JP3334387B2 - ファラデーカップ - Google Patents

ファラデーカップ

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JP3334387B2
JP3334387B2 JP32481094A JP32481094A JP3334387B2 JP 3334387 B2 JP3334387 B2 JP 3334387B2 JP 32481094 A JP32481094 A JP 32481094A JP 32481094 A JP32481094 A JP 32481094A JP 3334387 B2 JP3334387 B2 JP 3334387B2
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健治 加藤
哲 西山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、目的物の基体等のイオ
ンビーム被照射体にイオンビーム照射するに当たり、該
被照射体上に照射されるイオンの個数を制御するため
に、イオンビーム電流を測定するファラデーカップに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファラデーカップは図3に示すよ
うに、電流計1を介して接地された一般的にはカップ状
のイオンを捕集する電極(捕集電極)G1を有し、さら
に捕集電極G1の開口部前方に中心部にイオン通過孔G
21が設けられた2次電子抑制電極G2、及びその外側
に中心部にイオン通過孔G31が設けられた制限電極G
3を有している。捕集電極G1、2次電子抑制電極G2
及び制限電極G3は互いに絶縁されている。制限電極G
3は捕集電極G1内に照射されるイオンビームの幅を制
限し、また2次電子抑制電極G2にイオンが照射されな
いようにするためのものであり、その孔G31は2次電
子抑制電極G2の孔G21より小さい。また、2次電子
抑制電極G2には一般的には負電圧を印加することがで
きるようになっており、制限電極G3は接地されてい
る。
【0003】このファラデーカップによると、例えば1
価の正イオンが電極G3、G2の孔G31、G21をそ
れぞれ通過して捕集電極G1に打ち込まれると、この電
荷を中和するための、1個の電子が移動してくる。これ
が電流計1により電流として計測され、その電流値か
ら、捕集電極G1に照射されたイオンの個数を求めるこ
とができる。また、イオンの加速エネルギ、イオン照射
角度、イオン種とイオンが照射される捕集電極G1の材
質との組み合わせ等に依存して捕集電極G1から2次電
子が放出されるが、この2次電子は2次電子抑制電極G
2に印加される負電圧により捕集電極G1に押し戻され
る。これにより2次電子放出による見かけ上のイオン電
流の増加が抑制され、正味の照射イオン個数を測定する
ことができる。
【0004】このファラデーカップを実際にイオン照射
応用装置内で用いる場合、1又は複数を、スパッタター
ゲット、目的物の基体等のイオンビーム被照射体を支持
するホルダ上又はイオン源とホルダとの間に設置し、成
膜、イオン注入等の処理のためのイオンビーム照射前に
予めイオン電流を測定しておき、適した照射条件を定め
る。ファラデーカップを1台のみ設置するときには、そ
の位置でのイオンビーム電流が測定され、複数台用いる
ときは、イオンビーム電流の面内分布を求めることがで
きる。
【0005】捕集電極G1、2次電子抑制電極G2及び
制限電極G3の材質には、一般にステンレススチールS
US304やステンレススチールSUS316といった
ステンレススチールが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ステン
レススチールは窒素(N2 )ガスイオンや酸素(O2
ガスイオン等の活性ガスイオンと反応して窒化物や酸化
物等を生成し易い。ステンレススチールの窒化物や酸化
物等は一般に電気絶縁性物質なので、前記捕集電極にこ
のような活性ガスイオンが照射されて、該被照射面の表
面部分にステンレススチールの窒化物や酸化物等が生成
すると、その後のイオンビーム照射により該表面部分が
帯電し、正確にイオンビーム電流を測定することができ
なくなる。
【0007】このため、ファラデーカップを一定時間使
用するごとに捕集電極のイオンビーム被照射面を研摩し
たり、該面を不活性ガスイオンビームでスパッタクリー
ニングする等して、該面に形成されたステンレススチー
ルの窒化物や酸化物等を除去しており、イオン照射量計
測の作業効率が悪い。そこで本発明は、不活性ガスイオ
ンは勿論のこと、窒素ガスイオンや酸素ガスイオン等の
活性ガスイオンについても、照射されるイオン個数を正
確に、しかも効率よく計測できるファラデーカップを提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明のファラデーカップは、電流計測手段に接続されるイ
オンを捕集する捕集電極の前方に2次電子抑制電極及び
制限電極を有し、該捕集電極に照射されるイオンビーム
のイオンの個数を計測するファラデーカップであって、
該捕集電極は少なくともイオン照射される面がニッケル
(Ni)、白金(Pt)及び金(Au)よりなる群から
選ばれた材質からなることを特徴とする。
【0009】前記捕集電極の少なくともイオン照射され
る面を形成する材料は、ニッケル、白金又は金のいずれ
か1種類であってもよいが、これら材質のうち2種類以
上からなる合金等であってもよい。すなわち、前記捕集
電極の少なくともイオン照射される面は、ニッケル、ニ
ッケルと白金の合金、ニッケルと白金と金の合金よりな
る群から選ばれた材質からなるものとしてもよい。前記
捕集電極は、イオン照射される面がニッケル、白金及び
金よりなる群から選ばれた材質、或いは、ニッケルと白
金の合金、ニッケルと白金と金の合金よりなる群から選
ばれた材質からなっていれば、全体がそのような材質か
らなっていてもよく、また従来のステンレススチール等
からなる捕集電極の表面部分にニッケル、白金及び金よ
りなる群から選ばれた材質、或いは、ニッケルと白金の
合金、ニッケルと白金と金の合金よりなる群から選ばれ
た材質の層が設けられていてもよい。
【0010】
【作用】本発明のファラデーカップによると、捕集電極
の少なくともイオン照射される面が、ニッケル、白金及
び金よりなる群から選ばれた材質、或いは、ニッケル、
ニッケルと白金の合金、ニッケルと白金と金の合金より
なる群から選ばれた材質からなる。これらの材質は化学
的に安定であり、窒素ガスイオンや酸素ガスイオン等の
活性ガスイオンとの反応性が低い。このため、従来のス
テンレススチール等からなる捕集電極を有するファラデ
ーカップにみられるように、このような活性ガスイオン
ビームが捕集電極に照射されて該電極のイオンビーム被
照射面に、電気絶縁性の、該電極材質の窒化物や酸化物
等が生成してその後のイオンビーム照射により捕集電極
のイオンビーム被照射面が帯電するのが抑制される。そ
して、捕集電極表面の帯電による見かけ上のイオンビー
ム電流値の変化が抑制されて、イオンの個数を正確に計
測することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の実施例の概略構成を示す図であ
る。このファラデーカップは図3に示す従来のファラデ
ーカップにおいて、ステンレススチール等からなる捕集
電極G1に代えて、ニッケル、白金又は金よりなる捕集
電極G4を備えたものである。その他の構成及び照射イ
オン個数計測動作も同様である。図1において、図3に
示すと同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0012】このファラデーカップによると、イオンが
制限電極G3及び2次電子抑制電極G2の孔G31、G
21をそれぞれ通過して捕集電極G4に打ち込まれる
と、この電荷を中和するように電子が移動し、これが電
流計1により電流値として計測される。捕集電極G1
は、化学的に安定で、窒素ガスイオンや酸素ガスイオン
等の活性ガスイオンとの反応性が低い材質からなってい
るため、捕集電極G1にこれらのイオンビームが照射さ
れた場合に、該イオンビーム被照射面の表面部分に電気
絶縁性の、該材質の窒化物や酸化物等が生成して、その
後のイオンビーム照射により捕集電極G4のイオンビー
ム被照射面が帯電しようとするのが抑制される。その結
果、図1のファラデーカップは不活性ガスイオンビーム
を照射する場合は勿論のこと、このような活性ガスイオ
ンビームを照射する場合にもイオンの個数を正確に計測
することができると共に、従来のように捕集電極表面に
前記の窒化物や酸化物等が生成してこれを除去するに要
していた手間が省かれ、イオン個数計測の作業効率が向
上する。
【0013】なお、ここでは捕集電極G4全体がニッケ
ル、白金又は金の材質からなっているが、本発明はこれ
に限定されず、捕集電極G4全体がニッケルと白金の合
金、ニッケルと白金と金の合金からなっていてもよく、
捕集電極G4の少なくともイオンビームが照射される面
の表面部分がこのような材質からなっていればよい。
【0014】図2(A)に示すように、窒素ガスイオン
ビームを照射した場合、捕集電極の材質としてそれぞれ
ニッケル、白金、金を採用した図1のファラデーカップ
では、何れも約5.4mAの電流値が計測されたが、捕
集電極の材質としてSUS304を採用した図3のファ
ラデーカップではこれより小さい約4.9mAが、SU
S316を採用した図3のファラデーカップでは約5.
0mAが計測された。
【0015】また、図2(B)に示すように、酸素ガス
イオンビームを照射した場合、捕集電極の材質としてニ
ッケル、白金、金を採用した図1のファラデーカップで
は何れも約4.2mAの電流値が計測されたが、捕集電
極の材質としてSUS304を採用した図3のファラデ
ーカップではこれより小さい約3.8mAの電流値が計
測され、捕集電極の材質としてSUS316を採用した
図3のファラデーカップでは約3.9mAの電流値が計
測された。
【0016】これは、ニッケル、白金、金は化学的に安
定であることから、窒素ガスイオン及び酸素ガスイオン
との反応性が低く同一の正確な電流値が計測されたが、
SUS304、SUS316は、これらの活性ガスイオ
ンと反応して該材質の、電気絶縁性の窒化物及び酸化物
を生成し、その分実際よりも小さな電流値が電流計1に
より計測されたものと考えられる。
【0017】
【発明の効果】本発明によると、不活性ガスイオンは勿
論のこと、窒素ガスイオンや酸素ガスイオン等の活性ガ
スイオンについても、照射されるイオン個数を正確に、
しかも効率よく計測できるファラデーカップを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるファラデーカップの概略
構成を示す図である。
【図2】図(A)は図1、図3に示す各ファラデーカッ
プに窒素ガスイオンビームを照射して計測された電流値
を示す図であり、図(B)は図1、図3に示す各ファラ
デーカップに酸素ガスイオンビームを照射して計測され
た電流値を示す図である。
【図3】従来のファラデーカップ例の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 電流計 G1、G4 捕集電極 G2 2次電子抑制電極 G3 制限電極 G21、G31 イオン通過孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−44931(JP,A) 特開 平3−48190(JP,A) 特開 昭63−221282(JP,A) 実開 平5−20253(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/29

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流計測手段に接続されるイオンを捕集
    する捕集電極の前方に2次電子抑制電極及び制限電極を
    有し、該捕集電極に照射されるイオンビームのイオンの
    個数を計測するファラデーカップにおいて、該捕集電極
    は少なくともイオンビーム照射される面がニッケル、白
    金及び金よりなる群から選ばれた材質からなることを特
    徴とするファラデーカップ。
  2. 【請求項2】 電流計測手段に接続されるイオンを捕集
    する捕集電極の前方に2次電子抑制電極及び制限電極を
    有し、該捕集電極に照射されるイオンビームのイオンの
    個数を計測するファラデーカップにおいて、該捕集電極
    は少なくともイオンビーム照射される面がニッケル、ニ
    ッケルと白金の合金、ニッケルと白金と金の合金よりな
    る群から選ばれた材質からなることを特徴とするファラ
    デーカップ。
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CN104202894B (zh) * 2014-07-29 2016-08-24 北京航空航天大学 一种用于离子推力器测量的法拉第探针
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