JP3332882B2 - 廃プラスチックからの吸着剤およびその製造方法 - Google Patents
廃プラスチックからの吸着剤およびその製造方法Info
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- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
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- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP等の複合プ
ラスチック廃棄物の有効利用が図られる廃プラスチック
からの吸着剤の製造方法に関する。
ラスチック廃棄物の有効利用が図られる廃プラスチック
からの吸着剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックのリサイクル利用について
は、燃料として用いるサーマルリサイクルや、プラスチ
ック成形原料であるペレットに戻したり微粉砕してプラ
スチック成形用充填材にしたりする方法がある。さら
に、活性炭化させるマテリアルリサイクル方法等があ
る。ただ、炭酸カルシウム,水酸化アルミニウム等の無
機物の充填材やガラス繊維等の強化材等を含有するFR
P等の複合プラスチック廃棄物は、燃焼させると複合プ
ラスチックに対し約60%もの重量の灰分を発生させる
問題がある。また、FRP等の複合プラスチック廃棄物
は、無機物の充填材やガラス繊維を含むため、ペレット
に再生して成形原材料へリサイクルするのは困難な状況
にある。
は、燃料として用いるサーマルリサイクルや、プラスチ
ック成形原料であるペレットに戻したり微粉砕してプラ
スチック成形用充填材にしたりする方法がある。さら
に、活性炭化させるマテリアルリサイクル方法等があ
る。ただ、炭酸カルシウム,水酸化アルミニウム等の無
機物の充填材やガラス繊維等の強化材等を含有するFR
P等の複合プラスチック廃棄物は、燃焼させると複合プ
ラスチックに対し約60%もの重量の灰分を発生させる
問題がある。また、FRP等の複合プラスチック廃棄物
は、無機物の充填材やガラス繊維を含むため、ペレット
に再生して成形原材料へリサイクルするのは困難な状況
にある。
【0003】一方、プラスチック廃棄物の活性炭化につ
いては、従来、以下のような技術が提案されている。
FRP等の複合プラスチックを炭化し、ガラス繊維等を
分離した後、炭化物は賦活して活性炭とし、ガラス繊維
等は土壌改良材やコンクリート補強材として利用する方
法(特開平5−185056号公報)、FRP廃棄物
を炭化したものを芯材とする土壌改良,肥料用多層カプ
セルを製造して用いる方法(特開平7−33569号公
報)、FRP廃棄物その他のプラスチック廃材を、天
然軽石等の多孔質粒塊物とともに炉内で交互に積層し炭
化させ、活性炭化して用いる方法(特開平9−2151
9号公報)等である。
いては、従来、以下のような技術が提案されている。
FRP等の複合プラスチックを炭化し、ガラス繊維等を
分離した後、炭化物は賦活して活性炭とし、ガラス繊維
等は土壌改良材やコンクリート補強材として利用する方
法(特開平5−185056号公報)、FRP廃棄物
を炭化したものを芯材とする土壌改良,肥料用多層カプ
セルを製造して用いる方法(特開平7−33569号公
報)、FRP廃棄物その他のプラスチック廃材を、天
然軽石等の多孔質粒塊物とともに炉内で交互に積層し炭
化させ、活性炭化して用いる方法(特開平9−2151
9号公報)等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記の方
法は、活性炭を製造するにあたり無機系充填材やガラス
繊維などの強化材を含む場合、分離機で炭化物から繊維
等を圧壊,分離した後に、水蒸気賦活させ活性炭を造っ
ていた。前記,の方法にあっては、或る特定の無機
充填材についての効用とその積極的活用は述べられてい
ない。無機物の充填材を含む複合プラスチック廃棄物か
ら活性炭を製造しようとした場合、無機物の炭化が不可
能で良好な炭化物が得られていなかった。
法は、活性炭を製造するにあたり無機系充填材やガラス
繊維などの強化材を含む場合、分離機で炭化物から繊維
等を圧壊,分離した後に、水蒸気賦活させ活性炭を造っ
ていた。前記,の方法にあっては、或る特定の無機
充填材についての効用とその積極的活用は述べられてい
ない。無機物の充填材を含む複合プラスチック廃棄物か
ら活性炭を製造しようとした場合、無機物の炭化が不可
能で良好な炭化物が得られていなかった。
【0005】また、これまでは、有機性物質を活性炭化
する場合、炭化させた後、水蒸気や薬剤等を用いて細孔
構造を発達させるいわゆる賦活操作を一般に行ってき
た。ところが、斯る方法により複合プラスチック廃棄物
から活性炭を製造すると、樹脂100%の廃棄物を炭化
したものに比べ、元々少ない炭素分が炭化物を賦活処理
する間に消失してしまい、活性炭としての所定の吸着能
が得難い問題があった。
する場合、炭化させた後、水蒸気や薬剤等を用いて細孔
構造を発達させるいわゆる賦活操作を一般に行ってき
た。ところが、斯る方法により複合プラスチック廃棄物
から活性炭を製造すると、樹脂100%の廃棄物を炭化
したものに比べ、元々少ない炭素分が炭化物を賦活処理
する間に消失してしまい、活性炭としての所定の吸着能
が得難い問題があった。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、プラ
スチックの副資材である特定の無機充填材に着目するこ
とで、複雑な分離操作を行わず、また賦活処理を要しな
い簡便でしかも特異な吸着性能を併せもつ廃プラスチッ
クからの吸着剤の製造方法を提供することを目的とす
る。
スチックの副資材である特定の無機充填材に着目するこ
とで、複雑な分離操作を行わず、また賦活処理を要しな
い簡便でしかも特異な吸着性能を併せもつ廃プラスチッ
クからの吸着剤の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1記載の本発明の要旨は、カルシウム系化合物と
アルミニウム系化合物のうちの少なくとも一方を無機物
の充填材として含有する廃プラスチックを特定,選別し
た後、400℃〜1000℃の温度域で且つ酸素割合が
5%以下の酸素の少ない還元性雰囲気で加熱し、該加熱
を所定時間継続させてその廃プラスチックを炭化させる
ことにより炭化物と無機物とが混在する状態の生成物を
造り、これがそのままでオルソリン酸イオン及びメチレ
ンブルーに対して吸着能を有するようにしたことを特徴
とする廃プラスチックからの吸着剤の製造方法にある。
ここで、「カルシウム化合物とアルミニウム化合物」に
ついては、カルシウム,とアルミニウムの単体も含む。
請求項2記載の本発明の要旨は、廃プラスチックにさら
にガラス繊維を含ませて炭化させることを特徴とする。
請求項1記載の本発明の要旨は、カルシウム系化合物と
アルミニウム系化合物のうちの少なくとも一方を無機物
の充填材として含有する廃プラスチックを特定,選別し
た後、400℃〜1000℃の温度域で且つ酸素割合が
5%以下の酸素の少ない還元性雰囲気で加熱し、該加熱
を所定時間継続させてその廃プラスチックを炭化させる
ことにより炭化物と無機物とが混在する状態の生成物を
造り、これがそのままでオルソリン酸イオン及びメチレ
ンブルーに対して吸着能を有するようにしたことを特徴
とする廃プラスチックからの吸着剤の製造方法にある。
ここで、「カルシウム化合物とアルミニウム化合物」に
ついては、カルシウム,とアルミニウムの単体も含む。
請求項2記載の本発明の要旨は、廃プラスチックにさら
にガラス繊維を含ませて炭化させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る廃プラスチッ
クからの吸着剤およびその製造方法について詳述する。
クからの吸着剤およびその製造方法について詳述する。
【0009】本発明の原料となる廃プラスチック(プラ
スチック廃棄物又は複合プラスチック廃棄物)は、カル
シウム化合物とアルミニウム化合物のうちの少なくとも
一つを無機物の充填材とするものを特定選択する。廃プ
ラスチックにはさらにガラス繊維,炭素繊維,アラミド
繊維等の強化材を含む複合廃棄物でもよく、むしろ、ガ
ラス繊維を含有するとより好適となる(後述)。廃プラ
スチックに含まれる合成樹脂は、その種類を問わず、例
えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポ
リ塩化ビニル,ABS,ポリアミド,ポリアセタール,
ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、或いはフェノー
ル,ユリア,メラミン,不飽和ポリエステル,ポリウレ
タン等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
スチック廃棄物又は複合プラスチック廃棄物)は、カル
シウム化合物とアルミニウム化合物のうちの少なくとも
一つを無機物の充填材とするものを特定選択する。廃プ
ラスチックにはさらにガラス繊維,炭素繊維,アラミド
繊維等の強化材を含む複合廃棄物でもよく、むしろ、ガ
ラス繊維を含有するとより好適となる(後述)。廃プラ
スチックに含まれる合成樹脂は、その種類を問わず、例
えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポ
リ塩化ビニル,ABS,ポリアミド,ポリアセタール,
ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、或いはフェノー
ル,ユリア,メラミン,不飽和ポリエステル,ポリウレ
タン等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
【0010】充填材(フィラー)は、プラスチックの重
要な副資材であって、増量材としての主たる役割の他に
種々の目的で用いられている。充填材にはカーボンブラ
ック,ホワイトカーボン,炭酸カルシウム,ケイ酸カル
シウム,含水塩基性炭酸マグネシウム,木粉,セルロー
ス,パルプ,紙,クラフト紙,リグニン,アスベスト,
雲母,石英粉,クレー(ケイ酸アルミニウム),硫酸バ
リウム、さらに、アルミニウム,ブロンズ,亜鉛,銅な
どの金属粉、有機充填剤など様々なものが存在する。
要な副資材であって、増量材としての主たる役割の他に
種々の目的で用いられている。充填材にはカーボンブラ
ック,ホワイトカーボン,炭酸カルシウム,ケイ酸カル
シウム,含水塩基性炭酸マグネシウム,木粉,セルロー
ス,パルプ,紙,クラフト紙,リグニン,アスベスト,
雲母,石英粉,クレー(ケイ酸アルミニウム),硫酸バ
リウム、さらに、アルミニウム,ブロンズ,亜鉛,銅な
どの金属粉、有機充填剤など様々なものが存在する。
【0011】本発明者等は、廃プラスチックの活性炭化
法に取り組む中で、発想を転換し、従来の活性炭化法の
ような賦活操作は行わず、廃プラスチックを炭化するだ
けで炭化物と無機物とが混在する状態の生成物を造り、
これをそのまま吸着剤として利用できないかを考えた。
そして、鋭意研究を重ね、数ある充填材のうち炭酸カル
シウム等のカルシウム化合物や水酸化アルミニウム等の
アルミニウム化合物が、その加熱によって酸化カルシウ
ムや酸化アルミニウム等を生成し、吸着剤として効果的
に機能する新しいタイプの吸着剤になることを見い出し
たのである。所定の炭化処理操作により、通常の活性炭
と異なり、有機物を吸着するだけでなく、オルソリン酸
イオンに対する特異な吸着能をも併せもつ吸着剤になる
ことを見い出し本発明に至った。カルシウム化合物とア
ルミニウム化合物のうちの少なくとも一方を充填材に含
む廃プラスチックを特定,選別し、これを還元性の雰囲
気で加熱炭化させて吸着剤を造るのである。勿論、廃プ
ラスチックを原料とするため、一部にカルシウム化合物
並びにアルミニウム化合物を含まない廃プラスチックが
混入することが許容される。
法に取り組む中で、発想を転換し、従来の活性炭化法の
ような賦活操作は行わず、廃プラスチックを炭化するだ
けで炭化物と無機物とが混在する状態の生成物を造り、
これをそのまま吸着剤として利用できないかを考えた。
そして、鋭意研究を重ね、数ある充填材のうち炭酸カル
シウム等のカルシウム化合物や水酸化アルミニウム等の
アルミニウム化合物が、その加熱によって酸化カルシウ
ムや酸化アルミニウム等を生成し、吸着剤として効果的
に機能する新しいタイプの吸着剤になることを見い出し
たのである。所定の炭化処理操作により、通常の活性炭
と異なり、有機物を吸着するだけでなく、オルソリン酸
イオンに対する特異な吸着能をも併せもつ吸着剤になる
ことを見い出し本発明に至った。カルシウム化合物とア
ルミニウム化合物のうちの少なくとも一方を充填材に含
む廃プラスチックを特定,選別し、これを還元性の雰囲
気で加熱炭化させて吸着剤を造るのである。勿論、廃プ
ラスチックを原料とするため、一部にカルシウム化合物
並びにアルミニウム化合物を含まない廃プラスチックが
混入することが許容される。
【0012】こうして選定された上記廃プラスチック
は、空気を遮断して還元性の雰囲気で加熱炭化される。
空気を遮断して、廃プラスチックを加熱分解させる操作
である。具体的には、廃プラスチックを適当な大きさに
破断した後、炭化炉に入れ、400℃〜1000℃の範
囲内の温度に加熱し、1時間程度以上還元性の雰囲気下
で蒸し焼き炭化処理される。ここで、還元性の雰囲気と
は酸素が非常に少ない状態をいい、数値的には酸素割合
が5%以下の状態をいう。5%を越えると、炭化物がC
O 2 となって放出してしまうからである。上記加熱温度
を400℃〜1000℃の範囲内とするのは、400℃
未満とすると、プラスチックの高分子樹脂が溶融軟化
し、溶融部分が無機フィラーと分離し溜ってしまう一
方、1000℃を越えると、炭化物の炭素が消失し白化
してしまい、無機物だけになってしまうためである。
は、空気を遮断して還元性の雰囲気で加熱炭化される。
空気を遮断して、廃プラスチックを加熱分解させる操作
である。具体的には、廃プラスチックを適当な大きさに
破断した後、炭化炉に入れ、400℃〜1000℃の範
囲内の温度に加熱し、1時間程度以上還元性の雰囲気下
で蒸し焼き炭化処理される。ここで、還元性の雰囲気と
は酸素が非常に少ない状態をいい、数値的には酸素割合
が5%以下の状態をいう。5%を越えると、炭化物がC
O 2 となって放出してしまうからである。上記加熱温度
を400℃〜1000℃の範囲内とするのは、400℃
未満とすると、プラスチックの高分子樹脂が溶融軟化
し、溶融部分が無機フィラーと分離し溜ってしまう一
方、1000℃を越えると、炭化物の炭素が消失し白化
してしまい、無機物だけになってしまうためである。
【0013】上記廃プラスチックを400℃〜1000
℃の温度域の還元性雰囲気で加熱し炭化させてなる炭化
生成物は、模式的に拡大図示すれば図1のような状態に
ある。樹脂が活性炭化した部分1とCa,Alを含んだ
無機充填材が酸化物として無機吸着剤化した部分2が混
在している。斯る状態は試験確認されている。該廃プラ
スチックを400℃〜1000℃の温度域で還元雰囲気
下に一定時間加熱すると、樹脂部分は炭化し、酸素が僅
かしかない状況下でも無機物は部分的に酸化物へと変化
する。こうして、炭化生成物の中に、吸着能を高める比
表面積が大きくなる空隙εをつくりながら、酸化カルシ
ウムや酸化アルミニウムの微粒子2が活性炭化部分1に
付着した複合物が形成され、オルソリン酸イオン及びメ
チレンブルーに対して吸着能を有する吸着剤が生成す
る。該空隙εをつくりながら炭素粒子1に酸化カルシウ
ムや酸化アルミニウムの微粒子2が付着する複合物を形
成することで、吸着面積が増え、特段の賦活操作なしで
所望の吸着剤になると想定される。ここで、上述の廃プ
ラスチックに強化材たるガラス繊維が含まれると、図2
のごとく、ガラス繊維3の表面に樹脂の炭化粒子1や酸
化カルシウム(若しくは酸化アルミニウム)等の微粒子
2が無数に点在付着した状態になる。その結果、紡糸さ
れて表面積が大なるガラス繊維の形状と相まって吸着面
積をさらに増やし、吸着能が高まりより好ましい状態に
なる。実際、ガラス繊維3が吸着能に好影響を与えるこ
とを確認している。
℃の温度域の還元性雰囲気で加熱し炭化させてなる炭化
生成物は、模式的に拡大図示すれば図1のような状態に
ある。樹脂が活性炭化した部分1とCa,Alを含んだ
無機充填材が酸化物として無機吸着剤化した部分2が混
在している。斯る状態は試験確認されている。該廃プラ
スチックを400℃〜1000℃の温度域で還元雰囲気
下に一定時間加熱すると、樹脂部分は炭化し、酸素が僅
かしかない状況下でも無機物は部分的に酸化物へと変化
する。こうして、炭化生成物の中に、吸着能を高める比
表面積が大きくなる空隙εをつくりながら、酸化カルシ
ウムや酸化アルミニウムの微粒子2が活性炭化部分1に
付着した複合物が形成され、オルソリン酸イオン及びメ
チレンブルーに対して吸着能を有する吸着剤が生成す
る。該空隙εをつくりながら炭素粒子1に酸化カルシウ
ムや酸化アルミニウムの微粒子2が付着する複合物を形
成することで、吸着面積が増え、特段の賦活操作なしで
所望の吸着剤になると想定される。ここで、上述の廃プ
ラスチックに強化材たるガラス繊維が含まれると、図2
のごとく、ガラス繊維3の表面に樹脂の炭化粒子1や酸
化カルシウム(若しくは酸化アルミニウム)等の微粒子
2が無数に点在付着した状態になる。その結果、紡糸さ
れて表面積が大なるガラス繊維の形状と相まって吸着面
積をさらに増やし、吸着能が高まりより好ましい状態に
なる。実際、ガラス繊維3が吸着能に好影響を与えるこ
とを確認している。
【0014】前述の還元性雰囲気で加熱する温度につい
ては、400℃〜600℃の温度域がより好ましい。6
00℃を越えると、もともと十分な比率にない炭化物の
炭素の消失する現象が結構見られるからである。上記吸
着剤は、その後、所望の大きさに破砕し、製品化され
る。
ては、400℃〜600℃の温度域がより好ましい。6
00℃を越えると、もともと十分な比率にない炭化物の
炭素の消失する現象が結構見られるからである。上記吸
着剤は、その後、所望の大きさに破砕し、製品化され
る。
【0015】次に、実施例に基づき本発明を説明する。
本発明は勿論これらの実施例に限定されるものではな
い。 (1)実施例1 炭酸カルシウム(45重量%),ガラス繊維(25重量
%),不飽和ポリエステル樹脂(30重量%)で構成さ
れる廃プラスチック(複合プラスチック廃棄物)につい
て、400℃〜1000℃の温度範囲で還元雰囲気下に
2時間加熱炭化し吸着剤を調整した。600℃で焼成し
て得られた吸着剤のリン酸イオン吸着能を図3に、また
メチレンブルー吸着能を図4に示す。該廃プラスチック
の炭化物は、酸化カルシウム,ガラス繊維,不飽和ポリ
エステル樹脂炭化物から構成され、通常の活性炭と異な
り、図3のごとくオルソリン酸イオンに対する吸着能が
高いことが判った。また、図4のごとく通常の活性炭と
同様、メチレンブルーに代表される有機物の吸着も可能
であった。
本発明は勿論これらの実施例に限定されるものではな
い。 (1)実施例1 炭酸カルシウム(45重量%),ガラス繊維(25重量
%),不飽和ポリエステル樹脂(30重量%)で構成さ
れる廃プラスチック(複合プラスチック廃棄物)につい
て、400℃〜1000℃の温度範囲で還元雰囲気下に
2時間加熱炭化し吸着剤を調整した。600℃で焼成し
て得られた吸着剤のリン酸イオン吸着能を図3に、また
メチレンブルー吸着能を図4に示す。該廃プラスチック
の炭化物は、酸化カルシウム,ガラス繊維,不飽和ポリ
エステル樹脂炭化物から構成され、通常の活性炭と異な
り、図3のごとくオルソリン酸イオンに対する吸着能が
高いことが判った。また、図4のごとく通常の活性炭と
同様、メチレンブルーに代表される有機物の吸着も可能
であった。
【0016】(2)実施例2 水酸化アルミニウム(45重量%),ガラス繊維(25
重量%),不飽和ポリエステル樹脂(30重量%)で構
成される廃プラスチック(複合プラスチック廃棄物)に
ついて、400℃〜1000℃の温度範囲で還元雰囲気
下に2時間加熱炭化し吸着剤を調整した。600℃で焼
成して得られた吸着剤のリン酸イオン吸着能を図5に、
またメチレンブルー吸着能を図6に示す。該廃プラスチ
ックの炭化物は、酸化アルミニウム,ガラス繊維,不飽
和ポリエステル樹脂炭化物から構成され、通常の活性炭
と異なり、図5のごとくオルソリン酸イオンに対する吸
着能が高いことが判った。また、図6のごとく通常の活
性炭と同様、メチレンブルーに代表される有機物の吸着
も可能であった。
重量%),不飽和ポリエステル樹脂(30重量%)で構
成される廃プラスチック(複合プラスチック廃棄物)に
ついて、400℃〜1000℃の温度範囲で還元雰囲気
下に2時間加熱炭化し吸着剤を調整した。600℃で焼
成して得られた吸着剤のリン酸イオン吸着能を図5に、
またメチレンブルー吸着能を図6に示す。該廃プラスチ
ックの炭化物は、酸化アルミニウム,ガラス繊維,不飽
和ポリエステル樹脂炭化物から構成され、通常の活性炭
と異なり、図5のごとくオルソリン酸イオンに対する吸
着能が高いことが判った。また、図6のごとく通常の活
性炭と同様、メチレンブルーに代表される有機物の吸着
も可能であった。
【0017】このように構成された廃プラスチックから
の吸着剤の製造方法によれば、一般の活性炭同様、メチ
レンブルーに代表される有機物を吸着する他、通常の活
性炭が吸着できないオルソリン酸イオン等をも吸着可能
になる。従って、本吸着剤を水処理に用いた場合、効果
的な水処理が可能である。例えば、食品工場,排水下
水,家庭雑排水等に代表される無機体のリン及び有機体
のリンの双方が共存する排水処理に本吸着剤を適用した
場合、単一の吸着剤で双方共に吸着除去でき、排水中の
有機性汚濁質の除去が可能なだけでなく、閉鎖性水域の
富栄養化成分として厳しい排水規制が行われているリン
含有成分を排水中から効果的に吸着除去できる。さら
に、本発明は一般の活性炭製造法と違い賦活操作が不要
であり、炭化のみの工程で吸着剤の製造が可能なため、
製造コストが安価になる長所をもつ。また、廃プラスチ
ック中に含有する無機物のカルシウム化合物やアルミニ
ウム化合物の充填材は、酸化物化され炭化物から分離せ
ず、そのまま吸着剤として利用でき極めて有益となる。
かくのごとく、本発明は現在決め手を欠いているFRP
等の複合プラスチック廃棄物(廃プラスチック)の利用
法として優れ、省資源化対策と廃棄物処分問題を一挙に
解決する。
の吸着剤の製造方法によれば、一般の活性炭同様、メチ
レンブルーに代表される有機物を吸着する他、通常の活
性炭が吸着できないオルソリン酸イオン等をも吸着可能
になる。従って、本吸着剤を水処理に用いた場合、効果
的な水処理が可能である。例えば、食品工場,排水下
水,家庭雑排水等に代表される無機体のリン及び有機体
のリンの双方が共存する排水処理に本吸着剤を適用した
場合、単一の吸着剤で双方共に吸着除去でき、排水中の
有機性汚濁質の除去が可能なだけでなく、閉鎖性水域の
富栄養化成分として厳しい排水規制が行われているリン
含有成分を排水中から効果的に吸着除去できる。さら
に、本発明は一般の活性炭製造法と違い賦活操作が不要
であり、炭化のみの工程で吸着剤の製造が可能なため、
製造コストが安価になる長所をもつ。また、廃プラスチ
ック中に含有する無機物のカルシウム化合物やアルミニ
ウム化合物の充填材は、酸化物化され炭化物から分離せ
ず、そのまま吸着剤として利用でき極めて有益となる。
かくのごとく、本発明は現在決め手を欠いているFRP
等の複合プラスチック廃棄物(廃プラスチック)の利用
法として優れ、省資源化対策と廃棄物処分問題を一挙に
解決する。
【0018】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。カルシウム化合物やアルミニウム化合
物は実施形態で述べたものに限定されない。廃プラスチ
ックに代え、廃ゴムにも本発明を適用できる。
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。カルシウム化合物やアルミニウム化合
物は実施形態で述べたものに限定されない。廃プラスチ
ックに代え、廃ゴムにも本発明を適用できる。
【0019】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の廃プラスチック
からの吸着剤の製造方法は、複雑な分離操作なしでまた
賦活処理を要しない簡便な製法でもって、特異な吸着性
能をもちあわせ、優れた効果を発揮する。
からの吸着剤の製造方法は、複雑な分離操作なしでまた
賦活処理を要しない簡便な製法でもって、特異な吸着性
能をもちあわせ、優れた効果を発揮する。
【図1】本発明の吸着剤の模式的拡大図である。
【図2】ガラス繊維に付着する微粒子の模様を示す拡大
図である。
図である。
【図3】実施例1における吸着剤のリン酸イオン吸着能
を示す吸着平衡図である。
を示す吸着平衡図である。
【図4】実施例1における吸着剤のメチレンブルー吸着
能を示す吸着平衡図である。
能を示す吸着平衡図である。
【図5】実施例2における吸着剤のリン酸イオン吸着能
を示す吸着平衡図である。
を示す吸着平衡図である。
【図6】実施例2における吸着剤のメチレンブルー吸着
能を示す吸着平衡図である。
能を示す吸着平衡図である。
1 活性炭化部分(活性炭化した部分) 2 微粒子(無機吸着剤化した部分) 3 ガラス繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−122627(JP,A) 特開 平5−185056(JP,A) 特開 平8−113619(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/20 B01J 20/30 C01B 31/08 C08J 11/12 C10B 53/00
Claims (2)
- 【請求項1】 カルシウム系化合物とアルミニウム系化
合物のうちの少なくとも一方を無機物の充填材として含
有する廃プラスチックを特定,選別した後、400℃〜
1000℃の温度域で且つ酸素割合が5%以下の酸素の
少ない還元性雰囲気で加熱し、該加熱を所定時間継続さ
せてその廃プラスチックを炭化させることにより炭化物
と無機物とが混在する状態の生成物を造り、これがその
ままでオルソリン酸イオン及びメチレンブルーに対して
吸着能を有するようにしたことを特徴とする廃プラスチ
ックからの吸着剤の製造方法。 - 【請求項2】 前記廃プラスチックにさらにガラス繊維
を含ませて炭化させる請求項1記載の廃プラスチックか
らの吸着剤の製造方法。
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JP6428099A JP3332882B2 (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | 廃プラスチックからの吸着剤およびその製造方法 |
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-
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