JP2825575B2 - 位置有感型分子線束強度測定装置 - Google Patents

位置有感型分子線束強度測定装置

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JP2825575B2 JP33819589A JP33819589A JP2825575B2 JP 2825575 B2 JP2825575 B2 JP 2825575B2 JP 33819589 A JP33819589 A JP 33819589A JP 33819589 A JP33819589 A JP 33819589A JP 2825575 B2 JP2825575 B2 JP 2825575B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、真空蒸着における蒸発源からの分子線束強
度分布を測定する装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、このような分野の技術としては、例えば以下に
示すようなものがあった。
第4図は、この種の分子線束持モニタ(Beam Flux Mo
nitor以下、BFMと略す)の原理的な構成を示す図であ
る。
この図に示すように、BFMは、フィラメント(熱陰
極)1、グリッド(集電子電極)2及びコレクタ(集イ
オン電極)3より構成されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このBFMによって分子線束強度を測定
する場合、第5図に示すように、分子線束4がBFMの有
感領域全体に到達するので、測定すようとする平面内で
分子線束強度の位置による分布があっても、その分布を
測定することができないという問題点があった。
また、第6図に示すように、BFMの前面に幅を限定し
たスリット板5を設けることにより、測定する位置を限
定することも可能であるが、この場合には、BFMの有感
領域を著しく減少させてしまうという問題点があった。
以上述べたように、上記した従来のBFMにおいては、 (1)分子線束強度の位置による分布を測定することが
できない。
(2)スリットを設けて位置分解能を上げると、有感
領域を著しく減少させてしまう。
上記の問題を解決するには、スリットの位置を変え
る必要があり、測定に手間取る。
等の問題点があった。
本発明は、上記した問題点を除去し、分子線束強度の
位置による分布を効率よく測定することができる位置有
感型分子線束強度測定装置を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、分子線エピタ
キシー法を用いて所定基板上に膜を成長させる際に、膜
を成長させる基板面内の分子線束強度分布を測定するた
めの位置有感型分子線束強度測定装置であって、蒸発源
から飛来した分子をイオン化するための電子を発生させ
るフィラメントと、電子の加速および電子の捕獲を行う
ためのグリッドと、イオン化した分子イオンを集電する
ためのものであって、所定間隔で各イオン集電位置に配
置された複数のコレクタと、前記各コレクタ毎にイオン
電流を検出するための手段とを備えるようにしたもので
ある。
(作用) 本発明によれば、上記したように、イオンを集電する
コレクタを適当な間隔或いは位置に多数設け、別々にイ
オンを集電し、電流を測定することにより、BFMの有感
領域を減少させることなく、分子線束強度の平面内の位
置による分布を測定することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。
第1図は本発明の実施例を示す位置有感型分子線束強
度測定装置の概略構成図である。
この図に示すように、位置有感型分子線束強度測定装
置(BFM)10のフィラメント(熱陰極)11は電子源とし
て働く。また、グリッド(陽極)12はフィラメント11か
ら生成した電子を加速し、捕獲すると共に、コレクタ
(集イオン電極)13はBFM10内を運動する電子によっ
て、イオン化されたイオンを集電する。このように、BF
M10に飛来した分子線は電子により電離され、コレクタ1
3で集められ、イオン電流として計測される。イオン電
流はBFM10に到達した分子線の強度(原子・分子の数)
に高精度で比例するので、分子線の強度を知ることがで
きる。
このBFM10では、イオンを集電するコレクタ13を分割
した点に特徴がある。つまり、BFM10に到達した分子・
原子がイオン化され、更にこのイオンがBFM10に到達し
た位置(x)を保持したままコレクタ13に到達するよう
な軌道をとるように電場を作り、各コレクタ13の電流を
別々に測定することにより、位置(x)に分子・原子が
いくつ到達したかを知ることができる。即ち、各イオン
集電位置における分子線束強度を知ることができる。こ
のBFM10の位置分解能(どの程度正確に位置を固定でき
るかを示す物理量)は、コレクタ電極の構成やコレクタ
の幅や各コレクタの間隔等によって決まる。
第2図は本発明の実施例を示す位置有感型分子線束強
度測定装置の回路図である。
この図において、〜は分割されたイオンを集電す
るコレクタ、Aは各コレクタ〜の電流を測る電流
計、E1はフィラメント11を加熱して電子を発生させるた
めの電源、E2はグリッド12に電圧を印加し、フィラメン
ト11から生成した電子の加速及び捕獲を行うために接続
される電源、E3は各コレクタ〜の電流の検出回路に
接続される電源である。
このように構成したので、このBFM10に到達した分子
・原子は、上記したようにして、到達することにより、
イオン電流を検出することができる。この電流は、更に
細かく分割された電源に達する。ここで、各々のコレク
タ13に対してイオン電流I1〜I5を別々に計測することに
より、各コレクタ13に対応する位置における分子線束強
度を測定することができる。電流を測定する回路は、各
コレクタ13のイオン電流が別々に測定できるものであれ
ばよく、図に示したような形式のものである必要はな
い。
第3図は本発明のBFMをMBE(分子線エピタキシ:Molec
ular Beam ・Epitaxy)装置に装備した例を示す図であ
る。
この図に示すように、分子線束強度を測定する時に
は、前記したBFM10を、成膜室20内にセットされる基板2
3の下に移動させて使用する。そして、クヌードセンセ
ル21からの分子線22にBFM10をさらし、これにより、各
イオン集電位置における分子線束強度を測定する。基板
23に膜を成長する際には、クヌードセンセル21からの分
子線束を妨げない位置にBFM10を移動させる。なお、24
は基板を加熱するためのヒータを示している。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、
これらを本発明の範囲から排除するものではない。
(発明の効果) 以上、詳細に説明したように、本発明によれば、コレ
クタを複数個設け、BFMに到達した分子が、その位置
(x)に対応するようにコレクタを配置し、コレクタで
集電したイオン電流をその位置(x)に対応して別々に
検出するようにしたので、 (1)分子線束強度の平面内の位置による分布を測定す
ることができる。
(2)有感領域を減少させず、測定を効率よく行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す位置有感型分子線束強度
測定装置の概略構成図、第2図はその位置有感型分子線
束強度測定装置の回路図、第3図はその位置有感型分子
線束強度測定装置をMBE装置に装備した例を示す図、第
4図は従来の分子線束モニタの原理的な構成を示す図、
第5図はその分子線束強度測定状態を示す図、第6図は
従来の他の分子線束強度測定状態を示す図である。 10……BFM(位置有感型分子線束強度測定装置)、11…
…フィラメント(熱陰極)、12……グリッド(陽極)、
13……コレクタ(集イオン電極)、20……成膜室、21…
…クヌードセンセル、22……分子線、23……基板、24…
…ヒータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/52,14/24 C30B 23/08 G01T 1/29

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子線エピタキシー法を用いて所定基板上
    に膜を成長させる際に、膜を成長させる基板面内の分子
    線束強度分布を測定するための位置有感型分子線束強度
    測定装置であって、 蒸発源から飛来した分子をイオン化するための電子を発
    生させるフィラメントと、 電子の加速および電子の捕獲を行うためのグリッドと、 イオン化した分子イオンを集電するためのものであっ
    て、所定間隔で各イオン集電位置に配置された複数のコ
    レクタと、 前記各コレクタ毎にイオン電流を検出するための手段と
    を 備えたことを特徴とする位置有感型分子線束強度測定装
    置。
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