JP3331119B2 - ステッピングモータの駆動方法 - Google Patents

ステッピングモータの駆動方法

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JP3331119B2
JP3331119B2 JP12705396A JP12705396A JP3331119B2 JP 3331119 B2 JP3331119 B2 JP 3331119B2 JP 12705396 A JP12705396 A JP 12705396A JP 12705396 A JP12705396 A JP 12705396A JP 3331119 B2 JP3331119 B2 JP 3331119B2
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圭二 片野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タの駆動方法に係り、特に、プリンタのキャリッジ駆動
機構あるいは紙送り機構の駆動源として使用されるステ
ッピングモータの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印字ヘッドを搭載したキャリッジをプラ
テンに沿って移動させながら1行分の印字を行ない、こ
の1行分の印字を行なった後、記録用紙を1行分搬送
し、つぎの行の印字を行なうことを繰り返して所定の印
字を行なうシリアル式プリンタは、ワードプロセッサな
どの出力装置として多く用いられている。
【0003】そして、このようなシリアル式プリンタの
キャリッジ駆動機構あるいは紙送り機構を駆動制御する
ために、ステッピングモータが一般的に用いられてい
る。このステッピングモータを使用するのは下記の各理
由による。
【0004】1. モータの回転角が入力パルス数に比
例し、累積誤差を生じない。
【0005】2. モータの回転速度が入力パルス速度
に比例し、精密な同期運転が可能で制御域が広い。
【0006】3. 起動・停止特性が極めてよく、自起
動周波数以下では一定周波数での運転ができる。
【0007】4. 応答性が高く、出力も高い。
【0008】5. 入力パルスを目標位置に応じて発生
させるだけで位置を制御できる。
【0009】6. デジタルで制御できる。
【0010】ステッピングモータは、その構造を図10
に原理的に示すように、例えば90度間隔で配置された
第1(A)、第2(B)、第3(C)および第4(D)
の磁極(相)2,3,4,5を有する固定子6と、N極
とS極とを180度間隔で有する回転自在な永久磁石か
らなる回転子7とを備えており、この回転子7に図示し
ない出力軸が連結されている。また、第1(A)および
第3(C)の磁極2,4には第1のコイル8が巻回さ
れ、第2(B)および第4(D)の磁極3,5には第2
のコイル9が巻回されている。
【0011】このようなステッピングモータ1を回転駆
動するために、固定子6の各相のコイル8,9に励磁電
流(相電流)を流すと、この電流により磁界が発生し、
固定子6と回転子7との間に吸引または反発する電磁力
が発生する。この励磁電流を順次切り換えることによ
り、固定子6と回転子7との間の電磁力が切り換わり、
回転子7を動かすトルクとなる。
【0012】図11には一般的なステッピングモータを
駆動するためのドライバのブロック図が示されている。
この図に示すように、ドライバ10は、制御回路11、
駆動回路12および電源13により構成されている。前
記制御回路11は、入力インターフェイスのほか、入力
電圧の可変、回転速度や方向、距離および角度など全体
を制御するための機能を有するもので、ステッピングモ
ータ1に供給するパルスタイミングの制御を行なうよう
になっている。また、前記駆動回路12は、前記制御回
路11からのパルス信号を各相に分配、増幅してステッ
ピングモータ1の各相を一定の順序で励磁するための回
路である。前記電源13としては、ステッピングモータ
駆動用とIC回路用の2種類が必要である。
【0013】また、ステッピングモータ1の駆動方式に
は、ユニポーラ駆動とバイポーラ駆動とがある。
【0014】前記ユニポーラ駆動は、図12に1例を示
すように、各コイル8,9にそれぞれ1個のトランジス
タ21,22,23,24を接続し、それぞれのトラン
ジスタをONすることで、各コイル8,9に一方向のみ
の電流を流す方法である。これに対し、バイポーラ駆動
は、図13に示すように各コイル8,9には複数のトラ
ンジスタ25,26,27,28が接続されており、A
相についてのみ説明すると、動作時には第1のトランジ
スタ25と第4のトランジスタ28をONすることによ
りA方向の電流が流れ、第2のトランジスタ26と第3
のトランジスタ27をONすることにより逆方向のB方
向の電流が流れるようになっている。ユニポーラ駆動
は、バイポーラ駆動に比べ、トランジスタの数が1/2
のため回路構成が簡単であり、一方、バイポーラ駆動は
入力電力が同じ場合、ユニポーラ駆動よりモータトルク
が大きくとれるという利点がある。
【0015】また、励磁電流の供給パターンには、1相
励磁、1−2相励磁、2−2相励磁などがある。
【0016】前記1相励磁によるステッピングモータ1
の駆動方法は、各相を1相ずつ順に励磁して、基本ステ
ップ角度で回転させる最も基本的な駆動方法であり、角
度精度はよいが、駆動トルクが小さいし、また、電力効
率がよくないという欠点があるため、あまり用いられて
いない。なお、特に、1相励磁で駆動したときの1ステ
ップ角度を基本ステップ角度という。
【0017】前記2−2相励磁によるステッピングモー
タ1の駆動方法は、常に相互に隣位する2相を同時に励
磁し、1回に1つの相の励磁を切り換える方法であり、
常に2相が励磁されるため、1相励磁に比べて電力の利
用効率が高く、同一のモータ電源電圧に対し高い出力を
得ることができるし、また、回転子7のオーバーシュー
トなどの振動に対しても有利に働くため、ステッピング
モータ1の駆動方法として多く用いられている。
【0018】さらに、前記1−2相励磁によるステッピ
ングモータ1の駆動方法は、1相励磁と2−2相励磁と
を交互に繰り返す方法であり、1相励磁による回転子7
の停止位置と2−2相励磁による停止位置とが、基本ス
テップ角度の1/2だけずれることから、この2つの励
磁状態を交互に繰り返すことにより、1相励磁および2
−2相励磁駆動のステップ角度の1/2のステップ角度
による出力が得られる。このため、他の駆動方法に比べ
て分解能が倍増して細かいステップ送りができるし、ま
た、低騒音で駆動できるとともに、高速時の安定した駆
動が行なえるために、正確な回転量を得るのが必要な場
合に用いられている。
【0019】しかしながら、このようなステッピングモ
ータ1の駆動方法においては、高速運転時のトルクを確
保するために入力電力を増加すると、低速領域で過大な
トルクが発生されて振動や騒音の原因となる。
【0020】このような不具合を解決するために、ステ
ッピングモータ1の構造から機械的に決まるステップ角
を、さらに電子回路により細かく分割してステッピング
モータ1の回転子の回転を滑らかに駆動する定電流チョ
ッパ方式によるマイクロステップ駆動と呼ばれる駆動方
法が行なわれている。ここで、2−2相励磁でバイポー
ラ駆動によりマイクロステップ駆動を行なった場合につ
いて説明する。
【0021】図14にはフルステップ駆動時とマイクロ
ステップ駆動時の巻線電流の変化の様子が示されてい
る。ステッピングモータ1のトルク角度特性が正弦波形
状であれば、図14のような正弦波の巻線電流を流すこ
とにより、トルク変動の少ない滑らかな回転が可能とな
る。この正弦波巻線電流は制御回路11により1周期を
複数に分割して形成される。図14は、1周期を40分
割した例であるが、基本ステップ角に対しては10分割
されたことになるので、分解能は10倍となる。なお、
分割数は任意に設定可能である。
【0022】また、従来のステッピングモータ1の駆動
方法においては、固定子6の各相を順次励磁するために
第1コイル8および第2コイル9へ流す励磁電流の切り
換えが、常に一定の時間の間隔をもって行なわれてい
た。これを2−2相励磁の場合を例にとって説明する
と、図15(縦軸を励磁電流、横軸を時間で示す)およ
び図16(縦軸を電圧、横軸を時間で示す)に示すよう
に、A相、B相、C相およびD相の各コイル8,9には
それぞれ一定の周期で方形波形状のパルス電圧が付与さ
れており、さらに、各相間におけるパルス電圧は、常に
相互に隣位する2相を同時に励磁するように、t1、t
2、t3、t4…の時間経過ごとにずらして切り換えら
れ、この切り換える間隔は、例えばt1=t2=t3=
t4=…=tN=1msのごとく一定の周期で繰り返さ
れていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前記ステッピ
ングモータ1は、理論上、コイル8,9の巻回された各
相間における電磁力の大きさの差はなく、また、固定子
6の位置間隔も同一であり、前記回転子7が各相から吸
引力あるいは反発力を受けて順次回転していく速度は一
定であるとの前提の下に使用されている。
【0024】しかしながら、実際のステッピングモータ
1は、固定子6の各相に巻回した第1コイル8および第
2コイル9の巻数やその抵抗値の相違により各相間の電
磁力が相違していたり、また、各相の位置間隔は必ずし
も一定ではなく大小の差が生じている場合がある。この
ような各相における電磁力や間隔等の差があるにも拘ら
ず、従来のステッピングモータ1の駆動方法では、各相
に付与する電圧(励磁電流)をすべて同一の時間間隔で
ずらして切り換えていたため、図17および図18に示
すように、各相へ順次移動する回転子7の回転速度に差
が生じてしまっていた。
【0025】ここで、図17は横軸を時間としたときの
速度変動のグラフを示しており、図18は横軸を周波数
としたときの速度変動のグラフを示している。この例で
は、回転子7がA相およびC相へ吸引および反発される
ときに回転速度が大きくなり、B相およびD相へ吸引お
よび反発されるときの回転速度は小さくなる傾向を示し
ており、駆動周期(通電時間t)の2倍の周期で速度変
動が生じている。また、これらをフーリエ変換して駆動
周波数として図14に示すと、この駆動周波数の1/2
の周波数の位置に速度振幅のピークが現われる。
【0026】このようなステッピングモータ1の速度変
動はキャリッジの駆動等に影響を及ぼし、特に、駆動周
期の2倍の周期で生じる速度変動の影響は顕著に現われ
てしまう。すなわち、この駆動周期の2倍の周期で生じ
る速度変動は、例えば、キャリッジの駆動速度の変動に
つながって画像の濃淡ムラとして生じたり、あるいはス
テッピングモータ1が紙送りモータとして使用される場
合には紙送り精度誤差を低下させたり、スキャナの画像
読み込み駆動モータとして使用される場合には読み込み
精度誤差に影響を及ぼしてしまっていた。
【0027】本発明は、このような従来のものにおける
問題点を克服し、固定子の各相間における電磁力の大き
さの差や各相の位置間隔の差等に基づいて生じる駆動周
期の2倍の周期の速度変動を防止できるステッピングモ
ータの駆動方法を提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1に
記載のステッピングモータの駆動方法の特徴は、回転子
が各相へ回転する際の最大速度が各相間で一定となるよ
うに、励磁電流をマイクロステップ駆動による三角波電
流で形成するとともに、励磁電流が最小値から最大値に
達するまでの時間と最大値から最小値に達するまでの時
間とを異ならせるとともに、これらの時間を前記回転子
の最大速度が大きい相と最大速度が小さい相との間で反
対にして前記ステッピングモータに通電するようにした
点にある。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】このようにステッピングモータを駆動する
ことにより、駆動周期の2倍の周期で生じるステッピン
グモータの速度変動を抑えることができ、ステッピング
モータの駆動精度を向上させられる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るステッピング
モータの駆動方法の実施の形態について図面を用いて説
明する。
【0034】本実施形態のステッピングモータ1の駆動
方法は、前述したバイポーラ駆動回路により、チョッピ
ング駆動を前提としたものである。そして、本実施形態
においては、高速回転時には通常の1−2相励磁あるい
は2−2相励磁で駆動し、低速回転時は三角波電流を供
給するマイクロステップ駆動を行なうようにしたもので
ある。ここで、低速回転時とは、1ステップ当たりの駆
動パルス幅がそのモータの自起動周波数の3倍(約65
0マイクロ秒)から10ミリ秒の駆動時である。
【0035】そして、前記低速回転時に供給される電流
は、定電流チョッパ方式であるが、各分割時において、
図13に示す駆動回路において電流値が設定値になった
ときに、第1のトランジスタ25をOFFするが、この
状態において、第4のトランジスタ28がONの状態と
OFFの状態とを選択できるようにして、まず、供給電
流値が設定値になったとき、第1のトランジスタ25と
ともに第4のトランジスタ28もOFFにする。する
と、励磁電流は急激に減少(高速減衰)する。そして、
所定値(所定時間)まで減少したら、第4のトランジス
タ28をONにする。すると、励磁電流の減少は緩慢
(低速減衰)になる。そして、第2の設定値まで電流値
が減少(所定時間経過)すると、再度第1のトランジス
タ25をONにし、電流値を増加させる。設定値まで電
流値が増加すると、第1のトランジスタ25および第4
のトランジスタ28に対して前述した制御を行なう。こ
の制御を複数回繰り返して、1つの分割時でのチョッピ
ング動作の制御とする。
【0036】このようにして制御したときに得られる電
流波形が図1に示されている。この制御を各分割時にお
いて繰り返すことにより、励磁電流は歪みやリップルの
ない滑らかな波形となり、ステッピングモータ1の発熱
を抑えることができるとともに、ステッピングモータ1
の電力損失も小さく抑えることができるので、トルクの
ダウンもないし、また、ステッピングモータ1の回転子
7の回転も振動のない滑らかなものとなる。なお、この
トランジスタ25,28のON、OFFは制御回路11
のCPUにより制御される。
【0037】つぎに、制御回路11により、本実施形態
のマイクロステップ駆動を行なう場合におけるA相、B
相、C相およびD相の各相の第1コイル8または第2コ
イル9へ流す励磁電流について、以下の実施例1乃至実
施例3により説明する。なお、これらの実施例は2−2
相励磁で駆動する場合を例としている。
【0038】まず、実施例1について図2乃至図5によ
り説明する。実施例1の励磁電流は、A相、B相、C相
およびD相の各相の第1コイル8および第2コイル9へ
通電する三角波電流であって、各相における切り換えタ
イミングをずらして流すようにされている。
【0039】そして、図2は第1コイル8および第2コ
イル9に供給する励磁電流の切り換えタイミングを示し
ており、図3はこの励磁電流を供給する際の電圧を示し
ている。第1コイル8は、前述のごとく、固定子6のA
相とC相とに巻回しているコイルであり、第2コイル9
は、B相とD相とに巻回しているコイルである。したが
って、A相とC相あるいはB相とD相とは常に相反する
磁極の関係にあり、一方がN極に励磁されれば他方はS
極に励磁され、一方がS極に励磁されていれば他方はN
極に励磁されていることとなる。図2中の励磁電流が正
方向から負方向へ変換されるときには、A相とC相、あ
るいはB相とD相とにかかる励磁(電磁力)の方向が変
換される。
【0040】図2および図3に示すように、各相の第1
コイル8および第2コイル9へ供給する励磁電流および
電圧の切り換えタイミングが、各相の相互間で調整され
ており、回転子7の各相における最大速度が一定となる
ように補正されている。
【0041】より具体的には、本実施例1の励磁電流お
よび電圧は、三角波電流および三角波電圧に形成されて
いるとともに、第1コイル8への通電(印加)に対して
第2コイル9への通電(印加)のタイミングをずらして
おり、この結果、A相への通電(印加)に対してB相へ
の通電(印加)開始のタイミングがずれるようにされて
いる。すなわち、A相へ最大電流(最大電圧)が加えら
れる時よりも遅くにB相の励磁電流(電圧)が0A(0
V)とされ、A相の電圧が0A(0V)となる時よりも
遅くにB相へ最大電流(最大電圧)が加えられるように
制御される。この関係は、C相とD相との関係でも同様
となっている。
【0042】以上のA相とB相との通電(印加)タイミ
ングは、実際の速度変動を測定して回転子7の各相間に
おける最大速度が一定となるようにずらされる。そし
て、前記回転子7が各相へ回転する際の最大速度が異な
るのは、前述したように、各相に生じる吸引または反発
する電磁力の大きさの相違や各相の位置間隔の相違等に
よるため、ステッピングモータ1ごとにそれぞれ異な
る。したがって、前記通電(印加)タイミングのずれ
は、各ステッピングモータ1の固有のものである。
【0043】このように実施例1により制御した励磁電
流に基づいてステッピングモータ1を駆動した場合の前
記固定子6の各相における速度変動を図4および図5に
示す。図5は横軸を時間としたときの速度変動のグラフ
を示し、図5は横軸を周波数としたときの速度変動のグ
ラフを示している。図4に示すように、A相、B相、C
相およびD相の各相における速度変動の振幅は同一の振
幅となっており、従来のような駆動周期の2倍の周期で
速度変動が生じることはない。また、図5に示すよう
に、周波数のピークも1つのピークのみ現われており、
従来のような2つのピークに分れて現われることはな
い。
【0044】したがって、このように各相に流す励磁電
流を切り換えるタイミングを制御すれば、固定子6の各
相における電磁力の差や各相の位置間隔の差等に基づく
ステッピングモータ1の速度変動を防止でき、画像の濃
淡ムラをなくし、紙送り精度およびスキャナの読み取り
精度を向上させることができる。
【0045】つぎに、A相、B相、C相およびD相の各
相の第1コイル8および第2コイル9へ流す励磁電流の
実施例2について説明する。
【0046】本実施例2の励磁電流は、A相、B相、C
相およびD相の第1コイル8あるいは第2コイル9へ通
電する三角波電流であって、この励磁電流の最小値から
最大値に達するまでの時間と最大値から最小値に達する
までの時間とを異ならせるとともに、これらの時間を前
記回転子の最大速度が大きい相と前記回転子の最大速度
が小さい相との間で反対にして通電するようにされてい
る。
【0047】図6は第1コイル8あるいは第2コイル9
に供給する励磁電流を示しており、また、図7はそのと
きの電圧を示している。これらの図に示すように、A相
とC相に巻回された第1コイル8に供給する励磁電流お
よび電圧の供給時間は、0A(0V)から最大電流(最
大電圧)に到達するまでの時間が長くされ、逆に電圧が
0A(0V)に下降するまでの時間が短くされている。
これは、図6および図7中では励磁電流(電圧)の上昇
と下降の際のグラフの傾きが相違し三角波電流(電圧)
の波形が非対称三角波となって表れる。
【0048】一方、B相とD相とに巻回された第2コイ
ル9へ供給する励磁電流(電圧)は、第1コイル9へ加
える励磁電流(電圧)が反転された非対称三角波とされ
る。すなわち、0A(0V)から最大電流(最大電圧)
に到達するまでの時間が短くされ、0A(0V)の励磁
電流(電圧)に下降するまでの時間が長くなるようにさ
れている。
【0049】このような0A(0V)から最大電流(最
大電圧)に達するまでの時間、あるいは、最大電流(最
大電圧)から0A(0V)へと下降するまでの時間は、
各相間に生じる駆動周期の2倍の速度変動を相殺するよ
うに配分される。したがって、かかる時間は、個々のス
テッピングモータ1の有する固定子6の各相間の電磁力
の大きさの相違や各相(磁極)間の距離の差等によって
異なり、その都度設定されるものである。
【0050】このように本実施例2の励磁電流に基づい
てステッピングモータ1を駆動すれば、前記固定子6の
各相における速度変動は、実施例1で示した図4のグラ
フのごとく、駆動周期と同一周期で同一の振幅を有する
こととなり、従来のような駆動周期の2倍の周期で速度
変動が生じることはない。また、図5に示すように、周
波数のピークも1つのピークのみ現われ、従来のような
2つのピークに分れて現われることはない。
【0051】つぎに、実施例3の励磁電流について図8
および図9を参照しつつ説明する。
【0052】実施例3の励磁電流は、A相およびC相の
第1コイル8またはC相およびD相の第2コイル8に供
給する三角波電流であって、各相間における最大電流の
大きさに差を生じるような電流である。具体的には、前
記回転子7の最大速度が小さい相に巻回したコイル8,
9に流す最大電流が、前記回転子7の最大速度が大きい
相に巻回したコイル8,9に流す最大電流よりも大きく
なるようにする。
【0053】ここで、図8および図9を参照すると、図
8は時間に対する励磁電流の関係を示しており、図9は
このときの電圧の関係を示している。従来技術の説明で
示した図17の速度変動のグラフでは、A相およびC相
における最大速度がB相およびD相における最大速度に
比較して大きくなっていたため、本実施例3では、これ
らの速度差を相殺すべく、第1コイル8に供給する最大
電流Ia(最大電圧Va)よりも第2コイル9に供給す
る最大電流Ib(最大電圧Vb)を大きくしてステッピ
ングモータを駆動する。
【0054】このように実施例3の励磁電流に基づいて
ステッピングモータ1を駆動すれば、実施例1および実
施例2と同様に、前記固定子6の各相における速度変動
が駆動周期と同一の周期のときに限ってピークが生じ、
各ピークは同一の大きさを有することとなり、従来のよ
うな駆動周期の2倍の周期で速度変動が生じることはな
い。
【0055】なお、本実施形態においては、高速回転さ
せる場合でも、その加速度領域においては前述した定電
流チョッパ方式でマイクロステップ駆動により三角波電
流を供給するようにすれば振動などの防止に大きな効果
がある。また、2−2相励磁駆動に限らず、1−2相励
磁等の場合であっても同様の効果を奏する。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、固定子の
各相における電磁力の大きさの差や各相の位置間隔の差
等に基づいて生じる駆動周期の2倍の周期のステッピン
グモータの速度変動を防止でき、記録画像の濃淡ムラを
なくし、紙送り精度およびスキャナの読み取り精度を向
上させることができる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のステッピングモータの駆動方法の実
施の形態による励磁電流の波形図
【図2】 本実施形態における各相に流す励磁電流の実
施例1についての説明図
【図3】 図2で示す励磁電流を流す際の電圧の説明図
【図4】 本発明のステッピングモータの駆動方法の実
施の形態における固定子の速度変動を示す説明図
【図5】 本発明のステッピングモータの駆動方法の実
施の形態における周波数に対する固定子の速度変動を示
す説明図
【図6】 本実施形態における各相に流す励磁電流の実
施例2についての説明図
【図7】 図6で示す励磁電流を流す際の電圧の説明図
【図8】 本実施形態における各相に流す励磁電流の実
施例3についての説明図
【図9】 図8で示す励磁電流を流す際の電圧の説明図
【図10】 ステッピングモータの構造を説明するため
の原理図
【図11】 ステッピングモータのドライバを表わすブ
ロック図
【図12】 ユニポーラ方式のステッピングモータの駆
動回路
【図13】 バイポーラ方式のステッピングモータの駆
動回路
【図14】 フルステップ駆動時とマイクロステップ駆
動時における励磁電流の変化を説明するための説明図
【図15】 従来のステッピングモータの駆動方法にお
いて流す方形波形状の励磁電流を示す説明図
【図16】 図15の励磁電流を流す際の方形波形状の
電圧を示す説明図
【図17】 従来のステッピングモータの駆動方法にお
ける固定子の速度変動を示す説明図
【図18】 従来のステッピングモータの駆動方法にお
ける周波数に対する固定子の速度変動を示す説明図
【符号の説明】
1 ステッピングモータ 2,3,4,5 磁極(相) 6 固定子 7 回転子 8 第1コイル 9 第2コイル 10 ドライバ 11 制御回路 12 駆動回路 13 電源 21,22,23,24,25,26,27,28 ト
ランジスタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−178198(JP,A) 特開 平1−170397(JP,A) 特開 平4−308497(JP,A) 特開 平5−137396(JP,A) 特開 平3−103095(JP,A) 実開 昭60−132199(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 8/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを巻回した複数の相を有する固定
    子を回転子の周囲に配設し、前記コイルに励磁電流を流
    すことによって前記回転子と前記固定子との間に吸引ま
    たは反発する電磁力を発生させるとともに、各相に流す
    励磁電流を順次切り換えることにより前記電磁力を切り
    換えて前記回転子を回転させるステッピングモータの駆
    動方法であって、前記励磁電流をマイクロステップ駆動
    による三角波電流で形成し、かつ、前記回転子の最大速
    度が各相において一定となるように、前記励磁電流が最
    小値から最大値に達するまでの時間と最大値から最小値
    に達するまでの時間とを異ならせるとともに、これらの
    時間を前記回転子の最大速度が大きい相と前記回転子の
    最大速度が小さい相との間で反対にして前記ステッピン
    グモータに通電するようにしたことを特徴とするステッ
    ピングモータの駆動方法。
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