JP3335607B2 - 分散電源の単独運転検出方法 - Google Patents

分散電源の単独運転検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、上位系統に変電
所を介して配電線が接続され、この配電線に、分散電源
を有する需要家設備が接続された構成の配電系統に適用
されるものであって、分散電源の単独運転を検出する単
独運転検出方法に関し、より具体的には、同一配電系統
に複数台の同一方式の単独運転検出装置が設置された場
合でも、互いの装置による相互干渉を惹き起こすことな
く、分散電源の単独運転検出を正確に行うことができる
ようにする手段に関する。
【0002】
【従来の技術】配電線には、近年、コジェネレーション
(複合発電)設備等の発電設備を有する需要家設備が接
続されるようになってきた。このような発電設備は、分
散電源と呼ばれる。
【0003】系統事故等によって電力会社の変電所の遮
断器が開放されて、上位系統からの電力供給が停止した
ときに、分散電源が運転(即ち単独運転)を続けている
と、上位系統からの電力供給が停止したにもかかわらず
配電線に電圧が印加され続けることになるので、感電事
故等が発生する恐れがある。そこで、第1ステップとし
て、このような上位系統からの電力供給の停止、即ち分
散電源の単独運転を確実に検出する必要がある。更に第
2ステップとして、当該分散電源を配電系統から切り離
す(解列する)必要がある。
【0004】分散電源の単独運転を検出する装置の一例
として、特開平10−248168号公報には、配電系
統に、その基本波電圧に同期しておりしかも当該基本波
の非整数倍次数(換言すれば2.3次、2.4次等の帯
小数次数)の次数間高調波電流を注入し、この注入次数
についての配電系統のインピーダンスまたはアドミタン
スを計測し、このインピーダンスまたはアドミタンスの
変化から、例えば当該インピーダンスが所定の基準値よ
りも大きく(または当該アドミタンスが所定の基準値よ
りも小さく)なったことを検出して、上位系統からの電
力供給停止を判定する、即ち分散電源の単独運転を検出
する単独運転検出装置が記載されている。
【0005】この単独運転検出装置は、本来配電系統に
存在しない(存在しても極めて僅かな)次数間高調波電
流を注入するので、大電流を注入しなくても単独運転検
出が可能であり、従って、電流注入装置の小容量化が可
能であり、かつ配電系統の高調波を増大させずに済むと
いう特長を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】分散電源を有する需要
家設備が増設されること等によって、上記のような単独
運転検出装置が増設されて、同一方式の単独運転検出装
置が同一配電系統に複数台設置される場合がある。
【0007】その場合、従来は各単独運転検出装置にお
いて、次数間高調波電流の注入次数を一定条件の下で
(例えば2.7次未満で)自由に選定していたため、複
数台の単独運転検出装置から同一次数の次数間高調波電
流が同一配電系統に注入されることが起こり得る。
【0008】それが起こると、互いの装置による相互干
渉を惹き起こす。即ち、複数の注入電流が互いに逆相で
相殺し合って、分散電源の単独運転検出を正確に行うこ
とができなくなる恐れがある。また逆に、複数の注入電
流が互いに同相で増強し合って、注入高調波電流が大き
くなって配電系統に悪影響を及ぼす恐れもある。
【0009】そこでこの発明は、同一配電系統に複数台
の同一方式の単独運転検出装置が設置された場合でも、
互いの装置による相互干渉を防止して、分散電源の単独
運転検出を正確に行うことができる方法を提供すること
を主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る単独運転
検出方法は、配電線から需要家設備への引込点に、当該
配電系統の基本波電圧に同期しており、かつ当該基本波
の非整数倍次数の次数間高調波電流を注入する電流注入
装置と、前記引込点から眺めた配電系統の前記注入次数
のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該イ
ンピーダンスまたはアドミタンスの変化から、上位系統
からの電力供給が停止したことを表す供給停止検出信号
を出力する供給停止検出装置とを備える単独運転検出装
置を用いて、分散電源の単独運転を検出する方法におい
て、前記単独運転検出装置の運転を停止した時に、その
時の前記引込点における前記注入次数の高調波電圧の基
本波電圧に対する割合である歪み率を計測して保存する
ステップと、前記単独運転検出装置の運転を再開する時
に、その時の前記注入次数の前記歪み率を計測するステ
ップと、この計測した歪み率が前記保存している歪み率
に対して一定割合以上変化しているか否かを判定するス
テップと、一定割合以上変化していないときは元の注入
次数を維持し、一定割合以上変化しているときは元とは
別の注入次数であって当該次数の前記歪み率が所定の基
準レベル以下のものを選択することによって注入次数を
決定するステップと、この決定した注入次数で前記電流
注入装置および前記供給停止検出装置を運転するステッ
プとを備えることを特徴としている。
【0011】上記単独運転検出装置は、通常、対象とす
る分散電源の運転停止に伴って運転停止が繰り返され
る。
【0012】その場合、この発明の単独運転検出方法に
よれば、当該単独運転検出装置の運転を再開する度に、
その時の引込点における注入次数高調波の歪み率が、前
回停止時に保存した値から一定割合以上変化しているか
否かを判定し、変化しているときは、基準レベル以下の
歪み率の別の注入次数を選択して電流注入および単独運
転検出を開始する。
【0013】これによって、他の同一方式の単独運転検
出装置が同一配電系統に設置され、しかも注入次数が同
一で当該他の単独運転検出装置からの注入電流の影響を
一定以上受ける恐れのある場合は、単独運転検出装置の
運転再開時には注入次数が変更されるので、この影響を
受けることを避けることができる。また、他の単独運転
検出装置へ同様の影響を及ぼすことを避けることもでき
る。即ち、同一配電系統に複数台の同一方式の単独運転
検出装置が設置された場合でも、扱う次数間高調波電流
の次数を互いの装置間で分離する(別にする)ことがで
きるので、互いの単独運転検出装置による相互干渉を防
止して、分散電源の単独運転検出を正確に行うことがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る分散電源
の単独運転検出方法を実施する単独運転検出装置および
計測制御装置を備える配電系統の一例を示す単線接続図
である。
【0015】この配電系統は、上位系統2に変電所4を
介して幾つかの配電線10、11が接続された構成をし
ている。変電所4は、変圧器(バンクトランス)6と、
その2次側と配電線10、11とを接続する遮断器(バ
ンク遮断器)8とを備えている。なお、電圧が7kVを
超える特別高圧の場合の配電線は、実務上は、送配電線
と呼ばれるが、この明細書では、この場合も統一して配
電線と呼ぶことにしている。
【0016】各配電線10、11には、幾つかの一般需
要家設備12、分散電源を有する幾つかの需要家設備1
4、15、および幾つかの力率改善用コンデンサ16等
が接続されている。
【0017】この例では、配電線10に引込点Aで接続
された需要家設備14内に、以下に説明するような単独
運転検出装置31および計測制御装置50を設けてい
る。
【0018】需要家設備14においては、その引込点A
に引込線18および遮断器20を介して構内母線22が
接続され、この構内母線22に変圧器24を介して負荷
25が接続されている。
【0019】更に、構内母線22に遮断器26および連
系用の遮断器28を介して分散電源30が接続されてお
り、通常は、遮断器26および28を閉じて、分散電源
30から当該配電系統の基本波に同期した電力を構内母
線22に供給するようにしている。これを連系運転と呼
ぶ。
【0020】系統事故等の際には、変電所4の遮断器8
が開放される。その際、前述したように、分散電源30
が運転(即ち単独運転)していると、感電事故等が発生
する恐れがあるので、分散電源30の単独運転を確実に
検出し、更には遮断器28を開放して分散電源30を配
電系統から切り離す(解列する)必要がある。
【0021】そのために、この例ではこの需要家設備1
4内に、分散電源30の単独運転を検出する単独運転検
出装置31を設けている。この単独運転検出装置31
は、電流注入装置32と供給停止検出装置42とを備え
ている。
【0022】引込線18には、その電圧および電流を計
測する計器用変圧器40および計器用変流器41が接続
されており、この計器用変圧器40で計測した電圧(計
測電圧)Vt が電流注入装置32、供給停止検出装置4
2および計測制御装置50に供給され、計器用変流器4
1で計測した電流(計測電流)It が供給停止検出装置
42に供給される。
【0023】電流注入装置32は、上記引込点Aに、ひ
いては上記配電線10に、当該配電系統の基本波電圧に
同期しており、かつ当該基本波の非整数倍次数(即ち帯
小数次数)mの次数間高調波電流Im を注入する。
【0024】この電流注入装置32は、具体的にはこの
例では、上記計器用変圧器40からの計測電圧Vt を用
いてその基本波電圧に同期した信号を発生する同期制御
器34と、この信号に基づいて上記基本波に同期してい
る上記次数間高調波電流Imを発生する電流源36と、
この電流源36の電圧と引込線18の電圧とを整合させ
る変圧器38とを備えている。
【0025】この電流注入装置32から注入する次数間
高調波電流Im の次数(即ち注入次数)mは、後述する
計測制御装置50からの制御によって決定することがで
きる。
【0026】供給停止検出装置42は、この例では、上
記引込点Aから眺めた当該配電系統の前記注入次数mの
インピーダンスまたはアドミタンスをそれぞれ演算する
手段と、それによって求めた注入次数mのインピーダン
スまたはアドミタンスの変化から、上位系統2からの電
力供給が停止したことを判定して、上位系統2からの電
力供給が停止したことを表す供給停止検出信号Sを出力
する手段とを備えている。この供給停止検出装置42で
計測する上記インピーダンスまたはアドミタンスの次数
mも、後述する計測制御装置50からの制御によって決
定することができる。
【0027】供給停止検出装置42は、より具体的には
この例では図2に示すように、フィルタ手段44、4
5、アドミタンス演算手段46および判定手段47を備
えている。これらは、例えば、コンピュータおよびそれ
用のA/D変換器等を用いて実現することができる。
【0028】フィルタ手段44、45は、上記計器用変
圧器40および計器用変流器41からの上記計測電圧V
t および計測電流It をそれぞれ受けて、それらの中か
ら上記注入次数mの高調波電圧(計測高調波電圧)Vtm
および高調波電流(計測高調波電流)Itmをそれぞれ抽
出する。
【0029】アドミタンス演算手段46は、上記フィル
タ手段44および45からの計測高調波電圧Vtmおよび
計測高調波電流Itmを用いて、上記需要家設備14の引
込点Aから眺めた上記配電系統の上記注入次数mのアド
ミタンスYm を演算する。即ち、Ym =Itm/Vtmを求
める。
【0030】判定手段47は、例えば、アドミタンス演
算手段46で求めた注入次数mのアドミタンスYm を所
定の基準値Rと比較して、前者(アドミタンス)が後者
(基準値)よりも小さくなったときに、供給停止検出信
号Sを出力する。これは、変電所遮断器8が開放されて
上位系統2からの電力供給が停止すると、配電線10に
接続されていた変電所変圧器6の並列インピーダンスが
無くなって、配電系統のインピーダンスが非常に大きく
なる、換言すれば配電系統のアドミタンスが非常に小さ
くなるからである。これによって上位系統2からの電力
供給停止を判定することができる。
【0031】計測制御装置50は、この例では図3に示
すように、歪み率計測手段52、記憶手段53、判定手
段54、注入次数決定手段55、次数制御手段56およ
び統括制御手段57を備えている。これらは、例えば、
コンピュータおよびそれ用のA/D変換器等を用いて実
現することができる。この計測制御装置50の全体的な
動作は、後で図4および図5を参照して詳述する。
【0032】歪み率計測手段52は、上記計器用変圧器
40からの計測電圧Vt に基づいて、高速フーリエ変換
による周波数分析(FFT解析)を行い、かつ周波数ご
との(即ち1以上の任意の次数pごとの)歪み率Dp
計測する。即ち、基本波電圧をV1 、次数pの高調波電
圧をVp とすると、Dp =(Vp /V1 )×100
[%]を求める。この次数pの一つとして上記注入次数
mが含まれており、従ってこの歪み率計測手段52は、
上記注入次数mの歪み率Dm も計測する。
【0033】記憶手段53は、歪み率計測手段52で計
測した歪み率を記憶(保存)する。
【0034】判定手段54は、歪み率計測手段52で計
測した歪み率が、記憶手段53に保存されている歪み率
に対して一定割合(例えば±10%)以上変化している
か否かを判定する。
【0035】注入次数決定手段55は、判定手段54に
よる判定結果に応じて、上記歪み率が一定割合以上変化
していないときは元の注入次数を維持し、一定割合以上
変化しているときは元とは別の注入次数であって当該次
数の歪み率が所定の基準レベル(例えば0.05%ない
し0.1%)以下のものを選択することによって注入次
数を決定する。
【0036】次数制御手段56は、注入次数決定手段5
5で決定した次数で前記電流注入装置32および供給停
止検出装置42を運転する。より具体的には、電流注入
装置32の電流源36を制御して、決定した次数の次数
間高調波電流Im を当該電流源36から出力させる。ま
た、供給停止検出装置42のフィルタ手段44および4
5を制御して、決定した次数の高調波電圧Vtmおよび高
調波電流Itmを抽出させる。
【0037】統括制御手段57は、この例では、分散電
源30の運転停止情報を受けて、上記歪み率計測手段5
2、記憶手段53、判定手段54、注入次数決定手段5
5および次数制御手段56の動作制御を含む統括制御を
行う。単独運転検出装置31の運転停止制御も行う。
【0038】上記のような単独運転検出装置31および
計測制御装置50を用いて行う単独運転検出方法の一例
を、図4および図5のフローチャートを参照して説明す
る。図5は図4に続くものである。
【0039】まず、単独運転検出装置31の運用を初め
て開始する時は(ステップ60)、次数間高調波電流I
m の注入を行う前に、上記歪み率計測手段52を用いる
等して、引込点Aの電圧のFFT解析を行い(ステップ
61)、各次数の歪み率を計測し(ステップ62)、歪
み率が所定の基準レベル(例えば0.05%〜0.1
%)以下の注入次数mを選択する。基準レベル以下でも
できるだけ歪み率の小さい次数を選択するのが好まし
く、そのようにすれば、単独運転検出のために電流注入
装置32から注入する次数間高調波電流Im が小さくて
もその識別が可能であるので、大電流を注入しなくて済
む。この初期運用開始段階での注入次数mの選択は、1
回行えば良いので、人が行っても良いが、自動で行うよ
うにしても良い。
【0040】次に、単独運転検出装置31の運転を開始
し(ステップ64)、上記注入次数による電流注入装置
32からの次数間高調波電流Im の注入と、供給停止検
出装置42による単独運転検出とを開始する(ステップ
65)。
【0041】その後ある時間が経過して、分散電源30
の運転を停止する時は、その単独運転検出の必要もなく
なるので、単独運転検出装置31の運転も停止する(ス
テップ66)。
【0042】このステップ60から66までの処理は、
従来から行われている。そして従来は、単独運転検出装
置31の運転停止の繰り返しに応じて、ステップ64〜
66の処理を繰り返すだけである。
【0043】ところが、このような従来の方法だと、同
一配電系統に他にも同一方式の単独運転検出装置が設置
されていて、ステップ61の注入前FFT解析実施時
に、当該他の単独運転検出装置が停止中(即ち次数間高
調波電流Im を注入していない状態)であれば、当該他
の装置からの次数間高調波電流Im の注入を考慮するこ
となく、ステップ63において注入次数mの選択が行わ
れることになる。そして、ステップ65の注入・検出開
始後に他の装置からも同一次数の次数間高調波電流が注
入されると、前述したように、互いの単独運転検出装置
による相互干渉を惹き起こす。しかもその後は、従来
は、ステップ64〜66の処理を繰り返すだけなので、
いつまでたっても、この相互干渉を惹き起こす状態から
脱することはできない。
【0044】これに対して、この発明の単独運転検出方
法では、ステップ66に続いて、ステップ67〜77の
処理を行う。これらの処理は、人が行っても良いけれど
も、この例では、前述した計測制御装置50によって自
動で行うようにしている。
【0045】即ち、単独運転検出装置31の運転を停止
した時は、その時の引込点Aの電圧の上記注入次数(こ
れを以下ではm1とする)の歪み率(これを以下ではD
m1とする)を、この例では上記歪み率計測手段52で計
測して上記記憶手段53に保存する(ステップ67)。
【0046】単独運転検出装置31の運転を再開する時
は(ステップ68)、次数間高調波電流Im の注入を行
う前に、上記歪み率計測手段52を用いて、引込点Aの
電圧のFFT解析を行い(ステップ69)、その時の前
記注入次数m1の歪み率Dm1′を計測する(ステップ7
0)。
【0047】そして、この計測した歪み率Dm1′が、ス
テップ67(または76)で保存している歪み率Dm1
対して一定割合(例えば±10%)以上変化しているか
否かを上記判定手段54で判定する(ステップ71)。
一定割合以上変化しているということは、他の単独運転
検出装置から同一次数の次数間高調波電流Im が注入さ
れている可能性があるということである。その場合通常
は、計測歪み率Dm1′は増大するので、上記一定割合を
プラス方向だけにしても良い。例えば10%にしても良
い。
【0048】一定割合以上変化していないときは、相互
干渉の恐れはないので、元の注入次数m1を維持する
(ステップ72)。一定割合以上変化しているときは、
相互干渉の恐れがあるので、それを避けるために、元と
は別の注入次数(これを以下ではm2とする)を選択す
る(ステップ73)。その場合、新たに選択する次数m
2も、その次数の歪み率が前述した所定の基準レベル
(例えば0.05%〜0.1%)以下のものとする。理
由は前記と同様である。このようにして、注入次数を決
定する。これをこの例では注入次数決定手段55で行
う。
【0049】ステップ73における別の注入次数の選択
の仕方のより具体的な例を示すと、ステップ69および
70で計測した複数の各次数ごとの歪み率を表1に示す
ような形で例えば上記記憶手段53に保存しておく。
【0050】
【表1】
【0051】そしてこの表を例えば次数の小さい方から
順に見て、最初に見つけた上記基準レベル以下の歪み率
の次数を選択すれば良い。この表1の例では、上記基準
レベルを0.01%と非常に厳しく設定しており、この
条件を満たす次数の内で最初に見つけるのは2.375
次である。従ってこの次数を選択することになる。ちな
みに、その次に適合する次数は2.875次である。
【0052】次にステップ74に進んで、上記のように
して決定した注入次数(即ち、元のm1または新たなm
2)で電流注入装置32および供給停止検出装置42を
運転する。即ち、電流注入装置32(より具体的にはそ
の電流源36)から注入する次数間高調波電流Im の次
数と、供給停止検出装置42(より具体的にはそのフィ
ルタ手段44および45)で計測する高調波の次数と
を、上記決定した次数に合わせて、単独運転検出装置3
1の運転を開始する。この次数制御をこの例では上記次
数制御手段56で行う。
【0053】その後ある時間が経過して、単独運転検出
装置31の運転を停止した時は(ステップ75)、その
時の歪み率をこの例では歪み率計測手段52で計測して
記憶手段53に保存する(ステップ76)。これはステ
ップ67の処理と同じである。
【0054】その後は、単独運転検出装置31の運用を
続行するか否かを判断し(ステップ77)、続行する時
は、ステップ68に戻って上記処理を繰り返す。続行し
ない時は、処理は終了する。
【0055】この単独運転検出方法によれば、単独運転
検出装置31の運転を再開する度に、その時の引込点A
における注入次数高調波の歪み率Dm が、前回停止時に
保存した値から一定割合以上変化しているか否かを判定
し、変化しているときは、基準レベル以下の歪み率の別
の注入次数を選択して電流注入および単独運転検出を開
始する。これによって、他の同一方式の単独運転検出装
置が同一配電系統に設置され、しかも注入次数が同一で
当該他の単独運転検出装置からの注入電流の影響を一定
以上受ける恐れのある場合は、単独運転検出装置31の
運転再開時には注入次数が変更されるので、この影響を
受けることを避けることができる。また、他の単独運転
検出装置へ同様の影響を及ぼすことを避けることもでき
る。即ち、同一配電系統に複数台の同一方式の単独運転
検出装置が設置された場合でも、扱う次数間高調波電流
m の次数を互いの装置間で分離する(別にする)こと
ができるので、互いの単独運転検出装置による相互干渉
を防止して、分散電源30の単独運転検出を正確に行う
ことができる。
【0056】なお、同一配電系統に上記のような検出方
法を実施する複数台の単独運転検出装置が設置されてい
る場合、複数台の装置でステップ69の注入前FFT解
析を同時に行う可能性がゼロとは言い難い。同時に行う
と、他の装置のことを考慮せずに注入次数が決定される
ことになり、同一注入次数を選択する(即ち注入次数が
バッティングする)可能性がある。しかし、単独運転検
出装置31の運転再開(ステップ68)から注入前FF
T解析開始(ステップ69)までに必要な時間は例えば
0.3秒程度と非常に短いので、上記のようなことが起
こる可能性は極めて低い。
【0057】これを確実に避けるためには、例えば、計
測制御装置50に、乱数発生手段と、歪み率計測手段5
2でのFFT解析をその乱数に応じた時間だけ遅らせる
遅延手段とを設けておき、上記ステップ68と69との
間に、この乱数による遅延時間を設定するようにしても
良い。そのようにすれば、複数台の装置でステップ69
の注入前FFT解析を同時に行う可能性をより一層小さ
くすることができる。FFT解析の時間がずれて、一つ
の装置が先に注入次数を決定すれば、他の装置はその次
数を避けることになる。
【0058】なお、図1の例では、上記のような分散電
源30の単独運転検出から更に進めて、上記供給停止検
出信号Sによって上記遮断器28を開放して、分散電源
30の単独運転を防止するようにしている。但し、この
発明は、分散電源30の単独運転検出が主目的であるの
で、遮断器28を開放する構成は必須ではない。
【0059】また、アドミタンスとインピーダンスとは
互いに逆数の関係にあるだけなので、図2に示した供給
停止検出装置42において、アドミタンス演算手段46
の代わりにインピーダンス演算手段を設けて、引込点A
から眺めた上記配電系統の注入次数mのインピーダンス
m を演算し、判定手段47において、このインピーダ
ンスZm を所定の基準値と比較して、前者(インピーダ
ンス)が後者(基準値)よりも大きくなったときに供給
停止検出信号Sを出力するようにしても良い。
【0060】また、上記判定手段47として、上記のよ
うなものの代わりに、特開平11−252806号公報
に記載されているような判定手段を用いても良い。即
ち、注入次数mのアドミタンスYm またはインピーダン
スZm の変化方向および変化量に従って電力供給停止を
判定するもの、より具体的にはアドミタンスYm が容量
性方向に所定値以上変化したときに供給停止検出信号S
を出力するものを用いても良い。このようなものを用い
れば、変化方向と変化量の両方に基づくので、上位系統
からの電力供給停止判定を、即ち分散電源の単独運転検
出をより正確に行うことができる。
【0061】また、上記判定手段47として、上記のよ
うなものの代わりに、注入次数mのアドミタンスYm
サセプタンスが容量性方向に所定値以上変化したか否か
を判定し、当該サセプタンスが容量性方向に所定値以上
変化したときに供給停止検出信号Sを出力し、そうでな
いときは同アドミタンスのコンダクタンスが正方向に所
定値以上変化したか否かを更に判定し、当該コンダクタ
ンスが正方向に所定値以上変化したときに供給停止検出
信号Sを出力するものを用いても良い。このようなもの
を用いれば、サセプタンスとコンダクタンスの2段階判
定を行うので、配電線10の亘長の長短に拘わらず、上
位系統からの電力供給停止判定を、即ち分散電源の単独
運転検出をより正確に行うことができる。
【0062】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、単独運
転検出装置の運転を再開する度に、その時の引込点にお
ける注入次数高調波の歪み率が、前回停止時に保存した
値から一定割合以上変化しているか否かを判定し、変化
しているときは基準レベル以下の歪み率の別の注入次数
を選択して電流注入および単独運転検出を開始するの
で、同一配電系統に複数台の同一方式の単独運転検出装
置が設置された場合でも、扱う次数間高調波電流の次数
を互いの装置間で分離することができる。その結果、互
いの単独運転検出装置による相互干渉を防止して、分散
電源の単独運転検出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る分散電源の単独運転検出方法を
実施する単独運転検出装置および計測制御装置を備える
配電系統の一例を示す単線接続図である。
【図2】図1中の供給停止検出装置の構成の一例を示す
ブロック図である。
【図3】図1中の計測制御装置の構成の一例を示すブロ
ック図である。
【図4】この発明に係る分散電源の単独運転検出方法の
一例を示すフローチャートであり、図5に続く。
【図5】この発明に係る分散電源の単独運転検出方法の
一例を示すフローチャートであり、図4から続く。
【符号の説明】
2 上位系統 4 変電所 10、11 配電線 14、15 分散電源を有する需要家設備 30 分散電源 31 単独運転検出装置 32 電流注入装置 42 供給停止検出装置 50 計測制御装置 A 引込点 Im 次数間高調波電流 S 供給停止検出信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蓑輪 義文 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−248168(JP,A) 特開 平6−343231(JP,A) 特開 平9−46909(JP,A) 特開 昭64−12824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上位系統に変電所を介して配電線が接続
    され、この配電線に、分散電源を有する需要家設備が接
    続された構成の配電系統に適用されるものであって、 前記配電線から前記需要家設備への引込点に、当該配電
    系統の基本波電圧に同期しており、かつ当該基本波の非
    整数倍次数の次数間高調波電流を注入する電流注入装置
    と、前記引込点から眺めた前記配電系統の前記注入次数
    のインピーダンスまたはアドミタンスを計測し、当該イ
    ンピーダンスまたはアドミタンスの変化から、前記上位
    系統からの電力供給が停止したことを表す供給停止検出
    信号を出力する供給停止検出装置とを備える単独運転検
    出装置を用いて、前記分散電源の単独運転を検出する方
    法において、 前記単独運転検出装置の運転を停止した時に、その時の
    前記引込点における前記注入次数の高調波電圧の基本波
    電圧に対する割合である歪み率を計測して保存するステ
    ップと、 前記単独運転検出装置の運転を再開する時に、その時の
    前記注入次数の前記歪み率を計測するステップと、 この計測した歪み率が前記保存している歪み率に対して
    一定割合以上変化しているか否かを判定するステップ
    と、 一定割合以上変化していないときは元の注入次数を維持
    し、一定割合以上変化しているときは元とは別の注入次
    数であって当該次数の前記歪み率が所定の基準レベル以
    下のものを選択することによって注入次数を決定するス
    テップと、 この決定した注入次数で前記電流注入装置および前記供
    給停止検出装置を運転するステップとを備えることを特
    徴とする分散電源の単独運転検出方法。
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