JP3332869B2 - 情報記憶ディスク用のターンテーブル装置 - Google Patents
情報記憶ディスク用のターンテーブル装置Info
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Description
のターンテーブル装置に関し、更に詳細には例えばCD
−ROM(コンパクトディスクを使用した読出し専用メ
モリ)、CD−R(コンパクトディスクを使用した読み
書き可能なメモリ)、DVD(コンパクトディスクを使
用したデジタルビデオ信号記憶ディスク)、PD(コン
パクトディスクを使用した相変化型光ディスク)等を含
む情報記憶用ディスクをドライブ内で回転可能に支持す
るためのターンテーブル装置に関する。
等と称されている情報記憶ディスクは、一般的には「光
ディスク」とも呼ばれている。この光ディスクは、ドラ
イブ装置内のターンテーブル装置によって回転可能に支
持され、この光ディスクを回転させながらこれに記録さ
れている情報を読み出して取り出したり、或いは書き込
んだりするものである。
録する情報量の増大に伴ってこの情報の読み出し又は書
き込みの速度を高速で行うために光ディスクの高速回転
化が一般的になっている。ところで、この種の光ディス
クは、ドライブ内でターンテーブル装置に乗せられ、ク
ランパーと称する押さえ装置でターンテーブル装置に固
定支持されて回転させられる。
ディスクの中心に形成された中心穴の周囲面を支持する
ターンテーブル部と、光ディスクをターンテーブル装置
で支持する時、情報記憶ディスクの中心穴に嵌入するセ
ンターリング部とから主に構成されている。センターリ
ング部が嵌入する情報記憶ディスクにおける中心穴の径
寸法は、統一規格によって決められているが、その規格
における穴径寸法の公差は比較的に大きく決められてい
る。
されてターンテーブル装置にセットされた時、たとえセ
ンターリング部が光ディスクの中心穴に嵌入していて
も、光ディスクの中心軸線がターンテーブル装置の回転
中心軸線(駆動モータ回転軸の中心軸線)に完全に一致
しない場合が起こる。
ンテーブル装置にセットされ、クランパーで当該ターン
テーブル装置に押さえられて回転されると、所謂「振れ
回り」と呼ばれる偏芯回転を生じることになる。光ディ
スクのこのような偏芯回転は、従来のような低速回転に
よる情報の読み書きではまったく問題とならないが、前
述したように情報の読み出し速度や書き込み速度を高め
るため回転速度が高速化されると、情報の読み取りや書
き込みに誤りの発生する確率が極めて高くなる。
して情報の読み出しや書き込みを行うには、ターンテー
ブル装置にセットされる光ディスクの所謂「芯出し精
度」を非常に高める必要がある。そのため、従来の光デ
ィスク駆動装置では、図11に示されるような調芯手段
を備えたターンテーブル装置が用いられていた。図11
では、駆動モータにおける回転軸の回転中心軸線を挟ん
で右側と左側に、従来使用されている2種類の光ディス
ク駆動装置を示している。
右側に記載されている光ディスク駆動装置50について
の構成を簡単に説明する。この光ディスク駆動装置50
におけるターンテーブル装置は、下面に駆動モータ51
のローターヨーク52が固定された円盤状のターンテー
ブル部53を備え、このターンテーブル部53はその中
心孔に駆動モータ51の回転軸54が相対的に圧入され
ることでローターヨーク52と共に駆動モータ51に取
り付けられている。
部表面上には、センターリング部55がその中心孔に回
転軸54の上部を相対的に圧入することで固定配置され
ている。このセンターリング部55の外周囲には、光デ
ィスクDがターンテーブル装置に乗せられた時に調芯作
用をするための棒状をした多数の撓み性部材56が周方
向に等間隔で且つ下向きに形成されている。
5の上面には凹所57が回転軸54を中心としてリング
状に形成され、このリング状の凹所57にはクランパー
(図示せず)の一部をセンターリング部55に固着させ
るための金属リング又はリング状磁石58が配置されて
いる。また、ターンテーブル部53の径方向外方表面に
は光ディスクDの中心穴周囲面を直接支持するゴムリン
グ59が接着固定されている。
側に示されている光ディスク駆動装置60のターンテー
ブル装置は、下面に駆動モータ61のローターヨーク6
2が固定された円盤状のターンテーブル部63を備え、
このターンテーブル部63はその中心孔に駆動モータ6
1の回転軸64を相対的に圧入することでローターヨー
ク62と共に駆動モータ61に取り付けられている。
には、センターリング部65がその中心孔に回転軸64
の上部を相対的に挿入することで配置され、このセンタ
ーリング部65は、截頭円錐状のコイルバネ66によっ
てターンテーブル部53に対して上下動可能に支持され
ている。従って、このセンターリング部65は、その中
心孔に相対的に挿入されている回転軸64に対して摺動
可能である。
ディスクDがターンテーブル装置に乗せられた時の調芯
作用は、センターリング部65の外周面に形成され、光
ディスクDの中心穴内周縁が接触するテーパー面とこの
センターリング部65のコイルバネ66による摺動支持
とによってなされる。
ても、前述した光ディスク駆動装置50と同様にクラン
パー(図示せず)の一部をセンターリング部に65に固
着させるための金属リング又はリング状磁石67がセン
ターリング部65の上面凹所に配置され、また、ターン
テーブル部63の径方向外方表面に光ディスクDの中心
穴周囲面を直接支持するゴムリング68が接着固定され
ている
光ディスク駆動装置50、60のターンテーブル装置で
は、以下のような問題があった。すなわち、光ディスク
駆動装置50のターンテーブル装置では、ターンテーブ
ル部53とセンターリング部55とがそれぞれ別体に形
成され、それらを組み立てることにより構成されてい
る。
る誤差や組み立て精度における誤差等からターテーブル
装置全体として比較的に大きな寸法誤差を生じやすく、
この誤差が光ディスクをターンテーブル装置のセンター
に位置決めする際の芯出し位置精度を低下させる原因と
なっている。また、従来の光ディスク駆動装置50にお
けるターンテーブル装置では、光ディスクを当該ターン
テーブル装置に乗せた際に調芯作用を行わせる手段とし
てセンターリング部55の外周囲に多数の撓み性部材5
6を形成している。
ーと協働する金属リング又はリング状磁石58をセンタ
ーリング部上面に設置する関係からその長さを長くとる
ことができず、そのため長さの短い部材に所定の撓み性
能即ちバネ性能をもたせるため極めて細く形成されてい
た。しかも、このような細い撓み性部材56に所定の強
度を持たせるため、当該撓み性部材56は比較的に高価
な樹脂材料で形成されていた。
装置では、その製造コストが比較的に高くなるという問
題点があった。更に、この撓み性部材56は、前述した
ように比較的に細い棒状の部材で形成されているため、
光ディスクDがターンテーブル装置に乗せられてその中
心穴内周縁部が撓み性部材56の外側テーパー面に接触
した時、これが真っ直ぐ下方向へ撓むとは限らず、光デ
ィスクDの乗せ方によっては周方向に曲げられる可能性
もある。撓み性部材56が、僅かでも周方向に曲がりな
がら下方向に撓むと、光ディスクDのセンター位置への
セット(芯出し精度)は確保されず、偏心回転を生じる
ことになる。
側に示されている従来の光ディスク駆動装置60のター
ンテーブル装置でも、ターンテーブル部63とセンター
リング部65とがそれぞれ別体の部品で形成され、それ
らを組み立てることにより構成されているため、これら
各部品の加工精度における誤差や組み立て精度における
誤差等から全体として比較的に大きな誤差を生じやす
く、この誤差が光ディスクをターンテーブル装置のセン
ターに位置決めする際の芯出し精度を低下させる原因と
なっている。
けるターンテーブル装置では、センターリング部65が
截頭円錐形のコイルバネ66で支持され、且つその中心
孔には相対的には回転軸64がゆるく挿入されていて、
これによりセンターリング部65が上下方向に移動し得
るように構成されているため、光ディスクDの乗せ方に
よってはセンターリング部65が回転軸64に沿って真
っ直ぐ下方向に沈み込まず、ゆがみながら沈み込むこと
がある。
ながら下方向に移動して光ディスクDを位置決めする
と、光ディスクDのセンター位置へのセットは確保され
ず、偏心回転を生じることになる。このようなことから
明らかなように、要するには、従来の光ディスク駆動装
置50、60におけるターンテーブル装置では、その構
造上、主に光ディスクを当該ターンテーブル装置のセン
ターに正確に位置決めして支持することが非常に難し
く、従って光ディスクを高速回転して情報の読み出し又
は書き込み速度を高速化することには問題があった。
決するためになされたもので、安価な手段で、情報記憶
ディスクの回転中心軸線がターンテーブル装置の回転軸
の中心軸線に一致するセンター位置に正確にセットする
ことができる情報記憶ディスク用のターンテーブル装置
を提供することにある。
ク用のターンテーブル装置であり、前述の技術的課題を
解決するために以下のような構成とされている。すなわ
ち、本発明は、中心穴を備える情報記憶ディスクをドラ
イブ内で回転可能に支持する際、正確に調芯して位置決
めするターンテーブル装置であって、前記情報記憶ディ
スクの前記中心穴の周囲面を支持するターンテーブル部
と、前記情報記憶ディスクを前記ターンテーブル装置で
支持する時、前記情報記憶ディスクの前記中心穴に嵌入
する、前記ターンテーブル部に一体的に成型されたセン
ターリング部と、前記ターンテーブル部と前記センター
リング部とに渡って放射状に形成され且つ周方向に間隔
をあけて形成された複数のスリットと、前記スリット内
に配置され、一端が前記ターテーブル部に一体的に接続
され、他端が径方向内方の前記センターリング部へ伸長
し且つその他端に調芯部を備える板状のバネ部とから構
成され、前記調芯部が、第1のテーパー面及びこの第1
のテーパー面より急峻な傾斜角度の第2のテーパー面で
形成され、複数の前記バネ部にそれぞれ前記調芯部とし
て形成された前記第1のテーパー面で形成される仮想円
の最大直径が情報記憶ディスクの中心穴における公差範
囲内最大直径より僅かに大きく形成され、前記調芯部で
ある前記第1及び第2のテーパー面が前記情報記憶ディ
スクの前記中心穴内に、その内周縁に摺接しながら相対
的に入る位置にあることを特徴とする。
前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具
体的に以下のような場合であっても成立する。その具体
的構成要素とは、前記調芯部を構成する前記第1及び第
2のテーパー面における前記情報記憶ディスクの前記中
心穴内周縁との接触部が周方向に湾曲していることを特
徴とする。
ンテーブル装置では、前記バネ部の先端部に形成された
前記調芯部が、前記バネ部の板状体から立ち上がった爪
部で構成されていることを特徴とする。そして、ターン
テーブル部と、バネ部と、センターリング部とは合成樹
脂で一体的に形成することができる。
ンテーブル装置では、ターンテーブル部が、回転軸の中
心軸線を中心とする周方向に間隔をあけて形成された複
数の開口部を備える金属盤とその裏面側に取り付けられ
た樹脂板とから構成され、センターリング部が金属盤の
表面中央部に設けられていると共にその金属盤の各開口
部を介して樹脂板に一体的に成型され、この樹脂板に前
記各バネ部が径方向内方へ伸長するように形成されると
共に前記各開口部内に位置し、各バネ部の先端部に形成
された調芯部が金属盤の各開口部から露出し、更に金属
盤がキャップ状をした金属製のローターヨークの一部で
あることを特徴とする。
金属盤に一体的に樹脂製のターンテーブル部及びセンタ
ーリング部を組み付けた場合に、金属盤の裏面側に設け
られた樹脂板に一体的に形成された各バネ部の下面側に
金属製の板状スプリングを補助的に設けることができ
る。その際、各バネ部の下面側に設けられた板状スプリ
ングに初期撓み荷重を付与すべく各バネ部の下面に突起
部を形成し、この突起部により板状スプリングに予め撓
みを与えることができる。
情報記憶ディスク用のターテーブル装置において、情報
記憶ディスクの安定的な支持のために、スリットを周方
向に等間隔で奇数個設け、これらの各スリット内にバネ
部を配置することが好ましい。更に、前記ターンテーブ
ル部の上面外周部に、前記情報記憶ディスクの前記中心
穴周囲面を受けるゴムリングを取り付けることも好まし
い。
ディスク用のターンテーブル装置によると、情報記憶デ
ィスクがターンテーブル装置に乗せられる時、その中心
穴にセンターリング部が相対的に入ると同時に、中心穴
の内周縁部がバネ部の先端に形成されている調芯部に接
触する。
った爪部で形成され、この爪部における情報記憶ディス
クの中心穴内周縁との接触部は、回転軸の中心軸線に一
致する中心線を備える仮想の円錐体の外周面の一部に相
当するテーパー面で形成されている。
縁とが接触すると同時に当該情報記憶ディスクの調芯が
始まり、調芯終了後には爪部を下方へ押し下げてバネ部
を撓ませる。バネ部のこの撓み力は、爪部が常に情報記
憶ディスクの中心穴に入り込もうとする力となって調芯
作用を維持することになる。
外方側から内方側へ伸長するように形成されていること
からその全長を比較的に長くとることができ、そのため
爪部に大きな荷重を掛けずに適度な撓み性を発揮する。
このことは、このバネ部を形成するために使用する合成
樹脂の使用範囲を広げることになる。
用のターンテーブル装置を図に示される実施形態に沿っ
て更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係
る情報記憶ディスク用のターンテーブル装置(以下、単
にターンテーブル装置と称する)10の平面図、図2は
図1のターンテーブル装置10を2−2線に沿って切断
して示す縦断面図、図3は図1に示されるターンテーブ
ル装置10の下面図である。
は、情報記憶ディスクDの中心穴の周囲面を支持する円
盤状のターンテーブル部11と、情報記憶ディスクDを
ターンテーブル装置10で支持する時、情報記憶ディス
クDの中心穴に嵌入すべくターンテーブル部11の上面
(情報記憶ディスク配置側表面)中央部に設けられたセ
ンターリング部12とを含み、ターンテーブル部11の
下面中央部には駆動モータ部(図示せず)の回転軸Sの
一端部を嵌め込むためのソケット部13が形成されてい
る。
12とは、樹脂成型品として金型等によって一体的に成
型されている。ターンテーブル部11とセンターリング
部12とを一体的に形成する際に、回転軸Sを成型金型
に配置して、成型と同時に回転軸Sをソケット13に取
付けるようにすることもできる。このターンテーブル装
置10は、ターンテーブル部11とセンターリング部1
2とに渡って放射状に形成され且つ周方向に間隔をあけ
て形成された複数のスリット14を備える。
ーブル部11に一体的に接続され、他端が径方向内方の
センターリング部12へ伸長する調芯部付きバネ部(以
下、単にバネ部と称する)15が配置されている。この
バネ部15もターンテーブル部11に一体的に形成され
ている。
11のスリット14内に位置し且つ撓み性を備える板状
体15aとその他端部である先端部に形成された爪部1
5bとから構成されている。この爪部15bは、板状体
15aの先端部においてターンテーブル部11の上面側
に向かって回転軸の軸線方向に沿って立ち上がり且つス
リット14から突出して形成されている。
軸Sの中心軸線を中心とした仮想円上に位置し、この仮
想円の外側即ち径方向外方側から見た時の各爪部15b
における外側面は、回転軸Sの中心軸線を同一の中心線
とする仮想の円錐体の外周面の一部に相当する湾曲テー
パー面15cで形成され、この湾曲テーパー面15cは
図5の拡大図から明らかなように異なる2つの傾斜角度
で形成されている。
をそれぞれ符号15c−1、15c−2で示す。爪部1
5bの上端側に形成された第1の湾曲テーパー面15c
−1は、センターリング部12の外周囲傾斜面とほぼ同
じ角度で且つほぼ同じ位置にあり、また、この第1の湾
曲テーパー面15c−1に連続する第2の湾曲テーパー
面15c−2は更に急峻な傾斜角度でバネ部15の板状
体15a表面に連続している。このような湾曲テーパー
面15cを備える爪部15bが調芯部である。
ある爪部15bとの寸法関係について説明する。センタ
ーリング部12の最大直径D1は、図4及び図5の拡大
図に示されるように情報記憶ディスクDの中心穴におけ
る公差範囲内最小直径に設計され、他方多数の爪部15
bにおける第1の湾曲テーパー面15c−1で形成され
る仮想円の最大直径D2は情報記憶ディスクDの中心穴
における公差範囲内最大直径より僅かに大きな直径とな
るように設定されている。
クDの有効的な調芯のために周方向に少なくとも3つ以
上設けられていることが必要であるが、その数について
は特に限定されるものではない。強いて言えば、情報記
憶ディスクDの支持安定性を高めるために、周方向に等
間隔で且つ奇数個設けられていることが好まし。
従来と同様に、情報記憶ディスクDの中心穴周囲面を直
接受けるためのゴムリング16が例えば接着などによっ
て固着されている。また、センターリング部12の上面
にも従来と同様に、回転軸Sの中心軸線を中心とするリ
ング状の凹所17が形成され、クランパーと協働して情
報記憶ディスクDをターンテーブル装置10に保持する
ための金属製リング又はリング状の磁石18がこの凹所
17内に配置固定されている。
スク用のターンテーブル装置10における動作について
説明する。情報記憶ディスクDがこのターンテーブル装
置10に乗せられる時、その中心穴にセンターリング部
12が相対的に入ると同時に、中心穴の内周縁部がバネ
部15の先端部に形成されている調芯部即ち爪部15b
の湾曲テーパー面15cに接触する。
の中心穴内周縁との接触面である湾曲テーパー面15c
は、回転軸Sの中心軸線に一致する中心線を備える仮想
の円錐体の外周面の一部に相当するように形成されてい
ることから、情報記憶ディスクDの中心穴内周縁とが接
触すると同時に当該情報記憶ディスクDの調芯が始ま
る。
へ押し下げてバネ部15の板状体15aを撓ませる。情
報記憶ディスクDの中心穴における径寸法が公差の範囲
内で小さい場合には、このバネ部15における板状体1
5aの撓み量は比較的に大きく、また当該中心穴の径寸
法が公差の範囲内で大きい場合には、この撓み量は比較
的に少ない。
撓み力は、爪部15bが常に情報記憶ディスクDの中心
穴に入り込もうとする作用力となって調芯作用を維持す
ることになる。このようなバネ部15は、これを構成す
る板状体15aがターンテーブル部11の径方向外方側
を基部として径方向内方側へ伸長するように形成されて
いることからその全長を比較的に長くとることができ
る。
ずに板状体15aに適度な撓み性を発揮させることがで
きる。すなわち、バネ部15の板状体15aにおける内
部応力を抑えることができ、換言すれば外力に対する応
力の感度を下げることができ、それによりバネ部15を
撓ませた時の芯出し精度がより一層向上できる。
成するために使用する合成樹脂の使用範囲を広げること
にもなる。すなわち、このバネ部15bを一体に形成す
るターンテーブル部11は、例えばポリカーボネート
(PC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ
アセタール(POM)、及びそれらの複合材料等で形成
することができる。勿論、更なる強度や撓み性が要求さ
れる場合には、適宜その要求に適した樹脂材料で形成す
ることもできる。
情報記憶ディスク用のターンテーブル装置(以下、単に
ターンテーブル装置と称する)20を図6〜図9を参照
して説明する。図6はこの実施形態に係るターンテーブ
ル装置20の平面図、図7は図6のターンテーブル装置
20を7−7線に沿って切断して示す縦断面図、図8は
図7に示されるターンテーブル装置20の一部を拡大し
て示す断面図、図9は図6に示されるターンテーブル装
置20の下面図である。
0は、基本的には図1に示される実施形態と同様に情報
記憶ディスクDの中心穴の周囲面を支持する円盤状のタ
ーンテーブル部21と、情報記憶ディスクDをターンテ
ーブル装置20で支持する時、情報記憶ディスクDの中
心穴に嵌入すべくターンテーブル部21の上面(情報記
憶ディスク配置側表面)中央部に設けられたセンターリ
ング部22とを含み、ターンテーブル部21の下面中央
部には駆動モータ部(図示せず)における回転軸Sの一
端部を嵌め込むためのソケット部23が形成されてい
る。
0では、ターンテーブル部21が、回転軸Sの中心軸線
を中心として周方向に間隔をあけて形成された複数の開
口部24aを備える金属盤24bとその裏面側に取り付
けられた樹脂板25とから構成されている。この金属盤
24bは、キャップ状をした金属製のローターヨーク2
4の一部である。
24bの中央部が上面側に截頭円錐状に膨出した膨出部
24cの上部縁を包囲する樹脂製の周囲部22aと、こ
の膨出部24cの中心部に形成された中心穴24dから
突出している樹脂製のセンター部22bとで形成されて
いる。
周囲部22aは、金属盤24bの各開口部24aを介し
てターンテーブル部21の一部を構成している樹脂板2
5に一体的に成型され、またセンター部22bは金属盤
24bの裏面(ローターヨーク24の内方側)に配置さ
れた回転軸取付け用のソケット部23及び樹脂板25に
一体的に成型されている。
ターヨーク24の一部である金属盤24bの表裏に設け
られたターンテーブル部21、センターリング部22及
びソケット部23などの樹脂製部分は全て一体に形成さ
れており、その結果この樹脂部分は金属盤24bにしっ
かりと固着している。
5には、図1に示される実施形態と同様に、各バネ部2
6を構成する板状体26aが径方向外方側から内方側へ
向かって伸長するように形成されると共に、これらの各
板状体26aは金属盤24bの各開口部24a内に位置
している。
且つ調芯部として機能する爪部26bは金属盤24bの
各開口部24aからターンテーブル部21の上面側に向
かって回転軸Sの軸線方向に沿って立ち上がり、突出し
ている。各バネ部26の先端部に形成された各爪部26
bは、実質的に図1に示される実施形態の場合と同一
で、回転軸Sの中心軸線を中心とした仮想円上に位置
し、この仮想円の径方向外方側から見た時の各爪部26
bにおける外側面は、回転軸Sの中心軸線を同一の中心
線とする仮想の円錐体の外周面の一部に相当する湾曲テ
ーパー面26cで形成されている。
盤24bの上面外周側には、従来と同様に、情報記憶デ
ィスクDの中心穴周囲面を直接受けるためのゴムリング
27が例えば接着などによって固着されている。また、
前述したようにセンターリング部22は、金属盤24b
において中央部で膨出した膨出部24cの上部縁を包囲
する樹脂製の周囲部22aと膨出部24cの中心穴24
dから突出したセンター部22bで形成されている。
2bとによりリング状の凹所28が形成され、この凹所
28からは金属盤24bの膨出部24cが露出してい
る。この膨出部24cは、クランパーと協働して情報記
憶ディスクDをターンテーブル装置20に保持するため
に機能するものであることは従来と同じである。
ターンテーブル装置20は、樹脂成型金型内の所定位置
に金属製のローターヨーク24を配置して、ターンテー
ブル部21の一部及びセンターリング部22等の樹脂部
を、このローターヨーク24の一部である金属盤24b
と共に鋳込むように一体に成型することによって製造す
ることができる。
配置して同時鋳込みによりソケット部23に固着するこ
とができる。勿論、ターンテーブル装置20を前述した
ようにローターヨーク24と一体に成型した後に回転軸
Sをソケット部23に圧入して取り付けてもよいことは
言うまでもない。
一体型のターンテーブル装置20の動作は、図1に示さ
れる実施形態の場合と実質的に同じであるので、その説
明を省略する。ところで、この実施形態のターンテーブ
ル装置20の場合には、バネ部26の撓み力を設計段階
において必要に応じて高めるように調整することができ
る。そのための構成として、図10に示されるように金
属製のバネ円盤30を図9で示される金属盤24bの裏
面側に密着するように配置する。
なようにリング状の外側フレーム部31a及び内側フレ
ーム部31bと、これら両フレーム部を接続する複数の
連結片31cと、各連結片31cの間に設けられ且つ外
側フレーム31aの内周縁から径方向内方へ伸長する板
状スプリングとして機能するバネ片32とから構成され
ている。このバネ片32は、ターンテーブル部21のバ
ネ部26に対応するように形成されている。
の内側フレーム部31bに回転軸Sを相対的に挿入させ
て金属盤24bの裏面に配置すると共に、連結片31c
を金属盤24bの裏面に設けられた樹脂板25の溝部2
9に嵌め込んで接着剤などで取り付けられる。その時、
各バネ片32はターンテーブル部21の各バネ部26の
真下に位置するように形成されている。
周囲部22aと一体に、金属板24bに形成された開口
部22aを介してその裏面側に形成され且つソケット部
23等に続く樹脂部の下面には、バネ円盤30における
各バネ片32に初期撓み荷重を与えるためのバネ片先端
接触部26dが形成されている。すなわち、この接触部
26dは、各バネ部26の真下に配置される各バネ片3
2の先端部を僅かに撓ませる程度の高さに形成され、従
って各バネ片32は、この接触部26dの高さによって
予め撓みが与えられている。
ーブル装置20に乗せられてバネ部26を撓ませた時、
その下面側に配置されたバネ片32も直ちに撓み初め、
これによりバネ部26の撓み力が補強されることにな
る。そして、このバネ部26の下面先端部には、更に突
起部26eが形成されている。
荷重をコントロールするためのもので、この突起部26
eの高さ即ち突出量を設計段階で調整することによりバ
ネ片32の初期撓み荷重を任意に変えることができる。
これにより、バネ部26の撓み力を所望の数値に自由に
変えることができる。
報記憶ディスク用のターンテーブル装置によれば、回転
軸を保持するソケット部を備えるセンターリング部と、
調芯部の付いたバネ部を備えるターンテーブル部とが合
成樹脂材によって一体的に成型されて製造されるため、
バネ部に形成された調芯部の位置精度を非常に高めるこ
とができる。
ブル装置にセットした時の芯出し精度を著しく向上させ
ることができ、これにより情報記憶ディスクを高速回転
して情報の読み出し又は書き込みを正確に行うことがで
きる。
のターンテーブル装置によれば、調芯部の付いたバネ部
を、ターンテーブル部にその径方向外方側から内方側に
伸長するように形成したことから、バネ部の板状体即ち
アームの長さを比較的に長くでき、そのため、調芯部に
大きな荷重を掛けずに板状体に適度な撓み性を発揮させ
ることができる。
度を上げるばかりではなく、このバネ部を形成するため
に使用する合成樹脂材の使用範囲を広げることにもな
り、その結果比較的に安価な材料でこのターンテーブル
装置を製造することができる。
のターンテーブル装置を示す平面図である。
ーブル装置を2−2線に沿って切断して示す縦断面図で
ある。
ある。
ーブル装置を部分的に拡大して示す拡大平面図である。
ーブル装置を部分的に拡大して示す拡大断面図である。
スク用のターンテーブル装置を示す平面図である。
ーブル装置を7−7線に沿って切断して示す縦断面図で
ある。
ーブル装置の一部を拡大して示す断面図である。
ーブル装置の下面図である。
テーブル装置におけるバネ部の撓み力を補強するために
使用するバネ円盤を示す平面図である。
装置を回転軸の中心軸線を挟んでそれぞれ左右に示す断
面図である。
ーブル装置 11 ターンテーブル部 12 センターリング部 13 ソケット部 14 スリット 15 バネ部 15a 板状部 15b 爪部 15c 湾曲テーパー面 16 ゴムリング 17 凹所 18 金属製リング又はリング状磁石 20 他の実施形態に係る情報記憶ディスク用のターン
テーブル装置 21 ターンテーブル部 22 センターリング部 23 ソケット部 24 ローターヨーク 24a 開口部 24b 金属盤 24c 膨出部 24d 中心穴 25 樹脂板 26 バネ部 26a 板状部 26b 爪部 26c 湾曲テーパー面 26d 突起部 27 ゴムリング 28 凹所 29 溝部 30 バネ円盤 32 バネ片
Claims (9)
- 【請求項1】 中心穴を備える情報記憶ディスクをドラ
イブ内で回転可能に支持する際、正確に調芯して位置決
めするターンテーブル装置であって、 前記情報記憶ディスクの前記中心穴の周囲面を支持する
ターンテーブル部と、前記情報記憶ディスクを前記ター
ンテーブル装置で支持する時、前記情報記憶ディスクの
前記中心穴に嵌入する、前記ターンテーブル部に一体的
に成型されたセンターリング部と、前記ターンテーブル
部と前記センターリング部とに渡って放射状に形成され
且つ周方向に間隔をあけて形成された複数のスリット
と、前記スリット内に配置され、一端が前記ターテーブ
ル部に一体的に接続され、他端が径方向内方の前記セン
ターリング部へ伸長し且つその先端部に調芯部を備える
板状のバネ部とから構成され、前記調芯部が、第1のテ
ーパー面及びこの第1のテーパー面より急峻な傾斜角度
の第2のテーパー面で形成され、複数の前記バネ部にそ
れぞれ前記調芯部として形成された前記第1のテーパー
面で形成される仮想円の最大直径が情報記憶ディスクの
中心穴における公差範囲内最大直径より僅かに大きく形
成され、前記調芯部である前記第1及び第2のテーパー
面が前記情報記憶ディスクの前記中心穴内に、その内周
縁に摺接しながら相対的に入る位置にあることを特徴と
する情報記憶ディスク用のターンテーブル装置。 - 【請求項2】 前記調芯部を構成する前記第1及び第2
のテーパー面における前記情報記憶ディスクの前記中心
穴内周縁との接触部が周方向に湾曲していることを特徴
とする請求項1に記載の情報記憶ディスク用のターンテ
ーブル装置。 - 【請求項3】 前記バネ部の先端部に形成された前記調
芯部が、前記バネ部の板状体から立ち上がった爪部で構
成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
情報記憶ディスク用のターンテーブル装置。 - 【請求項4】 前記ターンテーブル部と、前記バネ部
と、前記センターリング部とが合成樹脂で一体的に形成
されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の情報記憶ディスク用のターンテーブル装置。 - 【請求項5】 前記ターンテーブル部が、前記回転軸の
中心軸線を中心とする周方向に間隔をあけて形成された
複数の開口部を備える金属盤とその裏面側に取り付けら
れた樹脂板とから構成され、前記センターリング部が前
記金属盤の表面中央部に設けられていると共に前記金属
盤の前記各開口部を介して前記樹脂板に一体的に成型さ
れ、この樹脂板に前記各バネ部が径方向内方へ伸長する
ように形成されると共に前記各開口部内に位置し、各バ
ネ部の先端部に形成された調芯部が金属盤の各開口部か
ら露出し、更に金属盤がキャップ状をした金属製のロー
ターヨークの一部であることを特徴とする請求項1〜3
のいずれかに記載の情報記憶ディスク用のターンテーブ
ル装置。 - 【請求項6】 前記金属盤の裏面側に設けられた前記樹
脂板に一体的に形成された前記各バネ部の下面側に金属
製の板状スプリングが補助的に設けられていることを特
徴とする請求項5に記載の情報記憶ディスク用のターン
テーブル装置。 - 【請求項7】 前記各バネ部の下面側に設けられた前記
板状スプリングに初期撓み荷重を付与すべく前記各バネ
部の下面に形成された突起部を備え、この突起部により
前記板状スプリングに予め撓みを与えることを特徴とす
る請求項6に記載の情報記憶ディスク用のターンテーブ
ル装置。 - 【請求項8】 前記スリットが周方向に等間隔で奇数個
設けられ、これらの各スリット内に前記バネ部配置され
ていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
の情報記憶ディスク用のターンテーブル装置。 - 【請求項9】 前記ターンテーブル部の上面外周部に、
前記情報記憶ディスクの前記中心穴周囲面を受けるゴム
リングが取り付けられていることを特徴とする請求項1
〜8のいずれかに記載の情報記憶ディスク用のターンテ
ーブル装置。
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