JP3331853B2 - 油入電気機器の採油及び油補給装置 - Google Patents

油入電気機器の採油及び油補給装置

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JP3331853B2
JP3331853B2 JP03640796A JP3640796A JP3331853B2 JP 3331853 B2 JP3331853 B2 JP 3331853B2 JP 03640796 A JP03640796 A JP 03640796A JP 3640796 A JP3640796 A JP 3640796A JP 3331853 B2 JP3331853 B2 JP 3331853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油入電気機器の
異常診断などを行う際において、絶縁油の分析や試験の
ために採油を行いあるいは採油後に絶縁油を補給する採
油及び油補給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁油が封入された油入電気機器におい
て、油中の溶解ガスを分析することにより、機器内部の
過熱や放電に伴う機器の異常を早期に発見する異常診断
技術が確立されており、広く利用されている。このため
機器の顕著な異常時はもちろんであるが、正常に稼働中
の機器であっても、予防保全の観点から分析対象項目の
定期的なトレンド管理が必要となる。従って、頻繁に採
油する機会が生じ、ますます迅速に採油が行えるととも
に信頼性の高い資料用の絶縁油の採取を行うことができ
る装置が要求されている。
【0003】また、試料油を採取した後の清浄な絶縁油
の補給作業においても迅速な対応が要求されている。さ
らに、同一プラントなどで採油を対象とする機器が多数
設置されている場合にも採油及び油補給作業の効率化が
望まれている。例えば、新幹線の車両に積載される車載
用変圧器は、そのタンクに収容された絶縁油の量は30
0〜400[リットル]程度の小さい容積のものである
ので、上記のような予防保全などの目的から何回(1回
300[cc]程度)も採油する場合は、採油後、気泡
を含まない絶縁油の補給が必要である。一方、採油及び
油補給作業中において絶縁油が空気に接触すると、空気
中の水分、酸素、窒素、炭酸ガスなどが絶縁油中に溶解
したり、逆に絶縁油中の溶解ガスが空気中に拡散し、採
油した試料の分析精度が悪くなり、誤った診断をするこ
とになるので特に注意を要する。
【0004】図9は、例えば実開平6−58346号に
公報に示された従来の採油及び油補給装置(以下、単に
採給油装置という場合がある)の構成図である。図にお
いて、1は油入電気機器の本体タンク、2は油量調整装
置であり、この油量調整装置2は本体タンクの上方に設
けられ、本体タンク1に連通されている。油量調整装置
2は、例えば袋の内部が外気と連通するゴム製の袋(図
示せず)が収容されており、絶縁油の温度変化による体
積変化に追従して上記ゴム袋が呼吸し体積が変化し絶縁
油が外気に触れないようにされており、油面を監視する
油面計(図示せず)が付属されている。3は本体タンク
1及び油量調整装置2内の絶縁油で、絶縁油3は周囲の
空気と遮断された状態で満たされている。4は本体タン
ク1の下部に設けられた油栓で、常時はプラグ(図示し
ない)などで封じられている。
【0005】5は従来の採給油装置であり、次のように
構成されている。6は吸排手段であり、シリンダ6aの
内周に操作ロッド6bに装着されたピストン6cを摺動
自在に嵌合させ、シリンダ室6dを形成し、シリンダ室
6dの容積を増減可能としている。7は清浄な絶縁油7
aが充満している金属製の補給容器で、袋の内部が外気
と連通するゴム袋が内部に設けられており、絶縁油の温
度変化による体積変化に追従して上記ゴム袋が呼吸して
弾性変形して絶縁油が外気に触れないようにされてい
る。8は試料を採取するための試料容器を示し、V1〜
V4はバルブであり、本体タンク1、シリンダ室6d、
補給容器7等を接続する後述の接続管により形成される
絶縁油の流路を開閉するためのバルブである。また、9
〜13は採給油装置5の流路を形成するための接続管、
14はドレン管であり、各々の配管はそれぞれ図9のよ
うに接続されている。
【0006】従来の採給油装置5は以上のように構成さ
れており、この装置の操作手順を説明する。 (1)採給油装置5の接続管9を電気機器の本体タンク
1の油栓4に接続する。 (2)先ず、バルブV2〜V4を閉じた状態でバルブV
1を開き、ピストン6cに装着された操作ロッド6bを
図の右方に引き、本体タンクの絶縁油3をシリンダ室6
dに取り入れる。 (3)バルブV1を閉じた後、バルブV3を開き、操作
ロッド6bを左方に押し、シリンダ室6dの絶縁油3を
試料容器8に移す。
【0007】(4)バルブV3を閉じた後バルブV2を
開け、操作ロッド6bを引いて補給容器7の絶縁油7a
をシリンダ室6dに取り入れる。この時、操作ロッド6
bは上記手順(2)と同じ位置まで引いて停止する。 (5)バルブV2を閉じた後バルブV1を開け、操作ロ
ッド6bを左方へ押し、シリンダ室6dの絶縁油7aを
本体タンクに移す。 (6)採給油装置5を本体タンク1の油栓4から取り外
す。 以上のごとき手順にて採油及び油補給の作業をすること
で、絶縁油の採油及び油補給ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、採油の
主な目的は油中ガスを分析するためであることから、採
油に際しては、分析の精度を確保するために採取した油
が汚れないようにする必要がある。また、採油後には、
絶縁性能や冷却性能を損ねないように、採取油量とほぼ
同量の清浄な油を補給する必要がある。ところが、従来
の採給油装置は以上のように構成されているので、次の
ような問題点があった。
【0009】(1)配管9、10及び11の内部に空気
が残留するおそれがある。即ち、シリンダ6aに採油及
び油補給用のそれぞれの接続管9,10,11を直接接
続する構造となっている。従って、採油作業前には配管
9、10,11等の内部に空気が残留しており、残留す
る空気に試料油や補給油が接触し、あるいは残留する空
気が気泡として混入するおそれがある。 (2)吸排手段6はシリンダ6aとピストン6cで形成
されているため、シリンダ室6dに油が残留しやすい。
このため、多数の本体タンク1からの採油を連続して行
なうような場合、他の本体タンクで採油した別の絶縁油
がシリンダ室6dに残留するので、異なる本体タンクの
絶縁油同志が混合するおそれがある。 (3)試料容器8は、配管13を試料容器8の口に直接
差し込む方式で開放形であるので、採油された絶縁油が
空気に触れる。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、 (1)採油絶縁油への気泡の混入がなく、また他の電気
機器の本体タンクで採油した別の絶縁油との混合がな
く、採油した試料油の分析結果の信頼度を向上できる、 (2)補給する絶縁油に気泡が混入するのを防止でき
る、 (3)装置が簡便かつ取り扱いが迅速で作業性のよい、
油入電気機器の採油及び油補給装置を得ることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の採油及び油補給装置は、電気機器本体を収容し絶縁
油が入れられたタンクに接続されて上記タンク内の絶縁
油を導出する接続具と、ドレン受けと、採油容器とこの
採油容器を挟んで設けられた第1及び第2の開閉手段と
を有し、上記採油容器が上記第1の開閉手段を介して上
記接続具に連通されるとともに上記第2の開閉手段を介
して上記ドレン受けに連通される試料採取装置と、外気
と遮断され補給用の絶縁油を収容する容積が変化しうる
ようにされた油収容室及び第3の開閉手段を有し、上記
油収容室が上記第3の開閉手段を介して上記接続具に連
通されるととも シリンダと、通油孔を備えたロッド
により上記シリンダ内を上下に移動するピストンによっ
て容積を変化しうるようにされた吸排室を有する吸排装
置、この吸排室の下方に設けられ第3の開閉手段側へ連
通させる第4の開閉手段、上記吸排室の上方で上記ロッ
ドに設けられ、上記ロッド内の吸排室に通じる通油孔を
開閉する第5の開閉手段を有し上記吸排室は第4の開
閉手段を介して油収容室に連通され、さらに第4の開閉
手段および第3の開閉手段を介して接続具に連通され
さらに第5の開閉手段を介して上記ドレン受けに連通さ
れるよう構成された絶縁油補給装置とを備えたものであ
【0012】この発明の請求項2に記載の採油及び油補
給装置は、第1、第2、第3の接続孔の連通状態を切換
えうるようにされ第1の接続孔が接続具に連通された採
油切換手段が設けられたものであって、試料採取装置
は、採油容器が第1の開閉手段及び採油切換手段の第2
と第1の接続孔を介して接続具に連通され、絶縁油補給
装置は、油収容室が採油切換手段の第3の接続孔に連通
され上記採油切換手段が第3の開閉手段とされたもので
ある。第1及び第2の開閉手段並びに採油切換手段を開
閉してタンクの絶縁油を採油容器に収容しあるいは油収
容室の絶縁油をタンクに補給することができる。また、
採油切換手段が第3の開閉手段とされるとともに採油切
換手段により接続具と試料採取装置と絶縁油補給装置と
の連通状態を切換えることができ、操作が容易になる。
【0013】
【0014】
【0015】この発明の請求項5に記載の採油及び油補
給装置は、絶縁油補給装置が、油収容室を加圧して収容
された絶縁油をタンクに補給する加圧手段を設けたもの
である。油収容室を加圧することによりタンクへ絶縁油
を補給することができるので、吸排室を要せず、構成が
簡易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態1. 図1〜図4は、この発明の実施の一形態を示すものであ
り、図1は、油入電気機器である変圧器、具体的には例
えば車載用変圧器の絶縁油の採給油装置の構成図であ
る。図2は三方切換弁の切換状態を示す説明図である。
図3は接続具の詳細構成を示すもので、図3aは側面断
面図、図3bは正面図である。図4は吸排手段の要部を
示す断面図である。これらの図において、1〜3は図9
の従来のものと同様のものであるので、相当するものに
同一符号を付して説明を省略する。なお、本体タンク1
及び油量調整装置2が、この発明に係るタンクである。
本体タンク1は、鋼板で製作されるもののほか、碍管等
で形成される場合もある。
【0017】これらの図において、採給油装置24は次
のように構成されている。21は採油弁であり、本体タ
ンク1の下部に設けられ、本体タンク1の排油弁を兼ね
ている。採油弁21には、採油時に接続具22が装着さ
れ、迅速な接続作業を行えるようにしている。油量調整
装置2の最高油面と採給油装置24の最も高い位置にあ
る後述の配管23cの高さとの差Hが、H>0となるよ
うに配置されている。
【0018】ここで、接続具22の詳細構成を図3によ
り説明する。図3において、22aはアダプタであり、
採油弁21に挿入され、採油弁21の採油口を塞ぐ弾性
を有するゴム製のテーパ状のものにされている。22b
は金具であり、後述の取付板22eを挟むようにしてア
ダプタ22aの内側に挿入されて一体にされている。金
具22bには接続ねじ22c及び通油孔22dが設けら
れている。22eは取付板であり、2個の小判穴22f
を有する。22gは小判穴22fに挿入されたL形ボル
ト、22hはナットであり、ナット22hはL形ボルト
22gに螺合され、採油弁21と取付板22eとを締め
付ける。なお、22sは採油弁21のフランジ穴22j
に係合する突出部である。以上のように構成された接続
具22を設けることにより、採油弁21と接続具22と
の、つまり採給油装置24との接続作業が、迅速かつ容
易に行える。
【0019】図1に戻って、25aは採油切換手段とし
ての第1の三方切換弁であり、図2に示すように第1、
第2、第3の接続孔u,v,wの連通を状態A〜Dに示
すように切換え可能なものである。第1の三方切換弁2
5aの第1の接続孔uは接続具22に接続されている。
第1の三方切換弁25aの上方には、上下の接続口が垂
直になるようにして、絶縁油の採油容器26が配置され
ている。採油容器26は、ガスの透過を防止した透明の
プラスチックフィルム、例えばフッ化ビニルフィルム製
で封筒状に製作されており、中に空気が殆ど入っておら
ず、絶縁油を収容する前は平たい状態になっている。
【0020】27a,27bは採油容器26の上下に接
続された第1、第2の開閉手段としての第1、第2のコ
ックである。第1のコック27aはクイックジョイント
部26a、配管23bを介して第1の三方切換弁25a
の第2の接続孔vと接続されている。第2のコック27
bはクイックジョイント部26b、配管23cを介して
ドレン容器28に連通され、ドレン容器28は大気中に
開放されている。なお、クイックジョイント部26a,
26bは、第1、第2のコックが一体に取り付けられた
採油容器26を配管23b,23cから容易に取り外し
できるようにするために設けたものである。この発明の
実施の形態における第1及び第2の開閉手段としての第
1及び第2のコック27a,27b、採油容器26、及
び配管23a〜23cが、この発明における試料採取装
置である。また、ドレン容器28がこの発明におけるド
レン受けである。
【0021】25bは第2の三方切換弁であり、第4、
第5、第6の接続孔x,y,zの連通状態を図2に示さ
れる状態A〜Dと同様に切換え可能なものである。その
第4の接続孔xは、配管23dを介して第3の開閉手段
としての第1の三方切換弁25aの第3の接続孔wに接
続されている。第2の三方切換弁25bの上方には、油
収容器としての補給容器29がその接続口29bを下方
にして配置されている。補給容器29は、容積可変の透
明のプラスチックフィルム容器、例えばフッ化ビニルフ
ィルム製の内容物がないときは平たくなる容積可変の密
閉された封筒状の袋29aを有し、この袋29a内に清
浄な絶縁油29cを収容している。この発明の実施の形
態の場合は、携帯可能な約1リットル程度の絶縁油29
cを収容している。27cは第4の開閉手段としての第
3のコックであり、補給容器29の下部に設けられ、配
管23eを介して第2の三方切換弁25bの第5の接続
孔yに接続されている。
【0022】30は吸排装置としての吸排手段であり、
補給容器29の絶縁油29cを所定量本体タンク1に補
給するためのものである。吸排手段30の上部、下部接
続口30d,30gは垂直方向に重なるように配置され
ている。配管23fは、吸排手段30の下部接続口30
gと第2の三方切換弁25bの第6の接続孔zとを接続
している。吸排手段30のロッド30cの上方に第5の
開閉手段としての第4のコック27dが接続され、上部
接続孔30d及び可撓性を有する配管23gを介してド
レン容器28に連通されている。
【0023】次に、図4により吸排装置としての吸排手
段30の詳細構成を説明する。図4において、30aは
シリンダであり、内部の状態と容量を確認できるように
容積目盛を設けた透明なアクリル樹脂製のものである。
30bはピストン、30cはロッドであり、ピストン3
0bはシリンダ30aの内周部を摺動可能にされ、ロッ
ド30cはピストン30bの中心に一体に取付られてい
る。30dは上部接続口であり、ロッド30cに第4の
コック27dを介して一体に取り付けられている。30
eはハンドルであり、ロッド30cに一体に取り付けら
れている。ハンドル30eは、ピストン30bを上下に
操作するためのものである。
【0024】ピストン30b、ロッド30cには、それ
ぞれを貫通して上部接続口30dから第4のコック27
dを介してシリンダ室30jに通じる通油孔30mが設
けられている。30fは下部キャップであり、下部接続
口30gを有し、シリンダ30aの下部に螺合されてい
る。30hは上部キャップであり、ロッド30cを摺動
可能に支持する軸受け30sを有し、シリンダ30aの
上部に螺合されている。30jは絶縁油が充填される吸
排室としてのシリンダ室であり、シリンダ30a、ピス
トン30b、密封用Oリング30k,30pにより油密
に形成されている。
【0025】なお、この発明の実施の形態における配管
23a、第3の開閉手段としての第1の三方切換弁25
a、油収容室としての補給容器29、吸排装置としての
吸排手段30、吸排室としてのシリンダ室30j、第4
の開閉手段としての第3のコック27c、第5の開閉手
段としての第4のコック27d、配管23d〜23g、
通油孔30mが、この発明における絶縁油補給装置を構
成している。
【0026】次に、この採給油装置24の操作手順を説
明する。 (1)各弁等が次の初期状態にあるのを確認する。ある
いは、各弁等をその状態に設定する。 a.採油弁21は閉止されていることを確認する。 b.コック27cが閉止されていることを確認する。 c.吸排手段30のピストン30bが下限まで下げられ
ているのを確認する。下げられていなければ、コック2
7dを開けてピストン30bを下げる。シリンダ室30
jの容積を最小にして、残留空気の排出を容易にするた
めである。 (2)接続具22を、採油弁21に装着する。 (3)次の操作を行い、図1における採油弁21から第
1の三方切換弁25a、採油容器26を通過してドレン
容器28へ連通する連通路を形成し、残留する空気や前
回の採油作業時に残留した絶縁油を排出する。 a.第1の三方切換弁25aを図2の状態Dに設定す
る。 b.コック27a,27bを開ける。 c.採油弁21を徐々に開ける。 d.絶縁油3は、本体タンク1からその自重(圧力水
頭)により流入し、配管23a、第1の三方切換弁25
a、配管23b、採油容器26を経由してドレン容器2
8に排出される。従って、これらの中の空気は絶縁油3
により押し出され排出される。なお、採油容器26は封
筒状のものであるので、絶縁油3の流れにより膨らむお
それがある場合は、予め板等で挟んで膨らまないように
しておく。 e.ドレン容器28に排出される絶縁油に、気泡の混入
がないことを確認したら、コック27aを閉じ、絶縁油
3の流出を止める。
【0027】(4)続いて、次の操作を行い、配管23
d、第2の三方切換弁25b、配管23f、シリンダ室
30j等の内部の空気を排出する。 a.第1及び第2の三方切換弁25a,25bを、図2
の状態Cにする。本体タンク1内の絶縁油3は、第1の
三方切換弁25a、配管23d、第2の三方切換弁25
b、配管23f、シリンダ室30j、通油孔23m、配
管23gを経由してドレン容器28に排出される。従っ
て、これらの中の空気は絶縁油3に押出され、絶縁油3
とともにドレン容器28へ排出される。 c.ドレン容器28に排出される絶縁油に、気泡の混入
がないことを確認したら、次の操作(5)を行うため
に、第2の三方切換弁25bを図2の状態Bに切換え、
絶縁油3の流出を止める。
【0028】(5)配管23e内の空気を排出するため
に、次の操作を行う。 a.補給容器29を手で押圧しながら、下方のコック2
7cを徐々に開ける。すると、清浄な絶縁油29cによ
り配管23e内の空気は押し出され、第2の三方切換弁
25b、配管23f、シリンダ室30jを経由してドレ
ン容器28に排出される。 b.ドレン容器28に排出される絶縁油に、気泡の混入
がないことを確認したら、コック27cを閉じる。 以上の操作(1)〜(5)により、採給油装置24内の
置換えが必要な個所の空気が絶縁油3または絶縁油29
cに置換えられることになる。なお、上記操作(4)及
び(5)は配管23d〜23f、シリンダ室30j、通
油孔30m等に空気が残留していなければ、行う必要は
ないが、長期間使用していなかった場合などは念のため
行った方がよい。
【0029】(6)採油容器26に試料油を入れるため
に次の操作を行う。 a.第1の三方切換弁25aを図2の状態Bから状態D
に切換える。このとき、採油弁21は開かれており、第
2の三方切換弁25bが図2の状態Bとなっている。従
って、本体タンク1内の絶縁油3は自身の圧力水頭によ
り採油容器26を通過し、ドレン容器28へ流出する。
採油容器26内の絶縁油3に気泡の混入がないことを確
認し、コック27bを閉じる。 b.本体タンク1の絶縁油3が採油容器26に流入し、
採油容器26が膨らみ所定量の試料油が収容されたら、
コック27aを閉じる。
【0030】(7)シリンダ室30j内へ補給容器29
から所定量の清浄な絶縁油29cを移送するために、次
の操作を行う。 a.コック27dを閉め、コック27cを開け、補給容
器29を手動にて押圧する。このとき、第2の三方切換
弁は図2の状態Bとなっているので、絶縁油29cは第
2の三方切換弁25bからシリンダ室30jへ流れ込
む。 b.シリンダ室30jの容積が、所定の容積となるよう
にピストン30bを上げ(あるいは絶縁油29cの圧力
に押されて上がる)、補給容器29の絶縁油29cを補
給すべき所定量だけシリンダ室30jへ取り入れる。透
明なアクリル樹脂製のシリンダ30aに付けられた容積
目盛により所定量取り入れたことを確認する。同時に、
気泡の混入のないことを確認する。 c.この時点で、コック27cを閉じる。
【0031】(8)続いて、次の操作を行い、シリンダ
室30j内の清浄な絶縁油を本体タンク1へ補給する。 a.第1及び第2の三方切換弁25a,25bを図2の
状態Cに切り換える。 b.ピストン30bを下降させて、シリンダ室30jの
容積を減少させ、シリンダ室30j内の絶縁油29cを
本体タンク1に移送し、油量調整装置2の油面計(図示
しない)と透明なアクリル樹脂製のシリンダ30aに付
けられた容積目盛とにより所定量補給されたことを確認
し、採油弁21を閉じる。 d.念のため、第1の三方切換弁25aを図2の状態B
に切り換える。(9)接続具22を採油弁21から取り
外し、本体タンク1から採給油装置24を分離する。 (10)クイックジョイント部26a,26bを外し、
絶縁油3を収容した採油容器26を取り出す。
【0032】この採給油装置24は以上のように、採給
油装置24の最も高い位置にある配管23cが油量調整
装置2の油面よりも低くなるようにしている。採油容器
26及び吸排手段30のシリンダ室30jはほぼ垂直に
かつ並列に配置されている。従って、採油容器26、シ
リンダ室30j内の残留空気あるいは残留絶縁油の排出
を容易に行うことができる。
【0033】採油容器26は透明な封筒状のものを用い
たので中に残存する空気の量が少なく排出が容易で、排
出のための絶縁油の損失も少なく、採取する絶縁油の中
に気泡が混入していないことを容易に確認できる。ま
た、シリンダ30aも中が見える透明なものを用いた。
よって、補給する絶縁油の中に気泡が混入していないこ
とや補給すべき絶縁油の量を容易に知ることができる。
ピストン30b及びロッド30cには、シリンダ室30
jに通じる通油孔30mが設けられている。三方切換え
可能な第1及び第2の三方切換弁25a、25bによ
り、接続具22、採油容器26、シリンダ室30j、補
給容器29等の相互の連通状態が切換えられる。ゆえ
に、操作が容易で、迅速に作業ができる。また、絶縁油
が空気に接触することがなく採油及び油補給ができ、さ
らに先の採油作業において他のタンクから絶縁油を採取
した際に残留した別の絶縁油が混合することがなくな
り、採油した絶縁油の分析結果の信頼性が向上する。
【0034】また、採給油装置24を本体タンク1の最
高油面より低く配置したので、採給油装置24内は正圧
となり空気が入り込むことがない。本体タンク1中の絶
縁油3の圧力水頭により配管23c内へ絶縁油が流入す
るので、動力を要しない。余分な設備や電源を必要とし
ないので、現場での作業を簡便にすることができる。
【0035】吸排装置30はそのシリンダ室30jをシ
リンダ30aとピストン30bにより形成するものを示
したが、吸排室を例えばフッ化ビニルフィルム製の封筒
状の袋で形成し、補給容器29を加圧して吸排室に補給
容器中の絶縁油29cを送り込むこともできる。なお、
この発明の実施の形態において、第2の三方切換弁25
bは第1の三方切換弁25aと補給用器29と吸排手段
30との連通状態の切換を容易にするために設けたもの
であり、不可欠のものではない。
【0036】発明の実施の形態2.図5は、この発明の
他の実施の形態を示す構成図である。上記図1において
は、採油容器26を1個設けたものを示した。しかし、
図5に示すように、複数の採油容器26をコック27
a,27b、及びクイックジョイント部26a及び26
bと共に組み合わせて装着すれば、採油対象機器の多い
場合にさらに迅速な採油ができる。
【0037】発明の実施の形態3.図6は、さらにこの
発明の他の実施の形態を示す採給油装置の構成図であ
る。上記のような図1あるいは図5に示したものにおい
ては、補給容器26は容積が自在に変化しうるフッ化ビ
ニルフィルム製の封筒状のものを使用し、別に設けた吸
排手段30にて絶縁油29cを所定量シリンダ室30j
に導入し、この導入された絶縁油を本体タンク1に補給
する構成とした。しかし、図6に示すように、吸排手段
を省くこともできる。
【0038】図6において、31は採給油装置であり、
絶縁油補給装置の構成が図1のものと異なる。32は油
収容器としての補給容器であり、次のように構成されて
いる。32aはシリンダであり、内部が見えるよう透明
なアクリル樹脂で製作され、容積目盛が設けられてい
る。32bはピストンであり、シリンダ32a内を油密
に摺動するようにされている。シリンダ32aとピスト
ン32bとによりシリンダ室32cが形成され、シリン
ダ室32cは外気と遮断され容積が変化しうるようにさ
れ、清浄な絶縁油34dが収容されている。32eはロ
ッドであり、ピストン32bに固着されている。
【0039】32fは加圧手段としての圧力保持手段、
この例では所定の質量の錘である。補給容器32は内部
に収容された絶縁油32dの圧力を本体タンク1内の絶
縁油3の圧力よりも高く(以下、便宜上、正圧にすると
いう)するために、錘32fによりロッド32eを介し
てピストン32bを下方に押圧し、絶縁油32dを加圧
している。錘32fの質量は、本体タンク1の採油弁2
1の取付位置の絶縁油3のヘッド圧以上となるように設
定されている。32gは圧力計であり、シリンダ室32
c内の圧力を知るためのものである。なお、その他の構
成については、図1〜図4に示されたものと同様のもの
であるので、相当するものに同一符号を付して説明を省
略する。この発明の実施の形態における第3の開閉手段
としての第1の三方切換弁25a、油収容室としてのシ
リンダ室32c、加圧手段としてのピストン32bとロ
ッド32eと錘32f、配管23d,23eがこの発明
における絶縁油補給装置を構成している。
【0040】次に、この採給油装置31の操作手順を説
明する。 (1)接続具22を、採油弁21に装着する。 (2)次の操作を行い、図6における採油弁21から第
1の三方切換弁25a、採油容器26を通過してドレン
容器28へ連通する連通路を形成し、残留する空気や前
回の採油作業時に残留した絶縁油を排出する。 a.第1の三方切換弁25aを図2の状態Dに設定す
る。 b.コック27a,27bを開ける。 c.採油弁21を徐々に開ける。 d.絶縁油3は、本体タンク1からその自重(圧力水
頭)により流入し、配管23a、第1の三方切換弁25
a、配管23b、採油容器26、配管23cを経由して
ドレン容器28に排出される。従って、これらの中の空
気は絶縁油3により押し出され排出される。 e.ドレン容器28に排出される絶縁油に、気泡の混入
がないことを確認したら、コック27aを閉じ、絶縁油
3の流出を止める。
【0041】(3)続いて、次の操作を行い、配管23
d、第2の三方切換弁25b、配管23hの内部の空気
を排出する。 a.第1及び第2の三方切換弁25a,25bを、図2
の状態Cに切換える。本体タンク1内の絶縁油3は、第
1の三方切換弁25a、配管23d、第2の三方切換弁
25b、配管23hを経由してドレン容器28に排出さ
れ、同時にこれらの中の空気が絶縁油に押出され、絶縁
油3とともに排出される。 b.ドレン容器28に排出される絶縁油に、気泡の混入
がないことを確認したら、次の操作(4)を行うため
に、第2の三方切換弁25bを図2の状態Bに切換え、
絶縁油3の流出を止める。
【0042】(4)配管23e内の空気を排出するため
に、次の操作を行う。 a.第2の三方切換弁25bは、既に図2の状態Bに切
り換られている。 b.下方のコック27cを徐々に開ける。補給容器32
内の絶縁油32dはピストン32bを介して錘32fに
より加圧されているので、配管23e内の空気は絶縁油
32dにて押出され、第2の三方切換弁25b、配管2
3hを経由してドレン容器28に絶縁油とともに排出さ
れる。 c.ドレン容器28に排出される絶縁油に、気泡の混入
がないことを確認したら、コック27cを閉じる。 d.第2の三方切換弁25bを図2の状態Dにする。配
管23hから配管23eへ空気が逆流しないように、安
全を期すためである。なお、上記(3)、(4)の操作
は配管23d,23e,第2の三方切換弁25bに空気
が残留していないときは省略できる。
【0043】(5)採油容器26に試料油を収容するた
めに次の操作を行う。 a.コック27aを開く。採油弁21が開かれ、第1の
三方切換弁25aが図2の状態Dとなっているので、本
体タンク1内の絶縁油3はその圧力により、採油容器2
6を通過しドレン容器28へ流出する。採油容器26内
の絶縁油に気泡の混入がないことを確認し、コック27
bを閉じる。 b.本体タンク1の絶縁油3が採油容器26に流入し、
採油容器26が膨らみ所定量の試料油が収容されたら、
コック27aを閉じる。 c.次に採油弁21を閉じる。
【0044】(6)続いて、次の操作を行い、補給容器
32内の清浄な絶縁油32dを本体タンク1へ補給す
る。 a.第1の三方切換弁25aを図2の状態Cにする。既
に、第2の三方切換弁25bは図2の状態Dにされてい
る。 b.採油弁21を開ける。 c.補給容器32内の絶縁油32dは錘32fにより加
圧されているので、シリンダ32bが下方へ移動し、本
体タンク1へ清浄な絶縁油32dが補給される。 d.油量調整装置2の油面計と中が見えるシリンダ32
aに設けられた容積目盛とで清浄な絶縁油が所定量補給
されたことを確認し、コック27cを閉じる。 e.採油弁21を閉じる f.念のため、第1の三方切換弁25aを図2の状態B
にしておく。 (7)接続具22を採油弁21から取り外し、本体タン
ク1と採給油装置31を分離する。 (8)クイックジョイント部26a,26bを外し、採
油容器26を取り出す。
【0045】採給油装置31は、以上のように、最も高
い位置にある配管23cの位置を油量調整装置2の油面
よりも低くし、補給容器32内の絶縁油32dの圧力を
常に正圧とするように錘32fにより加圧するものとし
た。従って、図1における吸排手段30が不要となり、
採給油装置31の構成がより簡易なものとなり、構成部
品数も少なく、小形で安価なものにできる。また、補給
容器に動力を必要とせず、補給容器32内の絶縁油32
dの圧力を正圧とすることができ、余分な設備や電源を
必要としない。
【0046】なお、図6において、シリンダ32a及び
ピストン32bを逆さにして、ピストン32bを下方に
して固定しシリンダ32aを移動しうるようにして錘3
2fにてシリンダ32aを押圧するようにしてもよい。
このようにすることにより、シリンダ32aやロッド3
2eの周辺に塵埃がたまるのを防止できる。また、第2
の三方切換弁25b、配管23hは不可欠なものではな
い。第1の三方切換弁25aを図2の状態Bとし、採油
容器26、配管23cを経て絶縁油32dにて配管23
e,23d等の中の空気を排出することができるからで
ある。
【0047】発明の実施の形態4.図7は、さらにこの
発明の他の実施の形態を示す吸排手段の構成を示す構成
図である。上記図6の発明の実施の形態では、補給容器
32の内圧を常に正圧とするために、ピストン32bを
錘32fにて押圧する圧力保持手段の例を示した。図7
の実施の形態においては、採油容器26の上方に逆止弁
27eが設けられている。逆止弁27eは、図6の実施
の形態におけるコック27bに代るもので、採油容器2
6をコック27a、逆止弁27eとともにクイックジョ
イント部26a,26bから取り外したとき、採油容器
26から試料である絶縁油が漏れないようにある程度高
いクラッキング圧を有するものを使用している。逆止弁
27eのクラッキング圧により所定圧力以下では採油容
器26から配管23c側へ絶縁油が漏れないように阻止
している。
【0048】なお、採油弁21を開けて絶縁油3を配管
23b、採油容器26等を通過させて残留する空気を絶
縁油とともにドレン容器28へ排出するとき、上記逆止
弁27eのクラッキング圧相当の圧力が加わるので、こ
のときに膨れないように透明なアクリル板等の押さえ手
段で採油容器26を押さえておく。
【0049】また、図6における第2の三方切換弁25
b及び配管23hを省き、補給容器34を配管23e、
逆止弁27fを介して採油弁21及びコック27aに連
通させている。補給容器34は図示のように材料自体は
殆ど弾性変形しない材料で平たい封筒状に形成され、こ
の例では4つに分割され所定量、例えば300[cc]
の補給用の絶縁油24hがそれぞれ収容された小室34
a〜34dとこれを連通する共通部34eとを有する。
なお、図示しないが小室34a〜34d及び共通部34
eは個別に設けた板状の押圧板を押圧ボルト等で押圧し
て内部の絶縁油34hを加圧できるようにされている。
【0050】この発明の実施の形態にいては、油収容室
としての補給用器34、第3の開閉手段としての逆止弁
27f、配管23a,23e、及び補給容器34を押圧
する図示しない押圧板がこの発明における絶縁油供給装
置である。なお、補給用器34を複数個設けることもで
きる。
【0051】配管23e内の空気の排出を行うには、次
のようにする。採油弁21を閉めた状態で補給容器34
の共通部34eを押圧して共通部34eの絶縁油34h
を加圧し、配管23e内の空気を逆止弁27f、コック
27aから採油容器26、逆止弁27eを経てドレン容
器28へ絶縁油34hと共に排出する。このとき、小室
34a〜34dが殆ど弾性変形しない材料で形成されて
いるので、小室34a〜34dは圧力を受けてもその容
積は殆ど増加しない。なお、補給容器34の共通部34
eを押圧して共通部の絶縁油34hを加圧し、配管23
e内の空気を押出しながら、採油弁21を開いて本体タ
ンク1からコック27a、採油容器26を経てドレン容
器28に流出する絶縁油3の流れと合流させて排出する
こともできる。
【0052】残留する空気や前回採油時の絶縁油の排出
が終わったら、コック27aを開ける。本体タンク1内
の絶縁油3の圧力に押されて封筒状の採油容器26が膨
らみ所定量の絶縁油3が収容される。しかる後、コック
27aを閉める。なお、採油容器26は逆止弁27eの
クラッキング圧よりも低い圧力で膨らむようにされてお
り、逆止弁17eを通過して絶縁油がドレン容器28へ
流出することはない。
【0053】本体タンク1への絶縁油34hの補給は、
次のようにする。コック27aが閉っているのを確認す
る。続いて、所定量の絶縁油34hがそれぞれ収容され
た補給容器34の小室34a〜34eを押圧板により所
用室数順次個別に押圧して絶縁油34hをタンク本体1
に供給するとともに油量調整装置2の液面の高さを確認
する。
【0054】上記のように構成することにより、吸排手
段を設けなくとも補給すべき絶縁油を所定量供給するこ
とができる。また、逆止弁27e、27fを図示のごと
く組合わせて配置したので、三方切換弁が不要で、コッ
クの切換操作が少なくてよく、装置の構成が簡易になり
操作も容易で、小形、軽量になる。
【0055】発明の実施の形態5.図8は、さらにこの
発明の他の実施の形態を示す吸排手段の構成を示す断面
図である。図8において、36は吸排手段であり、次の
ように構成されている。36aはシリンダであり、内部
の状態が確認できる容積目盛を設けた透明なアクリル樹
脂製のものである。36bはピストンであり、図8にお
ける下方側に三角錐状の凹設部36qが設けられてい
る。ピストン36bはシリンダ36aの内周部を摺動可
能にされ、ロッド30cはピストン36bの中心に一体
に取り付けられている。
【0056】ピストン30b、ロッド30cには、それ
ぞれを貫通して上部接続口30dから第4のコック27
dを介してシリンダ室36jに通じる通油孔36mが設
けられている。36fは下部キャップであり、三角錐状
の突出部36rと下部接続口36gとを有し、シリンダ
36aの下部に螺合されている。三角錐状の突出部36
rはピストン36bの三角錐状の凹設部36qとほぼ間
隙が無い状態で当接する。容積可変のシリンダ室36j
は、シリンダ36aと下部キャップ36fとピストン3
6bとOリング36k,36pにより油密に形成され、
絶縁油29cが充填される。その他の構成については、
図1に示された発明の実施の形態におけるものと同様の
ものであるので、相当するものに同一符号を付してその
説明を省略する。
【0057】以上のように構成された吸排手段36を図
1の実施例における吸排手段30の代りに用いる。下部
キャップ36fの突出部36rは三角錐状にされてお
り、シリンダ36aの凹設部36qが三角錐状に凹設さ
れているので、吸排手段36が傾いていても、絶縁油を
下部接続口36gから供給すれば空気が上方へ追出さ
れ、シリンダ室36j内に空気が残ることがない。ま
た、突出部36rと凹設部36qとがほぼ間隙が無い状
態で当接するので、追い出すべき空気の量も少ない。従
って、作業が容易であり、清浄な絶縁油29cをタンク
1に補給するに際し、計量のために吸入する絶縁油29
cに気泡が混入するおそれがない。
【0058】発明の実施の形態6.以上の各実施の形態
においては、採油切換手段として第1の三方切換弁25
aを示したが、これに限られるものではなく、図2に示
したような状態の切換が可能であればよく、例えば3個
の開閉弁を組み合わせても三方切換弁の機能を実現でき
る。また、第1の開閉手段としてコック27a、第2の
開閉手段としてコック27bあるいは逆止弁27e、第
3の開閉手段として第1の三方切換弁25aあるいは逆
止弁27f、第4の開閉手段としてコック27c、第5
の開閉手段としてコック27dを示したが、これらは所
定の開閉機能があれば他の方式のものを用いてもよく、
例えばコック27a,27bに代えてピンチで採油容器
26の両端部に設けた幅狭の部分を挟んで開閉するよう
にもできる。
【0059】また、第1、第2の三方切換弁25a,2
5b、コック27a,27b,27c,27d等を電磁
弁とし、補給容器29,32,34、吸排手段30等の
操作を機械化し、これらをプログラム制御することによ
り、採油及び油補給の操作を自動化することもできる。
採油容器26は、透明のプラスチックフィルムで封筒状
に製作されたものを示したが、例えば透明なアクリル樹
脂で製作された円筒状のものであってよい。ただし、こ
の場合は、採油容器内に本体タンク1から絶縁油3を導
入して中の空気を追い出すときに、絶縁油に気泡が混入
しないように静かに行い、かつ最初に空気に触れた絶縁
油を完全に排出し、採油容器に残らないようにする。
【0060】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に記
載の採油及び油補給装置によれば、電気機器本体を収容
し絶縁油が入れられたタンクに接続されて上記タンク内
の絶縁油を導出する接続具と、ドレン受けと、採油容器
とこの採油容器を挟んで設けられた第1及び第2の開閉
手段とを有し、上記採油容器が上記第1の開閉手段を介
して上記接続具に連通されるとともに上記第2の開閉手
段を介して上記ドレン受けに連通される試料採取装置
と、外気と遮断され補給用の絶縁油を収容する容積が変
化しうるようにされた油収容室及び第3の開閉手段を有
し、上記油収容室が上記第3の開閉手段を介して上記接
続具に連通されるととも シリンダと、通油孔を備え
たロッドにより上記シリンダ内を上下に移動するピスト
ンによって容積を変化しうるようにされた吸排室を有す
る吸排装置、この吸排室の下方に設けられ第3の開閉手
段側へ連通させる第4の開閉手段、上記吸排室の上方で
上記ロッドに設けられ、上記ロッド内の吸排室に通じる
通油孔を開閉する第5の開閉手段を有し上記吸排室は
第4の開閉手段を介して油収容室に連通され、さらに第
4の開閉手段および第3の開閉手段を介して接続具に連
通されさらに第5の開閉手段を介して上記ドレン受け
に連通されるよう構成された絶縁油補給装置とを備えた
ものであるので、試料採取装置の第1及び第2の開閉手
段を開けることによりタンク内の絶縁油が試料採取装置
内に流入しこの絶縁油によって残留する空気や前の採取
作業時に残留した絶縁油をドレン受けに排出でき、第2
の開閉手段を閉じ第1の開閉手段を開けることによりタ
ンク内の絶縁油を採油容器に収容でき、採油容器に収容
する絶縁油に気泡が混入すること及び前の作業時に残留
した絶縁油が混入することを防止できる。また、絶縁油
補給装置が別に設けられ、その油収容室は外気と遮断さ
れるとともに補給する絶縁油を収容する容積が変化しう
るので、第3の開閉手段を開くことにより気泡が混入す
ることなくタンクに絶縁油を補給できる。従って、採油
容器に収容される絶縁油に気泡が混入せず、また前の採
取作業時に残留した絶縁油が混入しないので、収容され
た絶縁油の分析結果の信頼度が向上する。また、吸排装
置は第3の開閉手段及び第4の開閉手段を開閉するとと
もに吸排室の容積を増加させて油収容室から絶縁油を導
入しあるいは吸排室の容積を減少させて収容された絶縁
油を加圧してタンクに補給でき、絶縁油の補給操作が容
易になる。また、吸排室の容積変化から補給する絶縁油
の量を容易に知ることができ、油補給作業が容易にな
さらに、第3及び第5の開閉手段を開けてタンクか
ら絶縁油を吸排室及び第5の開閉手段を通過してドレン
受けに流出させることにより残留空気があっても絶縁油
とともに排出することができ、また第4及び第5の開閉
手段を開けて油収容室の絶縁油をドレン受けに流出させ
ることによっても残留空気を排出でき、タンクへ補給す
る絶縁油に気泡が混入するのを防止できる。また、ピス
トンの位置により補給する絶縁油の量を容易に知ること
ができ、油補給のための操作も容易である
【0061】この発明の請求項2に記載の採油及び油補
給装置によれば、第1、第2、第3の接続孔の連通状態
を切換えうるようにされ第1の接続孔が接続具に連通さ
れた採油切換手段が設けられたものであって、試料採取
装置は、採油容器が第1の開閉手段及び採油切換手段の
第2と第1のの接続孔を介して接続具に連通され、絶縁
油補給装置は、油収容室が採油切換手段の第3の接続孔
に連通され上記採油切換手段が第3の開閉手段とされた
ものであるので、第1及び第2の開閉手段並びに採油切
換手段を開閉してタンクの絶縁油を採油容器に収容しあ
るいは油収容室の絶縁油をタンクに補給することがで
き、採油切換手段が第3の開閉手段とされるとともに採
油切換手段により接続具と試料採取装置と絶縁油補給装
置との連通状態を切換えることが可能なので、採油及び
油補給のための操作が容易である。
【0062】
【0063】
【0064】この発明の請求項5に記載の採油及び油補
給装置によれば、絶縁油補給装置が、油収容室を加圧し
て収容された絶縁油をタンクに補給する加圧手段を設け
たものであるので、油収容室を加圧することによりタン
クへ絶縁油を補給することができ、吸排室を要せず、構
成が簡易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の発明の実施の一形態を示す車載用
変圧器の絶縁油の採給油装置の構成を示す構成図であ
る。
【図2】 図1における第1あるいは第2の三方切換弁
の切換状態を示す説明図である。
【図3】 図1における接続具の詳細構成を示すもの
で、図3aは側面断面図、図3bは正面図である。
【図4】 図1における吸排手段の要部を示す断面図で
ある。
【図5】 この発明の他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図6】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す採
給油装置の構成図である。
【図7】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す採
給油装置の構成図である。
【図8】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す吸
排手段の断面図である。
【図9】 従来の採油及び油補給装置の構成図である。
【符号の説明】
1 :本体タンク 2 :油量調整装置 3 :絶縁油 21 :採油弁 22 :接続具 23a〜23g:配管 25a,25b:第1及び第2の三方切換弁 u,v,w:第1〜第3の接続孔 26 :採油容器 27a,27b:第1、第2のコック 27c,27d:第3、第4のコック 27e,27f:逆止弁 28 :ドレン容器 29 :補給容器 30 :吸排手段 30a:シリンダ 30b:ピストン 30f:下部キャップ 30j:シリンダ室 30m:通油穴 32 :補給容器 32a:シリンダ 32b:ピストン 32c:シリンダ室 32e:ロッド 32f:錘 34 :補給容器 36 :吸排手段 36a:シリンダ 36b:ピストン 36f:下部キャップ 36j:シリンダ室 36m:通油孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−221973(JP,A) 実開 平6−58346(JP,U) 実開 平1−87510(JP,U) 実開 昭63−84548(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/10 G01N 1/22 H01F 27/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機器本体を収容し絶縁油が入れられ
    たタンクに接続されて上記タンク内の絶縁油を導出する
    接続具と、ドレン受けと、採油容器とこの採油容器を挟
    んで設けられた第1及び第2の開閉手段とを有し、 上記採油容器が上記第1の開閉手段を介して上記接続具
    に連通されるとともに上記第2の開閉手段を介して上記
    ドレン受けに連通される試料採取装置と、 外気と遮断され補給用の絶縁油を収容する容積が変化し
    うるようにされた油収容室及び第3の開閉手段を有し、 上記油収容室が上記第3の開閉手段を介して上記接続具
    に連通されるととも シリンダと、通油孔を備えたロッドにより上記シリンダ
    内を上下に移動するピストンによって容積を変化しうる
    ようにされた吸排室を有する吸排装置、この吸排室の下
    方に設けられ第3の開閉手段側へ連通させる第4の開閉
    手段、上記吸排室の上方で上記ロッドに設けられ、上記
    ロッド内の吸排室に通じる通油孔を開閉する第5の開閉
    手段を有し上記吸排室は第4の開閉手段を介して油収容室に連通さ
    れ、さらに第4の開閉手段および第3の開閉手段を介し
    て接続具に連通されさらに第5の開閉手段を介して上記ドレン受けに連通さ
    れるよう構成された 絶縁油補給装置とを備えたことを特
    徴とする油入電気機器の採油及び油補給装置。
  2. 【請求項2】 第1、第2、第3の接続孔を有しこの3
    個の接続孔の連通状態を切り換えうるようにされ上記第
    1の接続孔が上記接続具に連通された採油切換手段が設
    けられたものであって、 試料採取装置は、採油容器が 第1の開閉手段及び上記
    採油切換手段の第2と第1の接続孔を介して接続具に連
    通され、 絶縁油補給装置は、油収容室が上記採油切換手段の第3
    の接続孔に連通され上記採油切換手段が第3の開閉手段
    とされたものであることを特徴とする請求項1に記載の
    油入電機機器の採油及び油補給装置。
  3. 【請求項3】 絶縁油補給装置は、加圧手段が設けられ
    たものであって、 油収容室を上記加圧手段によって加圧して収容された絶
    縁油をタンクに補給するものであることを特徴とする請
    求項1に記載の油入電気機器の採油及び油補給装置。
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