JP3332434B2 - 電子写真用光受容部材 - Google Patents
電子写真用光受容部材Info
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Description
は、光等(ここでは広義の光であって紫外線、可視光
線、赤外線、X線、γ線などを意味する。)の電磁波に
対して感受性のある電子写真用光受容部材に関する。
部材の光受容層を形成する光導電材料は、高感度で、S
N比が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合し
た吸収スペクトル特性を有すること、光応答性が速く、
所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対
して無公害であること等の諸特性が要求される。
にアモルファスシリコン(以後、a−Siと表記す
る。)が有り、例えば、特開昭54−86341号公報
には電子写真用光受容部材としての応用が記載されてい
る。
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性の点さ
らには経時的安定性の点について改善を図るため、シリ
コン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光
導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電
性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける
技術が記載されている。
は、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜7
0原子%の水素原子とを構成要素として含む非晶質材料
を用いる技術が記載されている。
真用光受容部材に係る技術により、無公害で高画質、高
耐久の特徴をもつa−Siドラムはその特徴を生かし実
用化された。しかしながら複写機の改良も日々進んでお
り、多機能、高画質、高耐久がさらに求められている。
そこでa−Siドラムに求められる特性も更に高くなっ
ており従来以上にコストダウン、高電気特性そして特に
あらゆる環境下での高耐久が望まれている。
濃度が高い環境下で連続して使用した場合においてコピ
ー濃度が低くなることがあった。また、影を引いたよう
な画像欠陥の発生がみられることもあった。こうした点
においても改良を加え、どのような悪環境下でも安定し
た画像が得られることが望まれていた。
iで構成された従来の光受容層を有する電子写真用光受
容部材における諸問題を解決することを目的とするもの
である。即ち、本発明の主たる目的は、電気的、光学
的、光導電的特性が使用環境にほとんど依存する事なく
常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰り返し使用に際
しては劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性に優れ、残留
電位がほとんど観測されない、シリコン原子を母体とし
た非単結晶材料で構成された光受容層を有する電子写真
用光受容部材を提供することにある。本発明は、特に、
悪環境下でも安定した画像を常時得られるような、優れ
た電子写真用光受容部材を提供することを目的とする。
容部材は、上記目的を達成するために、支持体と、少な
くとも非単結晶シリコン系の材料で構成された光導電性
層と、シリコン原子、炭素原子を母体とした表面層とを
有する電子写真用光受容部材において、前記表面層にお
いて炭素原子の含有量がシリコン原子と炭素原子との和
に対して40原子%以上90原子%以下で、前記表面層
の炭素原子が4本の結合手を持つダイヤモンド結合をす
る炭素原子と、3本の結合手を持つグラファイト結合を
する炭素原子とからなり、前記表面層中に含有する全炭
素原子の数に対してグラファイト結合をする炭素原子が
10.2%以上24.7%以下であることを特徴とす
る。
の電子写真用光受容部材は、前述した諸問題点の全てを
解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電的特
性、耐久性及び使用環境特性を示す。
すべく鋭意研究を続けた結果、表面層中の炭素原子の含
有の仕方を限定した特別の場合に本発明の目的を達成で
きると言う知見を得た。以下、本発明に到る経緯につい
て説明する。
受容部材を用いた電子写真装置が化学工場の様な特殊環
境下でコピー濃度が低下する原因の究明から行った。そ
の結果、有機溶剤の蒸気濃度が比較的高い様な環境下
で、帯電器によるコロナ帯電を行った場合に表面が白く
曇ることがあり、この白く曇った部分ではトナーの転写
が悪化しコピー濃度が低下することがわかった。
て、コロナ帯電により有機溶剤の蒸気が、水分や空気中
の酸素等と反応し、光受容部材の材料に吸着、変質させ
低抵抗となっているのでないかと考えた。この白く曇っ
た部分は、水や有機溶剤等で表面を拭き取ることにより
取り除くことが可能であるが、こうしたことを行わなけ
ればならないこと自体が望ましくなく、どのような環境
下でも安定した光受容部材が望まれる。
シリコン原子と炭素原子と水素原子を構成要素として含
む非単結晶材料を構成することで電気的、光学的、光導
電的特性及び使用環境特性、耐久性の向上が可能であっ
た。また、この様な表面層中での炭素原子の量は、シリ
コン原子の総量を100としたとき、1×10-3〜90
原子%、最適には、10原子%〜80原子%が好ましい
とされている。しかし、従来は本発明者らのように含ま
れる炭素原子の結合の状態にまで考慮すること無く表面
層を形成しているのが実状であった。
が高い領域ではあるが、単純に原料ガス中の炭素原子を
含むガス流量を増やすことは、モザイク状態において炭
素原子の高濃度な領域が増加するだけで、あまり効果的
ではない。アモルファスカーボンを作製し、それを適当
な割合で分布させることは、困難なことであった。
と上述の帯電能も良化せず、光学的バンドギャップ幅も
下がり、機械的強度も低下してしまう。
なかった化学結合状態を考慮し従来不可能であったアモ
ルファスシリコンとアモルファスカーボンの諸物性を損
なわずに混在させることが重要である。カーボンはsp
3やsp2などの混成軌道の違いにより結合できる原子
の数が異なる事はよく知られている。本発明者らはアモ
ルファスカーボンの領域においてこのカーボンの結合の
状態を混在させる事がさらに重要であることを確認し
た。かかる膜を電子写真用光受容部材の表面層に用いる
ことにより悪環境下においても十分高画質を維持したま
ま高耐久が達成できるものであることを見いだした。
受容部材について詳細に説明する。
一実施態様例の層構成を説明するための模式的構成図で
ある。
は、光受容部材用としての支持体101の上に、光受容
層104が設けられている。該光受容層104はa−S
i(H、X)からなり光導電性を有する光導電層102
と、表面層103とで構成されている。表面層103
は、シリコン原子、炭素原子を母材とし、水素原子及び
/またはフッ素原子を構成要素として有する非単結晶材
料で構成され、含有される炭素原子が4本の結合手を持
つダイヤモンド結合をする炭素原子と、3本の結合手を
持つグラファイト結合をする炭素原子からなり、表面層
中に含有する炭素原子の数に対してグラファイト結合を
する炭素原子が10.2%以上24.7%以下である。
た、電気絶縁性のものであってもよい。導電性支持体と
しては、例えば、Ni、Cr、ステンレス、Al、M
o、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、Fe等
の金属またはこれらの合金が挙げられる。中でも、アル
ミニウム(Al)は、適度な強度を備え、さらに加工性
も優れ、製造上、及び取扱い上の点から、本発明には好
ましい。支持体材料としてアルミニウムを用いた場合、
切削性を向上させるため、1〜10重量%のマグネシウ
ムを含有させることが望ましい。更に、マグネシウム含
有前のアルミニウムの純度としては、98重量%以上、
好ましくは99重量%以上のものが本発明では効果的で
ある。
等任意の形状であることができるが、用途、所望によっ
てその形状は適宜に決定できるものである。例えば図1
の光受容部材105を電子写真用像形成部材として使用
するのであれば、連続高速複写の場合には、無端ベルト
状または円筒状とするのが望ましい。支持体の厚さは、
所望通りの光受容部材を形成し得る様に適宜決定される
が、光受容部材として可撥性が要求される場合には、支
持体としての機能が十分発揮される範囲で可能な限り薄
くすることができる。しかしながら、支持体の製造上及
び取扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上
とされる。
y)tHuFv(但し、x+y=1、t+u+v=1)
で構成される。その製法においてはRF放電法、マイク
ロ波放電法等によって成されるが、いずれの方法による
場合も、炭素原子の結合で、グラファイト結合を取る炭
素原子の数が表面層中の全炭素原子の数に対して従来と
は異なる割合となるように反応を制御する必要がある。
ズマCVD法の場合はシリコン原子の結合の制御の方法
の例としては、原料ガス種の選択や放電中に電界を設け
るべくバイアスを印加する方法と、パワー等の成膜条件
の組み合わせにより可能である。
してエチレン(C2H4)、テトラエチルシラン(Si
(C2H5)4)等のガスを任意の割合で混合し、予め
熱、光、電界等により前励起して、シラン(Si
H4)、四フッ化珪素(SiF4)等のシリコン原子含有
ガス、および/又はメタン(CH4)、四フッ化炭素
(CF4)等の炭素原子含有ガスを導入してマイクロ波
放電法で表面層を作製することにより表面層中に含有さ
れる炭素原子が4本の結合手を持つダイヤモンド結合を
する炭素原子と、3本の結合手を持つグラファイト結合
をする炭素原子からなり、表面層中に含有する炭素原子
の数に対してグラファイト結合をする炭素原子の数が表
面層中の全炭素原子の数に対してより多くなるように反
応を制御することが可能であった。マイクロ波放電法に
おいては、上記の方法と共に放電空間中に電界を形成し
てイオンを効果的に支持体表面に到達させることにより
制御の効果が大きなものとなるのではないかと考えられ
る。
用される希釈ガスとしては水素(H2)、アルゴン(A
r)、ヘリウム(He)等が挙げられる。その他、窒素
(N2)、アンモニア(NH3)等の窒素原子を含む原料
ガス、酸素(O2)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素
(NO2)、酸化二窒素(N2O)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2)等酸素原子を含む原料ガ
ス、ジボラン(B2H6)、フッ化ホウ素(BF3)、ホ
スフィン(PH3)等のドーパントガス、または、これ
らの混合ガスを表面層の形成時に同時に導入しても本発
明は同様に有効である。
為の表面層を形成する際の支持体温度としては表面層の
形成法に併せて適宜最適範囲が選択されて表面層の形成
が実行されるが、通常の場合、100〜400℃、好適
には150〜350℃とされるのが望ましいものであ
る。表面層の形成には、層を構成する原子の組成比の微
妙な制御や層厚の制御がほかの方法に較べて比較的容易
であること等のために、マイクロ波放電法が有利である
が、これらの層形成法で表面層を形成する場合には、前
記の支持体温度と同様に層形成の際の放電パワー、反応
容器内の圧力が作成されるa−(SixCy)tHuF
vの特性を左右する重要な因子の1つである。
性を有するa−(SixCy)tHuFvが生産性良く
効果的に作成されるための放電パワー条件としては、支
持体1個当り、通常、10〜5000W、好適には20
〜2000Wとされるのが望ましい。反応容器内のガス
圧はRF放電法では通常0.01〜2Torr、好適に
は0.1〜1Torr、マイクロ波放電法では0.2m
Torr〜100mTorr、好適には1mTorr〜
50mTorr程度とされるのが望ましい。
の支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲として前
記した範囲の値が挙げられるが、これらの層作成因子
は、独立的に別々に決められるものではなく、所望特性
のa−(SixCy)tHuFVから成る表面層が形成
されるように相互的有機的関連性に基づいて、各層形成
因子の最適値が決められるのが望ましい。
特性が所望通りに与えられる様に注意深く形成される必
要がある。
面層に含有される炭素原子、水素原子の量は、表面層の
作成条件と同様、本発明の目的を達成する所望の特性が
得られる表面層が形成される重要な因子である。
子の量はシリコン原子と炭素原子の総量に対して40原
子%以上90原子%以下、好ましくは50原子%以上9
0原子%以下、最適には60原子%以上90原子%以下
が望ましい。
量に対して通常の場合41〜70原子%、好適には45
〜60原子%、又、フッ素原子の含有量としては、通常
の場合0.1〜10原子%、好適には0.6〜4原子%
とされるのが望ましく、これらの範囲に水素、及び、フ
ッ素含有量がある場合に形成される光受容部材は実際面
において従来にない格段に優れたものとして十分適用さ
せ得るものである。
先のa−(SixCy)tHuFvの表示で行なえば、
効果を得るためにはxが0.1〜0.6、yは0.4〜
0.9(但し、x+y=1)、tは0.299〜0.5
89、uは0.41〜0.7、vは0.001〜0.1
(但し、t+u+v=1)であるのが望ましい。ただ
し、本発明では表面層中に前記の原子以外に微量(好ま
しくは10原子%以下、更に好ましくは3原子%以下、
最適には1原子%以下)であれば他の如何なる原子を含
有することも可能である。
と、表面層の強度、透明度、耐久性、耐候性などの面で
いずれかの弊害が発生すると同時に、本発明の効果も大
幅に低下してしまう。
態が非常に重要な構成要素となっている。本発明が効果
を得るためには、含有される炭素原子が4本の結合手を
持つダイヤモンド結合をする炭素原子と、3本の結合手
を持つグラファイト結合をする炭素原子からなり、表面
層中に含有する炭素原子の数に対してグラファイト結合
をする炭素原子が10.2%以上24.7%以下で有る
ことが望ましく、最適には12%以上18%以下であ
る。
の目的を効果的に達成する為の重要な因子の一つであ
る。
は、本発明の目的を効果的に達成するように所望の目的
に応じて適宜決められる。
関係においても、各々の層領域に要求される特性に応じ
た有機的な関連性の下に所望に従って適宜決定される必
要がある。更につけ加えるに、生産性や量産性や加味し
た経済性の点においても考慮されるのが望ましい。
常0.01〜10μm、好適には0.04〜5μm、最
適には0.05〜3μmとされるのが望ましいものであ
る。
厚としては、目的に適合させて、所望の値に従って適宜
決定される。通常は1〜100μm、好適には1〜80
μm、最適には2〜50μmである。
は、支持体と光導電層との間に密着性のいっそうの向上
をはかる目的で、更に例えば水素原子及びハロゲン原子
の少なくとも一方と、窒素原子、酸素原子の少なくとも
一方と、シリコン原子とを含む非晶質材料で構成される
密着層を設けてもよい。
製する方法として、例えばマイクロ波放電法により形成
する場合の製造方法について説明する。
波放電法により電子写真用光受容部材を作製する製造装
置を示す。なお、図2はマイクロ波放電法による装置の
縦断面図、図3は同装置の横断面図である。両図におい
て、201は反応容器であり、真空気密化構造を成して
いる。また、202は、マイクロ波電力を反応容器20
1内に効率よく透過し、かつ真空気密を保持し得るよう
な材料(例えば石英ガラス、アルミナセラミックス等)
で形成されたマイクロ波導入窓である。203はマイク
ロ波電力の伝送を行う導波管であり、マイクロ波電源か
ら反応容器近傍までの矩形の部分と、反応容器に挿入さ
れた円筒形の部分からなっている。導波管203はスタ
ブチューナー(図示せず)、アイソレーター(図示せ
ず)とともにマイクロ波電源(図示せず)に接続されて
いる。マイクロ波導入窓202は反応容器内の雰囲気を
保持するために導波管203の円筒形の部分内壁に気密
封止されている。204は一端が反応容器201に開口
し、他端が排気装置(図示せず)に連通している排気孔
である。206は支持体205により囲まれた放電空間
を示す。バイアス電源211はバイアス電極兼ガス導入
管208に直流電圧を印加するための直流電源でありバ
イアス電極兼ガス導入管208に電気的に接続されてい
る。
を使用した電子写真用光受容部材の製造は以下のように
して行う。まず真空ポンプ(図示せず)により排気孔2
04を介して、反応容器201を排気し、反応容器20
1内の圧力を1×10-7Torr以下にする。ついでヒ
ーター207により、支持体205の温度を所定の温度
に加熱保持する。そこで光導電層の原料ガスを不図示の
ガス導入手段を介してガス導入管215より導入する。
即ち、a−Si(H、X)の原料ガスとしてシランガ
ス、ドーピングガスとしてジボランガス、希釈ガスとし
てヘリウムガス等の原料ガスが反応容器201内に導入
される。それと同時併行的にマイクロ波電源(図示せ
ず)により周波数2.45GHzのマイクロ波を発生さ
せ、導波管203を通じ、マイクロ波導入窓202を介
して反応容器201内に導入される。更に放電空間20
6中のバイアス電極兼ガス導入管208に電気的に接続
された直流電源211によりバイアス電極兼ガス導入管
208に支持体205に対して直流電圧を印加する。か
くして支持体205により囲まれた放電空間206にお
いて、原料ガスはマイクロ波のエネルギーにより励起さ
れて解離し、更にバイアス電極兼ガス導入管208と支
持体205の間の電界により定常的に支持体205表面
に光導電層が形成される。この時、支持体205が設置
された回転軸209をモーター210により回転させ、
支持体205を支持体母線方向中心軸の回りに回転させ
ることにより、支持体205全周に渡って均一に堆積膜
が形成される。
表面層を形成するには、光導電層形成時とは原料ガス組
成を変え、例えば、前励起容器213内で光源212の
光によりテトラエチルシランガス、エチレンガスを前励
起し、ガス導入管214より反応容器201に導入す
る。また、シランガス、フッ素ガス等はガス導入管21
5より反応容器201内に導入し、光導電層形成時と同
様にして放電を開始する事によって成される。その際、
水素ガス、ヘリウムガスは、ガス導入管214と215
から反応容器201に導入される。ガス導入管214と
215へ導入される希釈ガスの流量比は、全ガス流量が
変わらないように割合を変え、2種のガス管から同流量
が流れる様に制御する必要がある。
ばシランガスとメタンガスの放電空間内に導入される流
量比を任意に変えることにより制御することが出来る。
シリコン原子の結合の仕方は、シランガスとメタンガス
を前励起したテトラエチルシランガス、エチレンガスに
置き換えていくことにより任意に制御することが出来
る。更に、放電空間に印加するバイアス電圧を変化させ
ることにより、より効果的に制御が可能となる。又、表
面層中に含有される水素原子の量及び、フッ素原子の量
は、例えば水素ガスの放電空間内に導入される流量を任
意に変えることによって、制御することが出来る。
て、実施例および比較例により更に具体的に説明する。 <実施例1および比較例1> 図2,図3に示した製造装置を用い、鏡面加工を施した
アルミニウムシリンダー上に表1,表2の作製条件に従
って光導電層と表面層の2層構成よりなる電子写真用光
受容部材を形成した。また、同一のシリンダー上に表面
層のみを形成したサンプルを別個用意した。光受容部材
は、電子写真装置(キヤノン社製NP6650を本テス
ト用に改造したもの)にセットして、初期の帯電能、感
度、画像流れ、残留電位、ゴースト、画像欠陥等の電子
写真特性と有機溶剤の蒸気が比較的高い環境下で50万
枚耐久試験後の特性変化を評価した。併せて、耐久によ
るドラム傷の発生についても評価を行った。
現)、画像部の上下に対応する部分をそれぞれ切り出
し、ラマン散乱により炭素の結合状況を分析した。
のため、同様の評価をした。
を表3,表4に示す。
いてC(C=C)/C(合計)の値が10.2〜24.
7atomic%の範囲内において試験環境下において
も非常に良好な結果が得られた。
アルミニウムシリンダー上に表5および表面層の作製条
件は表2の条件に従って、電荷発生層と電荷輸送層の少
なくとも2層からなる光導電層と表面層の層構成からな
る電子写真用光受容部材を形成した。
2%以上18%以下持つ最適な表面層(サンプルD)を
形成した光受容部材を作製した。
ヤノン製複写機(NP−6650の改造機)で評価し
た。その結果を表8に示す。 [比較例2] 比較のため表5及び表2のサンプルAの条件で光受容部
材を作製した。これを実施例2と同様の評価をおこない
表8に他の実施例と合わせて示す。
かなように、悪環境下においてすぐれた耐久性を示すこ
とがわかる。 <実施例3および比較例3> [実施例3] 図2,図3に示した製造装置を用い、鏡面加工を施した
アルミニウムシリンダー上に表6の作製条件、および表
2のサンプルDの表面層の条件に従って、炭素分布がシ
ラン分布に対して変化している光導電層と表面層からな
る電子写真用光受容部材を形成した。
ヤノン製複写機(NP−6650の改造機)で評価し
た。その結果を表8に示す。
光受容部材を作製した。これを実施例1と同様の評価を
おこない表8に実施例3と合わせて示す。
らかなように悪環境下においてすぐれた耐久性を示すこ
とがわかる。 <実施例4および比較例4> [実施例4] 図2,図3に示した製造装置を用い、鏡面加工を施した
アルミニウムシリンダー上に表7の作製条件、および表
2のサンプルDの表面層の条件に従って、電荷注入阻止
層、光導電層および表面層の3層構成よりなる電子写真
用光受容部材を形成した。
ヤノン製複写機(NP−6650の改造機)で評価し
た。その結果を表8に示す。
光受容部材を作製した。これを実施例1と同様の評価を
おこない表8に実施例4と合わせて示す。
らかなように悪環境下においてすぐれた耐久性を示すこ
とがわかる。
る表面層を持つ電子写真用光受容部材によれば、極めて
優れた電気的、光学的、光導電的特性、耐久性を損なわ
ず、さらに悪環境下での耐久特性を大幅に改善すること
ができる。
る。
波放電法による装置の概略的縦断面図である。
波放電法による装置の概略的横断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 支持体と、少なくとも非単結晶シリコン
系の材料で構成された光導電性層と、シリコン原子、炭
素原子を母体とした表面層とを有する電子写真用光受容
部材において、前記表面層において炭素原子の含有量が
シリコン原子と炭素原子との和に対して40原子%以上
90原子%以下で、前記表面層の炭素原子が4本の結合
手を持つダイヤモンド結合をする炭素原子と、3本の結
合手を持つグラファイト結合をする炭素原子とからな
り、前記表面層中に含有する全炭素原子の数に対してグ
ラファイト結合をする炭素原子が10.2%以上24.
7%以下であることを特徴とする電子写真用光受容部
材。 - 【請求項2】 前記支持体上に電荷注入阻止層を介して
前記光導電層を設けた請求項1に記載の電子写真用光受
容部材。 - 【請求項3】 前記光導電層が電荷発生層と電荷輸送層
とからなる請求項1または2に記載の電子写真用光受容
部材。
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