JP3335505B2 - トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機 - Google Patents
トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機Info
- Publication number
- JP3335505B2 JP3335505B2 JP18956395A JP18956395A JP3335505B2 JP 3335505 B2 JP3335505 B2 JP 3335505B2 JP 18956395 A JP18956395 A JP 18956395A JP 18956395 A JP18956395 A JP 18956395A JP 3335505 B2 JP3335505 B2 JP 3335505B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tunnel
- ring body
- ring
- skin plate
- shield excavator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Description
道,電気,通信,あるいは各種交通等の用途に用いるト
ンネルを新設するにあたり、地中で既設トンネルと新設
トンネルとを接合するときに用いて好適なシールド工法
およびそれに用いるシールド掘削機に関するものであ
る。
は各種交通等の用途に用いるトンネルを新設する場合、
地中において既設トンネルと新設トンネルとを、略T字
状に接合することがある。
は、シールド掘削機で新設トンネルを掘削していき、既
設トンネルの近傍でシールド掘削機の掘進を停止させ、
双方のトンネルの接合部周辺の地盤改良を行った後、シ
ールド掘削機をさらに掘進させて、新設トンネルと既設
トンネルとを接合するようにしている。
トンネルの合流点は、大規模な交差点付近の道路下とな
る場合が多いのが実情である。このような場所には各種
埋設物が存在しているために、トンネルの接合部周辺の
地盤改良はその施工条件が非常に厳しいものとなり、施
工に手間取ったり十分な地盤改良を行うことが困難にな
るという問題がある。そのうえ、地盤改良の完了後に
は、改良されて固くなった地盤中をシールド掘削機で掘
削しなければならないため、非常に掘削効率が悪いとい
う問題も伴っている。
ネルの接合工法として、シールド掘削機のスキンプレー
トの外側に筒状のスライドフードを掘進方向に沿って進
退自在に設けておき、シールド掘削機が既設トンネルに
近接したときに、スライドフードを前進させてその先端
を既設トンネルの側面に当接させることによって周辺地
山の安定を図り、この状態でスライドフード内でトンネ
ルの接合を行うという方法が実施されている。
たような従来のトンネルの接合工法およびそれに用いる
シールド掘削機には、以下のような問題が存在する。ま
ず、シールド掘削機に備えるスライドフードは、その先
端を、既設トンネルの外形形状にあわせて凹部状とする
必要があるが、施工性の見地からいうと、外荷重による
既設トンネルの変形(偏平化)や、シールド掘削機の到
達位置精度誤差に対応するためには、スライドフードの
先端部と既設トンネルとの間にある程度のクリアランス
が必要となる。これに反し、安全性の見地からいうと、
クリアランスを設けるとスライドフードと既設トンネル
とが密着しないことになるため、止水性および地山の安
定性を十分に確保することができない。このようにし
て、従来の技術では施工性と安全性の両立を図るのが困
難であるのが実情である。
外側にあるために、掘進中は周囲地盤との摩擦により、
摩耗や変形等の損傷を受けやすい。このため、新設トン
ネルを掘進していく間に、スライドフードの特に先端部
が損傷した場合、いざ既設トンネルと新設トンネルとを
接合するためにスライドフードを前進させようとしたと
きに、スライドフードが作動できなかったり、所要の機
能を発揮することができないという事態が発生する。し
かも、スライドフードを交換あるいはメンテナンスする
にも、地中においては作業を行うのが非常に困難あるい
は不可能である。このような機械的トラブルは、特に掘
進距離が長い場合や、砂礫地盤を掘進する場合に発生し
やすい。
に当接させた状態で、既設トンネルに開口部を形成し、
これに新設トンネルを接合するが、このとき既設トンネ
ルの開口部には補強を施す必要があり、これにも手間お
よびコストがかかる。
れたもので、既設トンネルと新設トンネルとの接合を容
易かつ確実に行うことができるトンネルの接合工法およ
びそれに用いるシールド掘削機を提供することを目的と
する。
新設トンネルを掘削していき、これを既設トンネルに接
合するに際し、予め、該新設トンネルを掘削するための
シールド掘削機を、その外殻をなす円筒状のスキンプレ
ートの内側に、該スキンプレートの軸線方向に一定長を
有し、その前端部にリング体とスキンプレートとの間か
ら土砂が浸入するのを防止するための土砂シール部材が
配設され、後端部にリング体を貫通させた状態で支持す
る支持部が形成された略筒状の保持部材により、軸線回
りに回転自在かつ該スキンプレートの軸線方向に沿って
進退自在に保持して設けた、円筒状でかつ先端周縁部に
切削手段を備えてなるリング体と、前記スキンプレート
内でかつ前記保持部材の後方に備えて該リング体を掘進
方向に押し出すリング押出手段と、前記リング体の内側
に設けた、地山を掘削するカッタ手段と、このカッタ手
段の回転駆動力を前記リング体に伝達する駆動力伝達手
段とを備えた構成としておき、前記シールド掘削機の前
記カッタ手段で地山を掘削して新設トンネルを掘進して
いき、該シールド掘削機が前記既設トンネルから予め定
めた距離だけ離間した位置に到達したときに、前記リン
グ押出手段で前記リング体を前記既設トンネルに向けて
押し出し、この後に、前記駆動力伝達手段で前記カッタ
手段の回転駆動力を前記リング体に伝達することによっ
て該リング体を回転させつつこれをさらに押し出し、前
記切削手段で前記既設トンネルの覆工体を切削して開口
部を形成することによって該既設トンネルと新設トンネ
ルとを接合させることを特徴としている。このようにし
て、シールド掘削機に備えたリング体の切削手段で既設
トンネルの覆工体を切削して開口部を形成することによ
って、既設トンネルと新設トンネルとをシールド掘削機
によって直接接合することができる。また、リング体の
先端が既設トンネルに当接するのではなく食い込むこと
になるので、高い止水性と地山の安定性を確保すること
ができる。さらに、リング体が保持部材により保持され
てスキンプレートの内側に収められているので、新設ト
ンネルの掘進中に周囲地盤との摩擦によってリング体が
損傷するのを防ぐことができる。
ンネルの接合工法において、前記既設トンネルと新設ト
ンネルとを接合した後、前記リング体を前記既設トンネ
ルに形成した前記開口部に残置することを特徴としてい
る。これにより、残置したリング体によって既設トンネ
ルの開口部を補強することができる。
削し、既設トンネルに接合するためのシールド掘削機で
あって、該シールド掘削機には、その外殻をなす円筒状
のスキンプレートの前部に地山を掘削するためのカッタ
機構が設けられ、前記スキンプレートの内側でかつ前記
カッタ機構の外側に、円筒状でかつ先端周縁部に切削部
材を備えるとともに、その軸線回りに回転駆動されるリ
ング体が、前記スキンプレートの軸線方向に一定長を有
しその前端部にリング体とスキンプレートとの間から土
砂が浸入するのを防止するための土砂シール部材が配設
され後端部にリング体を貫通させた状態で支持する支持
部が形成された略筒状の保持部材に保持されて前記スキ
ンプレートの軸線方向に沿って進退自在に設けられ、該
リング体には、これを前記掘進方向に押し出すためのリ
ング押出機構が前記保持部材の後方に備えられているこ
とを特徴としている。これにより、リング体を回転駆動
させつつこれをリング押出機構で既設トンネルに向けて
押し出すことによって、切削部材で既設トンネルの覆工
体を切削して開口部を形成して、既設トンネルと新設ト
ンネルとを直接接合することができる。また、リング体
が保持部材により保持されてスキンプレートの内側に収
められているので、新設トンネルの掘進中に周囲地盤と
の摩擦によってリング体が損傷を受けるのを防ぐことが
できる。
ールド掘削機において、前記リング押出機構が、前記カ
ッタ機構を押し出すために設けられたカッタ押出機構と
は別に独立して設けられていることを特徴としている。
このようにして、リング押出機構とカッタ押出機構とを
それぞれ独立して設けることによって、これらを一体と
する構成に比較して、カッタ押出機構にかかる負荷を低
減することができる。
を図1ないし図6を参照して説明する。これらの図にお
いて、符号T1は既設トンネル、T2は掘削すべき新設
トンネル、1はシールド掘削機、2はシールド掘削機1
の外殻をなす円筒状のスキンプレートを示している。
キンプレート2の内側には、その前端2aから一定寸法
後方側に、環状のリングガーダ3が一体に設けられてい
る。そして、このリングガーダ3の一定寸法前方には、
スキンプレート2の軸線と直交する面内に位置し、スキ
ンプレート2の内径よりも一定寸法小さな外径を有した
隔壁4が、支持部材5を介してリングガーダ3と一体に
設けられている。
外側には、筒状でスキンプレート2の軸線方向(以下、
これを「掘進方向」と称する)に一定長を有した切削・
補強リング(リング体)6が配設されている。
6の前端には、既設トンネルT1(図1参照)を切削す
るための切削ビット(切削手段,切削部材)7が一体に
設けられている。この切削ビット7には、切削すべき既
設トンネルT1のセグメント(覆工体)の材質、例えば
鋼製,コンクリート製等、に応じ、超硬ビットやウォー
タージェット等が適宜適用される。
位置には、例えば周方向に4箇所の凹部8,8,…が形
成されている。
の外周端縁部と一体に設けられて掘進方向に一定長を有
した略筒状の保持部材9によって、前記軸線方向に進退
自在かつ軸線回りに回転自在に保持されている。保持部
材9は、その前端側に、隔壁4と切削・補強リング6の
間,および切削・補強リング6とスキンプレート2との
間から土砂が侵入するのを防ぐため、リング状の土砂シ
ール部材9a,9aが配設され、後端側に、切削・補強
リング6を進退自在に支持する支持部9b,9bが形成
された構成となっている。
補強リング6は、通常時においては、その前端の切削ビ
ット7がスキンプレート2の前端部2aよりも前方に突
出しないようにスキンプレート2内に収納されている。
に一定間隔毎に、掘進方向前方に向けて伸縮するリング
駆動ジャッキ(リング押出手段,リング押出機構)1
0,10,…がリングガーダ3に保持されて設けられて
おり、これらリング駆動ジャッキ10を伸長させて切削
・補強リング6の後端部を押すことによって、これをス
キンプレート2の前端2aから押し出して突出させるこ
とができるようになっている。
(カッタ手段,カッタ機構)11が駆動軸(カッタ押出
機構)12を介して回転自在に設けられている。図3お
よび図4に示すように、カッタ11は、その前面側に、
地山を掘削するカッタビット13,13,…が設けら
れ、外周側には、その径方向に所定ストロークで伸縮す
る伸縮カッタ14,14,…が設けられた構成となって
いる。
4の後面側に配設された駆動装置15に連結されてお
り、この駆動装置15で駆動軸12を介してカッタ11
を回転駆動させるようになっている。また、この駆動軸
12は掘進方向に沿って伸縮する伸縮機構を有してお
り、これを伸縮駆動させることによって、カッタ11を
掘進方向に所定ストロークで進退させることができるよ
うになっている。
に示すように、駆動軸12(図5参照)を伸縮・回転さ
せて、伸縮カッタ14,14,…を切削・補強リング6
の凹部8,8,…の位置に合わせた後、伸縮カッタ1
4,14,…を外周側に向けて伸ばすことによって、各
凹部8に伸縮カッタ14が嵌まり込むようになってい
る。そして、この状態で駆動装置15によってカッタ1
1を回転駆動させると、その回転駆動力が切削・補強リ
ング6に伝達されて、これが回転するようになってい
る。
たズリを後方に排出する図示しないズリ搬出装置、構築
すべき新設トンネルT2を構成するセグメントSを所定
の形状に組み立てる図示しないセグメント組立装置、組
み立てたセグメントS,S,…に反力をとってシールド
掘削機1を前進させるための前進ジャッキ等が備えられ
ている。
水材注入機構が備えられており、掘進方向前方でかつス
キンプレート2の外周側の地盤中に止水材を注入するこ
とができるようになっている。
を用いて、新設トンネルT2と既設トンネルT1とを接
合する工法について説明する。
機1で、通常のシールド工法と同様にして新設トンネル
T2を、既設トンネルT1に向けて構築していく。この
ときには、切削・補強リング6をスキンプレート2内に
収納しておく。そして、カッタ11の伸縮カッタ14,
14,…を外周側に伸ばし、この状態で駆動装置15で
カッタ11を回転駆動させることによって、カッタビッ
ト13,13,…と伸縮カッタ14,14,…とで地山
を掘削していく。そして、その後方のスキンプレート2
内においては、セグメント組立装置(図示なし)でセグ
メントSを所定形状に組み立てて一次覆工しつつ、前進
ジャッキ(図示なし)で組み立てたセグメントSに反力
をとってシールド掘削機1を前進させていく。
していき、シールド掘削機1が既設トンネルT1に、予
め定めた所定距離まで接近した時点で、その掘進を停止
させる。前記所定距離は、切削・補強リング6をスキン
プレート2から押し出したときに、切削ビット7が既設
トンネルT1に接触せずに若干離れ、かつ凹部8(図2
参照)が伸縮カッタ14と対応するように設定するのが
望ましい。
削機1の前部に備えた止水材注入機構(図示なし)で、
掘進方向前方の周囲地盤Aに止水材を注入する。
4を縮めた後、リング駆動ジャッキ10,10,…を伸
長させることによって、切削・補強リング6を前方に押
し出す。
各伸縮カッタ14を外周側に伸ばし、それぞれを切削・
補強リング6の凹部8,8,…に嵌め込む。
によって、切削・補強リング6をカッタ11と一体に回
転駆動させつつ、駆動軸12を伸ばして切削・補強リン
グ6を既設トンネルT1に押しつけていく。すると、切
削ビット7で既設トンネルT1の覆工体であるセグメン
トが切削されていき、その内側の地山はカッタ11によ
って掘削されていく。そして、既設トンネルT1に開口
部が形成された時点で、切削・補強リング6の前進およ
び回転を停止させる。
ート2と切削・補強リング6のみを残し、他の部分を解
体する。この状態では、止水材および切削・補強リング
6によって、止水性・周囲地山の安定性が確保されてい
る。そして、既設トンネルT1に形成された開口部は、
切削・補強リング6の先端部によって補強された形態と
なっている。
S,スキンプレート2,切削・補強リング6,および既
設トンネルT1の内周面にコンクリートを打設して二次
覆工を行うことによって、新設トンネルT2および既設
トンネルT1の接合が完了する。
ンプレート2の内側に切削・補強リング6が掘進方向に
進退自在に設けられ、この切削・補強リング6には、こ
れを押し出すリング駆動ジャッキ10が備えられた構成
となっている。そして、このシールド掘削機1で新設ト
ンネルT2を掘進していき、既設トンネルT1から所定
距離だけ離間した位置で切削・補強リング6をリング駆
動ジャッキ10で押し出した後、この切削・補強リング
6を、カッタ11の駆動力を伝達して回転させつつ押し
出すことによって、切削ビット7で既設トンネルT1の
セグメントを切削して開口部を形成し、既設トンネルT
1と新設トンネルT2とを接合するようにした。これに
より、シールド掘削機1によって、既設トンネルT1と
新設トンネルT2とを直接接合することができる。した
がって、従来に比較して、既設トンネルT1と新設トン
ネルT2との接合部の周辺地盤の改良等の補助工法を低
減することができ、施工の手間を省いてコストの削減お
よび工期の短縮化を図ることができる。
T1を直接切削するので、切削・補強リング6が既設ト
ンネルT1に単に当接するのではなく食い込むことにな
る。したがって、高い止水性と地山の安定性を確保する
ことができ、既設トンネルT1の変形や、シールド掘削
機1の到達位置の誤差にも対応することができ、従来こ
れらに対応するためにかかっていたコストを抑さえるこ
とができる。
ま残置する構成としたので、これを既設トンネルT1の
補強体とすることができ、通常であれば別途施工する必
要のある開口部の補強工事を省略あるいは最低限のもの
とすることができ、この点からもコストの低減,工期の
短縮化を図ることができる。そして、このように既設ト
ンネルT1の開口部の補強や周辺地盤の改良といった補
強工法を低減することによって既設トンネルT1側から
の作業を少なくすることによって既設トンネルT1が供
用中であっても新設トンネルT1との接合作業を実施す
ることが可能となる。
レート2の内側に設けられた構成となっている。これに
よって、掘進距離が長い場合や砂礫地盤を掘進する場合
等であっても、新設トンネルT1の掘進中に周囲地盤と
の摩擦によって切削・補強リング6が損傷を受けるのを
防ぐことができるので、既設トンネルT1と新設トンネ
ルT2との接合工事を円滑に行うことが可能となる。
ト2の内側に設けることによって、これをスキンプレー
ト2の外側に設けた場合に比較して、切削・補強リング
6の径を小さくすることができる。したがって、切削・
補強リング6を回転させるための駆動力を抑さえること
ができるので、駆動装置15を小型のものとしてコスト
を抑さえることができる。一方、切削される既設トンネ
ルT2側にかかる力(エネルギー)も小さくなるので、
既設トンネルT2の破損といった問題も回避することが
できる。この効果は、掘削すべき新設トンネルT2が大
径であればあるほど顕著なものとなる。
ング駆動ジャッキ10が、カッタ11を押し出すための
駆動軸12に備えられた伸縮機構とは別に独立して設け
られた構成となっている。そして、切削・補強リング6
を既設トンネルT1に向けて押し出すときには、リング
駆動ジャッキ10を用いる構成となっている。もちろ
ん、このときに駆動軸12を伸長させることによって切
削・補強リング6を押し出す構成とすることも考えられ
る。しかし、このような構成とした場合には、駆動軸1
2の伸縮ストロークを大きくとならければならない。駆
動軸12の伸縮ストロークを大きくすればするほど、駆
動軸12が伸びた状態では切削・補強リング6やカッタ
11が既設トンネルT1や地山から受ける反力によるモ
ーメントが増大するため、これに抗するために駆動軸1
2を強化しなければならず、これにともなってシールド
掘削機1の製作コストが上昇してしまうという問題が発
生する。また、この問題を回避するために駆動軸12の
伸縮ストロークを大きくせずに、切削・補強リング6の
凹部8を複数箇所に間隔を隔てて形成し、駆動軸12の
伸縮を繰り返して切削・補強リング6を押し出す構成と
することも可能であるが、この場合には、カッタ11の
伸縮カッタ14を何回も凹部8にかけ変えなければなら
ず、非常に手間がかかるという問題が発生する。これに
対し、上記したように、切削・補強リング6を押し出す
ためのリング駆動ジャッキ10を、駆動軸12に備えた
伸縮機構とは別に独立して設ける構成とすることによっ
て、前記各問題は何ら生じず、シールド掘削機1の製作
コストを抑さえ、かつ施工を容易かつ円滑に行うことが
できる。
グ6を押し出すに先立ち、前方の周囲地盤に止水材を注
入する構成としたが、基本的には切削・補強リング6に
よって止水性および周囲地山の安定性を確保することが
できるので、地質条件によっては止水材の注入を廃した
構成とすることも可能である。また、上記したトンネル
の接合工法およびそれに用いるシールド掘削機1を適用
して構築するトンネルの用途は何ら問うものではない。
ンネルの接合工法によれば、シールド掘削機で新設トン
ネルを掘進していき、既設トンネルから予め定めた距離
だけ離間した位置でスキンプレートの内側に保持部材の
後端部の支持部により保持して回転自在かつ進退自在に
設けたリング体をリング押出手段によって既設トンネル
に向けて押し出し、この後、駆動力伝達手段でカッタ手
段の回転駆動力を伝達してリング体を回転させつつこれ
を押し出して切削手段で既設トンネルを切削することに
よって開口部を形成して、既設トンネルと新設トンネル
とを接合する構成とした。このようにして、既設トンネ
ルと新設トンネルとをシールド掘削機によって直接接合
することができるので、従来に比較して、既設トンネル
と新設トンネルとの接合部の周辺地盤の改良等の補助工
法を低減して、コストの削減および工期の短縮化を図る
ことができる。また、リング体の先端が既設トンネルに
当接するのではなく食い込むことになるので、高い止水
性と地山の安定性を確保することができる。したがっ
て、既設トンネルの変形やシールド掘削機の到達位置誤
差にも対応することができ、従来これに対応するために
かかっていた、リング体の製作費や掘進精度を高めるた
めのコストを抑さえることができる。さらに、リング体
が保持部材により保持されてスキンプレートの内側にお
さめられているので、新設トンネルの掘進中に周囲地盤
との摩擦によってリング体が損傷を受けるのを防ぐこと
ができ、既設トンネルと新設トンネルとの接合工事を円
滑に行うことができる。
ば、既設トンネルと新設トンネルとを接合した後、シー
ルド掘削機に備えたリング体を既設トンネルに形成した
開口部に残置する構成とした。これにより、残置したリ
ング体によって既設トンネルの開口部を補強することが
でき、通常であれば別途施工する必要のある開口部の補
強工事を省略あるいは最低限のものとすることができ、
この点からもコストの低減,工期の短縮化を図ることが
できる。
先端周縁部に切削部材を備えたリング体を、スキンプレ
ートの軸線方向に一定長を有し、前端部に土砂シール部
材が配設され、後端部に支持部が形成された略筒状の保
持部材に、回転自在かつ進退自在に保持して設け、該リ
ング体を掘進方向に押し出すためのリング押出機構とを
備える構成となっている。これにより、リング体を回転
駆動させつつリング押出機構で既設トンネルに向けて押
し出すことによって、切削部材で既設トンネルの覆工体
を切削して開口部を形成して、既設トンネルと新設トン
ネルとを直接接合することができ、請求項1にかかるト
ンネルの接合工法を実現することができる。また、リン
グ体が保持部材により保持されてスキンプレートの内側
におさめられているので、新設トンネルの掘進中に周囲
地盤との摩擦によってリング体が損傷を受けるのを防い
で、既設トンネルと新設トンネルとの接合工事を円滑に
行うことができる。しかも、リング体をスキンプレート
の外側に設けた場合に比較して、リング体を回転駆動さ
せるための駆動力を抑さえることができるので、シール
ド掘削機の製作コストを抑さえることができる。
リング体を押し出すリング押出機構を、該リング体の内
側に設けたカッタ機構を押し出すためのカッタ押出機構
とは別に独立して設ける構成とした。このようにして、
リング押出機構とカッタ押出機構とをそれぞれ独立して
設けることによって、これらを一体とする構成に比較し
て、カッタ押出機構にかかる負荷を低減することができ
るので、シールド掘削機の製作コストを抑さえるととも
に<施工を容易かつ円滑に行うことができる。
用いるシールド掘削機の一例を示す図であって、該シー
ルド掘削機で新設トンネルを既設トンネルから所定より
離間した位置まで構築した状態を示す立断面図である。
る。
ド掘削機のカッタ機構で地山を掘削するときの状態を示
す図である。
体を回転駆動させるときの状態を示す図である。
ールド掘削機に備えたリング体を既設トンネルに向けて
押し出した状態を示す立断面図である。
トンネルの覆工体を切削した状態を示す立断面図であ
る。
出機構) 11 カッタ(カッタ手段,カッタ機構) 12 駆動軸(カッタ押出機構)
Claims (4)
- 【請求項1】 新設トンネルを掘削していき、これを既
設トンネルに接合するに際し、 予め、該新設トンネルを掘削するためのシールド掘削機
を、その外殻をなす円筒状のスキンプレートの内側に、
該スキンプレートの軸線方向に一定長を有し、その前端
部にリング体とスキンプレートとの間から土砂が浸入す
るのを防止するための土砂シール部材が配設され、後端
部にリング体を貫通させた状態で支持する支持部が形成
された略筒状の保持部材により、軸線回りに回転自在か
つ該スキンプレートの軸線方向に沿って進退自在に保持
して設けた、円筒状でかつ先端周縁部に切削手段を備え
てなるリング体と、前記スキンプレート内でかつ前記保
持部材の後方に備えて該リング体を掘進方向に押し出す
リング押出手段と、前記リング体の内側に設けた、地山
を掘削するカッタ手段と、このカッタ手段の回転駆動力
を前記リング体に伝達する駆動力伝達手段とを備えた構
成としておき、 前記シールド掘削機の前記カッタ手段で地山を掘削して
新設トンネルを掘進していき、該シールド掘削機が前記
既設トンネルから予め定めた距離だけ離間した位置に到
達したときに、前記リング押出手段で前記リング体を前
記既設トンネルに向けて押し出し、 この後に、前記駆動力伝達手段で前記カッタ手段の回転
駆動力を前記リング体に伝達することによって該リング
体を回転させつつこれをさらに押し出し、前記切削手段
で前記既設トンネルの覆工体を切削して開口部を形成す
ることによって該既設トンネルと新設トンネルとを接合
させることを特徴とするトンネルの接合工法。 - 【請求項2】 請求項1記載のトンネルの接合工法にお
いて、前記既設トンネルと新設トンネルとを接合した
後、前記リング体を前記既設トンネルに形成した前記開
口部に残置することを特徴とするトンネルの接合工法。 - 【請求項3】 新設トンネルを掘削し、既設トンネルに
接合するためのシールド掘削機であって、 該シールド掘削機には、その外殻をなす円筒状のスキン
プレートの前部に地山を掘削するためのカッタ機構が設
けられ、 前記スキンプレートの内側でかつ前記カッタ機構の外側
に、円筒状でかつ先端周縁部に切削部材を備えるととも
に、その軸線回りに回転駆動されるリング体が、前記ス
キンプレートの軸線方向に一定長を有しその前端部にリ
ング体とスキンプレートとの間から土砂が浸入するのを
防止するための土砂シール部材が配設され後端部にリン
グ体を貫通させた状態で支持する支持部が形成された略
筒状の保持部材に保持されて前記スキンプレートの軸線
方向に沿って進退自在に設けられ、 該リング体には、これを前記掘進方向に押し出すための
リング押出機構が前記保持部材の後方に備えられている
ことを特徴とするシールド掘削機。 - 【請求項4】 請求項3記載のシールド掘削機におい
て、前記リング押出機構が、前記カッタ機構を押し出す
ために設けられたカッタ押出機構とは別に独立して設け
られていることを特徴とするシールド掘削機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18956395A JP3335505B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18956395A JP3335505B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0932464A JPH0932464A (ja) | 1997-02-04 |
JP3335505B2 true JP3335505B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=16243434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18956395A Expired - Lifetime JP3335505B2 (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3335505B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4896069B2 (ja) * | 2008-04-15 | 2012-03-14 | 日立造船株式会社 | シールド掘進機 |
JP2010196356A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Maeda Corp | シールド掘進機 |
CN107956477B (zh) * | 2018-01-11 | 2024-03-19 | 中铁工程服务有限公司 | 盾构联络通道掘进设备 |
CN117167026B (zh) * | 2023-11-03 | 2024-01-23 | 中交第一航务工程局有限公司 | 一种隧道改扩建段斜井工区交叉口反挑顶施工方法 |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP18956395A patent/JP3335505B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0932464A (ja) | 1997-02-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3335505B2 (ja) | トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機 | |
JP3213218B2 (ja) | トンネルの接合工法およびそれに用いるシールド掘削機 | |
JP3444184B2 (ja) | 親子シールド掘進機および同掘進機を用いるシールドトンネルの構築工法 | |
JP2951980B2 (ja) | シールド掘進機を用いるトンネル連結方法 | |
JP3543188B2 (ja) | トンネル掘進機による連絡トンネルの施工方法 | |
CN220133965U (zh) | 用于隧道扩挖的掘进设备 | |
JP3232304B2 (ja) | シールド工法及びシールド掘進機 | |
JP3219746B2 (ja) | 既設トンネル撤去工法及び既設トンネル撤去用シールド掘進機 | |
JP3347810B2 (ja) | シールド坑拡幅工法および装置 | |
JP2612771B2 (ja) | 異径シールドトンネルの地中接合方法 | |
JPH05311995A (ja) | じゃばら鋼板を用いた坑道構造物の構築方法 | |
JPS62291395A (ja) | シ−ルド掘進機のカツタ装置 | |
JP2001271585A (ja) | 地中接合式トンネル掘削機 | |
JP2023106012A (ja) | トンネル掘削機及びトンネル掘削方法 | |
JP3143097B2 (ja) | シールド掘進機の余掘り装置 | |
JP2687136B2 (ja) | シールド掘進機 | |
JPH0967996A (ja) | シールドトンネルの接合工法 | |
JP2002194995A (ja) | シールドマシンにおけるカッタビットの交換方法 | |
JP2969578B2 (ja) | シールド掘削機 | |
JPH11117662A (ja) | 直接地中接合工法用シールド掘進機及び直接地中接合工法 | |
JPH11294069A (ja) | 地中接合型シールド掘進機 | |
JP2003278483A (ja) | 分岐シールド機の発進用筒体及び分岐シールド機の発進方法 | |
JP2860368B2 (ja) | シールド掘削機及びこれを用いたシールド工法 | |
JPH03166491A (ja) | シールド掘進機 | |
JP2003232186A (ja) | シールドマシン及び拡大シールド工法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020625 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110802 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120802 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120802 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802 Year of fee payment: 11 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802 Year of fee payment: 11 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802 Year of fee payment: 11 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |