JP3329514B2 - X線ctにおける散乱線の補正方法及びx線ct装置 - Google Patents
X線ctにおける散乱線の補正方法及びx線ct装置Info
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Description
散乱に起因する非線形の影響を補正するX線散乱線補正
を伴うX線CTにおける散乱線の補正方法及びX線CT
装置に関する。
透過したX線を検出器で検出し、これを360°にわた
って行って、画像再構成して断層像を得る装置である。
検査対象を通過する間に減衰を受けると同時に次に示す
ような散乱を受ける。 1.第1の発生のメカニズムは光電効果を原因とする減
弱によるもので、物質の原子番号の大きい程、また入射
フォトンのエネルギーの大きい程起り易い。このような
相互作用においては、入力フォトンが消滅し、または極
めて稀に被検査対象内に軟X線が発生することがある。 2.第2の発生のメカニズムはコヒーレント散乱と呼ば
れるもので、カルシウム様の鉱物質の存在によって生ず
る。 3.第3の発生のメカニズムはコンプトン散乱と呼ば
れ、高エネルギーのフォトンの場合に生じ、照射X線が
散乱される場合、散乱されたX線の波長は長くなる。従
って入射X線との間に干渉は起らない。
に非線形の影響を及ぼし、特に低カウントの領域で誤差
が大きくなる。この影響で硬い部分に囲まれた内側の軟
らかい部分が黒くなったり、内側の軟らかい部分のCT
値がばらついたりすることが生じる。これにより、CT
画像の再構成演算を一層複雑にしてしまう。
乱の影響の防止を検出器によって行おうとすると、検出
器で散乱線を拾わないように検出器の各チャネル間をX
線吸収係数の高い電極板で完全に仕切る必要がある。こ
の仕切りによって散乱線を完全に遮断するのには限度が
ある。
いて図7、図8を参照して検討する。図7は絶縁物1を
挾んで両面に信号電極2を設けた検出器の電極配置を示
す図である。信号電極2は絶縁物1の両側に例えばメタ
ライズ等の方法により設けられている。しかし、この検
出器では信号電極2と対向するバイアス電極3との間が
単位チャネルとなる。
互に配列された検出器を示している。散乱線の検出器に
対する影響は検出器のピッチを小さくすれば小さくなる
ため、図7の両面タイプの電極板の構成より信号電極2
とバイアス電極3とが交互に配列されている図8のタイ
プの方が有利になる。併し、両面タイプの方は交互配列
タイプに比べて必要な電極板数は半分ですむ上、例えば
2mm程度の間隔で配置すればよく製作は容易であるが、
交互配列のタイプの検出器の製造は困難である。
響を除くのは、その構成が均一なファントムを用いる場
合でさえ複雑な計算が必要となり、実際に測定しようと
する被検査対象について計算で求めようとするのは困難
であると考えられていた。
平4−170942号に係る特許出願において簡易な計
算により散乱線の量を推定し、その補正を行うX線散乱
線の補正方法を提案している。
象の形態によっては散乱線の補正量が大きくなりすぎ、
アーティファクトが発生しやすいという問題を有してい
た。本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目
的は、散乱線の影響を被検査対象に応じて適正に除去す
ることができるX線CTにおける散乱線の補正方法及び
X線CT装置を実現することである。
象を透過した生データからミニマムチャネルデータを各
ビュー毎に求め、被検査対象の投影面積と、各ビュー毎
のミニマムチャネルデータを参照してX線のビュー毎の
散乱線量を推定する第一の工程と、第一の工程により推
定されたX線の散乱線量を用いて、被検査対象の生デー
タのX線の散乱線補正を行い、補正射影データを求める
第二の工程とを有するX線CTにおける散乱線の補正方
法により解決される。
散乱線定数を各ビュー毎に求めるようにすることで、各
ビューの被検査対象の状況に応じた散乱線定数を求める
ことができるようになる。従って、散乱線の影響が被検
査対象に応じて適切に除去される。
に説明する。図2は本発明方法を実施するための装置の
ブロック図である。この図2において、ガントリ11は
テーブル12に載置した被検査対象13を収容する中空
部を備え、このガントリ11には被検査対象13の周囲
を360°にわたって回転するX線発生源14と検出器
15とが被検査対象13を中心とする対向位置に設けら
れている。レファレンスチャネル16は検出器15の両
端に位置し、被検査対象13を透過しないX線を検出し
て、X線強度の変動等のデータを採取して、被検査対象
13を透過したX線データを補正してX線強度補正を行
う。
れたX線データを収集して増幅し、積分した後AD変換
を行いデータ処理装置18にデータを送る。データ処理
装置18はデータ収集装置17からの入力データに対
し、リファレンスチャネル16からのデータに基づきX
線強度補正を行い、更に、対数変換、ビームハードニン
グ補正(BH補正)等の各種補正処理を行い、補正され
たデータに画像再構成処理を施す等のデータ処理を行
う。テーブル・ガントリ制御装置19はテーブル12の
位置の制御、ガントリ11の姿勢制御、運動の制御を行
う。X線発生制御装置20はX線発生源14によるX線
の発生の制御を行う。撮影制御装置21はオペレータと
のコミュニケーションを行い、データ処理装置18の動
作を制御し、テーブル・ガントリ制御装置19及びX線
発生制御装置20の動作を制御する等断層像撮影に関す
る統一的な制御を行う。画像表示装置22は画像再構成
されたイメージデータを画像として表示する。
おける散乱線の補正方法の手順を示す説明図である。こ
こで、図2の装置の動作と併せて散乱線補正手順を説明
する。始めにガントリ11の被検査対象13を収容する
部分に何も置かない状態にして空気データ採取を行う。
出器15のデータを取り、データ収集装置17を経てデ
ータ処理装置18でデータを処理する。これはデータ収
集装置17のオフセットデータを取ることに相当し、以
後の測定によるデータのオフセット補正データとする。
X線発生源14からX線を照射させ、リファレンスチャ
ネル16からのデータをデータ収集装置17で増幅し、
ディジタル信号に変換後データ処理装置18でX線強度
補正データとする。X線照射により得られた空気データ
はオフセット補正手順31において前記オフセットデー
タによりデータ収集装置17によるオフセットが補正さ
れ、X線強度補正手順32においてX線強度補正を行う
ことによりX線強度が補正される。この補正は強度補正
用データの平均値ref (AIRi)を利用して補正する。平
均化手順33は、各ビューにわたってデータを平均し、
ノイズの影響を少なくした各チャネルのデータAIRi′を
出力する。散乱線定数計算手順34は、空気データが受
ける散乱線定数CA を求める。ここで、散乱線定数CA
は次式によって求められる。
データのX線強度の最小値(1回転中における最小値)
であり、f(SQ) は異なる水ファントムのスキャンにおけ
る測定データにより求めたプロジェクション面積SQとX
線強度データの最小値(センタチャネル)に対する散乱
線データの比f の関係を求めた関数である。
トムを置いてX線を照射してデータを取る。このデータ
はオフセット補正手順41において、先に得られたデー
タ収集装置17のオフセットを差し引くことによりオフ
セット補正される。
されたデータはX線強度補正手順42でリファレンスチ
ャネル16からのデータによりX線強度の変動によるデ
ータの変動が補正される。この時の強度補正用データの
平均値をデータref (WTRi)として計算する。
手順43で各ビューにわたって平均化されてWTRiが出力
される。散乱線定数計算手順44はオフセット補正手順
41からの出力IOWが入力されて次式の計算により水フ
ァントムの散乱線定数CW が求められる。
ァントムデータのX線強度の最小値である。
次式の計算により水ファントムの散乱データの補正され
た射影データPWTRiφ及びPWTRi′を求める。
して補正した射影データ、PWTRi′…水ファントムデ
ータの散乱補正を行った射影データで散乱補正により生
じる高域の誤差を取り除いたデータ、WTRi′…水ファン
トムの平均化データ(i チャネル)のX線強度補正済デ
ータ、AIRi′…空気の平均化データ(i チャネル)のX
線強度補正済データ、Lpf …チャネル方向に低域濾波
器を掛けて高域を除く演算である。
H補正手段46によりデータ処理装置18においてビー
ムハードニングによる影響を補正される。次に被検査対
象についての散乱線定数Cj を求める。本発明では、各
ビュー毎のミニマムチャネルデータをもとに散乱線量を
推定することを特徴とする。
容してX線発生源14からX線を照射させる。検出器1
5で検出されたデータはデータ収集装置17で収集さ
れ、データ処理装置18で各種補正を施される。
の図1では、1ビューデータとjビューデータの処理が
わかるように、1ビューの処理手順とjビューの処理手
順の2系統を示している。
1でオフセット補正される。更にオフセット補正された
データI ijは、X線強度補正手順52でリファレン
スチャネル16のデータにより補正されて各チャンネル
毎の投影データI ij′となって出力される。
Projij=−log I ij′を,全チャネルに
わたって積分することにより得られる面積SQをSQ算
出手順53で求める。尚、この面積SQは全てのビュー
において一定であるので、第1ビューでの値を用いる。
従って、iについて以下の式を実行する。
値)に対する散乱線データの比f(SQ) をf(SQ) 算出手順
54により求める。
帰曲線の定数である。一方、ミニマムチャネルデータ計
算手順55,65が各ビューのミニマムチャネルデータ
を求める。ここでは、ノイズの影響を抑えるために、以
下の式に示すように、複数(Mw)のチャネルの平均をと
り、以下の式に示す平均値の最小値をミニマムチャネル
データとして採用する。
チャネル数である。これより、散乱線データ補正手順5
6,66内で次式を用いて被検査対象の散乱線定数Cj
を各ビュー毎に求めるようにする。
もとにして各ビューにおける散乱線定数Cj を求めるよ
うにすることで、骨の多少にかかわらず、適正な散乱線
定数が求められる。
のデータは各ビューにわたって平均してref (Iij)と
して保存する。散乱データ補正射影データ計算手順45
では、CA ,ref (AIRi),AIRi′,Cj ,ref
(Iij)及びIij′から次式の計算により散乱データの
補正がなされた射影データPij′が求められる。
ータ、Pij′はiチャネルjビューの射影データであ
る。この射影データはPij′は対数化手順57,67で
対数(−log)化され、BH補正手順58,68でビ
ームハードニングによる影響を補正され、減算器59に
入力される。減算器59,69では(9)式のPij′か
ら(4)式のPWTRi′が減算されて次式の射影データ
が得られる。
基準としたデータで、水は被検査対象のX線吸収率に略
近いため、この演算は被検査対象に近い分布のデータと
するために行われるものである。
算手順71において演算されて画像再構成されて、イメ
ージ72となって画像表示装置22に表示される。図3
はデータ処理装置18の主要部の概略構成を示す構成ブ
ロック図である。既に説明した図1では計算手順を中心
に説明しているので、この図3とは一部重複する部分も
あるが、ここでは構成を中心に説明する。このデータ処
理装置18では上記の各種演算を行なっており、この図
3ではCA ,ref (AIRi),Cj ,ref (Iij)及びI
ij′から上式の計算により散乱データの補正がなされた
射影データPij′を求める部分の構成を示している。す
なわち、データ処理装置18は、投影面積SQを求める投
影面積計算手段18a,ミニマムチャネルデータを取得
するミニマムチャネルデータ取得手段18b,散乱線定
数Cj を求める散乱線定数計算手段18c,そして
CA ,Cj ,ref (Iij)及びIij′から上式の計算に
より散乱データの補正がなされた射影データPij′を求
める散乱線データ補正手段18dから構成されている。
のアーティファクトに対しても有効な補正効果があると
共に、骨の多い部位でも適正な散乱線の推定を行うこと
が可能になり、悪影響が生じない散乱線補正を行なえる
X線CTにおける散乱線の補正方法を実現することがで
きる。
おける散乱線の補正方法の手順を示すブロック図であ
る。ここで、図1と同一の部分については同一番号を付
してあり、再度の説明を省略する。
フセット補正手順51でオフセット補正される。更にオ
フセット補正されたデータは、X線強度補正手順52で
リファレンスチャネル16のデータにより補正されて各
チャンネル毎の投影データIij′となって出力され
る。
ば、 CS =F(SQ) = b0 + b1 *SQ+ b2 *SQ2 ………(11) により被検査対象の散乱線定数CS を求める。但し、F
(SQ) は異なる水ファントムにおける散乱線量F とプロ
ジェクション面積SQの測定データから求めた回帰曲線で
ある。
手順により散乱線定数CS の補正を行い、各ビューの各
チャネル毎に補正済散乱線定数Cij′を求める。Iij′
>D0 の場合、 Cij′=CS ………(12) Iij′≦D0 の場合、 Cij′=(Iij′/D0 )*CS ………(13) ここで、D0 は各種の測定より得た一定値を用いる。従
って、図5に示すように、Iij′が一定値D0 より小さ
い場合にのみCij′の値がIij′に応じて減少するよう
な補正がなされる。この補正は、ルックアップテーブル
などにより構成することができ、複雑な計算を必要とし
ないために補正処理も瞬時に行われる。尚、この散乱線
定数補正手順84による散乱線定数CS 補正ルーチンは
図6に示すようになっており、判定(図6ステップ)
の後に、判定結果に応じてCij′の補正(図6ステップ
)が行われる。
順85では、F(SQ) より求めたCA,ref (AIRi),C
ij′,ref (Iij)及びIij′から次式により散乱デー
タの補正がなされた射影データPij′が求められる。
6でビームハードニングによる影響を補正され、減算器
87に入力される。減算器87では(9)式のPij′か
ら(4)式のPWTRi′が減算されて式により射影デー
タPij" が得られる。
場合に、係数(Iij′/D0 )を用いてCS を補正する
ことにより、軟らかい部分の回りに硬い部分がどのよう
に配置された被検査対象であっても、補正過剰になるこ
となく適正な散乱線の推定を行うことが可能になり、悪
影響が生じないX線CTにおける散乱線の補正方法を実
現することができる。
ば、各ビューのミニマムチャンネルデータを参照して散
乱線定数を各ビュー毎に求めるようにすることで、各ビ
ューの被検査対象の状況に応じた散乱線定数を求めるこ
とができるようになる。また、各ビューの各チャンネル
のデータに応じて散乱線定数自体を補正することで、生
データの値が小さいような場合にも適切な散乱線補正が
行なえるようになる。従って、散乱線の影響を被検査対
象に応じて適切に除去することが可能なX線CTにおけ
る散乱線の補正方法及びX線CT装置を実現できる。
である。
図である。
である。
明図である。
である。
チャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】 X線CTにおいて生ずる散乱線の影響を
補正するX線CTにおける散乱線の補正方法であって、 下記式の計算を行うことにより前記散乱線の影響を補正
することを特徴とするX線CTにおける散乱線の補正方
法。 記 ここで、iはチャンネルの番号、jはビューの番号、P
ij”は散乱線補正が行われたX線CTにおける被検査
対象の射影データ、ref(Iij)はレファレンスチ
ャンネルにおける被検査対象の射影データ、Iij’は
被検査対象のX線強度補正済み射影データ、ref(W
TRi)はレファレンスチャンネルにおける水ファント
ムの平均化した射影データ、WTRi’ は水ファント
ムのデータを平均化したX線強度補正済み射影データ、
Cjは被検査対象の散乱線定数、Cwは水ファントムの
散乱線定数、Lpfはチャンネル方向に低域濾波する演
算、をそれぞれ示す。 - 【請求項2】 X線CTにおいて生ずる散乱線の影響を
補正するX線CT装置であって、 請求項1のX線CTにおける散乱線の補正方法を実行す
る手段を有することを特徴とするX線CT装置。 - 【請求項3】 X線CTにおいて生ずる散乱線の影響を
補正するX線CTにおける散乱線の補正方法であって、 下記式の計算を行うことにより前記散乱線の影響を補正
することを特徴とするX線CTにおける散乱線の補正方
法。 記 ここで、iはチャンネルの番号、jはビューの番号、P
ij”は散乱線補正が行われたX線CTにおける被検査
対象の射影データ、ref(Iij)はレファレンスチ
ャンネルにおける被検査対象の射影データ、Iij’は
被検査対象のX線強度補正済み射影データ、ref(W
TRi)はレファレンスチャンネルにおける水ファント
ムの平均化した射影データ、WTRi’ は水ファント
ムのデータを平均化したX線強度補正済み射影データ、
Cijは被検査対象の散乱線定数、Cwは水ファントム
の散乱線定数、Lpfはチャンネル方向に低域濾波する
演算、をそれぞれ示す。 - 【請求項4】 X線CTにおいて生ずる散乱線の影響を
補正するX線CT装置であって、 請求項3のX線CTにおける散乱線の補正方法を実行す
る手段を有することを特徴とするX線CT装置。
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JP10922893A JP3329514B2 (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | X線ctにおける散乱線の補正方法及びx線ct装置 |
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1993
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