JP3332913B2 - 磁性記録媒体 - Google Patents
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Description
配向状態によって情報を記録する磁性記録媒体に関す
る。
磁気記録媒体や光磁気記録媒体等、磁性材料の磁化の配
向状態によって情報を記録する磁性記録媒体及びその記
録再生装置が注目されている。近年これらの磁性記録媒
体の記録密度を高めて更に大容量の記録媒体とする要求
が高まっている。
ザの熱エネルギーを利用して磁性薄膜に磁区を書き込ん
で情報を記録し、磁気光学効果を使って記録情報を読み
出す。一般に、光記録媒体の線記録密度は、再生光学系
のレーザ波長及び対物レンズの開口数NAに大きく依存
する。すなわち、再生光学系のレーザ波長λと対物レン
ズの開口数NAが決まるとビームウェストの径が決まる
ため、信号再生可能な記録ピットの空間周波数は2NA
/λ程度が限界となってしまう。
を実現するためには、再生光学系のレーザ波長を短くす
るか対物レンズの開口数を大きくする必要がある。しか
しながら、レーザ波長を短くするのは素子の効率、発熱
などの問題で容易ではなく、また対物レンズの開口数を
大きくすると、焦点深度が浅くなるなどして機械的精度
に対する要求が厳しくなるという問題が生じる。
数を変えずに、記録媒体の構成や再生方法を工夫して記
録密度を改善する、いわゆる超解像技術が種々開発され
ている。
は、磁気的に結合される再生層と記録保持層とを有して
なる多層膜の、記録保持層に信号記録を行うとともに、
再生層の磁化の向きを揃えた後、レーザー光を照射して
加熱し、再生層の昇温領域に、記録保持層に記録された
信号を転写しながら読み取る信号再生方法が提案されて
いる。
ポット径に対して、このレーザーによって加熱されて転
写温度に達し信号が検出される領域は、より小さな領域
に限定できるため、再生時の符号間干渉を減少させ、光
の回折限界以下の周期の信号が再生可能となる。
解像方式は、いずれの方式も再生光の一部をマスクし、
実質的にピットを読み取るアパーチャを小さな領域に制
限する事により解像能力を上げるという方法をとってい
たため、マスクした部分の光は無駄になり、再生信号振
幅が小さくなるという問題があった。つまり、マスクし
た部分の光は再生信号に寄与しないため、分解能を上げ
ようとしてアパーチャを狭めるほど有効に使われる光が
減少し、信号レベルが下がるという問題があった。
特開平6−290496において、特殊な磁性記録媒体
を用いて、記録マークの境界部に存在する磁壁を温度勾
配によって移動させ、この磁壁移動を検出することによ
り、高密度記録信号を再生する方法を提案している。
く異なる新規な再生方法であるため、その詳細な条件等
については未知な部分が多かった。
の再生方法について鋭意検討を重ねた結果、記録媒体の
材料物性並びにその再生条件等に関してより詳細な知見
を得るに至った。本発明は、上記特開平6−29049
6に示された機能を安定に実現するためのより適正化さ
れた条件を開示することにより、高密度記録再生が可能
な磁性記録媒体並びにその再生方法を提供することを目
的とする。
動可能な移動層と、情報に応じた記録磁区を保持するメ
モリ層と、前記移動層とメモリ層の間に配置され、これ
ら両層よりキュリー温度が低い遮断層とを備え、前記遮
断層のキュリー温度以上の領域において前記メモリ層か
ら移動層に転写された記録磁区の磁壁を移動させて前記
記録磁区を拡大させることにより前記情報の再生を行う
磁性記録媒体において、前記移動層は希土類−鉄族元素
非晶質合金で構成され、室温における組成が磁壁が移動
する温度領域内で希土類元素副格子磁化と鉄族元素副格
子磁化とが補償される組成であることを特徴とする磁性
記録媒体に関する。
層は移動層、第2の磁性層は遮断層、第3の磁性層はメ
モリ層に対応する。
おける作用を説明するため模式図である。
式的断面図である。この媒体の磁性層は、第1の磁性層
11、第2の磁性層12、第3の磁性層13が順次積層
されてなる。各層中の矢印14は原子スピンの向きを表
している。スピンの向きが相互に逆向きの領域の境界部
には磁壁15が形成されている。
成される温度分布を示すグラフである。この温度分布
は、再生用に照射される光ビーム自身によって媒体上に
誘起されるものでもよいが、望ましくは別の加熱手段を
併用して、再生用の光ビームのスポットの手前側から温
度を上昇させ、スポットの後方に温度のピークが来るよ
うな温度分布を形成する。ここで、位置Xsにおいて、
媒体温度がTsに達しており、位置Xsより後方(図で
は左側)のTsより高温側の領域では、第1の磁性層と
第3の磁性層との間の界面磁壁エネルギー密度σw13
が0erg/cm 2になっている。この温度Tsは、第
2の磁性層のキュリー温度や膜厚を調整することで制御
され、一般的には第2の磁性層のキュリー温度近傍の温
度になる。
応する第1の磁性層の磁壁エネルギー密度σ1の分布を
示すグラフである。この様にX方向に磁壁エネルギー密
度σ1の勾配があると、位置Xに存在する第1の磁性層
の磁壁に対して下記式から求められる“磁壁駆動力”F
1が作用する。
ー密度をσ2及びσ3とすると、これらの磁性層の磁壁
に対しても、下記式から求められる磁壁駆動力F2及び
F3が作用する。
せるように作用する。
Xにおける温度の関数としてG(T)と表した時、 G(T)<k3(T)(式4) を満たし、かつ、少なくともTs以上の所定の温度範囲
において、 G(T)>k1(T)(式5) を満たすように温度分布を形成しておく。但し、cgs
単位系で表された温度Tにおける第1の磁性層の飽和磁
化、磁壁抗磁力、及び膜厚を、それぞれMs1、Hw
1、及びh1とし、同じく第3の磁性層の飽和磁化、磁
壁抗磁力、及び膜厚を、それぞれMs3、Hw3、及び
h3とし、該第1の磁性層と該第3の磁性層との間の界
面磁壁エネルギー密度をσw13として、 k1(T)=(2Ms1*Hw1+σw13/h1)/|dσ1/dT|( 式6) k3(T)=(2Ms3*Hw3−σw13/h3)/|dσ3/dT|( 式7) である。k1(T)は、第1の磁性層の磁壁を移動させ
るのに必要な最小の温度勾配であり、k3(T)は、第
3の磁性層の磁壁が移動せずにいられる最大の温度勾配
である。
は、磁壁の移動を妨げる“摩擦力”である。
の交換相互作用により第3の磁性層が受ける力、(式
9)の右辺第2項は、第3の磁性層との交換相互作用に
より第1の磁性層が受ける力である。
温度分布のいかなる温度範囲においても摩擦力が支配的
であるため、磁壁は終始固定されている。
Tsより僅かに低い温度)以下の温度範囲、即ち位置X
sより後方(図では右側)の領域では、第3の磁性層と
の交換相互作用により第1の磁性層が受ける力((式
9)の右辺第2項)が大きいため、第3の磁性層中の磁
壁と同じ位置に固定されたままでる。
磁性層との交換相互作用により第1の磁性層が受ける力
が弱まり、Ts以上の所定の温度範囲では、第1の磁性
層は磁壁駆動力が支配的になって(式9)が成立し、第
1の磁性層中の磁壁が高温側の磁壁エネルギーの低い領
域に向かって移動する。
ねキュリー温度以上になるので、磁壁自体が存在しなく
なる。
で冷却された後には、第3の磁性層に保存されていた磁
化状態が、第1の磁性層に再転写され、情報の保存と繰
り返し再生が可能になる。
は、媒体条件として、少なくとも温度Ts以上の所定の
温度範囲において、k1(T)<k3(T)を満たす必
要がある。
抗磁力の小さな材料で構成し、第2の磁性層を、第1及
び第3の磁性層よりもキュリー温度の低い材料で構成す
ることにより、容易に上記条件を満足する磁性記録媒体
を得ることができる。
温度勾配k1(T)の値として、無制限に大きな値を許
容することはできない。k1(T)が大きいと、磁壁を
僅かに移動させるだけで第1の磁性層のキュリー温度ま
で昇温させてしまうことになり、検出するのに充分な距
離にわたって磁壁を移動させられないからである。
効果を利用する場合、照射する再生用の光ビームスポッ
ト16のサイズが現行の通常技術では最小で1μm程度
であるから、少なくとも0.2μm程度の距離にわたっ
て磁壁を移動させないと、検出するのが困難である。
(将来的に、より微小な光スポットを形成できる技術が
確立された場合や、磁壁の移動を検出する方法として磁
気誘導等を利用する場合には、この限りではない。) 0.2μm以上の距離にわたって磁壁を移動させるため
には、温度Ts以上の適当な温度Tpを選んだ時に、少
なくともTs以上、Tp以下の温度範囲において、 k1(T)<k3(T) かつ、
する前述の条件に加えて、温度Ts以上の適当な温度T
p’を選んだ時に、少なくともTs以上、Tp’以下の
温度範囲において、 G(T)>k1(T) かつ、
を付与すれば、0.2μm以上の距離にわたって磁壁が
移動する。
は動きやすくなるので、緩い温度勾配で長い距離にわた
って磁壁を移動させることが可能になる。しかし、キュ
リー温度近傍の温度では磁性が弱まるので、磁壁がいく
ら移動しても検出するのが困難である。
りも少なくとも10℃程度低い温度範囲で上記の条件が
満たされる必要がある。検出レベルを向上させるために
は、望ましくは第1の磁性層のキュリー温度よりも20
℃程度、更に望ましくは30℃程度以上低い温度範囲で
上記の条件が満たされるのがよい。
な温度分布を走査すると、図1(a)に示す様に、情報
に対応した間隔で形成されている各磁壁15が、位置X
sに到達する度に、破線矢印17で示した様に、高温領
域ヘの磁壁移動が起こる。この磁壁の移動を検出するこ
とにより、情報を再生することができる。但し、温度分
布の走査速度は、磁壁が移動する速度に比べて充分に遅
くしておく。
て行くので、磁壁の移動距離を再生スポットサイズと同
等以上にしておくだけで、分解能は再生スポットサイズ
と無関係に向上させることが可能であり、光学的回折限
界の制約から完全に解放される。
構成される本発明の磁性記録媒体について説明したが、
以下に述べるように、第1の磁性層を、第2の磁性層に
近づくほどキュリー温度が低くなるような膜厚方向のキ
ュリー温度勾配を有する磁性層で構成してもよい。
い側から順に第11構成層、第12構成層・・・、第1
n構成層よりなるn層の構成層で構成する。第1i構成
層のキュリー温度をTcli、膜厚をhli、磁壁エネ
ルギー密度、飽和磁化、及び磁壁抗磁力を、それぞれσ
li、Msli、及びHwliとする。Tc11<Tc
12<・・・<Tclnであるから、第1の磁性層は、
キュリー温度に達した構成層によって構成層間の交換結
合が分断されることはない。従って、安定な結合状態が
維持される限りは、第1の磁性層は単一の磁性層とみな
すことができる。
ネルギー密度、飽和磁化、磁壁抗磁力、及び膜厚を、そ
れぞれσ1、Ms1、Hw1、及びh1とすると、下式
が成り立つ。
構成される場合と同様にして、作用を説明することがで
きる。
壁駆動力が摩擦力に対して支配的になる。第1の磁性層
を上述のような構成にすると、第1n構成層のキュリー
温度に対して充分に低い温度で磁壁駆動力が摩擦力を上
回るようにすることができるので、媒体の設計が容易に
なり、動作も安定化させることができるのである。
て発生する磁壁駆動力と、磁壁抗磁力による摩擦力と、
磁性層間の交換相互作用による力との三者の間の支配関
係のみで、磁壁の挙動を説明してきたが、実際には、反
磁界や外部磁界による影響がある。また、磁区が閉じた
磁壁で囲まれている場合には、磁壁の移動方向が磁区拡
大方向か縮小方向かによって、磁壁が生成したり消滅し
たりするため、これが磁壁の挙動に影響を及ぼす。
を調整することで抑制することができる。また、磁壁の
生成/消滅の影響は、記録マークの前後の磁壁が独立し
て形成されるようにすれば排除できる。そのためには、
例えば、記録トラックの両側部において、第1の磁性層
の膜面方向の交換相互作用による結合が切断もしくは低
減されている媒体を用いて、記録トラックの両側部に跨
って記録マークを形成すればよい。
図面を参照しながら説明する。
一実施態様を示す模式的断面図である。この態様におい
ては、基板26上に、下地層25、第1の磁性層21、
第2の磁性層22、第3の磁性層23、上地層24が順
次積層されている。基板26としては、例えば、ポリカ
ーボネート、アクリル、ガラス等を用いることができ
る。下地層25や上地層24としては、例えば、Si
N、AiN、SiO、ZnS、MgF、TaOなどの誘
電体材料が使用できる。磁壁の移動を光学的に検出する
のでなければ、必ずしも透光性材料である必要はない。
磁性層以外の層は必須のものではない。磁性層の積層順
序を逆にしてもよい。また、この構成に、更にAl、A
lTa、AlTi、AlCr、Cu、Pt、Auなどか
らなる金属層を付加して、熱的な特性を調整してもよ
い。また、高分子樹脂からなる保護コートを付与しても
よい。あるいは、成膜後の基板を貼り合わせてもよい。
タ装置による連続スパッタリング、または連続蒸着など
によって被着形成できる。特に各磁性層は、真空を破る
ことなく連続成膜されることで、互いに交換結合をして
いる。
21〜23は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体に一般的
に用いられている材料の他、磁気バブル材料や反強磁性
材料等、種々の磁性材料によって構成することができ
る。
Tb、Dy、Ho、Erなどの希土類金属元素の一種類
あるいは二種類以上が10〜40原子%と、Fe、C
o、Niなどの鉄族元素の一種類あるいは二種類以上が
90〜60原子%とで構成される希土類―鉄族非晶質合
金によって構成し得る。また、耐食性向上などのため
に、これらの合金にCr、Mn、Cu、Ti、Al、S
i、Pt、Inなどの元素を少量添加してもよい。
族−鉄族周期構造膜や、白金族―鉄族合金膜、Co−N
i−OやFe−Rh系合金等の反強磁性材料、磁性ガー
ネット等の材料も使用可能である。
化は、希土類元素と鉄族元素との組成比により制御する
ことが可能である。補償組成にすれば、室温での飽和磁
化を0emu/ccにできる。
とが可能である。飽和磁化と独立に制御するためには、
鉄族元素として、Feの一部をCoで置き換えた材料を
用い、置換量を制御する方法がより好ましく利用でき
る。即ち、Fe1原子%をCoで置換することにより、
6℃程度のキュリー温度上昇が見込めるので、この関係
を用いて所望のキュリー温度となるようにCoの添加量
を調整する。Cr、Ti、Alなどの非磁性元素を微量
添加することにより、逆にキュリー温度を低下させるこ
とも可能である。また、二種類以上の希土類元素を用い
てそれらの組成比を調整することでもキュリー温度を制
御できる。
して材料元素の選択によって制御するが、下地の状態
や、スパッタガス圧等の成膜条件によっても調整可能で
ある。TbやDy系の材料は磁壁抗磁力や磁壁エネルギ
ー密度が大きく、Gd系材料は小さい。不純物の添加等
によって調整することもできる。
る。
録は、磁気記録もしくは熱磁気記録によって、第3の磁
性層の磁化配向状態をデータ信号に対応させることによ
って行う。熱磁気記録には、媒体を移動させながら、第
3の磁性層がキュリー温度以上になるようなパワーのレ
ーザー光を照射しながら外部磁界を変調する方式と、一
定方向の磁界を印加しながらレーザーパワーを変調する
方式とがある。後者の場合、光スポット内の所定領域の
みが第3の磁性層のキュリー温度以上になる様にレーザ
ー光の強度を調整すれば、光スポットの径以下の記録磁
区が形成でき、光の回折限界以上の周期の信号も記録で
きる。
に説明するが、本発明はその主旨を逸脱しない限りにお
いて以下の例に限定されるものではない。以下の例にお
いて、本発明を具体的に示す実施例は例4であり、その
他の例は参考例である。
Si、及びGd、Tb、Fe、Co、Crの各ターゲッ
トを取り付け、トラッキング用の案内溝(案内帯)が形
成されたポリカーボネイト基板を基板ホルダーに固定し
た後、1×10 -5Pa以下の高真空になるまでチャンバ
ー内をクライオポンプで真空排気した。真空排気をした
ままArガスを0.5Paとなるまでチャンバー内に導
入し、基板を回転させながら、ターゲットをスパッタし
て各層を成膜した。
nm成膜した。引き続き、第1の磁性層としてGdFe
Cr層を膜厚(h1)30nm、第2の磁性層としてT
bFeCr層を膜厚(h2)10nm、第3の磁性層と
してTbFeCoCr層を膜厚(h3)80nmに順次
成膜した。最後に、保護層としてSiN層を60nm成
膜した。
ガスを導入し、直流反応性スパッタにより成膜した。各
磁性層は、Gd、Tb、Fe、Co、Crの各ターゲッ
トに投入するパワーの比によって組成比を制御した。
成になるように調整し、また、第1の磁性層のキュリー
温度(Tc1)が220℃、第2の磁性層のキュリー温
度(Tc2)が160℃、第3の磁性層のキュリー温度
(Tc3)が290℃程度となるように調整した。
を作製して、第1の磁性層と第3の磁性層との間の界面
磁壁エネルギー密度σw13の温度依存性を測定した。
σw13が0erg/cm2になる最低温度Tsは16
0℃であった。
して、第1の磁性層の飽和磁化Ms1、磁壁抗磁力Hw
1、及び、同じく第3の磁性層の飽和磁化Ms3、磁壁
抗磁力Hw3の温度依存性を測定した。
なる磁性層との交換結合二層膜を作製し、この二層膜間
の界面磁壁エネルギーの実測結果から、第1及び第3の
磁性層の磁壁エネルギー密度(ブロッホ磁壁エネルギー
密度)σ1、及びσ3を求めた。
/|dσ1/dT| 、及び k3(T)=(2*Ms3*Hw3−σw13/h3)
/|dσ3/dT| を導出した。
/k3(T)の温度依存性を図3に示す。図3より、例
えば温度Tpを200℃に選んだ時、少なくともTs以
上、Tp以下の温度範囲において、 k1(T)<k3(T) かつ、
磁性記録媒体の条件を満足している。
リー温度よりも10℃以上低い温度範囲に、適当な温度
Tp’(上述のTpとは異なる温度でよい)を選んだ時
に、少なくともTs以上、Tp’以下の温度範囲におい
て、 G(T)>k1(T) かつ、
を付与すれば、温度Tsの等温線上に存在する磁壁が、
高温領域に向かって0.2μm以上移動する。しかも、
第1の磁性層のキュリー温度よりも10℃以上低い温度
範囲で0.2μm以上の移動距離を確保できる。
が存在し得るために媒体に要求される必要条件である。
逆に、この条件を満たしている媒体であれば、適切な温
度分布さえ与えれば、上述の動作が実現する。しかし、
録再システムとしての動作マージンを確保するために
は、許容される温度分布の範囲が広い媒体の方がよい。
4中の41〜43に示したような温度分布を形成すれば
上述の条件を満たし得る。このようなレベルの温度勾配
とガウシアンライクな形状を有する温度分布は、例えば
集光したレーザービームの照射によって容易に形成し得
る。
を、温度勾配の逆数1/G(T)の温度に対する関数で
表現し直して、それぞれ図3中の破線31、32、及び
33に示す。これらの温度分布が上述の条件を満たして
いることが分かる。
ュリー温度よりも低い例を示したが、データを破壊しな
がら読み出すのであれば、第3の磁性層のキュリー温度
以上の高温領域を有する温度分布にしても、読み出し自
体は可能である。
るためには、Ts以上の所定の温度範囲において1/k
1(T)ができる限り大きい方が望ましい。また、k1
(T<G(T)<k3(T)を満たすTs以上の温度範
囲として、できる限り広い温度範囲をとれる方が望まし
く、そのためにTc1及びTc3がTsよりも充分高い
ことが望ましい。
に望ましくはTc1,Tc3>Ts+80℃を満たす媒
体とするのがよい。
s1*Hw1を小さくし、σ1の温度依存性を急峻にす
ればよい。σ1の温度依存性を急峻にするためには、σ
1を大きくすればよいが、そのためには、異方性や交換
スティフネスを大きくする必要があり、Ms1*Hw1
を小さくしたいという要請と相反する傾向がある。
温度範囲では変化が小さく、Ts以上の所定の温度範囲
において急激に低下するようにするとよい。例えば、第
1の磁性層を、室温において希土類元素副格子磁化優勢
な組成にしておくと、σ1の温度依存性を上述のように
することができる。
動速度を向上させて高速再生を可能にするためには、磁
壁駆動力が摩擦力に対して充分大きいことが望ましい。
そのために、付与する温度分布の1/G(T)が、媒体
の特性値である1/k1(T)よりも充分小さいことが
望ましい。
k1(T))、更に望ましくは、1/G(T)<1/
(4*k1(T))とするのがよい。そして、このよう
な温度分布が存在し得るために、媒体の必要条件とし
て、
温度分布のマージンを考慮すると、
のサイズが、現行の通常技術では、1μm程度であるか
ら、このスポットの全体を使用して最大の振幅を得るた
めには、磁壁移動距離が1μm以上確保できることが望
ましい。このためには、上記各式の右辺の値に5倍(1
μm/0.2μm=5)を乗じた式を満足する媒体であ
ることが、上述の各々の観点から望まれる。
与する温度分布を媒体の特性値に合わせて、Ts以上の
温度範囲においてG(T)/k1(T)がなるべく一定
になるようにした方が、必要な大きさの磁壁駆動力を維
持しつつ、長い距離にわたって磁壁を移動させることが
でき、良好な再生特性が得られる。
(T)は、図3に見られるように、第1の磁性層のキュ
リー温度に近づくと増大する傾向がある。そこで、付与
する温度分布の1/G(T)を、この特性にならって、
温度上昇に伴って急激に増大させるようにしておけば、
摩擦力に対して充分大きな磁壁駆動力を維持したまま、
比較的長い距離にわたって磁壁を移動させることが可能
になる。1/G(T)が、温度上昇に伴って急激に増大
する温度分布とは、僅かな距離進むと温度勾配が急激に
緩くなる温度分布のことで、ガウシアンライクな形状を
台形に潰したような温度分布になる。そしてこのような
温度分布の、温度勾配が最も急になる温度をTsに合わ
せるのがよい。複数の強度ピークを有するレーザービー
ムの照射などによって、このような温度分布も形成可能
である。また、通常のガウシアンライクな形状の温度分
布であっても、図3中の33のように、ピーク温度を、
第1の磁性層のキュリー温度近傍の温度に合わせると、
1/G(T)を、媒体の特性値1/k1(T)に比較的
マッチさせることができる。
が弱まるので、この温度領域で磁壁がいくら移動しても
検出するのが困難である。このため、Tp<Tc1−2
0℃、更に望ましくは、Tp<Tc−30℃を満たす媒
体とするのがよく、付与する温度分布も、Tp’<Tc
1−20℃、更に望ましくは、Tp’<Tc1−30℃
を満たす範囲内で、0.2μm以上の移動距離を稼げる
ような温度分布にするのが望ましい。更にこの意味から
も、TsがTc1よりも充分低いことが望ましく、Tc
1>Ts+70℃、更に望ましくはTc1>Ts+10
0℃を満たす媒体とするのがよい。
層の磁壁が、温度勾配によって移動する様子は、以下に
述べるように、偏光顕微鏡による直接観察で確認でき
た。
で、磁性層の積層順を逆にしたサンプルを作製した。こ
のサンプルを、光磁気ディスクの記録再生用に一般的に
用いられているドライブ装置にかけて、マーク長0.7
5μmの繰り返し磁区パターンを記録した。このサンプ
ルを取り出して、膜面側、即ち第1の磁性層側から偏光
顕微鏡で観察した。
て、偏光顕微鏡の視野内で、図4中の41に示した温度
分布とほぼ同様の温度分布を形成した後、トラック方向
にサンプルをゆっくりと走査した。
区の境界部が、Ts以上の温度に達していると想定され
る半径1μm程度の円形領域に入る度に、円形領域の中
心方向に向かって瞬時に移動するのが観察された。ま
た、加熱用のレーザーの照射を停止すると、第3の磁性
層に保存されていた磁区パターンが第1の磁性層に転写
され、初期状態に戻るのが観察された。
磁性層との結合が切断された領域において、第1の磁性
層の磁壁が、温度勾配によって高温側へlμm程度移動
することが確認された。
性を測定した。
すように、一般的な光磁気ディスク記録再生装置の光学
系に、加熱用のレーザーが付加されている。81は、記
録再生用のレーザー光源で、波長は780nmで、記録
媒体に対してP偏向が入射する様に配置されている。8
2は、加熱用のレーザー光源で、波長は1.3μmで、
同じく記録媒体に対してP偏向が入射する様に配置され
ている。83は、780nm光を100%透過し、1.
3μm光を100%反射するように設計されたダイクロ
イックミラーである。84は、偏向ビームスプリッタ
で、780nm光、1.3μm光、各々のP偏向は70
〜80%透過し、S偏向は100%反射するよう設計さ
れている。1.3μm光の光束径は、対物レンズ85の
開口径よりも小さくなるようにしてあり、全開口部を通
過して集光される780nm光に比べて、NAが小さく
なるようにしてある。また、87は、1.3μm光が、
信号検出系に漏れ込まないようにするために設けるもの
で、780nm光を100%透過し、1.3μm光を1
00%反射するように設計されたダイクロイックミラー
である。
上に、図9(a)に示すように、案内溝94間のランド
95上において、記録再生用のスポット91と、加熱用
のスポット92とを結像させることができる。加熱用の
スポット92は、波長が長くNAが小さいので、記録再
生用のスポット91よりも径が大きくなる。これによ
り、移動している媒体の記録面上の記録再生用のスポッ
ト91の領域に、図9(b)に示してあるような所望の
温度勾配を容易に形成することができる。
駆動して行った。
照射しながら磁界を±200Oeで変調することによ
り、第3の磁性層のキュリー温度以上に加熱した後の冷
却過程で、磁界の変調に対応した上向き磁化と下向き磁
化との繰り返しパターンを形成した。尚、この時、加熱
用のレーザーを合わせて照射して、記録再生用レーザー
の記録パワーを低減させることも可能である。
し、0.15μmのマーク長の繰り返しパターンを記録
した。
た温度分布により磁壁を移動させ、この磁壁の移動を、
磁気光学効果を利用して記録再生用レーザーの反射光の
偏光面の変化によって検出した。
0.5mWとし、加熱用のレーザーを25〜50mWの
パワーで同時に照射しながらC/Nを測定した。
ず、48dBのC/Nが得られた。
布の範囲が充分広い媒体である。このため、加熱用のレ
ーザーのパワーや強度分布、形状に対するマージンが十
分確保できている。また、再生用レーザーと加熱用レー
ザーとの位置関係に対するマージンも広い。
生を行ったときには、再生信号は全く検出できなかっ
た。0.5mWの再生用レーザー自身による加熱では、
媒体温度はほとんど上昇せず、磁壁移動開始可能な温度
Tsに達しない。このため、従来の再生方式と全く同様
の再生を行っていることになる。この場合、再生光学系
の回折限界の約3倍の高密度信号である0.15μmの
マーク長の繰り返しパターンは全く検出できないのであ
る。
提案されているような従来の超解像方式による再生で
は、0.15μmのマーク長の繰り返しパターンの信号
を読み出すためには、同等レベルまでアパーチャーを制
限する必要があり、有効に使用される光量が大幅に低下
するため、30dB以下のC/Nしか得られなかった。
00Wで5分間逆スパッタした。次に、下地層としてA
lN層を70nm成膜した。この後再びパワー100W
で5分間逆スパッタして下地層表面を平滑化した。引き
続き、第1の磁性層としてGdFeCoCr層を膜厚
(h1)50nm、第2の磁性層としてDyFeCo層
を膜厚(h2)5nm、第3の磁性層としてTbDyF
eCo層を膜厚(h3)40nmに順次成膜した。この
後、保護層としてAlN層を30nm成膜し、最後に、
放熱層としてAlを50nm成膜した。第1の磁性層成
膜時のArガス圧は0.1Paとし、第3の磁性層成膜
時のArガス圧は1.1Paとした。この他の構成、製
法は、例1と同様にした。
成になるように調整し、また、第1の磁性層のキュリー
温度(Tc1)が250℃、第2の磁性層のキュリー温
度(Tc2)が100℃、第3の磁性層のキュリー温度
(Tc3)が220℃程度となるように調整した。
面磁壁エネルギー密度σw13の温度依存性を測定した
結果、σw13が0erg/cm2になる最低温度Ts
は110℃であった。
力Hw1、磁壁エネルギー密度σ1及び、同じく第3の
磁性層の飽和磁化Ms3、磁壁抗磁力Hw3、磁壁エネ
ルギー密度σ3の温度依存性を測定し、これらの測定結
果から、 k1(T)=(2*Ms1*Hw1+σw13/h1)
/|dσ1/dT| 、及び k3(T)=(2*Ms3*Hw3−σw13/h3)
/|dσ3/dT| を導出した。
/k3(T)の温度依存性を図5に示す。図5より、例
えば温度Tpを180℃に選んだ時、少なくともTs以
上、Tp以下の温度範囲において、 k1(T)<k3(T) かつ、
磁性記録媒体の条件を満足している。
りも充分に低く、TpもTc1よりも充分に低い温度に
とれるので、充分に磁性の強い状態で磁壁移動させるこ
とができる。このため、磁気光学効果を利用して磁壁の
移動を検出する場合、カー回転角が充分大きく、大きな
再生信号振幅が得られる。
定しており、放熱層を付加して熱的な特性を調整したに
もかかわらず、良好な記録感度が保たれている。
磁壁移動させるために、第1の磁性層の材料や成膜条
件、下地の表面状態等に対する制約は厳しくなる。
1と同様の方法で測定した結果、50dBのC/Nが得
られた。
で構成して順次成膜した。まず、第13構成層としてキ
ュリー温度(Tc13)が260℃のGdFeCr層を
膜厚(h13)10nm、次に第12構成層としてキュ
リー温度(Tc12)が210℃のGdFeCr層を膜
厚(h12)10nm、次に第11構成層としてキュリ
ー温度(Tc11)が165℃のGdFeCr層を膜厚
(h11)10nmに順次成膜した。引き続き、第2の
磁性層と第3の磁性層とを例1と同様の材料で同様の膜
厚に成膜した。第2の磁性層及び第3の磁性層成膜時に
は、Arガス圧を1.2Paとし、また、基板回転数を
調整して、一周期あたりのTbの膜厚が単原子層厚(約
3.7Å)程度になるようにして、希土類元素主体の領
域と鉄族元素主体の領域とが膜厚方向に周期的に繰り返
す構造を形成した。この他の構成、製法は、例1と同様
にした。
成になるように調整した。第2の磁性層のキュリー温度
(Tc2)は145℃、第3の磁性層のキュリー温度
(Tc3)は290℃に調整した。
面磁壁エネルギー密度σw13の温度依存性を測定した
結果、σw13が0erg/cm2になる最低温度Ts
は145℃であった。
磁力Hw1i、磁壁エネルギー密度σ1i及び、同じく
第3の磁性層の飽和磁化Ms3、磁壁抗磁力Hw3、磁
壁エネルギー密度σ3の温度依存性を測定し、これらの
測定結果から、
/|dσ1/dT| 、及び k3(T)=(2*Ms3*Hw3−σw13/h3)
/|dσ3/dT| を導出した。
/k3(T)の温度依存性を図6に示す。図6より、例
えば温度Tpを220℃に選んだ時、少なくともTs以
上、Tp以下の温度範囲において、 k1(T)<k3(T) かつ、
規定した磁性記録媒体の条件を満足している。
1と同様の方法で測定した結果、52dBのC/Nが得
られた。
よりも充分に低く、TpもTc1nよりも充分に低い温
度にとれるので、磁気光学効果を利用して磁壁の移動を
検出する場合、カー回転角が充分大きく、大きな再生信
号振幅が得られる。また、第1の磁性層の材料や成膜条
件、下地の表面状態等に対しても、大きな制約を受け
ず、生産性がよい。
nmにしたまま、第12構成層の膜厚を15nm、第1
1構成層の膜厚を20nmとして、第1の磁性層の各構
成層の膜厚を第2の磁性層に近づくほど厚くなるように
構成すれば、低温側での1/k1(T)をより大きくす
ることができる。その結果、再生時に許容される温度分
布のマージンを拡大したり、磁壁をより高速で移動させ
たり、あるいは、磁壁の移動距離を増長して検出レベル
を向上させたりすることができる。
土類元素単原子層と鉄族元素層との周期構造を形成し
た。一般的に、このような構造にすることで垂直磁気異
方性が増大することが知られている。第2の磁性層の垂
直磁気異方性が増大すると、磁壁エネルギーが増大し、
第2の磁性層のキュリー温度近傍でのσw13も増大す
るため、後に述べるように信号特性が向上する。第3の
磁性層の垂直磁気異方性が増大すると、磁区の保存性が
向上し、より高密度の記録が可能になる。
させて、室温における飽和磁化を、鉄族元素副格子磁化
優勢200emu/ccのものから希土類元素副格子磁
化優勢300emu/ccのものまで種々変化させた他
は、例1と同様の磁性記録媒体を作製した。
1と同様の方法で測定した結果、鉄族元素副格子磁化優
勢50emu/ccのものから希土類元素副格子磁化優
勢200emu/ccのものまでの範囲で比較的良好な
C/Nが得られた。特に、希土類元素副格子磁化優勢5
0emu/ccから100emu/ccのものまでの範
囲で50dB以上のC/Nが得られた。
化の温度依存性を測定し、補償温度を調べたところ、希
土類元素副格子磁化優勢50emu/ccのサンプルに
おいて補償温度が100℃程度であり、室温における飽
和磁化の増大と共に急激に補償温度が上昇して、希土類
元素副格子磁化優勢100emu/ccのサンプルにお
いては補償温度がキュリー温度を越えているため存在し
なくなっていた。キュリー温度以上における補償温度を
仮想的に外挿して考えると、希土類元素副格子磁化優勢
50emu/ccから100emu/ccのものまでの
範囲のサンプルの補償温度は、100℃から250℃程
度と考えられる。
例1と同様160℃であり、第1の磁性層のキュリー温
度化Tc1も、鉄族元素と希土類元素との組成比の変化
に伴ってCr添加量を調整して、例1と同様にほぼ22
0℃に合わせるようにしてある。
までの範囲とほぼオーバーラップする。補償温度におい
ては飽和磁化は0emu/ccであり、その前後の温度
においても鉄族元素副格子磁化と希土類元素副格子磁化
とがほぼ補償されて、飽和磁化は極小さな大きさに抑制
される。
が移動するTsからTc1までの温度範囲における飽和
磁化が小さく、そのために磁壁の挙動が外部磁界や反磁
界の影響を受けにくく、ノイズが抑制されて良好なC/
Nが得られるものと考えられる。
られたサンプルのTsからTc1までの温度範囲におけ
る飽和磁化は、少なくとも20emu/cc以下であっ
た。
構成した他は、例1と同様の磁性記録媒体を作製した。
和磁化が、動作温度範囲で常に0emu/ccであるの
で、磁壁の挙動が外部磁界や反磁界の影響を全く受けな
い。このため、±400Oeの再生磁界印加の下でも常
に安定して良好な再生信号が得られた。
と同様の磁性記録媒体を作製した。第1の磁性層の室温
における飽和磁化は希土類元素副格子磁化優勢250e
mu/ccとし、キュリー温度は300℃以上である。
室温においては面内に磁化配向しており、温度上昇に伴
ってTs近傍の温度から高温側で垂直に配向する。
で、磁壁が移動し易く、良好な信号特性が得られた。
磁性層とは逆側に、再生層として第4の磁性層NdFe
Coを10nm付加した他は、例1と同様の磁性記録媒
体を作製した。
効果を利用して検出する際、再生時のレーザー入射側
に、短波長でのカー回転角が大きな材料からなる磁性層
を付加したので、将来的にブルーレーザー等の短波長レ
ーザーを用いて、トラック密度を向上させたりする場合
に、検出レベルが向上する。
は、上記のものに限らず、磁気光学効果の優れた、N
d、Pr、Sm等の軽希土類金属を添加した希土類元素
−鉄元素非晶質合金膜、Pt/Co、Pd/Co等の白
金族−鉄族周期構造膜、PtMnSb、MnBi、磁性
ガーネット、またはフェライト等の磁性酸化物等を用い
てもよい。
な第4の磁性層として適用可能な材料を第1の磁性層自
体として用いてもよい。
させて、室温における飽和磁化を、鉄族元素副格子磁化
優勢300emu/ccのものから希土類元素副格子磁
化優勢300emu/ccのものまで種々変化させた他
は、例1と同様の磁性記録媒体を作製した。
1と同様の方法で測定した結果、鉄族元素副格子磁化優
勢200emu/ccのものから希土類元素副格子磁化
優勢200emu/ccのものまでの範囲で良好なC/
Nが得られた。
mu/cc以下であると良好なC/Nが得られる。
し、(GdTb)中のGd組成比を0〜100原子%ま
で変化させた他は、例1と同様とし、第2の磁性層の磁
壁エネルギー密度が種々変化している磁性記録媒体を作
製した。(GdTb)(FeCoCr)中の(GdT
b)組成比は、補償組成近傍の組成になるように調整
し、(FeCoCr)中のCo及びCr組成比を調整し
て、キュリー温度が各サンプルとも160℃になるよう
にした。
ー密度は、(GdTb)中のGd組成比が増大するほど
減少し、Gd組成比が0原子%の時6erg/cm2、
100原子%の時1erg/cm2であった。
1と同様の方法で測定した結果、室温における磁壁エネ
ルギー密度が4erg/cm2以上(Gd組成比が約4
0原子%以下)のサンプルにおいて 良好なC/Nが得
られた。
いと、第2の磁性層のキュリー温度近傍でのσw13も
大きくなり、第2の磁性層のキュリー温度に向かってσ
w13が急激に低下するようになる。この結果、第1の
磁性層に作用する磁壁駆動力が、摩擦力とσw13/h
1との和を上回る温度、即ち磁壁移動開始温度の揺らぎ
が抑制される。このため、ノイズが低減し、C/Nが向
上するものと考えられる。
させて、室温における飽和磁化を、鉄族元素副格子磁化
優勢300emu/ccのものから希土類元素副格子磁
化優勢300emu/ccのものまで種々変化させた他
は、例1と同様の磁性記録媒体を作製した。
1と同様の方法で測定した結果、鉄族元素副格子磁化優
勢150emu/ccのものから希土類元素副格子磁化
優勢150emu/ccのものまでの範囲で良好なC/
Nが得られた。
mu/cc以下であると良好なC/Nが得られる。
変化させた他は、例1と同様の磁性記録媒体を作製し
た。
1と同様の方法で測定した結果、Co含有率が20原子
%以下の範囲で良好なC/Nが得られたが、Co含有率
を20原子%より増大させると、マークの欠落ないしは
磁区形状の乱れが生じ、C/Nが低下した。但し、再生
劣化を起こさないように特に適切なキュリー温度を得る
ためには、Co含有率は5原子%以上であることが好ま
しい。
せた他は、例1と同様の磁性記録媒体を作製した。
1と同様の方法で測定した結果、膜厚50nm以上で良
好なC/Nが得られた。膜厚70nm以上では、マーク
長0.10μmで記録しても、マークの欠落や磁区形状
の乱れが生じず、さらに良好なC/Nが得られた。
適切な記録感度を得るためには、通常200nm以下で
ある。
2Paまで種々変化させた他は、例1と同様の磁性記録
媒体を作製した。
1と同様の方法で測定した結果、スパッタガス圧0.5
Pa以上で良好なC/Nが得られた。スパッタガス圧
1.0Pa以上では、マーク長0.10μmで記録して
も、マークの欠落や磁区形状の乱れが生じず、さらに良
好なC/Nが得られた。
劣化しやすく、特性や構造安定性が低下する場合もあ
る。そこで、3Pa以下とすると特に特性の優れたもの
が安定して得られる。
案内溝75を深さ0.1μmの矩形に形成した基板を使
用した他は、例1と同様の磁性記録媒体を作製した。
略垂直に切り立って成形されている。このため、この基
板上に通常のスパッタリングや蒸着などの成膜工程で成
膜された磁性層73は、案内溝75の側面部で図のよう
にほぼ分離される。実際には、段差部にも多少膜が堆積
して磁性層が繋がってしまうことも考えられるが、他の
部分と比較して膜厚が非常に薄くなるので、段差部での
結合は無視できる。
(a−2)に示すように、案内溝75とランド76との
間で磁性層73が連続的に一様に堆積するため、各トラ
ック間で磁性層が繋がってしまう。
ラックとして、ランド幅いっぱいに反転磁区を形成する
と、図7(b)に示す様に、ランド76上の磁区の境界
部に、閉じていない磁壁77が形成される。このような
磁壁77は、トラック方向に移動させても、トラック側
部で磁壁の生成・消滅が生じないので、安定して容易に
移動させることができる。この結果、再生時のノイズが
低減し、良好なC/Nが得られた。
加えて、案内溝75も記録トラックとして使用すること
も可能である。
01を、深さ0.4μm、基板表面上での幅0.3μm
に形成した基板を使用した他は、例1と同様の磁性記録
媒体を作製した。
い。このため、この基板上に通常のスパッタリングや蒸
着などの成膜工程で成膜された記録膜103は、図のよ
うにこの案内溝の底部にはほとんど堆積しない。
トラックとして、記録トラックと両側の案内帯に跨っ
て、情報に対応した記録マークを形成した後、例1と同
様にして再生した結果、再生時のノイズが低減し、良好
なC/Nが得られた。
グサーボをかけて、線速1.5m/secで媒体を駆動
しながら、記録再生用の集光されたレーザービームをl
4mWで連続照射して、案内溝上の磁性膜のみを局所ア
ニール処理した。
の案内帯に跨って、情報に対応した記録マークを形成し
た後、例1と同様にして再生した結果、再生時のノイズ
が低減し、良好なC/Nが得られた。
で全面アニール処理したサンプルで、磁性膜の磁気的な
特性の変化を調べた結果、高温のアニール処理により、
磁壁エネルギー密度が大幅に低下した。
ては、案内溝上の磁性膜の磁壁エネルギー密度は、記録
トラック上の磁性膜の磁壁エネルギー密度よりも大幅に
低下しているものと考えられる。
層と同時に、第3の磁性層にも閉じていない磁壁が形成
され、記録マークの前後の磁壁が独立して形成される。
このため、磁区をシュリンクさせる作用がなくなり、微
小な磁区を保存でき、より高密度の記録マークを形成で
きるという効果も認められた。
価装置を用いて記録再生特性を測定した。加熱用のレー
ザーがない他は、例1の測定条件と同等である。
ンを記録して、再生用レーザー自身で加熱して再生し
た。再生用レーザーのパワーを、0.5mWから3.0
mWまで変化させたところ、1.2mWから信号波形が
現れ、2.0mW以上の範囲で40dB以上のC/Nが
得られた。2.6mW以上ではデータが破壊された。
常、媒体面上の照射スポットの内部に温度分布のピーク
が形成される。そして、照射スポットの前方と後方とに
温度Tsの等温線が形成される。この結果、前後の温度
Tsの等温線からのピーク温度位置ヘの磁壁の移動が重
畳されて、再生スポットで検出されることになる。この
ため再生信号のノイズが高くなる。
される温度分布のピーク周辺領域の温度を、第1の磁性
層のキュリー温度近傍の温度以上にしてやると、ピーク
周辺領域までは磁壁が移動してこないか、あるいは、移
動してきたとしても磁性がほとんどなくなっているので
検出にかからないようにすることができる。
相対的に移動していると、熱は加熱再生スポットの後方
により多く蓄積される。このため、温度分布のピーク
は、加熱再生スポット内部の、中心より後方に偏った位
置に形成される。
層のキュリー温度近傍の温度以上に加熱したピーク周辺
領域により、再生スポット後方の温度Tsの等温線から
の磁壁移動をマスクし、前方の温度Tsの等温線からの
磁壁移動のみを検出することができる。
2.0mW以上の範囲で、比較的良好な再生信号が得ら
れた。
の範囲で上述のようなマスク機能が作用していること
は、以下のような孤立マークの再生によって、より明確
に検証できる。
記録して、再生用レーザーのパワーを、1.0mWから
2.2mWまで変化させて再生した。この時オシロスコ
ープ上で観察された信号波形を図12に示す。
可能な温度Tsに達しておらず、従来の再生方式と同様
の再生が行われている。図12(a)のように、4.5
μm周期の孤立マークは従来の再生方式でも充分再生可
能であるから、通常の再生波形が観察されている。
と、温度Ts以上に達する領域ができ、図12(b)の
ように磁壁移動による、本発明の再生方式に特有の矩形
波形が現れた。この時、振幅の異なる二つの矩形波形
が、同時に一定の遅延を持って観察された。振幅の大き
な矩形波形が、再生スポット進行方向前方に形成される
温度Tsの等温線からの磁壁移動による信号波形であ
り、振幅の小さな矩形波形が、後方の温度Tsの等温線
からの磁壁移動による信号波形である。磁壁移動の終着
点となる温度分布のピークが、再生スポットの中心より
後方に偏った位置に形成されるため、後方の温度Tsの
等温線からの磁壁移動による信号波形は振幅が小さくな
る。各信号波形の立ち上がりは記録マークの前部の磁壁
の移動による信号レベルの変化であり、立ち下がりは記
録マークの後部の磁壁の移動による信号レベルの変化で
ある。前方からの信号の立ち上がりと立ち下がりがなま
っているのは、前方の温度Tsの等温線が、再生スポッ
トの内部に形成されているため、磁壁移動開始前の磁化
状態も検出されるためである。
せると、温度Ts以上に達する領域が拡大し、前後のT
s等温線間の距離が伸びるため、各々の位置に移動前の
磁壁が到達する時間間隔も延び、図12(c)のよう
に、二つの矩形波形間の遅延時間が増大した。しかし、
依然として二つの矩形波形が観察された。
昇させると、図12(d)のように、振幅の小さな矩形
波形は全く見られなくなり、前方のTs等温線からの磁
壁移動のみを検出できるようになった。
度近傍の温度以上に加熱した領域を形成することによ
り、レーザースポット後方の温度Tsの等温線からの磁
壁移動がマスクされ、この結果として、再生用レーザー
と加熱用レーザーとを同一のレーザービームで兼用して
1ビームで再生しても、良好な再生信号を得ることがで
きた。
には、第3の磁性層のキュリー温度が第1の磁性層のキ
ュリー温度よりも高い磁性記録媒体を使用する必要があ
る。
必ずしも明瞭急峻である必要はなく、膜厚方向に徐々に
特性の変化している構成であってもよい。
れば、光学的な回折限界による制約を受けることなく、
高密度の信号を再生できる。また、媒体を適切に規定し
たことにより、録再システムとしての動作マージンを拡
大することができる。
てノイズを抑制し、検出レベルを増大させ、再生信号品
質を向上させることができる。
能とし、記録再生速度を向上させることができる。
記録再生装置の生産性を向上させ、低コスト化すること
ができる。
用した場合の本発明の再生方法の概念を模式的に示した
図である。(a)は、再生状態における媒体の断面を示
し、各磁性層のスピンの配向状態を模式的に示してあ
る。(b)は、(a)に示されている位置における媒体
上の温度分布を示している。(c)は、同様の位置にお
ける磁壁エネルギー密度の分布及びそれに伴って磁壁に
作用する力の分布を模式的に示している。
式的断面図である。
開始に関わる臨界温度勾配の逆数の温度依存性を示す図
である。合わせて、例における温度分布の温度勾配の逆
数の温度依存性を示してある。
開始に関わる臨界温度勾配の逆数の温度依存性を示す図
である。
開始に関わる臨界温度勾配の逆数の温度依存性を示す図
である。
ある。
ある。
である。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 情報の再生に寄与し、磁壁が移動可能な
移動層と、情報に応じた記録磁区を保持するメモリ層
と、前記移動層とメモリ層の間に配置され、これら両層
よりキュリー温度が低い遮断層とを備え、前記遮断層の
キュリー温度以上の領域において前記メモリ層から移動
層に転写された記録磁区の磁壁を移動させて前記記録磁
区を拡大させることにより前記情報の再生を行う磁性記
録媒体において、 前記移動層は希土類−鉄族元素非晶質合金で構成され、
室温における組成が磁壁が移動する温度領域内で希土類
元素副格子磁化と鉄族元素副格子磁化とが補償される組
成であることを特徴とする磁性記録媒体。
Priority Applications (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001104968A JP3332913B2 (ja) | 2001-04-03 | 2001-04-03 | 磁性記録媒体 |
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