔両側に配置さ
れたロウ材箔は、それぞれ波箔の2つ以上の波頂部をそ
れぞれの側の平箔に接合していた。しかし、本実施形態
では、波箔両側のロウ材箔がそれぞれ波箔の1つの波頂
部のみをそれぞれの側の平箔に接合するようにしてい
る。
【0029】すなわち、本実施形態では、図12に示す
ように波箔820a、820bの両側に配置されたロウ
材箔841aと841b及び841cと841dは、そ
れぞれ波箔の1つの波頂部(A1、B1)のみを平箔
(810a、810b、810c)に接合している。こ
の場合も、波箔の両側のロウ材箔はそれぞれ波頂部A1
と波頂部B1との間の波箔部分を通る単一の電流路のみ
によって結ばれることになり、複数の電流路が波箔中に
並列に形成されることがない。図12のように、波箔の
両側のロウ材箔がそれぞれ波箔の単一の波頂部のみを平
箔に接合するようにした場合には、前述の実施形態のよ
うに1つのロウ材箔が2つ以上の波頂部を平箔に接合す
るようにした場合に較べて波箔の耐久性が向上する利点
がある。すなわち、1つのロウ材箔が波箔の2つ以上の
波頂部を平箔に接合している場合には、触媒担体が高温
になると、接合されている波頂部間の波箔部分が熱膨張
するために波箔に熱応力が生じる場合がある。このた
め、機関の運転、停止が繰り返されると、接合された波
頂部間の波箔部分が繰り返し応力により破断する可能性
がある。
【0030】一方、図12の実施形態では、各ロウ材箔
は波箔の1つの波頂部のみを平箔に接合する構成である
ため、運転中波箔が高温になった場合でも接合部近傍の
波箔に熱応力が生じることがない。このため、本実施形
態によれば、上述の各実施形態と同様に、局所的発熱部
の波箔に複数の電流路が形成されることを防止し、しか
も触媒担体の耐久性を向上することが可能となってい
る。なお、図12では、波箔両側のロウ材箔(841a
と841b、及び841cと841d)が金属箔積層方
向Yから見て互いに重なり部分を有する場合を示してい
るが、本実施形態においても、波箔両側のロウ材箔は重
なり部分を有さないように配置しても良いことはいうま
でもない。
【0031】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、波箔の
両側のロウ材箔を接続する単一の電流路を波箔内に形成
するようにしたことにより、通電電流の増加を防止しつ
つ短時間で触媒の昇温が可能となり、しかも触媒担体内
に形成する局所的発熱部の数を増大させることが可能と
なるという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気加熱式触媒装置の全体構造を示す図であ
る。
【図2】円筒状金属箔積層体の構造を説明する図であ
る。
【図3】図1のIII-III 線に沿った断面図である。
【図4】絶縁箔と生箔との接合方法を説明する図であ
る。
【図5】本発明の一実施形態の電流路の形状を示す図で
ある。
【図6】図5のVI-VI 線に沿った断面図である。
【図7】図5の中心電極近傍と外周の接合領域の形成方
法を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態を示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態を示す図である。
【図10】本発明のロウ材箔の配置の1例を示す図であ
る。
【図11】本発明の更に別の実施形態を示す図である。
【図12】本発明の更に別の実施形態を示す図である。
【図13】従来のロウ材箔と波箔との接合部の配置を示
す図である。
【図14】図13の一部拡大図である。
【符号の説明】
1…電気加熱式触媒装置全体 2…円筒状金属箔積層体全体 3…中心電極 5…ケーシング(外部電極) 10…平箔 20…波箔 41…ジルコニウムロウ材箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−281122(JP,A) 特開 平8−257415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 B01D 53/86 F01N 3/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波板状金属箔と平板状金属箔とを第1の
    金属の酸化物からなる絶縁層を介して交互に積層して金
    属箔積層体を形成し、前記第1の金属より還元作用の大
    きい第2の金属を含むロウ材箔を金属箔の層間に局所的
    に配置し、該ロウ材箔により波板状金属箔と平板状金属
    箔とを前記絶縁層を介して導通可能に接合した触媒担体
    を有する電気加熱式触媒装置において、 各波板状金属箔を挟んで互いに隣接する位置に配置され
    た2つのロウ材箔は、該2つのロウ材箔間に挟まれる波
    板状金属箔中に、該2つのロウ材箔を結ぶ単一の電流路
    を形成するように配置されたことを特徴とする電気加熱
    式触媒装置。
  2. 【請求項2】 前記波板状金属箔を挟んで互いに隣接す
    る2つのロウ材箔の一方は前記波板状金属箔の一方の側
    の少なくとも1つ以上の波頂部を平板状金属箔に接合
    し、前記2つのロウ材箔の他方は前記波板状ロウ材箔の
    他方の側の少なくとも1つ以上の波頂部を平板状金属箔
    に接続し、前記一方の金属箔により平板状金属箔に接合
    される波頂部のグループと前記他方のロウ材箔により平
    板状金属箔に接合される波頂部のグループとは、金属箔
    積層方向から見て、重なることなく互いに連続している
    請求項1に記載の電気加熱式触媒装置。
  3. 【請求項3】 前記波板状金属箔を挟んで互いに隣接す
    る2つのロウ材箔は、金属箔積層方向から見て互いに重
    なる部分を有する請求項2に記載の電気加熱式触媒装
    置。
  4. 【請求項4】 前記波板状金属箔を挟んで互いに隣接す
    る2つのロウ材箔は、金属箔積層方向から見て互いに重
    なる部分を有さない請求項2に記載の電気加熱式触媒装
    置。
JP26072696A 1995-10-02 1996-10-01 電気加熱式触媒装置 Expired - Fee Related JP3337612B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26072696A JP3337612B2 (ja) 1995-10-02 1996-10-01 電気加熱式触媒装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-255377 1995-10-02
JP25537795 1995-10-02
JP26072696A JP3337612B2 (ja) 1995-10-02 1996-10-01 電気加熱式触媒装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09173861A JPH09173861A (ja) 1997-07-08
JP3337612B2 true JP3337612B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=26542176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26072696A Expired - Fee Related JP3337612B2 (ja) 1995-10-02 1996-10-01 電気加熱式触媒装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3337612B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19943976A1 (de) * 1999-09-14 2001-03-15 Emitec Emissionstechnologie Verfahren und Vorrichtung zur stirnseitigen fügetechnischen Verbindung einer Trägermatrix eines Wabenkörpers
DE102004058285A1 (de) * 2004-12-02 2006-06-08 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Verbindungsmaterial zum Positionieren von Lotmaterial, Verfahren zur Herstellung eines Wabenkörpers und entsprechender Wabenkörper
DE102008011261A1 (de) * 2008-02-27 2009-09-03 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Wabenkörper mit flexiblen Verbindungsstellen

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09173861A (ja) 1997-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3277655B2 (ja) 電気加熱式触媒装置
WO1994026455A1 (en) Method of soldering heat resisting alloy having insulating oxide film on its surface, and preheated type exhaust gas cleaning metal support and method of manufacturing the same
JPH056120U (ja) 金属触媒装置
US5851495A (en) Electrically heated catalytic converter for an engine
US5554342A (en) Electrical heating type catalytic device
JP3337612B2 (ja) 電気加熱式触媒装置
JPH09273418A (ja) 電気加熱式触媒装置
KR0140266B1 (ko) 전기적으로 가열되는 엔진용 촉매 컨버터
JP3337591B2 (ja) 電気加熱式触媒装置
JP2018178768A (ja) 内燃機関の触媒装置
JP3119280B2 (ja) 加熱式ハニカム構造体
JP3278184B2 (ja) 通電加熱式触媒装置
JP3130423B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3256734B2 (ja) 通電加熱式触媒担体構造
JP2933392B2 (ja) 表面に絶縁酸化皮膜を有する耐熱合金のろう付け方法ならびに予加熱型排ガス浄化用メタル担体およびその製造方法
JP3318470B2 (ja) 金属箔のろう付けおよびハニカム体のろう付け方法
JP3260898B2 (ja) 通電加熱式触媒コンバータ
JP3474357B2 (ja) 電気加熱担体
JP2960015B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒コンバータ
JP3743334B2 (ja) 電気加熱式触媒装置
JPH081011A (ja) 自己発熱型触媒コンバータ
JP3003456B2 (ja) 通電加熱式触媒担体構造
JP3743333B2 (ja) 電気加熱式触媒装置
JPH05184938A (ja) 通電加熱式触媒コンバータ
JPH0988561A (ja) 電気加熱式触媒装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020716

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees