JP2824166B2 - 光受容部材 - Google Patents

光受容部材

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JP2824166B2
JP2824166B2 JP22038591A JP22038591A JP2824166B2 JP 2824166 B2 JP2824166 B2 JP 2824166B2 JP 22038591 A JP22038591 A JP 22038591A JP 22038591 A JP22038591 A JP 22038591A JP 2824166 B2 JP2824166 B2 JP 2824166B2
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哲也 武井
博和 大利
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光等(ここでは広義の光
であって紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線などを
意味する。)の電磁波に対して感受性のある光受容部
材、特に電子写真用光受容部材に関する。
【0002】
【従来の技術】像形成分野において、電子写真用光受容
部材の光受容層を形成する光導電材料は、高感度で、S
N比が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合し
た吸収スペクトル特性を有すること、光応答性が速く、
所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対
して無公害であること等の諸特性が要求される。
【0003】この様な点に優れた性質を示す光導電材料
にアモルファスシリコン(以後、A−Siと表記す)が
有り、例えば、特開昭54−86341号公報には電子
写真用光受容部材としての応用が記載されている。
【0004】また、特開昭57−11556号公報に
は、A−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性の点、
さらには経時的安定性の点について改善を図るため、シ
リコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された
光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導
電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設け
る技術が記載されている。
【0005】特開昭62−168161号公報には、表
面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子
%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる
技術が記載されている。
【0006】これらの技術により、電子写真用光受容部
材の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性、
耐久性が向上し、更に、画像品位の向上も可能となっ
た。
【0007】更に、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載されている。
【0008】一方、電子写真装置の高速化、高耐久化は
急速に進んでおり、更に、サービスコスト低減のため各
部品の信頼性向上を図り、メンテナンス回数の低減を行
うことが必要とされている。この様な状況下では、電子
写真用光受容部材は様々な環境下でサービスマンのメン
テナンスを受けないまま、以前にも増して長時間繰り返
し使用を続けられるようになってきている。
【0009】このような状況においては、従来の電子写
真用光受容部材にも改良すべき余地が存在するのが実用
である。
【0010】特に非常に高速で長時間繰り返し使用を続
けるとドラム上にトナーが融着(フィルミング)して画
像上に濃度むらやにじみが発生することがある。これら
の現象は高速用のトナーやカラー用のトナーを使用した
ときに発生し易く、更により融点の低い圧力定着用のト
ナーの場合顕著なものとなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き従来の表面層を有する電子写真用光受容部材における
諸問題を解決することを目的とするものである。
【0012】即ち、本発明の主たる目的は、電気的、光
学的、光導電的特性が使用環境にほとんど依存すること
なく実質的に常時安定しており、耐光疲労に優れ、繰り
返し使用に際しては劣化現象を起こさず耐久性、耐湿性
に優れ、残留電位がほとんど観測されず、更にトナーの
フィルミングが起こりにくい電子写真用光受容部材を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、本発明の光受容部材は、少なくともシリコン原
子、炭素原子、酸素原子、水素原子及び弗素原子を含有
する非単結晶層領域を最外表面に有する光受容部材にお
いて、該非単結晶層領域が炭素原子と結合しているシリ
コン原子の割合は全シリコン原子数に対して50〜10
0原子%、酸素原子と結合しているシリコン原子の割合
は全シリコン原子数に対して10〜30原子%であるこ
とを特徴とするものである。
【0014】上記層構成を取るように設計された本発明
の光受容部材は、前記した諸問題の全てを解決し得、極
めて優れた電気的、光学的、光導電的特性、耐久性及び
使用環境特性を示す。
【0015】本発明者らは、表面層の改質により前述の
ような問題点を解決し得ないかと言う点に注目して鋭意
検討した結果、表面層中のシリコン原子の結合の方法を
特定することにより目的を達成できるという知見を得
た。
【0016】従来、光受容部材の耐久性、環境特性を向
上させるために、シリコン原子と共に、炭素原子又は酸
素原子を含有させることが行われていた。しかし、従来
は本発明者らのように結合の状態にまで考慮すること無
く表面層を形成しているのが実情であった。この場合、
シリコン原子、炭素原子及び酸素原子は堆積膜中に均一
に分布せず、シリコン原子、炭素原子及び酸素原子にそ
れぞれ高濃度な部分が存在し、それらがモザイク状に混
じり合う状態であった。この為、各異原子間の結合の数
は組成から予想される値よりも実際には小さなものとな
っていた。
【0017】例えばシリコン原子と炭素原子の場合、各
々が堆積膜中に不均一な分布を持つため、シリコン原子
が炭素原子と結合する確率を高くするよう原料ガス中の
炭素原子を含むガスの流量を単に増やし、堆積膜中の炭
素含有量を増やしたとしても、炭素原子同士の結合が増
えるだけでシリコン原子と炭素原子の間の結合を増やす
ことにはあまり効果的ではない。従来、炭素原子との結
合を少なくとも1つ持つシリコン原子を表面層中の全シ
リコン原子の30原子%以上にする事は困難なことであ
った。さらに、そのように炭素原子の量を増やしていく
と上述の問題点が十分に改善されないまま電子写真用光
受容部材に要求されている機械的強度、十分に広い光学
的バンドギャップ幅などの他の特性が悪化してしまっ
た。シリコン原子と酸素原子の間の結合及び炭素原子と
酸素原子の間の結合に関しても同様の事が言える。
【0018】従来考慮されていなかった化学結合状態を
考慮し、従来不可能であった多量の炭素原子及び酸素原
子を、諸物性値を損なわずにシリコン原子に結合させた
ことは本発明者らの功績である。即ち、本発明では、炭
素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原子、及
び、酸素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原
子の割合を全シリコン原子の数に対して従来に比べ極め
て多い値に特定し、かつ、酸素原子との結合を少なくと
も1つ持つ炭素原子の割合を全炭素原子の数に対して従
来に比べ極めて多い値に特定した材料を表面層として用
いることにより、機械的強度や透明性を損なわずに耐候
性、環境特性を向上させることと同時にトナーのフィル
ミングの防止に大きな効果のある電子写真用光受容部材
を完成した。
【0019】トナーのフィルミングの防止効果について
は、その詳細な作用は不明であるが、最表面のシリコン
原子、炭素原子及び酸素原子の間の結合の状態が最適の
時に、フィルミングの発生原因となるトナー中の樹脂と
光受容部材表面との弱い結合の形成を最小限に押えるこ
とができるのであろうと本発明者らは現在考えている。
【0020】以下、図面に従って本発明の光導電部材に
ついて詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の電子写真用光受容部材の
層構成を説明するための模式的構成図である。
【0022】図1に示す電子写真用光受容部材100
は、光受容部材用としての支持体101の上に、光受容
層102が設けられている。該光受容層102はA−S
i(H、X)からなり、光導電性を有する光導電層10
3と、表面層104とで構成されている。表面層104
は、シリコン原子、炭素原子、酸素原子、水素原子及び
弗素原子を構成要素として有する非単結晶材料で構成さ
れ、炭素原子と結合しているシリコン原子が全シリコン
原子の50〜100原子%、酸素原子と結合しているシ
リコン原子が全シリコン原子の10〜30原子%であ
る。また、酸素原子と結合している炭素原子の割合は全
炭素原子数に対して10〜30原子%であることは望ま
しい。
【0023】本発明において使用される支持体として
は、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持
体としては、例えばNi、Al、Cr、Mo、Au、I
n、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、Fe等の金
属、またはNiCr、ステンレス等、これ等の合金が挙
げられる。
【0024】電気絶縁性支持体としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフ
ィルム又はシート、ガラス、セラミック、紙などが通常
使用される。これ等の電気絶縁性支持体は、好適には少
なくともその一方の表面に導電処理が施され、該導電処
理された表面側に他の層が設けられることが望ましい。
【0025】例えば、ガラスであれば、その表面に、N
iCr、Al、Cr、Mo、Au、Ir、Nb、Ta、
V、Ti、Pt、Pb、In23、SnO2、ITO
(In23+SnO2)等からなる薄膜を設けることに
よって導電性が付与され、或はポリエステルフィルム等
の合成樹脂フィルムであれば、NiCr、Al、Ag、
Pb、Zn、Ni、Au、Cr、Mo、Ir、Nb、T
a、V、Ti、Pt等の金属の薄膜を真空蒸着、電子ビ
ーム蒸着、スパッタリング等でその表面に設け、又は前
記金属でその表面をラミネート処理して、その表面に導
電性が付与される。支持体の形状としては、円筒状、ベ
ルト状、板状等任意の形状とし得、所望によって、その
形状は決定されるが、例えば、連続高速複写の場合に
は、無端ベルト状又は円筒状とすることが望ましい。支
持体の厚さは、所望通りの電子写真用光受容部材が形成
される様に適宜決定されるが、電子写真用光受容部材と
して可撓性が要求される場合には、支持体としての機能
が十分発揮される範囲内であれば可能な限り薄くでき
る。しかしながら、この様な場合、支持体の製造上及び
取扱い上、機械的強度等の点から、通常は10μm以上
とされる。
【0026】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行う場合には、可視画像において現われる、所
謂、干渉縞模様による画像不良を解消するために、支持
体表面に凹凸が設けられてもよい。
【0027】支持体表面に設けられる凹凸は、V字形状
の切刃を有するバイトをフライス盤、旋盤等の切削加工
機械の所定位置に固定し、例えば円筒状支持体をあらか
じめ設計されたプログラムに従って回転させながら規則
的に所定方向に移動させることにより、支持体表面に正
確に切削加工による所望の凹凸形状、ピッチ、深さの凹
凸形状が形成される。この様な切削加工法によって形成
される凹凸が作り出す逆V字形線状突起部は、円筒状支
持体の中心軸を中心にした螺線構造を有する。逆V字形
突起部の螺線構造は、二重、三重の多重螺線構造、又は
交叉螺線構造としても差支えない。
【0028】或は、螺線構造に加えて中心軸に沿った遅
線構造を導入しても良い。
【0029】支持体表面に設けられた凹凸の凸部の縦断
面形状は、形成される各層の微小カラム内における層厚
の管理された不均一化と、支持体と該支持体上に直接設
けられる層との間の良好な密着性と所望の電気的接触性
とを確保する為に逆V字形とされるが、好ましくは図2
に示される様に実質的に二等辺三角形、直角三角形或は
不等辺三角形とされることが望ましい。これ等の形状の
うち、殊に二等辺三角形、直角三角形が望ましい。
【0030】本発明においては、管理された状態で支持
体表面に設けられる凹凸の各ディメンジョンは、以下の
点を考慮した上で、本発明の目的を結果的に達成出来る
様に設定される。
【0031】即ち、第1は光受容層を構成するA−Si
(H,X)層は、層形成される表面の状態に構造敏感で
あって、表面状態に応じて層品質は大きく変化する。
【0032】従って、A−Si(H,X)層の層品質の
低下を招来しない様に支持体表面に設けられる凹凸のデ
ィメンジョンを設定する必要がある。
【0033】第2には光受容層の自由表面に極端な凹凸
があると、画像形成後のクリーニングにおいてクリーニ
ングを完全に行うことが出来なくなる。
【0034】又、ブレードクリーニングを行う場合、ブ
レードのいたみが早くなくなるという問題がある。
【0035】上記した層堆積上の問題点、電子写真法の
プロセス上の問題点及び、干渉縞模様を防ぐ条件を検討
した結果、支持体表面の凹凸のピッチは、好ましくは5
00μm〜0.3μm、より好ましくは200μm〜1
μm、最適には50μm〜5μmであることが望まし
い。
【0036】また凹部の最大の深さは、好ましくは0.
1μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜3μm、
最適には0.6μm〜2μmとされるのが望ましい。支
持体表面の凹部のピッチと最大の深さが上記の範囲にあ
る場合、凹部(又は線上突起部)の傾斜面の傾きは、好
ましくは1度〜20度、より好ましくは3度〜15度、
最適には4度〜10度とされるのが望ましい。
【0037】又、この様な支持体上に堆積される各層の
層厚の不均一に基く層厚差の最大は、同一ピッチ内で好
ましくは0.1μm〜2μm、より好ましくは0.1μ
m〜1.5μm、最適には0.2μm〜1μmとされる
のが望ましい。
【0038】又、レーザー光などの可干渉性光を用いた
場合の、干渉縞模様による画像不良を解消する別の方法
として、支持体表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形
状を設けてもよい。
【0039】即ち支持体の表面が電子写真用光受容部材
に要求される解像力よりも微小な凹凸を有し、しかも該
凹凸は、複数の球状痕跡窪みによるものである。
【0040】痕跡窪みによる凹凸の端Dは、大きくとも
500μm程度、好ましくは200μm以下、より好ま
しくは100μm以下とするのが好ましい。
【0041】本発明において、その目的を効果的に達成
する為に、支持体101上に形成され、光受容層102
の一部を構成する光導電層103は下記に示す半導体特
性を有し、照射される光に対して光導電性を示すA−S
i(H,X)で構成される。 p型A−Si(H,X):アクセプターのみを含む
もの。或いはドナーとアクセプターとの両方を含み、ア
クセプターの相対的濃度が高いもの。 p-型A−Si(H,X):のタイプにおいてア
クセプターの濃度(Na)が低いか、又はドナーの相対
的濃度が低いもの。 n型A−Si(H,X):ドナーのみを含むもの。
或いはドナーとアクセプターの両方を含み、ドナーの相
対的濃度が高いもの。 n-型A−Si(H,X):のタイプにおいてド
ナーの濃度(Nd)が低いか、又はアクセプターの相対
的濃度が低いもの。 i型A−Si(H,X):NaNdOのもの又
は、NaNdのもの。本発明において、光導電層10
3中に含有されるハロゲン原子(X)として好適なのは
F,Cl,Br,Iであり、殊にF,Clが望ましいも
のである。
【0042】本発明において、A−Si(H,X)で構
成される光導電層103を形成するには、例えばグロー
放電法、マイクロ波放電法、スパッタリング法、或いは
イオンプレーティング法等の放電現象に利用する真空堆
積法によって成される。例えば、グロー放電法によって
A−Si(H,X)で構成される非晶質層を形成するに
は、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi
供給用の原料ガスと共に、水素原子(H)導入用の又は
/及びハロゲン原子(X)導入用の原料ガスを、内部が
減圧にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグロー
放電を生起させ、予め所定位置に設置されてある所定の
支持体表面上にA−Si(H,X)からなる層を形成す
れば良い。又、スパッタリング法で形成する場合には、
例えばAr,He等の不活性ガス又はこれ等のガスをベ
ースとした混合ガスの雰囲気中でSiで構成されたター
ゲットをスパッタリングする際、水素原子(H)又は/
及びハロゲン原子(X)導入用の原料ガスをスパッタリ
ング用の堆積室に導入してやれば良い。
【0043】本発明において使用されるSi供給用の原
料ガスとしては、SiH4、Si2 6、Si38、Si4
10等のガス状態の又はガス化し得る水素化硅素(シラ
ン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、殊に、
層作製作業時の扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点で
SiH4、Si26が好ましいものとして挙げられる。
本発明において使用されるハロゲン原子導入用の原料
ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化合物が挙げら
れ、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン間化
合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態
の又はガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられ
る。
【0044】又、更には、シリコン原子とハロゲン原子
とを構成要素とするガス状態の又はガス化し得る、ハロ
ゲン原子を含む硅素化合物も有効なものとして本発明に
おいては挙げる事が出来る。
【0045】本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素のハロゲンガス、BrF,ClF,ClF3,Br
5,BrF3,IF3,IF3,ICl,IBr等のハロ
ゲン間化合物を挙げる事が出来る。
【0046】ハロゲン原子を含む硅素化合物、所謂、ハ
ロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的
には例えばSiF4、Si26、Si3Cl4、SiBr4
等のハロゲン化硅素が好ましいものとして挙げられる。
【0047】この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を
採用してグロー放電法によって本発明の特徴的な光導電
部材を形成する場合には、Siを供給し得る原料ガスと
しての水素化硅素ガスを使用しなくとも、所定の支持体
上にハロゲン原子を構成要素として含むA−Si:Hか
ら成る層を形成する事が出来る。
【0048】グロー放電法に従って、ハロゲン原子を含
む層を製造する場合、基本的にはSi供給用の原料ガス
であるハロゲン化硅素ガスとAr,H2,He等のガス
等を所定の混合比とガス流量になる様にして光導電層を
形成する堆積室内に導入し、グロー放電を生起してこれ
等のガスのプラズマ雰囲気を形成する事によって、所定
の支持体上に光導電層を形成し得るものであるが、水素
原子の導入を計る為にこれ等のガスに更に水素原子を含
む硅素化合物のガスを所定量混合して層形成しても良
い。
【0049】又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合
比で複数種混合して使用しても差支えないものである。
【0050】反応スパッタリング法或いはイオンプレー
ティング法に依ってA−Si(H,X)から成る層を形
成するには、例えばスパッタリング法の場合にはSiか
ら成るターゲットを使用して、これを所定のガスプラズ
マ雰囲気中でスパッタリングし、イオンプレーティング
法の場合には、多結晶シリコン又は単結晶シリコンを蒸
発源として蒸着ボートに収容し、このシリコン蒸発源を
抵抗加熱法、或いはエレクトロンビーム法(EB法)等
によって加熱蒸発させ飛翔蒸発物を所定のガスプラズマ
雰囲気中を通過させる事で行う事が出来る。
【0051】この際、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法の何れの場合にも形成される層中にハロゲン
原子を導入するには、前記のハロゲン化合物又は前記の
ハロゲン原子を含む硅素化合物のガスを堆積室中に導入
して該ガスのプラズマ雰囲気を形成してやれば良い。
【0052】又、水素原子を導入する場合には、水素原
子導入用の原料ガス、例えば、H2、或いは前記したシ
ラン類等のガスをスパッタリング用の堆積室中に導入し
て該ガスのプラズマ雰囲気を形成してやれば良い。
【0053】本発明においては、ハロゲン原子導入用の
原料ガスとして上記ハロゲン化合物或いはハロゲンを含
む硅素化合物が有効なものとして使用されるものである
が、その他に、HF,HCl,HBr,HI等のハロゲ
ン化水素、SiH22、SiH22、SiH2Cl2、S
iHCl3、SiH2Br2、SiHBr3等のハロゲン置
換水素化硅素、等々のガス状態の或いはガス化し得る、
水素原子を構成要素の1つとするハロゲン化物も有効な
光導電層形成用の出発物質として挙げる事が出来る。
【0054】これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、
層形成の際に層中にハロゲン原子の導入と同時に電気的
或いは光電気特性の制御に極めて有効な水素原子も導入
されるので、本発明においては好適なハロゲン導入用の
原料として使用される。
【0055】水素原子を層中に構造的に導入するには、
上記の他にH2、或いはSiH4、Si26、Si38
Si410等の水素化硅素のガスをSiを供給する為の
シリコン化合物と堆積室中に共存させて放電を生起させ
る事でも行う事が出来る。
【0056】例えば、反応スパッタリング法の場合に
は、Siターゲットを使用し、ハロゲン原子導入用のガ
ス及びH2ガスを必要に応じてHe,Ar等の不活性ガ
スを含めて堆積室中に導入してプラズマ雰囲気を形成
し、前記Siターゲットをスパッタリングする事によっ
て、基板上にA−Si(H,X)から成る層が形成され
る。 更には、不純物のドーピングも兼ねてB26等の
ガスを導入することも出来る。
【0057】本発明において、形成される電子写真用光
受容部材の光導電層中に含有される水素原子(H)の量
又はハロゲン原子(X)の量又は水素原子とハロゲン原
子の量の和は好ましくは1〜40原子%、より好適には
5〜30原子%とされるのが望ましい。
【0058】層中に含有される水素原子(H)又は/及
びハロゲン原子(X)の量を制御するには、例えば支持
体温度又は/及び水素原子(H)、或いはハロゲン原子
(X)を含有させる為に使用される出発物質の堆積装置
系内へ導入する量、放電電力等を制御して行う。
【0059】本発明において、光導電層をグロー放電法
又はスパッタリング法で形成する際に使用される希釈ガ
スとしては、所謂希ガス、例えばHe,Ne,Ar等が
好適なものとして挙げる事が出来る。
【0060】光導電層103の半導体特性を前記〜
の中の所望のものとするには、該層形成の際に、n型不
純物又は、p型不純物、或いは両不純物を、形成される
層中にその量を制御しながらドーピングする事によって
成される。その様な不純物としては、p型不純物として
周期律表第3B族に属する原子、例えば、B,Al,G
a,In,Tl等が好適なものとして挙げられ、n型不
純物としては、周期律表第5B族に属する原子、例え
ば、N,P,As,Sb,Bi等が好適なものとして挙
げられるが、殊にB,Ga,P,Sbが最適である。
【0061】本発明において所望の伝導型を付与する為
に光導電層103中にドーピングされる不純物の量は、
所望される電気的、化学的特性に応じて適宜決定される
が、周期律表第3B族の不純物の場合は3×10-3原子
%以下の量範囲でドーピングすれば良く、周期律表第5
B族の不純物の場合には5×10-3原子%以下の量範囲
でドーピングすれば良い。
【0062】光導電層103中に不純物をドーピングす
るには、層形成の際に不純物導入用の原料物質をガス状
態で光導電層103を形成する主原料物質と共に堆積室
中に導入すれば良い。この様な不純物導入用の原料物質
としては、常温常圧でガス状の又は、少なくとも層形成
条件下で容易にガス化し得るものを採用するのが望まし
い。
【0063】その様な不純物導入用の出発物質として具
体的には、PH3,P24,PF3,PF5,PCl3,A
sH3,AsF3,AsF5,AsCl3,SbH3,Sb
3,SbF5,BiH3,BF3,BCl3,BBr3,B
26,B410,B59,B511,B610,B612
64,AlCl3,GaCl3,InCl3,TlCl3
等を挙げる事が出来る。
【0064】光導電層に、炭素原子、酸素原子、窒素原
子の中少なくとも1種類の原子を含有させるには、例え
ば、グロー放電法で形成する場合には、炭素原子、酸素
原子、窒素原子のうち、少なくとも1種の元素を含有す
る化合物を光導電層を形成する原料ガスと共に内部を減
圧し得る堆積室内に導入して、該堆積室内でグロー放電
を生起させて光導電層を形成すればよい。
【0065】その様な炭素原子導入用の原料となる炭素
原子含有化合物としては、例えば炭素数1〜4の飽和炭
化水素、炭素数2〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2
〜3のアセチレン系炭化水素等が挙げられる。
【0066】具体的には、飽和炭化水素としては、メタ
ン(CH4)、エタン(C26)、プロパン(C
38)、n−ブタン(n−C410)、ペンタン(C5
11)、エチレン系炭化水素としては、エチレン(C
24)、プロピレン(C36)、ブテン−1(C
48)、ブテン−2(C48)、イソブチレン(C
48)、ペンテン(C510)、アセチレン系炭化水素
としては、アセチレン(C22)、メチルアセチレン
(C34)、ブチン(C46)等が挙げられる。
【0067】SiとCとHとを構成原子とする原料ガス
としては、Si(CH34,Si(C244等のケイ
化アルキルを挙げる事が出来る。
【0068】酸素原子導入用の原料となる酸素原子含有
化合物としては、例えば酸素(O2)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2)、一酸化窒素、二酸化窒素
等が挙げられる。
【0069】又、窒素原子導入用の原料となる窒素原子
含有化合物としては、例えば窒素(N2)、一酸化窒
素、二酸化窒素、アンモニア等が挙げられる。
【0070】又、例えば光導電層をスパッタリング法で
形成する場合には、所望の混合比とした、例えば、(S
i+Si34)、(Si+SiC)又は(Si+SiO
2)なる成分で混合成形したスパッター用のターゲット
を使用するか、SiウエハーとSi34ウエハーの二
枚、SiウエハーとSiCウエハーの二枚、又はSiウ
エハーとSiO2ウエハーの二枚のターゲットを使用し
て、スパッタリングを行うか、又は炭素原子を含む化合
物のガス、窒素原子を含む化合物のガス、又は酸素原子
を含む化合物のガスを、例えばArガス等のスパッター
用のガスと共に堆積室内に導入して、Siターゲットを
使用してスパッタリングを行って光導電層を形成すれば
良い。
【0071】本発明において形成される光導電層中に含
有される炭素原子、酸素原子または窒素原子の量は、形
成される電子写真用光受容部材の特性を大きく左右する
ものであって、所望に応じて適宜決定されねばならない
が、好ましくは0.0005〜30原子%、より好まし
くは0.001〜20原子%、最適には0.002〜1
5原子%とされるのが望ましい。
【0072】光導電層103の層厚は、所望のスペクト
ル特性を有する光の照射によって発生するフォトキャリ
アが効率良く輸送される様に適宜決められる。通常は1
〜100μm、好適には2〜50μmとされるのが望ま
しい。
【0073】本発明においては、上記のようにして支持
体101上に形成された光導電層103の更に上に、表
面層104が形成される。この表面層104は自由表面
105を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電
気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目
的を達成するために設けられる。
【0074】又、本発明においては、光受容層102を
構成する光導電層103と表面層104とを形成する非
晶質材料の各々がシリコン原子という共通の構成要素を
有しているので、積層界面において化学的な安定性の確
保が十分成されている。
【0075】表面層104は、シリコン原子、炭素原
子、酸素原子、水素原子及び弗素原子とで構成されてい
る非単結晶材料[A−(Sixyztuv]を主成
分として形成される。
【0076】A−(Sixyztuvで構成される
表面層104の形成は、RF放電法、マイクロ波放電
法、スパッタリング法等によって成されるが、いずれの
方法による場合も、炭素原子との結合を少なくとも1つ
持つシリコン原子、及び、酸素原子との結合を少なくと
も1つ持つシリコン原子の数が表面層中の全シリコン原
子に対して従来とは異なる割合となるように反応を制御
する必要がある。
【0077】RF放電法やマイクロ波放電法の様にプラ
ズマCVD法の場合はシリコン原子の結合の制御の方法
の例としては原料ガス種の選択と放電中の電界の印加に
よるイオンの利用が挙げられる。
【0078】表面層中の炭素原子との結合を少なくとも
1つ持つシリコン原子の数が表面層中の全シリコン原子
に対して従来より多くなるように反応を制御する方法と
しては、原料ガスとしてシラン(SiH4)、四弗化珪
素(SiF4)等のシリコン原子含有ガス、及び/又は
メタン(CH4)、四弗化炭素(CF4)等の炭素原子含
有ガスと共にテトラメチルシラン(Si(CH34)、
テトラエチルシラン(Si(C244)等の珪化アル
キルを用いる事が特にマイクロ波放電法の場合有効であ
る。
【0079】また、炭素原子含有ガスとしては2重結合
又は3重結合を有するガスを用い、予めシリコン原子を
含むガスと共に光、電界等により前励起しておくことも
有効である。
【0080】マイクロ波放電法においては、上記の方法
と共に放電空間中に電界を形成してイオンを効果的に支
持体表面に到達させることにより制御の効果がより大き
なものとなる。
【0081】また、この様な条件下において酸素原子を
含む原料ガスを導入すると酸素原子との結合を少なくと
も1つ持つシリコン原子の数が表面層中の全シリコン原
子の数に対して従来より多くなるように反応を制御する
事ができる。また、これらの現象は酸素供給のための材
料ガスを変えることにより、より効果的に行うことが可
能となる。
【0082】表面層中の酸素原子との結合を少なくとも
1つ持つ炭素原子の数が表面層中の全炭素原子の数に対
して従来より多くなるように反応を制御する方法として
は、原料ガスとしてシラン(SiH4)、四弗化珪素
(SiF4)等のシリコン原子含有ガス、及び/又は酸
素(O2)、水(H2O)、一酸化窒素(NO)等の酸素
原子含有ガスと共に一酸化炭素(CO)、二酸化炭素
(CO2)、メチルエーテル((CH32O)等の炭素
原子と酸素原子を同時に含有する化合物ガスを用いるこ
とが特にマイクロ波放電法の場合有効である。
【0083】マイクロ波放電法においては、上記の方法
と共に放電空間中に電界を形成してイオンを効果的に支
持体表面に到達させることにより制御の効果がより大き
なものとなる。
【0084】本発明において、表面層104中に水素原
子及び弗素原子を含有させるために、水素原子を含有す
るガス及び弗素原子を含有するガスを各々少なくとも1
種類以上、原料ガスとして用いることが必要である。水
素原子を含有するガスとしては、シラン(SiH4)、
メタン(CH4)、水素(H2)等が挙げられる。弗素原
子を含有するガスとしては、四弗化珪素(SiF4)、
四弗化炭素(CF4)等が挙げられる。
【0085】更に、本発明において、表面層104を形
成する際に希釈ガスを使用する場合、希釈ガスとして
は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等が挙げられ
る。
【0086】その他、シボラン(B26)、弗化ほう素
(BF3)、ホスフィン(PH3)等のドーパントガスを
表面層104の形成時に同時に導入しても本発明は同様
に有効である。
【0087】本発明における表面層104は、その要求
される特性が所望通りに与えられるように注意深く形成
される。
【0088】即ち、Si,C,O,H及びFを構成原子
とする物質はその形成条件によって構造的には結晶から
アモルファスまでの形態を取り、電気物性的には導電性
から半導体、絶縁性までの間の性質を、又、光導電的性
質から非光導電的性質までの間の性質を各々示すので、
本発明においては、目的に応じた所望の特性を有するA
−(Sixyztuvが形成されるように、所望に
従ってその作製条件の選択が厳密に成される。
【0089】例えば、表面層104を耐圧性の向上を主
な目的として設けるには、A−(Sixyztuv
は使用環境において電気絶縁性挙動の顕著な非単結晶材
料として作製される。
【0090】又、連続繰り返し使用特性や使用環境特性
の向上を主たる目的として表面層104が設けられる場
合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、
照射される光に対してある程度の感度を有する非単結晶
材料としてA−(Sixy ztuvが形成される。
【0091】光導電層103の表面にA−(Sixy
ztuvから成る表面層104を形成する際、層形成
中の支持体温度は、形成される層の構成及び特性を左右
する重要な因子であって、本発明においては、目的とす
る特性を有するA−(Sixyztuvが所望通り
に作製され得るように層作製時の支持体温度を厳密に制
御するのが望ましい。
【0092】本発明における目的が効果的に達成される
ための表面層104を形成する際の支持体温度としては
表面層104の形成法に合わせて適宜最適範囲が選択さ
れて、表面層104の形成が実行されるが、通常の場
合、50℃〜400℃、好適には100℃〜350℃と
されるのが望ましい。表面層104の形成には、層を構
成する原子の組成比の微妙な制御や層厚の制御が他の方
法に比べ比較的容易であることなどのために、グロー放
電法やスパッタリング法の採用が有利であるが、これら
の層形成法で表面層104を形成する場合には、前記の
支持体温度と同様に層形成の際の放電パワー、ガス圧が
作製されるA−(Sixyztuvの特性を左右す
る重要な因子の1つである。
【0093】本発明における目的を達成するための特性
を有するA−(Sixyztuvが、生産性良く、
効果的に作製されるための放電パワーの条件としては、
支持体1個当り、通常、10〜5000W、好適には2
0〜2000Wとされるのが望ましい。堆積室内のガス
圧はRF放電法では通常0.01〜2Torr、好適に
は0.1〜1Torr、マイクロ波放電法では0.2m
Torr〜100mTorr、好適には1mTorr〜
50mTorr程度とされるのが望ましい。
【0094】本発明においては、表面層104を作製す
るための支持体温度、放電パワーの望ましい数値範囲と
して前記した範囲の値が挙げられるが、これらの層作製
ファクターは独立的に別々に決められるものではなく、
所望特性のA−(Sixy ztuvから成る表面層
104が形成されるように相互的有機的関連性に基づい
て、各層作製ファクターの最適値が決められるのが望ま
しい。
【0095】本発明の電子写真用光受容部材における表
面層104に含有される水素原子の量は、構成原子の総
量に対して通常の場合41〜70原子%、好適には45
〜60原子%、又、弗素原子の含有量としては通常の場
合0.1〜10原子%、好適には0.6〜4原子%とさ
れるのが望ましい。これらの水素原子含有量及び弗素原
子含有量の範囲内で形成される光受容部材は、実際面に
おいて従来に無い格段に優れた物として十分適用させ得
るものである。
【0096】即ち、A−(Sixyztuvで構成
される表面層内に存在する欠陥(主にシリコン原子や炭
素原子のダングリングボンド)は電子写真用光受容部材
としての特性に悪影響を及ぼすことが知られ、例えば自
由表面からの電荷の注入による帯電特性の劣化、使用環
境、例えば高い湿度の下で表面構造が変化することによ
る帯電特性の変動、更にコロナ帯電時や光照射時には光
導電層により表面層に電荷が注入され、前記表面層内の
欠陥に電荷がトラップされることによる繰り返し使用時
の残像現象が挙げられる。
【0097】しかしながら、表面層内の水素原子含有量
を41原子%以上に制御することで表面層内の欠陥が大
幅に減少し、その結果、前記問題点はすべて解消され、
従来に比べて電気的特性面や高速連続使用性において飛
躍的な向上を図ることができる。
【0098】一方、前記表面層中の水素原子含有量が7
1原子%以上になると表面層の硬度が低下するために、
繰り返し使用に耐えられない。従って、表面層中の水素
原子含有量を前記の範囲内に制御することが格段に優れ
た所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1
つである。表面層中の水素原子含有量は、水素(H2
等の水素原子含有ガスの流量、支持体温度、放電パワ
ー、ガス圧等によって制御し得る。
【0099】又、表面層中の弗素原子含有量を0.1原
子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコン原
子と炭素原子の結合の発生をより効果的に達成すること
が可能となる。更に、膜中の弗素原子の働きとして、コ
ロナ等のダメージによるシリコン原子と炭素原子の切断
を効果的に防止することが可能となる。
【0100】一方、表面層中の弗素原子含有量が10原
子%を越えると表面層のシリコン原子と炭素原子の結合
の発生効果、及び、コロナ等のダメージによるシリコン
原子と炭素原子の切断を防止する効果がほとんど認めら
れなくなる。更に、過剰の弗素原子が表面層中のキャリ
アの走行性を阻害するため、残留電位や画像メモリーが
顕著に認められてくる。従って、表面層中の弗素原子含
有量を前記の範囲内に制御することが、格段に優れた、
所望の電子写真特性を得る上で非常に重要な因子の1つ
である。表面層中の弗素原子含有量は、四弗化珪素等の
弗素原子含有ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガ
ス圧等によって制御し得る。
【0101】本発明の表面層中の原子の組成としては、
先のA−(Sixyztuvの表示で行えば、効果
を得るためにはxが0.1〜0.4、yは0.4〜0.
7、zは0.05〜0.2(但し、x+y+z=1)、
tは0.299〜0.589、uは0.41〜0.7、
Vは0.001〜0.1、(但し、t+u+v=1)で
あるのが望ましい。但し、本発明では表面層中に前記の
原子以外に微量(好ましくは10原子%以下、更に好ま
しくは3原子%以下、最適には1原子%以下)であれば
他の如何なる原子を含有することも可能である。
【0102】表面層中の組成が上述の範囲から外れる
と、表面層の強度、透明度、耐久性、耐候性などの面で
いずれかの弊害が発生すると同時に、本発明の効果も大
幅に低下してしまう。
【0103】本発明では、表面層中のシリコン原子の結
合状態が非常に重要な構成要素となっている。本発明が
効果を得るためには、炭素原子との結合を少なくとも1
つ持つシリコン原子が、表面層中の全シリコン原子の5
0%以上、100%以下、さらに好ましくは60%以
上、100%以下、最適には70%以上、100%以
下、酸素原子との結合を少なくとも1つ持つシリコン原
子が、表面層中の全シリコン原子の10%以上、30%
以下、且つ、酸素原子と結合している炭素原子の割合は
全炭素原子数に対して10%以上、30%以下であるこ
とが望ましい。
【0104】結合の状態が上述の範囲から1つでも外れ
ると、本発明の効果、特にトナーのフィルミング防止の
効果は著しく低下してしまう。
【0105】本発明における層厚の数値範囲は、本発明
の目的を効果的に達成するための重要な因子の1つであ
る。本発明における表面層104の層厚の数値範囲は1
0〜500Åが望ましい。即ち、10Åよりも薄いと本
発明の効果が十分に得られず、更に光受容部材を使用中
に摩耗等の理由により表面層は失われてしまう場合もあ
る。又、層厚が500Åを越えると残留電位の増加等の
電子写真特性の低下がみられる。
【0106】本発明においては、光導電層と本発明の特
徴である表面層の間に、酸素原子の含有量を減らしたS
iC(H,X)等から成るもう1つのブロッキング層
(下部表面層)を設けることも帯電能等の特性を更に向
上させるために有効である。
【0107】本発明の電子写真用光受容部材において
は、支持体101と光導電層103との間に密着性の一
層の向上を図る目的で、例えば、Si24、SiO2
SiO、あるいは水素原子又はハロゲン原子の少なくと
も一方と、窒素原子、酸素原子の少なくとも一方と、シ
リコン原子とを含む非単結晶材料等で構成される密着層
を設けてもよい。
【0108】次に、マイクロ波放電法により形成される
光導電層の製造方法について説明する。
【0109】図3(a)に、円筒状支持体を用いたマイ
クロ波放電法による電子写真用光受容部材の製造装置を
示す。なお、図3(b)は同装置の横断面図である。図
において1101は反応容器であり、真空気密化構造を
成している。また、1102は、マイクロ波電力を反応
容器1101内に効率よく透過し、かつ真空気密を保持
し得るような材料(例えば石英ガラス、アルミナセラミ
ックス等)で形成されたマイクロ波導入誘電体窓であ
る。1103はマイクロ波電力の伝送を行う導波管であ
り、マイクロ波電源から反応容器近傍までの矩形の部分
と、反応容器に挿入された円筒形の部分からなってい
る。導波管1103はスタブチューナー(図示せず)、
アイソレーター(図示せず)とともにマイクロ波電源
(図示せず)に接続されている。誘電体窓1102は反
応容器内の雰囲気を保持するために導波管1103の円
筒形の部分で内壁に気密封止されている。1104は一
端が反応容器1101に開口し、他端が排気装置(図示
せず)に連通している排気管である。1106は円筒状
支持体1105により囲まれた放電空間を示す。電源1
111はバイアス電極1112に直流電圧を印加するた
めの直流電源(バイアス電源)であり電極1112に電
気的に接続されている。
【0110】こうした製造装置を使用した電子写真用光
受容部材の製造は以下のようにして行う。まず真空ポン
プ(図示せず)により排気管1104を介して、反応容
器1101を排気し、反応容器1101内の圧力を1×
10-7Torr以下に調整する。ついでヒーター110
7により、支持体1105の温度を所定の温度に加熱保
持する。そこで第1の層領域の原料ガスを不図示のガス
導入手段を介して導入する。即ち、A−Si(H,X)
の原料ガスとしてシランガス、ドーピングガスとしてジ
ボランガス、希釈ガスとしてヘリウムガス等の原料ガス
が反応容器1101内に導入される。それと同時併行的
にマイクロ波電源(図示せず)により周波数2.45G
Hzのマイクロ波を発生させ、導波管1103を通じ、
誘電体窓1102を介して反応容器1101内に導入さ
れる。更に放電空間1106中のバイアス電極1112
に電気的に接続された直流電源1111によりバイアス
電極1112に支持体1105に対して直流電圧を印加
する。かくして支持体1105により囲まれた放電空間
1106において、原料ガスはマイクロ波のエネルギー
により励起されて解離し、更にバイアス電極1112と
支持体1105の間の電界により定常的に支持体110
5上にイオン衝撃を与えながら、支持体1105表面に
第1の層領域(光導電層)が形成される。この時、支持
体1105が設置された回転軸1109をモーター11
10により回転させ、支持体1105を支持体母線方向
中心軸の回りに回転させることにより、支持体1105
全周にわたって均一に堆積膜層が形成される。
【0111】上記のようにして形成された第1の層領域
上に第2の層領域(表面層)を形成するには、第1の層
領域形成時とは原料ガス組成を変え、例えばシランガ
ス、四弗化珪素ガス、メタンガス、テトラメチルシラン
ガス、酸素、一酸化窒素、メチルエーテル及び必要に応
じて水素ガス等の希釈ガスを反応容器1101内に導入
し、第1の層領域形成時と同様にして放電を開始する事
によって成される。
【0112】第2の層領域中に含有される炭素原子又は
酸素原子の量は、例えばシランガスとメタンガス、酸素
ガスの放電空間内に導入される流量比を任意に変えるこ
とにより制御することが出来る。シリコン原子の結合の
仕方は、シランガスとメタンガスをテトラメチルシラン
ガスに置き換えていくこと、及び、酸素ガスを一酸化窒
素ガスに置き換えていくことにより任意に制御すること
が出来る。炭素原子の結合の仕方は、メタンガスと酸素
ガスをメチルエーテルに置き換えていくことにより任意
に制御することができる。更に、放電空間に印加するバ
イアス電圧を変化させることにより、これらはより効果
的に制御が可能となる。又、第2の層領域中に含有され
る水素原子、弗素原子の量は、例えば水素ガス、四弗化
珪素ガスの放電空間内に導入される流量を所望に従って
任意に変えることによって、所望に応じて制御すること
が出来る。
【0113】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0114】実施例1 図3(a)及び図3(b)に示す製造装置を用い、鏡面
加工を施したアルミニウムシリンダー上に電子写真用光
受容部材を形成した。この時、光導電層と表面層の作製
条件は表1に示す通りとした。但し、表面層に関して
は、炭素原子と結合するシリコン原子の比率を変える目
的で表2に示すようにシランガス、メタンガス及びテト
ラメチルシランガスの流量を変えA〜Fまでの6通りの
条件で光受容部材(以後ドラムと表現)の作製を行っ
た。又、図3(a)及び図3(b)と同型の装置を用
い、同一仕様のシリンダー上に表面層のみを形成したも
の(以後サンプルと表現)を別個に用意した。
【0115】ドラムの方は、電子写真装置(キャノン社
製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセット
して、種々の条件の下に、初期の帯電能、感度、高湿環
境(気温:31℃,湿度:85%)下での画像流れ、残
留電位、ゴースト、画像欠陥等の電子写真特性を評価し
た。次に、このドラムを気温33℃、湿度90%の高湿
環境下で、ドラムヒーター等のドラム昇温手段を用いず
に50万枚の耐久試験を行い、初期と同様の評価を行っ
た。併せて、耐久試験によるドラム表面へのトナーのフ
ィルミングの発生についても評価を行った。この時トナ
ーはポリエチレン樹脂を主成分とした圧力定着用トナー
を用いた。更に必要に応じて表面層の原子の含有量と結
合の状態の分析をESCAにより行った。
【0116】又、サンプルの方は、画像部の上下に相当
する部分をそれぞれ複数枚切り出し、必要に応じてオー
ジェ、SIMS及び化学分析法等により膜中に含まれる
シリコン原子、炭素原子、酸素原子、水素原子及び弗素
原子の定量分析を行った。更に、必要に応じて表面の原
子の量と結合の状態の分析をESCAにより行った。上
記の評価結果及び初期の定量分析値を表3及び表4に示
す。表4では、シリコン原子、炭素原子、酸素原子、水
素原子及び弗素原子の和を100原子%としている。こ
れらの結果により、炭素原子と結合するシリコン原子の
適切な割合があることが判った。これらのドラムでは、
特に高湿環境下での耐久試験後について著しい優位性が
認められた。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】 Si(Si-C):Si−C結合を持つSi原子の組成比 Si(Si-O):Si−O結合を持つSi原子の組成比 C (C-O) :C−O結合を持つC原子の組成比 実施例2 実施例1と同様な手順で、図3(a)及び図3(b)の
製造装置を用いて電子写真用光受容部材を形成した。こ
の時、光導電層と表面層の作製条件は表5に示す通りと
した。但し、表面層に関しては、酸素原子と結合するシ
リコン原子の比率を変える目的で表6に示すように一酸
化窒素ガスと酸素ガスの流量を変えG〜Lまでの6通り
の条件でドラムの作製を行った。又、図3(a)及び図
3(b)と同型の装置を用い、同一仕様のシリンダー上
に表面層のみを形成したもの(サンプル)を別個に用意
した。
【0121】これらのドラム、サンプルに、実施例1と
同様の評価、分析を行った。
【0122】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
7及び表8に示す。表8では、シリコン原子、炭素原
子、酸素原子、水素原子及び弗素原子の和を100原子
%としている。これらの結果により、酸素原子と結合す
るシリコン原子の適切な割合があることが判った。これ
らのドラムでは、特に高湿環境下での耐久試験後につい
て著しい優位性が認められた。
【0123】
【表5】
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【0126】
【表8】 Si(Si-C):Si−C結合を持つSi原子の組成比 Si(Si-O):Si−O結合を持つSi原子の組成比 C (C-O) :C−O結合を持つC原子の組成比 実施例3 実施例1と同様な手順で、図3(a)及び図3(b)の
製造装置を用いて電子写真用光受容部材を形成した。こ
の時、光導電層と表面層の作製条件は表9に示す通りと
した。但し、表面層に関しては、酸素原子と結合する炭
素原子の比率を変える目的で表10に示すようにメタン
ガス、酸素ガス、一酸化窒素ガス及びメチルエーテルガ
スの流量を変え、M〜Rまでの6通りの条件でドラムの
作製を行った。又、図3(a)及び図3(b)と同型の
装置を用い、同一仕様のシリンダー上に表面層のみを形
成したもの(サンプル)を別個に用意した。
【0127】これらのドラム、サンプルに、実施例1と
同様の評価、分析を行った。
【0128】上記の評価結果及び初期の定量分析値を表
11及び表12に示す。これらの結果により、酸素原子
と結合する炭素原子の適切な割合があることが判った。
これらのドラムでは、特に高湿環境下での耐久試験後に
ついて著しい優位性が認められた。
【0129】
【表9】
【0130】
【表10】
【0131】
【表11】
【0132】
【表12】 Si(Si-C):Si−C結合を持つSi原子の組成比 Si(Si-O):Si−O結合を持つSi原子の組成比 C (C-O) :C−O結合を持つC原子の組成比 実施例4 表13に示す成膜条件で本発明の範囲内で表面層中の弗
素原子の含有量を変化させ、複数の分析用サンプルを用
意した。これらのサンプルを電子写真装置(キャノン社
製NP7550を本テスト用に改造したもの)にセット
して、帯電器に6kVの電圧を印加した条件で、コピー
100万枚に相当するコロナ帯電を行い、コロナ帯電前
後で炭素原子と結合するシリコン原子の量を比較した。
【0133】
【表13】 比較例1、2 実施例4と比較するために表14に示す作製条件で作製
した分析用のサンプルを用意し、実施例4と同様の評価
を行った。
【0134】
【表14】 この様にして得られた実施例4及び比較例1、2の結果
を合わせて表15に示す。
【0135】
【表15】 表15中の評価結果は、コロナ帯電前と比較して、炭素
原子と結合しているシリコン原子の量が、 ◎ … ほとんど変化無し。 ○ … わずかに減少が認められた。 △ … かなりの減少が認められたが、通常の使用方法
では実用上支障無し。 × … 大幅に減少し、非実用的である。 ことを、示している。
【0136】但し、表中、○〜△は数回同様の実験を行
い評価したところ、評価結果として○と△が何れも得ら
れたことを示す。
【0137】実施例5 図3(a)及び図3(b)の製造装置を用い、表16で
示す作製条件により支持体上に電荷注入阻止層、光導電
層、下部表面層を形成後、実施例1のAの条件により表
面層を作製した。
【0138】
【表16】 このドラムを実施例1と同様に評価した結果、実施例
1のAの条件のドラムと同様、良好な結果が得られた。
【0139】実施例6 光導電層の作製条件を表17に示す条件に変え作製した
後、実施例1のBの条件により表面層を作製した。
【0140】
【表17】 このドラムを実施例1と同様に評価した結果、実施例
1のBの条件のドラムと同様良好な結果が得られた。
【0141】実施例7 光導電層をRF放電法により表18に示す条件で作製
後、図3(a)及び図3(b)の製造装置を用い、実施
例1のBの条件により表面層を作製した。
【0142】
【表18】 このドラムを実施例1と同様に評価した結果、実施例
1のBの条件のドラムと同様良好な結果が得られた。
【0143】実施例8 実施例1の光導電層を形成後、厚さを5Å〜1μmに変
え、実施例1のBの条件により表面層を作製した。
【0144】このドラムを実施例1と同様に評価した結
果、表面層の厚さ10Å〜500Åにおいて実施例1の
Bの条件のドラムと同様の良好な結果が得られ、本発明
の効果が確認された。
【0145】実施例9 実施例1から7と同様の検討を表面層中のシリコン原
子、炭素原子、酸素原子、水素原子及び弗素原子の含有
量を変え行ったところ、表面層の組成を(Six
yztuv(但し、x+y+z=1、t+u+v=
1)としたときに、0.1≦x≦0.4、4≦y≦0.
7、0.05≦z≦0.2、0.299≦t≦0.58
9、0.41≦u≦0.7、0.001≦v≦0.1の
時に本発明のドラムは良好な電子写真特性を示し本発明
は有効であることが確認された。
【0146】
【発明の効果】本発明によれば耐久性に優れ、特に光受
容部材表面のトナーのフィルミングの防止に優れた効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用光受容部材の層構成を説明
するための模式的層構成図。
【図2】(A),(B),(C)はそれぞれ支持体表面
の凹凸形状を例示するための説明図。
【図3】(a)は本発明の電子写真用光受容部材の光受
容層を形成するためのマイクロ波放電によるドラムの製
造装置の一例を示す模式図であり、(b)は(a)の製
造装置の横断面図である。
【符号の説明】
100 光受容部材 101 支持体 102 光受容層 103 光導電層 104 表面層 105 自由表面 1101 反応容器 1102 マイクロ波導入誘電体窓 1103 導波管 1104 排気管 1105 支持体 1106 放電空間 1107 ヒーター 1109 回転軸 1111 直流電源 1112 バイアス電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼井 康好 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 片桐 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−258467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシリコン原子、炭素原子、酸
    素原子、水素原子及び弗素原子を含有する非単結晶層
    を最外表面に有する光受容部材において、該非単結晶
    領域が炭素原子と結合しているシリコン原子の割合は
    全シリコン原子数に対して50〜100原子%、酸素原
    子と結合しているシリコン原子の割合は全シリコン原子
    数に対して10〜30原子%であることを特徴とする光
    受容部材。
  2. 【請求項2】 該非単結晶層領域が、一般式(Sixy
    ztuv(0.1≦x≦0.4、0.4≦y≦0.
    7、0.05≦z≦0.2、x+y+z=1、0.29
    9≦t≦0.589、0.41≦u≦0.7、0.00
    1≦v≦0.1、t+u+v=1)で示されることを特
    徴とする請求項1記載の光受容部材。
  3. 【請求項3】 該非単結晶層領域の厚さが10〜500
    Åであることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の光受容部材。
  4. 【請求項4】 更に酸素と結合している炭素原子の割合
    は全炭素原子数に対して10〜30原子%であることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の光受容
    部材。
  5. 【請求項5】 前記非単結晶層領域の下側に酸素原子の
    含有量が該非単結晶層領域より少ない層領域を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の光
    受容部材。
  6. 【請求項6】 前記炭素原子と結合しているシリコン原
    子の割合は60原子%以上である請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の光受容部材。
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