JP3333129B2 - 電気貯湯容器 - Google Patents

電気貯湯容器

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JP3333129B2 JP00153798A JP153798A JP3333129B2 JP 3333129 B2 JP3333129 B2 JP 3333129B2 JP 00153798 A JP00153798 A JP 00153798A JP 153798 A JP153798 A JP 153798A JP 3333129 B2 JP3333129 B2 JP 3333129B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、断熱保温機能を
備えた電気貯湯容器の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気貯湯容器は、貯湯用の内容器
を外装用の外ケース内に収納設置し、その上部側開口部
を開閉可能な外蓋で覆うとともに、内容器底部側に設け
た加熱手段により内容器を加熱して湯沸し又は保温を行
うように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
電気貯湯容器は、内容器底部に加熱手段を備えているた
めに、内容器の底部側からの加熱による保温機能は保た
れるが、一方、同内容器な保温性が悪く、その分余計な
電力を必要とする。従って、省エネの見地から、上記外
蓋における断熱保温機能の向上が課題となっている。
【0004】本願発明は、このような課題を解決するた
めになされたもので、内容器の開口部を覆う外蓋部分の
断熱保温機能を向上させることによって、特に保温時に
おける加熱手段の電力消費量を低減できるようにした保
温効率の高い電気貯湯容器を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記の課題
を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構
成されている。
【0006】すなわち、本願発明の電気貯湯容器は、外
ケースと、該外ケース内に設けられた内容器と、該内容
器の底部に設けられた加熱手段と、合成樹脂材により形
成されているとともに上部に蒸気放出口を有して上記外
ケースの開口部を覆う外蓋と、該外蓋の下部に上記内容
器の開口を覆うように設けられた金属材よりなる内カバ
ーと、上記外蓋内の下方から上方に、上記蒸気放出口を
介して上記内容器内の蒸気を外部に放出する蒸気放出路
と、該蒸気放出路内の蒸気放出空間内にあって、上記内
容器から上記蒸気放出口に向けて放出される蒸気を迂回
させる蒸気迂回路と、上記内カバーと外蓋との間に設け
られた断熱性シートとからなり、上記蒸気迂回路が、断
熱性シートにより形成されていることを特徴としてい
る。
【0007】すなわち、本願発明の電気貯湯容器の構成
では、先ず、合成樹脂材により形成され上部側に蒸気放
出口を有してなる外蓋内の下方から上方に、上記蒸気放
出口を介して蒸気を放出する蒸気放出路を設けていると
ともに、該蒸気放出路の蒸気放出空間内に、上記下方側
内容器から上記上方側蒸気放出口に向けて放出される蒸
気を迂回させる蒸気迂回路を形成しているので、外部に
放出される蒸気を当該迂回路を通して迂回させながら時
間をかけて排出できるようになる一方、当該迂回路の迂
回流路空間により上記蒸気放出口を介して外部に連通し
ている上記蒸気放出路の蒸気放出空間自体が断熱機能を
発揮するようになり、外蓋部分の断熱性が高くなる。
【0008】また、本願発明の構成では、上記構成にお
ける内カバーと外蓋との間には断熱性シートが設けられ
ており、内容器の開口部を覆い、直接蒸気が接触し、し
かも熱伝導性が高い金属材よりなる内カバーが、上記外
蓋との間において断熱性の高い断熱性シートにより断熱
されるようになるので、従来内容器内から外蓋を介して
外部に生じていた放熱ロスが有効に低減されるようにな
る。
【0009】しかも、本願発明の構成では、上述の構成
における蒸気迂回路が、特に断熱性シートによって形成
されているので、蒸気迂回路それ自体としての断熱性も
高く、さらに上記蒸気放出路部分の断熱性能が向上す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明の実施の形態に
係る電気貯湯容器の蓋ユニット部の構造を示している。
【0011】この電気貯湯容器は、図1に示すように、
容器本体1と該容器本体1の上部に開閉自在に枢支され
た蓋ユニット2とからなっている。
【0012】容器本体1は、外装部を形成する円筒状の
外ケース3と、貯湯部を形成する内容器4とを備えてお
り、上記外ケース3の底部は、合成樹脂製の底部材によ
り覆蓋されている。
【0013】上記内容器4の底面部には、当該内容器4
内に収容された水を加熱するための湯沸し及び保温用の
加熱手段であるヒータが付設されている(図示省略)。
【0014】また、この内容器4の底面部側方には、湯
沸し後保温中の湯を外部へ注出するための湯注出通路の
湯吸入口部が開口せしめられている。そして、該湯注出
通路の下流側湯吐出口部は、所定の水位センサを介して
上記容器本体1前面側の本体口部10内に設けられた湯
注出口部8側の安全用開閉バルブ(転倒止水用の電磁
弁)9部分に連通せしめられている。
【0015】上記本体口部10は、図示のように上口部
材10aと下口部材10bとを上下に嵌合一体化して形
成されており、それらの間の内部空間を利用して上記安
全用開閉バルブ9および湯注出口部8が注出方向に設け
られている。そして、上記上口部材10aの上面部側に
は各種の操作スイッチ類5aが、またその裏側には該操
作スイッチ類5aに対応した電装品収納ボックス5bが
設けられている。
【0016】そして、この電気貯湯容器おいては、上記
内容器4内に収容された水をヒータにより加熱して沸騰
させることにより湯沸しを行ない、かつ所定時間のカル
キぬきを行った後、予じめ設定された保温温度の保温状
態に保持するとともに、必要に応じて給湯ポンプを作動
させることによって、該給湯ポンプにより内容器4内の
湯が上記湯吸入口部、湯注出通路、安全用開閉バルブ9
を介して湯注出口部8から外部へ注出されるようになっ
ている。
【0017】一方、上記蓋ユニット2は、外蓋本体が合
成樹脂製の上板11と該上板11の下部に一体化された
同じく合成樹脂製の下板12とからなり、該外蓋本体の
下板12の下部に金属製の内カバー13を一体化して構
成されており、上記上板11の後端部11aをヒンジ部
14を介して上記本体側外ケース1の上部に取付けられ
た肩部材15の後端部15aに対し、上下方向に開閉可
能に軸着して設けられている。
【0018】上板11には、その中央部よりも若干後方
に寄った位置においてグリル構造の蒸気放出口16が下
面側に仕切りリブ16a,16a・・を有して凹状に設
けられているとともに、さらに、前方部位置において所
定深さの凹溝部17を形成し、該凹溝部17の前部側に
蓋ユニット開閉機構18が設けられている。この蓋ユニ
ット開閉機構18は、先ず上記凹溝部17の前部位置上
方にあって上記上板11と同一平面状態に設けられたロ
ック解除操作レバー19を有し、該ロック解除操作レバ
ー19の前部下面側前後方向に、長さの長いロック部押
圧片19aと長さの短かいストッパ片19bとをそれぞ
れ所定の間隔を保って並設しており、それらの間の左右
両側壁部に一体形成されている支軸20,20を上記上
板11の凹溝部17の両側壁部の穴に対し遊嵌して回転
可能に支持されている。
【0019】そして、上記ロック解除操作レバー19の
後部側操作端19cを上方に持ち上げて前方側上記注出
口8方向に回動させると、上記支軸20,20を支点と
して上記ロック部押圧片19aの下端が後方に回転し、
後述するロック機構の作動部材21を後方側ロック解除
方向に押圧して、同ロック機構による上記蓋ユニット2
のロック状態を解除するようになっている。
【0020】また、このロック解除操作レバー19の後
方側には、同レバー19の弧回動操作のための指挿入凹
部30が形成されている。
【0021】一方、下板12は、図示のように、その前
部部分12aの上方部側凹部が、上記上板11側の上記
凹溝部17の収容空間を形成し、それによって上記蓋ユ
ニット開閉機構18を収納可能としている。そして、同
凹部上の上記ロック解除操作レバー19の下方位置には
前後方向に延びた作動部材ガイド溝23が設けられてお
り、該作動部材ガイド溝23内に上記作動部材21がコ
イルバネ24を介して当該凹部の後部側隔壁25との間
で常時前方(ロック方向)に付勢された状態で前後方向
にスライド可能に収納されている。そして、その下面側
には内カバー取付部22が下方に延設されている。
【0022】上記作動部材21は、その前端部両側に一
対の爪状のロック片21a,21aを備え、上記蓋ユニ
ット2が閉じられることにより該ロック片21a,21
aが上記前方側上口部材10aの後部壁27に形成され
ている図示しないロック片係合穴と対応した時に、コイ
ルバネ24の付勢力により前方側ロック方向に突出させ
て係合し、ロック作用を果たすようになっている。一
方、この状態から上記作動部材21が、上記のようにロ
ック解除操作レバー19の回動により上記ロック部押圧
片19bを介してコイルバネ24の付勢方向と反対側ロ
ック解除方向に押圧されると、上記ロック片21a,2
1aを後退させてロック状態を解除するようになってい
る。
【0023】一方、上記下板12の中央部から後方部部
分は、下方から上方側上記蒸気放出口16の下方部付近
まで深く膨出成形されて蒸気放出路としての蒸気パイプ
部42を形成し、その内側には蒸気放出空間(蒸気放出
路)を形成している。
【0024】この蒸気放出空間部は、緩やかな傾斜面を
有した漏斗形状の仕切板43と内カバー13とによって
先ず上下2室44,45に大きく区画され、同仕切板4
3中央の開口43aによって相互に連通せしめられてい
る一方、上室44側は、さらに上下方向に相互に所定の
間隔を保って設けられた発砲ポリエチレン等の断熱材よ
りなる2枚の断熱性シート51,52によって上下3室
に区画され、それらの各々に相互に反対方向に位置を変
えて形成された多数の穴51a,51a・・・、52
a,52a・・・によって相互に連通せしめられてい
る。
【0025】その結果、結局蒸気放出路である上記蒸気
パイプ42内の蒸気放出空間は、上記蒸気放出口16と
対向し、下方から上方に相互に迂回しながら矢印のよう
に蒸気が流れる第1〜第4の4組の蒸気流路61〜64
が形成されることになる。
【0026】また、この蒸気放出空間部の最上方側第4
室64内の蒸気放出口16の下方部部分には、後部上方
から前部下方に下降傾斜し、下降端側で開口し、蒸気放
出口16に連通させる蒸気遮蔽板47が設けられてい
る。
【0027】そして、上記仕切板43中央の開口43a
下部には転倒止水弁46が設けられているとともに、該
転倒止水弁46に対応する内カバー13部分は若干下方
に膨出され、該膨出部の中央部とその外周囲には複数の
蒸気穴が形成されている。
【0028】上記転倒止水弁46は貯湯容器転倒時に
は、上記仕切板43の開口43aを塞ぎ、上記蒸気放出
口16側への湯の漏出を防止する。
【0029】そして、以上のように構成された蓋ユニッ
ト2の下面側(下板12の下面側)全面には例えば発泡
ポリエチレン等の断熱材よりなる断熱性シート65を介
して外周縁部側面をも取り巻くように上記内カバー13
が内カバー取付部22,22・・・を利用してビスネジ
85により一体に取付けられている。
【0030】なお、符号48は上記蓋ユニット2の下部
に上記内カバー13の外周縁に嵌合して取付けられたポ
リカバーパッキンである。
【0031】そして、上記断熱性シート65および内カ
バー13には、それぞれ蒸気放出空間に通じる蒸気逃が
し穴13a,13a・・・が設けられている。
【0032】したがって、以上の構成によると、次のよ
うな作用効果を得ることができる。
【0033】(1) 蓋ユニット2の合成樹脂製の下板
12と直接蒸気が接触し、熱伝導性が高い金属製の内カ
バー13との間が、内カバー13の上面側に設けられた
発泡ポリエチレン等の断熱性の高い断熱性シート65に
より断熱されるようになるので、従来内容器4内から蓋
ユニット2を介して外部に生じていた放熱ロスが有効
に、低減される。
【0034】(2) 外部に連通している蒸気放出路で
ある蒸気パイプ42内の蒸気放出空間部が第1室61〜
第4室64の4層の多層室構造となり、それ自体が断熱
構造を形成するようになるとともに、さらに第2室62
から第4室64までの間は断熱性の高い上下2枚の断熱
性シート51,52によって画成されているので、当該
蒸気パイプ42内の蒸気放出空間の断熱性も向上する。
【0035】(3) さらに、上記蒸気パイプ42内の
多層構造の蒸気放出空間部は、それぞれ迂回流路を形成
しており、外部に放出される蒸気を多層状態で複数回迂
回させながら、時間をかけて排出するようになっている
ので、熱および結露成分の回収および捕集が容易にな
る。また、該迂回流路の主たる部分(第3室)は断熱性
シート51,52により形成され、その外周囲が上記断
熱空間(断熱部)としての第1室および第2室62と第
4室64とによって囲まれているので、より確実に断熱
性が向上する。
【0036】(4) 以上の結果、外蓋の放熱ロスが低
減されて、保温性能が向上し、電力消費量が低減され
る。
【0037】なお、以上の構成における各断熱性シート
51,52、65は、上述のような発泡ポリエチレンを
シート状に形成したもののほか、例えばセラミックペー
パーを採用することもでき、セラミックペーパーは、原
材料であるセラミックファイバーより、未繊維化粒子
(ショット)を除去し、少量の有機バインダーと有機繊
維で抄紙して形成されたもので、表面の平滑性が高
く、厚みが平均化されている、表面飛散、端面飛散が
ほとんど無い、形状が安定している、コシが強く作
業性が良い、圧縮弾性に優れ(特に高温域)機密性が
高い、特徴を有しており、本実施の形態のような電気貯
湯容器において使用される断熱性シートとして好適であ
る。
【0038】また、このようなセラミックペーパーのほ
か、さらに基材(ガラス繊維フェルト)にポリエステル
不織布をニードルパンチにて合成し、シリコンベースの
処理剤にてディッピングしたガラス繊維シートを用いて
もよい。この断熱性シートも、表面の平滑性が高く、
厚みが平均化されている、表面飛散、端面飛散がほと
んど無く、ガラス繊維特有のカユミが感じられない、
引張り強度が強い、層間強度が強く、形状が安定して
いる、コシが強く作業性が良い、圧縮弾性に優れ
(特に高温域)機密性が高い、特徴を有しており、やは
り本実施の形態のような電気貯湯容器において使用され
る断熱性シートとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る電気貯湯容器の蓋
ユニット部の断面図である。
【符号の説明】
1は容器本体、2は蓋ユニット、3は外ケース、4は内
容器、11は外蓋上板、12は外蓋下板、13は内カバ
ー、16は蒸気放出口、42は蒸気パイプ部(蒸気迂回
路)、51,52は断熱性シート、65は断熱性シート
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−113962(JP,A) 特開 昭62−109517(JP,A) 特開 平1−270822(JP,A) 特開 平9−238840(JP,A) 特開 昭63−135111(JP,A) 特開 平4−336011(JP,A) 実開 平2−29635(JP,U) 実開 平1−92927(JP,U) 実開 昭56−155715(JP,U) 実開 昭60−47419(JP,U) 実開 昭63−8841(JP,U) 実開 昭63−12320(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21 A47J 41/00,41/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外ケースと、該外ケース内に設けられた
    内容器と、該内容器の底部に設けられた加熱手段と、合
    成樹脂材により形成されているとともに上部に蒸気
    口を有して上記外ケースの開口部を覆う外蓋と、該外蓋
    の下部に上記内容器の開口を覆うように設けられた金属
    材よりなる内カバーと、上記外蓋内の下方から上方に、
    上記蒸気出口を介して上記内容器内の蒸気を外部に放
    出する蒸気放出路と、該蒸気放出路内の蒸気放出空間
    あって、上記内容器から上記蒸気出口に向けて放出
    される蒸気を迂回させる蒸気迂回路と、上記内カバーと
    外蓋との間に設けられた断熱性シートとからなり、上記
    蒸気迂回路が、断熱性シートにより形成されていること
    を特徴とする電気貯湯容器。
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